FFDQバトルロワイヤル PART4

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58保管庫
日が完全に落ちるには、まだ少し時間がありそうだった。
紅の空に浮かび上がった白い月が、太陽を追うように山の線の向こうに沈んでいく。
それをミレーユは森の中で、声を潜めながら見ていた。

占いに出てきた人物は確かにこの森近くにいるはずだった。
中に分け入りしばらく散策して、出会いの時を今か今かと待ち続けたが、結局誰も現われなかった。
それとも行き違いになったのだろうか。
もう一度占ってみようとしたが、何故か気が落ち着かず集中力が沸かなかった。
少し間を置いて何度か実行を試みても、やはりダメだった。
病み上がりの時のような気だるさが全身を襲い、気が削がれてしまうのだ。

自分のセンスを疑い出しため息をついた。
いい加減、別の場所を探そうと森を抜けようとしたそのとき。
背筋に悪寒が走り体が思わず反転した。
木の陰からそっと外を覗ってみると、南の方から歩いてくる者が見えた。
長身で銀髪をした精悍な男だった。
自分にはない強靭な精神力で雪原を踏み鳴らし、真正面のみを見据えながら北へ歩いていった。

男が一歩進むたびに、周りの空気が膨張して破裂しそうだった。
ミレーユが隠れ蓑にしている木も連動して震えていた。
残された足跡にさえも抑えきれんばかりの衝動が注ぎ込まれているようで、ミレーユは圧倒された。


ミレーユは大きな吐息をついた。今度は心からの安堵のために。
誰もいなくなったことを確認すると、森から出て男が向かっていった方を見つめた。
日はほとんど沈みかけていたが雪明りで思ったより遠くまで見えた。
あの先は間違いなく嵐だろうと予感して、ミレーユは肩をすくめた。

【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル・妖剣かまいたち・小型のミスリルシールド・ 現在位置:ロンダルキア東部の森 行動方針:占いで見た人に会う(ロック、エリア)】
【セフィロス:所持武器:正宗 現在位置:ロンダルキア東部の森→祠の方へ向かう
 行動方針:全員殺す・勝ち残る】