そうごうざつだんスレッド509ばんめ。

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216名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/25 19:02 ID:lp/dCVgD
ベッドに潜り込もうとしたところで、オレは一考する。
このまま安易に床につくのも癪だな…。
今朝はあんな起こされ方をされたわけだし、ここは仕返しとしてオレも長森の奴を驚かしてやろう。
■ベッドの下で眠る
■机の下で眠る
■クローゼットの中で眠る
222名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/25 19:02 ID:lp/dCVgD
よし、机の下で眠ってやるか。
今朝みたく布団を剥がれても、オレはいないのだ。
消灯の後、勉強机の下にオレは潜り込み、体を丸める。そして周到に、椅子もぎりぎりまで引いておく。
浩平「………」
かなり無理のある恰好だったが、眠るのに差し支えない。
………。
……。
…。
235名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/25 19:03 ID:lp/dCVgD
どこまでもつづく海を見たことがある。
どうしてあれは、あんなにも心に触れてくるのだろう。
そのまっただ中に放り出された自分を想像してみる。
手をのばそうとも掴めるものはない。
あがこうとも、触れるものもない。
四肢をのばしても、何にも届かない。
水平線しかない、世界。
そう、そこは確かにもうひとつの世界だった。
そしてその世界には、向かえる場所もなく、訪れる時間もない。
でもそれは絶望ではなかった。
あれこそが永遠を知った、最初の瞬間だった。
大海原に投げ出されたとき、ぼくは永遠を感じる。
だからぼくは、小さな浜辺から見える、遠く水平線に思いを馳せたものだった。
244名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/25 19:03 ID:lp/dCVgD
虚無…。
意志を閉ざして、永遠に大海原に浮かぶぼくは、虚無のそんざいだった。
あって、ない。
でもそこへ、いつしかぼくは旅だっていたのだ。
夕日に赤く染まる世界。
静止した世界。
べつに光景が止まっているわけじゃない。
光は動いているし、バイクの加速してゆくエンジン音だって聞こえる。
静止していたのは、それを見ている自分の世界だった。
真夜中、誰もが寝静まった中、遠くに犬の遠吠えや、バイクのエンジン音を聴くのに似ている。
そういうとき、ぼくは属する世界が違うという違和感を覚えるものだった。
聞こえるのだけど、そこにはたどり着けない。
永遠、たどり着けない。
どれだけ歩いていっても、あの赤く染まった世界にはたどり着けないのだ。
それがわかっていた。
そこには暖かな人々の生活がある。
でもそこにはたどり着けないのだ。ぼくは。