出来あがったらすぐに載せてくれるからじゃ?
>>25 26さんの言う意味での小出しなら、そういう時もあるし、単純に遅い時とがあります。
それとも、書き込み回数が多く、一回の書き込み量がとても少ないと言う意味なら・・理由は下記に。
・以前、長過ぎてエラーが出た嫌な経験より
・長い書き込みだと読みにくい気がした
・「。」はあっても、なかなか行区切をしない文が多めのため、それを一々区切り、行数が増えたため
等。
では続き。でもせっかくだから、たまには一回の書き込みでやってみよう
60
また、夢を見ていた。
暖かい、お姉ちゃんに抱きしめられてる夢。
幼い俺は抱かれながら、その小さな腕で(届かないくせに)エルお姉ちゃんを抱き返してるつもりだった。
守られてるだけの、カヨワイ存在。それがその時の俺だった。
けれど、心ではずっと思っていた。この人を守りたいと・・・
チチッという、目を覚ますには少し弱い、時計の音。しかしその時の俺には充分だった。
目を開く、しかし既に俺は状況を思い出していた。
(エルオーネがガーデンに現われ、サイファーを連れ戻すのを手伝うことになった。そして今頃はまだ、デリングシティにいるというサイファーに追いつくため、俺は早朝に起床し、すぐにここを発たなくてはならなかった)
そこまで思い出した瞬間、ふと身体に温もりを感じて、その元を見る。
その瞬間、言葉にする作業が全く追いつかないほど、とてつもない速さで深夜の事が頭に戻ってくる。
・・・その時の、抑えられないほどの、愛しい気持ちも一緒に・・・とても鮮明に。
俺はその小さく開いた唇にキスし、その華奢な身体を抱きしめた。
【王都守備軍司令アグリアス・オークス】
ガリオンヌが骸騎士団に完全制圧される数週間前。
王都ルザリアの王国議会では迫り来る骸騎士団の本隊を前に慌てふためいていた。
オルランドゥ率いる南天騎士団が王都の救出に向かっているという報告は受けていたが
骸騎士団の進軍スピードは予想以上に速く、南天騎士団より早くに到着しそうだった。
しかもやってくるのは恨みのこもった無法者の集団である。
王室や議会に対して敬意ある処置を施すとは思えない。
それどころか彼らの評判をそのままに受け止めるならば
骸騎士団はルザリアの街をほしいままに蹂躙し、略奪の限りを尽くすだろう。
なんとしても南天騎士団の到着まで骸騎士団をくい止めなければならない。
しかし、ルザリアの王都防衛軍は非常に弱体だった。
北天騎士団の3分の1の兵力にも満たない上、
実戦経験のない弱兵によって編成され、将官も身分とプライドばかりが高い無能ぞろいだった。
しかし、そんな中でも王家直属の聖近衛騎士団は一際輝きを放っていた。
近衛騎士団は実力を伴った精鋭と知られ、不安定な王家を支える大きな柱であった。
そして最近その指揮官に就任したアグリアス・オークスは、
ルザリアに残った将官の中では最も有能な軍人として知られていた。
もし彼女が女性でなく男であったならば、
北と南の両騎士団を統率する総司令官に任命されていたに違いないと噂されていたほどだった。
元老院はこの国難にあって彼女に目を付けた。
アグリアスをルザリア防衛軍総司令に任命し、骸騎士団の攻撃から王都を守るよう命令を下したのだ。
これは通常から考えれば驚くべき抜擢人事であった。
確かにアグリアスは騎士として遜色のない名声を受けていたが、
それでも今までは一介の騎士団員に過ぎなかった。
聖近衛騎士団の指揮官に任ぜられたのもつい最近に過ぎない。
それが今や王国の防衛軍の指揮をゆだねられることになるとは。
アグリアス自身、驚かずにはいられなかったが、
ルザリアの人材不足を考えれば決して無茶な人事というわけでもないことも理解していた。
だが、現実に目を向ければこの防衛戦がいかに困難に満ちているかもはっきりしている。
ウィーグラフの骸騎士団はすでにガリオンヌでラーグ軍の主力を撃破し、
いくらかをジークデン砦の攻略に分割しているとはいえ、その勢いは圧倒的である。
一方、聖近衛騎士団を核として再編成された王都防衛軍は数の上でも士気の上でも
骸騎士団に完全に劣っている。
南天騎士団が到着するまでの数日間とはいえ、果たして骸騎士団相手に持ちこたえられるだろうか。
アグリアスにはこのような不安が絶えずつきまとっていたが、
敵のルザリア侵入を許せば、
王家や貴族だけでなくルザリアの一般民衆にも災禍が及ぶことは明らかだったので
正義感の強いアグリアスはこの戦いに全力を注ぐことを決意した。
多少ウィーグラフの思想には共鳴するところがなかったでもない彼女であったが
いまにいたっては選択はただ一つ、王都の守護であった。
さて、骸騎士団の方はアグリアスが王都防衛司令に就任した報を受けても全く動じなかった。
それどころか副団長のギュスタヴなどは女の率いる軍を相手にできるとあって大いに喜んだ。
騎士団の中にアグリアスや近衛騎士団の女騎士を辱める猥歌が流行り、
連戦連勝の勝利に酔っていた騎士団員たちは
今度の戦いも決して負けることはないという確信を抱いていた。
しかし、ウィーグラフだけはアグリアスに警戒を抱いていた。
彼はアグリアスの幾多の戦功から彼女が並の将官でないことを知っていた。
ウィーグラフはアグリアスの巧みな戦いにより予想より戦いが長引くことを恐れ、
防衛軍を平地に誘き出して決戦を行いたいと考えていた。
すでにゴルランドに軍を進めていた骸騎士団はついに決戦の準備を整え、
万全の備えをもってルザリアに進撃した。
ゴルランドで数多くのチョコボを調達した同騎士団は恐るべきスピードを加えていた。
それに加えてウィーグラフの熱意と団員の士気の高さのおかげで
通常考えられる倍のスピードでルザリアに肉薄した。
圧倒的な戦力を従えてウィーグラフは騎士団をルザリア近郊の平地に展開し終え、
防衛軍が打って出てくるのを待った。
しかし、アグリアスが軍を出動させる気配は見えない。
完全にルザリアを包囲している騎士団の挑発に対して全く相手にする様子が見えなかった。
騎士団はアグリアスや王室を徹底的に嘲笑する歌を歌ったり、
降伏しなければ皆殺しにすると脅したり、
あげくの果ては捕らえた貴族を殺して見せたりまでしたが、アグリアスは無視し続けた。
彼女はとにかく南天騎士団が到着するまでは何もしてはいけないことを理解していた。
何ヶ月もかかるならまだしも、わずか数日のうちに南天騎士団がルザリア解囲に駆けつける。
しかもその司令官は無敵のオルランドゥである。
ルザリアはそれほど堅固な防壁を有している街ではないが、
それでも城門を固く閉ざしてさえいれば一週間は耐え凌ぐだろう。
彼女は冷静沈着だった。
逆にウィーグラフは、
どうしても決戦に打ってでようとしない敵に対して焦燥をつのらせつつあった。
もしこのまま守備軍が籠城を決めたまま南天騎士団が到着すればどうするのか。
南天騎士団に全軍を振り向ければ恐らくアグリアスは防衛軍を出動させて
骸騎士団の側面を突いてくるだろう。
逆にこのまま包囲を続ければ南天騎士団になすすべなく撃破されるだろうし、
軍を二つに分けるなどはもってのほかである。
ウィーグラフが導き出した答えは、このまま力押しにルザリアの籠城を破ることのみであった。
【ルザリア攻城戦】
平地での決戦を諦めたウィーグラフは全軍を鼓舞するため拳を振り上げて演説を行った。
このルザリアの戦いと、
それに引き続く南天騎士団との決戦が恐らくは最後の厳しい戦いになるであろうこと。
それ以後は総ての人間に輝かしい未来が約束されていること、
今まで貴族によって虐げられ無惨に打ち殺された仲間の死を思い出すように叫び、
彼はルザリアの攻城を宣言した。
この演説によって最高潮のボルテージに達した騎士団は、怒濤のようにルザリアの城壁に迫った。
用意された攻城兵器が並べられ、ルザリアの城壁に雨あられと攻撃を加えた。
防衛軍の絶え間ない攻撃によって城壁に張り付いた兵達はバタバタと倒れたが、
そのあとから一向に衰えない士気を見せる兵が次々と入れ替わって城門、城壁に攻撃を加え、
また城壁をよじ登って守備隊を襲った。
アグリアスもウィーグラフなら間違いなく最後に攻城戦を仕掛けてくるだろうということは
予測していたから淡々と防衛の指揮をとった。
その冷静沈着で的確な指揮のおかげで骸騎士団の勇猛さに恐れをなしている
防衛側兵にもいくらかの安心と勇気を与えることができた。
一日、二日、そして三日が経っても城壁は崩れず、
骸騎士団側の人間はだれ一人として、中に入ることができなかった。
とはいえ、守備軍も相当の疲労である。
少しでも気を抜けば恐るべき殺戮者達が街に殺到してくるのだ。
防衛軍の兵士は恐怖に支配されつつあった。
だが、まだ南天騎士団はやってこない。
噂によればグローグ手前で教会の手の者に足止めを食っているという話もある。
アグリアスは何度も斥候を派遣して南天騎士団の状況を調査させたが、
詳細は一向につかめなかった。
実際はウィーグラフの権謀が効を奏していたのだった。
骸騎士団によって買収されていたミュロンド教会の人間が
南天騎士団の足止めに力を尽くしていた。
腐敗した枢機卿のグループがウィーグラフの差し出した財宝に目をくらませ、
ベルベニアにおいて南天騎士団の臨検を数日にわたって行っていた。
この臨検は巧妙にもゼルテニアのゴルターナ公の許可の署名を受けていたため、
オルランドゥも反対できなかった。
このような事情を知る由もなく、アグリアスは必死に防衛の指揮をとっていたが、
ついに城壁の一角が崩れたという報告を受けて彼女の白い顔がますます蒼白となった。
アグリアスはチョコボを走らせて報告を受けた箇所へすぐへ向かったが、
そこでは予想以上に大きな被害があった。
崩れた城壁からすでに何百という敵兵がなだれ込んでいる。
住民はすでに避難させていたので被害はなかったが、
若すぎる、或いは年をとりすぎた守備兵達は無慈悲に打ち殺されていた。
余りに凄惨な惨状を目の当たりにし、
アグリアスののどの奥には降伏の「こ」の字が一瞬にしてこみ上げたが
それが王国にもたらす結果を考えれば甘い考えは捨てざるを得なかった。
彼女は気を取り直すと、腰の引けた守備兵の陣形を立て直し、
果敢に侵入者の撃退を試みた。
アグリアスの精力的な働きのおかげで一度は侵入した敵を城壁の向こうへと追いやり、
もう一度防衛を固めるというところまでいったのだが、
それも今度は城門が打ち破られたという報告を聞くまでのことであった。
今度はもはや侵入した敵を城の外へ追い出すというようなことができるはずもない状況だった。
骸騎士団の主力が、一斉に王都へ雪崩れ込んでいた。
それはもはやくい止めることのできない自然現象のようなものであった。
防衛軍の抵抗など巨象に立ち向かう蚊のようなものだった。
その様子をただ黙って見ているしかないアグリアスは、
逃げ遅れた兄妹を追い立てる骸騎士団の兵の姿を見つけた。
抑えることのできない正義の情に駆られたアグリアスは側近が止めるのも聞かず、
敵兵のまっただ中に突っ込み、一刀のもとに略奪者を斬り捨て、なおも数人の敵を薙ぎ倒した。
しかし所詮は多勢に無勢、アグリアスは敵兵の放った矢に倒れ、
命は取り留めたものの、敵兵の手中に落ちた。
一方、王国の元老院はアグリアスが捕らえられるよりずっと早くに
骸騎士団との交渉を試みていた。
保身に関しては誰よりも賢しい彼らは、
敵に降伏してなおかつ生き残るという道を探すことに汲々としていた。
もちろん、できれば現在の地位と財には一切手をつけずに。
しかし、そんな彼らの性質をウィーグラフは見抜いていた。
彼は元老院の降伏の申し出は確かに受けるが、その条件を守る気はさらさらなかった。
そしてついに元老院はウィーグラフの差し出した和平文書にオヴェリアに署名をさせたのだった。
こうして双方ともに多大な犠牲者を出したルザリア攻城戦は幕を閉じた。
またしても骸騎士団の完全勝利だった。
【南天騎士団の撤退】
王都攻略にも関わらずウィーグラフは気が抜けなかった。
なぜなら、すぐに南天騎士団との決戦が待ち受けているからである。
オルランドゥ率いる同騎士団との戦いは、ウィーグラフにとっても最大の難関であった。
しかもルザリア攻城で大きな損害を受けている骸騎士団は現実的に考えて
南天騎士団を相手にできる状況にはなかった。
ウィーグラフは今度は自らが王都に籠城するか、
場合によってはルザリアを放棄して西へ退却することもやむをえないと考えた。
それほど彼はオルランドゥの軍勢を重く見ていた。
だが、幸運の女神はまたしてもウィーグラフに微笑みかけた。
グローグの丘を抜け、ほとんどルザリアに迫っていた南天騎士団が退却を始めたのである。
これはルザリアの陥落、そして同時期に成し遂げられたミルウーダの部隊による
ガリオンヌの制圧に恐れをなしたゴルターナが形勢悪しと見て取り、
勢力温存のために軍勢を無傷で残しておきたかったという思惑による。
もちろんオルランドゥ以下の南天騎士団の将軍は骸騎士団を撃破できるチャンスは
今をおいてないと主張したがゴルターナがそれを容れるはずもなかった。
こうしてゴルターナ軍は敵軍を壊滅させるチャンスをみすみす逃し、
ウィーグラフはじっくりとルザリアに腰を据えて戦後処理を行うことができた。
【オヴェリアの思惑】
降伏後もオヴェリアは骸騎士団から丁重な扱いを受けた。
元老院議員や、また王妃ルーヴェリアがかなりぞんざいな扱いを受けたことを考えれば
オヴェリアの境遇に対する同情や、或いは
「オヴェリアは実は庶民の出自ではないかという神話」によって
騎士団からも好意を得ていたようである。
彼女自身、その事実を把握していてそれを利用して思惑を達成しようとしていた。
それは他の元老議員や貴族達が考える単なる保身とは違っていた。
それは王制の維持、
複雑に絡み合った貴族の権益を放棄させることによって貴族政治の打破を図り、
民衆の政治への参加を容認することによって王権の強化を図るという考えである。
このような進歩的かつ現実的な考えは
20才にもいかないただの女性が考えるにしてはあまりにも突飛すぎる。
今ではこの裏に教会の流れを組んだ彼女に仕えた数人の神父の姿が指摘されている。
しかし、いかに裏で彼女にそれを示唆する者がいたとしても、オヴェリアが大胆にも
ウィーグラフと駆け引きを行って王権の強化を図ったことは事実である。
ウィーグラフとて、ルザリアの陥落は革命を実現するにはまたとない機会となったわけだが、
王制の問題に手をつけないわけにはいかず、
かといってすぐさま王政廃止を唱えれば間違いなく沸き起こるであろう反動が
革命の障害となるのは目に見えており、オヴェリアの考えもそれなりに魅力的ではあった。
しかし依然ミルウーダをはじめとする騎士団内の過激なグループは
王制の完全廃止をとなえ続けており、
それはウィーグラフの基本理念にも合致することから無視するわけにもいかなかった。
だから必然的に王制の問題は後回しとし、
イヴァリース王国は存続したまま、ウィーグラフを首班とする新政府が発足することになった。
新政府はウィーグラフ、ギュスタヴ、ミルウーダの三人の総裁から構成され、
それぞれはさまざまな役職を兼務することとなった。
たとえばウィーグラフは畏国の総司令官であると同時に人民委員会の議長であり、
ギュスタヴは憲法制定議会の議長であり、同時に財務官、
ミルウーダはガリオンヌ総督であると同時に食糧委員会の議長を務めた。
当然ゼルテニアやランベリー、そして教皇はこの新政府を認めはしなかったが、
ウィーグラフはすでに新しい社会の構築をはじめていた。
半分が元骸騎士団の騎士で構成された憲法制定議会は、
早くも多くの法令を打ち出していたが、
議会が成立して三日後にはすでに逃亡貴族の身分剥奪と財産没収が議決されていた。
それは、骸騎士団によるルザリア占領に恐れをなして逃げ出していた貴族の死刑宣告と
財産の没収を定めるものであった。
議会が打ち出す法令は徐々に過激さを増し、
ルザリアに留まっていた貴族に対しても途方もない重税を課し、
これを拒否した者は容赦なく財産を没収した。
ウィーグラフの人民委員会は法令に基づいて過酷に貴族に対する措置を実行したが、
反面、白昼堂々と市内で行われている骸騎士団兵士による略奪には目をつぶりがちだった。
憲法制定議会はすぐに全国民の平等を宣言をすることはなかった。
それどころか、騎士団の内部でもいまだに新しい国家像についての見解が分かれていた。
ギュスタヴはもはや完全にブルジョア化しており、王制を支持していた。
完全なる勝利を確信していたので、もはや他の貴族との妥協は考えていなかったが、
自分が新たな権益の受益者になるチャンスを放棄してまで
貴族制度の廃止を訴える気はなかった。
一方、ミルウーダはガリオンヌに留まりながらも全く当初の思想を覆す意志はなかった。
彼女は僅か数才のオリナス王子をも冷たく遇していたため、
その生命を案じたウィーグラフがオリナスをルザリアへ移送させたほどである。
彼女は騎士団の最も過激なグループを味方につけて王族の追放と王制の廃止を唱えていた。
そして一刻も早くに人民の平等を根本とした憲法を制定すべきだと主張していた。
そしてウィーグラフ自身は心情的にはミルウーダに近いものの、
未だ騎士団の多くはどちらかといえばギュスタヴの考えに近く、
やっと得ることにできた恩恵を享受すべきだという雰囲気が支配的であるため、
憲法の起草には逡巡していた。
よって彼は摂政につくべきだというギュスタヴの意見も
王制を直ちに廃止せよというミルウーダの意見にも耳を貸さず、
オヴェリアは王女という身分のまま残しておき、新政府の安定にひたすら気を配った。
【粛清】
ルザリアが陥落して以来、3ヶ月の間、畏国に平和が訪れたが、
勿論その間に王都では着々と粛清がすすめられた。
元老院は永久に解散させられ、議員達の多くは国を追われ、
またラーグやゴルターナのいずれかに荷担していると疑われた者には死刑が宣告された。
かつての支配者たちが町中に引き出されて公開で処刑される日も多くなった。
そしてそれら貴族の財産は或いは骸騎士団の団員に分け与えられ、
或いは売りに出されて新たな権益の獲得者のものになるのだった。
元防衛軍司令官のアグリアス・オークスに対しても、人民委員会は死刑の裁定を下した。
清廉潔白な彼女に対しても、委員会は貴族に対するおきまりの告発事項である
「民衆からの収奪」や「民衆から搾取した税を横領した罪」に加えて、
「非戦闘員への殺戮」「捕虜に対する虐待」などをあげつらった。
そのほとんど総てがでっち上げであったが、それが真実であるかどうかは問題でなかった。
ルザリア攻城戦では骸騎士団は多くの犠牲者を出し、
その恨み辛みが彼女一人に集中していたといっても過言ではなかった。
そして引き出されてもなお堂々とした彼女の態度が彼女を裁く委員達の癇に障った。
相当に質の悪い人間の集まりであるこの法廷の裁判官と検事たちは徹底的に彼女をこき下ろした。
そしてついには、
「聖近衛隊の女性隊員に対する不道徳極まりない関係を強いた疑い」
「逃亡中であるベオルブ家末弟との異常なる関係を続けた疑い」
などという議長であるウィーグラフですらそのばからしさに顔をしかめる告発が
なされた時も彼女は毅然として罪を認めなかった。
結局、人民委員会は彼女に死刑の裁定を下したが、
オヴェリアの取りなしで減刑され、終身刑を言い渡されて幽閉された。
他の将軍や貴族も多数粛清されたが、その最後の大物は王妃ルーヴェリアだった。
彼女に対してはラーグ公に与して畏国の騒乱を図った張本人として死刑が求刑された。
これにはほとんど反対意見も出ず、オヴェリアの取りなしも今回は効果なく、
ルーヴェリアは断頭台の露と消えた。
最初の王族の処刑であったが、その処刑が社会に与える影響はほとんどなかった。
畏国は激動のまっただ中にあって、それどころではなかったのである。
【教会の動向】
骸騎士団は確かにガリオンヌとルザリアを陥落させ、世間をあっと言わせた。
その一方は畏国の軍力の象徴、もう一方は政治制度そのものの象徴であったからである。
しかし実際のところ、広大なイヴァリースの版図のうち、3分の1程度を掌握したに過ぎない。
ゴルターナの強力な軍は未だ無傷で残っていたし、
リオファネスやランベリーも完全に敵対していた。
ルザリアとガリオンヌでは革新的な政策が打ち出されてはいるが、
それも限定的な区域でのこと。
イヴァリースの大部分はいまだ旧来の体制のまま残されていた。
ウィーグラフは畏国全土を掌握するためには教会の意志がカギであると考えていた。
確かにミュロンドは貴族以上に封建的な集団で簡単には思い通りになってくれないだろうが
機を見るに敏な存在でもあり、
その立場さえ保持することを保証すれば体制を認可するであろうと推測していた。
だが、ここにいたってウィーグラフの計画をご破算にする出来事が起こった。
憲法制定議会がルザリアの教会に対しても重税を課する法令を制定したのだった。
もちろん教会はこれに猛反発し、議会は反対した司祭を追放、逮捕した。
この措置に対してミュロンドは激怒し、
事実上騎士団に対する宣戦布告ともいえる宣言を行った。
しかし、ウィーグラフの人民委員会はミュロンドとの決別を犠牲にして
国内の教会を掌握することができた。
すべての反抗的な僧侶を解任して追放し、
それに代わって今までミュロンドのやり方に懐疑的だった司祭達を役職につけたのだった。
おいおい三時間経過かよ。
さすが俺。妄想爆発だな(藁
しかしさすがに疲れた。寝よう。
ウィーグラフって需要あるのか?
需要無し。
文が人様に読んでもらうレベルじゃない。
別に良いけど、FFTは千一夜物語スレでは?
俺はこれ昨日から楽しみにしてんだよ
余計なこと言うんじゃねえよ
大体書き手に失礼だろうが
>>45 無理にヨイショする必要も無いと思われ。
要らんと思う香具師は要らんと言えばいいし、読みたいなら読みたいと言えばいい。
批判されてへこむようなら小説を公開するべきじゃない。
感想メールを募集すると、泣きたくなるような内容のメールが来たりするだよ。。。
FFT読みたいです。堅い文体大好きだし。
エルオーネ編にも勿論萌えて(;´Д`)ハァハァ。
幕の内弁当的に楽しんでいましたが何か?
>>46 もしかして叩かれた経験から、誰かを叩きたくてしょうがないですか?
漏れはウィーグラフ読んでないけど、読んでる人も居るみたいですし、
何よりここが廃れてしまうのが一番避けたいことだと思うんで、
投稿してほしい。
むぐぐ…
結構きつい裁定が下されていやがるなあ!
この板でのこれほどに低い評価は『万引きキャッチャーの日常』以来だぞ。
あれは確かに最悪の出来だったが。
しかし、自ら
嵐 と 変 わ ら な い
と認めた手前あまり反論はできぬ。
読んでくれている人には悪いが、このまま続けても荒れそうなのでとりあえず止めます。
しかし一言!
>>46 俺はアレ許から書き続けている古参の一人!!
アレ許以後も拷問小説やコテハンBR、タークスのAA物語などでこの板に貢献してきたッ!
お前のような嘴の黄色いこわっぱに教えを受けるいわれはないわッ!
じゃあね。
うわーん(>0<)愉しみにしてたのに。
人様の作品を云々云う人は、その前に
「他人を作品で楽しませようとした事」は
あるのだろうか…。
たった1人の相手でも、喜ばせるのは凄い事なのです。
その経験はあるの?>46さん。
こんなスレあったんだね〜。なんかウレスィ!!
>>49 自分FFT好きで、中でもウィーグラフ大好きだったんですが、
一気に読むには量的に厳しいものがありますね。と言うのが書直な感想。
(そりゃ、FFT知らない人にしてみれば仰るとおり嵐みたいに映るかもw)
長期的に投稿を継続すれば問題ないとも思うんですが…ダメでつか?
・・・作品制限しているのはそのためなのか・・・。
>>1
書くも書かないも、読む読まないもそれぞれでいいと思いまふ。
批判するような内容はちょっとなーと・・・
ただ、なるべくなら>1の要件を満たして( ゚д゚)ホスィかなーと
ロムラなので引っ込みますが、、、
みなが楽しめるスレになれば(・∀・)イイ!!と思いマスです。
前スレとかみたいに、またーりと
アルガスを許さないスレでも立てるのはどうか
略してアル許
55 :
1:02/12/17 10:29 ID:MOeYlgtw
何故もめてるんだろうか?
作品や作者叩くのは間違ってやいませんか。
まあ
>>13 を見ると、元々は千一夜物語スレで続いてた作品なわけですか。
文をけなしてるわけじゃなくて、そっちで続けてくれって言いたいんでしょ?
『いちおう7,8,10でお願いします。できれば8メインで。』
これは前スレの1を受け継いだものだからねぇ・・・。
2をたてたのは、単に場違い氏の続きが読みたかったから。
エルオーネのクライマックスで嵐に消されたままじゃ納得いかないし。
でもそこには他の作者の作品を排除する意図は毛頭ありません。
自分としてはFF作品であり801ものでなければ、
(そして多少の官能を伴えば・・・)OKという気持ちであります。
誰か他の作家さんも読んでいるかも(事実、前スレはそうだった)しれんから
他の8小説を読みたい人は、それとなくリクエストすればいいんじゃない?
雰囲気が落ち着いたら答えてくれるかもしれないよ〜
ほんじゃ「名前が無い@ただの名無しのようだ」に戻ります。
色々言いたいことが無いことも無いが、まあ、1に従うのが賢明か。
>55
ウザい
お前はスレを立てさえすればお役ご免なんだよ。
何勘違いしてゴタク並べてんの?
大体お前が1にいちおうとかできればとかあやふやなこと書いてるのが原因だろアホ
ウィーグラフも消えたし早く新作書いてくれー
お前、46?
>59
勝手に決めつけてるバカ発見
漏れも1に同意。59、60は煽りだから相手にすんな。
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ _________
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61→ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;nVVNN| 強制IDを .| | | 、
,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|J | .| | また .| | | |
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|. |..| | 忘れていた | | | |
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|_/..| | わけだが…. | | | |
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| | |__________________|. | | |
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|`ー:、. .|__________|__|‐´
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|:::|::/ !/ _レ=@ v、::i ヽ:', \::i丶:;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|::::i:;', '''''" ヽ ̄ ヾ''''\:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
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//イ| l'`ーゞ:::゙ー' ´ |::ヽ r‐、 \ ノ と つ に
' }ヽ.__ノ:::::::ヽ._ノ::::::ヽ!fヽ} ヽ. ろ け は
. ノ ) ノ │ | ろ
ゝ r====vヽ ノー' .| が と
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(´ ,.イ:i:i:i:i:i:i:i゙i/ \__ ヽ
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,. -──- 、
,,/:::::::::::::::::::::::::::ヽ
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i/ /'゙/:::::::::;ハ::::ト:::::ヽ,ヾ ヾ;、
! ´,':;:::/|:ム 、';::|ヽ::;:::', ゙ i
| !'レ'‐l' `リーi| i::| ,' もうあかん
,r‐rヘ, l ── ──-|:| 〉、_ このスレ見とうない
, ‐'" ,ヘヽ >'゙| |:ヽ、/ ,/ ヽ
/ ゙ Yi゙:::::l l::::::〈,_/i ヽ \
'" , ‐'!::::::i:':.、 i二コ ,/!:::::::::l \
/''ヾ''|::::::l""''`i‐--‐''゙/`''|::::::::;、i`ヽ, ヽ
イ `!i;::::i. |‐ -/ i:::::;i:|/´`"ヽ ゙,
'" ||!ヽ:l、_,. |~゙`/ i::::/'リ ゙;ヽ !
``''ー-、.,_ ー-、! ` <_ i, / ,.i''|/ / _,.ノ
```'''| `''*‐''" / ,.-─''''""
場違い氏の意見や1さんの意見、
ちらっと出た名無しさんの意見・・・
そう違いは無いのではないかな?
要はFF小説でできれば7.8.9とゆーこと。
「勝手なFF小説の部屋」を拡大解釈すればFFTでもイイと思うし。
兎に角、作者さんこう臨機盆。
漏れは官スレで、一度話題に上ったスコール×シヴァ
なんて読んでみたいなーと思いマス。
(;´Д`)……エート エート
官スレ6も保全中なのでよろでつ
どうしよう。官スレ6でスコリノ書いてたんだけど、
ここに続きうpしていいんかな。
そこまではげすぃエチー無いし…。
>>67 言われて一度ログ削除してから再取得したら復旧していた事に気付きますた。情報ありがd
このスレに作品を寄せて下さる作者の方々、楽しみに待ってまつ!!
煽りは元々このスレの住人じゃないだろ。
前スレの1の内容も知らないみたいだし
前スレでは作者へのあんな煽りは無かったんだから。
>>68 いいと思うよ。一応8なんだべ?
>>68 書いて書いて。頼むから書いて下さい(W
激しいsex?俺としては、前スレでもそんなに激しいのなかったと思うのだけど
だから激しくてもそうでなくても、ここに書いてくれるのは俺は嬉しい
しかし・・二日ぐらいこなかったた間に色々あったみたいね
FF7,8,10とかって指定したのは、俺がよく知ってるからであって、
絶対じゃないので・・ってもうすでに何回も書いた気がするけど。
じゃあ、続き
61
「・・・・・スコール・・?」
エルオーネは、俺の腕の中で目を覚ました。まだ頭がすっきりしていないようで、きょとんとしている。
「・・おはよう」
「あ・・おはよ・・・・・・・・・・・ああっ、そういえば!」
その反応に、思わず俺は笑った。思った通りの反応だった。
「思い出した?」
「うん・・私あのまま寝ちゃったんだね」
エルオーネも、照れくさそうに笑った。
そういう風に二人で笑う、その瞬間の雰囲気と感覚。
それは確かに、あの頃の眩しいような光景と気持ちを思い出させた。
ホテルを出ると、俺達は予定通りデリングシティへ向かった。
デリングシティはやはり人が多く、ここで一人を探すことなど、とても手間のかかる事に思えた。
「スコール、じゃあ私はこっち側、スコールはあっちからね。それじゃ」
「あ、おい!」
エルオーネは俺の声に振りかえりもせず、さっさと行ってしまった。
(二手に分かれたは良いが・・見つけたらどうやって知らせるんだ?)
場違いさんキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
続きキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
とっても嬉しいです。
続きだわっしょい!
ここまで書いたなら、ちゃんとまとめないとね、とか思いながら書いてると、
いつのまにか自分の書いたものとは思えないような、不思議なものが出来てきた・・
特にこの後のせる話は・・(w
>>73、74
そんなに喜んでくれる人がいると、やっぱりなんだかんだ言って嬉しい。
62
思いの外、サイファーは簡単に見つかった。
入口から一つ目の角を曲がったところで、あの金髪と派手なコートの後姿が目に入ったのだ。
慌てて、しかし音を立てずに近付き、その肩に手をかける。
「あ?」
振り返るサイファーの顔が、ほんの一瞬で、激しく変わってゆく。
「てめ・・!スコール!」
「サイファー、アンタを連れ戻しに来た」
無駄に喋らせる前に、俺はさっさと用件を言った。
「あ・・!?俺を連れ戻しに?」
「そうだ、今から一緒にバラムへ戻ってもらう」
そこまで言うとサイファーの表情は、驚きと不機嫌から、口元を歪ませた皮肉った笑いの表情へと変わって行った。
「はは、スコール、俺がそんな事素直に聞くと思ってるのか?」
サイファーが、自分のガンブレードに手をかける。
「・・いや、思ってない」
予想通りの展開に半ば呆れながらも、俺も自分の得物に手を添える。
「おい、スコール、お前こんな街中で抜く気か?」
その言葉は確かに、俺の頭の中に小さな驚きを与えた。
(そうだ・・ここではまずい・・)
しかしそんな心の内を見せないように、俺は返す。
「サイファー、あんただってまずいだろう」
「はっ!今更!俺はどうせ脱走犯も同然だからな」
「もしアンタが抜いたら・・俺はアンタを殺してでも止めなくてはならない」
「・・やってみろよ」
63
互いに目を離さないまま、互いを見つめる。
ガンブレードにかけた手に、少し湿り気を感じる。
背筋に冷たい風が吹き、全身が緊張しているのが分かる。
(負ける気はしないが・・)
今のサイファーとぶつかり合えば、すんでの所で止めることなど俺には不可能だ。
(・・出来ることならなら抜きたくない・・)
ふとその時、ほんの一瞬だが、風神の顔が浮かんだ。
(ここでサイファーを死傷させてしまったなら・)
その一瞬を、サイファーは見逃さなかった。一気にそのガンブレードを振り上げる。
(まずい!!)
俺は顔を大きく反らせながら、自分のガンブレードを素早くそれにぶつける。
金属がぶつかる激しい音が、周囲に響き渡り、そして俺は頬から僅かな血を流していた。それだけで済んだ、というべきか。
「キャ―――ッ!」「わっ!な、なんだっ!?」
周りにいた人達が悲鳴を上げ、俺とサイファーから慌てて離れてゆく。
「ちっ!」
サイファーは舌打ちすると同時に、掌を俺に向けた。
「サイファー!!」
俺は叫び声を上げながら、サイファーに向かって突進した。
ドウッ、という音が聞こえ、炎の熱さが俺の胸を襲う。その苦痛をこらえながら、俺はサイファーの首元を掴み、地面に抑えつけた。
「グウッ!」
「サイファー!終りだ!」
俺はガンブレードを振り上げる。サイファーも一瞬、観念したような顔を見せる。
「スコール!」
エルオーネの声だと、すぐに分かった。
俺の右腕に込められていた力も、サイファーの抗う力も、フッと抜けるのが分かった。
「スコール!ダメだよ!」
エルオーネが早歩きで近付いて来る。サイファーは諦めたような表情を見せ、言う。
「分かった、スコール、俺の負けだ」
しかしその言葉を聞いた途端、俺の腕は再び動いた。
「なっ!て、てめっ!」
サイファーは今までに見たこと無いような、驚きの表情を見せ、目を瞑った。
きっと、その瞬間を覚悟したのだろうが、そんな瞬間は来る訳ない。
その代りに、サイファーにやってきたのは、眠りの時間だった。
チョト待て、さすがにスコ×サイは…。
>>79 え、まさか。
俺801は専門外なので(W
この後サイファーがどう絡んでゆくのか期待!
なんか面白い展開になってきた。
スコサイも(・∀・)イイ!!けど(嘘
というか、失礼だけど場違いさんアクションシーンもいけますね。
>>81 あまりキャラを多く出して、話に絡ませると大変な事になるので、なるべく避けてるのだけれど、ね
>>82 アクションシーン、久々に書いたから楽しかったです(w
じゃ、続き。
しかしまた今回も、官能系、無しになってしまった
64
「ん・・・?」
「目が覚めたか?」
「スコール?おい、こりゃどういうことだ?」
寝起きだというのにサイファーの声は、普段と変わらないほどはっきりとしている。
「船の上だ」
「船ぇ?何で俺が船なんかに」
「バラムへ帰るのに必要だから乗ってるだけだ」
「あぁ・・?」
そう呟いたきり、サイファーは黙り込んだ。状況を少しずつ思い出していってるように見える。そしてその沈黙の後、出た言葉はやっぱり相変わらずだった。
「・・ちっ!余計な事しやがって」
「俺もそう思ってるけどな」
「おい、そういや何でお前が来たんだ?頼まれても断るだろ、お前なら」
(断ってたさ・・相手がエルオーネでなければ、そして風神の心配ぶりも知ってなければな)
「アンタを止めるのに、怪我人が大勢出そうだったからな・・」
しかし俺の口から出た言葉も、やはりそんな言葉だった。
「アンタこそ、何でガーデンを出たんだ?」
先程の、サイファーを背負った時の意外な程の軽さを思い出す。『楽しい、悠々自適な旅というわけではなさそうだが』という言葉が、喉元までこみ上げた。
「お前にゃ関係無い・・というよりお前のことだからそんなことに興味なんて湧かないだろう」
「そうだな・・『以前の俺ならな』」と、また俺は後半の言葉を飲み込む。
(・・しかし本当に、飲み込んで良いのか?)
65
「だが、どうしても聞きたいなら聞かせてやっても良いぜ」
恩着せがましい物言いだったが、しかしその言葉は、その時の俺にとっては間違い無く有難かった。
「ああ、聞かせてくれ」
その俺の反応に、サイファーは目を丸くした。
「おい、やけに素直だな?」
「良いから、聞かせてくれ」
サイファーは、余裕を取り戻したような顔でニヤリと笑みを浮かべると、不意に、予想もしていなかった言葉を言い放った。
「お前ら、まだ付きあってんのか?」
「・・・何?」
「リノアだよ、まだ別れてないのか?」
一瞬その言葉の意図が分からず、俺は沈黙してしまう。
「どうなんだ?」
「付き合ってるが、それがアンタの話に関係あるのか?」
「ある。スコール、リノアはな、俺に惚れてたんだよ」
その自信ありげな台詞とは裏腹に、サイファーの表情は暗かった。
「昔の、話だけどな」
その顔に、見たこともないような寂しさが浮かぶ。俺は内心、そんな顔のサイファーを見てかなり驚いていた。
「だから・・一応俺と付き合った女が、だ。つまらない男と付き合うのは、俺の評判まで下げちまうだろう?」
(何を・・言ってるんだこいつは?)
「サイファー、俺がつまらない男だと?それともただ喧嘩を売ってるのか?」
「いーや、お前は確かに、顔含め全ての面で俺には劣るが、ま、ガンブレードぐらいは互角だが、そんなに悪かない、だが・・・」
一瞬の間があった後、サイファーの口が重そうに開く。
「・・まだキスティスと切れてないなら別だ」
おお、こういう話しもいいっすねー。
スコールに女性陣全部もってかれるのも新鮮だったけど
続き待ち遠しいですよ。
>>86 最初は女性陣全部とか考えてたけど、細かいところまで考えたら話が酷く壊れてしまうっていうのと、
あと無闇に全員やれば良いってもんじゃないみたいなご忠告を受けたので、まあ方向をちょっと変えたのです。
で、悪いのですが今回もサイファーとの対話ばっかりです(w
短いけど。
66
「サイファー・・知っていたのか?」
俺は驚きつつも、しかし意外と心の中は落ちついていた。
「俺はそれほど鈍くない。リノアと会う前からだろう?」
「・・ああ」
一瞬、言い訳することも考えたが、しかしサイファー相手に通用するとも思えず、結局俺は素直に頷いていた。
「で、今も切れてない、そうだろ?」
(確かにな)と、また心の中で呟く。
「・・アンタの言いたいことは分かった」
「あ?」
「いい加減、はっきりさせるさ」
そう言うと、俺は立ち上がり部屋を出ようとした。サイファーが、口を開きかけ、しかし口篭もる様子を、背中に感じた。
扉に手をかけると、振り返らずに俺は言った。
「でもサイファー、アンタはやっぱり本気だったんだな」
・・スコールが出ていった後、残された俺は独り言の割にはでかい声で呟いた。
「だっただと?ハッ、過去形じゃねーよ・・」
>>87 図書委員は別にいいが、俺のシュウ先輩は登場すら無しになるのか・・・
>89
私見だけどシュウ先輩はスコールには手が出せない相手に見える
寧ろサイファー・・・と逝ってみるテストw
とりあえずシュウ先輩も活躍(濡れ?)する場をくれ!
アルティマニアにもシュウ先輩メインのページがあるんだし
1ページだけだが。
スコール以外で登場したメインの男キャラはサイファーが初だな。
ニーダという微妙なラインは出てきてたが(W
他の連中も出るのか?
キスティスもセルフィも風神もエルオーネも絡んできて・・・どう収集つくんだろうか?
>>89 そう言われると、また話の方向が・・w。でも・・正直、自分でもまだ分からないです
>>90 確かに出しにくそうだけど、一夜限りとかなら有り得るかも
>>91 まあ最悪、登場だけでも(w
>>92 あまり話に絡みにくいキャラはやっぱり出ないかも。それにみんな出したらこの話、とんでもない長さに(w。
あと一応、前スレではゼルほんの一言だけ喋ってるよ(w
>>93 自分の事ながら本当に、って感じだ
67
サイファーを無事バラムまで連れ戻した俺は、疲れを取ろうと自室にいた。
ベッドに座りながら、どうしても色々頭に浮かんでくる。
(サイファー、まさかあいつが本当にあれだけリノアに執着してるなんて・・)
(はっきりする・・そう、俺はいい加減、はっきりさせなくてはならない。キスティスとの事だけじゃない。セルフィや風神・・エルオーネとも)
(エルオーネ・・・)
そんな事を考えてる内にいつのまにか、俺は夢の中に落ちてしまっていた。
『・・・スコール』
遠くから、声が響く。聞いたことのある声。この声は・・・?
『スコール・レオンハート』
今度はフルネームを呼ばれ、俺は声を上げ、そして目を覚ます。
「誰だ!?」
自分の声の大きさに驚く。それと同時に、自分が一瞬眠っていたことに気付く。
しかし目の前には、いまだ夢の中にいるのかと思わせるような光景があった。
目の前には、青白く、少し透けているような人間がいた。
それが自分のGFだと分かるまで、俺は少しの時間を要した。
目の前にいたのは氷の女王だった。
「シヴァ・・?」
68
その身体は青く光り、その目は俺を虚ろに捕えていた。
(何故だ・・?何故シヴァが・・?)
「どうして・・出ているんだ?」
『私だって、黙っていたかったがな・・』
俺の問いに、シヴァがため息をついて、暗い表情をする。・・・わけが分からない。
『あまり使い手に悩まれると、居心地が悪いのだ・・。何せ、我等GF―今はお前の中にいるのは私だけだが―は、その者の心や記憶に関わっているからな』
俺は呆然としてしまった。まさかGFにまでそんなことを言われるとは思っていなかったからだ。
「あんたにまで・・そんな事を言われるなんてな、シヴァ。ああ、分かった。あんたにも迷惑かけないよう、はっきりさせる」
『・・・・・』
俺は決断するようにして言ったが、シヴァから返って来たのは沈黙であった。
「シヴァ?」
『スコール、私は氷の女王だ』
突然の、滑稽な自己紹介。
「?何を言ってるんだ、今更?そんなこととっくに・・・」
『そして私はお前のGFだ』
俺はますます混乱する。
「??何故今更そんなことを?」
『許されぬ事だろうな・・』
そう言うと、シヴァは暗く辛そうな顔をして、その手を俺の頬に寄せる。
『私は・・持ってはならぬ感情を持ってしまっているのだ・・お前に』
シヴァとやるのか?
スコール棒が凍りそう。
アーヴァイン「なんでそうなるの〜?」
サボテンダーとはやらないのか?
69
思考が突然止まる。
「持っては・・ならぬ感情?」
不思議そうな俺に対し、シヴァは口元にわずかな笑みを浮かべながら、言った。
『殺意・・かな』
その言葉で、止まっていた思考が急速に戻り、そして回転する。
「な・・に?」
『お前はもう・・私を必要としないだろう?』
言葉の繋がりが全く見えない。
『お前は既にそれほど強くなってしまっている。これ以上、お前の中に私がいる事はあるまい。そうすれば・・多少なりともお前の迷いは軽くなるかも知れん』
「何を、言ってる?実際に戦いに召喚することは減っても、必要が無くなった訳じゃないだろう。窮地に陥った時や疲労してる時も・・」
『いや、私はもう、お前から離れるのだ』
シヴァの表情は、やや俯き加減に曇っている。
(何を・・言ってるんだ?)
その時の俺は、残念とか落胆とかそんなのではなく、ただただ理解できずに驚いているだけだった。
「シヴァ、そんなに・・嫌なのか?」
ピクリとシヴァの肩が動いた気がした。
『言っただろう。私は殺意をお前に持っていると。自分の必要性が失われ、そして大きな実力差がついてしまった。これは・・氷の女王としては、受け入れ難いことなのだ』
「・・・・・・・・・・」
言葉が出ない。納得という点では、全くしていないのだが。
しかし代りに言う言葉も不思議と見つからず、俺は結局瞬きも忘れてシヴァの顔を見つめていた。
『今日のお前のサイファーとの戦い、以前より遥かに良かった。私の出番などまるで無い。それどころか、私はただ一人の観客のように眺めてしまっていたのだ。そんな自分の情けなさが許せないのだ』
その言葉の終りには、シヴァの声のトーンは随分と低くなっていた。
シヴァは拗ねてるんでつねW
GFにも好かれるスコール(・∀・)イイ!!
やっぱFF8で一番綺麗な顔してるもんねー男女とわず。
アンチリノア派の女子は、ツーショットで見た時の不釣り合いさも嫌なんだろうとか思ってみた。リノアってファニーフェイスだし
70
その表情と暗く曇った声。それだけ知れば、さすがにその辛さの少しは感じ取れてしまう。
「シヴァ・・」
『そんな顔をするな。お前が悪いわけではない。しかしこれ以上私がお前の中に留まれば、私はきっとお前の能力に嫉妬し、遂には私の中の殺意が行動を起こすかもしれない。そうなるわけにはいかない。GFとして・・どうしても譲れないプライドがあるのだ。すまない』
シヴァの言葉は簡潔だった。しかしその中に、強い感情を感じずにはいられなかった。
「俺から離れて・・どうする気だ?」
そう言う俺の声は、シヴァには冷静に聞こえただろうか?
『GFを必要としている人間は、この学園にはいくらでもいる』
「ああ・・・そうだな」
お互いに淡々とした声。しかし恐らく、その声の中身は分かってしまっているだろう。
沈黙が、部屋の中に広がる。シヴァは俯き、俺はその顔をまともに見られなかった。そんな冷たい時間の後、
『・・ただ』
とシヴァは小さく呟いた。俺はその声で、シヴァの顔を真っ直ぐ見つめる機会を得る。しかし視線が合う事は無いまま、再びシヴァは口を開く。
『ただ、お前ほどの才能には・・もう会えないだろうな』
よーやるわ全く。
場違い小説・・・いい加減8やめてくれ。萌えないんだよ。
ユウナ妹小説を書いてたころのお前は輝いていたぞ!
>106
そう?漏れは場違いさんの8しか読んだこと無いけど
面白いと思うなぁー萌えるし。
8を書いてからの彼のファンも多いと思うんだけどね
つーかこーゆースレで自分の好みで「やめろ」って言うのは無視すれ。
煽りは無視。これ鉄則ね
おれはユウナ妹小説もこっちも両方好きだけどな
すごい間開けてしまったけど・・年末年始なので許して。
>>105 ねー
>>106 煽りくさいけど・・一応答えると、どうせ10で書いても8で書いても叩きはでるでしょ
>>107 ありがと。やっぱり何遍聞いても面白いって言われるの嬉しい(w
>>108 うん。まあ無視するけど。以前はこんなもんではなかったし(w。おかげで少し乱れたけど
>>109 両方?けっこう、前のと今のとじゃかなり違う路線(のつもり)だったから、それは少し驚き。嬉しいけど(w。ありがと
71
スッ、と真っ直ぐに手を伸ばし、シヴァの、蒼く冷たい手に触れる。
するとシヴァは驚いた顔で俺を見上げた。
「あんたとはけっこう長い付き合いだったから・・残念だ」
『ああ・・それは私も同じだ。才能の面だけでなく・・・』
一呼吸置くと、シヴァはいつもの鋭い目で俺を見つめた後、不意に小さな笑顔を作り、言った。
『お前は・・・美しい』
俺はどう返して良いのか迷い、苦笑する。
「あんたには負ける」
そして俺は、暗めの青色をした唇に口付けをした。
別れのキスのつもりだった。
シヴァは拒否しようと右腕を少し上げたが、しかし結局その腕に力を込めることなく、下ろした。
代りに、限界まで見開いた目を、ゆっくりと閉じていった。
(~ヽ γ~)
|ヽJ .あ し' |
| (~ヽ .け γ~) |
(~ヽー|ヽJ ま し' |ーγ~)
|ヽJ | | お .し .| | し' |
| | |―| め .て |―| | |
ミリ(,,゚Д゚)彡 で ミ(゚Д゚,,)ノ彡
ミUミソ彡ミつ と (/ミソ彡ミU彡
》======《 う 》======《
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U~U U~U
新春保全
新年明けまして萌え萌えの予感でつね。場違いさん。
続き期待してます。両方ともクールビューティで
絵的に麗しいカプリングで、もう楽しみ〜♪
>112
おめでとうございます。ことしもよろすく。
ていうか、カワ(・∀・)イイ!!でつねー
>>112 そうですね。俺も先にそれ言うべきだった。あけましておめでとうございますって、もう遅いね(w
>>113 クールビューティー・・ですか。うんまあ確かに、この二人そんな感じかも。人間離れした美しさと言うか(W
72
すぐに離すつもりだった唇は、いつのまにか長い口付けとなっていた。
やがて俺は、少し押され気味になり、ついにはそのままベッドに押し倒されていた。
バスッという音と共に、俺の視界は天井、そしてシヴァの顔を映す。
今までに全くと言って良いほど、シヴァの表情から感情を読めたことは無い。というのも、表情を変えることが少ないからだ。
しかし今日は違った。先程から何度も、シヴァの表情と感情が激しく動くところを見ている。・・そして今も。
その顔は熱っぽく、しかしどこか悲しみを帯びていた。
「シヴァ」
「止めるなスコール」
まだ少し混乱した頭で、ようやく出た俺の言葉はきわめて短く、そして意思を感じさせなかった。それに対し、シヴァも短く答える。
その受け答えだけで、これから起きる事体が完全に決定した。
(GF・・記憶の住人・・)
脳裏に、自分の無抵抗の理由が見えた気がした。
そこで止めるな!場違い氏。w
続きまってますね。楽しみだわ。
GFとの獣姦は需要少ないでつか?
漏れは何でもOKなんで期待してます。
…801以外は。
>>116 そう言ってもらえると嬉しい気持ちと同時に、最近の自分の遅筆ぶりに呆れる気持ちが湧いてくる(w
年始だから、なんて理由ももうほとんど無いし。
>>117 獣姦・・・何て言うと、俺の中でのイメージと随分変わっちゃうね。
需要はそんなにないだろうなと思ってたので、番外編にでも、とつい最近まで思っていたのだけど。
まあ色々あって本編にいれてみた。
しかしけっこうの静けさに、本当に需要無かったのだなと実感。それとも俺の遅筆のせいか(W
73
「んっ・・」
シヴァからの冷たいキス。
そのキスには何故か現実味がなかった。
俺の頬をなぞるようにして動く指。その冷たさに驚きながら、しかしどこまでいっても、不思議と何も感じなかった。
何も感じない・・・それをもっと厳密に言うなら、指に触れられてる感覚が希薄だ、とでも言うのだろうか。見えるのに触れないという感覚に近い。
GFというものは、そういうもの。それは分かっていた。
しかし実際にこうして触れ合い、それを実感すると、軽い悲しさがあった。
『お前の考えてる事は分かっている』
目の前にシヴァはいるのに、その声は遥か遠くからのものに思えた。
『その感覚は、私も同じだ。・・それでも今は、お前を感じたい』
真っ直ぐな目。俺は目を反らさずに服を脱いでゆく。そしてそれが答えだった。
裸になると、シヴァの身体と直に触れてゆく。
(冷たい・・)
想像通り、シヴァの体は冷かった。しかしそれでも俺は、シヴァの背中に回した腕の力を緩める事は出来なかった。
120 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/13 00:32 ID:qicfJMcY
ヤマアラシのジレンマ(物理的な意味で)だな。
かなり萌えるでは無いか。
感覚を書き切れたら最早 神 。
8は女の子キャラは可愛くていいと思いまふ。
セルフィのジエンドは結局お目にかかれなかったな。
ほしゅ
荒らしは氏んでねW
74
部屋のベッドの上で、俺は下になってシヴァの陰部を愛撫していた。
「っ・・」
極めて小さな声を、シヴァはあげた。しかしその表情はほとんど変わっていない。
内部に舌先を入れても、熱さや匂いは感じられず、ただ冷たさだけがあった。
『スコール、私は・・』
「何も、感じないのか?」
シヴァの言葉を遮るようにして、俺は言った。舌の動きは止めずに。
『私はお前の前で乱れた女達とは違う。お前の愛撫によって乱れる事は難しいが、しかし何も感じていないわけではない。お前こそ、冷たくないのか?』
舌の愛撫を一瞬止め、俺は答えた。
「確かに冷たいが、その感覚もあんたと同じだ。自分の舌の感覚が、どこか嘘みたいなんだ・・」
シヴァの表情が、わずかに変わった気がした。・・多分、悲しそうな顔に。
そして再びの沈黙。
『っっ・・!』
それでも、時折シヴァは声を上げた。本当に小さな声を。
冷たいの、熱くなって溶けたらアタマに羽が生えたりしてW
なーんてね。続き期待してます!
想像すると萌え萌えなのは私だけでつか?
面白いですよねー
>>125 がんばります・・つーか、書くのまた遅くなってきて申し訳ない。
>>126 やっぱり、シヴァの話は一番ウケが悪そうな気はしていた。
でもそう言ってくれる人もいて嬉しい。
75
『んっ・・・!』
長い愛撫の後、シヴァが一際大きな声を上げた。
それはようやく、弱い喘ぎ声と言えるようなものだった。
『スコール・・』
シヴァの顔が、わずかに明るくなったように見えた。それとほぼ同時に、シヴァは自分の身体の位置をずらし始めた。
声を上げる間もなく、互いのソレが触れ合い、小さく震える。
「シヴァッ・・」
いつのまにか、自分の息も荒くなっていることに気付く。
『っ・・く!』
先端がわずかに入り込んだ。
中の抵抗はあまり感じなかったが、おかしな事にあの氷のような冷たさも感じなかった。
いや、錯覚かもしれない。自分の興奮が、勝手に勘違いしているのかもしれない。
(それでも良い)
冷たいはずのシヴァの身体を、全身で強く抱く。
既に、俺は温度感覚を感じなかった。
『あっ・・スコール・・』
触れ合うだけだった性器は、今はもう、深く交わっていた。
頭の奥が、激しく燃えさかっているのが分かった。
場違いさん、スレ違いで申し訳ないけど
ユウナ妹小説ってどこで読めるんですが?
以前から気になっていたんですが見つけられなくて
気になって気になって…。
>>129 確かスレ違いだけど、俺にとってはそうでもない(w
ここの前スレの、
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1032185710/で、誰かがそのスレの場所貼り付けてたけど。
まだhtml作業中だけど。
・・ユウナ妹小説って、そのことだよね?
さあて、速く書かねばといいつつ、こんなに間をあけてしまい、すみませぬ。
どんな理由で遅れたにせよ、いちいち書くのも見苦しいのでいい加減止めます。
ただ、宣言しとかないと、やたら遅くなってしまう自分に気がついたんで、先に言っときます。
明日も必ず続き書き込みます(w
76
シヴァの表情が、その心の中を曝け出すように、一瞬の間も置かずに乱れ、変わってゆく。
ベッドのきしむ音が耳障りなほどに響き、それと同じリズムで荒い呼吸が耳に入ってくる。
その感覚は、確かに行為そのものだったが、しかし何かが決定的に違った。
自分が抱いているものが、人という固体ではなく、水のような掴めないものに思えていたからだ。
抱きしめているはずなのに、その実体はなく。まるで雲を抱いている様に。
あるいは、海の中で自分が、必死に何かを掴もうとしているようだった。
しかし触れられないその感覚は、快感の代りに興奮を与えた。
全身の血が煮えたぎり、それがシヴァの冷たい身体を溶かし、二人を共に一つに溶かして行くようだった。
身体だけでなく、心までも。
??シヴァが溶ける?一体化すんの?
こういうのもいいけど、サイファー出て来たアタリの
話の続きもまた見たいな。と言ってみるテストw。
私たち一向は旅の途中宿に泊まった。
それが個室有りのいー所で部屋につくなりお風呂に行こうとセリスとティナを誘おうとしたんだけど
ティナは「後で行くね〜」でセリスは返答なし。
なので今、わたしはこの広い大浴場を独り占め状態なのだ。
で体洗いに行くと誰かいることに気づいた。誰かと思ったら長い金髪、汚れを知らない肌。
私の中で「モデルにしたい女の人トップ3にいるセリスじゃん。
「あれ、セリスじゃん」
「あら、リルム。早いのね」
「セリスのほうが早いじゃん。ねぇ、セリス。背中流しっこしよ」
「いいわよ」
「じゃっリルムからね」
セリスって本当にきれい。私の理想の人。とうっとりしながら背中をゴシゴシしてたら、
背筋に何か発見。赤いぞ…ってこの形は…ま…まさか…
『キ、キスマーク??』
「ん?どうしたのリルム?」
「い、いや…何でもないよ…ほい、終わったよ」
「ありがとう。じゃあ交代ね」
セリスに背中を流してもらう間私はあのキスマークが気になってしょーがなかった。
(うーん、相手は誰?ロック?エドガーかなぁ、あ、セッツァーもあやしいなぁ)
「あら、2人でいい事してるわね」と。
いつもはポニーテールにしてるきれいな緑髪を下ろし、セリスに負けない肌の持ち主。
いつも私の「モデルにしたい女の人」トップ3にランクインしてるティナ登場。
あ…こっちの体もあこがれるなぁ。
「ティナ、背中流してあげるわよ」
「じゃあ、お願いしようかな」
2人の美女の背中流しを見ながら私はさっきのキスマークについて考え直していた。
(うーん、本人に聞くと殺されるかもしれないしなぁ。よし、こうなったら…)
「あら、リルム。もう上がっちゃうの?」
「う、うん。ちょっとのぼせちゃったみたい」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
と私はさっさと風呂から上がり、着替えて、セリスの部屋に一直線。
(こうなったら、本人の部屋で確かめるしかないね、うん。
それに私の演技力もたいしたものよ。どっかのじじいと一緒にしないで欲しいね)
と私はセリスの部屋に忍び込み、手ごろなクローゼットに身を隠した。
しばらくすると、ドアが動いた。セリスが帰ってきた。さあ、真実をつかもう!おう!
と3分もしないうちに、ノックが。
「セリス、いるかい?」
「はい、ちょっと待ってて」
容疑者1、エドガーだ。
「で、何の用なの?」
「何って、風呂上りの美しい君を見に来ただけさ」
ウワッ、キッザー。なのかな。
「で、用はそれだけ?」
「それだけって…大切なことだと…」
「今すぐ帰って」
「……」
「早く」
ちょっと凄みが入ってます。
>>132 そういう風にとられるのは、多分俺の文章力の無さでしょう(w
サイファーがこの後どうなるか、等はあんまり言うとまずいので、コメントは控えさせていただきます(w
77
「はっ・・・はっ・・・!」
スコールの頬を、一筋の汗が伝った。
「んっ・・・」
そして、もう何度目か分からないキスをしながら、動きを速くしてゆく。
『はあっ・・ぅぁあぁっ・・』
私の唇の端、わずかな隙間から、自分でも信じられない声が出てくる。
セルフィ、リノア、キスティス、風神。
スコールの眼から見えた映像が、頭の中に少しぼやけて映る。
(自分も、今あのような痴態をさらしているのか。人間に・・スコールに)
しかしそんな、否定したいはずの現実を、今の私は喜んで受け入れていた。
その上、寒さと冷たさだけを心地良い世界としていた私が。
今は全身を熱に包まれ、それを悦んで受け入れている。
熱く燃え盛り、それでいて透明なその炎は、遂に私の魂までも溶かそうとしていた。
『スコ・・スコールッ・・・!』
形振り構うことなど、もうできなかった。
身体も心も、私の中の全てがスコールを求めていた。
両手でスコールの肩を強く抱き、絶え間ないキスを求める。
火の灯ったような、熱くて濃厚なキスを。
荒らしは自分の爆撃跡が無いと、また荒らすので有る。
122 :名前が無い@ただの名無しのようだ :03/01/14 23:56 ID:voavr21w
ほしゅ
荒らしは氏んでねW
こいつが、絡んで来た為にこのスレは、荒れます(プ
コンコン。またノックだ。
「セリスー。いる?」
「はい、今開けるわ」
容疑者2、ロック登場。
「よう、セリス」
「何の用?」
「そうだ。せっかくいー所で」
「あれ、エドガーが何でいるの?」
「だから用件は何なの?」
「いや、特に何も…」
「帰って」
「…………」
これ以上この人を怒らせるとヤバイと思ったらしく、逃げるように出て行く2人。
うーん。あの2人でないとすると残るは…
コンコン
「はーい」
「よお、セリス」
容疑者3、セッツァーが現れた。
「帰れ」と怒り心頭のセリス。こりゃ見つかったら私もヤバイね。
「お、おい、人の用件も聞かずに…」
「今ここで氷になりたくないでしょ?」
「は、はい」門前払いですか。
じゃあ誰?セリスのキスマークの相手は?
142 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/28 18:34 ID:Jyxu96Fa
FFXは駄目ですか?しかも、アーロンとルールー。
初めて書き込むのですが。
勃起age
144 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/28 19:48 ID:hgGuub2i
ちちぼいん
コンコン
「はい」
「よお」
「いらっしゃい。待ってたわよ」
ん?怒ってない?
「じゃあ、始めようか」
「うん」
「じゃあ、脱がすぜ?」
「いいわよ…」
何とか覗こうと顔を扉に近づけて見るがマッシュの大きい体がジャマで何が起こっているか分からない。
その体勢がいけなかった。扉が私の体重を支えてられず開いた。
ぷぎゅっという情けない効果音と共にクローゼットから落ちた。最悪。どうしよう。
「……そこで何をやってるの?リルム」
「んーと、か、かくれんぼ…かな」
ととっさに浮かんだあまりにも苦しい言い訳をしてみる。
「ずーっと見てたのね」
「う…うん」
マッシュが横にずれる。そこには半裸の美女が…………いなかった。
いたのは背中のボタンをはずした美女。マッシュの左手には塗り薬の容器があった。
「か、蚊?」
「そうよ、蚊よ」
私が見たのはキスマークではなく昨夜、テントで寝たときに蚊に刺されたもので、
マッシュの持っている薬は、ダンカン師匠直伝の蚊のかゆみを止める薬で、
それをさっきの時間に塗る約束をしていたということだそうで…
「さ、リルム。とっとと出て行って。マッシュもよ」
「「はぁ〜い」」
と部屋の外にはコップに耳を当てたエドガー、ロック、セッツァーがいて…
「何やってんの?」と思いっきりドスの効いた声で言うと皆一目散に逃げていった。
とある蒸し暑い一日の話。
その後3日間エドガー、ロック、セッツァー、そして私は3日間セリスに口を聞いてもらえなかった。
=糸冬 了=
>>She is Detective 8/9
コメントもなかったので、荒しかとも実際思いましたが、一応話自体としては、
このスレに今までになかったタイプのものだということもあり、けっこう嫌いじゃないです。テンポ良いし。
>>142 俺としては、かなり書いて欲しいですし、スレのルールーからいっても何の問題もないので、どうぞお願いします
78
快感とはわずかに違う、興奮による快楽の渦。
その中で、私は高く高く舞いあがって行く。
スコールのソレも腰の動きも、力いっぱい私を攻め立て、初めて体験する世界へと私を走らせてゆく。
『スコールッ!スコールッッ!』
「くっ・・・!」
周りの風景が真っ赤に燃えた瞬間、臍の辺りに熱さを感じながら、一気に私は頂上へ上り詰めた。
風景が一気に真白くなり、私は意識を失っていった・・・。
同時刻、同ガーデン内。
つい数時間前に到着したばかりの、そして今は懲罰房に入れられている男・サイファーに、語りかけている男がいた。・・言うまでもない、シド学園長だ。
その話は、最初こそ無事を喜ぶような穏やかなものだったが、その内に、サイファーに対する不満と落胆を強く見せるものへと変わっていった。
サイファーの方も、最初の内はおとなしく聞いていたが、それは本当に最初の内だけだった。
(いい加減に終れ・・)
サイファーは既に、その心の中の呟きを何度も視線にのせ、シドに送ったが、シドは中々気付かない。
無視ではなく、本当に気付かなかったのだ。
だがさすがに、シドも自分の話が、途中から効果の薄いものになっていることに気付いていた。
(そろそろ切り上げようか?)
とは思うものの、そのタイミングを上手く計れない。
シドの耳に乾いた靴音が入ってきたのは、そんな時だった。
「シドさん・・。ちょっと、サイファーと話して良いですか?」
そう言って部屋に入ってきたのは、長い黒髪の少女・リノアだった。
補足
前スレの約束は守ります(w
142です。FFX、アーロンとルールー
1/4
宿から少し離れた地下のバーを見つけた。
この時間でも店が開いているのはありがたい。
俺はカウンターから離れた席に座り、酒を頼んだ。
薄暗い店内に、数人の客、
そして、カウンターには、一人で飲む女性、ルーだった。
バーテンの女性となにやら楽しそうに話しながら、
早いピッチでグラスを開けている。
おい、大丈夫か、あぁ、ほらお酒をこぼした。
他のガードと一緒のときと違い、なんだか、抜けているな。
いつも冷静、沈着を装っているが、こんなに間抜けなところもあるのか。
ああ、ほらまたグラスを倒した。
俺は一人、普段と違う彼女を見て笑いをかみこらえていた。
「お客さん、同じのでいい?」
バーテンに言われて、ふと我に返る。
気がつけばもう、俺のグラスは空いていた。
「いや、もう結構だ。」金を机に置くと、
彼女に気づかれぬよう、そっと店を出た。
2/4
星が綺麗だ。こんな夜は、星を見ながら、飲むのもいい。
少しだけ、待っていてやろう。
15分ほど、部屋の前で待っただろうか。
少し足取りの怪しい彼女が帰ってきた。ずいぶんとご機嫌だな。
「あ、アーロンさん。何しているんですか、こんなところで。」
お前を待っていた。
「え?」
あんまり、お酒、こぼすなよ。
「み、見てたんですかぁー?」
こら、こんな夜中に大きい声を出すな。奴らが起き出す。
俺は、酔って大声を出しそうな彼女の口を押さえ、
とりあえず、自分の部屋に押し込んだ。
3/4
彼女は、俺の部屋の椅子に座り込んで、にこにこ子供のように笑っている。
こいつは一人で出来上がってるな。俺の前でも、今度これくらい酔ってみろ。
俺の前だけでも、強がって無理はするな。
間抜けなお前もまた一興だぞ。
今日はもう、これ以上飲ませるわけにはいかないな。
「もう、休め。」
俺がそう告げると、ぺこりと頭を下げ、彼女は部屋から出て行こうとする。
「お前の休むところは、ここだろ。」
俺は、上着を脱いで寝台に横になり、彼女を招いた。
彼女は、黒衣をするすると床に脱ぎ落とし、
滑り込むように俺の隣に入ってくる。
4/4
おい、俺がこのままお前を寝かせると思うか?おい?おい?
駄目だ、もう彼女はむにゃむにゃ何か言いながら、夢の中だ。
たまには、こういう夜もいいか。
しかし、黒い下着姿のお前の隣で何もせず、眠れるのは俺くらいだぞ。
俺だって我慢しているのだからな。
ん、なんだ、寝言か?
「アーロンさ・・・ん」ん?何だ。どうした?
「挑発やって、挑発!こういうの」
・・・何、寝ぼけているんだ。俺の挑発のポーズまで真似て。
俺は、子供みたいな顔で眠りにつく彼女を、再び腕の中に抱きしめた。
完
>149
おお!違う流れに??なんか違う意味で面白くなりそうだね
場違いさんがんばってください
>>155 はい、頑張ります(W
>>142 書いてくれてアリガトウ。最初タイトル見なかったせいで、途中までワッカ視点かと思いました。
途中でタイトルに気付き、そしてその内容と話しの流れから、違う展開を予想したのですが・・見事に騙された(w
テンポ良く読めました。
出来たらまた書いてください
79
「・・何の用だ?もうフッちまった、昔の男に?」
サイファーはわざとそんな言い方をした。いや、そういう風にしか、とても今は言えなかった。
「何って・・そう。昔フッた男の、ふてくされた顔でも見に来たの」
リノアも、あえてサイファーのペースに付き合う。
「ちっ、ならもう見ただろ、帰れよ」「スコールにやられたんだって?」
サイファーの心を揺らす言葉を、リノアはよく分かっていた。そしてリノアの思惑通り、サイファーは叫ぶような声を上げて立ち上がる。
「やられてねえっ!」「でも」「負けてやっただけだ!・・仕方なく帰ってやったんだよ」
最後の方は語調を弱め、サイファーは腰を下ろした。リノアは口を隠しつつも声を上げて笑う。
それを見たサイファーは少し悔しそうな顔をした後、今度は随分と落ちついた低い声で、
「で、本当は何の用だよ」
と言った。リノアも今度は真面目な顔をする。
「・・元気そうで良かった。本当にそれだけ知りたかったの。その相変わらずの性格も、変わってないかどうかね」
サイファーは沈黙する。
(リノア、今更そんなこと言うな)
サイファーの頭の中に、数年前の鮮明な記憶が蘇る。
自信家だった自分を、リノアは慕っていた。
(馬鹿だ、俺は)
あの時どうして、自分の大事なものが分からなかったか。
どうして、あの時・・・
80
(何考えてんだ俺は!)
不意にサイファーは、自分の甘ったれた思い出浸りに腹が立った。
(もう過ぎた事だ!今更何考えてるんだ俺は!)
(リノアはもう・・人の、スコールの女だろう!)
自分の心の中の言葉にはっとする。
そして、あの魔女の騎士だった時のような黒い思いが、頭の中でグツグツと煮えていた。
「・・リノア」
「え、何?」
「スコールは・・・・・」
そこまで言って、俺の言葉は止まった。
『いい加減、はっきりさせる』
そう言い切ったスコールの声を思い出したからだ。
「サイファー?」
「・・スコールは、風神をしっかりサポートしたのか?」
「は?風神?」
「そう、風神。同じ部隊で仕事したんだろう?もちろん、スコールは風神に怪我させなかっただろうな」
あまり上手くないものの、一応話を繋げられたことにサイファーはほっとした。
「風神と昨日も今日も会ってないけど、まさか怪我なんてしてないと思うよ」
「・・なら良い」
二人はそれから数分間話したが、結局サイファーは例の事を言えなかった。
言えなかったが・・・
159 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/31 19:49 ID:sBUyn1iv
勃起age
このスレ気に入りますた
81
わずかな灯り一つ、私の目は冴えている。
今は一体何時だろうか。
雷神はもう、サイファーに会いに行ったと聞いた。しかし私は行けなかった。
seedになってから、以前程私は自由な時間を持てなくなった。
サイファーが戻ってきた時、出迎えすらできなかったのはそのため・・何ていうのはただの言い訳だ。サイファーに対しての。
自分の中では、はっきりと本当の理由が分かっている。
あの夜の事を想うと、私の顔は赤くなる。あの男の事を考えると、私は言葉も出なくなる。
・・だから考えなかった、考えられなかった。
しかし、サイファーが戻ってきてはそういう訳にはいかない。
次々と、漢字のみで表せる感情が現われ、混ざり、消え、残る。そして結論は出ない。
しかし気持ちの整理はつかなくても、私はどのみちサイファーに会わなくてはならない。嬉しさもあれば、不安も罪悪感もある相手に。
それが、スコール達と戦ってまでサイファーと共に生きてきた、私の勤めだろう。
(それに、答えも出るかもしれない)
そう、この錯乱した気持ちをどうにかしてくれるかもしれない。
私は勢いをつけて立ち上がると、暗く人気の無い廊下へ出た。
82
「あっ、風神」
ところが少し歩くと、思わぬ人物に会ってしまった。
いや、それどころではない。最も会ってはならない相手、極めてまともに話す事ができないであろう人物と言っても足りないぐらいだ。
「リノア!」
「どうしたの?こんな夜中に」
そんな台詞はこっちが言いたかった。言えなくても良いから、言われたくなかった。
「・・・散歩」
(こんな真夜中に散歩は多分おかしいが、しかしそんな事はどうでも良い。とにかく、早くどこかに行って欲しい)
「あ、そうなの?私はね、目が冴えちゃって」
(聞いていない)と私は思ったものの、今はそれを口に出すのが少しだけためらわれた。
「だって・・スコール帰って来たっていうのに、もう寝ちゃってるし・・」
少しいじけたような口調。
(いじけるのは良いが、今ではなく違う時間でやって欲しい。そして私の前では絶対やらないで欲しい)
と、心で願いつつ、私はこの話をさっさと終らせる方法を探していた。
「スコールはね、いつも夜になると私と色々話したりしてね」
(聞いてない、聞きたくない)
83
「で、その内・・」「リノア!実我急!」
耐え切れなくなった私の少し強めの声に、リノアは少し驚いた顔をする。
「え、急ぐの?だって散歩って?」
「我、会行サイファー。今日会事無、昼間」
結局、私は嘘をつくのを止めてしまった。しかしこの場を早く切り上げるためには仕方なかった。
「あっ、そうなの。私も昼間会ってきたよっ・・・・・あ、そうだ!風神、怪我無いみたいね」
唐突な、そしておかしな質問。
「怪我?何故?」
「サイファーがね、風神がseedの任務で怪我してないかって心配してたの」
胸がわずかに熱くなった。サイファーは心配してくれていたのか。
「『スコールの奴、風神に怪我させなかったろうな』とかもね。でもあのスコールだし!怪我なんてさせなかったでしょう?」
はっきりと自分の男だと意識しているその言い方も、少しだけ気になったが、しかし今はそれどころではなかった。
まただった。また、思い出してしまったのだ。あの夜の事を。
リノアの前で、私は自分の顔が赤くなっているのに気付きながら、すぐに収める事が出来なかった。
164 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/02/02 18:01 ID:5VigxODp
165 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/02/03 00:47 ID:1QvB+ows
166 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/02/03 00:50 ID:1EjBg8nP
何か小説書いたら教えてあげないよ
142です。
続編を書いてみた。
アーロン&ルールーです。
1/1
結局朝まで一睡もできなかった。
しかし、それは不快なものではなく、むしろ眠るのが惜しい、そんな夜だった。
ルールーがよく寝言をいうのもわかった。
そして、朝は何をやってもなかなか起きないことも。
2/4
静寂を破ったのは、リュックだった。
「おっちゃーん、起きてる?
ルールーが昨日から部屋に帰ってきていないのぉー!おっちゃん、ねぇ起きて」
そんなにドアを叩くな。さすがに目覚めたルールーに布団をかぶせ、
こう言い聞かせた。「動くな」
3/4
上着をはおり、背でベッドを隠すようにしながらドアを開け、
リュックを不機嫌そうに上から睨みつける。
「何だ、朝っぱらから。」
「ルールーが帰ってないのぉ。ユウナんが心配してる。
今、ワッカがその辺を探しに行ったんだけど。」
まさか、昨日からここにいるとは、言えまい。しかもあんな姿だ。
「フッ、お前らのような子供じゃないんだし、心配はないだろう。
どこかで一晩中、飲み明かしているんじゃないのか。」
そのとき、リュックが視線を下に動かしたような気がした。
「・・・そうだね、大丈夫だね。うん、ワッカたちにもそう伝えてとく」
リュックは早口でそう言い残し、走っていった。単純な奴でよかった。
ドアを閉め、ふと振り返ると、床の上には、モーグリと脱ぎ捨てられた黒衣。
確実に、見られた、な。
まあ、リュックのことだから、きっと黙っていてくれるだろう。
4/4
ベッドに戻ると、ルールーは、さっきと同じ姿勢で動かない。
おい、本当に固まる奴があるか。
「だって、動くなって、魔物に言うときみたいな声で言うから、
なんか技がかかっちゃったみたいになっちゃって。」
じゃあ、挑発はどうだ?昨日、俺に挑発をやれと言ったのはお前だぞ。
「私、昨日、そんなこと言ったの?」
ああ、寝ぼけて言ってたぞ。この技、覚えるか?やり方は、人によるがな。
「こんな感じは、どう?」
彼女は少し練習したあと、俺に向けて挑発技をかけてきた。
ウインクした後の投げキス。何かちょっと教えたものと違うような気がするが、
彼女の技は、クリティカルに効いた。
完
アーロンが、朝ルールーにどんないたずらをしたか、
ルールーに挑発技をかけられた後、何をしたかは、秘密です。
>>167〜170
まずはアリガトウ。別の言い方をすれば、この書き手の少ないスレに、再び書いてくれてありがとう。
あいかわらず読みやすいです。最後のとこ、かけられた後何したかって、俺にとっては選択肢はたった一つ(W
84
薄暗く狭い部屋で、俺はなかなか寝付けずにいた。スコールの秘密をばらさなかった事が、いつまでも心に引っかかっていたからだ。
あのままばらしてやれば、あの二人は破局したかもしれない。そうすれば・・・
(なんてみっともない、俺らしくも無い企てだ)
ふと目だけで、部屋の中を見まわす。出られそうな場所はない。
カツン、カツン、という音が、不意にすぐ近くから聞こえてきた。足音なのは分かる。そして恐らく、その足音は知ってる人間の足音だ。俺は少しだけ急いで、相手の顔の見えるところまで移動した。
「風神」
現われたのは予想通りの人物。
「どうしたこんな時間に。よく入れたな」
「我無理言」
「・・そうか」
「サイファー、我・・必言事有」
いつもより弱い声、暗い顔。俺は軽く心を構えた。
「何だ?」
風神はすぐには喋らず、視線を漂わせた。ついつられて俺も部屋を見まわす。
ふと、鍵のかかっている扉が気になった。その鍵は、外からなら開ける事が出来る。
「・・我・・〜」
「え?悪い、もう一度言ってくれ」
話しかけられた事に気付き、俺は慌てて視線を戻す。
「・・・・・もういい」
突然、風神は喋り方を変え、立ちあがった。よほど大事な事でも言ったのか。
「おい待て、・・そうだな。風神、そんな大事な話なら中に入って話せよ」
風神が驚いた顔で振り返る。
「サイファー!そんな事は・・」
「大丈夫だろ。外に一人居たとしても、あと30分は入ってこない。それとも俺が脱走するとでも思ってるのか?」
「・・・・・・・・」
風神が黙って俺を見つめる。
「・・俺はお前には嘘つかない。知ってるだろ?」
風紀委員サイドもキャラクター描写、上手いですね。
萌え系じゃなくてもずっと読みたいです。
85
私を見つめるその目。
その目は過去何度となく、私の全身から力を奪った。そして、抗う事を出来なくした。
「・・解」
心の内は恐る恐る、しかし態度は冷静に、私はその鍵の付いた扉を開けた。心の中が妙な背徳感に満たされる。
「風神。それで、話は何だ?」
サイファーは先ほどの場所から一歩も動かない。どうやら、本当に脱走する気などなさそうだ。
しかし、そうまっすぐ見られると、先程は言えたことが言えなくなる。
「どうした?」
「サイファー、私、実は・・」
「何だ?」
幼い子供のように、私の言葉はたどたどしかった。それでも声は止めない。
「私、スコールと・・・」
不意に声が詰まった。
(これ以上、言ってはならない!)
そんな私を脅すような声が、頭の中に叫ぶように響く。
私の指は口は、震え、固まった。そしてその先を言わさなかった。
しかしサイファーは小さく頷く。
「スコールと、寝たのか?」
その声は私の頭の中に響いていた声を一気にかき消した。
86
「あ・・・」
否定は出来なかった。
否定したかったのに、声は出なかった。
サイファーは妙な暗さを含ませた笑顔を作り、乾いた笑い声を出す。
「はははっ。風神、そうなのかよ?やっぱな。お前、スコールに惚れてたからな」
私は逃げ出したい衝動に駆られた。しかし足は動かない。全身に、冷や汗が流れる。
ハッと気付くと、サイファーは目の前にいた。
(いつの間に!私はサイファーの姿をずっと見ていたはず)
しかしサイファーが目の前に居るのは事実だった。目の前で確かに、サイファーは歪んだ笑みを浮かべていた。
「風神、お前も結局、スコールの方に付くのか?リノアと同じように!」
変だ、と私は気付いた。このサイファーの心の乱れは、リノアと会ったからか?
サイファーの心を乱せるのは、リノアかスコールしかいない事を私はよく知っていた。
「サイファー、やっぱりまだ、リノアの事が好きなの?」
サイファーの表情が無くなった。
「・・・いや。違う」
「嘘」
「違う!」
「違わない」
「違うっつってんだろ!」
バンッ、と強く私は壁際に押し付けられる。
「・・本当に?」
「・・・・・」
再度の私の問いに、サイファーの答えはなかった。
>>173 自分では、あんまり上手く書けてる実感はそれほどないけど、そう言ってくれるなら嬉しい。
ナゼ感想レスがほとんどつかなくなったかということを考えて欲しい。
サイ風推奨なので次の展開楽しみにしてまつ。
>>177 ・・うん、まあ分かってるのですが
>>178 その言葉で気付いたのは、俺は案外風神好きだったのだということ(w
まあ頑張ります。一応予告すると、100話までには終るので。
87
「っっ!」
突如、唇が奪われた。
キスと言うには、少し上品さと理性が足りないような、荒々しい口付け。
私は顔を背けるが、サイファーのキスは止まない。
「サイファ・・!」
私は声を上げてサイファーを引き離そうとする。しかしサイファーは止まらない。
「っぷ!っっぅっ!」
背けた唇が無理矢理に塞がれ、息が出来ない。
唇を離したかと思うと、今度は首筋をサイファーの舌が執拗に這いまわる。
(嫌、嫌・・嫌だっっ!!)
「止っ・・!」
全身の力を振り絞ってサイファーを離そうとする。しかしサイファーは微動だにしない。
抑えつけられている両腕が痛かった。
「サイファー!いい加減に・・!」
そう言った瞬間、フッと私の身体にかかっていた力が抜けた。
「・・・悪い」
熱が冷めたように、サイファーは私から手を離す。そして顔を背け、部屋の端にあるベッドの上へと腰掛ける。
私は驚きと共に、とりあえずホッとした。
安心したが、しかし全身の震えが止まる気配はない。
「サイファー」「悪い、何も言わないでくれ。本当に悪かった」
そう言うサイファーの眼には、力が無かった。
その瞳には、見覚えがある。
昔サイファーが、本当に一瞬だけ見せた目。普段なら絶対に見せない目。
あれはサイファーが本当に、力を失った時の眼だ。
そして、初めて私に助けを求めた時の眼だ。
そう思うと、身体の震えは少しずつ止まっていった。
88
俺はイライラしていた、どこまでも自分に。そんな俺に、風神は哀れみに近い顔を見せる。(止めろ、哀れむぐらいなら罵倒してくれた方がよっぽどマシだ!)
「サイファー、私はあんたの味方だ」
その言葉に俺は驚き、風神の顔を見つめる。
「どこまでも、あんたの味方だよ」
その細い手が俺の両肩に置かれる。
「・・風神」「ずっと一緒にやってきた仲間に、助けを求めるのは恥じゃないよ」
頭の中の霧が、スーッと開けてゆくようだった。肩に置かれていた手が、俺の背中に回り、ギュッと抱きしめられる。
(仲間・・そうだ、どんな事があったとしても。雷神と風神だけは、最後まで俺の仲間だ)
その久し振りに感じる人間の温もりに、俺は目を瞑って浸った。
俺はしばらくそのままでいた。
もう少しだけ、そのままでいたかった。
89
ガーデン入口。任務が終り帰ってきた私は、そこで意外な人物を見つけた。
「あ、スコール・・指揮官。オハヨ、早いね」
成績優秀、容姿端麗、そしてそれほど暗めの性格でもなくなった、後輩のスコールだ。
「どうしたのこんな早くから。任務・・?ってあんた、その服どうしたの?」
そのスコール愛用の服は、まるでアルテマウエポンとでも戦った後のように傷つき、その傷は、戦場でも傷つく事のない彼の顔にまで及んでいる。
「リノアと・・ね」
「リノア?ケンカでもしたの?それにしてもすごいね・・・」
スコールの顔を見て、高めだった私の声のトーンは一気に下がる。ただの小さな仲違いではないようだった。
「先輩、それじゃ俺行きますんで・・」
絶句してしまった私の横を、スコ―ルは通り抜けて行った。小さく、弱く微笑んで。
空は青く、海は静かだった。
揺れる足場を少し気にしながらも、私はリラックスしていた。思わず伸びをしながら深呼吸をする。やはりここは私にとって落ち着ける場所だ。
元々私は、『少年』を助けるための通過点としてこの島に来た。
しかし本当に私が助けたかったのは別の『少年』だった。
だったが、実際に助かったのは私だった。
麗しく物悲しい過去は、優しく私の手を取り、微笑んだ。
(もう私は大丈夫だ)
船が出港の合図の音を轟かす。そしてゆっくりと景色が動いてゆく。
「エルオーネ」
突然の背後からの声。誰の声かは聞き取れなかった。それでも私はある予感と共に、ゆっくりと振り返る。
「え・・?あれ、どうして?」
後ろに立っていたのは、幼い頃からよく知っている、今、最も会いたかったかもしれない『青年』だった。
LAST
その青年の浮かべる笑顔は、数日前に見せた躊躇いのある笑顔とは違い、清々しかった。迷いが断ち切れたようにも見える。
「・・言ったろ?俺はあんたから離れられないって」
私の呼吸が一瞬だけ止まる。そしてすぐに、頭の中が混乱状態になる。
「何を・・言ってるの?」
不意に、私は抱きしめられていた。私は抗う事すら考えられなくなる。
「リノアとは別れた」
驚きの声を上げる間もなく、スコールは続ける。
「キスティスとも。・・キスティスの方とは、それほど酷い別れ方にはならなかったけど」
「何を・・・・・言ってるの?」
「スコール・・あなたは昔の私にすがってるだけでしょう?」
すらすらと喋る私の口。それは言わなくてはならない台詞だった。しかしその言葉とは反して、私の感情は沸騰してゆく。まずい。
「ただの思いで浸りじゃない。俺はあんたが欲しいんだ」
聞いたこともないような、重い声。甘い心地良さが全身に広がってゆく。
だめだ、きっと。
だめだろう、恐らく。
しかしそう思っても、身体の力は抜けて行く。
(私は・・こんなに意思が弱かったのだろうか?)
この後に予想される、ネガティヴで、しかしどこか真実味をもった未来と、良心と思わしき存在とが、私に警告の声を発している。
しかしそれも、やがて聞こえなくなっていった。
とゆうわけで、一応の終りです。
サイ×風の展開を期待してた人。すみません。
サイ×風のこの後の話自体は頭の中ではけっこう細かく出来ていたのだけど、
ちょっとしばらくここに顔出せなくなりそうだったのもあるのだけど、前回の書き込みを見なおして、
セックスシーンなんて入れたら蛇足に思えてきてしまったのとがあり、すっとばしてしまいました。
が、このラストと、リノアなどとの決着のつけ方自体は、前からこうしようとは考えていたので、そこは誤解しないで(w
ではまたその内、短編とか今回の話の番外編みたいなのをひっさげて現われますので。
良かったです!
終わり方も良かった、スコールがちゃんとかた付けてくれたのも
(・∀・)イイ!!
長いことありがとねー漏れの要望にも答えてくれたような?
次もよろしくね♪
189 :
推力:03/02/22 19:42 ID:KK/umoPg
ここは官小スレ6の正統続スレなんですか?(゚ω゚)
(正統ってのもヘンな話ですが)
>189
ここはここ
あそこはあそこ
でも官スレ消えちゃったからここに書き込むがよろし
んですね。引き続き
創作きぼんぬです。
ほしゅほしゅ。どなたか降臨きぼん
エロを出したら、削除依頼出します
↑エロがイヤならくんな。
でもタイトルに「官能」とか付けた方が良いカモね>エロ書くなら
まぁ、一応小さいお子さまも見ている様だし、その辺の配慮は必要かもね。
漏れは成人だからどっちでもいいが。
ところで、エロじゃない小説ってのは需要ないですか?(w
>195
スレタイトルに『勝手な』とあるし、ふつーの小説でも大丈夫かと。
といいますか、激しく読みたいです。よろしくー!
伝統あるマターリスレだったのに…
長い事容認されていたのになぜ今更あぼーんなんだと小一時間…
チョト提案なんですけど、こっちで普通に書いてもらって、エチシーンになったら
そこだけpink板に移って書いてもらうというのはどうだろう?
…話が分散しちゃうけど、リンク付ければ続き読みたかったら行くと思うし。
もしかして「官能」をメインに押し出す事がこの板での削除基準なのか? と
思いますた。でも、官能要素を含む話だってあると思うんだよ漏れは…
ネタはあるが、技量が伴わず書けないけれど(w。そこは強く主張したいのよ、うん。
>>196 スマソ、7.8.10以外のネタなんで…。
(´-`).。oO(この次スレ立てる時は、「FFシリーズ総合」って事で立ててホスィ…
>>1)
…でも萌えスレも無い事だし、需要は極端に無いものなのだろうと思います。(´・ω・`)
199 :
作者:03/03/04 22:49 ID:qUFYj9rz
要するに小学校でエロ本が見つかってPTAに取り沙汰された状況と
おんなじですな。
…と言ってみるテスト
官能があれなら、萌え小説ってことでもいいような・・・
萌えスレなら削除する理由は無いし、いっぱう容認されてるしね
あの〜。保管サイトの小説が見れないんですけど、
移転とかしてませんよね?スレ違いだと思いますが、
答えて下さい。
風紀厨は在日。人豚以下。
>>202 いまさらですが、ありがとうございます。無事たどりつけました。
三闘神とケフカが消滅した世界から魔法は失われ、それと引き替えに人々は平
和と緑を取り戻した。
あれからちょうど、一年の月日が流れていた。
旧ベクタ上空――瓦礫の塔跡地――へ、仲間達を乗せた船がさしかかった頃。
「おい、そろそろ着くぞ」
飛空艇ファルコンの操縦桿を握っていたこの船の長でもあるセッツァー・
ギャッビアーニの声が船内に響いた。
「……着いたか」
彼の声に従い、甲板へ次々と姿を現す懐かしい顔ぶれに、思わず表情がゆるむ。
「それじゃあ、始めましょうか」
「ええ」
セリスの一言で、皆がそれぞれに持った花を甲板から地上に向けて投げ落とし、
祈りを捧げた。ケフカの暴走によって命を落とした多くの人々――そして、
瓦礫の塔から唯一戻らなかったシャドウ――を、弔うために。
「インターセプター、元気だよ」
地上に向けてリルムが囁く。
「今はワシの家で一緒に暮らしておるゾイ」
ストラゴスがその後に続く。
「……正直、俺まだ信じられないんだ。お前、あんなに強かったのに……」
魔列車やドマでの出来事を思い起こしながら、マッシュも呟く。
「お主が最期に……最後に見つけた物が。お主にとってそれが得た物だったとし
ても、拙者には納得いかないでござるよ」
――“友と家族と……”――そんなシャドウの言葉が、カイエンの脳裏によぎ
ると、思わず声を詰まらせた。
「何だかんだ言いながら、炎の中から救い出してくれたり」
目を閉じ、サマサでの記憶を巡らせながら語るセリス。
「俺達と違う方法でも、同じ目標を追いかけてたんだよな」
それに続くのはロック。
「……あなたの持っていた思いを、素顔を……見てみたかったわ」
そう言うとティナは俯いた。
それぞれ黙祷を捧げながら、旅路の記憶を語った。訪れたしばしの沈黙の後、
徐々に緑豊かになりつつある世界を眼下に見ながら、飛空艇ファルコンはその地
を後にしたのだった。
2
久しぶりに集った仲間達は、互いの無事と再会の喜びを分かち合った。いつ
終わるともなく続く談笑の輪を抜け、一人操縦桿を握り続けていたセッツァーの
もとを、リルムが訪れる。
「セッツァー、どっか町に降りたら? そしたらみんなとお話できるじゃん!」
その声の主を見下ろすようにセッツァーが振り向く。
「……そんなに時間はないだろ」
今日集まれたのだって全員ではない。時間の都合が合わず、この場にいない者
もいた。ものまね士ゴゴに至っては行方知れずである。
しかしこうなるのは必然的だし仕方がない。それぞれが自らの道を見出し、新たに
歩み始めている証拠。そう考えると逆に喜ぶべき事なのだろう。そんな事を考えながら
彼は操縦桿を握っていた。
「だけどさぁ、折角こうして集まったんだからセッツァーも……」
「気にするな。大体俺は誰かさんと違って口達者じゃないからな」
素っ気ない素振りは相変わらずだなと内心でリルムは思いながら。
「誰かって?」
「さぁな」
そう言うと、横でふくれっ面になるリルムを無視して再び進行方向へ顔を向け
操縦を続けるのだった。次にこの飛空艇が降りる町で、ロックとも別れる事にな
っているのだ、手を休める訳にはいかない。
「……ねぇ、色男は来なかったの?」
しばらくして聞こえて来た声に、まだいたのかと言わんばかりにセッツァーは
視線だけを動かしてリルムを見やる。
「ああ。マッシュの話じゃ、あいつ自身はここへ来る事を相当楽しみにしていた
みたいだがな。国王様は忙しいらしい」
僅かに皮肉を込めた声で言った。
「女の人口説く方じゃなくて?」
こちらは明かな皮肉だった。
「その口振り、相変わらずだな」
「生意気って言いたいの?」
「さぁな」
先ほどとまるで同じ返答に、リルムはまたもふくれっ面になる。その様子を
目の当たりにしたセッツァーは、こみ上げてくる笑いを隠す事はせずに、ストレートな
感想を口に出した。
「まだまだガキだな」
「ふん! オッサンに言われたくないね」
「お前みたいなガキが大人の魅力を知るには、まだ早過ぎだ」
12歳になったリルムだが、同じように自分も2歳老けていた事を思いだし、思
わず苦笑するセッツァーだった。
「セッツァー、今度また物資運搬手伝ってくれるか?」
最後に訪れた地サウスフィガロでマッシュを降ろすとき、さり気なくそんな事
を言われた。
「言っとくが俺だって暇じゃないからな」
「分かってるさ。それじゃそん時にまた!」
フィガロ国王の弟マッシュは城には入らず町で奮闘しているらしい。建築や土
木工事から地域に密着して国と兄を支えてる、実に彼らしいやり方だと皆感心し
ていたものだ。
それはセッツァーも同じだった。口振りとは裏腹に快く彼の申し出を引き受け、
サウスフィガロを後にする。後は自分の住処――と言っても、彼の場合は飛空艇
そのものが家同然だったが――へ戻るだけなので気が楽だ。
帰途につくべく進路をジドール方面へ向け、飛空艇は離陸した。この先はまた、
しばらく気楽な一人旅が始まる。
……予定だった。
「ねえ!」
気がゆるんでいたことも手伝って、突然耳に響いた少女の声に酷く驚いた。普段は
それ程感情を表に出さない怜悧な顔が、驚きと不審でわずかに歪んだ。
「……リルム。何でまだいるんだ?」
「隠れてた」
聞きたいのはそう言う答えじゃない。とセッツァーが口を開こうとした瞬間。
「フィガロ城に行きたいの。連れてってよ」
思いがけない言葉を耳にして、セッツァーは困惑した表情を浮かべたのだった。
「……は?」
「良いじゃない。ついでなんだし」
帰途にフィガロ城はない。と反論する間もなく、リルムは操縦桿を握る。
「何なら私の運転でも良いわ」
「待て!」
それだけは危険だと直感と勘が告げていた。セッツァーは丁重に、だが確実に
ファルコンの操縦権を取り戻すと、あからさまに安堵の溜息を漏らした。
「あのねぇ……」
その様子に異議を唱えるリルムだったが、先手を打ったのはセッツァーだった。
「分かった。お前と口論する気にはなれん。連れてってやるが……フィガロ城に
何をしに行くつもりだ? 行ったところでエド……」
しかし、言葉が終わらないうちにリルムはそれを否定した。
「ちょと! あんな色男に用があるワケじゃないわよ!!」
いつになく強い口調で否定する姿に、納得したようにセッツァーは微笑しつつ
頷いた。
「分かった分かった。行ってやるから少し黙ってろ」
「あ〜もう違うって! ちょっと聞い……って!?」
途端に飛空艇が大きく傾く。何の前触れもなく襲った揺れに、危うく転げそう
になる身体を寸での所で踏み止まった。
「旋回するぞ、コケたくなかったらその辺に捕まってろ」
「する前に言えーーーーっ!」
リルムの激しい抗議の声を響かせ、飛空艇は急きょフィガロ城へと進路を向け
て進むのだった。
3
「……夢を見たの。とっても不吉な夢だったわ」
フィガロ城が崩れ落ちる夢だった。まるで砂で出来た城のように脆く、やがて
跡形もなく砂漠に没するその光景が、目に焼き付いて離れないのだとリルムは言
った。
「たかがそれだけの理由か?」
呆れたように笑うセッツァーを睨み付けながら、相変わらず反抗的な口調で抗
議する。
「うっさいな。……女の勘は当たるのよ」
「ほー、『女』とはいっちょ前に」
「なにをー!?」
右手に拳を作ってさらにきつく睨み付けるリルムを横目に、だがセッツァーは
愉快だと言った表情で笑った。
「その頑固さと行動力は、たいしたもんだ」
予想もしなかったセッツァーの言葉に、思わず拍子抜けした声で問い返す。
「え?」
「ギャンブラーになる素質十分だ」
「……そういうコトかよ……」
誉め言葉かとちょっとでも期待を抱いてしまった自分がバカだった――セッツ
ァーの言い分とすれば貶している訳でもないのだが――と、肩を落とすリルムを
見ながら、セッツァーはまた笑うのだった。
それから程なくして、フィガロ城上空にさしかかる。
「一番近いルートで砂漠を越えられる所に降ろしてやる。それで良いな?」
「ありがと」
短く礼を言って手すりの方へ駆け寄ると、眼下にそびえるフィガロ城を眺めやる。
リルムが異変に気付いたのは、その直後だった。
「あれ……?」
「どうした?」
取り立てて重要なこととは思わなかったが、一応何かとセッツァーは尋ねた。
その問いに返された答えは、まったく予想外の事態を告げるものだった。
「城の周りに兵士が……たくさんいる」
「兵士?」
「うん。まるで城を取り囲むみたいに」
「…………?」
気になったので操縦桿を固定してから、セッツァーも手すりの方へと歩み寄る。
リルムと同じ方向に顔を向けると、言われた通りの光景が目に飛び込んで来た。
「あんな数の兵士が、城の周りで一体何を……?」
明らかにおかしな光景だった。城門は閉ざされ、その周囲を多くの兵士が取り
巻いていた。だがこの高度からだと、それ以上詳しい様子を伺い知る事は出来ない。
「……あれ? 何だろ」
リルムはそんな人集りの中から、一人駆けだした兵士の姿を見つけた。
「……何かやってる?」
その兵士は少し離れた場所でくるくると回っている。まるで何かの踊りを踊っ
ている様に見えて、その姿がリルムの笑いを誘う。
「おい、ちょっと待て」
しかし、暫くしてセッツァーが深刻な声を漏らした。振り向いたリルムは彼の
表情から、ただならぬ事態なのだと察知する。
「これは――救難信号?!」
正確には少し違うのだが、少なくとも何かが起きている事を地上からこちらに
知らせたい事は確かだった。
「リルム、すぐ降りるぞ!」
「わかった!」
声と共にセッツァーは固定していた操縦桿を再び握ると、飛空艇を急降下させた。
幸いなことに、その兵士とはすぐに出会う事ができた。お互い息をきらせては
いたが、それでも兵士の言葉を聞いた直後、彼らの疲労感は一気に消え失せた。
「……じ、実は城が占拠されてしまったんです」
「!?」
「それも、王を人質に取られています」
「エドガーが人質!?」
そんなことはあり得ない。と、二人はほぼ同時に叫んだ。そんな彼らに気圧さ
れながらも兵士が続ける。
「ど、どうやらクーデターだと思われますが、今のところは何とも……」
二人はこの類の話が得意な訳ではなかったが、この状況が非常にマズイと直感
的に感じた。犯人の要求は、国王の命そのものなのだろうと。
「サウスフィガロにマッシュがいるよね!」
「事態は一刻を争います。できれば我々が……」
「手出しできねぇから俺達に知らせたんだろ!」
「しかし……」
「迷ってる場合じゃないでしょ!?」
「あっ、は、はい」
狼狽しきった兵士とは対照的に、二人は勢いづいていた。
「セッツァー、サウスフィガロまでどのぐらいかかる?」
「……20分……いや、15分で行ける」
「15分……いいわ、行きましょう!」
「よし、戻るぞ」
飛空艇へ向かおうと踵を返すセッツァーの背に、リルムの声が飛んだ。
「セッツァー! マッシュを連れて15分で必ず戻って!」
「なっ!?」
この時、なぜリルムがここに残ろうとしていたのかは分からなかった。だが、
強い意志の宿ったその瞳を見れば、自ずと言葉が出てくる。
「……任せておけ! 必ず戻る」
こうして、フィガロ城奪還作戦は幕を開けたのだった。
ここまで書いておいてなんですが、……あり得ない設定です(w。
FF6ネタで、しかも官能ではないですが、このスレに書き手さんが戻ってくるまでの
“繋ぎ”にでもなれば幸いです…。(繋ぎになる程大した代物じゃありませんが)
一応、この話はエドリル+セッツァーのお話。繰り返しになりますが、
設定的にあり得ないです。(w
……エドリルの需要無かったらごめんなさい。
>214
ありがとうです。
消えた官スレ読めないかな
千一夜の>869を見れ。