FFDQバトルロワイアル PART3

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「いいか、手を出すでないぞ」
サマンサは物言いたそうにしながらも渋々従った。
と、アリーナは怒涛の勢いで迫った!
「今ここで決着をつけようじゃないのっ!」
ピサロに鉄拳を見舞ったが、ピサロはのけぞりながらかわし、その腕を掴む。
「離しなさいよっ」
デスピサロの顎に蹴りを入れようとしたのだが、またもあっさりかわされ足を掴まれてしまう。
「当たれば痛いのだろうがな……」
掴んだ足をあっさり放すピサロ。
アリーナは不振そうにピサロの挙動を見送った。
「お前の格闘センスには前々から目を付けていた。無粋な言い方になるが、我が戦列に加われ」
「ふざけないでっ、何を今さら!」
「後ろにいる男な。あれを助けたいとは思わんか?」
「え?」
アリーナは後ろを振り返った。クラウドの青ざめた顔が鮮烈に目に飛び込んでくる。
間違いなく容態は悪化していた。 もう一刻の猶予もないと思えるほどに。
アリーナはピサロの方を向き直った。 嘲りもからかいの様子もなく、
「お前一人でははあの男のケガを直すことはできまい」
真に答えを求めているピサロの顔があった。
「それは……もちろん助けたい! でも、」
「でも、なんだ」

「魔王に力を貸すことがそれほど嫌か?」
(そうよ、こいつは魔王……)
一度仲間になったことがあると言っても、あれは成り行きだったのだ。
アリーナの意思ではない。
「私がミネア……だとか、クリフトとかの上を行く回復呪文の使い手であることは知っていよう?」
アリーナはしゃがみ込んで頭を抱えてしまった。ミネアやクリフトの名前まで持ち出すとは、本気らしかった。
しかし、酷く仲間を侮辱された気分になったのも事実。
「いやっ! 誰があんたに手を貸すもんかっ」
3432/:03/02/13 18:52 ID:X3wG7qiD
「交渉決裂です、今すぐ排除しましょう!」
サマンサが勇んでずいと前に出た。
「手を出すなと言ったはずだ」
ピサロがサマンサを手で制する。
「しかし!」
サマンサは続けて言おうとしたが、ピサロの険しい表情の前にそれ以上何も言えなかった。
「もう一度言う。私と共に行く気はないか」
アリーナは石の破片を投げつけた。ピサロの目に残酷な色が浮かび上がる。
「もう少し理知的だと思っていたが……、それともそれも作戦なのか?」
「うるさいっ、クラウドは絶対死なせない!! 絶対あんたの仲間になんかならない! 二度とならないっ!」
「くくく……気合で人は直せんぞ?」
ピサロの声色が変わった。押し込めていた殺気を湧き上がらせようとしているのか。
それを感じて後悔しそうになるアリーナ、がしかし。

いきなりアリーナは笑い出した。
「あははははっ、私なんで気付かなかったんだろ……ああ、ホントに」
サマンサが目を丸くしてアリーナを凝視している。その奇行ぶりに動揺していた。
横でピサロが呆れたような表情を浮かべている。
「あんたたちの手を借りる必要ないじゃない……。」
アリーナの声がどんどん高くなっていく。
「ピサロはともかく、そっちのへっぽこ魔法使いさんのなんか及びも付かない回復手段があったのにぃ
ああ、バカだったな」
ピサロがちらりとサマンサの方を見た。
サマンサは肩をわなわなと震わせアリーナを睨んでいる。
「な、何を言うのですか、私をバカにしているつもりですか」
(もう少し…)
3443/:03/02/13 18:53 ID:X3wG7qiD
アリーナは仰々しく手を拡げて挑発する。
「だってさぁ、あんた頼りなさそうじゃない。一人で生きて行けなさそう。金魚のフンみたいにピサロに
くっついていれば安心だなんて思ってるとしたら甘いんじゃない?」
サマンサは怒りを爆発させた。
「はあぁ!? ろくに学もないようなあばずれが何言ってんのぉ!!」
サマンサは金切り声を上げた。今にもイオナズンを唱えそうな気配にピサロが身構える。
「いいこと? 魔法使いさん。私がこれからクラウドを直してみせるから、まあ見てなさい」
サマンサの怒りを受け流すように、アリーナはステップを踏みながら仰向けになっているクラウドの
元に駆け寄ると、前屈みの姿勢になった。
そのまま吸い込まれるように、クラウドの唇に自分の唇を重ねた。 ティファには悪いと思いながらも。
「お姫様に愛の口づけで、王子様な目覚める……どう?」

ピサロは苦虫を噛み潰している。憮然としながらも事の顛末を見届けようとしているようだった。
サナンサの高らかな笑い声が響き渡った。
「バカバカしい……。呆れたというか、あなたおかしくなったんじゃない?」
サマンサはつかつかとピサロの下に歩み寄った。
「本当の回復呪文を見せてあげますわ。 その目を見開いてとくとご覧なさい!」
そしてピサロの服の綻んでいる所を手に取ると、アリーナに見せつけるようにして
「ピサロ卿、貴方の呪文の凄さをあの娘に見せてあげてください!」
ピサロはうんざりとした表情を浮かべながらも、特大の回復呪文を詠唱しはじめた。
これ以上、茶番には付き合っていられないといった風に早口で呪文を唱え出す。
「何が愛ですか、私のピサロ卿への想いは気安く愛などと呼べるような……」
シュッ!   アリーナが何かを投げた。
ピサロのベホマの呪文が完成するのと同時だった。 
宙を舞う指輪がピサロとサマンサの間に割って入る。 光が反射した。 
アリーナが動く。電光石火の早業。
回復呪文の光がアリーナたちの方向へ降り注ぐ。
つんのめる形でクラウドの背中を押し出したアリーナ。
手加減する余裕はない。クラウドの背骨が折れてしまいそうなほど強く、押した。
柔らかな眩い光がクラウドの全身を満たしていった。
3454/:03/02/13 18:53 ID:X3wG7qiD
「うそ……」
サマンサがその場にへたり込んだ。 ピサロは向き直った。
ゆっくりと、体を馴れしたませるようにして、クラウドが動き出す。
アリーナは感激する間も惜しんで叫んだ。
「クラウドッ、その二人は敵!!」

【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸中央付近) 】
第一行動方針:デスピサロを倒すか、逃げる
第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
最終行動方針:ゲームを抜ける

【クラウド(瀕死):所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・
勲章(重装備可能)現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:自分たちの手駒を勧誘する
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)