FFDQバトルロワイアル PART3

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ピサロとサマンサは湿っぽい洞窟の中をただひたすら進んでいた。
幾度にも渡り、分岐路があったが、ピサロは直感で道を選んでいるのか、迷う素振りを見せずにひたすら早足で歩いて行く。
足元は滑りやすく、後をついてゆくサマンサは彼の歩調に合わせるのが精一杯だった。
ピサロの腕で目が覚めて以来、心に少々動揺を感じていたサマンサはピサロの背中を何度かじっと見つめる。
―いや、そんな筈は無い!私は誰にも心は開かない!―
自分でもよくわからない想いがせめぎあっていたが、少し油断をしてしまったようだ。
「きゃっ!」
ついに足をとられ転んでしまった。
なんという屈辱。冷静な自分がだんだん消えてゆくのが手にとるように分かる。
「何をしておる…」
ピサロは振り返り、サマンサに手を延べた。
その手はサマンサにとって嬉しいものであった。が、サマンサは彼の手を取らずに自分で立ちあがった。
「失態を見せて申し訳ありませんでした。でも助けは無用です」
恥ずかしさで顔を赤らめながら、サマンサはピサロの前に出て歩き始める。
「…素直ではないな。ロザリーとは大違いだ」
ぴた。
サマンサの歩みが止まった。
ロザリーとは誰の事であろうか。
胸の奥がずきん、と痛くなる。
差し出した手を引っ込め、ピサロは苦笑を浮かべている。
「あれが…このゲームに参加していなくて良かった…」
聞こえるか聞こえないか分からない大きさの声でつぶやいた。
「いや、つまらぬ事を思い出してしまったな。行くぞ」
気をとりなおし、ピサロは固まっているサマンサの横を抜け、再び歩き出した。
慌ててサマンサが追いかける。
胸の痛みはおさまるどころか、どんどん悪化していた。
そして、始めて、ピサロに対してよく分からない憎しみを感じ、戸惑う。
3212/2:03/02/11 00:00 ID:3k/5IqKS

どれほどの時が経ったのか、暗がりでわからなかったが、やがて洞窟の出口らしきものが見えた。
簡素な作りの梯子を昇り、天井の蓋を開けると、半分崩れかかった建物の中に出る。
「ピサロ卿…ここは…」
サマンサは気配を隠しながら辺りを見まわした。
見た事のない像が並んでいる。
「どうやら何らかの神殿のようだな」


一方、水晶を覗いていたマゴットは神殿にかつての仲間が映っているのに驚く。
「………!!」
慌ててハーゴンに知らせようと駆けだそうとしたが…。
かつて、共に戦った仲間でもある。
できるならば穏便に事を済ませたい。
マゴットの中で過酷な選択が強いられた。
しばらく考えた後…マゴットは意を決して走り出した。

※マゴットがどんな決意をしたのかはお任せします。

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・勲章(重装備可能)
現在位置:神殿】
第一行動方針:神殿内を調べる
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)

【マゴット(MP減少)武器:死神の鎌:現在位置:神殿】
第一行動方針:デスピとサマンサ関係で何らかの対処をする
第二行動方針:ハーゴンから儀式について教わる
第三行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流