FFDQバトルロワイアル PART3

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森の中をチョコボに乗って悠々と進む影二つ。
雰囲気からして歴戦の勇者。今はお互い話をしているが、全く隙がない。
手綱を執るはオルテガ。アリアハンの勇者。勇者ロトの父親。
同行者はリバスト。かつて、天空の鎧を纏って怪物たちを戦った勇者。
「なるほど、温泉町か。さぞやいい場所だろうな。」
「ああ。私の世界に来ることがあれば寄られてみては如何か。」
「そうだな。家族連れて行きたいものだな。ところで温泉の後はいい酒が飲みたくなる。酒といえばカザーフ地方の酒はなかなかのものだぞ。特に西部よりの地域のものは格別だ。」
「確かに。酒はほしくなる。その酒を一度は味わってみたいものだ。」
お互いの世界のことは知らない。未知なる物だ。
だが、たとえ知らなくとも想像力がそれを補ってくれる。

ふと、オルテガがチョコボの足を止める。
「どうした。何かあるのか?」
「…そこに祠があるだろう。」
オルテガの指差した先…普通に森が広がっているように見えた。
目を凝らしてみるがどうにも不審な点は見つからない。
「…いや、何も…見えないが。」
リバストはオルテガには祠が見えているのだろうとわかった。どういうわけかは知らないがオルテガには見えている。自分には見えていない。
なぜならそれはロトの血を引くものしか見ることのできないもの、すなわち勇者ロト、アルスの父親であるオルテガには「それ」が見えて当然なのである。
チョコボから降りてリバストが注意しつつ「それ」に近寄る。
「なるほど。何か呪文のようなものがかかっているようだ。」
何もないように見える空間をリバストが触れる。なるほど、これはすごい呪文だ。
「なぜ、私に見えるのかはわからないがまあ、よしとしよう。」
「如何する?オルテガ殿。」
「先客はいると考えるのが自然だと思うが。それが敵なのか、味方なのか。おそらく複数いると思うが…」
祠がはっきり見えるオルテガにはある程度中の様子がわかるようだ。
「息子さんじゃないのか?」
「…アルスはここにはいない。わかる。」
「親の勘というものか。」
「そうかもしれん。」
「息子さんの知り合いかもしれないということか。」
「息子の交友関係は知らないが、仲間はいるはずだ。」
「思案のしどころですな。入るか、否か。」
「うむ。」
ロンダルキアの祠前。二人の勇者が思案する。

【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠前 行動方針:思案中】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上 行動方針:思案中】
チョコボが一匹ともにいます。