FFDQバトルロワイアル PART3

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300保管庫ベス
【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん『光の玉』について書かれた本/ 勲章(重装備可能)
 現在位置:ロンダルキア南の湖の小島→トンネルへ 行動方針:腕輪を探す→勝利者となる
 /腕輪を探す→生き残る】
301ハイ保管庫:03/01/25 02:27 ID:lbN1Szy9
魔物の騎士とネズミの竜騎士は、同じ景色の続く荒野を歩いていた。寂寥感が募る寒々とした大地。
見るものもなく乾いてしまいそうな心に突然やってきた魔の時刻。 放送だ。
ゾーマの放送は呪いの言葉と呼ぶにふさわしかった。 ビビが死んだ。どこで最期を迎えたのかもわからない。
ただ事実だけが告げられて二人は呆然とした。
「また大事な仲間が一人……」
フライヤがつぶやくと、ピエールは堰を切ったかのように泣き崩れた。
騎士の目から溢れる涙が足下まで伝い、スライムの緑の肌を濡らす。
常に緩んだ口元に笑みを絶やさなかったスライムも、まるで怒っているかのように顔を膨れ上がらせていた。
二人を包む空気はずっしりと重い。 
フライヤはピエールにかける言葉が見つからず、しばらく何も言えなかった。
(泣きたいのは私も同じだ……)
何しろあのビビだ。可愛らしいほんの子供としか思えなかったビビがだ。死の予兆など
まるで感じられなかった。
自分の命に限りあることを知ったあの黒魔道士は、来たるべき時を迎えるまで懸命に生きようとしていたのだ。
それをこんな形で、こうも簡単に。 ビビへの想いが張り裂けそうなほどに募ってくる。
フライヤは懸命に、激しく暴れ回る感情を抑えつけた。
(二人揃って大泣きして何になる)
ぐっと歯を食いしばり、流れ出そうになる涙を堪えた。
「ピエール、つらいじゃろうが立ってくれぬか。 ビビに手向けたい」
ピエールはうずくまったまま動かない。 傍らのスライムが震えながら瞳を大きく見開いている。
まってくれ、とでも言いたげな目だ。 フライヤは待ち続けた。 
数分、しかしピエールは立ち上がろうとはしなかった。 
「わかった……」
フライヤは、動かないピエールを横目にエストックを取り出すと、天に高く掲げた。
(ビビ、何もできなかった。すまぬ……)
エストックが太陽を浴びて、荒野に一条の光を導き出す。 それは遠くどこまでも続く。
きっと、ビビは輝いていた。 手に握る剣が指し示した光のように。
フライヤは目を閉じ、嘆息した。

【フライヤ・ピエール 武器:エストック・珊瑚の剣 行動方針:ゾーマ打倒 現在位置:ロンダルキア南平原】