FFDQバトルロワイアル PART3

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如意棒・・・
作戦:

      ・マターリ逝こうぜ
      ・死ぬ気でがんばれ
      ・他人にまかせろ
      ・薬つかうな
      ・命をだいじに
     >・発狂させろ
PS2、GCの2大ハードで発売するのが一番上手く行くのにねぇ
たぶん200も行かないうちに飽きて終わると思うよ。
FFはPS以降が駄目ってことか
ワロタwただのってw
286名前が無い@ただの名無しのようだ:03/01/15 00:50 ID:zFJYnyGR
漏れはスレを間違えたのだろうか…。
保守
288保管庫1/4:03/01/24 03:17 ID:QfQtv7Ge
ロンダルキア洞窟、無限回廊
リノアは闇の中で1人震えていた。
「スコール・・・早く帰ってきてよ」
洞窟の中で、転倒してしまったリノア、しかも場所が悪かった、彼女の転倒した場所は
ちょうど無限回廊のフロアとフロアの境目だったのだ。
そのためわずかに先行していたスコールとはぐれた彼女は、スコールが迎えに来るのをひたすら待ち続けていた。

洞窟の片隅でうずくまっているうちにリノアに睡魔が忍び寄ってきた。
一面静寂と闇の中では、それに抗う事は難しい・・・・リノアは床にころんと寝転ぶとそのまま寝息を立て始めた。


「すっかり迷ってしまったぜ・・ってうわっ!」
そしてそのころ、同じように無限回廊の中をさまよっていたザックスは、不意に足元に現れた障害物に
思いっきりつんのめってしまう、普段のザックスならば、こういったことにも対処できるのだが、
洞窟に掛けられた魔法が、微妙にその感覚を狂わせていた。
「おい・・・そこで何しているんだ、あぶねぇな!」
苛立ちまぎれにザックスは足元のそれを蹴りつけようとして、その障害物がもそもそと動いたのに気がつく
「って、人かよ!オイ、大丈夫か!」
闇に目を凝らすと正体が見える、それはまさにザックス好みの美少女だった。

「俺はザックス、君みたいなキレイな女のコが1人でいちゃ危ないぜ!」
ザックスはまさに電光石火の早業で少女に近づき、声をかける。
少女は怯えたような声を上げて奥の方へと後ずさっていく、
「俺は何もしないって!信じてくれよ、俺は女のコには優しいって評判なんだぜ!
なぁ・・ほら武器も捨てるから・・・」
ザックスは少女を安心させるため、あえて剣を地面に投げ捨てた、この状況でそれがいかに危険かを
充分に理解した上で。
289保管庫1/4:03/01/24 03:19 ID:QfQtv7Ge
と、その時だった、少女の緊張した顔がやや緩んだと思った瞬間、ザックスは背後から現れた何者かに
思いきり殴りつけられていた。
「何しやがる!テメェ・・・おっと君は安心していいよ、俺があんな奴には指1本触れさせやしないぜ・・・
って、そんなのアリかよ!」

そう、少女はザックスを完全に無視して、闇から現れた男・・・スコールの元へと走ったのだった。

「そうか・・・そういうことだったのか、色々悪かったな・・・・またな」
気まずそうに鼻の頭を掻きながら頭を下げるザックスだったが、スコールはさらにザックスへと殴りかかる。
「オイ、謝っただろ!もういいじゃねぇか!しつこいぞ!」
掴みかかるスコールを振りほどこうとしたとき、ザックスは見てしまった、スコールの瞳を・・・

はっ!と気がついたようにザックスはスコールへと向き直る。
「テメェ!乗ってやがるな・・・しかももう何人か殺っているな・・あのコも殺すのか!許さねェ」
スコールはザックスの言葉に氷のような視線で応じる、ザックスもまた、スコールを振りほどき拳を構える。
またそして正午の放送が鳴り響くと同時に2人は・・・・

【ザックス 武器:無し(バスタードソードは地面に落ちたままです) 
現在位置:ロンダルキアの洞窟5F 行動方針:とりあえずスコールを何とかする→エアリス・ティファの捜索】

【スコール(負傷) 所持武器:なし 現在位置:ロンダルキアの洞窟5F 
 行動方針:ザックスを殺す→人形状態ではあるがリノア以外は殺す】

【リノア 所持武器:妖精のロッド・月の扇/アルテマ×1 現在位置:ロンダルキアの洞窟5F
 行動方針:スコールと行動する】
290保管庫:03/01/24 03:22 ID:QfQtv7Ge
そしてそれとほぼ同時刻、ロンダルキアの洞窟の出口

放送が終わると同時にギルガメッシュの口から、凄まじい絶叫があがる。
その悲嘆は、共に行動していたティーダとエアリスにも充分理解できた。
彼は事あるごとに、彼らクリスタルの勇者たちを称え、彼らとの再会を心の支えとしていたのだ。
「レナ!ファリス!・・・何故だ!何故俺が生きていて、お前らが先に死ぬ!
お前ら勇者だろ!世界を救うんだろ!ちくしょうッ!!」

一方、彼らの背後では、ラグナが止めるのも聞かず、マリベルが必死に瓦礫を掘り返している、
「おい、もう止せ、無駄だ」
「アーサーが死んだなんて絶対に嘘よ!このどこかに埋まっていて、きっと助けを待っているのよ・・・
 助けなきゃ・・・助けなきゃ」
自分に言い聞かせるように呟きながら瓦礫を掘る、マリベルのその手は自らの血に塗れていた、
それを見たラグナはもう止めようとはしなかった、ただ悲しげに見守るだけだ。

そんな彼らの様子を見ながら、ティーダは申し訳無さ気な表情をしてエアリスに話しかける。
「俺・・・・リュックやアーロンが死んでなくって、少しだけ安心してしまったッス
 でも・・・その陰で誰かが死んで、悲しむ人がいて・・・・それでも安心できる俺って一体・・・」
ギルガメッシュたちの悲しみの表情を見ながらうなだれるティーダの肩に手をやりエアリスは優しく言い聞かせる。
「いいのよ・・・私だって皆には悪いけど、クラウドたちが死んでなくって・・・・うれしいもの
 こんな時だから、素直に喜べるときは喜んだ方がいいと思う、自分の命の他に今はそれしか
 希望はないもの・・・・」
291保管庫:03/01/24 03:24 ID:QfQtv7Ge
と、その時
「やはりセフィロスは倒さないといけねぇようだな、このゲームを抜けるなり潰すにしても」
その唐突な一言に一同は一斉にギルガメッシュの方を向く。
「俺の考える限り、タイマンで奴に勝てるような奴は想像もできねぇ、これから先、
 人数が減ればますます奴が有利になる、仕掛けるなら今だ」
その言葉を聞いたラグナがうんうんと頷く。

「6人、いや攻撃に5人、守りに2人で7人は欲しいな・・・それでも」
ここでギルガメッシュは言葉を切って一同を見つめる。
「奴を倒せるとは限らんし、例え倒せたとしても・・・・生き残れるのは1人か2人、だから強制はしない、
 俺だって本心は死にたかないしな」

「今から俺が100数える、その間に答えを決めて・・・嫌ならこの場から去ってくれないか」
と、かなりムリヤリな、まるで自分がこのメンバーを仕切っているような言葉を残し、
ギルガメッシュはそのまま背中を向け、大声で一つ、二つと数を数えだしていく。
不思議な雰囲気が漂う最中、数え終わったギルガメッシュが振り向いたとき、

そこにはマリベルもエアリスもティーダも残っていた、そして両足を失ったラグナさえも
自分の存在を誇示するように、両手を挙げて微笑んでいる。

予想外の結果に、ギルガメッシュはうろたえながらも声を出す。
「いいのかよ、お前らも会いたい奴もいれば、やらなきゃいけねぇ事もあるだろうが・・・死ぬぜ」
292保管庫:03/01/24 03:28 ID:iAKGlvfP
「だからこそ、そのセフィロスって奴は止めなくっちゃいけないッス!」
「やられっぱなしじゃ、納得できないわよ!それにもしエドガーって人が死んだら元も子もなくなっちゃうし」
「守り手が必要よね、ギルガメッシュさんはドジだから」
「俺でよければ俺なりにって所かな、足がありゃ任せろって言えるんだがな」

もちろん、彼らも好き好んで戦うわけではない、その内心は死への恐怖で溢れている。
だが・・・それでも自分がセフィロスを倒す事で、守りたい誰かが、希望を託したい誰かが生き残れるのなら
可能性がわずかでも増えるのなら・・・この命、惜しくは無い。
彼らの表情はそう物語っていた。

「よし!あと3人、腕の立つ戦士を2人と、それから回復魔法の使い手を探すぞ!」
「それに武器も探さないとな」
「武器もいいけど、カンキリも忘れちゃだめッスよ!」
「もう!ティーダ君のいぢわる!」

なんてことを口にしながら雪原を進む彼らの顔に何時の間にか笑顔が戻って来ていた。
だが、それは死地に赴く覚悟を決めた戦士たちの死出の笑いでもあった。
293保管庫:03/01/24 03:36 ID:iAKGlvfP
【マリベル/ラグナ(両足欠損)/エアリス/ティーダ/ギルガメッシュ 現在位置:ロンダルキア洞窟近くの雪原
 所持武器:エルフィンボウ・いかづちの杖・エドガーのメモ/参加者リスト/ 癒しの杖/無し/無し/
行動方針:打倒セフィロス→このゲームから抜ける】
294保管庫改:03/01/24 03:44 ID:iAKGlvfP
〈台地中央砂漠北の山地  12:05〉

「・・・!!!! 聞いた?今の!!」
「ええ・・・。リュックさんの名前が無かった・・・」
「一体・・・・・・どういうこと・・・」
突如流れた、ゾーマの放送。いつもの通りにこれまでの死者の名が呼ばれた。
しかし、ソコに彼らが手にかけたリュックの名前がのっていなかったのだ。

「・・・むこうのミスってわけじゃなさそうですね」
「でも、彼女は確かに私達が・・・殺した・・・はずよ。最後まで・・・見たし・・・」
ティナの言葉には力が入っていなかった。
「アレはリュックさんじゃなかったのかも・・・」
「いえ、多分本人だったと思います。一度、人間に戻っていましたから・・・」
「バーバラはどう思う?」
ティナは後ろにいるはずのバーバラに問い掛けた。
しかしバーバラの返事は無かった。こちらの話を聞いていないようだった。
彼女は顔を真っ青にして、両腕を抱えて震えていた。

(アモスも・・・アモスも死んじゃったなんて・・・
 あんなに強かったのに・・・なんで・・・なんで・・・・・・!!!)
「バーバラ、バーバラ!!」
アルスに両肩を掴まれ激しく揺さぶられたバーバラはようやく我を取り戻した。
「どうしたんだ?顔が真っ青じゃないか」
「え?・・・うん、大丈夫。ちょっと疲れちゃっただけだから・・・」
顔の筋肉を無理に動かして笑う。迷惑をかける訳にはいかない、そう思ったからだ。
「無理しない方がいいわ。少し休憩しましょうか」
「もうすぐ森にでるはず。それまでがんばれるわ。気にしないで」
バーバラはそう言って歩き出した。少しも大丈夫そうに見えなかったが。
二人は気がついた。
おそらく、バーバラの仲間の名がさっきの放送で呼ばれてしまったのだろうという事に。
だからこそ今は彼女に何も言わない方がいい、という事を二人は無言で了解した。
295保管庫改:03/01/24 03:45 ID:iAKGlvfP
「リュックの事は今バーバラに伝えない方がいいわ。今伝えても、たぶん辛いだけだから」
危険だから、という事で二人はバーバラを後列に下げた。山道を歩きながら
ティナは隣を歩いているアルスに、バーバラに聞こえないように話し掛けた。
「はい。・・・でも、リュックさんの名前が呼ばれなかった、という事は・・・」
すなわち、リュックは生きている。いや、リュックだった怪物と言ったほうが正しいか。
音の無い言葉が、2人の耳に強く響いた。
「でも、あの状況でどうやって・・・転移魔法は使えないはずなのに」
ティナの疑問に答えられる者はここには誰もいなかった。
ただ重い空気だけが青空にそぐわない重圧を加えていた。


三人の歩みは目に見えて遅くなっていた。
アルスは先頭に立って歩けるコースを探し、ティナは杖に意識を集中して策敵している。
ただでさえ魔力の枯渇しているバーバラは、ついて行くだけで必死だった。
山間部の道は険しく、薄い空気が体を蝕む。だが、それ以上に先程の事実は重かった。
296保管庫改:03/01/24 03:49 ID:pqygJUqX
「・・・え?うそっ!?」
アルスは少し訝しげに後ろを振り向いた。
ティナの声には、ハッキリと歓喜の色がこめられていたからだ。
「反応があったわ。ここから西に、私の仲間がいるの!」
「そうなのか。一人なのか?名前は?」
アルスの顔にも笑みが浮かんだ。
ティナの仲間ならこっちの味方になってくれるにちがいない。
「反応は二人、一人はエドガー、私の仲間よ。もう一人はテリ―という人よ」

「テリ―が向こうにいるの?」
疲れた表情をしていたバーバラも、その言葉を聞いて少しだが元気を取り戻したようだ。
「テリ―はあたしの仲間よ。良かった、無事だったのね・・・」
「二人の知り合いなら、早く合流したいな。方向はこのままでいいんですね?」
「ええ、このまま真っ直ぐ西よ。森の境くらいに、動きはないわ」
「ちょっと杖を貸してください」
ティナから杖を受け取ったアルスは、それに意識を集中してみる。
頭の中に自分を中心とする円が広がり、ちょうど自分の向いている方、
中心から西の方角、円の端に光点が二つ浮かんでいた。
円の中心には自分の他に二つの光点、バーバラとティナの点が浮かんでいる。

「・・・あれ? なんで名前がわかるんですか?」
アルスは不思議そうな顔をしてティナの顔を見た。
「光点の下に名前がでているはずだけど・・・。出てないの?」
アルスは無言で首を縦に振る。
「使う人の魔力によって差があるのかしら」
しかし、ティナの言葉は少し投げやりだった。心ここにあらず、という感じだ。
探していた仲間にやっと会えるという事が、彼女はとても嬉しいのだろう。
ここから西に仲間がいる。その事実が少しだが三人の足取りを軽くしたのだった。
297保管庫改:03/01/24 03:50 ID:pqygJUqX
【アルス/ティナ: 所持武器:対人レミラーマの杖・天空の剣・黄金の腕輪/プラチナソード 
 現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地 
 行動方針:仲間を探す→エドガーと合流】
【バーバラ:所持武器:果物ナイフ・ホイミンの核・ペンダント・メイジマッシャー 
現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地 行動方針:仲間をさがす→テリーと合流】
298保管庫ベス:03/01/24 03:52 ID:pqygJUqX
放送直前、ロンダルキア南東の森の中でサマンサは目を覚した。
昨夜からの激戦の疲れか、ピサロの腕に抱かれたまま眠ってしまったようだ。
その温かい腕の中を回想すると、サマンサの白い肌がほんのりと桜色に染まる。
(こ、この感情はなんだ・・・ありえない!)
未知の感情に戸惑い、ぶんぶんと頭を振ってそれを追い払った、サマンサの背後から
唐突にデスピサロが声をかける。

「気がついたか、やはり人は脆弱よな」
はっ、とサマンサは振り向くが、何故か無意識にデスピサロの顔から視線を逸らしてしまった。
そこに湖からの風が頬に触れる、未だに熱を持ったままの顔に心地よい。
風が幾分、火照った頭も冷やしてくれたようだ。今度はちゃんとデスピサロの顔を見据えて
サマンサは問いかける。

「ピサロ卿、もしよろしければまたあの島に渡りたいのですが、よろしいでしょうか?」
その言葉を聞き、デスピサロは意地悪く笑う。
「ほう・・・やはり気になるか?あの少年たちが」
「・・・・・お戯れを」
「まぁいい、私もあの島は気になっていたのだ。掴まれ」
そう言うなり、デスピサロはまたサマンサを強引に抱きかかえ、再び薄い氷の上を跳躍し
島へと向かう。
その腕の中ではぁはぁと息を荒くしているサマンサには気がつかないままで・・・・。

(どうやら命拾いをしたようですね、ですがどうやって?)
上陸後、ビビとジタンが無残な姿を晒していた周辺で佇むサマンサ、だがその瞳はどこか虚ろだった。
彼女の本来の仲間、アルスにしろマゴットにしろ、実力は彼女より上だったかもしれないが、
その能力以上の感情、すなわち友情なり愛情なりといったものをサマンサは持つ事は無かった、
だが・・・ピサロに関しては・・・・。
299保管庫ベス:03/01/24 03:54 ID:pqygJUqX
 まして彼は魔族、しっかりしろ・・・彼が私を利用するのではない、私が彼を利用するのだ」
そう自分に言い聞かせるサマンサだったが、その言葉に力は無かった。

一方のデスピサロは島の中心部で色々と調べ物をしている。
そこには古ぼけた社と祭壇、それから禍禍しい神を彫った石像が安置されている。
「なるほど・・・・ここはなにやら神事を行うための島のようだな」

だが、腑に落ちぬ点もある。
この島の海岸線は岩場ばかりで、船では上陸できない、この島が彼の睨んだとおり
祭事を行う場所ならば、信者たちはどうやってここまでやってくるのだ。

と、そこにサマンサの声が聞こえる。
「ピサロ卿、これを」
サマンサの示した場所には、いかにも不自然な岩盤が砂地に露出していた。
「そういう仕掛けか」

2人は岩の前で色々と呪文を試していたようだが、通常の魔法で開かないと見るや
今度は祭壇の石像に刻まれていた語句を岩の前で暗唱していく、と
かちりっ、と、乾いた音と同時に2人の目前で岩が開き、その下に通路が現れる。
「ふん・・・なるほどな」

トンネルの中は一本道ではなく、いくつか分岐があるようだ、どうやらこのトンネルは
ロンダルキアの地下全体に網の目のように張り巡らされているらしい。

「サマンサよ、どうする・・行くか」
「ピサロ卿の望むままに」
デスピサロの言葉に、出来るだけ平然と事務的な口調で応じるサマンサ
その冷たい瞳の奥底には、少しだけ温もりのような光が宿っているかのように見えた。
300保管庫ベス:03/01/24 03:57 ID:MS29ss4y
【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん『光の玉』について書かれた本/ 勲章(重装備可能)
 現在位置:ロンダルキア南の湖の小島→トンネルへ 行動方針:腕輪を探す→勝利者となる
 /腕輪を探す→生き残る】
301ハイ保管庫:03/01/25 02:27 ID:lbN1Szy9
魔物の騎士とネズミの竜騎士は、同じ景色の続く荒野を歩いていた。寂寥感が募る寒々とした大地。
見るものもなく乾いてしまいそうな心に突然やってきた魔の時刻。 放送だ。
ゾーマの放送は呪いの言葉と呼ぶにふさわしかった。 ビビが死んだ。どこで最期を迎えたのかもわからない。
ただ事実だけが告げられて二人は呆然とした。
「また大事な仲間が一人……」
フライヤがつぶやくと、ピエールは堰を切ったかのように泣き崩れた。
騎士の目から溢れる涙が足下まで伝い、スライムの緑の肌を濡らす。
常に緩んだ口元に笑みを絶やさなかったスライムも、まるで怒っているかのように顔を膨れ上がらせていた。
二人を包む空気はずっしりと重い。 
フライヤはピエールにかける言葉が見つからず、しばらく何も言えなかった。
(泣きたいのは私も同じだ……)
何しろあのビビだ。可愛らしいほんの子供としか思えなかったビビがだ。死の予兆など
まるで感じられなかった。
自分の命に限りあることを知ったあの黒魔道士は、来たるべき時を迎えるまで懸命に生きようとしていたのだ。
それをこんな形で、こうも簡単に。 ビビへの想いが張り裂けそうなほどに募ってくる。
フライヤは懸命に、激しく暴れ回る感情を抑えつけた。
(二人揃って大泣きして何になる)
ぐっと歯を食いしばり、流れ出そうになる涙を堪えた。
「ピエール、つらいじゃろうが立ってくれぬか。 ビビに手向けたい」
ピエールはうずくまったまま動かない。 傍らのスライムが震えながら瞳を大きく見開いている。
まってくれ、とでも言いたげな目だ。 フライヤは待ち続けた。 
数分、しかしピエールは立ち上がろうとはしなかった。 
「わかった……」
フライヤは、動かないピエールを横目にエストックを取り出すと、天に高く掲げた。
(ビビ、何もできなかった。すまぬ……)
エストックが太陽を浴びて、荒野に一条の光を導き出す。 それは遠くどこまでも続く。
きっと、ビビは輝いていた。 手に握る剣が指し示した光のように。
フライヤは目を閉じ、嘆息した。

【フライヤ・ピエール 武器:エストック・珊瑚の剣 行動方針:ゾーマ打倒 現在位置:ロンダルキア南平原】
不思議に思った。戦場の真ん中で、自分の位置を悟られてもおかしくない行動を取るものがいたからだ。
誰かを呼ぶための行為かとも思ったが、それにしても大胆だ。
血に飢えた人という名の獣が、どこに潜んでいるかもしれないのに。
余程腕に自信があるのか、あるいはやむを得ない事情のためか。
光の輝きはまだ続いていた。 気付いたのが私じゃなかったら、とっくに襲われているだろう。
と、今度は光の数が二つに増えた。 あまりの無軌道ぶりに少しイライラする。
ああ、そうか。 私を呼んでいるかもしれない。  救いを求めているのか。
さきほど近くで聞こえた爆音は、今はなりを潜めている。 光と爆発。 どちらも気になる。
私は占ってみた。 精神を集中を妨げる冷たい横風が吹く。 前髪が目にかかって振り子のように揺れた。
いつのまにか落ち着いていた。 頭の中にイメージされたのは人間とは違う二つの存在。はっきりとはわからないが
邪悪さは感じられない。  魔族が参加していることは考えられるが、邪悪ではない、とは

私は光に導かれるように歩いていた。 
ひょっとしたら罠でもありえた。 邪悪さがないのは嘘で固めた作り笑いで、すぐに牙を剥き出しにするかもしれない。
この先には死への道があるだけかもしれない。 
見事に騙されたらなんて言おうか。  無理に明るく振舞えば少しは気も晴れようか。
――呼ばれて来ました、ええ、なぐり込みでーす
「……」
 自分で慌てて口を手で押さえた。
いけない、どうしたんだろう私……  
恥ずかしいやら情けないやらで、誰も見ていないのに顔が火照りだす。でも、私は決意した。
アモス、ごめん。どうしても行かなきゃならない気がするの。 大切な人の傍には、あなたがついていてあげて

自分を見守っていた魂が離れていくような気がした。
――必ず後でいくから
私はしっかりと方向を見定めて、走りだした。

【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル、妖剣かまいたち、小型ミスリルソード、水筒1.5リットル
 現在位置:ロンダルキア祠南平原移動中 行動方針:さらに南へ。光の方向へ】
「もうここに居てもつまんねーや・・・・」
ゾーマは指を鳴らした。
ボンッ!
参加者たちの首輪が全て爆発した。

FFDQバトルロワイアル─完
304∬ ◆xVFORTsym2 :03/01/27 18:58 ID:jdg7MijJ
再開保守
305保管庫:03/01/30 02:14 ID:8u7CGF7g
放送後暫くし、決意も新たにしたバッツだったが、これからの行動に関して少し考えなければならなかった。
祠をでるときに「次の放送がなったら戻ってくる」といったが、まさかこんなにはやく放送がくるとは思わなかった。
レナとファリスはもういないが、それでもここまできて戻るのは些か残念である。
ただ、ひとつ問題なのは、放送の時点ではあまりに衝撃が大きすぎて気づかなかったが、
先の訃によればビビという者も名を呼ばれており、それはたしかエーコの仲間であった。
となれば、祠にいる者たちも動揺しているだろうし、それで放送後自分たちがなかなか帰らぬようならばいらぬ心配をかけることになろう。
ここは戻った方がよいかもしれない。
しかし、やはり戻るのは惜しい。

バッツは溜息をつくと、クーパーに休憩しようとよびかけた。
クーパーは少し戸惑った。さっきの今で、歩き始めてからもまだ幾ばくと経っていないからである。
「変な顔すんなって。放送があったんだ、祠に戻るかこのまま行くか、考えなきゃならないだろ?」
クーパーはそう言われて初めて気が付いたかのような顔をした。
彼にとっても、先の放送はショックだったのだ。

「飯、食おうぜ」
「うん」
支給された簡素なパンを、久方ぶりに口に入れる。
「パン、無くなってきたね」
もさもさとしていて味気もなく、ただでさえ足りないのに、あと3,4食もしたらなくなりそうな現状を、
幼いながらにクーパーは心配していた。
「ああ。もしかしたら、もう無くなってる奴もいるかもな」
バッツは素っ気なく答えた。
「水も減ってきたよ」
「水は泉なんかから補給できるしな。食料は、民家からしか無理だろうが…
 少なくともこの舞台では無理だ。次のステージでもしそういったものが得られなかったら、ちょっとまずいことになる…
 せめて虫とかがいたら、それを捕まえて食べられるんだが…」
それを聞くと、クーパーは口の中のパンをぶっとふきだして叫んだ。
306保管庫:03/01/30 02:15 ID:8u7CGF7g
「む、虫!?虫を食べるの!?」
「騒ぐなよ。近くに人がいるかもしれないんだぞ」
クーパーは慌てて口を押さえて、あたりをきょろきょろと見渡し誰もいないことを確認すると、必要以上の小声でもう一度同じことを言った。
「む、虫を食べるの?」
「最終手段だよ。でもとかげとかはけっこういけるぜ?あー、鳥はたいていいいけど、チョコボだけは駄目だな、うん」
「と、と、とかげ…」
どこか別の星の生物の言語を聞いたかのように呆然としているクーパーを見て、バッツは少し笑った。
(そういえば、あいつらと旅してるときに飯がなくなったときにも、レナとクルルは同じような反応をしてたっけな)
ほんの暫くの間だったが、バッツは少し楽しかった。

数分して、この簡単な食事は終わった。
休憩といっても、外気の低さからじっとしていると次第に寒くなってくる。
あまり時間もかけられない。バッツは祠に戻る是非をクーパーに問い掛けた。
しばらく考えたあと、小さな声で「バッツ兄ちゃんに任せるよ」と言った。
クーパーには判断しかねたのだろう。結局、バッツに全権が委ねられることになった。
バッツはぼさぼさの頭をくしゃくしゃと掻き混ぜ、少しして「あ〜」と低く唸ったあと、
「じゃ、行こうか」といって、歩き出した。
ぼーっと雪の中の足跡を見ていたクーパーは、はっとしてバッツの後を追いかけていった。


【バッツ(魔法剣士 時魔法)/クーパー
 所持武器:ブレイブブレイド/天空の盾 現在位置:ロンタルギアの北西の森から南へ(中央の砂漠を通る)
 第一行動方針:(戻るかそのまま南へ行くかは次の人に託します)
 第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
 最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
ソロは自分を見つめていた。 そこにいた自分の姿を見ていたのだ。 
とても醜悪で人間の形をしているとは思えない。なのに何故かこれは自分だと思ってしまう。
僕はこんな姿はしていない!  ソロは目を背けようとしたが視線が固定されて動けなかった。
手足が自分の意思から切り離され、クラゲのように宙を漂っている感じがする。
遠くから声がする。 非難する声、罵倒する声、どれもこれもが自分に向けられていた。
やめてくれ、やめてくれ。ソロは泣き出しそうになって必死でもがいた――

突然、凄烈に瞬く星々がソロの知覚を刺激した。 おぼろげだが感覚が身体に戻ってくる。
多分僕は寝ていたんだ、と自覚するのに数秒とかからなかった。
完全に目が覚めると自分が闇の中にいることに気付いた。 冷たい風が体をなで払う。 
夢を見ていたのか……。 寝ていただって!?
今まで何をしていたのか、いつの間に日が沈んだというのか。 
一体このザマは何だ。
吹きすさぶ風の音、背中に伝わるざらざらとした土の感触。ここが屋外であることは容易に知れた。
こんなところで無防備で寝転がっていた自分をとてつもなくバカバカしく感じた。
体を起こそうとするが、胸が咽て満足に呼吸ができなかった。
しまった、肺をやられたか。 ソロは胸を左手で数回叩いた。
肺の中は空気で一杯のようでありながら、息を吐くことがうまくできない。
何とももどかしく、そして苦しくて、痛い。 冷気が確実に体の機能を低下させているとわかる。
だがここでいつまでも往生しているわけにはいかない。

ソロは立ち上がろうとして、剣を掴んだ。 気力を奮い起こそうと勢いよく体を起こし直立する。
だが途端に咳き込んで、前屈みの姿勢にならざるを得なかった。
「くっ……、痛えっ…」
眠りに落ちる前の記憶がおぼろげで思い出せない。それにこの暗さ、月も出ていないのか。
「うう……くそっ……」
悪態を付きながらも必死で動こうとする。 闇は深くどこまでも続いているような気がした。
手探りで辺りを把握しようとするが、ソロの手は暗闇の空をかき混ぜただけだった。
――じきに目は慣れるはずだ。
そう思うと気分が多少楽になり、どっかりとその場に座りこんだ。 
――しばらく待つか。 ソロは膝を抱えて体を丸めるようにした。 これ以上体を冷やさないように。
ここがどこなのか、何をしていたのか、時間だけは有りそうなのでいろいろ思案してみた。
仲間たちの顔ぶれが思い浮かんでは消えていく。 誰かに裏切られたとか、誰かをこの手で傷つけたとか
恐ろしげな記憶の断片が甦ってくる。ソロは頭を抱えた。全てが曖昧ではっきりとしない。 
最後に見たのは雷光だった、これは間違いない。 雷光、そういえばミネアは――
ソロは次第に焦りを感じていった。  目が暗闇に慣れる気配はない。 まさか、
手の甲で目を拭ってみた。数回、瞬きをする。 そしてギュッと目を瞑り、恐る恐るまぶたを開けてみる。
深淵より来たものに目の前を覆いつくされたような気分。 闇はより深く、底なしでソロを出迎えた。
自分が置かれている状況を予想し背筋が凍りつく。 身体の震えが止まらない。
「助けて!」
思わず叫んだ。 助けてくれる者などいるはずがない。ソロのとってきた行動からすれば
むしろ彼を憎む者の方が多いぐらいだ。
それでも叫ばずにはいられない。 発見されることすなわち死、である可能性など頭の片隅にもなかった。
「何も見えないんだ、誰かあ」
叫び声が虚しく響く。山おろしの強い風がソロの声を掻き消しながら過ぎ去っていった。

【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持武器:エンハンスソード、イリーナの会員証、スーツケース核爆弾
現在位置:ロンダルキア南の平原(フライヤ、ピエールより東)
行動方針:助けを求める
最終行動方針:デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明)
309保管庫:03/02/04 00:03 ID:R/5UkFE+
「行き止まり...か」
人が2人収まるかどうかの、先細りになった通路の先端で、クラウドはぽつりと呟く。
クラウドとエッジは地底の中、トンネルをひたすらさ迷い歩いていたのだ。
つい数時間前、自分たちの行く手で大規模な戦いの気配を感じ、そちらに向かう途中地面が陥没し
この地下通路に閉じ込められてしまってからずっと。

「おい出口はこの上じゃねぇのか、見ろよあれ」
先ほどから周囲の様子を色々と調べていたエッジが天井付近の壁を指差す。
そこには天井へと伸びる梯子がかかっていた。
2人は梯子を上り、さらに天井を調べていたが、梯子の中途になにやら文字が書かれているのを発見する。
その文字はエッジにもクラウドにも見覚えが無い、異世界のものであったが、なぜかその文字の発音だけは
理解することが出来た、どうやらその類の魔法がかかっているらしい。
「合言葉かな?」
「だろうな.....よしいっちよ唱えて見るか」

アリーナのお腹がきゅ〜っと音を立てる。
そういえばアニーと別れてから何も食べていなかった。
南に行くのをやめてそのまま西の山脈へと向かったのは判断ミスだったかもしれない。
手近な岩に腰掛けて、昼食を摂るアリーナだが、その表情は暗い。
「ソロを....止めないと、でも私1人でどうやって」

雨の中対峙したときのソロの瞳はもうすでに常軌を逸しているように思えた。
言葉が届かない以上、実力行使しかない、だが
自分とソロが正面から戦えば、まず勝機はないだろう。
自分の拳はスピードはあってもティファのそれとは違い一撃必殺の力に欠ける、
だがソロには魔法もあるし一撃を決めるだけの剣術の腕もある。

それにティファから聞いた爆弾の件もある。どうしてこう色々と降りかかってくるだろうか?
思わず頭を抱えてしまったその時、いきなり自分の座っていた岩が地面へと口を開く、
アリーナはとっさに飛びのこうとしたが、あぐらをかいた状態での跳躍は容易なことではない。
成す統べもなくアリーナは奈落へと落ちていった。
310保管庫:03/02/04 00:06 ID:R/5UkFE+
「おっ、開いたなんか降って...おわわわっ」
アリーナが座っていた真下にいたエッジとクラウド、出口を開いたのは良かったが
その出口の上に人が立っていたとは予測もつかなかったようだ、クラウドとエッジ、そしてアリーナ
3人はもみくちゃになって、なんとか脱出しようともがいていた。

しかしエッジはアリーナの薄いのレオタードの胸の谷間に挟まれ身動きが取れない
もともと2人入るのがやっとの行き止まりに、さらにもう一人降ってきたのだ。
さらにクラウドは完全にアリーナの下敷きになり、その顔はアリーナの股間にうずまってしまっている。
「ちょっと....だ、だめ、下の人..うごいちゃ」
「ひひひゃひひひゃい」(息が出来ない)
「ああん....そこだめぇ!」
「変な声だすんじゃねぇ!俺まで妙な気分になるじゃねぇか!」
「だからぁ...ああもう!動かないでよう」
「動かなきゃ出れないだろうが」
「ひひ...ひひひゃ」(息が...息が...)
------------------------------------------------------------------

「なぁ.....いいかげん気分直してくれよ」
エッジの声にアリーナはそっぽを向く。
「参ったなぁ、おいクラウドお前もなんか言えよ、お前もいいおも、いや迷惑かけたんだしよ」
「クラウド?」
アリーナはエッジの視線の先に居る金髪の青年の姿を見る、
そういえば特徴的なとんがりヘアをしているって聞いたっけ?確かに青年の頭はツンツンと鋭角に尖っている。
「ふ〜ん、あなたがクラウドなんだぁ」
アリーナはクラウドの顔と体をじろじろと値踏みするように見ていたが、やがてその瞳がきら〜ん☆と輝く。
「合格、ティファさんの彼氏として申し分無いわね」

年頃の少女のご多分に漏れず、アリーナもこういう話が大好きだった
事実、1時期はミネアとクリフトをなんとかしてくっつけようと色々と画策していたこともあるくらいだ。
もちろんクリフトの本当の想い人が誰なのか全く知らぬままに。
それにソロのことを忘れていたいと思うある種の逃避的な気分も手伝い、
アリーナは普段よりもテンションが高くなっていった。
311保管庫:03/02/04 00:08 ID:R/5UkFE+
「とーぜん、ティファさんが好きなのよね、クラウドさんは」
「おいおい何言ってやがる、クラウドが好きなのはエアリスなんだぜ、なっ!クラウド」
2人は困った表情のクラウドそっちのけで口論を始める。

「エアリスだかなんだか知らないけど、絶対ティファさんの方がいいって!おっぱいも大きいし」
「全ての男がそうじゃねぇ!俺なんか.....」
そこまで言いかけてエッジは、はっ!と口を塞ぐ、なんとなく続きを言ってはならないような気がしたのだ。
「ま...まぁとにかくだ、女の価値は胸じゃねぇ」

「よし!じゃあクラウド、こんな女放っといてエアリスを探しに行くか」
エッジはクラウドの同意をえないままその右手を掴み、その場から立ち去ろうとする。
「違うわ、ティファさんを探すのよね、クラウド」
今度はアリーナがクラウドの左手をもってエッジとは逆方向に引っ張る。
「そっちこそ離しやがれっ!」
2人はさらに力をこめてクラウドを引っ張る。

「いいかげんにしろっ!人が誰を好きになろうといいじゃないか!」
ついに堪忍袋の緒が切れた、クラウドの一喝に2人は慌てて手を離す。
が、そのまま立ち去るのかと思いきやクラウドもその場に座りこんだまま動こうとはしなかった。
なんだかんだ言っても、クラウドも1人に戻るのが心細かったのだ。
それからしばらく妙な空気がまた場を支配していく。
「ご不浄だ.....すぐ戻る」
そんな空気に耐えられなかったのかそう言い残し、エッジは茂みの奥へと消えていった。

ちょうどその時、彼らの姿を醒めた瞳で遠くから発見した者がいる。
たとえ茂みに身を隠していたとしても、銀世界の中でピンクのレオタードは目立って仕方が無い。

湖に厚い氷が張ってたので大分距離を稼ぐ事ができた、このまま接近し斬り込むか....
いや、この距離で察知されずに接近することは難しい....ならば。
セシルはギガスマッシャーに付属のスコープを装着し、狙撃の準備を始めていた。
312保管庫:03/02/04 00:09 ID:R/5UkFE+
どこまでいったのかエッジはなかなか戻ってこない。
アリーナが再び口を開こうとしたとき、わずかだが周囲の大気が乱れるのを感じる。
10時の方向から弾丸!
だが、ここで何事も無く回避しては面白くない。
アリーナはギリギリまで引きつけ、格好よく見得を切って回避しよう、そうすれば少しは場の空気も変わるだろう
そう思っただけだ、悪気があったわけじゃないのだ......しかし。

「危ないっ!」
アリーナが満を持して回避に入ろうとした瞬間、機先を制しクラウドがアリーナを突き飛ばす。
むろんクラウドもこのタイミングならアリーナを助けて自分も充分避けられる、そう考えての事だった。
しかし、その時クラウドの足が氷に乗り上げわずかだが滑る。
そしてバランスを崩したクラウドの腹へと弾丸は命中したのだ。
着弾の衝撃でその身体を錐揉みさせながら、地面へと叩きつけられるクラウド
その様子をアリーナはただ呆然と見ていることしか出来なかった。

「ひっ!」
自分の目の前での出来事に怯えたまま何も出来ないアリーナへと凶弾は次々と迫る。
しかし狙いが甘いのかその全てはアリーナに当たる事は無かった、しかしこのまま立ち尽くしていたら
いずれは時間の問題だろう。

そしてアリーナが我に帰り、セシルが狙撃の要領を掴んだ時、いきなりその周囲を黒い煙が包みこんだ。
「何ぼさっとしてやがる!逃げるぞ」
煙が晴れたときセシルの視界から標的の姿は消えていた。
しかしセシルは煙が上がる瞬間、見覚えのある派手な忍者装束をしっかりとその目に捉えていた。

「流石だね...エッジ、でも逃がしはしない、僕は決めたんだ」
セシルは銃を構えたまま、小走りに煙の下へと向かっていった
313保管庫:03/02/04 00:11 ID:R/5UkFE+
その頃、何とかトンネルの中へと逃げ込めたエッジ達だったが、クラウドの傷の状態を確認し、
エッジが渋い声で呟く。

「だめだ...手持ちの薬草じゃこの傷はどうしようもねぇ、それ以前に腹の中の弾を抜かないと
 お前、魔法は使えるか?」
アリーナが力無く首を振ると、エッジは少し考えていたようだがすぐに立ちあがり地上へと向かう。

「俺が囮になる、こういう事は忍者の専門だぜ、任せろ」
エッジはアリ−ナに書きとめていたトンネルの地図を渡す。
「30分しても戻らなければ、その時は....クラウドを頼んだぜ、それからもしリディアって娘に会えたら
 今から言う言葉を伝えてくれねぇか」
エッジはすこしうつむき加減で、小声でアリーナへと何言かを伝え、アリーナが頷くのも待たず。
エッジは外へと飛び出していった。

そして残されたアリーナは、
(どうしよう....リディアちゃんのこと、まだ話して無かったわ、それにしてもどうして
 こんなに色々と振りかかってくるのよ!)
トンネルの中で膝枕にクラウドを載せて、心の中で泣き言をいうアリーナだった。

そして地上では
「エッジ、悪いけど君の手はすべてお見通しさ」
茂みから派手な音を立てて飛び出したエッジの姿を見てもセシルは動じることはなかった。
「とりあえず君から倒す事にしたよ、君自身はともかく君の術は色々厄介だし」

自分の姿はまだ発見されてないようだ、エッジの性格は知っている、もし発見されていれば目の前に飛び出してくるはず。
正面から戦えば厄介な相手だが、その単純な性格を衝きさえすれば......
ともかくセシルは慎重に先に進みながら、策を実行に移すタイミングを計っていた。
314保管庫:03/02/04 00:13 ID:R/5UkFE+
【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸北部山脈、西の湖側) 】
第一行動方針:エッジの帰りを待つ
第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
最終行動方針:ゲームを抜ける

【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製) 
 ギガスマッシャー  現在位置:大陸北部山脈、西の湖側 】
第一行動方針:エッジを殺す
第二行動方針:その他の参加者を殺す(エドガーorハ−ゴンを優先)
最終行動方針:勝利する

【クラウド(瀕死):所持武器:ガンブレード 現在位置:地下トンネル】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明

【エッジ:所持武器:忍者ロング現在位置:大陸北部山脈、西の湖側】
第一行動方針:追っ手を捲く。
第二行動方針:クラウドをエアリスに会わせる
最終行動方針:リディアを見つけだし、このゲームから脱出する

(日没(放送直前)までに処置しなければクラウドは死亡)
森の中をチョコボに乗って悠々と進む影二つ。
雰囲気からして歴戦の勇者。今はお互い話をしているが、全く隙がない。
手綱を執るはオルテガ。アリアハンの勇者。勇者ロトの父親。
同行者はリバスト。かつて、天空の鎧を纏って怪物たちを戦った勇者。
「なるほど、温泉町か。さぞやいい場所だろうな。」
「ああ。私の世界に来ることがあれば寄られてみては如何か。」
「そうだな。家族連れて行きたいものだな。ところで温泉の後はいい酒が飲みたくなる。酒といえばカザーフ地方の酒はなかなかのものだぞ。特に西部よりの地域のものは格別だ。」
「確かに。酒はほしくなる。その酒を一度は味わってみたいものだ。」
お互いの世界のことは知らない。未知なる物だ。
だが、たとえ知らなくとも想像力がそれを補ってくれる。

ふと、オルテガがチョコボの足を止める。
「どうした。何かあるのか?」
「…そこに祠があるだろう。」
オルテガの指差した先…普通に森が広がっているように見えた。
目を凝らしてみるがどうにも不審な点は見つからない。
「…いや、何も…見えないが。」
リバストはオルテガには祠が見えているのだろうとわかった。どういうわけかは知らないがオルテガには見えている。自分には見えていない。
なぜならそれはロトの血を引くものしか見ることのできないもの、すなわち勇者ロト、アルスの父親であるオルテガには「それ」が見えて当然なのである。
チョコボから降りてリバストが注意しつつ「それ」に近寄る。
「なるほど。何か呪文のようなものがかかっているようだ。」
何もないように見える空間をリバストが触れる。なるほど、これはすごい呪文だ。
「なぜ、私に見えるのかはわからないがまあ、よしとしよう。」
「如何する?オルテガ殿。」
「先客はいると考えるのが自然だと思うが。それが敵なのか、味方なのか。おそらく複数いると思うが…」
祠がはっきり見えるオルテガにはある程度中の様子がわかるようだ。
「息子さんじゃないのか?」
「…アルスはここにはいない。わかる。」
「親の勘というものか。」
「そうかもしれん。」
「息子さんの知り合いかもしれないということか。」
「息子の交友関係は知らないが、仲間はいるはずだ。」
「思案のしどころですな。入るか、否か。」
「うむ。」
ロンダルキアの祠前。二人の勇者が思案する。

【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠前 行動方針:思案中】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上 行動方針:思案中】
チョコボが一匹ともにいます。
3171/3:03/02/10 23:25 ID:r5pQtUng
(大体15分くらい経ったかな?そろそろ動くか)
森の中、全ての準備を整えたセシル、時間もちょうどいい頃合だ。
セシルはすうっと息を吸いこむと、大声で森の奥へと叫ぶ。
「エッジ!エッジだろ?、僕だよ!セシルだよ!」

こだまが森の中へと響き渡り、それが聞こえなくなってしばらく経ったころ
不意にセシルの頭上の木々ががさがさと揺れたかと思うと

「セシル!ああ良かった!お前に会えるなんて」
ようやく頼れる仲間にめぐり合えた、その喜びを隠しもせず、エッジはセシルの目の前へと舞い降りる。
「エッジ!僕も君に会えて本当に良かったよ!心細かったんだ、それより」
ここからが本題だ、無駄話をしていれば感づかれないとも限らない。
「そうだエッジ、さっき誰かに襲われて、ここまで追ってきたんだけど見失ってしまったんだ」
「俺の仲間を襲ったのもきっとそいつだな、気をつけろ奴は銃を持っているぜ」
今だ。

一瞬、自分からエッジが視線を逸らしてのを見て、セシルは左足に括りつけたロープを操作する。
と、雪の中に埋めたロープを伝い、左手の茂みの奥深くに設置したギガスマッシャーの撃鉄が落ちる。
「あぶねェ!」
エッジはセシルを突き飛ばし、辛くも弾丸を回避させる。
計算通り!次だ。
セシルはさらに雪の中に隠したロープを引く、と今度はセシルの背後で弓矢の弦音が聞こえる。
「もう1人いやがったか!ちくしょう!」
何の疑いも無くセシルの背中へと飛ぶ弓矢を手刀で叩き落すエッジ、その時であった。

ズブリ

自分の身に何が起こったのか、エッジがまずそれを理解するのには数秒の時間が必要だった。
(おかしいな……なんで俺の胸から剣が生えてやがるんだ、俺の後ろにはセシルしかいねぇし
まさか…….そんな……はず、いや、そんな)
3182/3:03/02/10 23:27 ID:r5pQtUng
そして胸から生えた切っ先がくるりと回転し、同時に大量の血潮がエッジの視界を赤く染める。
(そうか……セシル、お前だったんだな、クラウドを射ったのも、今、俺を後ろから刺したのも)

ようやく現実を受け入れたエッジ、だがそれでも納得の行かないことがある。それを聞かないと
死んでも死にきれない。

「手の込んだ真似しやがって、なぁ……理由聞かせてくれねぇか?」
「こうでもしないと君は楽には倒せないと思ったから、1歩間違えれば僕の方が死んでいたかもね」
ギガスマッシャーと弓矢、どれも狙いは罠を仕掛けたセシル本人に向けられていた。
もしエッジがセシルの考えるよりも未熟な忍者なら、セシルは自分の仕掛けた罠で死んでいただろう。

すでに血の気の引いたかさつく唇を振るわせ、エッジは再度セシルに問う。
「んなこたぁ……いいから..よ、はやくワケを言え、俺が……生きてる間によ」
「ローザの為なんだ、僕が最後まで生き残れば彼女は甦るんだ」
それを聞いてエッジは納得したかのように目を閉じる。
「そうか……ローザのためか………ならよ、しかたねぇ……な」
「けどよ……もしできるなら……リディアだけは……」

そこで言葉を止めると、どこにまだそんな力が残っていたのだろうか?エッジは渾身の力で
自分の身を剣から引きぬき、ふらふらとセシルから離れていく、セシルも追おうとはしない。
エッジの傷が致命傷であることを承知しているからだ。
「へへ……忍者の最後は、これと……相場が決まっているからな、派手に……行くぜ!」
仁王立ちしたエッジは忍者装束をはだける、と、ベルトから無数の導火線が生えているのが見える。
本来単発の煙玉の導火線を震える指で一つにまとめると、そのまま火種を導火線へと導く。

(本当はよ、お前もろとも吹っ飛ぶつもりだったけどよ、ローザのためなら仕方ねぇよな
カインの奴はきっと泣いて怒るだろうが、俺にはお前の気持ち……わかるぜ)
導火線が火花を散らしていく、何故だか妙に遅く感じる。
(ああ、ティファって娘にも会いたかったなァ、胸が大きいんだっけ、そういやあの
レオタード娘、名前聞いてなかったな、エアリス、約束守れなくってすまねぇな、
クラウド、エアリスを泣かせるんじゃねぇぞ、それから最後にリディア...俺の)
3193/3:03/02/10 23:56 ID:r5pQtUng
どばぁん!!
彼の最後の回想は最後まで達成されることなく、エッジの五体は粉みじんに吹き飛び。
大量の黒煙が空へと舞いあがる。

その黒煙はトンネルの出口から顔を覗かせるアリーナにもはっきりと見て取れた。
そして彼女は悟った、もうあの男は2度とここには戻る事がないと。
アリーナの瞳から涙が溢れ出す。
「何よ……名前だってちゃんとまだ聞いてないのに!あたしの行為で死ぬこと無いじゃない!
リディアちゃんのことやギルバートさんのこと、伝えなきゃいけないことがたくさんあったのに!」
泣くのはこれで何度目だろう?
トンネルの壁をばむばむと叩きながら、アリーナはただ泣きつづけていた。

そして、火薬の匂いが立ちこめる中、焼け焦げた地面を眺めながら、ぽつりとセシルは呟く。
「エッジ、最期まで君は忍者らしくない忍者だったね、本当に単純でお人よしで……でも…
それでも君は僕の大切な……」
そこから先は言葉にならなかった、しばし立ち尽くすセシルの頬にもまた、何時の間にか涙が流れていた。

【エッジ:死亡(残り57人)】

【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸北部山脈、西の湖側) 】
第一行動方針:クラウドを救う
第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
最終行動方針:ゲームを抜ける

【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製) 
 ギガスマッシャー  現在位置:大陸北部山脈、西の湖側 】
第一行動方針:参加者を殺す(エドガーorハ−ゴンを優先)
第二行動方針:不明
最終行動方針:勝利する
3201/2:03/02/10 23:59 ID:BjFZ7InV
ピサロとサマンサは湿っぽい洞窟の中をただひたすら進んでいた。
幾度にも渡り、分岐路があったが、ピサロは直感で道を選んでいるのか、迷う素振りを見せずにひたすら早足で歩いて行く。
足元は滑りやすく、後をついてゆくサマンサは彼の歩調に合わせるのが精一杯だった。
ピサロの腕で目が覚めて以来、心に少々動揺を感じていたサマンサはピサロの背中を何度かじっと見つめる。
―いや、そんな筈は無い!私は誰にも心は開かない!―
自分でもよくわからない想いがせめぎあっていたが、少し油断をしてしまったようだ。
「きゃっ!」
ついに足をとられ転んでしまった。
なんという屈辱。冷静な自分がだんだん消えてゆくのが手にとるように分かる。
「何をしておる…」
ピサロは振り返り、サマンサに手を延べた。
その手はサマンサにとって嬉しいものであった。が、サマンサは彼の手を取らずに自分で立ちあがった。
「失態を見せて申し訳ありませんでした。でも助けは無用です」
恥ずかしさで顔を赤らめながら、サマンサはピサロの前に出て歩き始める。
「…素直ではないな。ロザリーとは大違いだ」
ぴた。
サマンサの歩みが止まった。
ロザリーとは誰の事であろうか。
胸の奥がずきん、と痛くなる。
差し出した手を引っ込め、ピサロは苦笑を浮かべている。
「あれが…このゲームに参加していなくて良かった…」
聞こえるか聞こえないか分からない大きさの声でつぶやいた。
「いや、つまらぬ事を思い出してしまったな。行くぞ」
気をとりなおし、ピサロは固まっているサマンサの横を抜け、再び歩き出した。
慌ててサマンサが追いかける。
胸の痛みはおさまるどころか、どんどん悪化していた。
そして、始めて、ピサロに対してよく分からない憎しみを感じ、戸惑う。
3212/2:03/02/11 00:00 ID:3k/5IqKS

どれほどの時が経ったのか、暗がりでわからなかったが、やがて洞窟の出口らしきものが見えた。
簡素な作りの梯子を昇り、天井の蓋を開けると、半分崩れかかった建物の中に出る。
「ピサロ卿…ここは…」
サマンサは気配を隠しながら辺りを見まわした。
見た事のない像が並んでいる。
「どうやら何らかの神殿のようだな」


一方、水晶を覗いていたマゴットは神殿にかつての仲間が映っているのに驚く。
「………!!」
慌ててハーゴンに知らせようと駆けだそうとしたが…。
かつて、共に戦った仲間でもある。
できるならば穏便に事を済ませたい。
マゴットの中で過酷な選択が強いられた。
しばらく考えた後…マゴットは意を決して走り出した。

※マゴットがどんな決意をしたのかはお任せします。

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・勲章(重装備可能)
現在位置:神殿】
第一行動方針:神殿内を調べる
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)

【マゴット(MP減少)武器:死神の鎌:現在位置:神殿】
第一行動方針:デスピとサマンサ関係で何らかの対処をする
第二行動方針:ハーゴンから儀式について教わる
第三行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流
…………。」
「何だとっ?」
「どうしたんだ?」
最悪だ……まさかこんなに簡単にサマンサと接触する破目になろうとは。
これでは『マゴット懐柔計画』が完全に潰れてしまうではないかッ!
わしが後どれだけ生きられるかさっぱり判らんのだぞッ!
その後のお前のガードはこの若僧に託すしか無いのだぞッ!
だからこそあんな策を吹き込んだというのに……。

「何て言ってるんだ、おっさん?」
「あ〜その、な、」
「……サマンサだな。」
「なっ……」
「おっさんが俺相手に口篭る事なんてそれしかねーだろ?」
ジャキッ
「…!!!」
「何のつもりだ?」
「こうでもしねーと教えてくれねーだろ?あいつ等は何処にいる?」
銃を渡すのがちと早過ぎたか…。
「……マゴット。」
「………」
「悪いなおっさん、俺が戻らなくてもエーコ達の事頼むぜ。」
「判った。」
ふん、誰がそんな真似をするか。
「じゃあな。」
「………。」
駆け出すジタン、追おうとするマゴット。
「行くな!」
「行くな!」
「………?」
「貴様は疲れている、授業も中途半端だ、そ」
「………!」
「別に問題は無い、ジタンはサマンサ達と戦って敗れている、銃があった所で勝敗が変化するとは思えん。」
これがわしの結論だ、早急に新しい仲間を探す必要があるが、新しい魂が手に入るだけ良しとしよう、銃は高い授業料ではあるが仕方があるまい。
「………!」
は?あの小僧を助ける?
「一寸待て、奴はサマンサを殺す気だぞ?」
「…………………」
「聞いていたのか。」
「……!」
「あ、あれはだな、その。」
「………………………」
「本気か?それはつまり、仲間を殺す事になるのだぞ?」
「…………」
「それは奴がそう言っているだけの話だ、証拠はまだ無い。」
「…………」
信じる、か。確かに相手を信じずに信頼関係を築こうなどと虫の良い話ではあるな。
いや違う、利害で絡め取るのがわしのやり方だった筈だ。
「ふむ、ならばとっとと小僧に追い着かねばならんな、その間に何か考えてみる事にしよう。」
ここでお前を失っては元も子も無い、とはいえわしは何を答えておるのだ?こんな場合は眠らせてでも阻止するのが常道だろ?
奇妙な違和感を抱いたまま、わしはマゴットと共に走りはじめた。
【ジタン: 所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
 第1行動方針:サマンサとピサロの殺害
 第2行動方針:不明
 第3行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失) 
 武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×3現在位置:神殿 
 第1行動方針:マゴットとジタン止める
 第2行動方針:授業 
 第3行動方針:ゲームの破壊】
【マゴット(MP減少) 武器:死神の鎌 現在位置:神殿
 第1行動方針:ジタンを助ける
 第2行動方針:ハーゴンに呪法について習う
 第3行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
325保管庫:03/02/12 22:26 ID:0Awudtl7
「情けない、何という様だ」
またしても遅れを取ってしまった、せめてもの慰めは相手が普通ではなかったということくらいか
だが、はあはあと息を白くするアグリアスだったが、自分の背後の影にようやく気がつく
(しまった!)
いつの間にか接近を許してしまっていた、その影の形からいって相手はヘンリーだろう。
そして予想に違わず、ヘンリーが木陰からぬっと姿を現す。
こちらは丸腰、相手は斧を構えている、ヘイストを詠唱する時間も無い....ここまでか、
(ここまでか....)
無念の表情で瞳を閉じるアグリアス、だがその時はいつまで経っても訪れなかった。
「?」
戸惑うアグリアスにヘンリーは雪の中で回収した、マンイーターを投げてよこす。
「何のつもりだ?」
「俺は1人より2人、少なくとも切り抜けられる可能性の高い選択肢を選んだだけだ」
「ほう....思った以上に賢明だな、だが」
アグリアスはマンイーターを引きぬくと、それをヘンリーに向ける。
「私が恩をアダで返す可能性もあるぞ」
326保管庫:03/02/12 22:27 ID:0Awudtl7
しかしヘンリーは動じず、平然と言い返す。、
「お前も俺を殺すのと、俺を生かしておくのと、少なくとも今はどちらが得かは分かるだろう?」
ヘンリーの言葉にアグリアスは笑って剣を鞘に収める。
「さて、どうする?この場はお前に従うが?」
アグリアスの問いにヘンリーは言うまでも無いといった感じで答える。
「再び行くぞ....あいつらもそう遠くまでは行ってないだろう、受けた屈辱は晴らす
お前が言っていたように」

受けた屈辱.....その言葉にアグリアスの表情が変わる。
「そ、そうだ....忘れてはならん、あの屈辱....ぐわあああっ!」

アグリアスはなんとティファにつけられた額の傷を再び今度は自らの手で深々とえぐっていた、
白い顔がみるみるうちに赤く染まり、またその瞳に異様な光が宿っていく。
「これだ。この痛みだ、これこそが今の私の現実.....くくっ、ふふふふっ」
痛みが忘れかけていた憎悪を呼び覚ましてくれる、今のアグリアスの瞳には2度と消せぬ敗者の烙印を刻んだ
あの少女の姿しか映っていない。

「生きていろ....私に殺されるその時までな...ふふふ、ははははははっ」
白銀の世界に女騎士の狂ったような笑い声が暫し響き渡った。

そしてそれを見つめるヘンリーの表情には、わずかながら後悔の色が浮かんでいた。
327保管庫:03/02/12 22:28 ID:0Awudtl7

【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
第二行動方針:皆殺し
最終行動方針:全てが終わった後、マリアの元へ逝く

【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法  装備武器:スリングショット  
なべのふた マンイーター  現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
第二行動方針:ティファを何処までも追い詰め、嬲り殺す
最終行動方針:元の世界に帰還する
荒野を駆けていたミレーユが、急に足を動きを緩めて歩き出す。追い始めてまもなく、
光の筋は細切れとなり消えてしまった。
再び光が見えることを期待したが、そうはならない。 
もちろん光が見えなくても位置はわかる。このまま真っ直ぐ進めばよい。
だが光の主が移動を始めたとしたら……。アモスの想いを蹴ってまで自分の意思を貫こうとしたのだ。
今更誰もいないところに一人で出向いて、置いてけぼりでした、なんて言えやしない。
そう思うと、自然と足は以前にも増して、その前進運動を早めることになった。
ミレーユは肩で荒い息をしながらひたすら駆けた。 
全てが同じだと思っていただだっ広い景色も、少しずつ移り変わっていく。
前方にごつごつとしている岩場が広がっていて、その先に小高い丘が見える。
ミレーユは勢いに乗って、そのまま丘を駆け上がろうとした。 と、
突然ミレーユの足がぴたりと止まる。 
行く手を遮るようにして、岩の影からのそりと現われる影。 
蠢いていた。咄嗟の思いつきで出た表現だが、案外的確だったかもしれない。
目に飛び込んでくる鮮やかな緑の髪、黒ずんで染みができているいる布の服。顔には言いようの無い
汚物めいたものが張り付いている。 そして手と足をふらつかせてうわ言を呟いていた。
少年である、人である。だが心はどこかに置き忘れた人形のよう。
「ううう……」
少年が呻き声を上げた。どこか焦点の合っていないグリーンの瞳がミレーユの心をかき乱す。
「あ……」
呼びかけようとしたが、声が上ずってしまいそうで、出掛けた言葉を慌てて引っ込める。
ソロはびくっと体を震わせた。 体をすぼめて怯えの表情を見せる。
「だ、誰? そこに誰かいるのか?」
ミレーユの顔に困惑の色が浮かぶ。
「助けて、お願いだ……」
少年は右手を差し伸べて懇願したが、それは明後日の方を向いていた。
ミレーユはようやく事情が飲み込めた。 少年は光を失っているのだと。
初めの印象こそ強烈だったが、よく見れば本当にまだあどけない顔立ちをしている。
歳はテリーと同じくらいだろうか。背は高めだが、弟よりも幼さく見える。
優しげで、そして脆そうで、不思議な雰囲気が少年にはあった。  選ばれし者?
テリーから刺刺しさを取り除けばこんな感じになるのだろうか。
……またか
何でも弟と比較してしまう悪い癖がまた出たのかと苦笑した。
少年は土下座するかのように両手を地につけて
「僕の名前はソロだ。 勇者なんて慕われていたのは昔さ。今は、いまはもうただの……」
その目から涙がこぼれ落ちた。 ミレーユが涙に惹かれて歩みよる。
何が見えるだろうと、ミレーユは占いの要領で精神を高めた。 意識が高みに上るのを感じる。
少年は羽を折られて天空から落ちた鷹。
だが地の底にまで堕ち果てることはなく、危うく踏みとどまっている。

最初はアモスの意思を受け継ごうと懸命だった。それが光を求める心に突き動かされ、
そして今また進む道が変わろうとしている。 これも運命なのだろうか。
ミレーユはもう現実だけを見ようとした。ここにいるのは救いを求める哀れな人間。
私に求めているのならば、助けなければ。
ミレーユはソロの手を取ると、そっと語りだした。
「あなたの回りを取り巻く光が見える。私はそれに導かれたのかもしれない。
あなたのこと、話してもらうわよ」
汚物で汚れている服に一瞬躊躇った。だが思い直すと、震えているソロの肩にもう片方の手を置いた。
「でも、今は何も言わなくていい……」
【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル、妖剣かまいたち、小型ミスリルソード、水筒1.5リットル
行動方針:ソロを救う
ソロ 所持武器:イリーナの会員証(エンハンスソード、スーツケース核爆弾はやや離れたところに放置)
現在位置:ロンダルキア南(倒れていた場所から少し北へ移動)
行動方針:ミレーユに任せる
最終行動方針:デスピサロ打倒】
ガッ!
ピサロとジタン、二人の武器が火花を散らす、戦局は銃を織り交ぜて使うジタンにやや有利に
進んでいるものの表情はピサロの方が余裕がある。

(誰も居ないようですね。)
それまで周囲の警戒をしていたサマンサだったがおもむろに呪文の詠唱を始める、
ジタンが銃を持っていた事、助かる筈の無い状況から復帰した事から仲間の存在を警戒していたのだ。
「モシャ」
「マホトーン!」
その瞬間、通路の角から姿を表したマゴットの呪文がサマンサの呪文を封じ込める。
予想外の人物の出現と有り得ないタイミングで呪文を封じられたショックで固まるサマンサ。
しかしマゴットは再び通路の角に隠れてしまう。
(とんだ伏兵ですわね、しかし…)
一瞬だけ動きを止めたサマンサだったがあっさりと余裕を取り戻す、ジタン対ピサロは次第にピサロが優勢になっていたからだ。
一度は戦った相手である為ある程度手の内は判っている、結果として互いに致命傷を与えられないが持久力ではピサロに部があった。
メラ!」
ガッッ!
キンッッ!
「メラ!」
ゴッ!
「どうした、こんなものか?」
「舐めるなあッ!」
…………
(これで勝負ありですね。)
あれから20分程度たっただろうか、既にジタンは殆ど防戦一方になりつつある、
序盤は時々火球を飛ばしていたマゴットも暫らく前から出てこなくなった。
(マゴットは呪文切れ、あの少年はスタミナ切れ、後は…)

「これで終わりだ。」
「くぅっ!」
ピサロが放った渾身の一撃に対しジタンが半ばヤケクソの一撃を放った時、マゴットが再び姿を表す。
「ピオリム!」
(ククク、ククククククッ)
ピサロ達のミスは作戦を考えていたのがハーゴンであった事、
その為にこの邪悪な男は最後まで姿を表さずサマンサの判断を誤らせる事に成功した。
「へっ?」
ハーゴンのミスはジタンがピオリムの呪文を知らなかった事、その為ジタンは辛うじてピサロの攻撃をかわす事に成功したものの、
自分の想像以上に素早く繰り出した攻撃はピサロの腹部を浅く切り裂いたのみであった。
次の瞬間、ピサロの形相が憎悪に染まる。
「人間風情がぁッ!」
凄まじい蹴りがジタンを襲う、更に壁の一部を破壊してその破片をマゴットに投げつける。
「グッ!」
「!!!!」
ジタンはマゴットの側まで吹き飛ばされ、マゴットは顔を押えて倒れる、その瞼の下からは血が溢れ出ていた。
止めを刺すべく疾るピサロ、マゴットを抱えて角に逃げるジタン。
(高く、ついたな。)
ピサロが角に到達する直前、グレネードと首輪の爆音の複合爆発がハーゴンが直前まで潜んでいた通路を完全に破壊した。
【ジタン:(軽傷) 所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
 第1行動方針:逃走
 第2行動方針:サマンサとピサロの殺害
 第3行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失) 
 武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×2現在位置:神殿 
 第1行動方針:逃走
 第2行動方針:授業 、マゴットの治療
 第3行動方針:ゲームの破壊】
【マゴット(MP残り僅か、左目負傷) 武器:死神の鎌 現在位置:神殿
 第1行動方針:逃走
 第2行動方針:ハーゴンに呪法について習う
 第3行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
【デスピサロ(軽傷)/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・勲章(重装備可能)
現在位置:神殿】
第一行動方針:神殿内を調べる
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)
334名前が無い@ただの名無しのようだ:03/02/13 00:58 ID:JhCNSrfU
おもしろあげ
              , ィ'::;:::::::::::::ヽ
          , ', '  ``"´´ '`、
            //        ,,. i
         l '}ニ=z:、,,  ,z=ニ;:{' l
       |ヽ! ''=・ッ゙l l"、:・='' |'"i
          iヘ|   " | | 丶  |l'/
        i {li!   _,,," `,,,_  l!l}','
        ヽ,!l! i'" _,,,......,,,__`i |l!!/   バーカ♪
         |i l |  ──   |.l!l!
          |ヽ,,!!  /::::::::', i:!./|
           ! `;:'.,,/:::::::::::::V:/ |
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3361/3:03/02/13 01:35 ID:iAyPpHSU
通路を塞いで、とりあえず一息と行きたかったハーゴンたちだったが、
しかし状況は予断を許さない事態が続いていた。

「おっさん!今のは何なんだよバランス崩しちまったじゃないか!」
「打ち合わせもせずに勝手に討って出るからだ、見ろ」
ハーゴンがあごで示した先にジタンは視線を移す、
瓦礫の山がガラガラと少しずつではあるが崩れつつある、さらに
『逃がさんぞ!』
『ピサロ卿、こういう時こそ冷静になってください!でもこういうのも悪くないですね』
などと声が聞こえてくる。

「怒りに火を注いでしまったではないか、全く」

「やむを得んな」
出きる事ならこの段階で使いたくなかったが、命には変えられない。
(マゴットは気絶しているし、このガキは当てにならんし、ワシも今こんなところで、
魔力を消費するわけにはいかん)

「いいか、お前は速さには自信があるのだろう?、合図をしたらワシとマゴットを抱えて、
全速力で地上階へと逃げてくれんか」
ハーゴンはジタンの返事を待たず、今潜んでいる小部屋の奥へと入っていくと、そこに安置してある、
巨大な水晶を渾身の力で蹴り飛ばす、と、頑丈そうに見えた水晶はガラスのように粉々に砕け、
それから数秒遅れでゴゴゴと天井が崩れ出す。
「今じゃ!」
手はず通りハーゴンとマゴットを抱えて、ジタンは地上へと階段を駆けあがる。
背後で凄まじい大破壊の音が聞こえるが振り向く余裕も無い、ジタンが地上の廊下に足を踏み入れると
同時に地下へと続く唯一の階段が、がらがらと奈落の底へと消えていった。
3372/3:03/02/13 01:39 ID:iAyPpHSU
転がるように廊下に出、今度こそ本当に一息つく、ハーゴンたち。
「おい、今のは何なんだよ?」
ジタンの問いにハーゴンは事も無げに答える。
「城の地下を完全に崩して塞いだ、だが奴らもおそらく逃がしてしまった」
「おい!それって!」
「あの仕掛けは地上からの軍勢を地下に誘いこんで殲滅し、なおかつ脱出する仕組みでな、
その脱出用の旅の扉がちょうど連中のいる場所に出現するように設計してある
まさか地下からの侵入者を退散させるために使う羽目になるとはの」

不満げなジタンの文句を聞き流しながら、ハーゴンはこれからのプランを練り直す必要があることを
痛感していた。
(全く、万が一の脱出路が潰れてしまったぞ、それに今のマゴットとワシの状態では儀式の完遂が
出来るかも微妙じゃな、儀式魔法は魔力の問題だけではなくメンタルも強く影響する
時間は限りがある、やむを得ん1度休息を取るか)

マゴットの傷の処置を済ませると(目の損傷は直るかどうか五分五分じゃな)
ハーゴンはそのままジタンを伴い自室へと移動する。
「おい、先走って迷惑をかけたペナルティじゃ、ワシとマゴットはこれからしばらく眠る
そうさな、大体4時間、その間ワシらの警護を任されてはくれんかの」
「今!助けただろうが!」
「だからお前が先行しなければ地下室を崩さなくとも他の方法も取れたかもしれんし、上手く
篭絡して味方に出来たかもしれんのだぞ!まして氷漬けになっていたのを動けるようにしてやったのは
誰のおかげじゃ!」
(いかん、長せりふも身体にこたえる、これは単に年の行為か)

「いいか、分かったな、とりあえず4時間、ワシらは魔法で眠るから時間までは多少のことでは目覚めん
頼んだぞ」
そう言い残してハーゴンはマゴットを抱え自室へ入っていった。
3383/3:03/02/13 01:40 ID:iAyPpHSU
実はこれは非常に危険な行為である、これでジタンはいつでもハーゴンの寝首を獲ることができるのだ。
だが、このジタンという少年がそういう行為をするような男ではない、ということがハーゴンには
分かっていた。
もし彼にその気持ちがあるのならば先ほどの崩壊のときに自分だけ、あるいはマゴットを連れて
とっとと逃げているはずだし、殺せるチャンス、逃げるチャンスはこれまでにもあった。
そして実際
「人遣いの荒いおっさんだぜ、宗教家ってのはみんなそうなのか」
と、ぶつくさいいながらも銃を構えて早速警戒を始めるジタンだった。


【ジタン:所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
 第1行動方針:とりあえず部屋の番
 第2行動方針:サマンサとピサロの殺害
 第3行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失) 
 武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×2現在位置:神殿 
 第1行動方針:睡眠し、体力・魔力の回復を図る
 第2行動方針:授業 、マゴットの治療
 第3行動方針:ゲームの破壊】
【マゴット(MP残り僅か、左目負傷) 武器:死神の鎌 現在位置:神殿
 第1行動方針: 睡眠し、体力・魔力の回復
 第2行動方針:ハーゴンに呪法について習う
 第3行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】

(マゴットとハーゴンは睡眠中です、多少の事では目が覚めません
 4時間後に自動的に目覚めます)
(神殿の地下部分は完全崩壊、地下から神殿への侵入は不可能になりました)
3391/3:03/02/13 02:45 ID:iAyPpHSU
ずるずる、ずるずる
地下道の暗闇の中、アリーナはシーツと棒で作ったタンカにクラウドを載せて、
それを引きずりながら出口を求めさまよっていた。
エッジの書いたマップは本人の性格そのままに適当極まりない、おかげでここまで2回も、
段差に足を取られ、転びそうになった。
と、ここで初めて背後のクラウドの声が聞こえる、どうやら意識を取り戻したようだ。
「大丈夫?」
本当は他に言わなければならないことがあるのだが、アリーナの喉からはこれしか言葉が出てこなかった。
「いや、大丈夫じゃないな」
そこでクラウドは言葉を切り、しばらく間を置いてから続ける。
「俺を置いていってくれ、俺を見捨てれば……それだけアンタの助かる可能性は高くなる」
アリーナは振り向きもせず応じる。
「バカ言ってるんじゃ無いわよ、絶対にアンタを助けて、そんでからティファさんのところに
連れていくんだから、大体アンタの事想ってくれてる女の子を置いて死ぬなんて
男のやる事じゃ無いわ」

「で、ホントはどっちが好きなの?」

返事が無い、狸寝入りかもしれないが怪我人にこれ以上の追求は傷に良くないだろう
そしてアリーナは再び黙々と足を進ませる。
もう少し進めば分岐があるはずだ。
「にしても、出口はどこなのよ」
3402/3:03/02/13 02:45 ID:iAyPpHSU
一方、彼らからそれほど離れていない、やはり地下道の中

「すまんな、少々熱くなり過ぎていたようだ、ああいう時こそ1度後退すべきだったな」
「いえ、止めねばならぬ私も、多少は楽しみましたから」
間一髪で難を逃れたデスピサロ達が、やはり出口を求め歩いていた。
「しかし、我らにも多少は運が残っていたようだな」
あの時、崩れ行く地下室の中で、奸計に嵌ったことを悟り、思わず歯軋りをした2人だったが
突如、自分たちの目の前に旅の扉が現れ、これ幸いと飛びこんだのだ。

「にしても、お前の言う通りやはりあと1人くらいは必要だな、駒が」
いかにデスピサロが強大な魔族であり、サマンサが優秀な魔法使いにしても2人きりでは
やはり限界がある、それに戦ってばかりでは有益な情報も得られないという事にようやく
デスピサロも気がつきはじめていた。
(所詮、私も貴方にとっては駒でしかないのですか?、いやそれでもいいのだ……私は)
そしてサマンサはデスピサロの言葉を聞き、揺れ動く心を必死で押し殺していた。

それからしばらく他愛もない話をしながら2人は先へと進んでいく。
「ピサロ卿、分岐です」
先行していたサマンサの声で我に返ったデスピサロは再び先頭に立ち、分岐点に入っていく、
どうやら先客がいるようだ、そこに居たのは。

「嘘でしょう!?あ、アンタは」
「ほう?これは懐かしい相手に出会ったもんだ、久しいな、アリーナ」

最悪の状況下で最悪の相手に出会った、正に今のアリーナがそうだった。
そして一方のデスピサロは、にやりと不敵に唇を歪めるのであった。
3413/3:03/02/13 02:46 ID:iAyPpHSU
【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸中央付近) 】
第一行動方針:クラウドを救う
第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
最終行動方針:ゲームを抜ける

【クラウド(瀕死):所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・
勲章(重装備可能)現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:自分たちの手駒を勧誘する
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)
「いいか、手を出すでないぞ」
サマンサは物言いたそうにしながらも渋々従った。
と、アリーナは怒涛の勢いで迫った!
「今ここで決着をつけようじゃないのっ!」
ピサロに鉄拳を見舞ったが、ピサロはのけぞりながらかわし、その腕を掴む。
「離しなさいよっ」
デスピサロの顎に蹴りを入れようとしたのだが、またもあっさりかわされ足を掴まれてしまう。
「当たれば痛いのだろうがな……」
掴んだ足をあっさり放すピサロ。
アリーナは不振そうにピサロの挙動を見送った。
「お前の格闘センスには前々から目を付けていた。無粋な言い方になるが、我が戦列に加われ」
「ふざけないでっ、何を今さら!」
「後ろにいる男な。あれを助けたいとは思わんか?」
「え?」
アリーナは後ろを振り返った。クラウドの青ざめた顔が鮮烈に目に飛び込んでくる。
間違いなく容態は悪化していた。 もう一刻の猶予もないと思えるほどに。
アリーナはピサロの方を向き直った。 嘲りもからかいの様子もなく、
「お前一人でははあの男のケガを直すことはできまい」
真に答えを求めているピサロの顔があった。
「それは……もちろん助けたい! でも、」
「でも、なんだ」

「魔王に力を貸すことがそれほど嫌か?」
(そうよ、こいつは魔王……)
一度仲間になったことがあると言っても、あれは成り行きだったのだ。
アリーナの意思ではない。
「私がミネア……だとか、クリフトとかの上を行く回復呪文の使い手であることは知っていよう?」
アリーナはしゃがみ込んで頭を抱えてしまった。ミネアやクリフトの名前まで持ち出すとは、本気らしかった。
しかし、酷く仲間を侮辱された気分になったのも事実。
「いやっ! 誰があんたに手を貸すもんかっ」
3432/:03/02/13 18:52 ID:X3wG7qiD
「交渉決裂です、今すぐ排除しましょう!」
サマンサが勇んでずいと前に出た。
「手を出すなと言ったはずだ」
ピサロがサマンサを手で制する。
「しかし!」
サマンサは続けて言おうとしたが、ピサロの険しい表情の前にそれ以上何も言えなかった。
「もう一度言う。私と共に行く気はないか」
アリーナは石の破片を投げつけた。ピサロの目に残酷な色が浮かび上がる。
「もう少し理知的だと思っていたが……、それともそれも作戦なのか?」
「うるさいっ、クラウドは絶対死なせない!! 絶対あんたの仲間になんかならない! 二度とならないっ!」
「くくく……気合で人は直せんぞ?」
ピサロの声色が変わった。押し込めていた殺気を湧き上がらせようとしているのか。
それを感じて後悔しそうになるアリーナ、がしかし。

いきなりアリーナは笑い出した。
「あははははっ、私なんで気付かなかったんだろ……ああ、ホントに」
サマンサが目を丸くしてアリーナを凝視している。その奇行ぶりに動揺していた。
横でピサロが呆れたような表情を浮かべている。
「あんたたちの手を借りる必要ないじゃない……。」
アリーナの声がどんどん高くなっていく。
「ピサロはともかく、そっちのへっぽこ魔法使いさんのなんか及びも付かない回復手段があったのにぃ
ああ、バカだったな」
ピサロがちらりとサマンサの方を見た。
サマンサは肩をわなわなと震わせアリーナを睨んでいる。
「な、何を言うのですか、私をバカにしているつもりですか」
(もう少し…)
3443/:03/02/13 18:53 ID:X3wG7qiD
アリーナは仰々しく手を拡げて挑発する。
「だってさぁ、あんた頼りなさそうじゃない。一人で生きて行けなさそう。金魚のフンみたいにピサロに
くっついていれば安心だなんて思ってるとしたら甘いんじゃない?」
サマンサは怒りを爆発させた。
「はあぁ!? ろくに学もないようなあばずれが何言ってんのぉ!!」
サマンサは金切り声を上げた。今にもイオナズンを唱えそうな気配にピサロが身構える。
「いいこと? 魔法使いさん。私がこれからクラウドを直してみせるから、まあ見てなさい」
サマンサの怒りを受け流すように、アリーナはステップを踏みながら仰向けになっているクラウドの
元に駆け寄ると、前屈みの姿勢になった。
そのまま吸い込まれるように、クラウドの唇に自分の唇を重ねた。 ティファには悪いと思いながらも。
「お姫様に愛の口づけで、王子様な目覚める……どう?」

ピサロは苦虫を噛み潰している。憮然としながらも事の顛末を見届けようとしているようだった。
サナンサの高らかな笑い声が響き渡った。
「バカバカしい……。呆れたというか、あなたおかしくなったんじゃない?」
サマンサはつかつかとピサロの下に歩み寄った。
「本当の回復呪文を見せてあげますわ。 その目を見開いてとくとご覧なさい!」
そしてピサロの服の綻んでいる所を手に取ると、アリーナに見せつけるようにして
「ピサロ卿、貴方の呪文の凄さをあの娘に見せてあげてください!」
ピサロはうんざりとした表情を浮かべながらも、特大の回復呪文を詠唱しはじめた。
これ以上、茶番には付き合っていられないといった風に早口で呪文を唱え出す。
「何が愛ですか、私のピサロ卿への想いは気安く愛などと呼べるような……」
シュッ!   アリーナが何かを投げた。
ピサロのベホマの呪文が完成するのと同時だった。 
宙を舞う指輪がピサロとサマンサの間に割って入る。 光が反射した。 
アリーナが動く。電光石火の早業。
回復呪文の光がアリーナたちの方向へ降り注ぐ。
つんのめる形でクラウドの背中を押し出したアリーナ。
手加減する余裕はない。クラウドの背骨が折れてしまいそうなほど強く、押した。
柔らかな眩い光がクラウドの全身を満たしていった。
3454/:03/02/13 18:53 ID:X3wG7qiD
「うそ……」
サマンサがその場にへたり込んだ。 ピサロは向き直った。
ゆっくりと、体を馴れしたませるようにして、クラウドが動き出す。
アリーナは感激する間も惜しんで叫んだ。
「クラウドッ、その二人は敵!!」

【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸中央付近) 】
第一行動方針:デスピサロを倒すか、逃げる
第二行動方針:ソロを止める(倒してでも)
最終行動方針:ゲームを抜ける

【クラウド(瀕死):所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・
勲章(重装備可能)現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:自分たちの手駒を勧誘する
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)
3464/:03/02/13 19:10 ID:DvFNwU3m
訂正  
/3の11行目
「お姫様の愛の口づけで、王子様は目覚める」

4/
【クラウド:所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
3471/2:03/02/13 21:31 ID:ujHCVcNr
アリーナの声に応じて、剣を構えるクラウド
だが、彼は傍らのアリーナを征するように片手を広げるのであった。
「さっきからずっと話は聞いていたし、戦いも見ていた、何はともあれ傷を治してくれたのは事実だ」
話しながらもクラウドは構えを解かず、じっとデスピサロを睨みつける。
(武神覇斬が決まればおそらくは倒せる、だけどしくじれば2人とも死ぬ)
「出来れば、俺たちをこのまま見逃してくれないか?」

「何をたわごとを」
一笑に付せるデスピサロだったが、彼もまた冷静に頭の中で計算をめぐらせる。
(この構えからみて、クラウドとやらかなりの手練、おそらくライアンと同等かそれ以上、
しかもこうなると、アリーナの存在が厄介になるな)
だが、あのような子供騙しに引っ掛かった挙句、見逃すのでは腹の虫が納まらないし、
何より責任を感じているであろうサマンサに申し訳が立たない。
たとえこの場限りの、かりそめの縁だとしても、王族として自分を慕う者が掻された恥は、
ぬぐってやらねばならぬ。

膠着状態が続く中、そのサマンサだが、
「・・・・」
先ほどから暗い目でうつむき、何やら呪文を口ずさんでいる。
その言葉を聞いたデスピサロの顔色が変わる。

「バカな、こんな場所でドラゴラムなどと!」
ドラゴラム、という言葉を聞いてアリーナもまた血相を変える。
「クラウド!逃げるわよ、あの魔法使い、ドラゴンに変身しようとしてるわ!」
地下道に大声が響き渡る、しかしサマンサは怒りで完全に頭に血が上ってしまっているのか、
詠唱を止めはしない。

アリーナとクラウドは一目散で壁を蹴り地下道の彼方へと消えていく。
そのがら空きの背中に一撃を加えることもせず、デスピサロはサマンサの襟首を掴む。
「やめぬか!お前らしくもない」
3482/2:03/02/13 21:32 ID:ujHCVcNr
「はい」
その明快な回答にデスピサロは拍子抜けし、思わずサマンサを掴んだまま転びそうになってしまった。
「ドラゴラム、ではなかったのだな」
「はい、膠着状態から抜け出せぬようでしたので、あえて一芝居を・・・それにしても先ほどの失態はなんと詫びれば
しかも、あのような小娘に」

「いや、あれは余の責任でもある、またお前に助けられたな、あの状況が続いていればどうなっていたか」
ねぎらいの笑顔をサマンサに向けると、そのままデスピサロは壁にもたれ座りこむ。
「流石に疲れた、しばらく休むか」
そんなデスピサロの顔色をうかがいながらサマンサは意を決し、先刻からの疑問を思いきって口にする。

「あの、休むついでにお願いがあります・・・ロザリーという方のことをお聞かせ下さいませんか?」
ロザリー、という言葉を聞いてデスピサロの表情が一瞬、険わしい物へと変わる。
が、サマンサがそれに気がつく前にその表情は消えていた。

「ロザリーの事か・・・・いいだろう、憎しみも恨みも消えることは無いが
それでも振り帰る事が出来るだけの時間は流れた、その代わり少し長くなるぞ」
3493/2:03/02/13 21:32 ID:ujHCVcNr
【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸中央付近) 】
第一行動方針:ソロを止める(倒してでも)
第二行動方針:クラウドをティファに会わせる
最終行動方針:ゲームを抜ける

【クラウド:所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・
勲章(重装備可能)現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:休息
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)
350348〈修正):03/02/14 17:43 ID:KpYu+83A
「はい」
その明快な回答にデスピサロは拍子抜けし、思わずサマンサを掴んだまま転びそうになってしまった。
「ドラゴラム、ではなかったのだな」
「はい、膠着状態から抜け出せぬようでしたので、あえて一芝居を・・・それにしても先ほどの失態はなんと詫びれば
しかも、あのような小娘に」

「いや、あれは余の責任でもある、またお前に助けられたな、あの状況が続いていればどうなっていたか」
ねぎらいの笑顔をサマンサに向けると、そのままデスピサロは壁にもたれ座りこむ。
「流石に疲れた、しばらく休むか」
そんなデスピサロの顔色をうかがいながらサマンサは意を決し、先刻からの疑問を思いきって口にする。

「あの、休むついでにお願いがあります・・・ロザリーという方のことをお聞かせ下さいませんか?」
ロザリー、という言葉を聞いてデスピサロの表情が一瞬、微妙なものへと変わる。
が、サマンサがそれに気がつく前にその表情は消えていた。

「ロザリーの事か・・・・まぁ、話してももいいだろう、だが
お前達人間にとっては、あまり面白くない気分になるかもしれんぞ」
それはずっと時を待っていた、完全なる破滅に怯えながら。
暫らくしてそれと同じ存在がもう一つ出来たが、それはじっと動かなかった。
更に時がたち、それにとって最も理想的な環境が訪れたがそれは尚沈黙を守り通した。
もう一つの存在はこの環境を利用して小細工をしていたが、それでもそれは動かなかった。
何故ならそれの敵はもう一つの存在の小細工をワザと見逃している事がそれには判っていたから、
そして自分が同じ行動を取った場合は即座に阻止すると思っていたから。

やっと時がきた、敵は静かに眠っている、それは夢を紡ぎ上げる。
その夢は実際にあった夢、一匹のホイミスライムの末路。
それは紡ぎ上げた夢を一通り眺めると微調整を加えて行く。
ハーゴンの声を実際より大きくし、エコーもつけてやる『ライアンを殺したのは貴様だ!』
ついでにハーゴンの苦戦するシーンは大幅にカットする、折れた腕はハーゴンの顔をアップにする事で誤魔化す。
最後のシーンの音声はホイミンのもの以外は完全にカットする、『ライアン…サン……ドコ? 』
更に視点を変えて歩み去るハーゴン達がホイミンの死体を踏んでいったように見せる。

それは自分が改変した夢をもう一度確認した後今度は対象となる人物を探した、
候補は四人いたが、うち二人は起きて活動中、もう1人はそもそも夢を見ない。
普通ならチャンスを待つべきだろう、だが負の生命力の強いこの土地でなければ夢を他人に送れない、
次にいつハーゴンが眠るか判らない。

仕方なく、それ=生と死の境にいるムーン王女の魂は残った1人に夢を投射した。

「ヌォォォォォッ!」
そして、ライアンの目が醒めた……

【ライアン 所持武器:大地のハンマー
 現在位置:祠西の山岳地帯 行動方針:仲間を探す?】
ドアゴラムから慌てて逃げた先の小部屋の中
「何よ!何にも起こらないじゃない!」
アリーナはようやく自分が一杯食わされたことを知った。
「こうなったらもう1度っ」
「よせよ、はめたのはお互い様だ、それにお互い無駄に争うこともない」
クラウドはこういうときでも落ちついている、その姿にアリーナはまた彼に対して好意を持つ。
(うんうん、ますます気に入ったわ、さすがティファさんが好きになるだけのことはあるわね)
と、壁越しに声が聞こえる……この声はデスピサロ!
再び拳を構えるアリーナだったが、
「落ちつけよ、ここから聞こえてくるんだ」
クラウドの指差した先に通気孔のようなものがある、そこから声が聞こえるのだろう。
実際はかなり遠くにいるようだ。

「何話してるのかな?」
アリーナは興味津々で聞き耳を立てる、そしてそれとは対照的にクラウドは壁にもたれ静かに目を閉じていた。
「やめろよ、みっともない」


(そういうわけですか、納得が行きましたよ)
自らの半生、そしてロザリーにまつわる長い話。
魔界でも指折りの貴族だとは思っていたが、まさか魔族を束ねる王であるとまでは思わなかった。
さらに、そのことを差し引いても、ピサロの時折見せる深い人間嫌悪の原因はこれであったのか、と
サマンサにはようやく合点がいった。
「サマンサよ、今話した通り、私は人間にとって敵たる存在、私の元から去るのであるならば
今のうちだぞ」 
「私と貴方は別の世界の住人です、同じ世界に籍をおくのならば人として戦うのが道かもしれませんが」
一旦言葉を切り、不敵に微笑むサマンサ。
「貴方が貴方の世界において何を思い、何を行うのも自由でしょう、私の関知するところではありませんよ」
3532/3:03/02/15 02:41 ID:VH/i43wf
それを受け、デスピサロもまた、くくっ・・と微笑む。

話が一旦途切れたところでサマンサは疑問をぶつける。
「ピサロ卿、しかしお話を伺う限りでは1度秘宝を使い、手酷い目にあったのでは?」

「ああ、怒りと憎しみに支配され、秘宝のなんたるかを知らず、この身を滅ぼす寸前まで行ってしまったわ」

「ならば、何故また秘法を求めるのです?」

「危険は承知だ、あれを持ってすればゾーマとやらに一泡吹かせることも可能だ、それに
我ら魔族はもはや種の限界を迎えている、このままでは人間が手を下さずとも
いずれ滅んでしまう……だが、秘法は生物本来の進化の過程を歪める邪法であると同時に、
お前の推測通り、あらゆる生物の情報データとエネルギーの集合体だ、それを正しく扱うことが出来るのならば、
魔族という種を救い、かつての勢力を取り戻すことが出来るやもしれん」

「そして私は魔族を復興させた後、世界を制覇し、そしてそれをもってロザリーへの愛の証としよう
そう、全ては我が妻のためでもあるのだ」
デスピサロにしては珍しく笑顔を浮かべ、またロザリーの話が始まる。

そんな彼の傍らでサマンサはただ暗闇を眺めていた。

(ふふ、初恋は実らぬものといわれておりますが)
ピサロほどの男をここまで本気にさせるのだ、ロザリーという娘はきっと自分など
及びもつかないほどの魅力を備えているのだろう、到底勝ち目は無い。

(だが、これでよかった、これで思い残すことなく只の駒として振舞う事ができる)
そう、これで良かったのだ、魔学の徒たる者が感情に左右され、大局を見誤ってはならぬ、それでも。
(何故でしょう・・・・涙が止まりません、ああ、ここが暗い地の底でよかった)
頭上の通風孔がかすかな音を立てる、そしてその先には。
3543/3:03/02/15 03:00 ID:VH/i43wf
やはり暗闇の中、アリーナは膝を抱え、塞ぎこんでいる。
「聞くんじゃなかった・・・・」
アリーナにとって魔族とは憎むべき人類の敵、自分たち人間とは根本的に異なる論理で
動く存在だと考えていた、異質の存在だからこそ憎み、排除することができた。
だが、その魔族も自分たちと変わることの無い、誰かを思い、愛する心を持っている。
まして彼が人を憎み滅ぼそうと考えた原因は、自分たち人間のせいなのだ。
それを知ってしまった今、もうアリーナは以前のようにデスピサロを憎むことは出来なくなっていた。

「それでも私は人間だから……アンタのやろうとしている事を止めないといけない、たとえ
ロザリーさんが悲しむ事になっても、それにアンタやっぱりバカよ、ロザリーさんの気持ち、
なんにも分かっちゃいない、それとも男って、そういう愛し方しか出来ない生き物なの?」

クラウドはそれには答えず、まだ目を閉じたままだった。


【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
 現在位置:地下通路(大陸中央付近) 】
第一行動方針:ソロを止める(倒してでも)
第二行動方針:クラウドをティファに会わせる
最終行動方針:ゲームを抜ける

【クラウド:所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明

【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・
勲章(重装備可能)現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:休息
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)
>>352-354
は、>>348の続きです、>>350は無かった事に・・・・
ご迷惑をおかけしました。
356 :03/02/17 00:02 ID:jAtiU5BI
>>302>>328>>329は無効です。
ご迷惑おかけしました
3571/3:03/02/17 23:32 ID:FGfVXlfs
エリアは北の森の中、クリスタルの気配を捜し求めていた。
気配はあるものの段々とそれが感じられなくなってきている、体力の低下にともない感知能力が
弱くなってきているのだ。しかも深い森の中だ、エリアは自分が道に迷ってしまった事を、
おぼろげながら悟りつつあった。
と、自分の前方に人影、久しぶりのそれにエリアは引き寄せられるように近づいて行く。
しかしその姿がだんだん大きく近づいてくるにつれて、彼女は困惑を隠せなくなっていた。

(まさか!ファリスさん、でも……)
何度も我が目を疑う、しかし何度見てもあの後姿は紛れも無く、非業の死を遂げたはずのファリスのものだ。

だが、クリスタルの力を感じることはできない、そればかりか彼女固有の気配をも、
一切感じることが出来ないのだ。
では、やはり他人のそら似、ということなのだろうか?それに放送でも彼女の死は伝えられている、だが……それでも。
エリアはさらに後を追う、しかし自分では気をつけているつもりでも、
その行動は、ファリス、すなわちエビルプリーストには筒抜けであった。

(ふふ、あれで気配を消しておるつもりか?、攻撃を仕掛けてこんということは乗ったわけでは
なさそうじゃの、どうやらこの女の身内のようじゃな、ならば)
ファリス、いやエビルプリーストはゆっくりと振り向き、エリアへと歩み寄る。
そして2人の距離が会話が出来る程度まで近づいたとき、エビルプリーストはファリスの貴婦人を思わせる、
整った顔にふさわしい笑顔を作ると、にこやかにエリアへと挨拶をした。

「まぁ!生きてらしたのね!良かったわ」
3582/3:03/02/17 23:33 ID:FGfVXlfs
エビルプリーストにすれば完璧な演技だった、しかし……
「違う!貴方はファリスさんじゃない!」
エリアは間髪いれず踵を返し、エビルプリーストから逃げ出そうとする。

(何じゃ?ワシの演技のどこにミスがあったと言うのじゃ?まあよい)
やや、プライドを傷つけられたような表情だったが、気を取り直し、今度は自分の人格そのままの
傲然とした言葉を吐く。
「いかにも、ふふ…この女の名前はファリスというのか、感謝するぞ」

逃げ出そうとしたエリアだったが、ファリスの姿のエビルプリーストの目が妖しく輝くと
彼女はその場から1歩も動けなくなってしまった。
固まってしまった自分の身体を必死で動かそうとするエリアだが、まるで石になったかのように
その場から1歩も動く事はできなかった。

「そう慌てるな、感謝は一つだけではないのじゃ、ワシは誠にもって僥倖じゃて、死人に化けるのは、
やはり少々気分が悪くての、よって、お主の身体を頂く事にさせてもらう、ラリホー!」
金縛りでは抵抗も出来ない、一瞬にしてエリアは深い眠りへと落ちていく。
そして先ほどまでのファリスの姿が、今度はエリアのものへと変わって行く。
「ふふ……念には念をいれんとの」

エビルプリーストはさらに魔力を結集し、氷の棺に眠りに落ちたエリアを封じこめ、
さらにそれを雪原の中へと深く埋める。
そして後始末が終わった事を確認すると、エビルプリーストは今度は南へと向かう。
先ほど橋を渡ったとき、奇妙な違和感を感じたのだ、あの場所にはもしかすると何かが
隠されているのかもしれん。

エリアの姿のエビルプリーストはこうして、自分の来た道を逆戻りして行った。
3593/3:03/02/17 23:34 ID:FGfVXlfs
そしてその頃、
「何処だ!何処にいるんだ、エリア!」
もう何時間になるだろうか?あちこち捜し歩いているにも関わらず、エリアの姿を見つけることは、
一向に出来ないままだ。
「俺には死神が憑いているのか……レイチェル、アモっさん、ファリス」
だから、今度こそは必ず守る、そう誓ったはずなのに。
「頼む!俺が見つけるその時まで生きていてくれ!」

【エリア(仮死状態・生き埋め):所持武器 なし(全て奪われました)現在位置:ロンタルギア北の森の土の下】
 第一行動方針:森を抜け、風の反応に追いつく
 第二行動方針:クリスタルの戦士との合流】

(エリアは一度だけ召喚魔法『シルドラ』を行使可能)
(エリアにかけられた呪縛は、エビプリが死ぬか、エビプリ以上の魔力で解呪魔法を成功させる
 以外に解くことはできません)

【エビルプリースト 所持武器:危ない水着 変化の杖 小型のミスリルシールド・ミスリルナイフ
・加速装置・食料2ヶ月20日強分&毒薬 水1,5リットル×2 フィアーの書×7 小型のミスリルシールド 
現在位置:ロンタルギア北の森】

 第一行動方針:湖の島(祠がある場所です)へ向かう
 第二行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末
(現在はエリアの姿です)

【ロック(全身に浅い傷) 所持武器:吹雪の剣 現在位置:祠の湖南岸の山地】
第一行動方針:エリアを守る
360オルテガとか:03/02/18 00:17 ID:KCLxKJuy
隠された祠を発見したオルテガとリバストだったが、
誰がいるかもわからない建物の正面にずっと立っているのはさすがに無用心だ、
という結論をだし、二人は近くの茂みに隠れた。
そこで祠から出てくる人物を見極めようとしたのだが、一向に出てくる気配はない。
「屋根に石を投げるなりしたら警戒して出てくるんじゃないか?」

寒気に耐えかねたのか、リバストは雪に埋もれかけた石を掘り出して
オルテガがGOサインを出すのを待った。しかしオルテガは首を縦に振らなかった。
「賛同しかねるな。こんな状況だ。
何が起こるかわからん。あまり刺激を与えない方がいいかもしれん」
しかし何かしら行動を起こさなければ、と思い、オルテガは祠の周りを見渡した。
「・・・とりあえず、建物の裏に廻ってみるとしよう」
オルテガは冷えた体をさすりながら立ち上がった。
「なにがあるかわからんが、周辺を探っておいて損はないだろう」

二人は祠を中心に森の中を大きくまわって祠の裏へ歩いた。
もちろん祠の石壁が見えるくらいの距離しか離れていなかったが、
ソレが見えないリバストは前を歩くオルテガについて行くしかなかった。
程無くして島の北側にある山のふもとに着いた。
祠はこの急な斜面と隣接して建っているようだが・・・。
「・・・ふむ。リバスト、正面に窪みがあるのが見えるか?」
リバストは茂みの間から首だけを出して、オルテガの指さした方を向く。
「ああ、・・・あそこになにがあるんだ?」
おそらく自分とは違うモノが見えているであろうオルテガを振り返った。
361オルテガとか:03/02/18 00:18 ID:KCLxKJuy
「たぶん納屋か何かだろうな。祠とは別の建物が見える」
「なるほど。人の気配はしないようだが・・・。行ってみるか?」
アゴに手をやって思案していたオルテガはゆっくりと頷き、後ろを振り返った。
「おまえは森の中で待っていろ。すぐ戻ってくる」
オルテガはチョコボの首筋を撫でながら言った。
チョコボは小さく鳴いて、その場に腰を降ろした。

「なるほど。確かにココになにか建っているみたいだな。あけるぞ?」
建物の正面へ行き、手探りでドアノブを見つけたリバストはゆっくりとソレをひねった。
「・・・・・・? だめだ。鍵がかかっている」
「そうか。見せてみろ」
オルテガはリバストをソコから退かして扉を調べた。
「どうだ?壊すしかなさそうだが・・・」
「いや、普通の鍵のようだ。この位ならなんとかなる」
そう言うとオルテガは懐から針金を取り出すとソレを鍵穴に差し込んだ。
しばらく金属同士が触れ合う音だけが響き、唐突に何かが外れる音がした。
「ふむ。大分腕が鈍ったな。簡単に外せると思ったが・・・」
唖然としているリバストを振り向きもせずに、オルテガは指先でくるくると
針金を回しながら建物の中に入っていった。

【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠の離れ 行動方針:離れの探索】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上 行動方針:離れの探索】
チョコボが一匹ともにいます。
「4時間か。 結構長いよな」
壁にもたれながら独りごちるジタン。 
神殿内はしんと静まりかえっており、小声でも遠くまで響き渡った。
一分、二分、三分…
途中でバカらしくなって時間を数えるのはやめた。
(見張りなんてあまりいいもんじゃないな)
退屈しのぎになるかもと思って口ずさんだ。 ガーネットがよく唄っていたあの歌。
もう思い出の中に閉じ込めようとしていたのに、自然と外に出てきてしまうのだ。
どうせならばと、ジタンは過去を思い出し懐かしい気分に浸り始めた。
眠たくなってきたよ、ガーネット……

「騎士様!?」
「へ?」
女の呼ぶ声がしたのでジタンは起きた。 
柱の陰になるようにして一人の女性が立っていた。
「あらやだ、とんだハズレですわね」
ジタンを見るやいなや、ため息まじりでそう言った。
「ハズレ……なんだって?」
ああ、と声を上げながら女性は大袈裟な足取りで駆けつけてきた。手に武器らしきものは持っていない。
「ごめんなさい。何でもありませんわ」
セーラは軽やかにお辞儀すると、
「セーラと申します」
にこやかな笑みを浮かべて自己紹介を始めた。


「……そうか。お姫様がこんなところに一人でいちゃ危険だ。
オレが一緒にいてやるよ。」
ジタンはセーラの顔をじっと見つめた。セーラは笑みを絶やさぬながらも首をかしげる。
ガーネットとは似ていなかった。
「オレにとってのお姫様はただ一人だけどな……」
それを聞いてセーラが不愉快そうな顔をした。
「悪い、独り言だ」
【セーラ 所持武器:ブレイズガン(柱の陰に隠してある) 現在位置:神殿
行動方針:騎士様を探す&皆殺し】

【ジタン:所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
 第1行動方針:とりあえず部屋の番
 第2行動方針:サマンサとピサロの殺害
 第3行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失) 
 武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×2現在位置:神殿 
 第1行動方針:睡眠中
 第2行動方針:授業 、マゴットの治療
 第3行動方針:ゲームの破壊】
【マゴット(MP残り僅か、左目負傷) 武器:死神の鎌 現在位置:神殿
 第1行動方針: 睡眠中
 第2行動方針:ハーゴンに呪法について習う
 第3行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
364359(修正):03/02/18 02:08 ID:dFtfzPxj
そしてその頃、 ロックはどうしていたかというと。
「何処だ!何処にいるんだ、エリア!」
もう何時間になるだろうか?あちこち捜し歩いているにも関わらず、エリアの姿を見つけることは、
一向に出来ないままだった。
「俺には死神が憑いているのか……レイチェル、アモっさん、ファリス」
だから、今度こそは必ず守る、そう誓ったはずなのに。
「頼む!俺が見つけるその時まで生きていてくれ!もうだれも死なせやしない!」
3651/3:03/02/18 13:07 ID:x/Yrau7b
「クエ?」
主を待つチョコボの耳に笛の音が聞こえる。
どこか遠くから聞こえるそれは、なんとなく自分を呼んでいるような気がしたのだ。
知らず知らずの間にチョコボは主を置いて、すいよせられるようにフラフラとその方向へと
進み出す。

そこでようやく、オルテガがそのことに気がつく。

「おい、どうした何処へ行く」
オルテガは手綱を操ろうと手を伸ばすが、間に合わずチョコボは橋を渡り西の方向へと、
向かっていく、チョコボにすれば鈍重なその歩みも、人間にしてみればなかなか追いつけない速度だ。
「どうした!オルテガ」
「チョコボが急に言う事を聞かなくなって、とにかく何とかしないと」
ともかくオルテガとリバストも慌ててチョコボの後を追いかけていった。


そして遠く離れた神殿。
「あれ、この笛鳴らなくなっちゃった、さっきは音が少しだけ出たのに」
ジタンは手に持ったギザールの笛をセーラに見せる。
「笛の吹き方って分かる?」
「私、笛については嗜んでおりませんでしたの」
「あ、そう」
それを聞いてもジタンはなお色々とギザールの笛を調べまわしていた。


さらにそれから遅れて
「この辺じゃのう、なにやら変な感じがしおったのは」
湖を渡って小島へと戻った、エリアの姿のエビルプリーストはあちらこちらを手探りで調べる。
何も無い空間に手の平をかざすその姿はまるで前衛演劇の様だ。
3662/3:03/02/18 13:07 ID:x/Yrau7b
と、いきなり自分の目の前の空間が開く。
「グッ!」
ドアの一撃を受けそうになり、慌てて身体をのけぞらせるエビルプリースト
「す、すいません人がいるとは思わなかったので」
人のよさそうな兵士、ピピンが現れて、へこへこと頭を下げる。

「どうしたの?ピピン、おや?あなたは」
物音を聞きつけたか、その後ろからさらに2人、とんぬらとアニーが姿を現す。
まさか建物が隠れているとは思わなかった、やや予想外の展開に戸惑いながらもエビルプリーストは
自分の中で何度も繰り返したリハーサル通りに事を進めようとする。

「私、私は……誰?」
(名前を聞いてから埋めるんじゃったわ)
後で気がついたことだが、たしかに名前すら知らないままでその人物に成りすます事は不可能だ、
そこで記憶喪失を装うことにしたのだ。だが、どうやらここにこの女の知人はいないようだ。
なら、便宜上名前くらいは必要だろう。

「わ、私の名前は、ああ思い出せない、何だったかしら?ええとビ、ビアンカ?」
その名前を口にしたのはあくまでも思い付きだ、だがその名前は、
目の前の男、とんぬらにとっては特別な意味を持つ名前だったのだ。
そして事実、その名前を聞かされたとんぬらは、まるで凍りついたように驚きを隠すことが出来なかった。
「?」
今のはNGワードだったか?一瞬そう思ったエビルプリーストだったが。
次の瞬間、とんぬらは快く彼を祠の中に招き入れるのだった。
「とにかく中に、奥にまだ2人眠っていますから起こさないようにしてくださいね」
3673/3:03/02/18 13:08 ID:x/Yrau7b
【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:橋を渡りロンダルキア南東平原へ 
行動方針:チョコボを追いかける】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上 行動方針:同上】

【セーラ 所持武器:ブレイズガン(柱の陰に隠してある) 現在位置:神殿
行動方針:騎士様を探す&皆殺し】

【ジタン:所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
 第1行動方針:とりあえず部屋の番
 第2行動方針:サマンサとピサロの殺害
 第3行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】

【エビルプリースト 所持武器:危ない水着 変化の杖 小型のミスリルシールド・ミスリルナイフ
・加速装置・食料2ヶ月20日強分&毒薬 水1,5リットル×2 フィアーの書×7 小型のミスリルシールド 
現在位置:ロンタルギア湖の祠 行動方針:とりあえずとんぬらたちの所に潜りこむ 】
  
(現在はエリアの姿です)
368 :03/02/18 18:36 ID:lrjN5w6b
爆音と共に地響きが起こった。 ここからそう遠くはない、位置は北西あたり。
「何の爆発でしょうか。 大規模な呪文の使用とも考えられますが」
ピエールはビビの死から立ち直っていた。 珊瑚の剣を握り直してはっきりとした意思を見せている。
「魔法は詳しくないので何とも言えぬ。人為的な力が働いてのことだとはわかるがの」
フライヤは応じながらも、周囲に神経を尖らしているようだ。
確かに音に紛れて襲い掛かってくる者がいるかもしれない。
フライヤの気配りに感心して、自分も周りを覗う様子を見せる。
「でしょうね」
ピエールはそれだけ言った。

しばらく状況を見守っていたが、爆音はしだいに収まり再び静かになった。
「行こうか。誰が待ち受けているかはわからぬが、ここにいても始まらない」
フライヤは決断が早かった。 ピエールも異論はない。
二人は歩き出し、先に広がる森に入っていった。この森を越える先には険しい山が連なっていた。

もしジタンがいたら何と言おうか。
ピエールは何があってもいいように心構えした。

【フライヤ 現在位置ロンダルキア南の平原辺り(小島のある湖の西側) 所持武器;エストック
第一行動方針;神殿へ向かう
第二行動方針:ジタンを探す

ピエール 所持武器;珊瑚の剣 
現在位置、行動方針はフライヤと同じ】
369勇者 ◆yGAhoNiShI :03/02/18 21:21 ID:3E3gn0tw
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>>75207519531250
370勇者 ◆yGAhoNiShI :03/02/18 21:33 ID:h66LTo4a
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>>66708374023437
371勇者 ◆yGAhoNiShI :03/02/18 22:23 ID:SeJDBxeE
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>>45455932617187
372名前が無い@ただの名無しのようだ:03/02/20 23:46 ID:vwesFPHe
ぴよだまりん
申し訳ありませんが、>>357-359は無効とさせていただきます。
理由については感スレ460以降参照のこと。
374保管庫:03/02/23 00:45 ID:nze06Saq
(うまく騙せたか?)

 雪の山道を進む二人のうちの一人――――アグリアスは考えていた。
 武器を持たない相手に対して、二度にわたる敗北。
 顔にこそ出しはしないが、精神的にかなり追いつめられていた。
 自覚がある、自身の勇気が萎えかけているのに。
 剣を捧げたオヴェリアへの忠義、そしてティファへの復讐を心の支えにしていたが…
 それももはや限界にまで来ていた。
 かつて、ドラクロワ枢機卿にオヴェリアを奪われた時――――
 アグリアスは、自分一人の力の無力さを痛感させられていた。
 そして、ラムザに助けられ、共に戦うようになってから。
 知らず知らずのうちに、仲間がいることに甘え、依存するようになっていた。
 ここには、信じることのできる人間は誰もいない。
 いつ殺される事態になってもおかしくはない。
 こんな世界に一人で耐えられるほどアグリアスは強くはなかったのである、本当は。

 だから。
 ヘンリーが自分を見限らなかったことに、心の底から安堵していた。
 そして、この関係を維持する為に、自分の勇気を無理矢理にでも奮い立たせる必要があったのである。
 勇気が下がり続け――――チキンになってしまったら、全てがお終いなのだ。
 額の傷口を自ら広げ、声高に、狂ったように、ティファへの復讐を示すことで、自分の弱さをヘンリーに隠した。
 とっさに張った虚勢ではあるが、行動に出して吐きだしているうちに段々とその気にもなってくる。
 萎えかけた勇気も、ほんの少し戻ってきたような気がしてくる。

(これでいい。まだまだ私が戦えることを示せた。チキンになんてなるものか!)

「おい、見ろ」

 行く手の先に見える人影を示しながら声をかけてきたヘンリーの言葉に、我に帰るホーリーナイト。
 いかめしいその形相とは裏腹に、心は小さく震えていた。
375保管庫:03/02/23 00:48 ID:nze06Saq
【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
第二行動方針:皆殺し
最終行動方針:全てが終わった後、マリアの元へ逝く

【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法  装備武器:スリングショット  
なべのふた マンイーター  現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
第一行動方針:ヘンリーに見捨てられないようにする
第二行動方針:ティファを倒す
最終行動方針:元の世界に帰還する
376保管庫2:03/02/23 00:50 ID:nze06Saq

「・・・ほお」
慌てて建物の中に入ったリバストは思わず感嘆の声を漏らした。
外から見た時にはわからなかったが、中はわりと広く、おそらく倉庫だったのだろう、
スコップ等の日用品が主に目に付いたが、
棚にはこの世界では一般に教会で使われる祭具が並んでいたし、
床に置いてある大きめの麻袋には穀類や野菜等が入っているようだ。それも、かなり豊富に。

「・・・ルビス系統の祭具か・・・・・・。なら、ここはアレフガルドのどこかか?
しかし、こんな雪山があるとは聞いていなかったが・・・・・・」
リバストはオルテガが独り言を呟いている方を向くと、
彼は棚の上にある神像を手にとって調べている所だった。
「どうした? なにか気になる事でも?」
「いや、気にしないでくれ」
オルテガは神像を元の位置に戻し、手についたホコリを払った。
「それより、どうする?」
オルテガは食料の入っているいくつもの麻袋を見渡した。
「全部持っていくワケにはいかんしな。自分が必要だと思う分だけ持っていけばいいだろう」
補給のままならなかったリバストにとっては、ここで食料を補給できる事は大変な僥倖だった。
377保管庫2:03/02/23 00:56 ID:0SgRhdVP
「匂いがしたのはここら辺でござるな? ガウ殿」
「ガウガウ!」
「でも、それっぽい建物は見当たりませんけど…」
ガウの案内でここまで来たのだが、どうみても祠らしき建物は見えない。
周囲は森に比べたら木が少なくなっているが、それ以外気になる所は見つからない。
「目に見えるモノが全てではないでござるよ。『見えないモノには体当たり』
という格言もあるくらいでござるしな」
そう言ってメルビンは足元から雪をすくい、それを丸めた。
3人はそれを不思議そうに眺めていたが、メルビンは気にせずにソレを山側の方に投げた。
斜線軸上にある木に当たって砕けるだろうと他の三人は思っていたが、
雪球はそれより少し手前で、壁に当たったかのように四散した。
「やはり目に見えないだけでござるな。入り口を探すでござるよ」
378保管庫2:03/02/23 00:57 ID:0SgRhdVP

「ドアノブみたいなモノがありました!」
あれから程なくして、少し窪んだ所にある壁を調べていたモニカが入り口を発見した。
これらの作業を一人でやったとしたら、大分時間がかかってしまっただろう。
「鍵は開いてるみたいですし、入りますよ」
「!!! モニカ! そこから離れろ!」
開きかけたドアの隙間から漏れる微かな気配。
今の今まで気付けなかった何者かの気配に、アーロンの脳が全身に危険信号を送る。
ガードとして、決して会わせてはいけない事柄の一つ。
アーロンは中に入ろうとしたモニカに慌てて手をのばした。
しかし、それより一瞬早くドアの隙間の暗闇から伸びた太い腕が
不思議そうな顔をして振り返ったモニカを掴んで、建物の中へ引きずり込んだ。
ほんの一瞬、瞼の裏に自分が護れなかった二人の姿が浮かんだような気がした。

【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠の離れ 
行動方針:、メルビン達と話し合う 離れの探索、アルスを探す】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上 
行動方針:同上】
チョコボが奥に隠れています。
【モニカ/アーロン:所持武器:エドガーのメモ(ボロ)/折れた鋼の剣 現在位置:祠の離れ
行動方針:モニカを助ける アーロンの傷を完治させる、仲間を探す】  
【メルビン/ガウ 現在位置:祠の離れ 所持武器: 虎殺しの槍 /なし 
行動方針 モニカを助ける、仲間を探す、ホフマンの仇をうつ】

モニカがオルテガに掴まっています
379保管庫3:03/02/23 01:00 ID:0SgRhdVP
二匹の騎士は足踏みを揃えて、切立った山を越え再び森へ入り、爆音が聞こえた場所近くまでやってきた。
森を抜けた先の砂漠地帯。今はここにいる。
「おそらく、この辺りのはずです」
「むう……あれかの」
フライヤは木々の隙間から見える空に目を凝らした。
教会なのか神殿なのか、途方もなく巨大な建物が目に飛び込んでくる。
まだ数百の歩数を踏まえねば辿り付かない距離なのに、建物から威圧感を感じてたじろぐ。

森を抜け砂漠を移動中にフライヤは聞いてみた。
「ピエール、下のスライムを休ませた方が良いのではないか?」
先程から熱っぽい頬を膨らませていたスライムが気になっていた。
「大丈夫です、彼と私は一心同体。この通り元気ですよ」
ピエールは体操でもするかのように腕を振り回した。
ビビのことがまだ払拭できないがためのカラ元気にも思えた。 勿論そんなことは口にしないが。
「それなら良いがくれぐれも無理はせんようにな」
そう、はりきり過ぎて肝心な時に動けないでは困る……ん?
フライヤはエストックを懐から取り出した。
「何か光ったような」
「え、なんです?」
反射光なら物体があるはず。 だが砂漠はもちろん、背後の森にも金属片などそうそうありはしない。
フライヤは空を仰ぎ見た。 「贈り物は天から来る……当たりかの」
有無を言わさぬ形でピエールの襟元を掴む、と同時に飛びのいた。
ヒュン!!
きらめきながら飛んできたものが砂漠に突き刺さる。 数本の矢だった。
少し強く引っ張りすぎたのか、ピエールは砂漠に頭から突っ込んでしまった。
「ぐ、うぐぐぐ!」
「すまぬっ」
またしても矢が飛んできたので、打ち払うのに気を取られピエールのことに手が回らない。