FFDQバトルロワイアル PART3

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「あいててて……」
ティーダは頭を抑えながら立ちあがった。
「大丈夫ー?」
頭上から、エアリスの心配そうな声が響き渡る。
「大丈夫じゃないッス……もう、5回目ッスよぉ?」
「全く、情けないな! バッツならこれくらいの落とし穴、簡単に避けられるぞ?」
「オレより引っ掛かってる人に言われたくないっつーの!」
偉そうなことをいうギルガメッシュに突っ込みをいれてから、ティーダは階段に走った。

ティーダ・エアリス・ギルガメッシュは、かれこれ一時間以上も、4階と5階を行ったりきたりしていた。
理由は簡単。5階に仕掛けられた、異常な量の落とし穴のせいである。
それらは巧みに床とカモフラージュされている上、魔法でもかかっているのか、
時間が立つとまた、元の床に紛れて判別がつかなくなってしまう。
誰が仕掛けたのかはしらないが、意地悪ここに極まれり。
お陰で最初は、モロに全員引っ掛かった上、エアリスが頭を打って気絶してしまったりもした。

ちなみに、この間に、アーサーに道案内されたマリベル達が、5階を通り過ぎていたのだが。
この時は、誰一人としてお互いの存在に気づいてはいなかった。
1562/3:02/11/29 17:29 ID:???
「じゃ、今度は気をつけてね」
「は〜い、はいはい……」
3人がとった手段は、マッピング。
ティーダとギルガメッシュが色々な方向に進み、エアリスが紙に印をつけていく。
地道だが、確実な手段ではある。
……しかし、この手の勘と運があまりない二人。
落とし穴という落とし穴に、片っ端から引っ掛かること引っかかること。
最初は呆れ顔だったエアリスも、だんだん笑いを隠しきれなくなってきた。

「……もうイヤッス」
「もう少しだから頑張って、ねっ?」
たんこぶだらけの頭をさするティーダに、有無を言わせない笑顔で励ますエアリス。
「まぁ、ここまでくれば後少しだからな……ぁぁあああああああ?!」
一歩踏み出したギルガメッシュの姿が、不意に消えた。
エアリスは早速ペンで印をつける。
「ここにも落とし穴ね……ということは、ここを迂回すれば、階段に着くはずよ」
「だってさ。頑張って上がってこいよー」
投げやりに声を掛けて、ティーダは先に進もうとする。
その時、上の階から、重く低い音が響き渡った。
1573/3:02/11/29 17:30 ID:???
――ズ……ズズゥン……

「……?」
二人は顔を見合わせる。昨日聞いた土砂崩れの音に、良く似た音……
「ちょっとオレ、行って見てくるッスよ!」
不安に駆られたティーダは、慌てて階段へと駆け出した。
「あ、待って、そっちは!」
「へ? ……うわぁあああああああ!」
エアリスの制止は、ちょっと間に合わなかったらしい。
ティーダは足を踏み外して、落っこちた。
ギルガメッシュの落ちた穴へと。
「はぐぅっ!」「うぎゃっ!」
二人分の悲鳴が、階下で木霊する。
「……私、先に行ってるね」
エアリスはため息をつくと、マッピングした紙を穴の下へ落とし、階段を上がった。

【エアリス/ティーダ/ギルガメッシュ/ 所持武器:癒しの杖/無し/無し/
 現在位置:ロンダルキアの洞窟
 行動方針:上階で何が起こったのか確かめる/落とし穴フロアを脱出(w)】