ロンダルキア大雪原地帯
洞窟を抜けてきた者への、第二の洗礼。
遠目には平坦な雪原に見えるソコは、歩みを拒む深い雪と山地特有の急な斜面。
そして犠牲者を求む数多くのクレバスが聖なる者の侵入を拒む。
この地には珍しい青空の下、黄色い影がこの台地の創生以来のスピードで駆け抜けて行く。
「クエーーーー!!」
嘶きも鮮やかに、チョコボは羽をはばたかせながら一際大きな裂け目を飛び越える。
それに乗っているのは覆面マントにパンツ一丁。荒くれ戦士オルテガだった。
しかし華麗に着地するチョコボの表情とは対照的に、彼の顔はすぐれない。
「むう、やはり充電が少なかったか……。そろそろ変身が解けてしまうな」
おもむろに地図を広げ、どこか休めそうな場所を探す。
「ふむ。北の森で休憩を取るか。どこか隠れる場所があるだろう」
オルテガは進路を変え、北の森にまっすぐ向かって行った。
「…相方にも困ったものだ。何か手紙でも置いといてやるか」
とりあえず変身のシステムを説明しなければな。消耗が激しいのだ、コレは。
変身してから20分。もうすぐオルテガが眠りにつく時間だ。
森の中は非常に入り組んでおり、所々に巨木が聳え立っている。
「…ふむ、あそこが良いか。」
オルテガの言葉の意図を読み取り、かなり高く跳躍した。
チョコボは頭上の巨木の枝に飛び乗り、再び高く跳躍する。
そして三度目に跳躍した時、チョコボは木の洞に着地した。
「…高低差はほとんど無視か。よくやった」
チョコボから降りたオルテガはやさしくチョコボの首をなでる。
チョコボもオルテガを甘噛みする。
「時間も少ない。はやく手紙を残さなければな」
〜覆面の使い方〜
このたびは当社の製品を… (この辺は省くか)
この覆面はあなたの内面に眠るもう一人のあなたにアクセスする手段の一つです。
この覆面に封印されし荒くれ達の記憶は以下の通りです。
・荒くれ戦士 ・荒魔道士 ・慰安夫 ・武器防具屋
もう一人のあなたの活動時間は、あなたの意識のある時間によって回復していきます。
健全な成人男性の場合、一時間で約20分の活動時間が回復します。
最大活動時間は約四時間くらいです。また、変身が解けた時に気絶する恐れがあります。
説明は以上です。それでは快適な荒くれライフを御送り下さい。
「…こんなものか。余計な脚色が入ってしまったがな」
大剣で器用に木の壁にメッセージを彫りこんだ
「…ここまでか。今度は長い眠りになりそうだ」
オルテガは側に腰を下ろしているチョコボにもたれかけ、ゆっくりと覆面を外した。
【オルテガ(眠り) 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:洞窟北西の森の巨木の洞 行動方針:休憩】