FFDQバトルロワイアル PART3

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何も無い空から二人は飛び出した。
――足場がない!
今の今まで大地に足を降ろしていた二人は、突然の事に為す術も無く大地に落下した。
フライヤは硬い地面で背中を打ち、
少し遅れてピエールは、人間の上に落ちた。
「うごぇっ!」
下敷きになった男の悲鳴が、スライム部分の下から洩れる。
ピエールは慌てて男から飛び退った。 今度は確かに冷たい大地の感触がスライムに伝わる。。
「も、申し訳ない!」
相手が自分たちの命を狙うものであろうとなかろうと、まずは謝るのが礼儀。
もし打ち所が悪ければ、回復魔法もかけてやるべきだろうと思ったが、
男が起き上がろうとするのを見て大丈夫だと判断した。
所持品らしいスーツケースも傷一つついていないようだ。

男の後ろでフライヤが背中を押さえながらこちらを覗っている。
ピエールは苦笑いを浮かべながら手を振った。
フライヤは笑うでもなく、目配せして応じる。
ややあって、男は立ち上がった。

「くそっ、僕が何をしたっていうんだ…」
ピエールのボディプレスの洗礼を受けた男はソロだった。
彼は立ち上がると、綺麗な顔立ちを歪めてピエールを憎憎しげに睨む。
「ち、違うんです。旅の扉の出口が空中だなんて予想でき…」
ピエールの口が止まった。ソロの目に異様な光が帯びているのを見た。
1132/:02/11/27 00:48 ID:???
「なんだ……魔物じゃないか。いっちょまえに言葉を話すのか。
僕の前に出てくるなんていい度胸だな」
ソロから発せられるものは殺気。
――この人は一体!?
「退がれ!」
言われるままに退がる。
ビュッ!!
ソロの剣がピエールの体をかすめた。
フライヤが叫ばなかったら、今ごろ胴体は真っ二つだったろう。
「もう一匹いるのかあ!」
ソロは後ろを振り向き、今度はフライヤに襲い掛かった。
「フライヤ殿!」
フライヤの武器は小剣のみ。
ソロのエンハンスソードと比べて性能の差は明らかだ。
(自分が助けなくては…)

あの前大陸でセシルに襲われたとき、ピエールは旅の扉に逃げ遅れたジタンとビビを助ける事が
できなかった。 紅蓮の炎を目の前にして尻込みしてしまったのだ。 
――自分は騎士失格だ、iいや、ビビ殿という恩人を見捨てて逃げるなど獣以下だ!

激しく自己嫌悪し、苦悩していたところいきなりの第三舞台、ソロと対面。
そしてフライヤが危機に見舞われている。

あの二人に何としても詫びたい。
どんなに軽蔑されようと、どんなに罵られようとも構わない、許してくれるまで。
だが、二人はここにはいない。 
ならば、今はフライヤ殿を守るのが、このピエールの役目。 ビビ殿の仲間はこの私が守る!
1143/:02/11/27 00:48 ID:???
ピエールは珊瑚の剣を高く掲げ、咆哮を上げながらソロに向かって突進した。
あと数メートル。
しかし既にソロは、フライヤを捉える間合いに入っていた。
どうやっても間に合わない。
絶対に埋められない距離。 
ソロの咆哮。
光を断つ剣。
景色が、歪む。

ピエールは息をのんだ。
ソロの斬撃をフライヤが避けたのだ。
しかも剣が振り下ろされた後に回避行動をとったように見えた。
すぐさまフライヤはソロを突き飛ばして大きく間合いを取った。

ピエールはフライヤを、そしてソロは自分の手を見つめてただ呆然とするだけであった。

【ソロ 所持武器 スーツケース核爆弾、エンハンスソード 現在位置;ロンダルキア南  行動方針?
フライヤ、ピエール 所持武器 エストック、珊瑚の剣  行動方針 ジタンとビビを探す】
ロンダルキアの西、断崖絶壁の崖付近…。
空から何かがふわりふわりと舞い落ちてくる。
どうやら羽がついた帽子のようだ…。

※使い古しのはねぼうしがロンダルキア西に置かれました。
(流出アイテム 残り1個)