FFDQバトルロワイアル PART3

このエントリーをはてなブックマークに追加
107メルビンとか
「…どうやら現在地は地図によると中心から北東の森でござるな」
メルビンは太陽の光と、周囲の地形から判断した。
目の前には鬱蒼と茂る森。背後には壁のようにそびえる山脈が連なっていた。
今いる場所は、そのちょうど中間のほんの少しひらけた平地だった。
「…南の小島に祠があるな。まずそこに向かうとしようか」
「それならまず湖岸に出た方がいいでござるな。この森、いやなカンジがするでござる」

「…寒いですわね」
「…雪国だからな。そんな靴では歩けないだろう」
モニカのはいているハイヒールを指してアーロンは言った。
「大丈夫ですよ。…キャア」
アーロンは軽くモニカを持ち上げ、抱える。
「無理するな。雪はお前が思っているほど甘くはない」

「…アーロンさんこそ。…ケガがまだ治りきっていないんでしょう?」
「…祠についたら続きをやってもらう。オレも一秒でもはやく祠に着きたいからな」
軽口をたたくアーロンに、モニカはそっと首に手を回した。
「わかりました。…ダメですね、私。皆さんに迷惑かけてばかり……」
「おまえにしか出来ない事が何かあるはずだ。そう悲観するな」
(私にしかできないコト。かぁ)
アーロンの言葉に、モニカは深く頭を悩ますのだった。

「…この山脈を辿って南に歩く。森の中には入らない方がいいようだ」
「そうでござるな。それでは行くでござる」
「ガウ!」
「…あの、メルビンさん。」
「なんでござるか?」
「もしかして、体を温める魔法ってしっていますか?」
そこまで言って、モニカは後悔した。なにバカなコトを聞いているんだろう私は。
アーロンもたぶんあきれた顔をしているだろう。
「ああ、知っているでござるよ。その服じゃさすがに寒いでござるな」
108メルビンとか:02/11/26 19:29 ID:???
平然と言い放つメルビンを、二人は不思議生物でも見るかのような目で見た。
そんな二人の視線に気付いていないのか、メルビンは袋の中をまさぐる。
「…あった。ウールガード〜」
メルビンが取り出したのは、純白の羊毛のモコモコした服だった。
「心配しなくてもいいでござるよ。とりあえず四人分あるでござるし。」
二人のなんとも言えない表情を、メルビンはそう解釈したのだった。

「…あっ。これあったかい。アーロンさん、似合ってますか?」
手渡された服を着たモニカはクルリとターンする。
「…ああ。よく似合っているぞ」
「アーロン殿は着ないんでござるか?」
ガウに服を着せ終わったメルビンは、手に服を持ったまま硬直しているアーロンに問い掛けた。
前に大怪我した時、着ていた赤のコートが台無しになったので今は黒のアンダーシャツしか着ていない。

「…オレは、いい。」
アーロンは手に持ったもこもこをメルビンにつき返した。
「あー。もしかしてアーロンさん、はずかしいんですか?」
モニカが下からアーロンを覗き込む。アーロンは顔を赤らめて視線をそらした。
「ははーん。モニカ殿、コレには……(ごにょごにょ)」

「アーロンさん。ちょっとソコに立ってください」
「…何をする気だ?…なに!」
モニカは羊毛の塊をアーロンに投げつけた。羊毛の塊が瞬時にほどかれ、アーロンを包む!
「はい。私が着せたんですから脱いじゃだめですよ」
アーロンは純白のモコモコに身を包み、顔を赤くしてフルフル震えていた。

「無理しちゃだめですよ、アーロンさん。雪国の寒さは甘くないんですから」
「…誰のマネだ?」
「アーロンさんのです。…似てませんか?」
返事の代わりにアーロンはモニカを持ち上げる。今度なモニカも何も言わない。
「すまなかったな。コイツが我侭を言って」
「いやいや。それでは出発するでござる」
109メルビンとか:02/11/26 19:34 ID:???
【モニカ/アーロン:所持武器:エドガーのメモ(ボロ)/鋼の剣(中古) 現在位置:台地最北東  行動方針:南の祠に 仲間を探す】  
【メルビン/ガウ 現在位置:台地最北東 所持武器: 虎殺しの槍 /なし 行動方針 南の祠に 仲間を探す ホフマンの仇をうつ】

モ「そういえばこの剣、折れちゃったんですよね」
メ「壁おばけの時でござるな。」
ア「ああ。しかし無いよりマシだろう?」