お掃除終了!
よかったよかった>お掃除
いてまえな若も江戸っ子の若もどっちもイイ!
つか選べねぇ!(笑)
ああっ、もうすぐ卒論が終わる!!
そうしたらクリスマス祭りの小説を挙げなくては。
今年は年末まで気合いが入りそうだわ・・・。
最近荒らしが多いけど、がんがろう・・・。
555 :
sage:02/12/16 03:39 ID:YAcKQfzC
保守
556 :
sage:02/12/16 03:39 ID:Ido4+FnO
保守
557 :
sage:02/12/16 03:42 ID:y8T7i2cU
保守
558 :
sage:02/12/16 03:43 ID:cMkMt6fz
保守
559 :
sage:02/12/16 03:43 ID:+6qjy+Jz
保守
560 :
sage:02/12/16 03:43 ID:cItkjU43
保守
561 :
sage:02/12/16 03:45 ID:fjbVmuLR
保守
562 :
sage:02/12/16 03:48 ID:YAcKQfzC
保守
563 :
sage:02/12/16 03:48 ID:Ido4+FnO
保守
564 :
sage:02/12/16 03:52 ID:y8T7i2cU
保守
565 :
sage:02/12/16 03:52 ID:cMkMt6fz
保守
566 :
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保守
567 :
sage:02/12/16 03:52 ID:cItkjU43
保守
568 :
sage:02/12/16 03:54 ID:fjbVmuLR
保守
569 :
sage:02/12/16 03:56 ID:rvc/vjXK
保守
570 :
sage:02/12/16 03:56 ID:YAcKQfzC
保守
571 :
sage:02/12/16 03:56 ID:Ido4+FnO
保守
572 :
sage:02/12/16 04:00 ID:y8T7i2cU
保守
573 :
sage:02/12/16 04:00 ID:cMkMt6fz
保守
574 :
sage:02/12/16 04:01 ID:+6qjy+Jz
保守
575 :
sage:02/12/16 04:01 ID:cItkjU43
保守
576 :
sage:02/12/16 04:02 ID:rvc/vjXK
保守
577 :
sage:02/12/16 04:03 ID:YAcKQfzC
保守
578 :
sage:02/12/16 04:03 ID:Ido4+FnO
保守
579 :
sage:02/12/16 04:07 ID:y8T7i2cU
保守
580 :
sage:02/12/16 04:07 ID:cMkMt6fz
保守
581 :
sage:02/12/16 04:07 ID:+6qjy+Jz
保守
582 :
sage:02/12/16 04:07 ID:cItkjU43
保守
583 :
sage:02/12/16 04:09 ID:fjbVmuLR
保守
584 :
sage:02/12/16 04:11 ID:rvc/vjXK
保守
585 :
sage:02/12/16 04:11 ID:YAcKQfzC
保守
586 :
sage:02/12/16 04:11 ID:Ido4+FnO
保守
587 :
孫悟空 ◆yGAhoNiShI :02/12/16 05:39 ID:1J9gpeRP
ドラゴンボールZ フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
| ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l
ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ
ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´
と〜けたこおりのな〜かに〜♪恐竜がい〜たら〜たまのりし〜こ〜みたいね〜
588 :
あにめ:02/12/16 23:27 ID:fH1IE7X1
こんばんわ。続きが出来たのでうPします。
…また消されたりしないよね?
「・・・本当だったか。」カインがため息をつく。
「ごめん。」申し訳なさそうにセシルが言った。
5人の目の前に浮かんでいるのは宝箱の中から出てきた『空飛ぶ目玉・第2弾』。
微かに聞こえた目玉の呟きに、リディアは嫌な予感がした。
(言葉の羅列から言ってこれはデス系…。)
「死の宣告だと思う…。」
しかし、普通のデス系の詠唱とは何かが違う。奇妙な違和感。
魔物が使う言葉は、古に使われた古代言語がほとんどである場合が多い。
古代文字は発音・発声の仕方が、現代の言葉より困難で難解である。
その為、一般の者には魔物の唸り声にしか聞こえない場合が多いのだ。
普通は、魔術に長ける者ではないとその言葉は理解出来ない。
幻獣界で主として使われる言葉が古代言語である為に、リディアは理解出来るのである。
「もしかして、全体魔法かも!」
リディアの叫びに全員が身構えた。
ニタリと目玉が笑う。死の宣告が発動した。
全身に激しい衝撃が走る。息が詰まるような圧迫感。死の宣告だ。
「目玉の分際で全体魔法か…。」
おそらく、上位に位置する部類にこの魔物は入るのだろう。
(長期戦は避けなきゃな。)
エッジは素早く手裏剣を手に取ると、敵に向かって投じた。
敵が横にゆらりと揺れて避けた。ケケケと笑い声を出す。
が、その位エッジの計算のうちに入ってる。
放物線描き、手裏剣は元の起動を描いて戻る。
そして、敵の避けた方向に向かって飛んでいく。
鈍い音を立てて、投じたすべての手裏剣がその体に突き刺さる。
何とも言えない奇声を目玉は発した。
(では、バハムートにお願いしてみようかな。)
「リディアちょっと待って。」
呪文を唱えようとしたリディアをローザが止めた。
それを見て頷いたセシルが何かを取り出した。
(それは・・・金の砂時計・・・?)
「いい?これで二人の時間を早める。すぐに戻すから。」
「え。時間が早くなったら・・・。」
リディアが言い終わらないうちに時が動いた。
「エッジ。リディアを・・・。」
セシルの声が遠くなる。目の前が…全てが暗くなっていく・・・。
何かの、笑い声が聴こえた…。
がくんとリディアの体から力が抜ける。
死の宣告が発動し、ローザとリディアの命が奪われたのだ。
力無く弛緩したリディアの体を抱きかかえ、エッジは思った。
(この細い体の一体どこに、無理する力があるんだよ…。)
ぐったりした体を支え、セシルとエッジは素早くフェニックスの尾を使用する。
オレンジの光が優しく包むと、二人は目を開けた。
「え・・・?」リディアは、意識が戻った自分のすぐ目の前にエッジの顔があったので驚く。
エッジがエクスポーションを使用した。そこでやっと何をされたのかが理解できた。
(ビックリしたぁ。死の宣告を解除したのか・・・。)
「リディア!無理するんじゃね〜よ!」
目を覚まし、ぼんやりしていたリディアの背中を叩くとエッジは叫んだ。
エッジの声で、我に返ったリディアは詠唱を開始した。
「リディア!待機していてくれ。」
セシルが詠唱を止めるように指示を出した。
ローザは蘇生のための魔法を詠唱し始めていた。
(今度はセシルとエッジのを解除するのね…。)
チームワークを乱すことは禁止である。
それは良くリディアも分かっている。
「でもっ・・・。」
(エッジが死んじゃう・・・。どうして、これしか方法はないの。)
攻撃をしている、エッジの後ろ姿を見ている事しか出来ない。
エッジの背後に黒い装束を来たものが出現し、エッジから魂を抜く。
エッジがゆっくりヒザを付いて倒れた。
その瞬間、一瞬にして死神はその姿を消す。
リディアは走り寄って、フェニックスの尾を使った。
淡い光がエッジを包んだ瞬間、彼はがばっと飛び起きる。
リディアは、あまりの動きの素早さにあっけに取られた。
「復活!ありがとよ。」
リディアに礼を言うと、エッジはすぐさま敵に向かって走り出す。
(…なんだ、心配して損した・・・。)
そう思ってエッジの後ろ姿を見送って詠唱し始めた時に、敵が全体攻撃を仕掛けてきた。
敵の起こした風が体を激しく叩く。
「エッジ!大丈夫?!」
「おう!」
リディアの呼びかけに返事はしたものの、このままでは攻撃どころではない。
エッジはヒザを付き、苦しそうに腰に結わえてある小袋からアイテムを取り出す。
(ちっ、ハイポーションしかないってか。文句は言ってらんねぇな。)
すぐさま使用した所に、カインが敵にジャンプ攻撃して帰ってきた。
593 :
あにめ:02/12/16 23:40 ID:fH1IE7X1
今日はここまでです。
まだ話の折り返し地点って感じです…。
ながっ!(>_<)
〉アンチゴッキーさん
卒論頑張って下さい。(゚∀゚)
寒いです。
皆さん風邪には気を付けてくださいね。
594 :
uni:02/12/17 00:02 ID:JZVDyN10
あにめたん、新作ありがとうです☆
嵐に負けないでくださいね(・∀・)
>あにめさん
新作イイ!
ゲームやっててエッジ⇔リディアでポーションとかフェニックスの尾
とか使いっこしてたのでニタニタしてしまったです。
>595
私もソレやってました。
やっぱ考える事って皆同じなんだろうか(w
戦闘中に萌え。
あにめさんがんがって!続き楽しみに待ってます。
597 :
MAMO:02/12/17 12:54 ID:1g7d7MYL
>あにめさん
新作ありがとうございます!
お互いで、アイテムの使いっこいいですぅ〜。
私も萌えました〜。
久しぶりにSS書いたので、うpします。
お題は「シークレット・フェイス」です。
ゼロムスとの戦いは終わった___。
今までの本当に色々な事があった。
ミストで母を殺され、セシルと共に旅立ち、リヴァイアサンに幻界へ連れてこられた。
そこで、長い年月が過ぎ、再び戦う道を選んだ。自分との戦いでもあったのだ。
そして、やっとの事で諸悪の根源であるゼロムスを倒した。
すべては、終わったのだ___。
リディアは帰りの魔導船の中で、すべてが終わった達成感の為か、
一人ぼぅっと、地べたに座り、窓の外の宇宙を眺めていた。
真っ黒な空一面に広がる星達。
(終りが無いんじゃないのかしら?この宇宙は。)
あまりにも壮大な宇宙を目の前にして、自分の今まで進んできた道、自分自身の存在が、とてもちっぽけな物のように感じた。
何だか急に寂しくなって、堪らない気持ちになった。
「何、浮かない顔してんだ?
はは〜ん、さては、オレ様と別れるのが寂しいんだろ?」
ふいに声をかけられた。
こんな事言い出す奴は一人しかいない。
本当は声をかけられてうれしかったのに。
ついぶっきぼうに答えながら声の主の方に振り返った。
「な〜にバカな事いってんのよ。ほんとアンタって…!?」
しかし、次の瞬間リディアは声を失った。
「エ、エッジ…!?」
そこには、シャワーでも浴びたのだろう、
半乾きの髪はいつものように後ろに流しておらず、
少し長めの前髪が無造作に額に掛かり、肩にタオルを掛けたラフな格好のエッジが立っていた。
前髪が下りている為か、いつもの彼とは雰囲気が違う。
しかし、リディアが思わず声を失った理由はそんな事ではない。
口元を隠すマスクが付けられていないではないか!
「あ、あの…マスクが…」
「ん?まあ、ゼロムス倒したって事で、今日は出血大サービスってことよ♪」
エッジは大して気にする様子も無く、リディアの隣りにドカッと腰を下ろした。
リディアが驚くのも無理はない。
エッジは、今まで人前では絶対にマスクを外さなかったのである。
食事なんかも、いつも気が付けば既に食べ終わっていたし、
セシルやカインに聞いた所、寝る時も決してマスクを外さなかったと言う。
「あ、そっか!目標達成したんだもんね…。」
しばらく動揺していたリディアだが、ふとある事を思い出し、手を叩いた。
「ねえ、エッジはどうしていつもマスクをしているの?」
リディアは彼と出会って間も無いある日、パーティーの皆が不思議がっている事を、思いきって彼に聞いてみた。
「あ?なんでいきなり、んな事聞くんだよ?」
「だって、みんなエッジがマスクを外した所見た事が無いって、うわさになってるのよ。」
「ははっ。くっだらねぇ事で盛り上がってんなぁ。」
エッジは鼻で笑って、リディアの頭をポンポンと軽く叩いた。
「んもう、質問に答えてよ!」
リディアはバカにされたような気がして、むきになってエッジの手を払いのけた。
MAMOタン、マスクの秘密を早く教えてクダサイ。
じゃないと今夜眠れないヨ(´д`;)
「これさー、一応、忍の掟なんだよ。」
「掟!?」
「ああ。忍者の本来の役目ってのわな、諜報活動つまりスパイ行為な訳よ。
ひそかに敵の内情を探るのに、正体知られるわけにはいかないだろ?」
エッジはさも当たり前と言う風に答えた。
しかし、100%仲間を信用しているリディアにとって、
彼の言葉はとても残酷なものだった。
自分達の前で、マスクを外さないと言う事は、信用されていないという事ではないか。
「そうだけど…。じゃあ、エッジは私達の事仲間だと思ってないの?」
とても悲しい気持ちになって、泣きそうな声で彼に尋ねる。
「わ、泣くなよ!別に、お前らの事信用してないって訳じゃないって!」
エッジはリディアの潤んだ瞳に見つめられて、慌てて弁解した。
エッジはリディアの涙にとても弱かった。
(初めて会った時もそうだったかな?)
ルビカンテに敗れ、ボロボロになりながらも瞳の中の怒りは消えなかった。
それがリディアに泣かれた途端、急に慌てて彼女のフォローに回ったのだ。
今のエッジはあの時の慌てまくる彼とまったく一緒なので、
リディアはおかしくてしょーがない。
「じゃあ、なんでマスク外さないの?」
心の中でくすくすと笑ってから、ちょっと拗ねたように彼を見上げた。
エッジはそんな顔で見つめられ、「参ったな。」と小さくため息をつく。
「ん…、だからさぁ、その、これはオレなりの決意な訳よ。」
エッジは、少し言いにくそうだ。
「決意?」
「ああ…。オレは、エブラーナも親父もお袋も守れなかったから、
今度こそ、大切なものは守りぬこうってな。
大切なもん守る為には、悪の親玉倒さなきゃなんねーだろ?
その悪の親玉倒す日まで、このマスクは外さねーって誓ったんだよ!」
そう言って、エッジはリディアの頭をくしゃくしゃと撫で回しさっと立ちあがった。
「きゃあ!もう、何するのよ!!」
ただでさえ、広がりやすい髪をぐしゃぐしゃにされたリディアは怒ってエッジを見上げた。
「うっさい!お前が変な事言わせるからだよ!」
そう言いながら、エッジはその場から立ち去ってしまう。
しかし、リディアは見逃さなかった。
マスクに半分隠れた彼の顔が赤くなっているのを。
(案外、ちゃんと考えてるんだなぁ…。)
リディアの中で、エッジに対する見方が変わった出来事だった。
603 :
MAMO:02/12/17 19:04 ID:1g7d7MYL
今日はここまで、ってことで・・・
>600
若のマスク、引っ張ったわりに、
大した理由でなくて申し訳ないっす(^^;)
精進せねば・・・
MAMOさんごちそうさま(*´Д`)
リディアたんスレが直らないんだけどどうしたもんか。
605 :
600:02/12/17 22:31 ID:E2JjX7jH
606 :
あにめ:02/12/18 01:01 ID:XFiAzEem
こんばんにゃ。
ここから先は急展開。続きです〜。(゚∀゚)
しかし、着地と同時にそのまま息絶える。
エッジは後ろを振り返った。セシルはまだ生き返ってはいない。
アレイズは高位魔法であるが故に、長い詠唱を必要とするのだ。
「もしかしなくても、ヤバイ…。」
目玉が、ローザをじっと見つめている事にエッジは気が付いた。
その口はもごもごと動いていて…。
(何かを言っている?)
その事にローザは気が付いていない。
その言葉を理解したリディアが叫んだ。
「エッジ!!攻撃して!発動させないで!」
エッジがリディアの言葉の意味を理解して攻撃しようとした時、下卑た笑い声を上げ目玉が魔法を発動させた。
「は…っ…。」
苦しげに胸を押さえたローザの背後に、その命を刈りに来た死神が現れる。
(私が死んだら…セシルは…。みんなは…。)
暗黒の深淵に、意識が飲み込まれる。抗えない。
死神をとらえたローザの瞳。瞳孔が大きく、拡大した。
「ローザッ!」リディアは絶叫する。
ローザはその場に崩れ落ちた。
(…っ!マジ、ヤバイ!)
エッジは小袋からエリクサーを取り出し、リディアに向かって投じる。
「お前だけでも、生き残れ。」そう言い残し、エッジは走り去る。
「エッジ?!」リディアはうろたえた。
(お前は死なせない!こいつは俺が仕留める!)
(まさか…ダメ、エッジ。もう、死なないでぇ…。)瞳に涙が潤んだ。
(でも、どうしたらいいの?)このままでは全滅。
リディアは白魔法を使えないため、アイテムを使用して生き返らせるしか方法はない。
しかし、そうしている間に攻撃されれば、生き返らせた者は元より本人さえダメージを受けて危険である。同じ事の繰り返し。
(あの時だって、泣いてるだけだった。)
動かなくなり、徐々に体温を失う母の体を起こそうと揺り動かす事しか出来なかった。
(違う、泣くしか出来なかった。)
だから、強くなりたいと思った。その為に色んな事を勉強した。
(今の私はあの時出来なかった事も出来る。今、出来る事をしなきゃ…意味なんてない!)
でも、たった1つだけこの状況を打開出来る方法はある。
しかし、それは…。
(でも、それをすれば…助かる。いえ、助けてみせる!!)
そう思った瞬間、リディアは詠唱を開始した。
609 :
あにめ:02/12/18 01:13 ID:XFiAzEem
なんでぇ!
これ以上書きこめない・・・。
続きは今日の夜にでもうPします(>_<)
卒論提出!!!!
さて、かつてない勢いでクリスマスリディアタンを書き上げ
・・・脱稿・・・そして脱力。
公開されたら私のつかっとるハンドルをここで晒そうと思います・・・
>あにめタン
もう書けるんではないのかい?
アウアウ・・・続きが早く読みたいよう
611 :
MAMO:02/12/18 12:37 ID:U3tSZpH/
SS続きアップしまーす。
ここ、3回までしか連続投稿できなくなっちゃったんですねエ・・・
それから、リディアはいつかエッジの素顔を見てみたいと密かに思っていた。
今、リディアの願望は達成されたわけで、
つい隣りに座ったエッジの横顔をチラチラと見てしまう。
(結構、綺麗な顔してるんだな…肌も綺麗だし。
なんか高貴な感じがちゃんと王子様に見えるな…
ってゆーか、セシル達より年上って言ってたけど、全然そう見えない…)
彼と接するたびに、リディアの中でエッジと言う人の印象はどんどん変わっていった。
最初は、ただ口が悪くて無茶苦茶な人だと思ったのに。
「何、人の顔じろじろ見てんだよ。あんまりいい男だったから惚れちゃった?」
リディアの視線に気が付いて、エッジはニヤッと笑ってみせる。
(あっ、八重歯がある…)
「な、何自惚れてるのよ!!調子に乗るんじゃないわよ!!」
リディアは、慌てて悪態をついた。
「そんなに、照れんなよ〜。最後ぐらい素直になれよ。」
「そんなことないもん!それに最後って…」
笑っていたエッジの顔が急に真面目になって真っ直ぐにリディアを見た。
リディアの心臓が高鳴る。
「お前さ…」
「な、何!?」
あまりの動揺に声が裏返ってしまった。
「…この船が地球に着いたら、どうするんだよ?」
それはつまりこの旅が終わったらどうするのか?と言うことだ。
「そっか…。そうだね、この旅はもう終りなんだよね。」
リディアは頷いて、寂しげに笑った。
そして、それっきり二人は黙り込んでしまう。
いつもは、まるで夫婦漫才でもやっているのではないか?
と思うくらいよくしゃべる二人なのに。
今はただ、お互い黙ったまま窓の外の宇宙を見つめている。
「…オレ、前に悪の親玉倒す日まで、マスクは外さないって言ったよな。」
ふいにエッジが呟いた。
「えっ!?…あ、うん。そう言ったね。」
リディアは急に話題を変えられて、一瞬戸惑った。
しかし、重い空気を打ち破ってくれた事に、内心ホッとした。
「大切なもの守る為に、悪の親玉倒す日までマスクは外さないってね。
エッジにしては、真面目な事言ったよね〜。」
いつもの調子で軽い嫌味を言ったつもりだった。
そうすれば、彼もいつもの調子で切り返してくるだろうから。なのに…
「オレ、お前の事ちゃんと守れたかな?」
「えっ…?」
彼は、リディアの期待には答えてくれなかった。
「オレにとっての大切なものって、お前なんだぜ…。」
照れくさそうに、だけどとても優しい瞳でリディアを見つめる。
リディアはその視線から逃れる事ができない。
(何、それ?なんで…、突然そんな事言い出すの?
だって、それって…。
やめてよ、そんな顔で見ないで…
私、死んじゃいそうよ…)
MAMOたんイイ!!(゚∀゚)
若の乱れ髪&素顔ってどんなんだろう
と想像して萌え(;´Д`)
615 :
あにめ:02/12/18 18:40 ID:jVm4/TQm
>MAMOさん
いいですねぇ(゜∀゜)
萌えます。
では、続きです〜。
616 :
あにめ:02/12/18 18:41 ID:jVm4/TQm
『蒼き星、大地奥深くに存在する幻の国の統治者を支えし貴婦人よ。我が呼びかけに答えよ。』
攻撃を交しながらエッジは感じた。
(呪文が…違う?それに、この言語は?聞き覚えが・・・。)
『答え、我に力を与えよ。』
リディアの衣服が風も無いのに揺らめく。
『その姿を現し出でよ、アスラ!!』
その瞬間、彼女を中心に緑色の光が炸裂した。その光が集まり形を成す。
空中に浮かび、3つの顔を持つ幻獣アスラが出現した。
エッジは、攻撃を避けながらちらりと召喚された者を見る。
(アスラを呼んだのか?しかし、発動までの時間が早い。)
エッジはリディアの唱える呪文は殆ど覚えている。
だから、アスラを召喚する呪文も当然記憶している筈なのだが・・・。
先程の詠唱は聞いたことも無い。他にその言語を使ったと言う記憶すらない。
(何をした、リディア。)嫌な、胸騒ぎがする。
617 :
[:02/12/18 18:42 ID:jVm4/TQm
アスラの首が動く。それによってランダムに魔法がかけられる。
この召喚獣を呼び出した時、必要な物は運。
そう言う筈だった。
『アスラ。我が名に従え。慈悲深き再生を与えよ。』
死んでいた3人を光が包む。一瞬にして3人が生き返る。
「えっ…!」(今、命令したのか?!)
そんな事が可能だったのかと、エッジは違和感を覚える。
(可能であれば、何故今まで・・・。)
生き返った事を確かめ、リディアは再びアスラを見つめる。
(これじゃまだダメ。御免なさい。お願いっ。)
リディアの全身から汗が噴出す。
『我らに…暖かき癒しを!!』
首が動き、全体にケアルダがかけられた。
(連続?!呼び出したまま?!)
「女王様、感謝いたします…。」
深々と頭を下げる。
アスラは辛そうな顔で微笑した。
『リディア、無理をしてはいけません。これがどれ程貴女の…』
「はい。お気遣い・・・ありがとうございました。」
リディアは気丈に、何事も無いかのような笑顔を返した。
アスラの輪郭が淡くなり、消失する。
618 :
あにめ:02/12/18 18:51 ID:jVm4/TQm
あわわわ!Σ( ̄∇ ̄;)
おでかけする時間がきてしまいました。
しかも、慌ててうpしたからタイトル入れてないし・・・。
また後程うpします〜。
くりすます企画ってなんですか??
621 :
あにめ:02/12/18 23:36 ID:XFiAzEem
帰宅したので続きです〜。
「ありがとう!」復活したセシルやカインは礼を述べ、敵への攻撃を再開した。
その事を確かめると、リディアは座り込み口を手で押さえた。
「リディア!」走り寄ろうとしたエッジを、リディアは手で拒否した。
(何で…。)それよりも攻撃を、とリディアはエッジを促す。
(お前、何やったんだよ!!)エッジは手が白くなるほど、柄を強く握り締めた。
強がって笑うその顔色は、蒼白と言うより蝋燭のように白い。
痛々しくて見つめられない。
(馬鹿がっ…。)心の中で絶叫し、リディアに背を向け、エッジは敵に向かって走り出した。
目玉は最早、虫の息だった。
が、自分を屠ろうとしている者達が許せなかった。
このままでは、と目玉は思った。
再び目玉の呟きがリディアの元に聴こえた。
(また…。もう…させないから…。)
朦朧としている意識の中、リディアは無意識に呪文を詠唱し始めていた。
622 :
あにめ:02/12/18 23:38 ID:XFiAzEem
エッジにも、呟きが何であるのかが理解できた。
「また来るぜ!」
言い切ったその時に死の宣告が全体にかけられる。
「またか!」カインがそう言い、上空に飛び上がる。
セシルはふいに気が付いた。カウントダウンが前回よりも早いという事に。
攻撃の手は緩めてはいない。しかし、敵も手強い。
「相撃ちを狙ってる!!」セシルは叫んだ。
おそらく、このままではカウントダウンの終了と敵の最後が同時。
しかし、魔法を詠唱できる時間など無い。
『時空を。空間を歪め、悠久の時より彷徨える旅人よ…我が声に呼ばれて来たれ…。』
エッジは目玉と同時にリディアが何かを呼んでいた事に気付く。
座り込み詠唱するリディアが、後ろにそのまま倒れそうになったのを走り寄ったエッジが支える。
意識は朦朧としているらしく、支える為に抱き締めたエッジに全く気が付いていない。
うつろな瞳は視点が定まっておらず、その事が一層エッジの不安を煽った。
『永き旅の終焉を…此処で迎えよ…』
リディアの唇から紡ぎ出されるそれは、先程と同じく聞き覚えの無い言語。
『その最後を我の為に…。力を貸せ…。』
洞窟の天井がぐにゃりと歪み、煌めく星空が見えた。
そして、リディアの呼んだ物が声に招かれやって来る。
エッジは悲痛な表情でリディアを見つめている。
(何で…。こんなに無理するんだよ…。)
彼女の体は小刻みに震え、汗で衣服は湿り気を帯びている。
苦しげに最後の言葉を紡ぎだす。
『我の敵を…滅ぼせ…。』
詠唱の最後の言葉を、ゆっくりと呟いた。
リディアの最後に呟いた言葉を聴き、エッジは目を見開いた。
詠唱時の言語は早口なので理解できなかったが、最後の呟きのみゆっくりだった為、彼女が何の言語を使っていたのかが判明した。
(まさか…。いや、そんな馬鹿な…。)
しかし、そう理解すると彼女がこれほど消耗しているのかが説明出来る。
(それが何を意味するのか、知ってるんだろうな…。リディア!)
大気がびりびりと震える。
黒魔法において最高位の魔法が発動した。
爆音を立て、火の塊と化した無数の隕石は、寸分違わず目玉の頭上に落下する。
ゲェェェッ・・・
爆音の中で微かに、目玉の叫びが聞こえた。
エッジは咄嗟にマントを広げ、リディアを庇った。
一瞬にして、灼熱地獄の如き熱風が辺りを襲う。
ローザが、隕石落下の直前に補助魔法をかけていたため直接影響は無いものの…。
防御していてもその熱風と、爆音は凄まじい。
皮膚が熱で乾燥し、ひりひりする。
徐々に大気を震わせていた音が止んでいく。
洞窟の天井に覗かれた星空が歪み、岩石の天井の姿へと元に戻る。
絶えられない程の熱風と音が消えた時、目玉は跡形も無く消失していた。
「勝ったのか?」カインがセシルに問い掛ける。
死の宣告が解除された事を確認し、セシルが頷いた。
「良かった…。一事はどうなるかと思ったわ…。」
ローザは胸を撫で下ろし、エッジに抱き締められているリディアに目をやった。
リディアは、エッジに渡されたエリクサーを飲んでいる所である。
全て飲み終えると、リディアは支えられていた体を起こした。
「ごめんね。支えていてくれてたんだね。ありがと。」
立ち上がり座っているエッジの顔を見た時、その瞳が冷たく光っている事に気が付く。
「エッジ?」(…もしかしなくても、怒ってる?)
頭を掻くとエッジは無言で立ち上がり、リディアを見た。
「私、何かした?」いつもの怒っている様子とはまた別の…そう、それは。
(初めて会った時の、目だ・・・)
『お前こそ何をした。』
「!」リディアの翠の瞳が大きく開かれた。
エッジの言った言葉で気が付いた。彼が何故、これほど怒っているのかその理由が。
『この言語を魔法と言う形で使用した場合、どうなるか知ってやったのか?』
「・・・。」リディアはエッジから目をそらす。
それがエッジの問いに、答えたも同然だとも知らずに。
「そうか。知っていてやったんだな。」
呟いたエッジの言葉にはっとし、リディアが振り返ろうとした時辺りに乾いた音が響いた。
(え・・・。)
かあっと、頬が熱くなる。じんじんと痛みが広がる。
叩かれ熱を帯びてきた自分の頬を手で押さえた。
リディアは、自分が何をされたのか理解出来なかった。
彼が、自分に対しそんな事をするとは思ってもいなかったから。
ローザは、エッジがリディアを叩いた事に目を丸くしている。
何をリディアが仕出かしたのか分からないが、女性に手を上げると言う事に対してローザは反対である。
「エッジ!何して・・・」
刃のように鋭い目で睨み返したエッジに、思わずローザは口篭った。
殴られたのだとリディアはやっと理解する。
「何で・・・何で打つのよ・・・。」
猛然と抗議する。エッジを睨みつける潤んだ瞳から、涙がこぼれ落ちた。
「理由もわからねぇのか!この馬鹿がっ!!」
エッジの剣幕に、びくんとリディアが竦み上がる。
「な、何よぉ馬鹿って。エッジに、この事は関係無いでしょう!!」
(これは、私にだけ影響がある事なんだから・・・!!)
殴られる理由がないとリディアは言い切った。
「・・・っ。」エッジは唇を噛み締めた。その言葉だけは聞きたくなかったのに・・・。
(お前にとって、俺は関係無いのか・・・?必要とされてないのか?)
「ああ!関係無かったな!お前なんか、もう知らねぇ!好きにしろ!」
「好きにするわよ!エッジなんて大嫌い!!」
もう、『売り言葉に買い言葉』状態である。
「お前なんて大嫌いだ!!」
そう言い切って、エッジはリディアに背を向けた。
「どうしたの?」心配そうにローザがエッジに聞く。
「しっらねぇよ。関係無いんだとさ。」
自嘲気味にエッジは笑った。
セシルとカインは顔を見合わせる。
(どうして、打たれなきゃいけないの・・・。悪い事何もしてないじゃない。)
リディアは必死に唇を噛み締め、涙を堪えた。
でも、とめどなく溢れてこぼれ出す。
(エッジの馬鹿・・・。大嫌い・・・。)
「ひいっっ・・・くッ。」ぼろぼろ涙が頬をつたう。
嗚咽し、苦しくなってきたためリディアはうずくまる。
いつもはエッジが介抱してくれる・・・その事が脳裏をよぎった。
(大嫌い・・・。)
リディアは心臓が締め付けられるかのように痛むのを感じた。
胸の痛みは、打たれた頬よりも痛い。
そして、その胸の痛みの理由はまだ彼女には分からなかった。
あにめたん、イイ!!
629 :
あにめ:02/12/19 00:23 ID:WJPHk0ot
「嫌いにならないで」これにて終了です。
両想いなのにそれに気がつかない二人の切ない感じが出したいんだけど・・・。
難しい。( ̄_ ̄)
次回「I miss you」エッジが怒った理由がわかります。
また長くなるかも・・・お付き合いくださいませ。m(__)m
のぉぉぉ!!ここで終了ですか!
つづきが気になりまふ・・・
あにめタン、気長に待つので急いで仕上げて下さい!!(エ?)
631 :
ハマチ:02/12/19 00:59 ID:usR7jMHM
ぬおおおお!あにめタンさいこおおおおお!!
イイ!イイ!すごくイイ!
本気で怒って怒鳴り付ける若といい、
若の仕打ちに大ショックを受けるレディアといい、もう上手すぎ!
続きが楽しみでつ!
ああ、私も早く宿題終わらせなきゃ!!
小説ご無沙汰でした。
でも、エッジサイドの割にエッジが活躍してません。
最近のスランプはエッジの呪いでしょうか・・・
633 :
麒麟:02/12/19 02:26 ID:Gm3Gn1Wg
一方、部屋の中に残されたエッジは、自分の体を奪おうとする力に抵抗しきれず
麒麟を斬ったことを、壁一枚向こうにいるような心地で認識していた。
そして、必死の思いで刀を放り出すと、そこで一瞬油断が生じたのか、
今度こそ体の自由が利かなくなってしまった。
…だが、不思議なことに、結界の向こうで血を流して倒れる女を見てから、
体内の麒麟の方も興奮に代わって錯乱状態になったようだった。
…だが、相当ショックだったのか、パニックのあまり動けなくなったようだ。
(今なら動けるか…?)
残された意識で、体の自由を取り戻そうとすると、何かが不意に
頭の中をよぎったような気がして、目の前が真っ暗になった
(やべ…今度こそ駄目か…?)
そう思ったとき、再び視界が戻った。
(…やれやれ…)
ため息をついて顔を上げると…今まで見ていた光景とは全く違うものが、そこにはあった
(…っておい、この状況で夢でも見てんのか俺?!)
季節は麗らかな春の日らしい。自分のいた世界は夏だったが…。
そして、石塀の下で、今の刀よりももっと作りの粗く、大きな刀を振るう男がいる。
少年の面影を残しているところを見ると、年は15,6といったところか…。
声を掛けようとしたが、発する声は届かないようで、手を伸ばしても
触れるものに現実感がない。ああ、夢なんだな。そう思うと妙に納得できて、
しばし男を眺める。
「若君、そこにおられましたか」
人の声がして、そちらに視線を向けると、侍従とおぼしき初老の男が立っていた。
「ああ…本を読むには心地よすぎる天気なので、こうして刀を振ることにしたんだ」
鼻筋の通った凛々しい顔立ちであった。瞳と髪の色は、
エッジよりも濃いブルーグレーで、長い髪は後ろで高く纏められていた。
髪と目の色から推察するに、どうも古代エブラーナのようであった。
634 :
麒麟:02/12/19 02:33 ID:Gm3Gn1Wg
「最近の若君は本を読まなくなったと公がお嘆きですぞ。憂いごとがあるのは皆同じ事。
もう少し世を知る努力をして下さいまし」
「わかっているよ。でも……これ以上世を知って何が変わるんだ?…少なくとも、
姉上ひとりの犠牲の上に生いきるのだと知っても…」
「しかし、そうしなければ最早生き延びる術はないのです…代々の君主はそうして、
民と土地を守っていらっしゃったではありませんか」
「だが父の代になって諸国の勢力争いが激化して、そのあおりを受けて守っていた
土地まで失っていっているじゃないか。今更政略結婚なんて言ったって、
どう考えれば和平協定につながるんだ……」
「私の心配ならしなくて結構よ」
振り向くと、いつの間にかそこに女性が立っていた。若者より若干大人びた風貌であるが、
まだ娘の面影もやはりある。面差しが似ているので、2人は姉弟なのだろう。
髪や目の色も、弟と同じブルーグレーだった。
娘の方、意識を失う前に見た、麒麟の片割れによく似ている…。
「姉上…」
もどかしそうに自分の姉に向き直る
「あなたも知っているように、私は昔から体が弱かった…。何の力もなく、
時代に飲まれるのがたまらなく辛かった。私に出来る事なんて、こんな事だけれど…。
それでも、何もできないよりはいいと思うの。…それに、もしかしたら
色々言うことを聞いてくれるようになるかもしれないわ」
いたずらっぽく笑う姉に、弟は眉間にしわを寄せたまま、何も言い返せない。
「私の幸せを願ってくれるのは嬉しいわ。でも、私1人のわがままで
たくさんの人を不幸には出来ない。…領主の娘としての運命だものね」
「でも…でも姉上には、きっと他に生き方もあったはず…」
「そうね…でも…あなたが理想とする世を導くために…あなたは何が出来るの?」
635 :
麒麟:02/12/19 02:52 ID:Gm3Gn1Wg
(厳しい姉ちゃんだなぁ…こりゃあ)
時は乱世だろうか。自分に降りかかった運命に向き合うことを決めた
彼女の決意は固い。ただ、ほんの少しだけ、瞳に悲しみの色を湛えてはいたが…。
「……でも…間違ってる。女は全ての不幸を背負って生きるだなんて…」
乱暴に刀を鞘に収めると、早足で館に戻っていってしまう。それを、
申し訳ないような、悲しいような表情で、姉は見つめるのだった。
おそらく、弟は弟なりの、理想とすべき世の姿を持っているのだろう。
しかし…現実を直視していないようにも見える。姉にはそれが心配なのだろう。
…お互いに、お互いの気持ちは分かっているのかもしれない。
でも…それでも納得できない思いが、そこにはあるようだった。
…そこまで思い至ると、ふと視界が暗くなるのに気がついた。
(また落ちるか…)
案の定、再び闇の中に漂うような気分に陥る。
(…そういや…古代エブラーナといや…)
ゆらゆらと闇に揺られながら、エッジはふと昔習ったエブラーナ島史を思い出していた。
636 :
麒麟:02/12/19 02:54 ID:Gm3Gn1Wg
かつて、今のジェラルダイン朝に統一される遙か昔、いわゆる分裂王朝時代があった。
いや、個々の両主はそれぞれ王とは自称せず、公と称するのが通例であったから、
その言い方は正しくないのかもしれないが。
ともかく、この時代はエブラーナ島に様々な国が乱立し、君主が自領を獲得すべく抗争を繰り返していた。
その中にあって、バブイルの塔を囲むようにしてそびえる山岳地帯を統べる一族があった。
どこの国にも味方することのない変わりに、代々娘を差し出して自治を守ってきた。
どんなに強大な国家が立ち上がろうとも、その立場を崩すことは決してしなかった。
ただ、その頃は、山岳地帯を支配するメリットを考えつくものはいなかったようで、
どの国家も娘を迎えると、それ以上の干渉はしなかった。
…しかし。次第に山岳地帯を領土欲のみで欲するものだけでなく、
地理的な条件に目を付けて来るものが出てくる。それでも、何とか守ってきた土地だったが、
最後の領主のとき、抗争が一気に激化した。戦う術があまりなかった自治領は、
有無を言わさぬ暴挙に抗うことは叶わず、次第にその領地を失っていった。
そして、ある年、ついに領主の住む地域にまで周辺国家の手は伸び、
あえなく居城は陥落してしまったのである……。
(まさか…)
この歴史の通りであるならば、あと何年後かはわからないが、
2人は落城の憂き目に遭うのではないか……
しもた、変なところで切っちゃったよ。
いいや・・・またのお楽しみって事で・・・。
最近萌え萌え小説が多い中、ひとりで雰囲気暗いですが、
まぁ・・・大目に見てやって下さい・・・(泣
ところで、エブラーナ島史をみて、どっかの歴史っぽいとか思った方、
いらっしゃいましたら、どうか殴るときは抱き枕のような素材のものでお願いします。
638 :
MAMO:02/12/19 12:51 ID:7/bNPkbT
>あにめさん
ああ!もう、良すぎですよ〜!!
怒った若も素敵!!ってか、リディアの体は平気なんですかぁ!!!?
そして、すれ違いLOVE!!んも〜!
「I miss you」めちゃめちゃ、楽しみですよ!!
>アンチゴッキー456 さん
「麒麟」の続編待ちにまってました!!
エブラーナ島史が出てくるなんて、奥が深い!
続き楽しみです(^^)
自分のSSショボくて申し訳ないですが、
もうちょっとお付き合いくださいませ〜。ははっ・・・
リディアはマスクを外した素顔のエッジにそんな顔で見つめられ、
耐えられなくなって、真っ赤に染まった顔を手で覆い顔を反らした。
「わ、私、幻界に帰るから!帰るって約束したんだから!」
彼の次のセリフが怖くて、思わず叫んでぎゅっと目を瞑った。
「…そう言うと思ったよ。」
しばらくの沈黙の後、ポンと頭を撫でられる。
「えっ…?」
リディアは意外な言葉に驚いてエッジを見上げた。
そんなリディアの様子にエッジは困った様に笑う。
「ホントは、このままお前をエブラーナに連れて帰りたいけど…
国の方がメチャクチャになっちまったからな。
まずは国の再建しなきゃなんねーし。
…お前も、困るだろうしな。」
「…エッジ…、私、ごめんなさい…。」
「いいよ、謝るなよ。」
リディアの大きな瞳から涙が溢れて頬を伝う。
「エッジが、いつも…私の事守ってくれてるの、わかってたの…。
すごくね…、うれしかったの。でも…私、どうしていいかわからなくて…。」
泣きながら、一生懸命自分の気持ちを言葉にする。
エッジは優しくリディアの頭を撫でながら、彼女の言葉を聞いてやる。
「わかってたよ、オレの方こそごめんな…。
お前を困らせる事わかってたのに。」
「…ううん、違うの。私が悪いの…。私、エッジの言う通りガキなんだわ…。」
「そうだな…。」
エッジに肯定されて、リディアは一瞬ムッと彼を睨んだがまたすぐに顔を伏せる。
「だからさぁ、幻界に帰ったら、少しは考えておいてくれよ。
幻界は時間の流れがこっちの世界より速いんだろ?
それなら、時間はたっぷりあるだろうから。」
「…うん。」
「そんでもって、とびっきりいい女になれよ。オレにガキだなんて言われない様に。」
「…うん。」
「オレもがんばって国を建て直すから。そしたらその時は…。」
「その時は…?」
リディアは小首を傾げてエッジを見上げる。
「幻界へ、お前をさらいに行くよ。」
「…!!」
リディアはエッジのセリフに驚いて大きな瞳を更に大きく見開いた。
「覚悟しとけよ〜。」
と、エッジはいつもの様におちゃらけて、からかうようにリディアの額を突っついた。
そんな彼の仕草にリディアにも笑みがこぼれる。
「さらうって…、リヴァイアサンから、私を『ぬすむ』の?」
「そうそう。」
「ん〜、でもすぐに『おおつなみ』で流されちゃいそうね。」
リディアはくすくす笑いながら、少し意地悪い顔をしてみせる。
「あ〜、それはキツいわなぁ…。」
「エッジ、もうちょっと修行しないとね〜。私は手に入らないわよ。」
「にゃろう、言ってくれるぜ。」
エッジはそう言って、リディアの首に自分の腕を巻きつけて、軽く絞める。
「きゃ〜、助けて!。」
このところ神の方々が光臨しっぱなしでうれしや〜(´∀`)
MAMOタン
リディアの首絞めてる若、接近戦で萌え〜
エチが無くとも萌え所満載ですな。
ステキ。>SS職人の皆さん
>MAMOタソ
「幻界へ、お前をさらいに行くよ」
も、も、萌えーーーーーー!!
さ、さ、さ、さらってくれーーーーーーー!!
再び萌え死にした奴が、ここにひとり…
ええなぁええなぁ。
しかし、リディアタンと若に萌えるスレではあるが
生死を共にした仲間に「関係ないでしょ」といわれたら傷つくよなぁ。
エッジでなくても。
リディアタンは背負い込みすぎだな。うん・・・
>リディアの首絞めてる若、接近戦で萌え〜
一瞬、若のワキの匂いが気になりました。・・・小説うpして逝ってこよう
646 :
麒麟:02/12/20 03:22 ID:NkOXpHsM
そこまで思考が進んだとき、ふと、哀しい微笑みが脳裏をよぎる。
(そうか…その通りだったんだな)
心の何処かに感じる吸い込まれそうな悲しみの持ち主の笑みだろうか…。
(おめーは…俺に何を見せようとしてるんだ…?)
しかし、それに対する答えはなく、エッジは再び意識が深みに沈んでいくのをまるで
他人事のように感じただけであった……。
「…あ…」
「どうしたの?」
「…そうですか…」
ふっとため息をついてリディアを見上げた。
「…今、意識の一部が同調しました。…人間だった頃の夢を見ているようです」
「夢…」
「…哀しい運命を迎える前のことを…。自分ひとりで抱えてきた悲しみは、
時が流れれば流れるほどどうしようもないものになっていったのでしょうか…」
人に自分の夢を見せることはしたことはなかったのに…そう言って、またため息をついた。
「…私には、もう何もできないというのですか…?…もう、…耐えられないと……?」
ふと気がつくと、透けているように見えた手が、透明度を増したように見える。
(…まさか……)
この幻獣は、放っておけば滅びてしまうのではないか…。
647 :
麒麟:02/12/20 03:26 ID:NkOXpHsM
「ねぇやっぱり、見に行ってくる」
自分に出来ることは、まだ判然としないけれど…それでも、目の前で命の灯を
細めていっているのを、黙って見過ごすことは出来ない。
それに…もしかしたら、巻き添えを食ってエッジまで……。
(ううん!そうなる前に)
思いっきり首を横に振ると、仕方ないという表情のアスラに笑顔で答え、結界に向かう。
ふと、麒麟を振り返ると、悲しげだが、とても閑かな表情で頷いた。それに対し小さく笑って、部屋に入っていった。
ズン…と重いものを感じる。麒麟の緊迫した意志の名残だろうか。しかし、
リディアが侵入することを完全に拒んだ訳ではないらしい。
…さて、とリディアは部屋の中を見渡す。エッジは、部屋の隅にうずくまるようにして
倒れていた。足元に、乾いた血に覆われた小太刀が落ちている。
「…エッジ…エッジ…?」
エッジの腕に手を載せて揺すってみる。だが意識は戻らず、再び揺すろうとしたところで、
エッジの口から声が漏れた。
『……なければ…………もっと……った……』
「え…?」
明らかにエッジとは違う男の声で、エッジはうわごとを言っていた。
『…のに……もっと……』
「エッジ……」
揺すっても名を呼んでも意識が戻る気配はないようだ。
仕方なく、そのまま様子を窺っていると、うわごとがおさまり、それから間もなく、
うっすらと目を開けた。
648 :
麒麟:02/12/20 03:30 ID:NkOXpHsM
「エッジ…!」
「………リディアか………」
「…よかった、意識はあるのね」
「ああ…迷惑かけちまったらしいな…」
むっくりと起きあがると、リディアを向き直る。
「おめー、俺に何かされなかったか?」
「ううん。大丈夫よ。」
「あっちの片割れは…」
「ケアルダをかけてもらったわ。それよりエッジの方が…」
「それなんだがな…」
そう言って姿勢を正すと、自分が意識の底で見てきた光景をリディアに語った。
麒麟の言う、『哀しい運命を迎える前』の事だと理解できたが、何故そんなものを見せたのかまではわからなかった。
「どうしてかしらね…」
「あんまし深読みしないで考えれば…、ただ、思い出しただけかもしれねーし…けど…」
あの泣き笑いのような心の表情が気になる。ただ思い出しただけなら、あんな表情で自分に答えるだろうか…。
そう考えたとき、不意に眠気が襲ってくる。
649 :
麒麟:02/12/20 03:32 ID:NkOXpHsM
「……リディア…もう一度、麒麟に意識を預けてみようと思うんだけど…」
「……何を…するの…?」
「もう一度、心の景色を見せて貰えないかと思ってな。…はっきり言って、
今まで見た景色だけじゃ中途半端で何が言いたいのかさっぱりだからな…」
「…エッジ…あれ……?」
背後の壁にもたれかかってぐったりしてきたエッジに驚いて側に寄ると、
重い手を上げてリディアを制して言った。
「…また…何か見せたいみてーなんだ…けど…何かあったら、遠慮はするなよ……」
そこまで言うと、リディアに触れていた手がぱたりと床に落ち、エッジの頭ががくりと前に垂れた。
「………エッジ………」
ああ、弟の方の麒麟よ…もし私の言葉がわかるなら…どうか、私の大切な人を無事に帰してください…
眠るエッジの傍らで、リディアは固く手を組んで祈るのだった。
あふう・・・
これ加筆修正が必要だな・・・
設定は書きながらまとめ上げてるけど・・・
最終的に矛盾を作らないようにするのがこんなに大変だとは。
・・・Wordも20余枚に達し・・・
でもなんとか終わらせるからね・・・。
・・・クリスマス祭りも何か自信なくなってきた・・・ヘタレだよあれは・゚・(ノД`)・゚・
651 :
MAMO:02/12/20 12:37 ID:lySBfFD3
昨日は変な所で、SS切れちゃって申し訳ないです。
そして、みなさんたくさんのご感想ありがとうございます!!
続き、うpしまーす。
(ああ…、こんな風にじゃれあう事も、しばらくできないんだなぁ。)
反抗しながらも、そんな考えがリディアの頭の中をよぎった。
自分とは全く違う、鍛え上げられた逞しい腕。
何時の間にか、心地よく感じる様になったエッジの腕の中。
(あったかい…)
リディアは無意識の内にエッジに寄りかかっていた。
エッジはそれに答えるように、リディアを抱きしめてやる。
窓の外の宇宙を見ても、もう怖くはなかった____。
「…ぷっ。」
しばらく無言でリディアを抱きしめていたエッジは、ふとリディアの様子を見て
思わず吹いてしまった。
「ったく、のんきに寝てんじゃねーぞ、こいつは。」
何時の間にか、リディアはエッジの腕の中で、規則正しい寝息を立てて、眠っていたのだ。
(そんなに、安心されても困るんだけどな…。)
「早く、大人になれよ…。」
エッジは軽くため息をついて、そっと本当に軽く、彼女の額に自分の唇を押し付けた。
そして、唇に人差し指を置いて一人呟いたのであった。
「マスク付けてると、キスできねーからな。」
__END__
653 :
MAMO:02/12/20 12:46 ID:lySBfFD3
以上で、終りでーす(短)
若が、リディアをかっさらいに行く話も、
いつか(笑)書きたいと思っております。
でわ、今日はこの辺で・・・