FF官能小説スレ Part5

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132紫紺の誘惑
食事を済ませ、リュックを連れて自室に戻る。
ノブに手を掛けると、はらりと小さな紙切れが足元に落ちた。
(・・・・・・・?)
どうやら伝言の様だ。
内容を確認し、俺は頭が痛くなった。
リュックは俺から奪い取ったサングラスで遊んでいる。
気付かれていない事が幸いだった。
「中で待っていろ。」
「どしたの?どっか行くの??」
大きな瞳が、下から俺を不思議そうに覗き込む。
「・・・・・すぐに戻る。」
そう言って俺はリュックを部屋に押し込んだ。

カタをつけたつもりだったのだが。
いや・・・そのつもりでいたのは俺だけか?
ハッキリさせねばならん。
あいつが納得するまで、俺は何度でも言うつもりだった。
そうして俺は、差出人の部屋の扉を叩いた。

「・・・・・・・・アーロンさん。」

どんな思い詰めた表情で出迎えるかと身構えていたが、
普通に、穏やかな気負いの無い笑顔が返って来た。
「すみません・・・お呼び立てして。」
「・・・・話とは何だ。」
「あ・・・とにかく中へどうぞ。」
「その必要は無い。ここで済ませろ。」
冷たく言い放つ。が。
「お時間は取らせませんから・・・。さ、どうぞ。」
半ば強引にアーロンの手を引っ張り、部屋へと招き入れる。
抵抗する事も出来たのだが、それでルールーの気が済むのなら。
アーロンは諦めて、言われるがまま奥に進んだ。
133紫紺の誘惑:02/08/21 01:35 ID:???
「何かお飲みになります!?」
こちらの機嫌の悪さを他所に、ルールーは嬉しそうだ。
「いや、いい。それより用件を・・・」
「この間の事は」
アーロンの台詞に被せる。
「・・・・申し訳無かったと思っています・・・・。」
「・・・・・・・・その話はもういい。」
眉を寄せ、視線を逸らす。
「いいえ。」
ルールーは酒の注がれたグラスを目の前に差し出した。
「お詫びがしたいんです・・。このままじゃ心苦しくて・・・」
「・・・・・・・・・・・。」
「嫌われる事だけは・・・したくなかった・・・・・。」

この娘も、先日の件で相当自分を責めたに違いない。
今日はうって変わってしおらしい姿を見せている。
一見強そうには見えるが、本当は危うげでこんなにも弱い女。
だが、それが本来の彼女の姿だという事も、アーロンは知っていた。
「分かっている。」
アーロンは出された酒を、グイッと煽った。
「私・・・・・駄目な女ね。」
ふふ、と目を伏せ笑うルールー。
「そんな事はない。いつか・・・・」
「え・・・?」
「いつかお前だけを愛する男が現れる。」
空にしたグラスを手にしたまま、微笑み掛けた。
「ええ・・・・そう、ですね・・・いつか・・・・・。」

「・・・俺は、帰ってもいいな?」
椅子に手を掛けた。 瞬間。

ゆらり、と視界が歪んだ。