今更!! ギガスラッシュを偲ぶスレ

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181眠 ◆7J..NEMU:02/07/18 22:20 ID:???

(…?)
汗で曇った視界に、金髪の女が駆けてくるのが見えた。
見覚えのある女。幻かとは思ったが、この状態では目をこすることもできない。
「マッシュ!」
自分の名前を知っている。
…やはり、間違いない!
「セリス!いいところに…!」
マッシュが途切れ途切れに事情を説明すると、セリスは力強く頷いて屋敷に
駆け込んだ。
彼女なら大丈夫だ。
きっとあの子を助け出せる。
だから俺は全力でこの家を支えていればいい。
あとは仲間を信じて、再会を喜べる時間を待とう。

きっと他のみんなも生きてこの世界のどこかにいる。
俺はずっと信じている。
182眠 ◆7J..NEMU:02/07/18 22:20 ID:???
しかし自分一人でできる事は限りなく少ない。
どんなに己に自信はあろうとも思い上がることほど愚かなことは無いのだ。
とにかく今は自分ができる最良の事を。
そう思った時から、マッシュはずっと仲間達のことを探していたのだった。
この世界に一つでも多くの笑顔を取り戻すために。

「ツェンまであとちょっと、か」
かつて帝国の支配下であったその街が次の目的地である。
もっとも、崩壊した世界にはもう帝国も反帝国もない。
ツェンがだめならその後は…
………
……

「あー!やめやめっ!」
考えるのは苦手だ。
今はとにかくツェンを目指す。
「きっと何かの手がかりがある!よしっ」
叫んで、マッシュは早足で歩き出した。
モンスターは出るが彼にとっては苦戦するような相手ではない。
しかし鮮やかな緑を失った大地が、荒野をより広く感じさせた。
183勇者合同支援<呪文5>:02/07/18 22:48 ID:???
アストロン/LV21頃/MP2/仲間全員/戦闘中/鉄となって全てのダメージをはね返すが、行動不能に
実はアストロンといって、真っ先に思い出すのは「ダイの大冒険」だったりするのですが、
それはおいといて。
どんな攻撃もはね返す、というのは便利ですが、その間行動不能になっちゃうので、
これまたあまり使えなかった呪文です。鉄の塊になっちゃうわけですから、何も
てきないというのは理屈ではわかるんですが……。
ところで、この呪文、戦闘終了後には解除されるわけですが、万が一、何かの間違いで
解除されなかったりしたら怖いですよね。意識はあるのにいつまでも鉄のまま……。
そう考えると、もしかしたらDQ5のイベントで登場する石化呪文と系統は近い呪文
なのかもしれません。

ベホマズン/LV32頃(PS版)・LV36頃(FC版)/MP20(PS版)・MP36(FC版)/仲間全員/戦闘中/仲間全員を全回復
ボス戦などで、パーティが大ピンチに陥ったときの、最後の手段として
よく使ってました。
消費MPが大きいので何度も使うことはできないけれど、でも、いかにも
起死回生の手段という感じで、好きな呪文のひとつです。

モシャス/LV30/MP5/自分/戦闘中/味方の誰かに変身できる。FC版のみの呪文
味方の誰かに変身できる呪文です。でも、勇者は打撃も強く呪文も唱えられる、
言葉は悪いですが便利な存在。戦闘で、彼が別の誰かに変身しなければならない
ような局面は、あまりないような気がします。
そのせいか、PS版ではこの呪文は削られてしまいました。
でも、5章のオープニングで、シンシアがこの呪文を唱えて、勇者の身代わりと
なるので、ご存じの方も多いでしょう。
また、この呪文は魔物も唱えることができます。マネマネなどがその代表格。
レベルの上がったパーティをモシャスされると、むちゃちゃ腹立ちます(w
184勇者合同支援<呪文>:02/07/18 22:49 ID:???
アストロン/LV21頃/MP2/仲間全員/戦闘中/鉄となって全てのダメージをはね返すが、行動不能に
実はアストロンといって、真っ先に思い出すのは「ダイの大冒険」だったりするのですが、
それはおいといて。
どんな攻撃もはね返す、というのは便利ですが、その間行動不能になっちゃうので、
これまたあまり使えなかった呪文です。鉄の塊になっちゃうわけですから、何も
てきないというのは理屈ではわかるんですが……。
ところで、この呪文、戦闘終了後には解除されるわけですが、万が一、何かの間違いで
解除されなかったりしたら怖いですよね。意識はあるのにいつまでも鉄のまま……。
そう考えると、もしかしたらDQ5のイベントで登場する石化呪文と系統は近い呪文
なのかもしれません。

ベホマズン/LV32頃(PS版)・LV36頃(FC版)/MP20(PS版)・MP36(FC版)/仲間全員/戦闘中/仲間全員を全回復
ボス戦などで、パーティが大ピンチに陥ったときの、最後の手段として
よく使ってました。
消費MPが大きいので何度も使うことはできないけれど、でも、いかにも
起死回生の手段という感じで、好きな呪文のひとつです。

モシャス/LV30/MP5/自分/戦闘中/味方の誰かに変身できる。FC版のみの呪文
味方の誰かに変身できる呪文です。でも、勇者は打撃も強く呪文も唱えられる、
言葉は悪いですが便利な存在。戦闘で、彼が別の誰かに変身しなければならない
ような局面は、あまりないような気がします。
そのせいか、PS版ではこの呪文は削られてしまいました。
でも、5章のオープニングで、シンシアがこの呪文を唱えて、勇者の身代わりと
なるので、ご存じの方も多いでしょう。
また、この呪文は魔物も唱えることができます。マネマネなどがその代表格。
レベルの上がったパーティをモシャスされると、むちゃちゃ腹立ちます(w
185勇者合同支援<呪文>:02/07/18 22:50 ID:???
二重書き込みになってしまいました。すまみせん!
186勇者合同支援<呪文>:02/07/18 22:51 ID:???
<勇者呪文語り>
呪文の偏向によってキャラクター特性を打ち出している(と、私が勝手に
考えている)DQ4ではあるが、勇者はこの例には当てはまらない。
逆に彼は回復、攻撃、移動、補助とバランスよく呪文を与えられ、基本的に
1人でも戦えるように設定されているように思われる。

勇者だけしか使えない呪文も多い。特に、ライデインなどのいわゆる「デイン系」
と呼ばれるいかずちの呪文は、シリーズを通して勇者のみが唱えられる攻撃呪文で、
勇者の呪文と聞いてデイン系を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。
また、勇者特有の呪文というのは、基本的に敵キャラクターは使えないようだ。
(敵が使うのは、FC版のモシャスぐらいだろうか?)

これらのことは、私に「特別な存在」としての勇者を強く感じさせる。
レベル1で覚えているのが、ニフラムという他の人には唱えられない呪文だけ、
というのも暗示的である。
天空シリーズでは、天空の血を引いている人間が勇者となる。それゆえに、
人には扱えないような呪文も、操れるのかもしれない。
187父の姿(1/3):02/07/19 02:07 ID:???
お父さんは、あっという間に二匹の魔物を倒したんだ。
ホントに、びっくりするくらいあっという間で、
ぼくはその前にゲマってヤツにやられたせいで体中が痛くて痛くて、動けなかったけど、
お父さんはすごく強くて、ぼくだったら絶対に勝てなさそうなヤツらに簡単に勝ったんだ。


なのに・・・なのに・・・
「ほっほっほっほっ。みごとな戦いぶりですね。でもこうすると・・・どうでしょう?」
ゲマはそう言って、ぼくの首に大きな鎌をつきつけてきた。
「ぬうっ・・・!き、きさま・・・・・・」
「この子供の命がおしくなければ、ぞんぶんに戦いなさい。
 ですがこの子供の魂は、永遠に地獄をさまようことになるでしょう。
 ほっほっほっほっ。?」
「ひ、卑怯なっ!」
お父さんはゲマを睨みつけたけど、ゲマは気持ち悪く笑って、手下に言ったんだ。
「さぁ、ジャミ、ゴンズ、やっておしまいなさい!」
さっきお父さんにやられたはずの二匹は、起き上がるとお父さんに襲いかかった。
お父さんは、ただじっとそこに立ったまま、そいつらの攻撃を受け続けてた。
ぼくが・・・ぼくが動ければ、この鎌から逃げられるのに・・・
そうしたら、お父さんは戦えるのに・・・
くそっ!くそっ!動いてよ、ぼくの腕!動いてよ、ぼくの足!!
このままじゃ、お父さんが死んじゃう・・・死んじゃうよ・・・
あんなに、あんなにたくさん血が流れたら、死んじゃうよ!
188父の姿(2/3):02/07/19 02:08 ID:???
「お父さん・・・た・・たかって・・・」
やっとの思いで出した声は、自分でも聞こえないくらい小さかったのに、
お父さんはぼくの方を見て、笑ってくれた。
でも、次の瞬間、
「何が、おかしいんだよ!ガキを人質に取られて、何もできやしないくせになァ!!!」
お父さんを嘲るみたいなその声と一緒に、お父さんの上に剣が振り下ろされた。


カラン・・・・・・
剣がお父さんの手から落ちて、床に転がり、お父さんは倒れた。
「く・・・これまでか・・・・・・」
やだよ!そんなこと言わないで、お父さん!!
そう言いたいのに、声が出ない。
お父さんの、悔しそうに歯を食いしばった顔が滲んで見えた。
泣いちゃだめだ!
そう思うのに、涙が後から後から流れてきて、ぼくはそれを止められなかった。

お父さんがなにか言ってる。
「息子よ・・・気がついているかっ!?はあはあっ・・・
お前の母さんは、まだ何処かで生きているはず・・・・・・わしにかわって・・・」
なに?何言ってるの・・・?お父さん・・・
お父さんはまだなにか言おうとしたけど、
そのあとの言葉はゲマの笑い声に消されて、ぼくには聞こえなかった。
「ほっほっほっほっ。子を思う親の気持ちはいつみてもいいものですね。
 しかし心配はいりません。お前の息子は わが教祖さまのどれいとして
 一生幸せにくらすことでしょう。ほっほっほっほっ。」
ゲマは血だらけのお父さんの方へと寄って行った。
189父の姿(3/3):02/07/19 02:08 ID:???
やめて・・・やめろよ・・・・・・やめろってば・・・くそっ!
「や、やめろ・・・」
ぼくは力を振り絞ったけど、そう言うのが精一杯で、体は相変わらず、少しも動いてくれなかった。
「楽にしてあげましょう」
やめろぉっ!!!

ぼくは心の中では力の限り叫んだけど、そんなのはなんの役にも立たなくて、
お父さんはぼくの目の前でゲマが放った炎に焼き尽くされた。
今まで、お父さんが居たところには何もなくなっていて、その床が黒く焼け焦げてるだけだった。
お父さんがぼくの目の前から消えた。
ぼくがなんにもできなかったせいで、殺された・・・
なんで・・・・・・なんで、ぼくは何も出来なかったんだろう・・・?
お父さんはいつだってぼくを守ってくれていたのに、ぼくはお父さんを守れなかった・・・

お父さん・・・お父さん・・・・・・
遠くでゲマがゴールドオーブを砕く音が聞こえたけど、でも、
ぼくはもう、それ以上何も考えられなくて、そのままヘンリーと一緒にどこかへつれて行かれた。
190DQ7入場(2/6):02/07/19 23:40 ID:???
すでにキーファとカシムがソファーに座っていた。
「よう、アルス。久しぶりだなあ。元気にしてたか?」
ソファーに身体を投げ出し気味にしてくつろいでいたキーファが、脳天気な声を出す。
途端にアルスは頭が沸騰しそうになり、思わず大声を出していた。
「元気にしてたか、じゃないよっっ。キーファに会えなくなって王様やリーサ姫がどんなに
嘆かれたかわかってんのかっっっっ!」
「おいおい、久しぶりの再会でいきなり怒るなよ〜」
立ち上がってそばに行き、ぽんぽんと肩を叩く。
キーファのそんな仕種が余裕に満ちている事にも腹がたつ。
「キーファはいつだってそうやって僕をごまかそうとするんだっっ」
「ごまかしてなんていないさ〜。久しぶりに会ったのに急に怒るから……」
「きょ、今日だって、バーンズ王がどんなにここに来たいと言っておられたかっ」
「げっっ、親父に直接会うのは勘弁してくれ」
「なんでだよ、王の気持ちがわからないわけじゃないだろっっ」
「わかるから、だよ………自分のした事がどれだけ親不孝だったか、わかってるさ。
だから尚更……会わせる顔がない、ってやつさ」
「本当に王に悪かったと思ってるのか?」
「悪かった、というとちょっと違うんだが……。説明不足だったというか、フォローが
足りなかったと反省はしてるさ」
…………共に旅していた頃よりも多少大人になったようなキーファの言葉に、
アルスは怒りをおさめる事にした。
「ああそうか。さっきは名前だけの自己紹介だったから、一体どんな人だったか
思い出せなかったんだが……こちらの色男は、女に惚れて国を捨てた王子サマだよな?」
カシムがのんびりと口を開いた。途端にキーファの顔が紅潮する。
「なっ……おいアルス! どういう説明してるんだよ、俺の事!?」
「いやいや、ただひとりと心に決めた女性を想って生きるのは、悪い事ではないさ。
私だって、あの人への思いがなければ、決闘場を生き抜く事は出来なかっただろう
(当時を思い出して、ひとり感慨にふけり始める……)」
「カシム、なんでぼ〜っとしてんだ? まだ足が短い事を気にしてるのか?」
「ぐっ………ガボ、その話はやめよう……」
皆の視線が下半身に集中するような気がして、カシムはソファに腰掛け直した。
191DQ7入場(3/6):02/07/19 23:41 ID:???
その時、再び扉が開いて、今度はメルビンがやってきた。
「おやおや、皆さんお揃いのようですな。遅れてしまってかたじけない」
「シャークアイのおっちゃんがまだだぞう。だけど、メルビンも元気そうだな〜。
神殿でいいもん食ってんのか?」
「ははは、ガボ殿は相変わらずでござるな。元気でござるよ」
ガボとメルビンを眺めつつ、キーファがそっとアルスに囁いた。
「この時代錯誤な話し方のご老人は一体?」
「老人とは、初対面からあんまりなお言葉ですな、キーファ殿。時代錯誤と呼ばれても
仕方ないでござるが。何しろ、数百年もの間、石にとじこめられておりましたからなあ」
はっはっはっと豪快に笑うメルビンに、キーファはアタマをかいた。メルビンは
意外と地獄耳らしい(註:こんな話はゲーム中に出て来ませんが)
「私の名前はメルビン。キーファ殿が暮らしておられる時代よりもずっと前に、
神に封印されてしまった情けない男でござるよ。神と共に魔王とを討つはずでござったのに。
ひとり戦っておられた神の姿は、今でも目に焼き付いているでござる……」
「でも、魔王を倒して神の仇を討ったんだろう? 今さらそんなに暗い顔をする事はないさ」
フッと笑みを浮かべるカシムに、メルビンも笑みを返した。
「そうでござるなあ。まあそれに、正確には仇ではなかったのでござるが。神は生きて
おられましたからなあ」
「そうだね。神には驚いたね‥‥あんなに鍛えたなら自分で対戦してくれても……」
何やらしみじみとし始めたアルスとメルビンに、キーファはガボの顔を覗き込んだ。
「神は無事復活したのか?」
「カミってどれだ? おいら一杯カミって言葉知ってるぞ?木こりのおっちゃんが字を教えて
くれるやつの事か?」
「………ごめん、悪かった。ガボに聞いた俺が悪かったよ」
困り顔のキーファを見て、アルスはちょっと笑った。
192DQ7入場(4/6):02/07/19 23:43 ID:???
うわっはっはっ。
とっさに爆笑を始めたのはメルビンとカシム。アルスとキーファは顔を見合わせ、ガボは
目を白黒させている……
「さすがなお方よ。愛する妻との時間を大事にされるのだな」
「いいねえいいねえ。私もそんな時間が持ちたいものだ」
すみませんすみません、と頭を下げるカデルの肩をぽんぽんっとたたき、アルスは言った。
「まあ、船長の事だから、ちゃんと試合には間に合って到着されるさ。それに、本当は何か
別にお考えあっての事じゃないかな? アニエスさんとの時間を大切にされたいだけじゃない
ような気がするな」
「……さすがにアルス様はお分かりですね……。シャークアイ様には確かに、何かお考えが
あるようですが、わしらにゃどういう事かサッパリわかりませんです。こんな恥ずかしい理由を
言えと言われたあっしも困っちまったんでさ」
苦笑しつつ首をかしげるキーファを見やり、ガボは悲しげにカデルを見上げた。
「なあ、カデル。おいらいつまでこうやってればいいんだ?」
「あっっっっ すみません、ガボさん」
ぱっと手を離したカデルに、ガボは無邪気に尋ねた。
「アニエスの具合が悪いのか? 寝室から出て来ないって何でだ?おいらお見舞いに行くぞ?」
「き、聞こえてましたか……」
「おいら狼だったから耳がいいんだぞ。鼻もいいぞ」
得意げに笑うガボと困り顔のカデル。ふたりを見る他の仲間たちからは、自然と笑いがこぼれた。
193DQ7入場(5/6):02/07/19 23:44 ID:???
「そういえばさ、ゼボットさんだって来るはずなんだろ? ゼボットさんは?」
「あの人が僕達と一緒にいたいわけがないじゃないか。それに、ゼボットさんは違うチーム
なんだよ」
「そうか……きっと、お祭りを見せにエリーを連れて来ているだろうから、久しぶりに会いたかったんだが」
「エリー来てんのか? うお〜、おいら会いたいぞっっ。どこにいるんだ?」
コンコン。
ガボが興奮してぴょんぴょん跳ね回り始めたところで、ノック音がした。
「失礼するます〜」
「そろそろ時間です〜」
運営のオッパ氏とエレジ氏が、いつも通りにあらくれた様子でやってきた。
「さあ、出撃じゃあ!  って感じで、元気に出撃してくださいね?」
みかけは荒くれているが実は丁寧な人らしい……と小声でつぶやいて、キーファはニヤリと笑った。
「さあ、行こうぜ! く〜〜〜っワクワクするな!」
「では行くでござる。マッシュ殿と再び決勝戦でお会いしたいものでござるよ」
「行きましょうか。私はバッツ殿のあらくれぶりをもう一度見せていただくのも楽しみです」
「おいら、頑張るぞっっ。もう一度ホイミンと遊ぶんだっ」
「カデルは客席で見ててくれよ? 船長ももう会場に入ってるだろうしさ?」
最後にカデルに声をかけ、アルスは部屋の扉を閉めた。
「行こう!」
194DQ7入場(6/6):02/07/19 23:53 ID:???
DQ7をやった事のない方に楽しんでいただけたのかどうか自信ないです〜〜。
すみません。・゚・(ノД`)・゚・

今日は楽しくあらくれましょう!
195本当の3/6:02/07/19 23:59 ID:???
ぎゃ〜〜〜〜 まんなかが抜けてました!

ともかくもまずは座って落ち着こうか、ということで、それぞれがソファに座った。
エデンの戦士たちは早々に敗退したものの、エントリー人数の多いチームなので、広い
控え室が与えられていた。ソファに座った事のないガボがはしゃいでいるのを見ながら
メルビンが口を開いた。
「それにしても、シャークアイ殿は遅いでござるなあ。どうされたのか」
バターン。この言葉を打ち消すかのような勢いで扉が開いた。
駈け込んで来たのは、シャークアイの腹心、カデルである。
「ア、アルスさま、申し訳ありませんっ」
入るなり平身低頭なカデルに、全員が顔を見合わせた。
「何があったんだかよくわからないけど、まあ、立ちなよカデル。あ、皆さん、こちらは
シャークアイ船長の腹心のカデル操舵長です」
「ど、どうも……あ、そんな呑気な事を言ってる場合じゃないんでさ。総領なんですが」
「シャークアイ、どうかしたのか?」
ガボのまっすぐな瞳に見つめられると、カデルは口にだせなくなってしまった。
「あのうそのうつまり………」
?????。全員の不可解な顔を見回した後で、カデルは決心した。
ガボの耳をふさいでしまえばいいんだ!
ガボの背後に回り、両耳に自分の手をあわせ、耳をふさぐと一気にしゃべった。
「アニエスさまと数百年ぶりに御会いできた後なので、なかなか寝室から出て来られないんでさ。
直接決戦会場に向かうからよろしく、とのご伝言なんですが……」
■父との別れ■
床を濡らす深紅の雫。留まる事無く広がり続ける血溜りの中に、膝を付いたまま彼は沈黙していた。
そっと手を伸べ、震える指先で彼の人の唇に触れる。もう二度と言葉を紡ぐ事の無いその唇に。
 …ずっと名前を呼んで欲しかった。名前を呼んで、良くやったと、良くここまで来たと、そう抱きしめて欲しかった。
望んでいたのはただそれだけだったと言うのに。
「父さん…」
ずっと、貴方の様になりたかった。
「父さん…父さん…」
ずっと貴方の後を追って、ずっと貴方の背中を追って、そしてとうとうここまで来た。
ここまで来ればきっと貴方に追いつけると・・・・そう、ずっと信じていたのに。
(ーーーーーけれど、もう叶わない)
彼の叫んだ最後の言葉はとうとう父へと伝わらなかった。
名乗り合う事さえ出来ぬままに、彼は永遠に自分の道標であった人を失ってしまった。

「父さん…父さん、父さん、父さん…っ」
急速に失われていく温もりが、確かな死の感触を指先へと伝えてくる。ようやく手にした何かが指と指の間をすり抜けて落ちて行く。
そしてそれを留める術を、決して勇者は持ち得なかった。
「父さん…嘘だ父さん、父さんっ!!」
一緒に帰ろう、あの国へ。今も俺達を待って居てくれる、暖かなあの人の待つ家へ。
零れ落ちて行く生命を少しでも留めたくて、勇者は強く強く父の身体を抱き締めた。
程良く鍛えられたオルテガの身体は、まるで精巧に作られた人形の様で、逆に勇者に逃れ様の無い現実を突きつけてくる。
(ーーーーそう)
彼が追いかけ、追い続けた父はもうこの世界の何処にもいないのだと。
前を進む父の背中を目にする事はもう二度と無いのだと。
「嘘だ…こんなの嫌だよ父さん・・」
濃紺のマンとが朱に染まる事さえ厭わぬまま、勇者は強く強く父の身体にしがみ付いていた、だが…
「・・・・ゃ」
ふっと、細い声が僅かに空気を震わせた。微かに響く、優しさと温もりに満ちた声。
197父との別れ2:02/07/20 21:56 ID:???
「…勇者…」
その声が自分の名前を紡いでいるのだと気づいた時、勇者はようやく顔を上げた。涙に濡れた瞳に映る彼等の顔。
ある者は労わる様に、ある者は気遣う様に、そしてある者は自分と同じ様に泣き出しそうになりながら。
それでも誰もが優しさを込めて、真っ直ぐに勇者を見つめていた。
「みんな…」
その瞳に、脳裏に薄く甦るのはあの日の記憶。遠いあの日…幼いあの時。父の死を聞かされた時。
自分はあの時も今の様に、涙を流す事しか出来なかった…まるで年相応の幼く無力な子供そのままに。

(俺はーーーあの時のままか?)
自分の心に問いかける、自分自身の声が聞えた。
(あの時の様にー悲しさと悔しさに涙を流すしかない無力な子供のままか?)
その声が、彼の心の中に、もう一度消えない何かを灯した。
「違う…違う、違うっ!」
(俺はもう、無力な子供のままじゃない。何も出来ない悔しさに、一人で震えている子供じゃない)
勇者は冷たくなった父を床に横たえると、再びゆっくりと口を開いた。
「父さん…少しだけここで待っていて欲しい。余り居心地の良い場所じゃないけど・・でも、俺にはまだしなくちゃならない事が在るんだ」
そう、今なら分かるから。自分が何を為すべきなのか…自分に何が出来るのか。
「でも必ず迎えに来るから…後で一緒に母さんの所に帰ろうな」
最後にもう一度だけ物言わぬ父に微笑むと、表情に笑みを浮べたまま、勇者は彼等を振りかえった。
「さあ行こうみんな…アレフガルドに朝を取り戻す為に!」
・・・・そう。もう彼は決して、一人きりの無力で孤独な子供ではない。共に生き共に歩んだ仲間と共に、父と肩を並べる「勇者」として、ようやくここまで辿り付いたのだ。
(有り難う父さん。貴方の分も…貴方に託された想いの分も、俺は最後まで闘ってみせる)
長い長い旅の間に得た「仲間」と云う名の光を胸に、勇者は再び歩み始めた。
今度こそ彼自身の足で・・…彼が討つべき魔王の元へ。
198終幕〜そして伝説へ1:02/07/20 21:59 ID:???
■終幕〜そして伝説へ■
 穏やかな風の流れの中に彼は身を委ねていた。微かに耳を打つ水の流れる音。僅かに肌を擽る草の感触。
穏やかに流れる時の中に…勇者は身を委ねていた。

『世界は何て美しいのか』
そんな酷く単純で…けれど誰もが忘れてしまっていた真実。
ようやく訪れた夜明けと共に、誰もが今、それをその身で実感している事だろう。
長く閉ざされていた世界に取り戻された命の息吹。生きていると言う事は、こんなにステキで素晴らしいのだと言う事。
その単純で簡単なたった一つの真実を・・・一体どうして人は見失ってしまうのか。

「…勇者よ…よくぞ我を倒した。だが、光在る限り闇もまたある…。
私には見える、再び何者かが闇から現れよう。だがその時、お前は年老いて生きてはいまい」

 …そう。人の中に、心の闇がある限り。人が平和を当然のものとして受けとめて、それに馴れ合ってしまう限り。
いつかまた、人が…或いは異形のものが、穏やかな時の流れの隙間から現れるだろう。
確かにその時、自分は既にこの地にはいない…自分にはどうする事も出来ないのだ。

「・・・・確かに貴方の言う通りだよ、人は光だけでも闇だけでも生きていけない。
世界に必ず朝と夜とが在るように、人はいつか忘れてしまうだろう。
この時に見た夜明けの美しさを…この朝に手にいれた平和の素晴らしさを。けれど・・・・」

 ゆっくりと振り向いて彼は微笑んだ。瞳に映る仲間達の笑顔。
旅の間に出会った、触れ合った、沢山の・・懸命に生きている人々の笑顔。

「けれど…人の心に闇が存在する限り、必ず光も存在する。例えその時俺が居なくても。
俺達の血を、俺達の心を継いで行く者が、いつか必ず現れる。
それが人が生きていく意味…想いを未来へ繋いで行く事が、人間が手にする永遠の意味なんだ」
199終幕〜そして伝説へ2:02/07/20 22:00 ID:???
 彼が、父の後を追って旅にこの身を投じた様に。それを誰よりも知っているから・・・・だから勇者は信じる事が出来る。
例えこの身が滅び去り、その想いも、その存在も、全てが人の記憶から消え去ってしまう時が来ても。

「この国が闇に包まれた時には…世界が闇に包まれた時には、新しい誰かが剣を取り、
自分自身の物語を、伝説を紡いで行くさ…きっと必ず…どれだけ時が流れても」

 そして彼は再び瞳を閉じ、風の流れへと身を委ねた。
何処までも流れつづける風の様に…新しい旅へと想いを馳せて。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 かくしてロトの称号を受けた勇者はここアレフガルドの英雄となる。
だが、この後勇者の姿を見た者は誰もいない。
彼が残して行った武器防具は「ロトの剣」「ロトの鎧」として
聖なる守りは「ロトの印」として後の世に伝えられたと云う

 ……………そして伝説が始まった。

To Be Continued To 「DRAGON QUEST 1」


 実際この板の住人の殆どがこの作品をクリアし、この作品のEDに感動したのでは無いでしょうか?
私は当時小学生でしたが…かなり感動しました。
岩山の…後の「ロトの洞窟」から出てきた時のBGM。それに伴って昇る太陽。
アレフガルドに夜明けが訪れた時…そしてラダトーム城でロトの称号を受けた時。
FC版の3で始めて「ロトのテーマ」を聞いた時には全身に鳥肌が立ちました。

 彼がいなければDQは無く、日本でこれだけRPGが普及する事も無かった。
DQ3の勇者に清き一票をお願いします。 
200DQ7勢退場:02/07/20 23:35 ID:???
「今日はいろいろな人に会えて楽しかったな〜、なあガボ?」
「うん、おいらとっても楽しかったぞ。アルスは?」
「………僕は、僕は早く逃げないと……。まさかあそこで見つかるとは思わなかったんだ……」
234 名前: アルスたん(;´Д`)ハァハァ 投稿日: 2002/07/20(土) 11:51

           ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ( ´Д` ) < アルスたん、みつけますた!(;´Д`)ハァハァ…
          /,  /   \_________________________
         (ぃ9  |
          /    /、
         /   ∧_二つ
         /   /
        /    \
       /  /~\ \
       /  /   >  )
     / ノ    / /
    / /   .  / ./.    (゚д゚) <マスタ
    / ./     ( ヽ、    ゚(  )−
   (  _)      \__つ   / >
「あはははははっっ アルスも苦労してるんだなっ」
「モテる男の苦しみという奴かい? それでさっきは、JBBS会場からすぐに逃げたんだね」
「キーファ、笑い事じゃないんだよ。カシムさんまで〜〜〜」
「と、とにかく、僕は早く帰るね。ガボはどうする?」
「おいらはどうしようかな。キーファはどうするんだ?」
「そうだな、ジャンが来るかもしれないから、最終日までこっちにいるよ。
ジャンにはライラの事を報告したいんだ」
「ああ……ライラはもともとジャンの婚約者だったもんね」
「早く帰りたい気もするけどな。ライラも待っているだろうし」
微妙にのろけられた気がしないでもないアルスだった……
201DQ7勢退場(2/3):02/07/20 23:37 ID:???
「メルビンはどうするんだ?」
「そうですな、一緒に帰りますか。カシム殿はどうされるのか?」
「決勝後のバトロワには、予選通過できなかった漢も来るのだろう?
私はザジを待つよ。姉のネリスが出奔したザジを思って寝付いてしまったと
伝えなくてはならないからな」
カシムの思い人ネリスの青白い顔を思い出し、アルスが慰めの言葉を口にしようとした時、
「おぉ、これは皆さんお揃いだな」
豪快な海賊、シャークアイがやってきた。
「あっシャークアイ、アニエスは大丈夫なのか? 寝室から出られないんだろ?病気か?」
「病気………??  ああ、いやいやすまんすまん。大丈夫だ。心配はいらないさ」
ぽんぽんっと頭に手をやられ、ガボはちょっとむくれた。
「おいら、子供じゃないぞっっ」
「す、すまなかったな」
「そういえば、シャークアイ殿は、何故直接会場に行かれたのかな?」
メルビンの言葉に、シャークアイはゆっくりと答えた。
「ああ……、カシム殿とキーファ殿とゆっくり話す時間が欲しくなかったのだよ」
???。カシムとキーファは顔を見合わせた。
「私は貴公とは初対面だと思うのだが……」
カシムの言葉にキーファもうなづく。
「それはそうだが……おふたりがコスタール王の最期を御存知ではないかと思ってな。
それを耳にしたくはないが、一緒にいれば尋ねてしまうだろうと。この時代では、彼の
事はわからないが、もしかして過去に生きるおふたりは何か御存知かもしれないだろう?
私は友の事を知りたいような知りたくないような、そういう複雑な気分だったのだよ」
202DQ7勢退場(3/3):02/07/20 23:38 ID:???
「コスタールってどこですか?」
「コスタール? 確かダーマのそばの国ですが…… あの国について私は詳しくありません
からわかりませんね」
キーファとカシムの言葉に、シャークアイは「ほうっ」と大きな息をはいた。
「おふたりとも御存知ではなかったのか。それは取り越し苦労をしてしまったな。
それでは私は決勝後のバトロワとやらを待つとしよう。コスタール王が来るかもしれないからな」
その場になんとなく和やかな空気が吹いた……が。
「いけない、僕は早く帰りたいんだった」
アルスが慌てて身支度を始めた。メルビン、ガボも行動を共にする。
「じゃ、じゃあな、キーファ。もしバーンズ王が来られても逃げないでくれよ?」
「あ〜〜……そうだな。そうするよ」
どちらともなく手をだし、堅く握手する。恐らく、今生の別れだろうとわかっているから、
あえてアッサリ手を離す……。
「また、いつか」
「ああ、また、いつか、な」
また、いつか。いつか、また。
FFドラクエ板に、最燃えの炎が灯る時まで。

エデンの戦士たちチームは、散会した。
今日この場に集ったほとんど全てのチームが、散会してゆく。
残るのは、3つだけ。
マッシュ、5主人公。そして……・・・・??
<end>
203爆弾岩(1/2):02/07/22 13:47 ID:???
オレ、爆弾岩
オレ、岩だから転がる。爆弾だから爆発する
爆発したらみんな終わり。オレも終わり
だからみんな怖がる。オレの傍から離れてしまう
オレ、ちょっと、さみしかった

でも、そんな寂しさとも、もうお別れだ

オレが『あいつ』に会ったのは、溶岩の沸き立つ火山の中
魔物は人間と戦うもの。だからオレはあいつに飛びかかった
強いやつだった。オレは思わず『あの力』を使いそうになる
体が徐々に赤くなる。熱気と共に、これで何もかもとおさらば・・・のはずだった

でも・・・すると、あいつは急に寂しそうな瞳をオレに向けた
怯えたんじゃない。悲しそうだったんだ。何故、そんな目で、オレを見る・・・?
そしてあいつ、オレに言った。「もっと命を大事にしないか?』と
よくわからなかった。オレ爆弾岩。オレ自爆する。それが使命
爆弾は爆発してこそ、爆弾。自爆しなかったら、それオレじゃない
そう思った。変なことを言うヤツだと思った
・・・でも変わったヤツだと思ったから、オレは自爆するのをやめた。
命を大事にするってどんなことか、砕け散る前に、オレ、知りたくなったから

そして一緒に歩いてみて知った。
『こいつはいっぱい色んな死を見てきたヤツだ』ってこと
だから、命が消えていくことの空しさを知っていた。そして教えてくれた。その身をもって
そうだ。魔物である、爆弾である、このオレにさえも
そこまで聞いて、そこまで見て、オレ、初めて生きたいと思った
この体がある限り、こいつの生き方についていきたいと思ったんだ
204爆弾岩(2/2):02/07/22 13:49 ID:???
そして今・・・
オレ、まだ生きてる。生きて旅をしている。
砕け散って終わりだったはずのオレ、まだ動いている
自爆するために作られた、この固い岩の体は、仲間を守る盾になる
壊すためのこの体が・・・初めて、何かを守る役に立ったのだ
そうか。オレには、こんな生き方もあったのか・・・
傷つくことももちろんあるが、岩のオレにも仲間は治療してくれる
「無理するんじゃないぞ」って言ってくれる
もう誰も怖がらない
『メ』がつく言葉を言うとびっくりするけど、でも誰ももうオレを独りぼっちにしない
オレはもう、一人じゃない。オレはここで生きていける

・・・でも、いつか、戦いの中でこの力が必要なことがあるのなら
もし、そうなら、その時はオレ、使うつもりだ
使命なんかじゃなく、自分の意志で。オレはあいつらを生かしてやりたい
あいつらのためになら・・・オレ、砕け散ってやってもいい。そう思ってる


オレ、爆弾岩。でも、もう爆弾だけの岩じゃない
オレ、すごく嬉しい
あいつに逢えて、オレすごく嬉しかった

今日はあいつの大事な日。オレ、応援する。
みんな、あいつのこと、どうか助けてやって欲しい
そして見届けてやってくれ。この旅の行方を・・・どうか、頼む
ええ話や・。・゚・(ノД`)・゚・。
206でたとこ勝負応援メッセージ:02/07/22 17:22 ID:???
 主人公「今日は、仲間達からの応援メッセージをぼくが皆さんに伝えるよ」
息子&娘「まじめなメッセージはなりきり支援のほうをよろしくね!絶対だよ」

スラリン「ピキー!ピキキー!!」
 主人公「応援してるから頑張って! だって。かわいいね」
息子&娘「スライムかわいー」

ゲレゲレ「ガウ、ガウガウ。ガルルル、ウガー!」
 主人公「私は君の勝利を片時たりとも疑ったことはない。精一杯やれ! だって」
息子&娘「……うさんくさ〜」

ゴレムス「ギ……ギギ………………」
 主人公「うわあ、照れてるよゴレムス。いつもはおしゃべりなのにね」
息子&娘「どこらへんが!?Σ(゚д゚)Σ(゚д゚)」

 主人公「続きましてばくだんいわのロッキー」
ロッキー「ゴロゴロ……」
 主人公「え?何なに? め、が……?」
息子&娘「おとうさん…はげしくいやな予感がするよ……」

息子と 娘は にげだした!▽ ザザザッ

 主人公「ああっ、おまえたちっ!?」
210民明 ◆wButzZkI:02/07/22 21:22 ID:???
バッツ。
お前のことをこう呼ぶのは、ずいぶん久しぶりだ。
いつもはバッツたんだったが、今日は、こう呼ぶことにする。

前々回の支援でも書いたけど、俺はバッツが好きだ。
もう、どこが好きかなんて分からない。
当たり前のように俺は“バッツ”が好きだった。
目立たない主人公ではあるが、決してバッツは個性がないわけではない。
何も考えてないわけでもないし、DQの主人公のように、プレイヤーによって
性格が変わるわけでもない。
明るく奔放、ぶっきらぼうでも優しい。
それが彼の性格だ。
俺ははじめこの個性を理解できなかった。
いや、しようとはしなかった。
FF5とは、そうゆうゲームだと思っていたからだ。
キャラが薄くても、システムが面白い。主人公は感情移入しやすく、そして
ほかのサブキャラは魅力的。それだけのゲームだと思ってた。
だが、それは間違いだった。
俺は気づいたんだ。バッツは訴えたいことがあるっていうことを。
明るさの裏にある、故郷を思う切なさ、亡き両親を愛する孤独さ、なるべく人と深くかかわらない
ようにしている寂しさ…ほかにも数え切れないほどにある、バッツの想いに。
それから、俺はバッツというキャラがすごく好きになっていった。
そして俺は誰が見てもバッツ萌えになっていた。
その時…俺はいつのまにかバッツのあの想いを忘れていた。
211バッツ最終形態車 ◆wButzZkI:02/07/22 21:23 ID:???
ずっとバッツスレで萌えを発散させてきたが、それはただのキャラ萌え感情だったように思う。
バッツの想い、考えを忘れて、「バッツたん」と呼び、バッツに萌えるだけだった俺。
そのままでいいと思っていた。燃えキャラは別にいて、バッツをただの“萌え”道具として
思う。…それだけで満足だった。
そんな時、最燃えトーナメントが始まった。

俺は最燃えキャラを応援すると同時に、萌えキャラであるバッツを応援し、スレの同志たちと
熱く燃えていった。
しかし、二回戦でクリフトに負けたとき、それまであった萌えが、急激に冷めた。
そして、自分とバッツを新たに見つめなおす事ができた。
自分とバッツ、見つめなおして、ようやくあのバッツの考え、想いを思い出した。
そう、バッツは萌えキャラ、というだけではない。
もちろん、萌えもある。けれどバッツは、それ以上の、もっと深いものを持った男だ。
やっとそれに気付き、俺はバッツがそれまで以上に凄く、凄く好きになった。

バッツは知れば知るほど、奥の深いキャラだ。
FF5をやればやっただけ、いろんなバッツというキャラを知ることができる。
FF5をやったことのある人はもう一度、まだやってない人はバッツの心情を感じながら、
プレーをして欲しいと思う。
きっとバッツの想い、奥の深さを感じることができると思うから。
212はぐれメタル(1/3):02/07/22 21:32 ID:???
   『ニンゲンって、コワイ?
    ニンゲンって、コワイ?イタイコト・・・スル?』

つい逃げ出してしまうんだ。ボクは魔物の中でも臆病なモンスター
なんせ『はぐれ』メタル、なんて言われてしまうくらいだからね。
すぐ一匹だけ群れから離れてしまうんだ。本当はボクだって、仲間と一緒に戦いたいのに
ああ・・・ホラ、だめだ、敵を目の前にすると、もう体が震えてきたよ・・・み、み、

「みんなっごめんなさーーーーーい!」(はぐれメタルは逃げ出したっ!)

ああ、悔しいな。どうしてボクはこんなに臆病なんだろう?
もっと勇気が欲しいな。こんな自分が嫌だ。悔しくて悔しくて泣きたくなるよ
こんなんだから、ボクには友達が出来ないんだよ・・・

・・・夢を見た。寂しいときにはいつもこの夢を見る
いっぱい色んな仲間に囲まれて暮らす夢
みんなが笑ってる。ボクも笑ってる。幸せそうな夢・・・ああ、これこそボクの理想だよ
でも夢さ。理想さ。本当じゃないんだ。目が醒めるといつもそれを思い知る
森の中で誰にも見つからないように、一人隠れてコソコソと寝る。それが、ボクだ。
気がついたときには、傍になんて誰もいやしない
悲しいな。寂しいな
『ニンゲンなんか怖くない』そう思えたら、ボクも、もっと強く変われるのかなぁ・・・

『ニンゲン』 ニンゲンかぁ。ボクはいつも怖くて逃げ出してしまうけど
本当のところ、ニンゲンってどうなんだろう?ホントに怖いのかな?どうなのかなぁ?
ボク、ニンゲンと話がしたいな。それも怖さなんか感じさせない優しい人に、逢ってみたい
・・・ま、無理だろうけどね。そんなこと臆病なボクに出来るわけないさ・・・
213はぐれメタル(2/3):02/07/22 21:34 ID:???
ん・・・足音?それもたくさん?誰かが来たのかな・・・?
うわっ、またニンゲンだ!!隠れなきゃ。隠れなきゃ!
・・・うん?おかしいな。ニンゲンのまわりにモンスターがいっぱい
なんで?なんで一緒に暮らしてるのさ?・・・変なの。あんなの初めて見たよ
でも、なんか・・・いいなぁ、ああいうの。あ、笑ってる。・・・うらやましいなぁ

「ねえ、君、どうして僕らの方をさっきからそんなにジロジロ見てるの?」
「え・・・うわぁっ!」
気が付いたら目の前にスライムがいた。この地方にスライムはいないから彼らの仲間か
さすがのボクも、スライム相手に逃げ出したりはしなかった・・・逃げだしそうには、なったけど

「驚かさないでよ。だってさ、ニンゲンとモンスターが一緒にいるのが珍しくって」
「あはは、そう?まあそうだろうね。みんな初めはそう言うよ
 でも、しばらくしたらみんなわかるんだ!僕たちが仲良くしている理由」
「何?それ?」
「カンタンだよっ!僕たちはみんなご主人様が大好きだからさっ!
 ねえ、今一人なの?よければ君も一緒に来ない?ご主人様に紹介してあげるからさっ!」
(・・・ボクが、ニンゲンと一緒に・・・?)
ああ、また体が震えてきた。本当にそんなことできるのか?
でも、逢ってみたいんじゃなかったのか?そう思っていたんだろう、ボク?
モンスターと一緒に生きていける人、ひょっとしたら、そうだボクの望んでいた人かもしれない
勇気を出せ、勇気を出せ、勇気を出せ・・・!

「うん・・・でも・・・それはボクを、倒してからだっ!」
ち、ちがうっ!ああ、何か変なこと言ってる!違うよ。今必要なのはそういう勇気じゃないよ
倒すだなんて柄にもないことを!戦いに勝ったことなんかないクセに
すっかり気が動転してしまったんだ・・・ボクのバカ・・・
これで、倒されて、気を失って、それでおしまいか・・・ああ・・・ホントにバカ・・・
214はぐれメタル(3/3):02/07/22 21:36 ID:???
しばらくして・・・ボクは目を開けた。そして驚いた。すぐに穏やかな声が聞こえてきたから
「気が付いたかい?」
案の定ボクは負けて、やっと意識が戻った時、色んな顔がボクをのぞき込んでいた。
もう日が大きく西に傾いてたのに、彼らはまだいて、ボクを心配そうに見てくれていたんだ
なんだかおかしかったよ。怖いのに、怖いはずなのに、その時はもう震えてなかった
戦って、負けて吹っ切れたのかな?それとも、もしかして・・・安心したのかな?
そうかもしれない。そう、なんだか、とっても、暖かいところだったんだ

   『仲良くしてる理由?カンタンだよ!僕たちはみんなご主人様が大好きだからさ!』
ああ、そうか。そういうことか。やっとわかったよ。こういうことなんだね
目が覚めたボクを、さっき声をかけてくれた、彼らが言うご主人様が腕に抱き上げて
「一緒に行かないかい?」
微笑みながら、そう言ってくれた。ボクには、拒否する理由なんて、一つとしてなかったよ
信じていいかな?信じて・・・いい、よね?

そしてボクはみんなの仲間になった。
でも、今でも戦いになると怯える。ビクビクする。なかなか性格は治らない。困ったものだよ
でも一つだけ・・・いいことがあったよ。ボク、もう逃げないんだ。
だってここにいたいから。ここは、ボクが憧れていた場所、そのものなんだ
だから怖くっても、逃げなくなった。それだけでも少しは成長したのかなぁ・・・?
それに、あの時話しかけてくれたスライムは、ボクより強かった。最初はボクより弱いはずなのに
そうだ。いつか、きっと、ボクも強くなるよ。
人とも魔物とも話し合える勇気を身につけるんだ・・・ボクたちのご主人様のように
そうさ。ご主人様こそ、ボクの憧れ、ボクの目標なんだ!

頑張って!ご主人様!あともう少し・・・ボクたちも応援しているよ
最後まで心をしっかり持って、前を向いて頑張ってね
そう・・・それはあなたが、かつてボクに教えてくれたことなんだ!
215■DQ3勇者とは■:02/07/23 18:43 ID:???
 彼の存在を知らない方の方が少ないとは思うのですが、一応3の勇者について。
日本にRPGを浸透させるきっかけとなった「ドラゴンクエスト・勇者ロトシリーズ」の最終作である「ドラゴンクエスト3〜そして伝説へ・・・〜」。
その売上は380万本を記録し、RPG作品の金字塔を打ち立てた。近年SFC、GB版への移植版も発売されており、根強い人気も見せている。

 その作品の主人公であり、プレイヤーの分身でもあるのが「勇者」である。
スタート地点であるアリアハンの城下町に、偉大なる勇者オルテガの息子として生まれた勇者。
だが、そのオルテガは彼が幼い頃に「魔王バラモス討伐」の旅の途中で倒れ、帰らぬ人となった………

 そんな父の遺志を継ぐ者として、母に、祖父に、勇敢な男の子として育てられた勇者。16歳の誕生日の朝に彼の物語は始まります。
王に謁見し旅立ちの許可を受けた勇者は、自ら選んだ仲間と共に、亡き父の跡を継ぎ、旅立つのでした(勿論仲間を加えるか否かはプレイヤーの自由意思に委ねられており、孤高の一人旅を楽しむのも一つの選択肢です)。

 旅の途中で王様になってみたり、ぱふぱふ娘に引っかかってみたり、夜な夜な女王様の部屋に忍び込んだり。

 眠り続ける村の呪いを解いたり、王様に化けて民衆を苦しめる魔物を退治したり、悲しい恋人たちの彷徨う魂を解放したり、伝説の不死鳥を甦らせたり…

 沢山の試練の末に、勇者は父の悲願である「バラモス討伐」を成し遂げます。ですが、それさえも「ドラゴンクエスト3〜そして伝説へ・・・〜」の「もう一つの物語」の幕開けに過ぎないのでした…

 丁度作品自体が二部構成になっていて、今までのシリーズをクリアした方ならば、3勇者の辿る足取りを感慨深い想いで見ていた方もいたではないかと思います。どうか皆様…3勇者に清き一票をお願い致します。
 
216■公式絵(既出)■:02/07/23 18:44 ID:???
217■3回戦の既出支援1■:02/07/23 18:47 ID:???
 ■ステキな自炊のイラスト■
 (かなりカッコ良い男勇者のイラストです…構図がとにかくカッコ良いです)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715002549.jpg

(端正な顔立ちと澄んだ瞳が印象的な勇者です…吸いこまれそうです)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715013503.jpg

 (凄いです、カッコイイです、面白いです。迸るセンスを感じますッ!)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715015432.gif

 (まさに「勇者ロト」って云う感じです…ロトの紋章の使い方が素晴らし過ぎます〜)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715085657.jpg

 (凄いです…凄く詩的な絵です。一枚でこれだけ世界観が描けるって凄いと思います)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715192616.jpg

 ■MIDI■
 夜のBGMです…そう云えば3で始めて「昼夜」の概念が出来たんですよね。
 http://www.seiferyk.hpg.ig.com.br/dragonquest/3/3_yasiro.zip
218■3回戦の既出支援2■:02/07/23 18:48 ID:???

 ■外部支援■

 (ドラクエ3勇者外部支援です。
 FC版公式ガイドのイラストです。)
 旅人の服
 ttp://dragonsagadensetsu.com/DragonQuest/Pictures/DQ3/DQ3heroM2.jpg
 刃の鎧
 ttp://dragonsagadensetsu.com/DragonQuest/Pictures/DQ3/DQ3heroM3.jpg
 鉄の鎧
 ttp://dragonsagadensetsu.com/DragonQuest/Pictures/DQ3/DQ3heroM4.jpg

 (ちょっと某SLGチックな勇者です〜)
 ttp://naonaomiyako.hoops.ne.jp/dq3e-lief-.htm
 (3のパーティー、勇賢賢盗)
 ttp://naonaomiyako.hoops.ne.jp/dq3e-memberkaidan.htm
 (3パーティー、勇武僧魔)
 ttp://yaten.vis.ne.jp/dq3ill01.htm
 (3勇者です)
 ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/dq3/gallery/dq3_08.html
 (ルイーダの酒場にて(1024x768 の壁紙サイズです))
 ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/dq3/gallery/party1024.html
 (同じく壁紙サイズ、ダンジョン内です)
 ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/dq3/gallery/dungeon1024.html
 (ロトの剣(王者の剣))
 ttp://yaten.vis.ne.jp/dq3illyk01.html
 ttp://www.asahi-net.or.jp/~ur4y-hsn/DQ/GALLERY/ken.html
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/gallery/vsdark.JPG (バラモス戦)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/gallery/dq3.JPG (勇者パーティ)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/gallery/hirune.JPG (休息)
ttp://korin560.hoops.ne.jp/dq-illust/goro/dq3/su_712.jpg (横顔)
ttp://www.susuki.sakura.ne.jp/~gun/3brave_mtop.html (横顔 その2)
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/7174/okanouede.jpg (海を見る勇者)
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/7174/smile_3yuu.jpg (鳥山調笑顔勇者)
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/7174/3yuu_diary.gif (鳥山調勇者)
ttp://akari1492.cool.ne.jp/dq3/gun2.jpg (正面を向く勇者)
ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/illust/party_02.jpg (勇者一行)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/yuhbu1.jpg (勇者と武闘家)
ttp://www.moon.sannet.ne.jp/lyric/image/dq/ale_sari.jpg (勇者&女賢者)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/yubutop11.jpg (勇者二人)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/gall13.jpg (勇者幼少時)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/gall1.jpg (勇者&武闘家)
ttp://nino.m78.com/ges/images/top22.jpg (勇者&賢者)
ttp://nino.m78.com/ges/images/illust24.jpg (勇者)
ttp://popup3.tok2.com/home/ryu87/3room/dq3_01.JPG (勇者横顔)
ttp://popup3.tok2.com/home/ryu87/3room/dq3_02.JPG (すこし幼め勇者)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/picgallery/pic12.jpg (勇者&遊び人女)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/picgallery/pic7.jpg (勇者&僧侶)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/darkside/epson.JPG (勇者&僧侶)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/darkside/healing.JPG (僧侶にホイミをしてもらう勇者)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/darkside/va-a.JPG (チョコを貰う勇者)
ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/illust/dungeon_01.jpg (岬の洞窟で)
ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/illust/top004.jpg (勇者様々な表情)
220ケット・シー支援 ◆CAIT4zhw:02/07/24 00:25 ID:???
ケット・シー支援SSの為、6レスほどお借りします。
タイトル*/6:地名 の形で、作中の進行に準じて進んでいます(…多分)。


【FF7未プレイの方へ】
ケット・シーとは主人公(クラウド)一行へ送り込まれた神羅組織のスパイロボット。
(外部ですが公式設定、ttp://pacolyn.org/FF/FF7/caitsith/caitsith-art.jpg
操縦者は神羅本社の社員リーブ。
ゴールドソーサー(遊園地みたいな場所)からパーティーに加わり、以後主人公達と
行動を共にします。
占いが趣味らしい。そして何故か関西弁。(説明書より)
221闘う者達1/6:神羅ビル:02/07/24 00:26 ID:???

「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」

 頭をもたげるその言葉。罵声と共に提出したばかりの書類が降り注ぐ――それは、
リーブの記憶に残る苦い思い出だった。


 神羅カンパニー都市開発部門の現部長であるリーブは、中年を過ぎたごく普通の男
である。職業は? と問われれば、間違いなくサラリーマンと答えるだろう。その実、
彼は給金と引き替えに労働力を提供している身であった。
 リーブが入社して数十年が経つ。彼が現在のポストにまで昇進出来たのは、ひとえに
その手腕と適性が買われての事だった。都市開発部門で働く者達からひろく慕われる
“理想の上司”。それが神羅内におけるリーブの姿だった。

 サラリーマンにとって、上司の命令は絶対である。
 それは、自分の意志とは関係なく遂行せねばならない。言ってみればそれが「プロ」
だ。その意識は同じ社内にある総務部調査課――通称タークス――のメンバーにも
共通している思想だった。
 今回、上層部が彼に対し秘密裏に命じたのが『諜報活動(スパイ)』だった。
よく考えてみれば都市開発部門の部長に任せるような仕事ではない気もする。
何より彼の性格上、本来ならば気が進まない仕事である筈だったが……。今は事情が
違った。先日の壱番魔晄炉爆破テロ事件にも関連するとあっては、自然と力も入る。

「どんな理由があろうと、多くの住民達と街を破壊する行為を許せる筈はありません」

 対策会議の席上、彼が言い放った言葉が印象的だ。
 その熱意を買われ、今回この任に抜擢されたのだった。

『当たるもケット・シー〜、外れるもケット・シー〜。どや? 占ってみるか?』
 …………。
 いくら敵に正体を悟られまいと演技すると言っても、故郷の訛を使い、戯けたキャラ
クターを演じるのには抵抗――少なくとも、社内の人間には見られたくない姿だった。
 元々、入社した直後に上司から「訛を治せ!」と怒鳴られ馬鹿にされて以来、彼は
必死に標準語を覚えた。捨てたはずの故郷の訛が、こんな所で役に立とうとは……。
皮肉げな笑みを浮かべながら、遠隔地にいるケット・シーの操作を続ける。
 自分の行為に対して引っ掛かりが全く無かった訳ではない。だがそれ以上に結果を
求められる立場にあった。形振りなど構っていられない、と言うのが本音だった。

 無事に彼らとの接触を果たした直後に訪れたのが、砂漠の監獄・コレルプリズン。
そこでリーブが見たのは、忌むべきテロ首謀者・バレットの過去。

 携わる仕事が都市開発と言う性質上、魔晄炉が住民にもたらす恩恵や経済効果など
『数字』に関しては誰よりも熟知している。魔晄炉誘致に関する裏取引も……確かに
あった。だが。
 だが彼がここで直面したのは、そんな物よりももっと生々しい現実だった。自分が
組する『神羅』という組織が引き起こし、やがて隠蔽された悲劇。
 そこで繰り広げられていたのは、数字やデータの遣り取りではない。人の生き死に
という度し難いものだった。

「私は……今まで私がして来た事は……」
 ――何だったんや?!

 彼はミッドガルの建造から携わってきた。人々の要望に応え、住みよい街を創る。
それが自分の信念であり、何よりも支えだった。そしてそれは結果として形に現れた。
 けれど。
 彼が見ていたのは、現実のほんの一面に過ぎない。
 長年をかけて積み上げてきた自信。それに裏打ちされた信念は、この時音を立てて
崩れはじめたのだった。

 コスモキャニオンで、一行はたき火を囲んで座っていた。
「こんなん何年ぶりやろか……。な〜んや、色んな事思い出しますなぁ」
 不意に話しかけられて、口をついて出たのはケット・シー“操縦者”の本音だった。


「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」


 ……若い頃。
 自分の思いが上手く結果に反映されなかったことを悔やんだ日々。早く一人前になり
たいと上を見上げて頑張った毎日――それはちょうど、今のナナキと似たような心境
だったのだろう。

 はっと我に返ってリーブは苦笑した。
 自分は諜報活動の真っ最中である筈なのに、何故こんな風に考えてしまうのだろう。
 ケット・シーは遠隔操作ロボットだ。だからこの時のリーブの表情を見た者はいない。
 諜報活動――それは、彼にとって孤独との戦いだった。


「求められているのは“結果”だ。それ以外の何物でもない」
 ロケット村でパルマーの醜態を目の当たりにした上層部からの圧力。自身の行動への
疑念。その両方に、リーブは追い詰められていたのかも知れない。
 その後一行はキーストーンを求め、再びゴールドソーサーへ向かう事となる。

 作戦の決行は、その夜とされた。

 手筈通りロープウェイが故障。一行をこの地に引き留めることに成功した。
作戦決行は今夜。
 クラウド達の得たキーストーンを奪い、ツォンへ引き渡す。
 これがリーブに課せられた任務だった。

「……なんや予定外の事態や!」
 決行を夜中に選んだのは正解だった。しかし、予期せぬ事態に見舞われる。
個人行動中のクラウド達に、自分の所業が発覚したのだ。
『ふざけるな! スパイだと分かってこれ以上……』
 ケット・シーに対してクラウドが叫ぶのももっともだ。スパイだと知れた以上、
自分の言葉に聞く耳など持たないだろうな。
「ほな、どないするんですか? ボクを壊すんですか? 
そんなんしても、ムダですよ。この身体、もともとオモチャやから」
 これが壊されても、またすぐに新しい物を向かわせれば良いのだから。

 しかしそれも予測済みである。
 リーブは“切り札”を出した。人質との交換条件で自分の同行を認めさせたのだ。
彼自身も苦笑する程、なんて卑劣で周到な……さすがは都市開発に携わっただけあって、
それは抜け目のない完璧な“交渉”だった。

 卑怯者と罵られようと、蔑まれようと。彼は他に方策を見出せなかった。
 それに……。
「命がけで旅続けるあんた達見てるとな、考えてしまうんや……。なんや、自分の人生
このまま終わってしもたらアカンのとちがうかな、ってな」

 こうしてクラウド達と共に、古代主の神殿へ向かう事となった。
225闘う者達5/6:古代種の神殿:02/07/24 00:31 ID:???
『私は……まだ、生きてる……』

 総務部調査課“タークス”を統括する男の言葉が、回線を通して神羅本社にいる
リーブの耳に届く。
 何故だろう? その言葉に何かを感じた。語に尽くしがたい感情を抱く。

「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」

 何故だろう? 最近よくあの頃を思い出す。元上司の罵声と共に甦る記憶。
 なぜ今になって……。
 しばしの間、リーブの思考は時を止めた。

 ケット・シーからもたらされた音声によって、止まっていた思考は再び動き出した。
声の主はクラウドだ。
『あいつら、命を投げ出して黒マテリアを手に入れるくらいなんでもない。
この場所はもう安全じゃないんだ』
 ――彼らの話によると、どうやら黒マテリアを持ち出すには、一人が神殿内に残り
パズルを解く必要があるらしい。内側から神殿のパズルを解くと、最後は黒マテリア
の中に閉じこめられる仕掛け。いわばセトラの残した太古のセキュリティシステムだ。
 リーブは無意識のうちに回線を繋いでいた。
ケット・シーを通してクラウドに呼び掛ける。
「この作りモンの体、星の未来のために使わせてもらいましょ」
 臆することはない。ケット・シーは量産型ロボットだ。……代替はいくらでもある。

 心情的な後ろめたさへの贖罪行為、さらに黒マテリア確保と言う戦略的な判断
……どちらにせよ、それが今執れる最善の策だった。
 躊躇するクラウドを説得し、ケット・シーを操縦して神殿奥へと向かう。
「スパイのボクのこと信じてくれて、おおきに! ……ほな、行ってきます」

『がんばって、ケット・シー!』

 かけられたエアリスの言葉が、彼に道を示した。
226闘う者達6/6:〜最終決戦:02/07/24 00:32 ID:???
 そうか……。そう言うことだったのか。
 今更ではあるが、リーブは探し続けていた“答え”に出会ったような到達感、
あるいは充足感を感じていた。

 ――君の代わりならいくらでもいるんだよ?
 「この同じボディのが ようさんおるんやけど このボクは、ボクだけなんや!」
 ――やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ
 「ほな、行きますわ! しっかりこの星を救うんやでー!」

 そう。自分と同じ“人”は何人もいる。
 けれど、“自分”にしか出来ないことがある。
 それは、部署も組織も、立場や年齢も関係ない。
 クラウド達は――彼らは、それを知っていた。
 自分の持っていなかった、あるいは忘れてしまった物を。

 最後まで、彼らについて行こうと決心した瞬間だった。
 たとえ、今度は神羅を裏切るスパイになったとしても。

「すんませんけど、この作りモンのボディで頑張らせてもらいます」

 リーブは普通のサラリーマンで、体力や戦術面で彼らにかなう筈はない。
ましてやセフィロスになど生身の自分では一太刀を浴びせる事も叶わないだろう
 ならば。

 自分の出来る闘い方で――星を救ってみせようじゃないか。
 この“相棒”と共に。
過去のログは参照不可だったのね。私としたことがよく調べもしないで
変な風に貼ってしまって申し訳ない。1回戦既出の外部支援纏めよ!

Round5-745さん外部支援集
 ちなみに……中には偽物ルード先輩もいるわ。気を付けて。
 ttp://www.ne.jp/asahi/daiso/homepage/big1.html 3Dルード
 ttp://www.ne.jp/asahi/daiso/homepage/big2.html 3Dルード
 ttp://keyiland.vis.ne.jp/hige/ima/falcon.jpg ルード
 ttp://www03.u-page.so-net.ne.jp/pb3/motokos/umjkm/itadaki/tarks.JPG タークス4人
同スレ-747さん外部支援
 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/9797/giichi2-p.htm
同スレ-748さん外部支援
ツォン氏
 働く男。という威風堂々たる絵が素敵です。
 ttp://balamb.cool.ne.jp/GP/gp_zeng.html
レノ氏
 ……か、格好(・∀・)イイ!……と言うより、少し悪っぽい。
 ttp://www.cx.sakura.ne.jp/~hatikva/cg/leno3.html
レノ氏
 作中、ここまで想像できませんでしたよ(少し今風?)
 ttp://www.cx.sakura.ne.jp/~hatikva/cg/leno.html
イリーナ氏
 横顔が凛々しいです。    
 ttp://nonsense.m78.com/pict/irina.jpg
ルード氏
 ……か、可愛いんですが(w。
 ttp://www.rx.sakura.ne.jp/~kobuta/9ff_cg/gift1/9ff_gift_ranmasan2.jpg
纏めその2よ。

▼MIDI
タークスのテーマ(MIDI)
 忘れてはならない、この曲と共に登場するタークスの面々。彼らのイメージが沸いてきます。
 ttp://members.tripod.co.jp/nanga/turks.htm
▼イラスト
タークスの方々[1]
 文字化けして解説が読めないけど、レノとツォン(と副社長か?)
 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/7308/garally/ita/fromtarock.htm
タークスの方々[2]
 個性が出てます。
 ttp://www.cronos.ne.jp/~doka-herumetto/rakugakifail/turks.htm
FF7裏方パーティー
 ルーファウスとタークス一団。神羅発売「FF7」の表紙を飾ってそうな雰囲気
 ttp://village.infoweb.ne.jp/~yumeko/world/cg/rt.jpg
タークス三人衆(イリーナ除く3名)
 普通に格好(・∀・)イイ! 絵。
 しかし、とりあえず、このページの文章を読むことを激しくお薦めします。
 ttp://crack.cside9.com/factor/gallery/ff7/I/turks.htm
▼ちょっと笑える系統
タークスインタビュー「ルード先輩は漢です。」
 掛け合いも面白いが、イラスト入りで結構凝っている。イリーナによるルードレポート
 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/7308/tuy/tuy02/tuy02.htm

同スレ-783さん外部支援
ウータイでの台詞集。(ユフィ・イリーナ救出時)
 ttp://www.h4.dion.ne.jp/~dennan/lg6.html
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230山崎渉
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