今更!! ギガスラッシュを偲ぶスレ

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210民明 ◆wButzZkI:02/07/22 21:22 ID:???
バッツ。
お前のことをこう呼ぶのは、ずいぶん久しぶりだ。
いつもはバッツたんだったが、今日は、こう呼ぶことにする。

前々回の支援でも書いたけど、俺はバッツが好きだ。
もう、どこが好きかなんて分からない。
当たり前のように俺は“バッツ”が好きだった。
目立たない主人公ではあるが、決してバッツは個性がないわけではない。
何も考えてないわけでもないし、DQの主人公のように、プレイヤーによって
性格が変わるわけでもない。
明るく奔放、ぶっきらぼうでも優しい。
それが彼の性格だ。
俺ははじめこの個性を理解できなかった。
いや、しようとはしなかった。
FF5とは、そうゆうゲームだと思っていたからだ。
キャラが薄くても、システムが面白い。主人公は感情移入しやすく、そして
ほかのサブキャラは魅力的。それだけのゲームだと思ってた。
だが、それは間違いだった。
俺は気づいたんだ。バッツは訴えたいことがあるっていうことを。
明るさの裏にある、故郷を思う切なさ、亡き両親を愛する孤独さ、なるべく人と深くかかわらない
ようにしている寂しさ…ほかにも数え切れないほどにある、バッツの想いに。
それから、俺はバッツというキャラがすごく好きになっていった。
そして俺は誰が見てもバッツ萌えになっていた。
その時…俺はいつのまにかバッツのあの想いを忘れていた。
211バッツ最終形態車 ◆wButzZkI:02/07/22 21:23 ID:???
ずっとバッツスレで萌えを発散させてきたが、それはただのキャラ萌え感情だったように思う。
バッツの想い、考えを忘れて、「バッツたん」と呼び、バッツに萌えるだけだった俺。
そのままでいいと思っていた。燃えキャラは別にいて、バッツをただの“萌え”道具として
思う。…それだけで満足だった。
そんな時、最燃えトーナメントが始まった。

俺は最燃えキャラを応援すると同時に、萌えキャラであるバッツを応援し、スレの同志たちと
熱く燃えていった。
しかし、二回戦でクリフトに負けたとき、それまであった萌えが、急激に冷めた。
そして、自分とバッツを新たに見つめなおす事ができた。
自分とバッツ、見つめなおして、ようやくあのバッツの考え、想いを思い出した。
そう、バッツは萌えキャラ、というだけではない。
もちろん、萌えもある。けれどバッツは、それ以上の、もっと深いものを持った男だ。
やっとそれに気付き、俺はバッツがそれまで以上に凄く、凄く好きになった。

バッツは知れば知るほど、奥の深いキャラだ。
FF5をやればやっただけ、いろんなバッツというキャラを知ることができる。
FF5をやったことのある人はもう一度、まだやってない人はバッツの心情を感じながら、
プレーをして欲しいと思う。
きっとバッツの想い、奥の深さを感じることができると思うから。
212はぐれメタル(1/3):02/07/22 21:32 ID:???
   『ニンゲンって、コワイ?
    ニンゲンって、コワイ?イタイコト・・・スル?』

つい逃げ出してしまうんだ。ボクは魔物の中でも臆病なモンスター
なんせ『はぐれ』メタル、なんて言われてしまうくらいだからね。
すぐ一匹だけ群れから離れてしまうんだ。本当はボクだって、仲間と一緒に戦いたいのに
ああ・・・ホラ、だめだ、敵を目の前にすると、もう体が震えてきたよ・・・み、み、

「みんなっごめんなさーーーーーい!」(はぐれメタルは逃げ出したっ!)

ああ、悔しいな。どうしてボクはこんなに臆病なんだろう?
もっと勇気が欲しいな。こんな自分が嫌だ。悔しくて悔しくて泣きたくなるよ
こんなんだから、ボクには友達が出来ないんだよ・・・

・・・夢を見た。寂しいときにはいつもこの夢を見る
いっぱい色んな仲間に囲まれて暮らす夢
みんなが笑ってる。ボクも笑ってる。幸せそうな夢・・・ああ、これこそボクの理想だよ
でも夢さ。理想さ。本当じゃないんだ。目が醒めるといつもそれを思い知る
森の中で誰にも見つからないように、一人隠れてコソコソと寝る。それが、ボクだ。
気がついたときには、傍になんて誰もいやしない
悲しいな。寂しいな
『ニンゲンなんか怖くない』そう思えたら、ボクも、もっと強く変われるのかなぁ・・・

『ニンゲン』 ニンゲンかぁ。ボクはいつも怖くて逃げ出してしまうけど
本当のところ、ニンゲンってどうなんだろう?ホントに怖いのかな?どうなのかなぁ?
ボク、ニンゲンと話がしたいな。それも怖さなんか感じさせない優しい人に、逢ってみたい
・・・ま、無理だろうけどね。そんなこと臆病なボクに出来るわけないさ・・・
213はぐれメタル(2/3):02/07/22 21:34 ID:???
ん・・・足音?それもたくさん?誰かが来たのかな・・・?
うわっ、またニンゲンだ!!隠れなきゃ。隠れなきゃ!
・・・うん?おかしいな。ニンゲンのまわりにモンスターがいっぱい
なんで?なんで一緒に暮らしてるのさ?・・・変なの。あんなの初めて見たよ
でも、なんか・・・いいなぁ、ああいうの。あ、笑ってる。・・・うらやましいなぁ

「ねえ、君、どうして僕らの方をさっきからそんなにジロジロ見てるの?」
「え・・・うわぁっ!」
気が付いたら目の前にスライムがいた。この地方にスライムはいないから彼らの仲間か
さすがのボクも、スライム相手に逃げ出したりはしなかった・・・逃げだしそうには、なったけど

「驚かさないでよ。だってさ、ニンゲンとモンスターが一緒にいるのが珍しくって」
「あはは、そう?まあそうだろうね。みんな初めはそう言うよ
 でも、しばらくしたらみんなわかるんだ!僕たちが仲良くしている理由」
「何?それ?」
「カンタンだよっ!僕たちはみんなご主人様が大好きだからさっ!
 ねえ、今一人なの?よければ君も一緒に来ない?ご主人様に紹介してあげるからさっ!」
(・・・ボクが、ニンゲンと一緒に・・・?)
ああ、また体が震えてきた。本当にそんなことできるのか?
でも、逢ってみたいんじゃなかったのか?そう思っていたんだろう、ボク?
モンスターと一緒に生きていける人、ひょっとしたら、そうだボクの望んでいた人かもしれない
勇気を出せ、勇気を出せ、勇気を出せ・・・!

「うん・・・でも・・・それはボクを、倒してからだっ!」
ち、ちがうっ!ああ、何か変なこと言ってる!違うよ。今必要なのはそういう勇気じゃないよ
倒すだなんて柄にもないことを!戦いに勝ったことなんかないクセに
すっかり気が動転してしまったんだ・・・ボクのバカ・・・
これで、倒されて、気を失って、それでおしまいか・・・ああ・・・ホントにバカ・・・
214はぐれメタル(3/3):02/07/22 21:36 ID:???
しばらくして・・・ボクは目を開けた。そして驚いた。すぐに穏やかな声が聞こえてきたから
「気が付いたかい?」
案の定ボクは負けて、やっと意識が戻った時、色んな顔がボクをのぞき込んでいた。
もう日が大きく西に傾いてたのに、彼らはまだいて、ボクを心配そうに見てくれていたんだ
なんだかおかしかったよ。怖いのに、怖いはずなのに、その時はもう震えてなかった
戦って、負けて吹っ切れたのかな?それとも、もしかして・・・安心したのかな?
そうかもしれない。そう、なんだか、とっても、暖かいところだったんだ

   『仲良くしてる理由?カンタンだよ!僕たちはみんなご主人様が大好きだからさ!』
ああ、そうか。そういうことか。やっとわかったよ。こういうことなんだね
目が覚めたボクを、さっき声をかけてくれた、彼らが言うご主人様が腕に抱き上げて
「一緒に行かないかい?」
微笑みながら、そう言ってくれた。ボクには、拒否する理由なんて、一つとしてなかったよ
信じていいかな?信じて・・・いい、よね?

そしてボクはみんなの仲間になった。
でも、今でも戦いになると怯える。ビクビクする。なかなか性格は治らない。困ったものだよ
でも一つだけ・・・いいことがあったよ。ボク、もう逃げないんだ。
だってここにいたいから。ここは、ボクが憧れていた場所、そのものなんだ
だから怖くっても、逃げなくなった。それだけでも少しは成長したのかなぁ・・・?
それに、あの時話しかけてくれたスライムは、ボクより強かった。最初はボクより弱いはずなのに
そうだ。いつか、きっと、ボクも強くなるよ。
人とも魔物とも話し合える勇気を身につけるんだ・・・ボクたちのご主人様のように
そうさ。ご主人様こそ、ボクの憧れ、ボクの目標なんだ!

頑張って!ご主人様!あともう少し・・・ボクたちも応援しているよ
最後まで心をしっかり持って、前を向いて頑張ってね
そう・・・それはあなたが、かつてボクに教えてくれたことなんだ!
215■DQ3勇者とは■:02/07/23 18:43 ID:???
 彼の存在を知らない方の方が少ないとは思うのですが、一応3の勇者について。
日本にRPGを浸透させるきっかけとなった「ドラゴンクエスト・勇者ロトシリーズ」の最終作である「ドラゴンクエスト3〜そして伝説へ・・・〜」。
その売上は380万本を記録し、RPG作品の金字塔を打ち立てた。近年SFC、GB版への移植版も発売されており、根強い人気も見せている。

 その作品の主人公であり、プレイヤーの分身でもあるのが「勇者」である。
スタート地点であるアリアハンの城下町に、偉大なる勇者オルテガの息子として生まれた勇者。
だが、そのオルテガは彼が幼い頃に「魔王バラモス討伐」の旅の途中で倒れ、帰らぬ人となった………

 そんな父の遺志を継ぐ者として、母に、祖父に、勇敢な男の子として育てられた勇者。16歳の誕生日の朝に彼の物語は始まります。
王に謁見し旅立ちの許可を受けた勇者は、自ら選んだ仲間と共に、亡き父の跡を継ぎ、旅立つのでした(勿論仲間を加えるか否かはプレイヤーの自由意思に委ねられており、孤高の一人旅を楽しむのも一つの選択肢です)。

 旅の途中で王様になってみたり、ぱふぱふ娘に引っかかってみたり、夜な夜な女王様の部屋に忍び込んだり。

 眠り続ける村の呪いを解いたり、王様に化けて民衆を苦しめる魔物を退治したり、悲しい恋人たちの彷徨う魂を解放したり、伝説の不死鳥を甦らせたり…

 沢山の試練の末に、勇者は父の悲願である「バラモス討伐」を成し遂げます。ですが、それさえも「ドラゴンクエスト3〜そして伝説へ・・・〜」の「もう一つの物語」の幕開けに過ぎないのでした…

 丁度作品自体が二部構成になっていて、今までのシリーズをクリアした方ならば、3勇者の辿る足取りを感慨深い想いで見ていた方もいたではないかと思います。どうか皆様…3勇者に清き一票をお願い致します。
 
216■公式絵(既出)■:02/07/23 18:44 ID:???
217■3回戦の既出支援1■:02/07/23 18:47 ID:???
 ■ステキな自炊のイラスト■
 (かなりカッコ良い男勇者のイラストです…構図がとにかくカッコ良いです)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715002549.jpg

(端正な顔立ちと澄んだ瞳が印象的な勇者です…吸いこまれそうです)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715013503.jpg

 (凄いです、カッコイイです、面白いです。迸るセンスを感じますッ!)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715015432.gif

 (まさに「勇者ロト」って云う感じです…ロトの紋章の使い方が素晴らし過ぎます〜)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715085657.jpg

 (凄いです…凄く詩的な絵です。一枚でこれだけ世界観が描けるって凄いと思います)
 http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t7834/imgboard/img-box/img20020715192616.jpg

 ■MIDI■
 夜のBGMです…そう云えば3で始めて「昼夜」の概念が出来たんですよね。
 http://www.seiferyk.hpg.ig.com.br/dragonquest/3/3_yasiro.zip
218■3回戦の既出支援2■:02/07/23 18:48 ID:???

 ■外部支援■

 (ドラクエ3勇者外部支援です。
 FC版公式ガイドのイラストです。)
 旅人の服
 ttp://dragonsagadensetsu.com/DragonQuest/Pictures/DQ3/DQ3heroM2.jpg
 刃の鎧
 ttp://dragonsagadensetsu.com/DragonQuest/Pictures/DQ3/DQ3heroM3.jpg
 鉄の鎧
 ttp://dragonsagadensetsu.com/DragonQuest/Pictures/DQ3/DQ3heroM4.jpg

 (ちょっと某SLGチックな勇者です〜)
 ttp://naonaomiyako.hoops.ne.jp/dq3e-lief-.htm
 (3のパーティー、勇賢賢盗)
 ttp://naonaomiyako.hoops.ne.jp/dq3e-memberkaidan.htm
 (3パーティー、勇武僧魔)
 ttp://yaten.vis.ne.jp/dq3ill01.htm
 (3勇者です)
 ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/dq3/gallery/dq3_08.html
 (ルイーダの酒場にて(1024x768 の壁紙サイズです))
 ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/dq3/gallery/party1024.html
 (同じく壁紙サイズ、ダンジョン内です)
 ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/dq3/gallery/dungeon1024.html
 (ロトの剣(王者の剣))
 ttp://yaten.vis.ne.jp/dq3illyk01.html
 ttp://www.asahi-net.or.jp/~ur4y-hsn/DQ/GALLERY/ken.html
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/gallery/vsdark.JPG (バラモス戦)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/gallery/dq3.JPG (勇者パーティ)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/gallery/hirune.JPG (休息)
ttp://korin560.hoops.ne.jp/dq-illust/goro/dq3/su_712.jpg (横顔)
ttp://www.susuki.sakura.ne.jp/~gun/3brave_mtop.html (横顔 その2)
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/7174/okanouede.jpg (海を見る勇者)
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/7174/smile_3yuu.jpg (鳥山調笑顔勇者)
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/7174/3yuu_diary.gif (鳥山調勇者)
ttp://akari1492.cool.ne.jp/dq3/gun2.jpg (正面を向く勇者)
ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/illust/party_02.jpg (勇者一行)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/yuhbu1.jpg (勇者と武闘家)
ttp://www.moon.sannet.ne.jp/lyric/image/dq/ale_sari.jpg (勇者&女賢者)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/yubutop11.jpg (勇者二人)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/gall13.jpg (勇者幼少時)
ttp://isweb36.infoseek.co.jp/play/yuhbu/gall1.jpg (勇者&武闘家)
ttp://nino.m78.com/ges/images/top22.jpg (勇者&賢者)
ttp://nino.m78.com/ges/images/illust24.jpg (勇者)
ttp://popup3.tok2.com/home/ryu87/3room/dq3_01.JPG (勇者横顔)
ttp://popup3.tok2.com/home/ryu87/3room/dq3_02.JPG (すこし幼め勇者)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/picgallery/pic12.jpg (勇者&遊び人女)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/picgallery/pic7.jpg (勇者&僧侶)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/darkside/epson.JPG (勇者&僧侶)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/darkside/healing.JPG (僧侶にホイミをしてもらう勇者)
ttp://www4.org1.com/~chiezou/dq/dqgallery/darkside/va-a.JPG (チョコを貰う勇者)
ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/illust/dungeon_01.jpg (岬の洞窟で)
ttp://www.ucatv.ne.jp/~surime93.sky/illust/top004.jpg (勇者様々な表情)
220ケット・シー支援 ◆CAIT4zhw:02/07/24 00:25 ID:???
ケット・シー支援SSの為、6レスほどお借りします。
タイトル*/6:地名 の形で、作中の進行に準じて進んでいます(…多分)。


【FF7未プレイの方へ】
ケット・シーとは主人公(クラウド)一行へ送り込まれた神羅組織のスパイロボット。
(外部ですが公式設定、ttp://pacolyn.org/FF/FF7/caitsith/caitsith-art.jpg
操縦者は神羅本社の社員リーブ。
ゴールドソーサー(遊園地みたいな場所)からパーティーに加わり、以後主人公達と
行動を共にします。
占いが趣味らしい。そして何故か関西弁。(説明書より)
221闘う者達1/6:神羅ビル:02/07/24 00:26 ID:???

「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」

 頭をもたげるその言葉。罵声と共に提出したばかりの書類が降り注ぐ――それは、
リーブの記憶に残る苦い思い出だった。


 神羅カンパニー都市開発部門の現部長であるリーブは、中年を過ぎたごく普通の男
である。職業は? と問われれば、間違いなくサラリーマンと答えるだろう。その実、
彼は給金と引き替えに労働力を提供している身であった。
 リーブが入社して数十年が経つ。彼が現在のポストにまで昇進出来たのは、ひとえに
その手腕と適性が買われての事だった。都市開発部門で働く者達からひろく慕われる
“理想の上司”。それが神羅内におけるリーブの姿だった。

 サラリーマンにとって、上司の命令は絶対である。
 それは、自分の意志とは関係なく遂行せねばならない。言ってみればそれが「プロ」
だ。その意識は同じ社内にある総務部調査課――通称タークス――のメンバーにも
共通している思想だった。
 今回、上層部が彼に対し秘密裏に命じたのが『諜報活動(スパイ)』だった。
よく考えてみれば都市開発部門の部長に任せるような仕事ではない気もする。
何より彼の性格上、本来ならば気が進まない仕事である筈だったが……。今は事情が
違った。先日の壱番魔晄炉爆破テロ事件にも関連するとあっては、自然と力も入る。

「どんな理由があろうと、多くの住民達と街を破壊する行為を許せる筈はありません」

 対策会議の席上、彼が言い放った言葉が印象的だ。
 その熱意を買われ、今回この任に抜擢されたのだった。

『当たるもケット・シー〜、外れるもケット・シー〜。どや? 占ってみるか?』
 …………。
 いくら敵に正体を悟られまいと演技すると言っても、故郷の訛を使い、戯けたキャラ
クターを演じるのには抵抗――少なくとも、社内の人間には見られたくない姿だった。
 元々、入社した直後に上司から「訛を治せ!」と怒鳴られ馬鹿にされて以来、彼は
必死に標準語を覚えた。捨てたはずの故郷の訛が、こんな所で役に立とうとは……。
皮肉げな笑みを浮かべながら、遠隔地にいるケット・シーの操作を続ける。
 自分の行為に対して引っ掛かりが全く無かった訳ではない。だがそれ以上に結果を
求められる立場にあった。形振りなど構っていられない、と言うのが本音だった。

 無事に彼らとの接触を果たした直後に訪れたのが、砂漠の監獄・コレルプリズン。
そこでリーブが見たのは、忌むべきテロ首謀者・バレットの過去。

 携わる仕事が都市開発と言う性質上、魔晄炉が住民にもたらす恩恵や経済効果など
『数字』に関しては誰よりも熟知している。魔晄炉誘致に関する裏取引も……確かに
あった。だが。
 だが彼がここで直面したのは、そんな物よりももっと生々しい現実だった。自分が
組する『神羅』という組織が引き起こし、やがて隠蔽された悲劇。
 そこで繰り広げられていたのは、数字やデータの遣り取りではない。人の生き死に
という度し難いものだった。

「私は……今まで私がして来た事は……」
 ――何だったんや?!

 彼はミッドガルの建造から携わってきた。人々の要望に応え、住みよい街を創る。
それが自分の信念であり、何よりも支えだった。そしてそれは結果として形に現れた。
 けれど。
 彼が見ていたのは、現実のほんの一面に過ぎない。
 長年をかけて積み上げてきた自信。それに裏打ちされた信念は、この時音を立てて
崩れはじめたのだった。

 コスモキャニオンで、一行はたき火を囲んで座っていた。
「こんなん何年ぶりやろか……。な〜んや、色んな事思い出しますなぁ」
 不意に話しかけられて、口をついて出たのはケット・シー“操縦者”の本音だった。


「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」


 ……若い頃。
 自分の思いが上手く結果に反映されなかったことを悔やんだ日々。早く一人前になり
たいと上を見上げて頑張った毎日――それはちょうど、今のナナキと似たような心境
だったのだろう。

 はっと我に返ってリーブは苦笑した。
 自分は諜報活動の真っ最中である筈なのに、何故こんな風に考えてしまうのだろう。
 ケット・シーは遠隔操作ロボットだ。だからこの時のリーブの表情を見た者はいない。
 諜報活動――それは、彼にとって孤独との戦いだった。


「求められているのは“結果”だ。それ以外の何物でもない」
 ロケット村でパルマーの醜態を目の当たりにした上層部からの圧力。自身の行動への
疑念。その両方に、リーブは追い詰められていたのかも知れない。
 その後一行はキーストーンを求め、再びゴールドソーサーへ向かう事となる。

 作戦の決行は、その夜とされた。

 手筈通りロープウェイが故障。一行をこの地に引き留めることに成功した。
作戦決行は今夜。
 クラウド達の得たキーストーンを奪い、ツォンへ引き渡す。
 これがリーブに課せられた任務だった。

「……なんや予定外の事態や!」
 決行を夜中に選んだのは正解だった。しかし、予期せぬ事態に見舞われる。
個人行動中のクラウド達に、自分の所業が発覚したのだ。
『ふざけるな! スパイだと分かってこれ以上……』
 ケット・シーに対してクラウドが叫ぶのももっともだ。スパイだと知れた以上、
自分の言葉に聞く耳など持たないだろうな。
「ほな、どないするんですか? ボクを壊すんですか? 
そんなんしても、ムダですよ。この身体、もともとオモチャやから」
 これが壊されても、またすぐに新しい物を向かわせれば良いのだから。

 しかしそれも予測済みである。
 リーブは“切り札”を出した。人質との交換条件で自分の同行を認めさせたのだ。
彼自身も苦笑する程、なんて卑劣で周到な……さすがは都市開発に携わっただけあって、
それは抜け目のない完璧な“交渉”だった。

 卑怯者と罵られようと、蔑まれようと。彼は他に方策を見出せなかった。
 それに……。
「命がけで旅続けるあんた達見てるとな、考えてしまうんや……。なんや、自分の人生
このまま終わってしもたらアカンのとちがうかな、ってな」

 こうしてクラウド達と共に、古代主の神殿へ向かう事となった。
225闘う者達5/6:古代種の神殿:02/07/24 00:31 ID:???
『私は……まだ、生きてる……』

 総務部調査課“タークス”を統括する男の言葉が、回線を通して神羅本社にいる
リーブの耳に届く。
 何故だろう? その言葉に何かを感じた。語に尽くしがたい感情を抱く。

「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」

 何故だろう? 最近よくあの頃を思い出す。元上司の罵声と共に甦る記憶。
 なぜ今になって……。
 しばしの間、リーブの思考は時を止めた。

 ケット・シーからもたらされた音声によって、止まっていた思考は再び動き出した。
声の主はクラウドだ。
『あいつら、命を投げ出して黒マテリアを手に入れるくらいなんでもない。
この場所はもう安全じゃないんだ』
 ――彼らの話によると、どうやら黒マテリアを持ち出すには、一人が神殿内に残り
パズルを解く必要があるらしい。内側から神殿のパズルを解くと、最後は黒マテリア
の中に閉じこめられる仕掛け。いわばセトラの残した太古のセキュリティシステムだ。
 リーブは無意識のうちに回線を繋いでいた。
ケット・シーを通してクラウドに呼び掛ける。
「この作りモンの体、星の未来のために使わせてもらいましょ」
 臆することはない。ケット・シーは量産型ロボットだ。……代替はいくらでもある。

 心情的な後ろめたさへの贖罪行為、さらに黒マテリア確保と言う戦略的な判断
……どちらにせよ、それが今執れる最善の策だった。
 躊躇するクラウドを説得し、ケット・シーを操縦して神殿奥へと向かう。
「スパイのボクのこと信じてくれて、おおきに! ……ほな、行ってきます」

『がんばって、ケット・シー!』

 かけられたエアリスの言葉が、彼に道を示した。
226闘う者達6/6:〜最終決戦:02/07/24 00:32 ID:???
 そうか……。そう言うことだったのか。
 今更ではあるが、リーブは探し続けていた“答え”に出会ったような到達感、
あるいは充足感を感じていた。

 ――君の代わりならいくらでもいるんだよ?
 「この同じボディのが ようさんおるんやけど このボクは、ボクだけなんや!」
 ――やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ
 「ほな、行きますわ! しっかりこの星を救うんやでー!」

 そう。自分と同じ“人”は何人もいる。
 けれど、“自分”にしか出来ないことがある。
 それは、部署も組織も、立場や年齢も関係ない。
 クラウド達は――彼らは、それを知っていた。
 自分の持っていなかった、あるいは忘れてしまった物を。

 最後まで、彼らについて行こうと決心した瞬間だった。
 たとえ、今度は神羅を裏切るスパイになったとしても。

「すんませんけど、この作りモンのボディで頑張らせてもらいます」

 リーブは普通のサラリーマンで、体力や戦術面で彼らにかなう筈はない。
ましてやセフィロスになど生身の自分では一太刀を浴びせる事も叶わないだろう
 ならば。

 自分の出来る闘い方で――星を救ってみせようじゃないか。
 この“相棒”と共に。
過去のログは参照不可だったのね。私としたことがよく調べもしないで
変な風に貼ってしまって申し訳ない。1回戦既出の外部支援纏めよ!

Round5-745さん外部支援集
 ちなみに……中には偽物ルード先輩もいるわ。気を付けて。
 ttp://www.ne.jp/asahi/daiso/homepage/big1.html 3Dルード
 ttp://www.ne.jp/asahi/daiso/homepage/big2.html 3Dルード
 ttp://keyiland.vis.ne.jp/hige/ima/falcon.jpg ルード
 ttp://www03.u-page.so-net.ne.jp/pb3/motokos/umjkm/itadaki/tarks.JPG タークス4人
同スレ-747さん外部支援
 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Domino/9797/giichi2-p.htm
同スレ-748さん外部支援
ツォン氏
 働く男。という威風堂々たる絵が素敵です。
 ttp://balamb.cool.ne.jp/GP/gp_zeng.html
レノ氏
 ……か、格好(・∀・)イイ!……と言うより、少し悪っぽい。
 ttp://www.cx.sakura.ne.jp/~hatikva/cg/leno3.html
レノ氏
 作中、ここまで想像できませんでしたよ(少し今風?)
 ttp://www.cx.sakura.ne.jp/~hatikva/cg/leno.html
イリーナ氏
 横顔が凛々しいです。    
 ttp://nonsense.m78.com/pict/irina.jpg
ルード氏
 ……か、可愛いんですが(w。
 ttp://www.rx.sakura.ne.jp/~kobuta/9ff_cg/gift1/9ff_gift_ranmasan2.jpg
纏めその2よ。

▼MIDI
タークスのテーマ(MIDI)
 忘れてはならない、この曲と共に登場するタークスの面々。彼らのイメージが沸いてきます。
 ttp://members.tripod.co.jp/nanga/turks.htm
▼イラスト
タークスの方々[1]
 文字化けして解説が読めないけど、レノとツォン(と副社長か?)
 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/7308/garally/ita/fromtarock.htm
タークスの方々[2]
 個性が出てます。
 ttp://www.cronos.ne.jp/~doka-herumetto/rakugakifail/turks.htm
FF7裏方パーティー
 ルーファウスとタークス一団。神羅発売「FF7」の表紙を飾ってそうな雰囲気
 ttp://village.infoweb.ne.jp/~yumeko/world/cg/rt.jpg
タークス三人衆(イリーナ除く3名)
 普通に格好(・∀・)イイ! 絵。
 しかし、とりあえず、このページの文章を読むことを激しくお薦めします。
 ttp://crack.cside9.com/factor/gallery/ff7/I/turks.htm
▼ちょっと笑える系統
タークスインタビュー「ルード先輩は漢です。」
 掛け合いも面白いが、イラスト入りで結構凝っている。イリーナによるルードレポート
 ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/7308/tuy/tuy02/tuy02.htm

同スレ-783さん外部支援
ウータイでの台詞集。(ユフィ・イリーナ救出時)
 ttp://www.h4.dion.ne.jp/~dennan/lg6.html
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230山崎渉
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