重力発生装置を切り、ラグナロク内は無重力になった。
スコール「あっちの席に座れ。じっとしてろ。
(リノア、スコールの座るシートの上に落っこちてきて抱きつく)
リノア「帰れるかな。
スコール「……たぶんな。
シートに座ってろ、ベルトをしめろ。
(スコール、隣のシートをリノアに示す)
リノア「もう少しこうしていたい。
(スコールに身を寄せるリノア)
スコール「なあ、どうしてこんなにくっつきたがるんだ?
リノア「スコールは、こういうのイヤ?
スコール「慣れてないんだ。
リノア「子供の頃は?
両親に触れたり・触れられたり、
だっこされたり……安心しなかった?
スコール「両親……知らないんだ。どんなに記憶を辿っても出てこない。
ああ、でもエルオーネがいてくれた。
エルオーネが一緒にいてくれて手をつないでてくれた。
リノア「安心できたでしょ?」
スコール「そうだな。
でもいなくなった。引き離された。
それからかもしれない。
安らぎ……ぬくもり……そういうのが怖いんだ。
リノア「失うのが怖いから、それなら最初からいらない?
だから仲間なんていらないっていってたんだね。
スコール「……いやな子供だな。
リノア「スコールはそうやって……
そうやって、楽しいことやうれしいこと
たくさん逃してきたんだね。
それってきっとすっごく損したと思うな。
スコール「……かもな。
リノア「絶対だよ。
(リノア、スコールにしがみつく)
リノア「わたしは……こうしてるの、好きなの。
お母さんに抱かれたり、くっついているのが好きだった。
優しい頃のお父さんにもいつもくっついてた。
スコール「俺はあんたの親じゃない
(リノア、くつくつと笑う)
リノア「もちろん。
スコールは、いま、わたしに一番安心をくれるひと。
安心させてくれたり、喜ばせてくれたり……いろいろくれる人。
ま、がっかりも、腹立ったりも、
ジリジリさせられるのも多いんだけどねぇ
(リノア、再び笑う)
スコール&リノア「悪かったな」
スコール「そろそろ自分のシートに戻れ。
リノア「もう少しだけ。
わたしたち無事に帰るんだよね。
スコール「そう信じるしかないだろ?
リノア「帰ったら……一緒にいられなくなるね。
スコール「……かもな。
未来のことはわからない。
保証なんて誰にもできない。
そう言ってたのはリノアだろ?
リノア「そういう意味じゃない
スコール「帰ってからのことは……帰ってから考えるさ。
この後、魔女の力を受け継いでしまった所為で
リノアはエスタに連れてゆかれ、二人はまた離ればなれになります。
スコールはリノアを取り戻すことができるのか。
それとも、この機に乗じて電波娘を封印しちゃうのか。
続きはゲーム本編でお楽しみください……。