今更!! ギガスラッシュを偲ぶスレ

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190DQ7入場(2/6)
すでにキーファとカシムがソファーに座っていた。
「よう、アルス。久しぶりだなあ。元気にしてたか?」
ソファーに身体を投げ出し気味にしてくつろいでいたキーファが、脳天気な声を出す。
途端にアルスは頭が沸騰しそうになり、思わず大声を出していた。
「元気にしてたか、じゃないよっっ。キーファに会えなくなって王様やリーサ姫がどんなに
嘆かれたかわかってんのかっっっっ!」
「おいおい、久しぶりの再会でいきなり怒るなよ〜」
立ち上がってそばに行き、ぽんぽんと肩を叩く。
キーファのそんな仕種が余裕に満ちている事にも腹がたつ。
「キーファはいつだってそうやって僕をごまかそうとするんだっっ」
「ごまかしてなんていないさ〜。久しぶりに会ったのに急に怒るから……」
「きょ、今日だって、バーンズ王がどんなにここに来たいと言っておられたかっ」
「げっっ、親父に直接会うのは勘弁してくれ」
「なんでだよ、王の気持ちがわからないわけじゃないだろっっ」
「わかるから、だよ………自分のした事がどれだけ親不孝だったか、わかってるさ。
だから尚更……会わせる顔がない、ってやつさ」
「本当に王に悪かったと思ってるのか?」
「悪かった、というとちょっと違うんだが……。説明不足だったというか、フォローが
足りなかったと反省はしてるさ」
…………共に旅していた頃よりも多少大人になったようなキーファの言葉に、
アルスは怒りをおさめる事にした。
「ああそうか。さっきは名前だけの自己紹介だったから、一体どんな人だったか
思い出せなかったんだが……こちらの色男は、女に惚れて国を捨てた王子サマだよな?」
カシムがのんびりと口を開いた。途端にキーファの顔が紅潮する。
「なっ……おいアルス! どういう説明してるんだよ、俺の事!?」
「いやいや、ただひとりと心に決めた女性を想って生きるのは、悪い事ではないさ。
私だって、あの人への思いがなければ、決闘場を生き抜く事は出来なかっただろう
(当時を思い出して、ひとり感慨にふけり始める……)」
「カシム、なんでぼ〜っとしてんだ? まだ足が短い事を気にしてるのか?」
「ぐっ………ガボ、その話はやめよう……」
皆の視線が下半身に集中するような気がして、カシムはソファに腰掛け直した。
191DQ7入場(3/6):02/07/19 23:41 ID:???
その時、再び扉が開いて、今度はメルビンがやってきた。
「おやおや、皆さんお揃いのようですな。遅れてしまってかたじけない」
「シャークアイのおっちゃんがまだだぞう。だけど、メルビンも元気そうだな〜。
神殿でいいもん食ってんのか?」
「ははは、ガボ殿は相変わらずでござるな。元気でござるよ」
ガボとメルビンを眺めつつ、キーファがそっとアルスに囁いた。
「この時代錯誤な話し方のご老人は一体?」
「老人とは、初対面からあんまりなお言葉ですな、キーファ殿。時代錯誤と呼ばれても
仕方ないでござるが。何しろ、数百年もの間、石にとじこめられておりましたからなあ」
はっはっはっと豪快に笑うメルビンに、キーファはアタマをかいた。メルビンは
意外と地獄耳らしい(註:こんな話はゲーム中に出て来ませんが)
「私の名前はメルビン。キーファ殿が暮らしておられる時代よりもずっと前に、
神に封印されてしまった情けない男でござるよ。神と共に魔王とを討つはずでござったのに。
ひとり戦っておられた神の姿は、今でも目に焼き付いているでござる……」
「でも、魔王を倒して神の仇を討ったんだろう? 今さらそんなに暗い顔をする事はないさ」
フッと笑みを浮かべるカシムに、メルビンも笑みを返した。
「そうでござるなあ。まあそれに、正確には仇ではなかったのでござるが。神は生きて
おられましたからなあ」
「そうだね。神には驚いたね‥‥あんなに鍛えたなら自分で対戦してくれても……」
何やらしみじみとし始めたアルスとメルビンに、キーファはガボの顔を覗き込んだ。
「神は無事復活したのか?」
「カミってどれだ? おいら一杯カミって言葉知ってるぞ?木こりのおっちゃんが字を教えて
くれるやつの事か?」
「………ごめん、悪かった。ガボに聞いた俺が悪かったよ」
困り顔のキーファを見て、アルスはちょっと笑った。