今更!! ギガスラッシュを偲ぶスレ

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177眠 ◆7J..NEMU
(…青空、見えなくなっちまったな)
崩壊した世界の空は朝も夜も濁っている。
高い山に登ればうっすらと青空も見えようが、そんな場所の殆どが魔物の巣窟に
なってしまっている。
力の無い人々には青空が拝めない。
(また見れれば良いんだけどな…)
十七歳で修業を始めたマッシュも、今ではすっかり一人前の格闘家と呼んで良い
実力を持っている。
帝国と戦うために兄達と山を降りたのは一年ほど前のことだった。
その後…思いだしきれないくらい沢山のことがあったが、帝国の魔術師ケフカが
暴走したことで世界が崩壊したあの日に仲間達は離れ離れになった。
常日ごろから鍛えられた頑丈のマッシュの体は、幸運にも殆ど傷を負わず草原に
落下したのだ。

「手がかり、ねぇなあ」
満足に動けるようになってからはずっと仲間を探している。
死んでしまった者がいるのではないか、などとは微塵も考えなかった。
皆、生きてこの世界のどこかにいるはずだ。
そう思うと探さずにはいられなかった。
空を見上げる。
「いつも真っ赤なんだよなー…夕方でもないのに」
同じ空の下に仲間達がいることを信じてただひたすら歩く日々。
なんの手がかりも無しに無謀な行為だとは解っていても、無駄なことだとは
思わない。
こうして人のいる場所を辿っていけばいつかきっと手がかりが見付かる。
かつで共に戦った仲間との再会は、彼の考えられる唯一の平和への糸口だった。
今この世界は病んでいる。
人々はケフカの魔力による崩壊を恐れて隠れるように暮らしている。
罪の無い人々の脅えた顔を、それ以上にケフカのことを、
マッシュの正義感は許せなかった。