>>139 主君との、家族との、故郷の人との…
仲間であった導かれし者たちのそれぞれの再会を見届けた勇者は、
ひとり気球に乗って最後の目的地へと向かう。
故郷である山奥の小さな村……だったところへと。
気球を降り、村に入った勇者を出迎えたのは変わらない光景。
勇者といわれた自分を亡きものにせんと、魔物達が大挙して攻め込み、
そして、幼馴染であるシンシアが自らの身代わりとなったあの日から、
すこしも…変わっていない。
破壊された家屋、踏みにじられた草花、ところどころに残る毒の沼…
かつてシンシアとよく過ごした花畑であった毒沼に歩み寄った勇者は
そこではじめて天空の装備を解いてしゃがみこむ。
うなだれて、大きなため息をついて。
自分には……誰も…いない…… というかのように。
…………!
どこからか涌き出てきた光の粒子。よみがえる草花たち。
そこへ……、天空より一条の光。
訝しげに見守る勇者の目の前に、光より現われたのは
片時も忘れることなどなかった少女……、シンシア…!!
ふたりは、しばしお互いを見つめ…駆け寄って抱き合う。
再会の喜びを分かち合うかのように。
ふと振りかえると、そこには見覚えのある7人。
かつての、そしてこれからも大切な仲間たちが、そこに、いた。
―――そしてエンディングロール―――
The end