☆☆FFDQ板最萌トーナメント二回戦Round10☆☆

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369R
 ガーネット、っていう宝石を知っている?
 夕日のような、深い、紅の色の宝石。
 複雑なカットにも耐える石で、磨きをかけると、それはそれは綺麗に輝く宝石なのよ。
 この色がわたしの黒髪に似合うからって、よくドレスや髪に飾られたわ。
 パレードやパーティ、いろいろな華やかな席で。
 でもね。
 いくら綺麗でも、宝石はしょせん飾りもの。
 ガーネット……その名前を冠したわたしも、単なる飾りものに過ぎなかったような気がする。
『お姫さま』という名の、中身なんて何にもない、ただのアクセサリ。
370R:02/04/21 20:21 ID:rp5PfgLQ
 ――だからね。
 偽名を名乗ろうって決めたとき、わたし、今度こそ飾りものの名前はいやだ…と思ったの。
 だから、ジタン。あなたが持っていた、小さな刀の名前をもらったわ。
 『ダガー』。
 小さくてもいい。
 弱くてもいい。
 わたしは、飾りにしかならない<ガーネット>じゃなくて、自分自身の力で戦える<ダガー>に
なりたかったの。
 誰かを守れる、誰かのために戦える……<ダガー>になりたかったの……。
371R:02/04/21 20:22 ID:rp5PfgLQ
 ねえ。
 みんなに守られながら、助けられながらだけど、わたし、この旅の間で少しだけ強くなれた気がする。
 だから、わたしにとって<ダガー>という名前は、大切な大切な名前よ。
 お母様からもらった名前ではなくて、自分のために、自分でつけた名前だけれど。
 だからこそ大事に思えるの。
 変かしら、こういうのって。
 でもこの名前を名乗るとき、わたしはたまらなく誇らしいの。
 変、かしら……ね?