☆☆FFDQ板最萌トーナメント一回戦Round7☆☆
「お昼ご飯、出来たわよー!」
わたしが声をかけると、甲板に居たみんながいっせいに振り向いた。
みんな、待ってました、と言わんばかりの顔。
ふふ・・・みんな、お腹が空いてたのね。
「キッチンに用意してあるからね。」
みんなの方に向かって歩きながら、わたしがそう言うと、みんなは大きく頷いて、いっせいに走り出した。
「わたしたちの分も残しておいてね〜」
昨日はわたしとリュカの分がほとんど残らなかったから、一応言っておかなきゃね。
でも、作った料理を全部食べてもらえるのって嬉しいな・・・
そんなことを思いながら、甲板の方に振り返ったんだけど・・・
あれ?
いつもだったら、『ありがとう』って言いながら、みんなより一歩遅れてくるリュカが居ない。
「リュカ〜?」
名前を呼んで、きょろきょろと見まわすと、ちょうど船室の影になったところに
リュカの紫色のマントがちらりと見えた。
でも、呼びかけに答えてくれない。
心配になって、わたしは小走りでそっちに向かった。
「リュカ?」
角で立ち止まって、覗き込むと、リュカが脚を崩して座り込んでいた。
具合、悪いのかな・・・?
なんだか、急に不安になる。
「リュ・・・・」
もう少し大きい声で呼びかけてみようと、しゃがみこんだら、
すう・・・すう・・・・・・
って・・・くすっ・・・なんだ、寝ちゃってたのか。
不安でドキドキしていた心臓が元の速さに戻った。
大きな寝息と少し俯き加減になった寝顔が、すごく気持ちが良さそう。
起こさないようにそっと隣に腰を下ろすと、腕が触れあった。
ほんの少し掠めただけなのに、胸がまた、ドキドキとし始めた。でも、さっきとは違うドキドキ。
ほんの少し寄りかかって、腕を押し付けてみる。
寝息に合わせて肩と腕が上下してるのが、腕だけでも感じられる。
ちらっとリュカの顔に目を向けると、まだまだ起きそうにない感じ。
それはそうかも。
今日はすごくいいお天気だもんね。
お日様もあったかくて、風も気持ちいい。
昨日の嵐が嘘みたい。
こうやって、隣に座っているだけなのに、どうしてかな・・・
すごくドキドキするの。
ねえ、わたし・・・いつも、リュカが起きてると、相変わらず
お姉さんぶっちゃったりするけど、ホントは照れちゃってるだけなんだよ?
知ってた?
自分から、こんなふうにくっつくのって、リュカが起きてると、なんか照れくさいんだもん。
・・・・・・リュカが起きてる時も、こんなふうに出来たらいいね。
今はまだ、リュカが寝てる時しか、自分からくっつけないけど・・・
もうちょっとしたら、リュカが起きてても、こうやってくっつけるようになるかな・・・
心の中で、そんなことを呟きながら、わたしはリュカの肩に頭を乗せた。
そのすぐ後に、リュカが目を覚ますなんて思わなかったから。