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362キラーパンサー
俺はアイツのニオイが大好きだ。
一度アイツのニオイを失くした事があった。
だから、再び出会えた時はとても嬉しかった。
二度と失くしたくないと思った。
アイツがいなくなった遺跡から、
唯一アイツのニオイが残ったアイツの親父の剣を引き上げて
洞窟の奥でずっと引き篭もってたのは、やっぱりアイツに会いたいからだったと思う。
長く居過ぎた所為で、野生の獣に戻ってしまったけど、
アイツはちゃんとオレを見付けてくれた。見分けてくれた。

元々オレは、ニンゲンの町に迷いこんでしまった、キラーパンサーの子供だった。
成長すると、強くて鋭い体躯得るが、小さい頃はそこらのペット動物と変わらない。
だから、そこでオレは珍しい動物扱いをされ、小さいニンゲンに苛められていた。
それをアイツとアイツの連れのニンゲンが、庇いに来てくれた。
今まで会った事のない、暖かい日向のニオイがするニンゲン。
そんなアイツを俺はすっかり気に入ってしまった。
一緒にいたニンゲンも負けないくらいいいニオイだったのも覚えてる。

そんな幸せな日々は長く続かず、
ゲマ、と言う魔物によって砕かれてしまう。
アイツの親父が殺された時のアイツの顔が焼きついて離れなかった。
何も役に立てずにのされてしまった自分が呪わしかった。
小さいままの身体が煩わしかった。

オレは、強い後悔の気持ちを抱え、アイツを探して独り旅を続けたけど、
アイツは見付からなかった。
その間に出会ったニンゲンはよくないニオイをさせてる奴らばかりだった。
その上、抱えた後悔の所為か、オレの身体はどんどんでかくなっていった。
周りのニンゲン達はオレを恐怖の対象としてか見なくなり、
どんどん開いた心が閉じていったのを覚えている。
363キラーパンサー:02/07/22 22:24 ID:???
そうして、オレはあの洞窟でアイツのニオイを忘れないように
アイツの親父の剣を抱えて閉じこもるようになったのだ。
だが、ある日そんなオレの所に懐かしいニオイが飛び込んできたのだ。
アイツの側にいたニンゲンのリボンのニオイだった。
心を閉ざしてしまったオレは最初の内は気付かなかったが、
アイツはちゃんと覚えててくれたんだ。
アイツだって分かった後はすぐさまアイツの胸に飛び込んだ。
嬉しかった。もう、オレはアイツに会えないと思っていたから。

しばらくぶりに見るアイツは、昔のような日向のようなニオイをさせている訳ではなかったが、
代わりに宵の月を眺めるような優しい気分にさせてくれるニオイをしていた。
その違いに最初は戸惑ったが、アイツには変わりないようだった。

その後、アイツと旅を続け、再びアイツと離れてしまう。
けど、アイツには家族が出来ていた。
その中にオレの居場所も出来ていたんだ。
オレはアイツの、そして自分の居場所を守る為に戦うようになった。
他のヤツらもきっとそうだ。
細かい理由は違うかもしれないけど、
皆アイツの事が好きだからこの場所を守り続けるんだろう。

そうしてオレは、そしてオレ達は自分の居場所を得た。
これからもこの場所を守り続けるだろう。