http://game.2ch.net/ff/は差別だ!
拙者はスライム族の中でも特異な育ち方をする、
スライムナイト族のピエールと申す者でござる。
本日は我が主人である、5主人公殿の応援に参った。
だが、少々拙者の種族に関しても述べさせて頂くので勘弁していただきたい。
拙者の一族は、そもそも生存率が他の一族に比べて極端に低い。
何故なら、この身体の本体はあくまでスライムの部分であって、
騎士の身体の部分ではないからだ。
むっ、スライムの形が本体ならば、このような口調でしゃべるのを可笑しいと申すか?
だが、心は常に主人に仕える騎士そのものなのだ。
よって拙者がこのしゃべり方をしているのは我が種族のプライドでもあるのだ。
さて、少し話がそれたが、生存率の低さに戻る。
普通のスライムがある程度大きくなると、
どのような種族になるかを決める事を迫られるのだが、
スライムナイトを選択するスライムは少ない。
何故なら、騎士の部分は強い邪心をもっており、
その芽を生やすときにその邪心に心を乗っ取られ、
人間を襲うスライムになってしまう事が多いのだ。
さらには、芽を生やす事は強烈な痛みも伴う。
それらに打ち勝って初めて自我を保つ事が出来るのだ。
拙者がそこまでの危険を侵して、スライムナイトになる事を決めたのは
実は我が主人の母、マーサ様の為なのだ。
幼いスライムの頃、あの方に並々ならぬお世話になり、
やがて悪に狙われている事を知り、その御身を護る為に敢えてその試練に身を委ねたのである。
結果、見事自我を持つスライムナイトになれたのではあるが……。
マーサ様は自身の恋人と一緒に駆け落ちをなされてしまった。
ショックを受けた拙者は野党に身をやつし、
日々を過ごす内に大魔王の悪しき魔力に支配され、悪の手先となってしまう。
そんな時に拙者と戦い、正気に戻してくれたのが、我が主人なのだ。
その不思議な瞳にマーサ様の面影を感じはしたが、
よもや、その息子だとは思いもしなかった。
だが、その偶然に今は感謝している次第である。
間接的にとは言え、マーサ様の手助けをするという、
拙者の望みは叶っているのであるから。
そして、何より我が主人はマーサ様の面影を持つだけの青年ではない。
父親の血にも恵まれた所為でもあろう。
奴隷時代の過酷な労働により鍛え抜かれたその筋肉は、
拙者との剣の稽古で充分に分かる程だ。
何より、拙者が悪しき魔力に支配されていたとは言え、
剣での勝負をして破れた事があるのだ。
この身を剣に捧げてより20年以上、あのような若者に敗れるとは思いもしなかった。
……このような我が主人ならば、きっとマーサ様も助け出してくれると信じている。
他の方々も応援をお頼み申す。それでは失礼つかまつる。