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175ビアンカ支援(1/3)
「そうだ。せっかくだから、君たち二人、このサラボナで式を挙げていきたまえ。」
ルドマンは上機嫌でそう言った。
フローラかビアンカ、どちらかを選べ、と言われ、リュカはビアンカを選んだ。
これから先の人生を共に歩く伴侶として、彼女を選びはした。
けれど、式を挙げることなど、考えてもいなかった。
天空の盾をやろう、と言ってくれただけでも、正直、驚いたのに、式まで挙げてくれると言う。
リュカはこの申し出にどう答えるかを問いかけるかのように、ビアンカの方を見た。
ビアンカもまた、驚いたような、少し困ったような顔でリュカの方を見ていたが、リュカと目が合うと、一つ息をしてルドマンの方に向き直り、まっすぐに彼を見て口を開いた。
「ルドマンさん、式を挙げてくださるというお申し出、本当に心から感謝しています。」
その言葉にルドマンが満足そうに頷くと、ビアンカは緊張した表情で言葉を探すようにしながら、ゆっくりと続けた。
「ですが、そんな事までしていただくわけには、いきません。」
ルドマンが驚いたように身を乗り出した。
「なぜだね?」
「その・・・わたしはフローラさんの結婚話をうやむやにしてしまいました。
それなのに、リュカに盾を下さると、ルドマンさんはおっしゃって下さいました。」
リュカが隣で頷くのを感じて、ビアンカはまた続けた。
「ですから、これ以上、ご厚意をかけて頂くわけには・・・」


「何を言っておる。わしは君たち二人を気に入ったのだ。
わしがやりたくてやるのだから、君らがそんな気遣いをするなど無用。心配せんでよろしい。」
「で・・・でも、わたし・・・・・・」
ルドマンの言葉にビアンカは困りきった顔になった。
「なんだね?」
「その・・・お嫁に行く準備なんて、何も出来ていないですし・・・」
「・・・ふむ。そうか。それは確かに困ったな。
いくらなんでも、花嫁がドレスを着ないわけには・・・」
176ビアンカ支援(2/3):02/05/14 01:30 ID:???
「お父さま」
ルドマンの言葉をフローラがさえぎった。
「わたくしのドレスがありますわ。」
「ふむ・・・そうだな・・・」
彼女はにっこりと微笑みながら、ビアンカに歩み寄った。
「ビアンカさん、わたくしのでお構いにならないのでしたら、私のドレスを着て下さい。」
フローラのこの申し出に、ビアンカは先ほどのルドマンの申し出があったとき以上の驚きの表情を見せた。
けれどビアンカは、自分を落ち着かせるように、瞳を閉じてから一度深呼吸をすると、
ゆっくりと目を開いて、フローラに微笑みかけ、ゆっくりと首を横に振った。
「ありがとう、フローラさん。でも、それは出来ないわ?」
フローラが不思議そうに首を傾げた。
「どうしてですか?ビアンカさんとわたくし・・・見たところ背格好がほとんど同じですから・・・」
「そういうことじゃないんです。
そのドレスは、あなたのお父様とお母様が、あなたがお嫁に行く時、着るために用意をしてくれた
大切なものでしょう?」
フローラが頷くのを待ってからビアンカは続けた。
「だったら、そんな大切なものを人に貸したりしたらいけないわ?ね?」
「ですが・・・あの、急にこんなことを言うのもおかしい気がするのですが、
わたくし、ビアンカさんと全くの他人のようには思えなくて・・・ですから、余計に・・・」
「本当に、ありがとう。
不思議ね。わたしもね、あなたが全くの他人とは思えないの。
でも、だからこそ、大切なものは大切にして欲しいと思うのよ・・・」
177ビアンカ支援(3/3):02/05/14 01:31 ID:???
しばらくの間、二人のやり取りを黙って聞いていたルドマンが口を開いた。
「ビアンカ、わしは君のこともますます気に入ったぞ。
娘用に作ったものではあるが、ドレスを貰ってやってほしい。」
「でも・・・」
「なあに、フローラに着せるドレスなら、また作ればいい。それも、今回以上のものをな。」
「・・・ありがとうございます。」
ビアンカとリュカは、フローラとルドマンの申し出に、心から感謝をして、頭を下げた。
そして、数日後、サラボナで二人の結婚式が盛大に行われた。