http://game.2ch.net/ff/は差別だ!

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立ち上がろうとしたリュカの手を、ビアンカは、そっと押さえた。
「ねぇ。不思議だと思わない? あたし、小さいころ、おとうさんやおかあさんは、はじめから
おとうさんやおかあさんなんだと思ってた」
 リュカはもう一度座り直し、真面目な顔つきで話すビアンカをじっと見つめた。
「でも、違うのよね。誰だってみんなはじめは赤ちゃんで……子供で。やがて、大きくなって、
出会って。恋をして、結婚をして。……他人だったあなたとあたしが、こうやって、双子の
おとうさんとおかあさんになった。今日生まれた赤ちゃんたちにとっては、あたしたちが、
はじめから、おとうさんとおかあさん。はじめから、ふたり一緒に」
 ビアンカの目が潤んで光った。
「愛してる、リュカ。……あたしたち、素敵なおとうさんとおかあさんになろうね?」
「もちろん……あのね、ビアンカ」
 リュカはビアンカの手を握りしめ、真剣な瞳をし、秘密めかしてつぶやいた。
「きみに、いつか言わなくちゃならないと思っていたことがあるんだ」
「なに?」
「うん。……実は」
「じつは?」
「きみと眠るようになってから、ぼくは、怖い夢を見なくなった」