http://game.2ch.net/ff/は差別だ!
10年ぶりの声。
10年ぶりの手。
10年ぶりの指。
10年ぶりの吐息。
そして、10年ぶりの唇。
石になっていた時の記憶はほとんどない。
けれど、やはり確実に10年が過ぎていた事を思い知らされる。
触れる唇が、恋しくて愛しくてたまらない。
自分の手を握る彼の手のひらがしっとりと汗ばんでいるのが感じられる。
10年前もこんな感じだった。
懐かしくて、嬉しくて、でも何処か切なくて、喉の奥が熱くなり、胸が詰まる。
やっと会えた嬉しさと、10年も会えなかった切なさで、
ビアンカは自分が泣きそうになっているのが解った。
このままだと、涙が零れてしまいそうだ。
だからビアンカは、唇が離れてしまうのは名残惜しかったけれど、ゆっくりと顔を退いた。
ゆっくりと一つ呼吸をして、涙を押さえ込んでから、静かに目を開いてリュカを見上げると、
彼は優しく微笑みかけてくれていた。
自分の頬が自然と同じように微笑んでいるのがわかる。
「ビアンカ・・・」
名前を呼ばれると、なんだかとてもくすぐったい。
帰ってきてからだって、もう、何度も名前を呼ばれているのに・・・
と思ったけれど、すぐに気がついた。
二人きりになってから呼ばれたのはこれが初めてなのだ。
なんだか、初めてのときを思い出して、ビアンカがちょっとだけ笑うと、リュカが不思議そうな顔をした。
「どうしたの?」
「ううん・・・なんでもない。
ねえ、リュカ・・・あのね、ありがとう・・・・・・」
そう言うと、また不思議そうな顔をする彼。
そんなリュカを見て、10年経っても変わらずに居てくれたんだと思い、
ビアンカはそのことを嬉しく思った。
そして、愛しさは増していく。
「リュカ・・・会いたかったの・・・すごく、ずっと・・・」
両腕を差し伸べ、彼の首に廻して抱きつき、そう言うと、リュカも強く抱きしめ返してくれた。
「うん。俺も、会いたかった・・・」
「見つけてくれて、助けてくれて、ありがとう・・・」
伝えたい事はいっぱいあるのに、ビアンカはそれだけしか言えなかった。
けれどそれだけ言うと、リュカは片腕で相変わらず強くビアンカを抱き寄せたまま、
片手でビアンカの頬を包み込み、じっと顔を見つめた。
そして、
「当たり前じゃないか。そんなの。」
強い口調でそれだけ言うと、少し乱暴にビアンカの唇を塞いだ。
「ん・・ふっ・・・・・」
リュカは頭を抱きこむと、荒く唇をむさぼった。
見た事のない彼の行動に、始めは少し驚いたけれど、唇の熱さと抱きしめる手の強さが
ビアンカのそんな気持ちを薄れさせ、彼女もいつの間にか、彼の髪に指を絡め、懸命に唇を欲していた。
溶けそうなほどに濡れた熱い唇を割って、舌が侵入してくる。
その舌に、舌と同時に意識も掬われる。
息をするのも忘れるくらいの熱い口づけがどれくらい続いただろう。
不意にリュカが唇を離した。
「ふ・・ぁ、はっ・・・」
突然流れこんできた酸素に、朦朧とし始めていた意識が呼び戻され、ビアンカは少し驚いたようにリュカを見た。
混ざり合った唾液は唇だけに飽き足らず、リュカの顎まで流れ落ちていた。
少し恥ずかしかったけれど、唇を寄せて、それを吸い取ってみると、リュカが小さく顔を引いた。
火照った顔で胸を喘がせながら、少し困った顔をしているリュカを見て、ビアンカは不思議に思って首を傾げた。
「・・・どうしたの?」
「あの・・・あのさ・・・・・・」
「うん。なに?」
「抱きたい。」
初めての時だってこんな事は言わなかったのに、顔を真っ赤にしてそう言うリュカを見て、
ビアンカもなんだか恥ずかしくなった。
顔がさっき以上に熱くなる。
でも、それは嬉しい恥ずかしさ。
だから答えた。
「うん、抱いて。・・・10年分、抱いてね。」
と。
身体中に落ちる、キスの雨。
まるでビアンカの存在を確かめるかのように、ゆっくりと身体中に這わされる指。
さっきのキスで高まっていた身体が、更に高められて思わず上がりそうになった声を
ビアンカは手で口を塞いで、慌てて堪えた。
と、リュカの手がその手を引く。
優しく、けれど確実に。
「なんで、塞いじゃうの?」
「だって・・・声が・・・・・・」
「うん、聞かせてよ。」
「ば・・かっ・・・・・隣に・・・あの子達に聞こえちゃう。」
「だいじょぶだよ。」
「だいじょぶじゃ・・・あっ!」
言いかけたところで、乳首をかじられ、思わず声が上げてしまい、慌ててリュカを睨んでみたけれど、
彼はにまっと笑って、ビアンカの手を押さえたまま、また歯を立てた。
いつもは優しいのに、こういう時だけ意地悪になるのは相変わらずだ。
でも、リュカのそんな行為にも、ビアンカの欲情は刺激されていく。
自分でもそれを解っているから、ぎゅっと目を閉じたけれど、今更、効果をなすはずもない。
「ぅ・・んッ!あっ・・・や・・・・・」
舌先が乳首のくぼみに押し付けられて、上がる声は次第に高くなる一方だ。
「や?」
音を立てて、乳首を強く吸いながら顔をあげてリュカが尋ねた。
「・・・や・・じゃ、ないけど・・・」
目を開いて、押さえられたままの手でシーツを握り、言葉を濁す。
目の前にあるのに、リュカの顔が僅かにゆがんで見えるのは、熱のせいで目が潤んでる証拠だ。
「ねぇ・・・次は、何処がいい?」
唇が触れそうで触れない位置まで顔を寄せ、リュカが尋ねる。
解っているくせに、わざと少しあどけない顔でこう尋ねるリュカにほんの少し、もどかしい苛立ちを感じる。
でも、言わないと、言うまで何もしてくれない。
そんなところも、きっと10年前と変わっていない筈だ。
だからビアンカはシーツから手を離すと、リュカの手を自分の脚に引き寄せた。
「こ、こ・・・」
「何処?」
「もうっ・・・わかってる、くせに・・・っ」
怒って見せたいのに、声に力が入らない。
「ちゃんと言ってくれないと・・・俺ってほら、鈍いし・・・」
前にビアンカが言った事を根に持っているのか、こういう時にはいつだってこう言う。
他の事だったら、言葉を返せるのに、こうなるともう何を言っていいのか解らなくなる。
「お願い・・・ここ・・・さわ・・って。」
ビアンカは閉じていた脚の力を緩めて、リュカの手を脚の間に招き入れた。
「ビアンカ、もう濡れてるんだ。」
金色の茂みについた雫を指先で拭うと、リュカはぺろりとその指を舐めた。
そんな仕草を見せつけられただけで、またじわりと雫がシーツに染み込む。
「だって、リュカが・・・っ」
「俺のせいなの?」
「そう・・・よ・・・っ」
「じゃあ、責任とらないと・・・ねぇ、こんな感じ?」
くすっと笑って、リュカが中指でスリットを撫で上げた。
「んうッ!」
ビアンカの身体が跳ねて、金色の髪が揺れた。
「ね、これでいいの?見てよ。」
「え・・・や、やだよ・・・」
「だめ、ちゃんと見て。」
「や・・・やだ、そんな、のっ」
喘ぎながら、小さく頭を振ったけれど、リュカは指の腹で柔らかく秘部を辿りながら、顔を覗き込んだ。
「だって、見てくれなきゃ、ちゃんと、ビアンカが満足行くように出来てるかわかんないよ。」
「もっ・・・ばかっ、意地悪っ・・・」
何をどう言っていいのか解らなくなり、ビアンカが力の入らない拳で、リュカの胸をとんと叩くと、
さすがにリュカは気まずそうな顔になり、ごめん、と呟き、一気に指を身体の中に押し入れた。
「ん、あッ!」
急に内側からかかった圧迫感に、ビアンカの身体がシーツの上で弧を描いた。
「ふ・・うくっ・・・・んうぅ〜・・・」
リュカの指が膣内をまさぐる。
中途半端なところで焦れていた身体が一気に高みへと上って行く。
ビアンカはそれを堪え、上がりそうになる声をかろうじて残る意識でおしとどめながら、
必死でリュカの首にしがみついていた。
けれど、ビアンカは、耳に届くリュカの荒い息遣いや、ももに押し当てられる硬い熱に、
今、身体の中にある指だけではなく、リュカそのものが欲しいと感じ始めた。
「ね・・リュカ・・・・・欲しい・・・」
口元にある耳に思いきって告げると、リュカの指が引き抜かれ、耳元に小さな返事が返ってきた。
「うん、俺も・・・」
自分の愛液にまみれたリュカの手が膝を持ち上げると、今まで指が潜っていた所に熱い肉塊が触れた。
羞恥と期待に、脚が震えるのが解る。
そして、それが、徐々に身体の中に埋もれて来る。
「んっ・・・・・」
中から熱い感触が身体を貫いた。
二人は身体と身体をぴたりと合わせたまま、お互いの体温を確かめ合った。
10年ぶりに合わせる肌だ。
しばらくすると、リュカがほんの少し身体を起こした。
さっきの意地悪な笑みではなく、少し照れたやさしい顔が目に入って、ビアンカも小さく微笑んだ。
再び唇が重なる。
ゆっくりと、次第に深められて行く唇に比例して、リュカの身体がビアンカの身体の上で動き始めた。
リュカの動きは次第に強くなり、ビアンカを膣内から突き上げる。
荒く、強く、激しく求められる感触に、ビアンカはいつか声を殺す事も忘れ、
自分からも強くリュカを求め、抱きしめた。
長かった10年を1日でも縮めようとするかのように、二人は激しく求め合った。
「ぅッ・・・くうっ!」
ビアンカの唇から離した唇を強く噛んで、リュカが身体を震わせ、ビアンカの中に精を放った。
「んあぁッ!」
限界まで来ていたビアンカの身体はその熱に押し流され、あっけなく上り詰め、リュカの身体の下で大きく跳ねた。
「・・・・・・ビアンカ?」
呼ばれて目を開けると、いつものリュカの顔があった。
甘えて、顎をちょっと上げ、キスをねだってみると、リュカは安心したように息をついてから、
軽く唇に触れてくれた。
本当は強く抱きつきたかったけれど、腕に上手く力が入らなかったから、
ビアンカはリュカの頬をそっと撫でるだけにした。
少し日に焼けて、やせた頬。
「やっぱり、リュカなのね・・・」
目を細めると、目の端から雫が頬に伝い落ちるのが感じられて、それを隠すようにビアンカは顔を伏せた。
「うん・・・」
リュカが優しく頭を抱いてくれる。
「今度こそ・・・一緒よね・・・」
そう呟いてから、リュカが頷く気配を感じると、ビアンカはもう一度甘えるように額をリュカの胸にすりつけた。