アグリアス様に萌えるスレ Part2

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1名前が無い@ただの名無しのようだ
彼女は最高です。

前スレ「アグリアス様に萌えるスレ」
http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1002801992/
2鈴木 ◆VPGGGXm. :02/02/13 22:19 ID:???
2gt
3(゚д゚)ポカーン ◆bFF/dQ5I :02/02/13 22:20 ID:???
>>1
マジデありがとう
4アグリアス・オークス:02/02/13 22:20 ID:???
>>1ナイスだ
ひとまずクッキー取得。
アグリアス萌えスレは今まで何度も立ったけど、
Part2までいったのは初めてかな?
(なりきりは別だよ、もちろん)
ある昼下がりの午後,ラムザたちは街の近くで野営をしていた。
北天騎士団の支配地域にはいり、めだつ多人数で行動する事を避け小人数に別れて
物資の調達をする事になったのだ。朝から少しずつ街に向かい、今残っているのは
居留守役とモンスター。そしてラムザとアグリアスだけだった。
アグリアスは太陽が中天を少し回った所に来ているのをまぶしげに確認すると
ラムザのテントの前まで来て中に声をかけた。
「ラムザ、そろそろ我々も出立しないと」
「あっはいちょっと待ってください今出ますから」
慌てて出てきたラムザを見てアグリアスは目を丸くした。
「なんだ?その格好は」
といってもラムザが珍妙な格好をしていたわけではない、むしろ街の商人風の服
なのだからいつもよりまともな格好であったとさえいえる。
「?。アグリアスさんこそなんでまだ鎧すがたなんですか?」
「なんのことだ?」いぶかしげに問い返すとラムザは困惑した表情になった。
「アリシアさんから聞いていませんか?」
「アリシアなら朝から私のテントの周りをうろちょろしていたが…、いや待てラムザ
延々と問答を繰り返していても埒があかん。要は私が何を聞いていないと?」
「ああ…いやなんとなくわかりました」ラムザはいかにも『しかたがないなあ』といった
 表情を浮かべた。
「変装をね、することになってるんですよ」
「変装?」
「ええ、目立たぬように武具を調達する班以外はみんな農夫やら巡礼者なんかの格好を
 してるんですよ」
「まさか…私にも農夫の格好をしろとか言うのではないだろうな」
アグリアスの表情がみるみる硬くなる。
「あー…、それだからアリシアさんが言いしぶったんですよ」
(なんでこのひとは自分が農夫に変装なんて発想ができるんだろう?)
そうラムザは考えてアリシアが自分に面倒を押し付けていったことに気づいたが
いまさら後の祭だ、アリシアは早いうちに街に向かっている
それに考え様によってはおいしいところを譲ってもらったととれなくもない。
「む、馬鹿にしないでもらいたいな、私が事の分別をわきまえていないとでも?
 己に架せられた責任を果たすためなら農夫の格好をするくらい甘んじて受け入れるぞ」
ラムザは頭が痛くなってきた
「いえ,違います、農夫じゃありませんよ、」
「じゃあ巡礼者か?それならたやすいが」
「いいえ違います、用意された服にも限りがあるんですから、いいですか?」
 ラムザはにっこり笑って―「残っているのは女性用の服が一着だけです」―いった
アグリアスの頬にさっと朱が差した
「あ、ああ、そうか、あたりまえだな、いや、しかし、その、恥ずかしいな
 いやつまり、自分がそのことに、その,スカートをはく事にではなくて、
 いや、それをはくことにだな、気付かなかったことが、恥ずかしいのだが」
アグリアスはしどろもどろに言い訳を始めた、
「ももちろん慣れてない訳ではない、領地に帰ればそのような格好で過ごすのが
 うむ、あたりまえなのだからな、しかし騎士団にいたころはもちろん何時もこの格好
だったし,その前は修道院にいた時期も長い、正直慣れているとは言い難い」
アグリアスは多大な努力を使って何とか動揺を鎮めようとしているがとても
成功しているとは言えない、しかもラムザが横槍を入れる
「よく似合うとおもいますよ」
「い、いや、しかし、それならだな、わたしが留守を預かるから、貴公ともうひとりが
 街にいってきたらどうだろうか」
「…残っているのはみんな男ですよ。それとも暗にぼくに女装が似合うと
 おっしゃりたいんですか」ラムザはわざと皮肉を利かせて言ってみる。
「それに、そう、それにだ、もう私は鎧を着込んでしまっているのだ、
 これを一人で脱いで新しい服に着替えるのは大変だ、日が落ちてしまうかもしれん」
「僕が手伝います」
「え?はあ、えーとラムザどのが私の着替えを手伝うと…。!?ききっきっ貴公は
 なっ何をいっているのだ!てってっ手伝うとは何をだ」
アグリアスは真っ赤になりながら腰の剣に手を伸ばす。ラムザは急いで真面目な顔をして
アグリアスの柄をにぎる手に自分の手を添えた。
「いいですかアグリアスさん、落ち着いて、自分の胸に手を当てて考えてください」
そういってアグリアスの手を胸まで持っていく
「何故アリシアさんがアグリアスさんにこのことを伝えなかったか解りますか」
(まあこの人にあの服を来てくださいと言うのは度胸がいるだろうなあ、…その服を
 押し付けるあたり逆に度胸があるといえるけど)
急に真面目な顔を近づけられたアグリアスは呆けたように答えた
「いや…あの娘はしっかりしてない所があるから…」
「もちろんアグリアスさんの勘気を避けたかったというのもあるでしょう、
 でもあなたも先ほどいいました。『己に架せられた責務を果たす』
 この事に疑いを抱く騎士はいないと思います、ましてや聖騎士なら」
「いや、もちろん役目は果たす、果たすが…」
「僕達には物資が少なく時間もありません。そして僕達がとれる選択はほかには
 二つしかありません。つまりもうだれも行かないか、もしくは…
 …もしくは僕が一人で行くかです」
「それはだめだ!」
淡々としゃべるラムザの声に慌てたアグリアスの声が重なった
「なんども言っているだろう、貴公はもっと自分の安全に
 気を配るべきだ」
長い沈黙のあとアグリアスがため息をついた
「…わかった、行こう、別にドレスを着ようというわけでもなし、素朴な村娘の格好をするのに何の気後れもない。…突然貴公から言われたので少し慌ててしまったようだ」
「村娘…ええそうですね…ええまあ」
「?」いぶかしげな目を向けたアグリアスにラムザは一瞬目をそらしかけたが
逆にアグリアスの目を見据えて微笑んだため、アグリアスの方が目をそらしてしまった。
ようやく落ち着いてきた胸が再び高鳴るのを聞いたアグリアスは
さらに墓穴を掘るような話を振ってしまう
「そ,それとさっきの発言なのだが、そっそのてってつだうとは」
「ああ,いやだな安心してください」
「そ、そうか…当たり前だな、」
ほっとしたのもつかの間
「最後までいるわけないじゃありませんか」
「!?!」
「それじゃあ僕は服を取ってきますのでアグリアスさんは自分の天幕に
 もどっていてください」
そう言い残すとラムザはささっと奥のほうにあるテントの方に走っていった
アグリアスはその場にしばらく固まったあとつぶやいた。
「…ちっ違うそうゆうもんだいではない、だんじてない!」
アグリアスは我に返ると急いで自分のテントに戻り、なんとかラムザがくる前に
おわらせてしまおうと猛然と着替えにとりかかり始めた。
が,あせっている為か着なれているプレートの留め具の場所すら探し当てれない。
それならと先にブーツの方にとりかかったのだが、下手な解き方をしたため
気づくと片結びの形で堅く結ばれてしまっている、あとまわしにして
次のブーツにとりかかるがやはり同じ事をしてしまう、癇癪をおこしかけたところで
自分がまだグローブもとっていなかったことにきがついた。
そんな事をして,なにも進まぬうちに結構な時間がたっていった。
「あの,アグリアスさん?」
突然テントの外からかけられた声に思わず頭を抱えるアグリアス
「な、なんだラムザ」
「服をもってきました、ここに置いときますのでとりにきてください」
「え、そ、それだけか」
「そうですよ?…まさかさっきのこと本気にされたんですか?
 すっすいません、くだらないことを言ってしまって」
ラムザの申し訳なさそうな声を聞いてアグリアスはほっと胸をなでおろした。
そうするとさっきまでの己の狼狽振りがとたんに滑稽なものに思えてきて
アグリアスは思わず笑ってしまった
「いや、信じたわけではない、ふふ、だがまあ手伝っていただければ楽が出来るかと
 思っただけだ」
ラムザも笑い声で答える
「それは残念ですね、お手伝いできれば良かったんですが、
 『でも、まさか、まだ何の着替えもしていない』というわけではないでしょう?」
「うっ…………」
「うっ、ってアグリアスさん、まさか本当に?…失礼、入りますよ」
「ちょっ、ちょっとまて」
アグリアスが制止の声を上げる前にテントの中に体をすべりこませたラムザは
先ほどからグローブをはずしただけのアグリアスを見て呆れた表情を浮かべた
「い,いや違うのだラムザこれはな…」
「先程から半刻ほどたちますが何をしてたんですか、」
ラムザの口から出る言葉は詰問だがその口調も表情はあくまで優しい。
「い,いやその…」
「もうそろそろこちらを出ないと今日中に街には入れなくなってしまうんです」
「わ、わかっている!」
「僕と行きたくないのならこんな遠まわしにしなくても一言言ってください」
「ちっ違う!そんなことはない!ただ手間取ってしまっただけだ!だいたい貴公が
 手伝うなどと言ったりするからだな,その,私が…,その…」
沈黙を受けてラムザは軽いため息をついた。
「そうなんですか…、すいません、僕のせいです。まさか本気にされるとは思わなくて」
そういって頭を下げようとするラムザをアグリアスは慌てて押しとどめた。
「あ、いや、私が世間知らずなだけで貴公に責は…」
「いえ、わかりました、責任をもって手伝いますからさっさと着替えてしまいましょう」
「……え?」
「いえ、わかりました、責任をもって手伝いますからさっさと着替えてしまいましょう」
「……え?」


そう言うとラムザはアグリアスが呆然としている間に小机や椅子を動かし
てきぱきと用意を整えてしまった
「さっ、アグリアスさん。ここに座ってください」
「い、いや、すこしまってくれ」
満面の笑みで椅子を指し示すラムザを見てアグリアスは思わずあとずさり
テントを支える柱によっかかった。
「いや、しかし、その…」
その様子を見て取ったラムザは今度は愁いを帯びた表情で訥々としゃべりはじめた。
「なんだかいつものアグリアスさんらしくないですね…、やっぱり僕のせいなのかな…
…いつも信じてくださるからと思って調子に乗っていたんですね
…アグリアスさんに不快な思いをさせるなんて…」
「そっそういうわけではない!ただ…困っているだけだ、その…そう、仮にも己が剣を
あずけている相手に小間使いのような事をさせる行為は騎士として
不徳の極みだ!そう思うだろう?ラムザ」
「任務の放棄というのも騎士としてどうなんでしょう…」
「ぐっ」
「それにいまさら僕らの間に上下なんてありませんよ」
「いや、その気持ちは嬉しいが…」
「他に何か問題が?」
「いや、無い…手伝って…いただこう」
―――――そして少しの時が過ぎた――――

ラムザはアグリアスの後ろにたつと脇の方に何度目かの手を伸ばした。
「よっ、…このプレート留め具がわかりにくいですね」
「あっああ、もう少し…その、上のほう、んっ」
「これですか?」
ラムザの指がプレートと服の間に滑り込み留め具を探し当てる。
「そそそっそうだ」
アグリアスは真っ赤になりながら手が震えるのを我慢する。
「あの…もう少し腕を上げてもらえますか」
「すっすまん」
「よっとこれで持ち上げて…」
「ララ、ラムザ。みっ右手が、あああ当たっているのだが」
「すっすいません、えとこれで」
「あぅっ」
「ど、どうしました、はさみましたか?」
「いっいや、その、おどろいただけだ、べっ別に何でもない、なんでもないぞ」
「そうですか…、よっと」
ラムザはプレートを外すと脇の机に置いた。
アグリアスが疲れた顔で机の上を見る、と肩当てから篭手、膝当てまで甲冑のたぐいは
大体、外し終わって整然と並べられている。
(や、やっと終わった…)
恥ずかしいやらくすぐったいやらあれやらで、凄まじく体力と気力を消耗した
アグリアスだったが、今、ようやく最大の難関を越えたと感じていた。
つと、ラムザがまたアグリアスの後ろにたった
「じゃあ次ぎは、ばんざいしてもらえますか」
「?、こうか?」
「はい、じゃあ服を持ち上げますんでじっとしててください」
そう言ってラムザはアグリアスの腰に手を伸ばした。
「……ちょちょちょちょっとまて!」
「なんです?」
「い、いくらなんでもそれはいい!そそれは自分で出来る!」
「そうですか?でもどうせなら最後まで…」
「いいいや、いい、その御苦労だった、いやちがう、お手数をおかけした
そしてその必要性が有るのも認める、そうだ。しかし、しかしだ、
仮にも男女がだ、未婚のだぞ、聖騎士でもある」
支離滅裂な言動をするアグリアスをしりめにラムザは椅子を彼女の前まで動かすと
静かに声をかけた。
「あの、足、あげてもらえますか?」
「なっなななな!何を言っているのだ貴公は!きっ気でもふれたか!
いったいなにをどこまでどうするつもりだ!」
アグリアスは真っ赤になりながら立ち上がると手を腰にのばす。
三回ほど手が空を切ったところで卓上に剣があることに気がつき
慌てて手を伸ばしたところでラムザがやんわりと声をかけた。
「あの、腰の紐もほどいたので後お手伝いできそうな場所はブーツだけなんですが…」
「え、…あ…そ…」
アグリアスはガックリ肩を落とした。ついでに落しそうになった剣をなんとか
机の上に置くと頭を抱えてうめきはじめた。
「あの、アグリアスさん?だいじょうぶですか?」
ラムザがさすがに少し心配になって声をかけるとアグリアスは
まだ真っ赤に染まった頬のまま顔を上げた。目が心なしか潤んでいる。
「ラムザ…つかぬことを聞くが、貴公は私をからかってもてあそんでいないか?」
「まさか」
ラムザは臆面も無く即答する。
「何故僕にそんな事をする必要性が?僕は今回の行動に必要だと思った行為しか
おこなってい無いと思いますが」
「そう…そうか、すまない。らちも無い事を言ってしまった」
「いえ,いいんですよ。『時間さえ』あればこんなことにもならずにすんだんですから」
「あう…、…アリシアはなんでわたしにきちんと…」
「それでは足を上げてもらえますか」
「ああ…」足を椅子の上にとんと載せる
「えと、そのまま僕の膝の上に乗っけてください」
「え、な、なぜ?」
「僕が紐をほどきやすいからです」
「…わかった」
「ええ、ありがとうございます」
そう言うとラムザはたのしげに靴紐にとりかかった。
まあたしかに自分の前にひざまずかれるのも困ったものがあるしな、などと思い納得
したのだが、すぐに後悔した。
「…ラムザ、わざわざぬがしてくれなくていいから…」
171:02/02/13 22:30 ID:iKPv6rup
>>6-16
前スレからのコピペ?
どうも。
ふう、あとは続きを待つのみ・・・・・・・・・・・・


まさか間違えてないよね?
アグリアス「オヴェリア様、話というのは...?」
オヴェリア「ねえアグリアス。」
アグリアス「はい。」
オヴェリア「セックスって...やった事ある?」
アグリアス「.......は?」
        ↑
  この瞬間のアグリアスの画像キボンニュ
20異端者ラムザ ◆3ELRAMZA :02/02/14 00:54 ID:???
前スレの1000はもらったよ。
頑張ってたみんな、ごめんね。
>>20 自作自演だな・・・。まあ、1000達成はうれしいが、な。
22rage ◆3663V4oY :02/02/14 01:01 ID:???
伝説上げ
次もたのんだぞ、前884
本当に1000だ!!
25アルガス:02/02/14 01:07 ID:???
ひゃほーい ラムザのような甘ちゃんにはアグリアスはやらん!
26rage ◆3663V4oY :02/02/14 01:08 ID:???
>>25
出たなカツラ騎士見習。
27ディリータ:02/02/14 01:10 ID:???
>>25
アルガスッ!
よくもティータをッ!
殺してやるぞ、殺してやるーッ!!
29前884:02/02/14 08:37 ID:???
>>952
残念だけど今回のネタでは却下。
これは前873の、恥ずかしがるアグたんに女らしい格好をさせるのが萌え
と言うネタと俺の中の
アグたんの上司になってセクハラかますのが萌え、と言うのが肝だから。

>>1
ご苦労様です

>>6-16
お手数かけました、作り始めた時はまさかスレ渡るとは思ってなかったんで

>>23
頼まれました
が今回も終わらなかった…話、収束するのかしら。

そんジャーつづきはじめます。

「それじゃあ、後はちゃんと着替えてくださいね」
「ああ、わかっている、言わずもがなのことをいうな」
ラムザはうなずくと入り口を抜ける、と、立ち止まってふりかえると
アグリアスに向かいかしこまって、微笑んだ。
『御用がございましたら御遠慮無くすぐさまお呼びください』
「ないっ、用はないっ、大丈夫だっ!」
ラムザはくすくす笑いながら身を翻してテントをでていった。
「早く着替えないと…次は何を言いだすか…」ラムザが出ていったのを確かめると
アグリアスは呟きながら急いで着替えの入っている袋に手を伸ばした。
――――――――――
テントの外ではラムザが近くにある木の根に腰掛けていた。
空を仰ぎながら上機嫌にくつろいでいる、ようにみえる。
しかし頭の中ではこれから聞こえてくるであろうアグリアスの怒声にたいし、
どう対処したものか考えあぐねていた。
(うーん、「任務です」っていえば、それですむような気もするけど。
きちんと納得してくれるかな、してくれないだろうな、他の服を要求されたりして…
!、まさか僕と服を取り替えるなんて言い出したりしないだろうな…)
「あの、ラムザ…」
(アグリアスさんが男装で僕が女装…似合わないでもなさそうなところが
我ながら恐ろしいな)
「ラムザ、聞こえないのか」
「な、なんです?」
見るとアグリアスがテントの入り口から顔と手だけを出してこちらを呼んでいる。
怒声を待ち構えていたラムザはおもわず拍子抜けしてしまった。
「どうしました?何か問題が?」白々しいと内心思いながらも問いかける。
「いやっもう着替えは終わったぞ!それは関係ない!」
どうもまだ先ほどの記憶が生々しいらしいアグリアスは慌てて答える。
「じゃあもう出発できるのでしょうか」
ラムザはアグリアスがもう着替え終えていた事に、多少意表を突かれながらも
冷静に話の先を促した。
「え、…いや、そのことで、ちょっとこっちまで来てもらいたいのだが…」
「わかりました」
ラムザが歩いて近づくとアグリアスは出していた手を引っ込めて
顔だけをだしたまま、テントの入り口を硬くぎゅっと握り閉めた。
その様子を見、本当に着替えているのを見て取ったラムザは
後はどうやってテントから連れ出したものかと考えた
「どうしました?どんな服か見せていただけないんですか?」
「その、この服の事なんだが…」
アグリアスは身をかがめているのか、ラムザより頭一つ分は下からおずおずと話し始める。
「あの、だな、この服…何と言うか、その、足が出ているんだが」
「足が出ていないと歩く事も出来ませんが」
「いや、そうではなくて、つまり、出過ぎているのだが」
「えと、それはどうゆうことでしょう?」
そう言って入り口の布に手をかけると中を覗き込もうとした。
アグリアスは顔を真っ赤にさせると器用に入り口を押さえながらあとずさった
「まままままて、こっこれは人に見せていいものなのか?」
「それは…服なんですから人前に出てもかまわないようなものだと思うのですが」
「しっしかしだな、腕なども肩からむきだしで、何も隠すようなものが無いのだが。」
「え、そこら辺に輪っかが三つ重なった、樽に剣がつき刺さったようなレリーフのある
腕輪が有りませんか?」
アグリアスは首を引っ込めるとやはり器用に入り口をしっかりつかみながら
ガサゴソと何かを探し始めた。
「ああ,あるが」
「それはとても大事な物なので必ずしといてください」
「い、いやアクセサリーひとつあっても…大事とは?」
「それがないとモグリのしょう…その、もぐりこむ時の身分証明のような物です」
「そうか…しかしほんとに服はこれだけなのか?」
「見ない事にはどんな格好をしているのかはわかりませんが」
そう言ってまた中を覗き込む。
「まっまてっ、まだ見てはいかんっ…大体これはどちらかと言うと
裸に近いのではないのか…」
ラムザはそんな大袈裟なと思わないでもないが、彼女にとってはそんな風にしか
思えないらしい。
「おなかもそのまま出ているし…」
「あ、そうだ、アグリアスさんショールははおっていますか?」
「ショールがあるのか?」
アグリアスは一瞬嬉しそうな声を上げる。
「…ああ、これか、…これはまた、意味があるのかないのか
分からないぐらい薄いな」
「ええまあ魅せる為のものですから」
「…見せるとはなにをだ」
「…」
アグリアスは(やっぱり器用に)入り口を押さえたまま怪訝そうにラムザにせまった。
「先ほどからきになっていたのだが、この姿は明らかに村落に住む人間から
浮いていないか?」
「ですから僕はまだ見ていないので何とも言えないのですが」
さすがに今度はアグリアスも顔色を変えずに(あとずさりはしたが)
ラムザを問い詰める
「ラムザ、私がしようとしている変装はいったいなんなのだ?
それは知っているのだろう?」
―――――「道で芸を売る人です」―――――
ラムザはまさにいけしゃあしゃあと言う表現にふさわしく真面目な顔で即答する
「大道芸人か?」
「そんなものです」(売るのは芸だけではないですが)
「広場でおどったり歌ったりするあれか?」
「ええ」(路上でではないですが)
「そうか、あれか……あれに見えなければならんのだな」
「あれに見えるのにこした事はありませんね」(そんな奴がいたらお目にかかりたいが)
「では恥ずかしがってるだけのわけにもいかんのだな」
アグリアスは長くためらったあと決意を込めてラムザを仰ぐと
硬く握り締めていた手を入り口から放した。
「…わかったラムザ…中に入ってくれ。
その、自分ではこういう服は…ちゃんと着こなせているかわからん…」
>>28
(゚∀゚)イイね!
36rage ◆3663V4oY :02/02/14 11:46 ID:???
ババババンザーイ!!
ドキドキアグたん萌え!(´∀`)ハァハァ
>>28
貴方がお描きに?
>>20
しがない……傭兵だよ……
40異端者ラムザ ◆3ELRAMZA :02/02/14 22:24 ID:???
>39
随分前にどこかのスレで同じ発言をした記憶がある。。。
どこだったかは、もう覚えてない……
>>40 前スレらしい
ここみてみ

http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1009573731/l50
42異端者ラムザ ◆3ELRAMZA :02/02/14 22:32 ID:???
>41
前スレなのは分かったけれど、
なにもそこを引用しなくても……ッ。。。
>>34?????????????????????????????????????????????????
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/oppai059.jpg
>>42 めもって何?
4541:02/02/14 22:36 ID:???
>>42
いや、みてみ
4641:02/02/14 22:37 ID:???
引用したのは己じゃないよ
47異端者ラムザ ◆3ELRAMZA :02/02/14 22:37 ID:???
>45
見てきたよ(苦笑)。43と44でしょう?

>44
オヴェリア様がアグリアスさんに入れ込んでいることを、
ちょっと記憶にとどめておこうと思って、ね。
じゃこれ
アグリアスさーん♪
49異端者ラムザ ◆3ELRAMZA :02/02/14 22:48 ID:???
>48
前スレの1000だね。さすがにそれは覚えてるよ(w
アグリアスと呼ばれた女剣士
「すでに護衛隊が到着しているのです。

騎士アグリアス
「無礼であろう、ガフガリオン殿。王女の御前ぞ。

剣士アグリアス
「誇り高き北天騎士団にも貴公のように失敬な輩がいるのだな。

騎士アグリアス
「ああ、私は大丈夫。それより急がねばッ!!
「この先のゴルゴラルダ処刑場でオヴェリア様の処刑が行われるんだ! 急ごうッ!!
騎士アグリアス
「なんつったりして

55九尾吊りお紺小林 ◆4xALiNDA :02/02/14 23:26 ID:???

      , ー──── 、
    /         ヽ
    / /ヽ |ヽ  ヽ   \
   / |   \| \  \   |
   / │─  -─ ヽ ヽ  |
   |  | (・) (・)  |  | \/|
  |  |       |  |/ /)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |  |  _    |  |/ ノ  < アグリアス
 │  /\ヽ  ヽ  |  | / |    \_________
  |  | ( \ ̄  /|  | 二ノ
  |  |ノ   ̄‖   |  | 二)
  |‖|     ∧   |‖|  \


      , ー──── 、
    /         ヽ
    / /ヽ |ヽ  ヽ   \
   / |   \| \  \   |
   / │(・)─ ヽ ヽ  |
   |  | (・) (・)  |  | \/|
  |  |       |  |/ /)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |  |  _    |  |/ ノ  < アグリアス
 │  /\ヽ  ヽ  |  | / |    \_________
  |  | ( \ ̄  /|  | 二ノ
  |  |ノ   ̄‖   |  | 二)
  |‖|     ∧   |‖|  \

騎士アグリアス
「ラムザ、女として私をみてくれッ!!
剣士ラムザ
「アルマを返せッ!
59http://hidebbs.net/bbs/cat?sw=7:02/02/14 23:37 ID:1IfS5oiN
終盤は全く使えないキャラ。
>56
三つ目がトオル?
6128:02/02/15 01:23 ID:???
>>38
そうです。また良いシチュあったら描かせて!
>>43
田丸調(・∀・)イイ!
アグたんダウンロード開始。

http://kochi.cool.ne.jp/ffdq/wallff.html
>>43
そうだよ。あるいは
下手でわかりにくくてすまん
こんな感じか。
ttp://www5.big.or.jp/~secret/cgi-bin/image/7373.jpg
>28
描かせてって、つーか、むしろ拝ませてください。
>>59
たしかにシドには劣るけど、ラムザより強かった
67rage ◆3663V4oY :02/02/16 03:22 ID:???
続き気になり上げ
68884:02/02/16 15:07 ID:???
ちょっと気分転換
わかりにくい部分絵で説明、その2 「入り口を押さえる」
ttp://north-cape.parfait.ne.jp/cgi-bin/joyful/img/239.jpg
ももも、萌え!
884さん、締め切りが近づいています。
こちらも編集が大変なんです。
早く書き上げてください。
仮病はだめですよ。
71884:02/02/17 08:14 ID:???
え!〆切? ああ、あと 30分!30ぷーん。
楽しんでくれてる人も楽しまぬ人も、長々やってしまって正直スマンかった。
今回もまだ終わらんのよ、でも後一回短いのだけだから。今夜半には多分終わる
これからはネタ思い付いても書き上げてから貼る事にするよ…

「じゃあ、はいりますよ」
そう言ってラムザがテントの入り口に手をかけると布の上からアグリアスの手に
―ほんの少しだけ― 触れた。
だがそれだけで普段着慣れぬ格好をしているアグリアスは心拍数を跳ね上げる。
動転しそうになるのを自覚したアグリアスは慌ててラムザが入ろうとするのを止めた。
「ああっ、ちょちょちょちょっとだけ待て」
そういうとアグリアスはテントの中に戻り机の上においてあった自分の剣を
つかむと鞘を抜き払い、自分の前に掲げた。
「おちつけ…あせることはない、いつもどうりにやればいい…そう、これは使命だ
果さねばばならぬ事なのだ」
だが一度乱れた心は無理ににおさえつけようとしてもなかなか収まらない。
(落ち着け…アグリアス…こんなときは、そう、たしか…初陣の時に
『余計な事を考える暇があったら士官学校でのくだらない講義でも思い返していろ』と
…そういえば妙に退屈と眠気を誘う講義をする教官がいたな…
だれだったか…確か…)
考えているうちに落ち着いてきたアグリアスは自分の姿をみ、そして再び剣に視線をもどすと満足げにうなずいた。
「よし!いいぞ、ラムザ」
ラムザはテントの外で入り口に手をかけたまま中の様子を伺っていたが
アグリアスの落ち着き気合いのこもった声を聞きなんともなしに事情を察した。
「さすがアグリアスさん、と言うべきなのかな」
呟きながらラムザがテントの中に入ると、アグリアスは腰に手をやりながら慎重に
ラムザの前まで歩いてきた。一応その姿は落ち着いているように見える。
72884:02/02/17 08:16 ID:???
「どうだ、ラムザ、おかしなところはないか」
ラムザはじっと動かないまま何も言わずアグリアスを見つめた。
アグリアスがだんだんと焦れかけてきた頃、ラムザがぽつりといった。
「あの、後ろを向いてもらってもいいですか」
「う、うむ」
アグリアスはくるりと背を向ける
また長い沈黙、、今度はラムザが見えない分、ラムザがどんな表情をしているか?
いったいどこを見ているのか?そんな事が気になってアグリアスは再び
心が乱れはじめた。おもわずもう一度声を上げそうになったとき、
ラムザが嬉しそうに答えた。
「よくお似合いですよ」
「そ、そうか、芸人に見えるか」
ラムザは一瞬の間を置いてにこやかに満面の笑みでこたえた
「ええ」
「そ、そうかよかった」
アグリアスはつられてにこやかに微笑んでしまった。と、そこで
やはりというべきかラムザが水をさす。
「あ、でも」
「な、なんだ」
「まだ足りないものがあるんです」
「足りないもの?なんだそれは」
73884:02/02/17 08:17 ID:???
ラムザはあたりを見回すと申しわけなさそうに訪ねた
「鏡をもっていますか?」
「鏡?鏡が必要なのか?芸にか?」
「いえ、違います、そもそもアグリアスさんに芸をされたら僕が困ります」
微妙に真剣な表情で否定するラムザに違和感を感じながら、
あたりを見回した。
「まあ、それもそうか。手鏡ならたしかあるはずなんだが…」
アグリアスは自分とアリシア、ラヴィアンの荷物がごちゃまぜに置かれているところに
目を留めると諦めたようにいった。
「すまんがラムザ、アリシアがいないとクシ一つどこにあるか分からん」
「え、クシもないんですか」
「櫛もいるのか?すまないラムザ、こういう事があるからあの娘達には日頃から
きちんとかたづけをするようにきつく言ってあるのだが…」
どうやらアグリアスも日常生活では指導性を発揮しきれてないらしい
「まあ無いなら無いで、仕方ないですよ」
「仕方ないではすまん、こういう事がきちんとできないから、申し送りの一つも
満足に出来ないなんてことになるのだ」
やはり(当たり前だが)アグリアスは根にもっているらしい
「軍ではないからと甘やかしたのがよくなかったかもしれん、これからは…」
アグリアスが怒気もあらわに指導方法を考えていると、横からラムザが冷静に声をかけた。
「でもアグリアスさんが場所を知らないというのもどうかと…」
「しっ仕方が無いだろう!ここにいる以上、私だって自分の事は自分でする心積もりだ!
しかしだな、あの娘らが毎朝、強引に、その、身の回りの世話を……すまん」
アグリアスは居場所がなさげに身をよじった。
「いえ、いいですよ。代わりに僕がやればいいだけなんですから」
「!、…なにおかわりにやると?…」硬直するアグリアス。
74884:02/02/17 08:24 ID:???
「!、…なにおかわりにやると?…」硬直するアグリアス。
「花を頭に飾りつけるんです」ラムザが先ほど用意していた花を出しつつ答えた。
「そ、そうか。しかし何故頭に花を?」
ラムザが嬉しそうに抱えている花を見ながらアグリアスが不安そうに訪ねる。
「それで芸の値段が決まるんです」
「ふーん、そういう物なのか」
「そういう物なんです」
「ちなみにいくらだ」
「だいたい400ギルだと思いますけど」
「ふーむ、高いのかやすいのか分からないな」
アグリアスは考え込むがそもそも任務以外で一人きり、街を歩く
なんて事をした事がないので街にそういう輩がいるのは知っててもほとんど
興味をはらった事が無い。だから見物人が投げるおひねりを集めて稼ぎにするかれらに
あるはずの無い値段の設定が、どうして自分にあるのかと言う矛盾にもきづかない。
「まあ妥当だとは思うんですが」
ラムザも『これ』の相場をそれほど詳しく知っているわけではないが路上で売るにしては
かなり高めのはずだ
「じゃあアグリアスさん、またあの椅子に座ってください」
「わかった」
75884:02/02/17 08:25 ID:???
アグリアスが座るとラムザはおもむろに手を髪の中に入れ、髪をほどきはじめた。
「ラッラムザ?!何故髪を梳くんだ?」
アグリアスは慌ててふりかえる。
「大丈夫です、少し髪形を整えるだけですよ」
「そ、それなら自分でやる」
「くしゃくしゃになっちゃいますよ?」
「馬、馬鹿にするな、私だってそれぐらいのこといつも…」
「アリシアとラヴィアンさん達にやっていてもらったんでしょう?」
「私が頼んだわけではない!だいいちなぜ…」
ラムザはアグリアスに最後までいわせず、むきだしの肩を両手でそっと触ると
耳元でささやいた。
「心配しないでください、こう見えても僕も昔は髪を伸ばしてたので手入れなんかも
うまいんですよ?」
両肩に触れた手の感触と耳元から聞こえてくるラムザの声に頭に血が上るのが分かった。
「わわわわわかった、わかったから、つっ続けてくれっ。あのっ、てっ手早く、手早くな」
アグリアスは慌てて注文をつけくわえる。
「了解しました」
そういうとラムザは改めてアグリアスの後ろに立ち
ゆっくりと、ほんとうにゆっくりと髪の毛に手を伸ばしはじめた
76884:02/02/17 08:28 ID:???
つまびらかに、ゆっくりと、なでやかに、まるで一本一本の髪の愛でるように
アグリアスの髪の毛をときほぐし、いくつかの束にまとめてゆく。そしてその手は時に
耳を
うなじを
肩を
背中を
そのすべての触れぬか触れるかというところを、愛撫するかのようになでてゆく。
そのたびにアグリアスの体は震えるがラムザは気にした様子も無い。
「ああう…」
アグリアスは真っ赤になりながらもその感触に必死に絶えていた。
ややもするともれそうになる声をラムザに見えぬように指を噛みながら耐える
ふと、ラムザのてが再び背中に触れる。
「ぁっ」
アグリアスの口からついに声が漏れ、気づかれたんではないかと
青ざめた時、ラムザがのんびりとした声を上げた
77884:02/02/17 08:28 ID:???
「アグリアスさん、気分はどうですか?」
「…なんともない」
「はい?」
「なんともないといったらなんともないんだ!」
首まで真っ赤にしながらそもそも質問の意味も分からないままに必死になって否定する。
「そ、そうですか、悪くないのならいいんです」
「さっさと続きをしたらどうだ!」
アグリアスは自棄になって、もうどうにでもなれといった心境で叫ぶ
そこにラムザがやはり気の抜ける声で答える。
「終わりましたよ?」
「え?」
「鏡が無いから確認してもらえないのが残念ですが」
そういってラムザが側から離れる。
アグリアスは全身からどっと力が抜けるのを感じて思わず椅子からずり落ちそう
になった
「終わった…のか、そうか、…た、助かった…」
アグリアスは今までのどんな戦闘が終わった時よりも安堵感を感じていた。
78rage ◆3663V4oY :02/02/17 19:51 ID:???
最高だマジで…
月並みで申し訳無いがアンタ最高だよ!!
萌え狂いそうだぁぁぁぁ!!
80tinker lip:02/02/17 20:14 ID:???
>29=884氏
いま気づいたがその発言したの漏れじゃないか!
漏れの妄想を文にしてくれてありがとう884さん。
81884:02/02/19 00:54 ID:???
>>78、79
楽しんでくれたようでありがたいこってす。

>>80
そう言えば今回の内容も微妙にあなたにつながりますな

とりあえず完結させる事が出来ました、ええ、もう。
やっとこのセリフが言えますな。「こんでおしまい、どっとはらい」
82884:02/02/19 00:55 ID:???
放心状態になってぼうっとしているアグリアスにラムザが小さな
金属の板を持って近寄ってきた。
「それは?」
アグリアスが顔を上げるのもおっくうといった感じで問い掛ける。
「紅です」
「頬…紅か?」
「もちろん口紅です」
ラムザは軽く紅をねりながら腰を下ろす
「口紅を…すればいいのか?」
「ええ、最後の仕上げです」
「そうか…わかった、かしてくれ」
そういってアグリアスが手を伸ばすとラムザは手をすっと引いた
「慣れても無いのに鏡無しに紅なんてひいたらずれてしまいますよ?」
ラムザがいたずらっぽく笑う。
「いや、それなら別に紅などひかずともいい」
アグリアスもさすがにラムザの露骨な態度に不穏を感じ取り、気分を悪くする
「そんな、少しくらい僕にも楽しませてください」
「ラムザ!貴公はやはり私をからかって…」
アグリアスが立ち上がって、一喝しようとした時、ラムザがいきなりずいと顔を近づける。
「アグリアスさん」
83884:02/02/19 00:56 ID:???
「な、なんだ?」
真正面、近距離から目を見据え、さらに顔を近づけてくるラムザに
アグリアスは目をそらす事も出来ず、硬直する。
「だめです」
ラムザがうるんだような声でぽつりと言う
「だっだっだ駄目とは駄目とはなにがだ…」
近づいてくるのがラムザの唇だと認識した瞬間、アグリアスの頭の中が真っ白になる
「だめですよ…」
ラムザの顔がどんどんと近づき、
いよいよとなった瞬間アグリアスは目をぎゅっと閉じた
「だっ、駄目と…」
「じっとしてないと…だめです」
すっと、ラムザの手が頬に触れ、つぎに指がアグリアスの唇に触れる
指は少しアグリアスの唇を丸く撫ぜると軽く上唇をおした。
「口を…少し開けてください」
アグリアスは何も考える事が出来ぬまま少し唇を上げた。
ラムザの指がゆっくりと唇の上を滑りはじめる。
「は……」
アグリアスがわずかに吐息をもらし、ラムザは指にその熱さを感じ取った。
「おわりましたよ、アグリアスさん」
アグリアスがおずおずと瞼を開き、ラムザの居場所を確認する前に
彼女の耳元に息がかかるくらい近くから声がかかった。
「アグリアスさん…街に入ったら、もしかしてだれかが、あなたに芸をお願い
してくるかもしれませんけど…、僕以外の人についてっちゃやですよ?」
もうアグリアスにはただただうなずくことしかできなかった。
84884:02/02/19 00:57 ID:???
仮の厩舎に向かう途中、 アルゴスト山脈を渡る時にさえふらつきもしなかった
アグリアスの歩みは今、確かに怪しげになっていた。
ラムザが何度か手を貸そうとしたのだが、その気配を察せられるたびに彼女は
小走…いや大股に先にいってしまう。
ラムザは仕方なく数歩後ろをついて歩きながら今後の事を考えていた。
「うーん、とりあえずアグリアスさんには自分が娼婦の格好をしてるって気付かれず
にすんだけど、街の中に入ったら大変だろうな…。変な人に付きまとわれないように
気をつけないと。さっさと彼女を買ったことにして宿に駆け込むか…、でもまともな
宿には泊めてもらえないだろうし、やっぱり連れ込み宿?、…貯金はしたけど、
僕の理性、もつかなあ」
考えているうちに立ち止まっていたようだ。アグリアスが振り返ってラムザを呼んだ
「ラムザ!何をしている、日が暮れてしまうぞ!」
「す、すいません今いきます」
ラムザは慌ててアグリアスの方にに駆け寄っていった。
おわり
ブラボー…おお、ブラボー
すまん、上げちゃうよ?
初プレイ時オープニングで出会って以来アグたんハァハァです
不動明王剣のストップ効果に何度救われた事か
87rage ◆3663V4oY :02/02/19 15:30 ID:???
次回策に期待。
88884:02/02/21 03:39 ID:???
89884:02/02/21 04:33 ID:???
ごめん修正した。
こっち
ttp://north-cape.parfait.ne.jp/cgi-bin/joyful/img/295.jpg
…ちょっとあざといな
すみません、千一夜スレにリンク張ってもいいですか?
せっかくの良ノベルですし、是非とも保存の方向で…

あ、俺はたまに来てる者っす。むこうの手先じゃないっす。はい。
どうですか884殿?
91884:02/02/21 20:12 ID:???
ええ、保存されるのは全然かまいませんよ。
>>91
レスどうも〜

じゃむこうのタイミングみて張ってくるっす。
これからも(・∀・)イイ! のを書いて下され。
>884殿、
私は貴公にナイトの爵位を与えたいとおもふ
これからはサーを名乗り、一層精進なされよ
むしろアグ様の従者にしてください。



アグ様、したぼくとお呼びください…ハァハァ(;´Д`)
アグリアスひみつ大百科
アグ脳 オヴェリア様の事でほぼ占められているぞ!でも最近そこにラムザが
侵食してきているんだ。ずるいぞ!
アグ腕 ここから数々の聖剣技が繰り出されるんだ!つよいぜ!!
アグ心臓 鋼で出来ているかのように静かだ!100メートルを9秒フラットで走っても
ちっとも乱れないぞ。でもラムザの笑顔にゃ弱いんだ!
アグ胸 いろんな説があるがここはでかいとしておくぞ!…それなりにな!
質?それはもうやわっこくて、しっとりと…(´Д`)ハァハァハァハァハァ
アグ手 無礼な輩に、ひっさつの平手打ちだ!というかあれはもう掌ていだ!
アグ足 ふまれると痛いぞ!でもそれがいいんだ!
アグ○○○ (゚д゚)ウウウウマー
アグ髪 きゅーちくるだ!!
アグうなじ 弱点らしいぞ!ここをつけばアグ様もめろめろだ!でもきをつけろ!
逆鱗もあるんだ!死ぬぞ!!
>>96
ワラタ
98アルガス:02/02/22 19:13 ID:???
>>96
アグ板らしくて(゚∀゚)イイ!
アグうなじに命を賭ける価値はあるな…逝ってきます…。
99RAGE ◆HqcvRAGE :02/02/22 22:10 ID:???
あああー!
アルガスが逝っちまった…
俺も逝くか?
100ゲット
>>96もっと細かく
102ザルモゥ:02/02/23 17:28 ID:???
保全サゲ アグスレは他のスレと違ってまったりしてていいですな。
のほほんアグ
隊長!アグたんがぐれてダークナイトにジョブチェンジしてしまいました!
どうしましょう?
105隊長:02/02/24 01:02 ID:???
>>104
よし、みんなの精気を吸ってもらおう
106変チュ:02/02/24 02:42 ID:???
>96
追加で「背中」というのは?
敵の気配もばっちりな鋭敏性。
ラムザあたりが何気なしに、服についた毛糸を取ろうとして指を這わせて
「ぶ、無礼者ッ!」
とか言う所で
>101
もっと細かくと言うと…学研から出てるあれですか?アレ、『アグリアスのひみつ』
トン平、チン太、カン子の三人がラムザお兄さんと一緒にアグリアスのひみつ
にせまるという。決め台詞は「こら!トン、チン、カン」と言うアレ。
確か第一話はバッグを装備するまでアグリアスが女だと気付かなかった
三人をラムザがガツンとやって、文句を言う三人を連れてスリーサイズを聞きにいくと言うアレ。
他にもトン平の「堅かったら意味無いぜ」とかカン子の「でも感度はどうなのかしら」
など恐いもの知らずの実用的なゼリフ満載だったけ。
子供心にお兄さん、大丈夫かと思ってましたが。それのことですか?
違いますか、すいません。氏にます。
いやらしいですよっ!アグリアスさんっ!!
109:02/02/25 23:20 ID:???
アグリアス小説が終わってしまった・・・シクシクシクシク
聞いときたいんだけど
萌え小説
エロ小説
小ネタ

何が一番イイ?
(゚∀゚)絵!次が小ネタ!!
あ、やっぱ小説はいやーんて人もいたのか
なんでもいいけどエロネタは勘弁。
あ…そうなの…。 (´・ω・`)ショボーン
115変チュ:02/02/26 13:20 ID:???
アグリ「何故このような服なのだ!?」(ラバーコンシャスとリボン)

・・・一人妄想が暴走。
ジョブにもよるが、アグリアスやレーゼの鎧を極力ラバーコンシャスにしてた時期あり。
俺的イメージは、タイツではなくエアロビ用トレーニングスーツ。
だめだ、微妙にエロネタだ。

逝ってきまーす
116アルガス・地獄編:02/02/26 15:56 ID:???
俺はエロネタ大歓迎だけどな!
117変チュ:02/02/27 08:41 ID:???
ついでに言うなら、二人仲良く「踊り」レッツダンス。
それ萌え
>>110
挿し絵のある萌え小説かな
別にエロネタでもいいけど、冒頭に明記キボンヌ
抵抗するラムザスレが面白い方向に化けた。
こっちのスレのみんなもがんばれ!
121変チュ:02/02/28 06:25 ID:???
 野営中、見張りに出るラムザとアグリアス。
(内部工作はなんとシド「もう1ペアはレーゼとベイオウーフだ、邪魔はいかん」)
 で、昼間のモンスターとの戦闘(大量のチョコボ)で疲れの出たラムザ。
 焚き火の前で横にこてんと倒れ、アグリアスに寄りかかる・・・。
「ば、馬鹿者、見張りのときに寝る奴が・・・!」
 とは言うものの、穏やかな寝顔のラムザを見て声が萎む。
 落ちつかない素振りで周囲を見渡し、いつもは鋼鉄(ムスタ談)と呼ばれる心臓をどきどきさせる。

 かちんこちんに固まったまま、次の交代(ベイオ達)が来るまでそのまま。
 ラムザのやーらかい髪が触れてもそのまま。
 ラムザの寝息がかかってもそのまま。
 ラムザの心音が聞こえてもそのまま。
 ラムザの鎖骨が見えてもそのまま

 そのまま交代が来て、そういうときだけはちゃんとラムザが起きる。
 寝た事をすまなそうに謝るラムザ。心臓どきどき。
「つ、次からは気をつけるのだな」
 2時間ほど固まった姿勢だったので、ギクシャクと動きながら寝床(女性用)天幕に移動。
「ね、眠れん」
 思い出すのはラムザのラムザの・・・アグリアスさん寝不足。
 しかし、次の日は欲求不満(?)のせいか、敵に八つ辺り。
122RAGE ◆HqcvRAGE :02/02/28 16:19 ID:???
うああああああああ
イイイイイイイイイ!
敵に八つ辺り?

いいぞ切りまくれ!!
しょーとすとりーもええ!!
小説バンバン読ませて下さい!
女の私でも萌えます。 
アグリアスさんLOVE〜vvvv

っつーか、どうしてアグリアスの場合、無意識的に
「さん」付けしちゃうんだろか……。
男はだいたいアグたんと呼びますが何か?
アグリアスさんでもアグたんでも萌え
>>124
同意。
何ゆえ、さんが付いてしまうのだらう?
おねえさん的感覚のキャラクターだからだろうなぁ。

逆に、アルマやティータ、ラファあたりには、
なかなか「さん」とかつけづらい。違和感バリバリで(w
129変チュ:02/03/03 21:27 ID:???
 露天風呂に療養のラムザ一行。色々考え事もあって、ラムザが夜一人で浸かってるときに稽古を終えたアグリアス登場。湯煙でぼやけてたせいか、アグリアスはラムザを女性だと思いこみ、そのまま入ったりして。
 ラムザはラムザで遠い方を見つめてて、誰かが入ったのは気づいたもののアグリアスとは判らない。
 で、近づいてラムザとアグリアス、両方気付く。
「ら、ラムザなのか!?」
「な、なんで!?」
 さして広い訳が無い露天風呂。出るに出られずにいると、他の連中も入ってくる。しかし、まさか先客がラムザとアグリアスとは思わない。
 とゆーか、二人してナゼか隠れたり(笑)
(な、なんで隠れないといけないの!?)
(わ、私にもわからん!)
 大慌てのアグリアス、判断ミス。岩陰に、二人背中合わせで息を潜める。その間中、二人共心臓どきどき。
「く、くっつくな」
「でも、そうしないと見つかっちゃうけど・・・」
 とか
「痛っ、一昨日の傷か」
「大丈夫かい?」
「み、見るなっ!」
「ご、ごめん」
 後から入ってきた連中(ベイオを除く男性陣)が出た後、ラムザがのぼせて気絶。
「ラムザ、おい?」
 騎士剣も軽々と二刀流で使うアグリアス、ラムザをとりあえず湯から上がらせようとして・・・
 視点直撃(察してくれ)。元々長湯していたせいで、よけいに顔に血が上ってアグリアスさん、撃沈。
 後に入ってきたレーゼとベイオの二人に天幕に運び込まれました。

 次の日の午後。街道で戦闘になり、出陣した5人の中にラムザとアグリアス。
 戦闘開始直後にブレイブ100。攻撃力増加。お互いの姿を見る度に、やっぱり攻撃力増加。
 算術で使ったファイアの威力も増加。受けたブリザドの効果は半減。
 敵もたまったもんじゃない。倍近い数だったのだが、あっちゅうまに駆逐、合掌。戦闘終了後、活躍しなかったベイオあたりが不思議そうにたずねる。
「どういうアビリティ使ったんだ?」
 二人共黙して語らず。野営地でレーゼとベイオだけが意味ありげな笑いをしてましたとさ。
130変チュ:02/03/03 21:28 ID:???
・・・書き終わったものの、以外につまんないな。
お目汚し、申し訳無い。もちっと精進してきます。
萌え(;´Д`)
ラムザとアグ姐さんって、なんか照れてる時の会話がものすごく可愛い・・・
と最近気づいた・・・。

>>130
ゴチー。(*´∀`*)
>130
お目汚しなんてこたぁない!!
むしろ萌え。
84の続きも読みたいよなぁ……。

やっぱアグたん、ラムザとの組み合わせがイイッ(゚-゚)!!
134変チュ:02/03/04 11:24 ID:???
ふと思った。
ジョブはホーリーナイトに「踊り」アビリティ追加のアグリアス。
「ウィズナイヴズ」とか使うと、剣舞とかしてそうで何気にかっこいいんでないかと。
>>134聖剣技使えなきゃ意味ないぞ
ごめん
sを半角にするの忘れてた・・・
逝ってきまsU
137名無子(騙り):02/03/04 16:02 ID:???
>135
ジョブがホーリーナイトなら使えるスよ
138135:02/03/04 16:04 ID:???
>>137
踊ってたら使えないだろ!!
間合い的に
踊りながら近づくならいいが
おもしろいし
踊り子+剣装備可能+聖剣技とは、不思議とイメージが違うねぇ。
そこが(・∀・)イイ!!
140笑わない黒魔道師:02/03/05 00:06 ID:MSuV/KOj
ドーターから出発し、リオファネス城へ。途中ゼクラス砂漠とベルベニア活火山を通る。
道は長く険しい。旅なれたラムザ達だったがさすがに疲労の色は隠せなかった。
 疲れ果てたパーティーは隊列が延びきっていてお世辞にも警戒態勢がとれているとは
言いがたかったがそれを注意する元気もラムザにはなかった。ラムザは足をとめてパーティーの
最後尾に近いマーガレットに話し掛けた。

「マーガレット今どの辺を歩いてるのかな?」
「もうすぐベルベニア火山につくころかな。
今日はもう日も落ちたしこのあたりで野宿した方がよさそうだね」
「そうか・・・アグリアスさんにそれでいいか聞いてくるよ」
「いいよ、いちいち聞かなくったってさぁ。この辺りはね、
人体に有害な天然ガスが噴出してる場所だってあるんだよ。
暗い道をウロウロしてバタバタみんなして倒れちゃったら困るでしょう?」

 風水師であるマーガレットはラムザにそう言った。
彼女がそういうのであればここは素直に意見をきいたほうが良かった。

「そうだな。そうする事にするよ。君がいちばん最後尾なの?」
「ううん。ムスタディオがもっと後ろに・・・」

 ラムザはため息をついて草笛を吹いた。
ラムザが定めた山地など見通しが悪い場所での集合の合図だ。
141笑わない黒魔道師:02/03/05 00:07 ID:???
,
142笑わない黒魔道師:02/03/05 00:29 ID:???
マーガレット。君は野営できそうな場所を探してくれ」
「オッケ」

 急に元気な顔を見せ、マーガレットは木々の中へ飛び込んでいった。
アグリアスはきっと先頭を歩いていたのだろう。
『猪突猛進』という言葉が浮かんできてすこしおかしかった。


「どうかしたのかラムザ」
アグリアスがロビンズとワイアットと一緒に姿を現した。

「今日はここで野営することにしたんですよ。ここら辺は夜危ないらしいので」
「そうか…今日のうちにもうすこし進みたかったが仕方がないな」

 アグリアスは長いまつげを伏せながらふう、とため息をついた。
ロビンズとワイアットは別の意味でため息をつく。
かわいそうな彼らはアグリアスに行動のすべてを掌握されているのだ。

「ラムザ…貴公少しあの娘…マーガレットに甘いのではないか?」
「そんな事…ありませんよ。彼女は立派な風水師です。アグリアスさんこそ
ロビンズとワイアットに厳しすぎるのではないですか?」
「騎士とはかくありけり、だ」
「そうですか…」
143笑わない黒魔道師:02/03/05 00:30 ID:???
「ラムザー!!」
 その時マーガレットの叫び声が日の落ちかかった森の中に響き渡った。
ラムザは反射的にその声の方向に飛び出していた。
小枝をへし折りながら声の方向に突っ走る。すぐ後ろにはアグリアスの足音も聞こえる。

「マーガレット!!」
 岩壁の影からマーガレットが手を振っている。
「怪我はないか!?マーガレット!!」

「ラムザー!!見て見て〜!!温泉発見〜!!」
 無邪気に笑うマーガレットに軽い殺意を覚えた。

「なんとも立派な風水師だな」
 アグリアスはそういって剣を鞘に収めた。 
144笑わない黒魔道師:02/03/05 00:52 ID:???
ムスタディオはテント内で仰向けになり全身で息をしているように見えた。

「『疲労困憊』だね…」
「なんだってラムザ…?は〜…は〜…」
「いや、なかなかいいペースで進んでるな…って」
「いいペース過ぎますよ。アグリネエのやつすごいペースで歩くんですよラムザさん」
「ロビンズ…『アグリネエ』ってのはなんなんの?」
「内緒ですよ…なぁワイアット」
「…」

 その時テントの入り口から誰かが顔をのぞかせた。
「わっ!?」
「なによ。あたしがせっかく小川から水を引いてきて温泉に入れるようにしてあげたのに」
 さっきまで死んだように動かなかったムスタディオががばっと上体を起こした。
「え!?温泉入れるの!?」
「入れるよ〜…一緒に入る?」
「う…うんうんうん!!入る入る入る!!」
「バカ、そんなことできるわけないでしょ。アグリアスに殺されたいの?」
「…そう」
「あたしはかまわないんだけどね〜…アグリアスはお風呂でも剣をもったままだからね」
 ラムザはよそをむいて話を聞いていない風を装っていたが、
初めて聞かされる驚愕の事実に驚きを隠せなかった。

「と、いうわけだからさ。1時間したら入っていいよ」
「い…一時間も!?おいラムザなんとか言ってくれよ!!」
 ラムザはよそをむいて話を聞いていない風を装っていたが、
一時間もどこを洗うんだろう、という方向にすっかり思考がそれていた。
145笑わない黒魔道師:02/03/05 01:00 ID:???
2ch初かきこらのら
長文ウザかったらもうヤメマス
続けてくださーい。
147笑わない黒魔道師:02/03/05 01:05 ID:???
あっ?異端者さんドキーン
今日はもう寝るけど、続き読むの楽しみにしてますねー。
149笑わない黒魔道師:02/03/05 01:26 ID:???

 男性軍テントからマーガレットが去り、
残された駄目男性軍はそれぞれ武器の手入れやつまらない雑談をはじめた。
しかしそれはどこかすこしばかり空々しかった。

「今日の赤チョコボは強かったな…なぁロビンズ」
「ん?…ああそうだなワイアット…」
「あ…ロビンズ…すまないけどそこのロマンダ銃とってくれないか」
「はい、ムスタディオ…」
「ん…サンキュ…」
「…」
「…」
「今日さ…」
「どうしたのムスタディオ…」
「いや…今日さ…マロンに『ケアル』もらっちゃってさ…えへへ」
「ふ…ふ〜ん…良かったね」
「なんか最近気になるんだよね…へへ…」
「そっか…」
 まるで修学旅行の夜のような雰囲気に飲まれロビンズがつられて口を開いた。
「俺…マーガレットが…ほらあいつさ最近風水師になったじゃん?
あの衣装からのぞく足が気になってさ…この間も間違えてワイアットをダイアソードでバッサリと…」
「…」

 
150笑わない黒魔道師:02/03/05 01:27 ID:???
バン!!とラムザは読んでいた本をテントの床に叩きつけた。
「わっ…どうしたんだラムザ」
「おためごかしはもうたくさんだ!!俺達の気持ちはひとつなはずだ!?違うか!?」
「………!!」
「………!!」
「………!!」
「勝利条件は『全ての敵を覗け!』だ」

「どっかの芸能人みたいにつかまらないように…な」
「おう!!!!!!!!(3人)」
151笑わない黒魔道師:02/03/05 01:47 ID:???
体をピリピリとした緊張感が包む。
そう、この感じを最近感じたのはウィーグラフと戦った時だっただろうか。
いやそれ以上かもしれない。失敗は許されない。

「南西からの風が強いな。北東から回り込んで茂みや遮蔽物を各自利用することにしよう。
黒装束の装備し忘れはないな?」
「ばっちりだ」
 普段お荷物のムスタディオだったが今日はいつもの十倍は頼りになりそうな凄みを感じた。
これならばいけるかもしれない。

 普段割と無口なワイアットも今日ばかりはやや興奮気味で口数も増えていた。
「伝説の『忍びの衣』があればな〜…もう見たい放題なのにっ!!」
「ワイアット!!私語は慎め!!作戦を台無しにする気か!?」
「す…すいませんラムザさん…」
「いいか…これは遊びじゃないんだ。
もし覗きがばれたらパーティー瓦解は必死。しかも僕は異端者だぞ…!?
ひょっとしたらこんな形で名前が残るかもしれないじゃないか!!」
「す…すいません」
 そう命がけなのだ。この作戦は。しかしそれでも………

 それでもアグリアスの裸が……… 

「散!!」
 男達はそれぞれ闇夜に溶け込んでゆく。もんもんとして…
それぞれの思いを胸に秘めて。もんもんとして…

 それでもアグリアスの裸が………見たい!!
152笑わない黒魔道師:02/03/05 02:31 ID:???

 アグリアスは思う。
オヴェリア様に仕え騎士として生きてきた自分はなんなのだろう。
今までの道に疑問があるわけではない。ただ浮かんでくるものなのだ。

 ラムザと旅をし、余計に強まる思い。

 長身のアグリアスはマーガレットやマロンを時々羨ましく思うことがある。
自分もああいう風になれたら、と思う。

 騎士剣を振り回すこの腕力を呪うこともある。
もちろんオヴェリア様を守るためにひつようなものであることは分かっている。
いままでそんなことは考えたこともなかった。

 しかしラムザと旅をはじめて少し変わってしまった。
今まで自分が疑問にも思わなかったことを疑わせることの連続だった。
今まで当たり前だと思っていた価値を根底から叩き壊すこともこの世では実際おこりうるのだ。

 
153笑わない黒魔道師:02/03/05 02:31 ID:???
アグリアスの頬に湯気があたる。マーガレットとマロンは装備を解いて湯に身を浸している。
女性らしい体だと思う。マーガレットがはしゃいで泳いでいるのを眺めていた。
そして少し笑った。自分は風呂で泳いだりはできないな。
そう習ったわけではないがきっと騎士は風呂で泳いだりはしないものだろう。

「どうしたのアグリアス?一緒に入ろうよ」
「ああ…」

 ふと自分の体を恥ずかしいと思った。自分の裸を見せるのがためらわれた。
これほどまでに自分の体が恥ずかしいと思ったことはなかった。
鎧を脱いだら私を見てふたりは笑うのではないだろうか、と思った。

「湯加減は…どうだ?」
「ばっちり!!」
「そうか…」
154RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/05 11:10 ID:???
覗きバカ4人がすげぇ面白い…
本気じゃねぇか(w

 普段は常時エルフのマント着用のムスタディオだったが今夜はゲルミナブーツの装備に余念がなかった。
彼は先のオーボンヌ修道院での戦いにうっかり石化銃を装備していってしまう
大ばか者であったが今夜ばかりはなんのぬかりもない。

 機工師はクールに狙撃だ…ムスタディオは心の中で何度もくりかえす。
見ててくれよ…親父(いやです)…俺は今夜ひとつ大きくなる…

 昔教わったおまじないを思い出す。ウエストポーチから目薬を取り出して右手に握る。
普通、暗闇解消に用いられる目薬だが機工師の間でつたわる伝統的なおまじないがある。
目薬を差すと視力が良くなるというおまじないだった。暗闇をも見通せる、と。
普段まったく信じていないおまじないだったが今夜のプランをラムザから聞かされた時
真っ先に思いついた。

 そうか…このおまじないはこんなときのためにあったのか………(違います)

 暗い森を進むと温泉からの湯気が見えてきた。
目薬のビンが月夜を反射しないか計算して目薬をさす。今夜俺になんのぬかりもない。
パーフェクトだ…

 マロンの姿を思い浮かべる。クールで知的な彼女。
ローブに包まれた彼女の体はゾディアーク伝説よりもはるかに謎だ。
今夜その秘密が明らかになるのだ………見ててくれ親父…(いやです)
 
「なぁ………ロビンズ」
「なんだよ、声出すなよ」
「いや………いまならまだ間に合う。やめようこんなことは!!」
「な………なにいってんだよさっきまでノリノリだったくせに!!」
「やっぱさ、よくないと思うんだよね………」
 ワイアットはそういうとうつむいて地面をみつめた。
「いいじゃねーかマーガレットなんか普段から戦闘中パンチラしてる事だってあるだろ?
ちょっとぐらい覗いたからってなんだっていうんだよ」
「そうじゃなくてさ………アグネエのことなんだけど」
「へ?」
「明日からさ、俺達の前を歩くわけじゃん?………なんていうか今夜みたお尻が
明日から目の前にあるわけでさ………こう………歩くたびに弛緩するお尻が
今夜を境に透視できてしまうのがちょっとアレかな………ってさ………」
「ふっ………なんだそんなことかよ」
「そんなことって………」
「それがいいんだよっ!!」

 ロビンズの言い放った一言はワイアットの疑問を粉々に打ち砕いた。
普段はロビンズを軽薄な男だとばかり思っていたワイアットはこの時を境に
ロビンズを一人の漢(おとこ)を認めることになる。
ロビンズの迷いのまるでない目が美しく月光を反射し視線の先が女の裸体だと
言わんばかりの迫力を醸し出していた。

「そうか………そうだよなっ!!」
「そうだそうなんだ!!」

 ふたりはゆっくり忍び足で森を進んだ。
 
 ラムザの鼓動はヘイストをかけられた時のように激しく胸をノックしていた。
(今夜とうとう………アグリアスさんの………)
それを想像しただけでラムザはすっかり『不動無明剣』だった。
普段厚いプレートの奥に隠された彼女の胸はそんな風なのだろう?
(きっと『無双稲妻突き』って感じだろうな………うっ………イカンイカン
いまこんなことを考えるべきではない………ベオルブ家の名が泣く………)

 音が鳴りそうな場所を踏まないように気を使い、ゆっくり確実に歩を進める。
辺りに白い湯気が漂ってきた。ターゲットは近い………
夜といえど暖かいこの地域は湯気をそれほど濃くはしない。
視界はいいはずだ。場所さえ確保すれば今夜は確実にパラダイスだ。

(ああ………聖光爆裂破しそう………)
 
ムスタディオはゲルミナブーツ装備の甲斐あって男性メンバーのなかで一番最初に
温泉にたどり着いた。
(風向き………よし!!)
さらに自分の姿が見えない場所に移動する必要がある。
月光の光線角度を計算に入れ、露出した岩肌の間を縫って移動した。
「こら!!………もうマーガレットったら」
突然マロンの声が聞こえたのでムスタディオは岩に激突し、もんどりうって倒れた。
額から血が出ているようだったが歯を食いしばって耐える。声を出すわけにはいかない。
これはムスタディオが忍者へのジョブチェンジが可能なことを示す予兆であったが
ムスタディオの頭の中はそんなことを思う余裕はこれっぽっちもなかった。

 普段はトード化した敵に殴られてもおおげさに声をあげて叫ぶムスタディオだったが
今ならキングベヒーモスの一撃を食らっても絶える自信があった。
 
 手ごろな岩に移動して温泉の方を見る。
「はうっ………」
普段ムスタディオを叱ったり殴ったりする彼女達は少しのぼせたのだろうか
露出した岩にこしかけあられもない姿をしていた。ナ…ナイス………
気がつくとムスタディオの頬を熱い涙がつたっていた。

しかし見つかる危険を考慮したからだろうか。少しばかり遠いようだ。
3人が裸でそこにいるのは分かったが、誰が誰なのかさっぱりわからない。

 危険なのは承知の上だったがもうすこし近づかなくてはならないようだ。
ふと自分が隠れている岩の先に小さな茂みがあるのが見えた。

(おおっ………あそこからなら………バッチリ!!………ナ…ナイス………)
 
 
すげぇ・・・
普通にプレイしてみたい・・・
 ロビンズとワイアットが現場に到着した。
「おい、あそこでごそごそしてるのムスタディオだよな?」
「ああ………そうだな」
「ちょっとまて………あの距離は反則だろワイアット………
毛穴を視認できる距離だぜおい………」
「ぬうう………許されん………行こう我々も………」
「そうだな………」
 ふたりは奇しくもムスタディオと同じルートで茂みまで身をかがめて移動しようとした。
彼らもまた生涯で最高の集中力をもってこの場にいるのであった。

 背後から誰かが近づいてくる音が聞こえた。ムスタディオが振り返ると
それはどうやらロビンズとワイアットであるらしかった。
(なんでこっちにくるんだよ!!ここは3人も隠れるスペースねーだろあっちに行け!!)
シッシッとジェスチャーしたが2人は首を振り近づいてくる。
(お前ばっかいい目させるかよ!!)
ここまで培ってきた仲間意識が一瞬にして壊れる。彼らは肝心な協力というものを
完全に忘れきっていた。今ロビンズとワイアットの頭の中には『茂みに行けばパラダイス』という
言葉しかないのだった。
 ムスタディオはホルスターからロマンダ銃を抜き二人に銃口を向けた。
(来たら………………殺るっ!!)

 
ワイアットがロビンズの背中を押す。
(早く行けよ)
(………)
(なにやってんだモタモタするなよ!!)
(………いや………ムスタディオが………)
(ん?ムスタディオがいいとこ占領してんだろ?だから俺たちも早く行こうぜ)
(いや………なんだか良く分からないんだけど………)
(どうしたんだよ!!)
(銃口向けてるんだけどっ………)
(………)
(ヤツの目は本気だ………行ったら殺られる………)
(………) 

 (ふふふ………みんな甘いよ)
ラムザは一部始終を上から眺めていた。時魔導師としての職歴もあるラムザにとって
木の上にテレポートすることなどたやすいことだった。しかしながらなぜムスタディオが
流血しているのかは分からなかった。
(この巨木の枝を伝えばムスタディオの位置よりさらに先に行くことができる………
そう、この枝は僕を天国まで連れて行ってくれる『ヘブンズドア』なのさ………ふふ
さらにそこからテレポートすればアグリアスがこしかけている岩の真後ろにだって
移動が可能………近い遠いなんて問題じゃない。もう『混浴』と言ってさしつかえない
レベルまで近づける………ああっ………『聖光爆裂破』しそう………)

 
銃を見てようやく後ずさるロビンズとワイアットを確認し、
ようやく前方に集中できる状態になったムスタディオだったがまたわずかな物音を
感じ再び振り返った。しかしそこには誰もいない。もう一度前を向くとまた音がする。
(上から………)
月光を頼りに空を覆う木々の枝を注意深く確認する。
するとそこにはとても貴族とは思えない姿で木の枝にしがみつくラムザの姿があった。
(そこまでするか………)
と思ったものの一人の雄として一種の畏敬の念をぬぐえないのもまた事実だった。
同じ雄としてどこまでも夢を追いかけるラムザの姿にはある種の感動を覚える。
今夜二度目の涙がムスタディオの頬を濡らす。
(ラムザ………お前ってヤツは………!!)
しかしそのラムザを見守っていたムスタディオの目に世界を破滅させかねない
ハプニングが映った。

バキッ!!

ラムザの踏んでいた枝が折れた。
「………!?」
「………!?」
「………!?」
(ラムザッ!?)
誤字が多いぞsage
なんかつまらなくなった
166RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/05 20:29 ID:???
いや面白い。
続きが気になるので応援sage。
168165:02/03/05 21:40 ID:???
突然生意気になるラムザ
 何かが落ちる音がしたのとアグリアスがセイブザクイーンを掴むのは
ほぼ同時だった。もしモンスターだとしたら何も装備していないこの状態では
勝ち目がない。アグリアスはここにきて自分の危機感のなさに唇をかんだ。
「たぶんジュラエイビスかなにかが木から落ちたんだよきっと」
マーガレットがバシャバシャと水面をけりながらそう言った。おそらくいいかげんな憶測だろう。
アグリアスはセイブザクイーンを握ったまま全裸で湯の中に立っていた。
「足長いねアグ」
マロンが長い髪をまとめながらそういった。アグ?それはいったい誰の事を指して言っているんだ?
「そろそろあがろう。こんなところをモンスターに襲われたらひとたまりもない」
「アグリアスだって誰かに襲われるかもよ。よく洗っとかなきゃ…あはは!!」
マーガレットはそういってマロンと一緒になって笑った。アグリアスにはマーガレットの
言葉の意味がまるで分からなかった。
「しっ………静かに………」
アグリアスは2人の笑いを制した。
「どうしたの?」
「何か………何か妙だな」
 アグリアスはマントを羽織るとセイブザクイーンを構えて暗い森の中を見渡した。

 
 「何か………何か妙だな」
 そういうとアグリアスはムスタディオのいる茂みの方向にまっすぐ歩いてきた。
ムスタディオの目にはアグリアスの手の中のセイブザクイーンが妙に禍々しく映った。
(ま………まずい………殺される)
軽装にしてきたのが裏目にでていた。いまアグリアスの一撃をくらうとムスタディオは
問答無用で地面にひれ伏すことになる。
(ひいっ………助けてくれ親父………)


 「何か………何か妙だな」
 そういうとアグリアスはムスタディオのいる茂みの方向にまっすぐ歩いてきた。
ロビンズとワイアットはガタガタと震えながらその様子を見守った。
(ワイアット………フェニックスの尾………もってるか?)
(いや………ないよ)
(そうか………それだとムスタディオが一撃くらうと………)
(いまからテントにとりに行っても………)
(ああ………間に合わないな。きっと………)
(ひぇぇぇ………)
(アグリアスが剣をふりかぶったら………止めよう………)
(ああ………いやだいやだいやだいやだ………)
 
171RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/06 01:29 ID:???
殺られるのか…?
 「何か………何か妙だな」
 そういうとアグリアスはムスタディオのいる茂みの方向にまっすぐ歩いてきた。
ラムザはただ木の上からじっと見守っている。
(ああっ…ムスタディオ…なんてこった………あいつ捕まったらぜったいチクる
タイプだよな〜…もおう!!………ああっアグリアス………マントの下が
裸ってやっぱ男のロマンだよね………あ〜風よ吹け吹け!!
ぴゅ〜ってまくれろよ〜!!ふー!!ふー!!ふー!!………はぁはぁ………)


(ああっ………冷酷な死の女神アグリアスが近づいてくる………親父先立つ不幸を
ゆるしてくれ………いややっぱ飛び出して許しを乞うほうが………ああっアグリアス
足が綺麗………ううっ………『足を狙う』………なんちゃって………)


(うわー………ムスタディオの命が消えかかってるよロビンズ!!)
(きっと走馬灯をみてるんだろうな………でも記憶力ないから朝ごはんの事しか
思い出せないんだよきっと………)
(そんなことどうでもいいんだよっ!!どうするんだロビンズ!!)
(あれ………朝なに食べたっけ!?)
(目玉焼きだよ!!)
「はい、あ〜んしてムスタディオ」
「よせよはずかしいぜマロン………」
「もうふたりの時は『マロマロ』って呼んでって言ってるでしょ」
「ごみ〜んマロマロ。あ〜ん………………


 
なにやってんだ俺?
はっ!?いかん持病の妄想が!?
きょうの朝ごはんの時の記憶が走馬灯のように
………しかもちょっと脚色気味でっっ!!

ムスタディオは立ち上がり叫んだ。
「ごっ…ごごごごごごみんなさいっ!!
悪気はなくてちょっぴりお茶目な僕ムスタディオ………

ごう、と風が吹いた。木の葉が舞い散る。
アグリアスの体を覆っていたマントが一瞬めくれあがる。
「ダ…ダイナマイツッ!?」


 
 
 強烈な炸裂音がムスタディオの耳元で鳴り響いた。
アグリアスの『無双稲妻突き』に違いなかった。

薄れゆく意識の中ムスタディオは思う。まあ、いいか。
アグリアス………お前は最高の………


 視線の感じる方向に歩を進めた。何かがいることは間違いない。
セイブザクイーンを強く握る。ごう、と風が吹いた。木の葉が舞い散る。
アグリアスの体を覆っていたマントが一瞬めくれあがる。

 突然その場に生えていた木が動き出した。
(トレントかっ!?)
そのとき茂みから黒い影が飛び出してきた。

「ごっ…ごごごごごごみんなさいっ!!
悪気はなくてちょっぴりお茶目な僕ムスタディオ………

アグリアスは動き出した巨木に剣を振り下ろした。
「無双稲妻突き!!」
 突然現れたプラズマが耳元で炸裂したせいか、ダメージを受けたわけでもないのに
そのばにばったりと倒れていた。
(なぜムスタディオがこんなところに………?)
悪いとは思ったが裸足の足でムスタディオをつついてみる。
だが目を覚ます様子はなかった。
(見張りをしてくれていたのか………?いや………まさか………な)
きっと覗きでもしていたのだろう。こんな軽装で見張りができるとは思わなかった。
(馬鹿な男だ………まあ、4人も男がいるのだ。こんなヤツがひとりいても(おしい)
おかしくはないな………これからは気をつけよう………)
もっとも私の裸など誰も見たくはないのかもしれないがな。
「もう大丈夫だ」
アグリアスはふたりにそう声をかけた。

「アグリアス後ろっ!!」
「アグリアス後ろっ!!」

マロンの声と同時に振り返って目の前にあるものを一撃した。
ウッドマンの腕が岩肌に転げ落ちる。木の葉が舞い散りアグリアスの肌を掠めていく。
(うかつだった………)
敵は4頭いた。
「アグリアス!!」
マーガレットが全裸のままダイヤソードを持ち駆け寄ってきた。
心もとない加勢だった。丸裸でウッドマンを4とう倒すのは至難の業だ。

「清らかなる生命の風よ、天空に舞い邪悪なる傷を癒せ………ケアルラ!!」
マロンの呪文によってアグリアスの肌から傷が消えていく。
「大丈夫!?アグリアス」
「ああ………大丈夫だ………」
しかし本音を言えば回復せずにそのままラムザたちを呼びにいってほしかった。
わざわざ呪文を唱えたおかげで3にんとも敵に囲まれている。
(ラムザなら………こんな時判断をあやまったりはしなかっただろう)
自分のふがいなさを呪った。

 
風が吹いた、木の葉が舞い散る。またしてもアグリアスの肌から鮮血が飛び散る。
マーガレットもマロンも。回復は間に合わない。
「無双稲妻突き!!」
目の前のトレントが倒れると同時にマロンが倒れた。
(マロン………)
「マロンッ!?」
「マーガレット!!気を抜くな!!」
声をかけ終わる前にマーガレットが倒れる。
(ラムザ………助けてくれ………)

「ラムザァ!!」


178RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/06 10:26 ID:???
助けないのかラムザ!
気持ちは分るが!
(ひいっ………助けてくれ親父………)

↑ワラワラワラ!!
>>169以降からがかなり面白いです。
(正直、最初の方は「何だこれは?」と思てたが。)

続き、楽しみにしてますよ!
>180
ホントはアグ萌えとみせかけてラムXムスをやって読み人をがっかり
させる予定だったにもかかわらず異端者が出てきたので途中で方向転換
していると思われ

おかげで妻が寝静まってからこそこそと夜中に書いてると思われ………
ここのアグたん 滅茶苦茶かわいい。

これが "萌え"ナノカ〜。
途中で方向転換してたノカーΣ( ̄□ ̄;)
>>181
あそこからどうやってラム×ムスに逝くつもりだったのか、微妙に気になる今日このごろ。
>>181
途中で方向転換していたんですか?
私的には、こっちの方が面白くて好きです(結末はどうあれ)。
>>182同様、アグリアスの描写、可愛らしくて好きです。

追記:
いや、今のまま結末がラム×ムスの方がガッカリする(藁。
最初の頃のまま書いていたら、恐らく途中で読むのやめて
いただろうから。169以降の描写方法が好き(主観)。
色々書いてスマソ。こそこそ夜中に……お疲れさまです。
だけど、楽しみに待ってますよ!
突然ウッドマンガ現れてアグリアスを襲ったがアグリアスはいつもの
ように一撃のもとにそれを屠った。ラムザは思わずこぶしを握る。
(う〜ん………いつ見ても鮮やか………ああっ………アグリアスゥ〜………)
「もう大丈夫だ」
とアグリアスはまだ温泉から立ち上がったばかりのマーガレットとマロンに
声をかけた。
(マーガレット………マロン………君たちもいいッ!!最高だ!!
アグリアスほどじゃないけどね。ああっ………僕はこれから毎月8日は
『アグリアスの日』にして休日にしたっていいぞ〜っ!!
それにしてもここからだとアグリアスの真上になるからよく見えない
な………)
「アグリアス後ろっ!!」
マロンの声と同時にアグリアスは振り返り目の前にあるものを一撃した。
ウッドマンの腕が岩肌に転げ落ちる。木の葉が舞い散りアグリアスの肌を掠めていく。
「アグリアス!!」
覗き行為の最中にもかかわらずラムザは思わず叫んでいた。
(どどどどどどどうする!?助けにはいるか!?覗きがばれるぞ!?
しかしもうムスタディオが飛び出しちゃってるし………!?
ああっ………!?ムスタディオの馬鹿!!お荷物めっ!!)
ウッドマンから刃と化した葉が舞い散る。みるみる3人の白い肌に
赤い血で模様ができていく。
(みんな………)
「ラムザァ!!」


「アグリアス後ろっ!!」
マロンの声と同時にアグリアスは振り返り目の前にあるものを一撃した。
ウッドマンの腕が岩肌に転げ落ちる。木の葉が舞い散りアグリアスの肌を掠めていく。
(ロビンズ!!やばいよ!!)
(し………しかし………助けに行ってもあとからアグリアスさんに殺されるような………!?)
(助けなきゃみんな殺されちゃうよっ!!)
(ええいっ………ままよっ………!!)
「ラムザァ!!」
アグリアスは生まれて初めて自分が悲鳴をあげているのにきづいた。
(オヴェリア様………私はもう………)
セイブザクイーンを握る手が緩む。マントが肩からするりと落ちた。
(私の物語はどうやらここで幕のようだ………)
オヴェリアの笑顔が頭に浮かぶ。このままこんなところで死にたくない………

「岩砕き、骸崩す、地に潜む者たち集いて赤き炎となれ………!!」

「ファイア!!」
目の前に高温の炎が広がる。アグリアスの白い裸体が闇夜に浮かび上がる。
目の前に光に包まれた少年が現れ、崩れおちそうになっていたアグリアスの
体を支える。
「アグリアスさん!!」
それがラムザであることに気づくのには少し時間がかかった。
視界の隅にロビンズとワイアットが剣を振るう様子も見えた気がした。
(ラムザ………?なぜここに………?)
「しっかりしてください!!アグリアスさん!!)
ラムザの後ろからトレントが襲い掛かっているのが見えた。
(ラムザ………!!)
「ファイガ!!」
マーガレットとマロンはロビンズとワイアットの治療をうけている。
アグリアスは鎧を着終わるとそれを横目で確認しながらラムザのそばに
向かった。
「ラムザ………話があるのだが」
ラムザはこの世の終わりが来ました、とでもいうように青い顔をして小さく頷いた。
ロビンズとワイアットが心配そうな顔をしてラムザを見る。ラムザはふたりに小さく頷く。

温泉があった場所より少し先に、赤岩の岩肌がむき出しになった
広場のような場所があった。
「座ろう」
アグリアスは短くそういってそれらの岩のひとつに座った。
ラムザは緊張した面持ちでアグリアスの正面の地面に正座した。
「ラムザ………?なぜそんなところに座るのだ?」
「あっ………ああ、そうだよね。ははは」
ラムザは慌ててアグリアスの隣に座った。
緊張とアグリアスの湯上りの香りのせいでラムザはいささか不整脈気味だった。
「まず………助けてもらってありがとう。ラムザ」
「ぼ………僕達は仲間だろう?当然だよ」
「それと………な。なぜあの場所にいたのか聞きたいのだが」
やはり来たか………ラムザはここが正念場だ、と腹をくくる。
「まず………最初に言っておくんだけど………」
「ああ………」
「ムスタディオを責めないでやって欲しいんだ………」
「と、言うと?」
「マーガレットが温泉を見つけた時から少し様子がおかしかったんだけどね。
いきなり『覗くぞッ!!』って言い始めちゃってさ。とめたよ。当然だろう?
僕は行ったら除名だからな、って言ったんだけどとめられなくてね。
僕はこれは過ちが起こる前に止めるべきだ、と思ってロビンズとワイアットと
3人でムスタディオをとめに来たんだよ………」
「なるほど………そういうことだったのか………」
「うん………だけど結果的にはこうしてアグリアス達を危機から救うことができた。
僕はムスタディオを除名にはしないことにしたよ」
「ラムザ………優しい男なのだな………お前は………」
「いやあ、やめてよアグリアス。照れちゃうよ」
「いや本当だ。私が処分を決める立場ならこんな男は切って捨ててしまうところだ」
「………そ、そう………厳しいんだね」
「ムスタディオの目が覚めたら厳しく言っておかないとな」
「あわわっ………いや、アグリアス今夜のことはもう口に出さないことにしよう。二度と」
「なぜだ?」
「だからムスタディオのおかげで貴女達を救うことができたからだよ」
「しかしな、ラムザ………」
「こっ………これは命令だ!!アグリアス!!」
「分かった。それがお前の方針なのであれば私は何も言うまい………」
アグリアスは静か笑顔を見せると片膝を立てて自分の頬を乗せた。

「私は魔物に襲われたとき、自分の人生を投げてしまったよ………」
目だけで遠くを見つめながらそういった。
「しかしお前のおかげで私は今こうして生きている。オヴェリア様とまた会うこともかなう………」
「こう止そう………僕達は仲間だ当然のことだよアグリアス」
「ありがとう」
そう言ってアグリアスは自分の手をラムザの手の上においた。
その行為がおおよそアグリアスらしくなかったのでラムザは驚く。
アグリアスの指は爪が短く切られてはいるが、白く長く美しかった。結果オーライだとラムザは思う。
「トレントの幹からはいいハープが作れるんだそうだ。知っていたかラムザ」
「いや………知らなかった」
「妖精をも魅了するハープなんだそうだ。オヴェリア様が言っていた。ハープは弾けるか?ラムザ」
「うん、一応は………下手糞だけどね」
「いつか聞かせて欲しいな………」
月がアグリアスを照らす。白い頬は青白く光り神秘的で美しかった。

「ああ………いつかきっと聞かせるよ」
 
                                  THE END
すばらしい!終わりかた綺麗スギ!
つーかラムザひどすぎ。ムスタディオ悲惨すぎ・・・
193ムスタディオ:02/03/08 14:25 ID:???

 …本気か? おまえとはいい友達になれると思ったんだけど…な。
ラムザ好きの僕としては、激しく残尿感(;´Д`)
195RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/08 20:39 ID:???
もう少し暴走してほしかったが…イイ!
途中に入るRAGEさんのツッコミ含めて、すごく好きだな、コレ。
ラムザよ・・・・
私はおぬしを除名する
言い訳は聞かぬ・・・
ありがとうございます!
予想外に綺麗な結末が読めた事に驚きと感謝です!
ムスタディオの描写と、その合間のツッコミも好きだけど、
やっぱり良い描写でしたよアグリアス。
いやぁ、正直ここまで面白くなるとは思わなかったです。

……それでは、以降名無しで。
(っていうか、私いつからアグリアス萌えになったんだろう…)

#このスレ、全体的にマターリしていて好きだなぁ。
アグリアス萌え萌え〜〜
マターリいいね
200RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/08 23:45 ID:???
次回にも大いに期待。
そして、
「つっこんどいてよかった」
>>200
わはは、いい味だしてたよ
おもしろかった
なんか、なんか臨場感を感じた
もちろんのぞき組で
あわわわわ
ゴメム
>>192
読んでいただいてありがとうです。
>>193
好きなものほどいじめたいものです。ムスが一番スキ
>>194
きっとニセラムザなんでしょう
>>195
サンクスです。でも暴走したらあなたのつっこみの方が光ってしまいます
>>196
本編より数倍面白いと評判
>>197
ゴメン
>>198
>(っていうか、私いつからアグリアス萌えになったんだろう…)
自分もそれに頭を悩ませてます。
>>199
スレなくならないようにしたいですね
>>200
奥さん(わたしのアグリアス)が同窓会なのでいそいそと友達とナンパしにいったら
奥さん(わたしのアグリアス)の同級生をナンパしてばれて怒られて〜………
お小遣いを没収されたのでもう自分には2chしかないわけで………
>>201
次からはRAGEさんがこのスレを守ってくれるそうです(W



204変チュ:02/03/09 14:32 ID:???
ふむ・・・見たいタイプのネタ(覗きとか)やアグリアスに対するカップリングある?
一番ポピュラーなのはラムザ×アグリアスのようだが・・・。
萌え、シリアス、ギャグ、そういった分けもあるとありがたい。
・・・って書くつもりか自分(笑)
205RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/09 15:01 ID:???
>>203
フ、今の今まで守ってきていたつもりですが何か?(w

>>204
神様降臨か!?
男免疫の無いアグリアス姉さんというのが一番好きですな。
まあ姉さんに弄られるラムザつーのもまた…
コレはラムザ萌えか
うんうん。アグたんは、
男に対して免疫ゼロに近い状態が(・∀・)イイ!!

生真面目タイプだからこそ、
つついた時の壊れっぷりが楽しいに違いないー
207Tinker lip ◆AgRIUsws :02/03/09 20:58 ID:???
トリップテスト
208Tinker lip ◆AgRIUsws :02/03/09 20:59 ID:???
ちょっと変だけどアグリアスだよヤッホイ。
209変チュ:02/03/09 21:06 ID:???
>男免疫無し
 うーむ、その方面か。よござんす、頑張ってみましょ。
 プロット決まるまで、誰か繋ぎ頼む〜(笑)
 ちょっと考えてたのは、シドとアグリアスのシリアスな稽古の話。
 萌えないので微妙。
210変チュ:02/03/09 21:15 ID:???
 剣聖と謳われたオルランドゥとの稽古。
 道中や先行きの拭いきれない不安を振り払う為と申しこんだアグリアス。
 ただ、慢心もあったのかもしれない。
 剣聖。が、既に老齢に差しかかった相手。
 戦場では同じ技を使うが故に、自らの腕は超してはいないが、決してひけをとらない物だと思いこんでいた。
 甘かった。
 両者、模擬剣を手に対峙し、胸を借りるつもりで上段に構えたとき、自分の身にそれは起きた。
 恐怖である。
 シドはただ、剣を手に普通に構えているだけだった。
「さあ、どこからでも構わぬよ」
 緩やかに響く声。だが、それは彼女の耳には入っていなかった。
 感情はいとも容易く心臓を鷲掴みにし、背筋へ冷たい汗が流れるのを感じる。

・続く
211変チュ:02/03/09 21:31 ID:???
・もちっと量増やしても弾かれなさそうだな・続き

 殺気ではない。相手はそれなどとうに超越した域にいる。ただ、どこから手を出そうと確実に自分が負ける事だけは判った。
 人外の魔物であるルカヴィとの戦いですら、この恐怖に及ぶまい。
 いつもは好々爺然としたシドの表情が、今はただ静かに自分を見つめている。
 それが、恐ろしかった。
 ムスタ等に「鋼鉄の心臓」等と揶揄される自分が、これほどまでに強い恐怖を感じているとは!
 他の仲間、それも女性陣のごとく悲鳴を上げたいのを必死に抑えながら剣を握り直す。
「せ、聖光爆裂波ー!」
 模擬戦とは言っても、使う技は本物。ただし、傍には立会いとして薬類を用意したラムザが居た。
 情けない、何故かそう思えた。
「頑張れ!」
 無責任な、と思ったのだが、ラムザの言葉を受けたとき、強張っていた身体中が少しずつほぐれるのを感じる。
 何故かは判らない。だが、今は集中せねば。
 放った技はシドを直撃。爆風が巻き起こる。しかし、シドは傷ついた身体を気にもせず、悠然と砂埃の中から現れた。
「まだ、踏みこみが甘いようだな・・・こちらも行くぞ」
 技を使わず、ただ打ち込んできた。神速(MV+3)の踏み込み。一瞬で横に回られる。
「くっ!」
 辛うじて剣で受けとめる(装備武器ガード)。受けた腕は痺れ、足は衝撃に悲鳴を上げていた。
「壁を背にして背後から襲え・・・そう教わらなかったか?」
「てやぁッ!」
 返したのは裂ぱくの気合。答える余裕など無かった。

・続く
アグリアスって自分の実力すら わからない程のうでだったんですね
213変チュ:02/03/09 21:51 ID:???
・まだ続き、もうちょいで終わらせるんで

 切り払ったものの、シドは素手で受け止め(白羽取り)た。掴んだ剣を引っこ抜き、軽く拳で鳩尾を突く。
 それで終わりだった。
 息の止まったアグリアスは空気を吸おうとするも果たせず、苦しそうに地面をのたうちまわった。
 ラムザが介抱してようやく咳き込み始め、空気をむさぼる。
 シドは剣を2本とも地面に刺し、どこか遠い所を見つめている。
「・・・既に我々は実戦の、それも戦った事の無い相手との戦いの中に居る」
 唇の端に飛んだ唾を拭い、アグリアスはようやく顔を上げた。
「人の技、それを超えた所に敵は居るのだ。人の技で考えうる戦いを捌けずして、どうして勝利を得られよう?」
「かはっ・・・も、申し訳ありません」
 唇の端に血が滲んでいる。
 横でラムザがポーションを薦めているが、最近どうも折り合いが悪い(と思ってるのはアグリアスだけだが)ので、そちらを見ずに薬だけ掻っ攫う。
「すまぬな。普通の騎士道では無い、ありていに言えば邪道な戦いも我々の戦術に含まれる(CT4トード)。しかし、そうせねばならぬほど敵は手強い」
 一気にポーションを飲み干したアグリアスの前にシドはしゃがみ込んだ。
「ただ、自分の道を貫きたくば、邪道な戦術も取らず勝利できる力を得る事だ。まだまだ、可能性がある、精進するのだ」
 そういって模擬剣を持って立ち上がり、天幕に去っていった。
 残されたアグリアスは、しゃがみ込んだままじっとしている。俯いたまま両手を突く。拳は固く握られていた。
 ラムザは声をかける事も無く、自然と彼女が立ちあがるのを待っていた。
「・・・ラムザ」
「なんだい?」
「私は・・・弱いのか?」

・続く
>>208
浦山氏いです
215変チュ:02/03/09 22:07 ID:???
・続き

 悔しかった。ただ相手が強い事だけではない。慢心し、あげくに恐怖に怯えていた自分自身が悔しかったのだ。
「・・・弱くないよ」
「何故、そう思う? 今、私はオルランドゥ殿に負けた、まともな一撃を与える事もなく・・・」
 ラムザは首を振った。
「勝った負けただけが、その人の強さじゃないよ。強さだけじゃなくって、色々な戦い方もある。オーランのような、あるいは」
 少し表情に陰り。
「あいつみたいな、戦い方も・・・そして僕達の戦い方だって、ある。
 アグリアス。君も、強い心・・・その意思で僕と一緒に戦ってくれている。
 これを強さって言わず、なんて言うんだい?」
「そうか・・・そうだな」
 涙を見られぬようこっそりの拭うと、顔を挙げた。
 目には意思が宿り、そのままラムザの目をまっすぐに見つめた。
「オルランドゥ伯も言ってたじゃないか、精進しろって。もっと強くなれるよ」
 ラムザは優しい笑みを浮かべる。
 それまで何故か避けてしまっていたが、今はその笑顔をまっすぐに受け止められた。

「可能性、か」
 薬箱を片付けにいったラムザを見送りながら、アグリアスはそっと呟いていた。

・終わり、ギャグあんまなし。
216変チュ:02/03/09 22:13 ID:???
 ・・・うあー、前2つと較べてつまんねー
 免疫無しアグリアスさん(無論ギャグ)のプロット考えてこよう。
 シリアスってどーにもダメね、逝ってきます
肝心のアグリアスがあまりかっこよくなかったけど、
オルランドゥ伯とラムザがかっこよかったー(w

つーか、「いいシーン」でしたねぇ。
>>216
「萌え〜」とは違うが、こういうのも好きです。
>>217と被るが、オルランドゥ伯が目立ったよ、良い意味で)
・・・・というか、個人的にはギャグよりシリアスの方が好きなので、
出来ればまた、読ませていただきたいと思っていたり…。
アグリアスの弱い部分をラムザが支えてるのか・・・
なんか、ジ〜ン・・・・・・
220変チュ:02/03/10 00:17 ID:???
 評価があって胸をなでおろしております、さんきゅーです。
 ・・・プロットどないしょ。
221RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/10 00:47 ID:???
ラムザ=おいしい
シド=渋い
アグ姉さん=カワイイ

美しい女性は挫折しても美しいものですなぁ…
222212:02/03/10 02:42 ID:???
重ねて言うが弱い

アグ様はこんな身の程知らずではないと思うのだ
良騎士だから・・・
そこを変えてくれればいい作品です
風が心地よく体を通り過ぎていく。アグリアスは今空を飛んでいる。
次第に体は降下しはじめ雲をつき抜け足元に真っ青な海が広がる。
しかしアグリアスはそれほど驚いたりはしなかった。
(………夢か)
馬鹿馬鹿しいとは思ったがつい、両手を広げたりしてみる。
こんなところは誰にも見せられない。そう、夢でなければとてもできない。

 次第に体は水面に近づく。このままでは海に落ちてしまう。
(濡れてしまうな………)
そんなことを思ったがどうせ夢なのだ。構わないだろう。
突然横から強風が吹き付けてくる。
アグリアスは風に煽られて逆さまに落下していく。

 気がつくとそこは小さな小島だった。
小さな納屋ほどのその島は明らかに無人島だった。
白い砂の小さな島に、椰子の木が一本生えている。
それらを一瞥すると島の探索は終わりのようだ。
アグリアスは腰の剣を鞘ごと砂に突き刺すと、その隣に腰をおろした。
(もう………飛べないのか………夢なのに退屈だな………)
足元の砂を手ですくう。夢にもかかわらず現実的な感触で熱かった。
(早く目が覚めないかな………)
アグリアスは目を閉じて夢の中で寝ようとしていた。
「………アスゥ!!」
(………?)
「………リアス!!」
耳元で声がする。それはとても微かで聞きとり辛かった。
「アグリアス!!」
声のする方向に寝た姿勢のまま顔だけを向ける。
アグリアスの形のいい大きな目が一層大きく見開いた。
「ラ………ラムザ!?」
アグリアスの目の前にはラムザがいた。
しかしそれはいつものラムザではなくアグリアスを仰天させた。
砂浜に立つラムザはまるで鼠のように小さかった。
驚いたアグリアスは慌てて上半身をおこした。
「ラ………ラムザッ!?どうしたのだその………体は………!?」
小さなラムザは顔を顰めて指で耳に栓をした。
どうやら声が大き過ぎたようだ。
「すまない。どうしたのだラムザ………その………格好は?」
「………!!」
しかしラムザが小さすぎていったい何を言っているのかアグリアスには
皆目検討がつかなかった。仕方がないのでラムザを手に乗せて耳元に寄せる。
「どうしたのアグリアス!?そんなに大きくなっちゃって!!」
アグリアスはラムザの言っている意味がしばらく飲み込めず
困惑した。
「違うよラムザ。お前が小さくなっているのだ」
「違うよ。アグリアスさんが大きくなってんだよ!!」
「いいや違う。ラムザ、お前が小さいのだ………
この砂を見てみろ。お前の目から見て砂の粒が大きいとは
思わないか?」
ラムザはアグリアスの言葉に驚きを隠せないようだ。
ショックだろう。こんなに小さくては魔物と戦うどころか猫にもやられてしまうだろう。
「しかし気にすることはないぞ。ラムザこれは夢なのだ………」
「夢………ですか?」
「当たり前だろう。こんな非現実的なことがおこるはずがない。
わたしはさっき空から落ちてきたのだぞ」
「そっかぁ………夢か………それならしかたないですね」
「ああ………わたしが目を覚ませば全て元通りだ」
「え………?僕が目を覚ましたら、でしょう?」
「私だ」
「僕です」
アグリアスはそのラムザの物の言い方がすこし感に触った。
夢の中のラムザは少し生意気だ。きっと今夜ラムザが私をを魔物から救ってくれた
ことに対して借りを感じているのかもしれない。



「そんな態度をとってもいいのか?今のお前はこんなにも小さいのだぞ」
アグリアスはそう言ってラムザを両手で掴む。力は入れていないが
ラムザは身動きがとれずもぞもぞと動くことしかできない。
ラムザの体は小さくても本物の人間だった。その精巧さに感動して
アグリアスはラムザの腕や足や胸などを指で押してみる。本当にラムザが小さくなったら
こんな感じなのかもしれない。
「わ〜っ!!やめてくださいアグリアスさんっ!!」
「おっと………すまない」
何をやっているんだわたしは。慌ててラムザを砂の上に放り投げた。
夢の中の出来事にもかかわらずアグリアスは赤面してしまう。
乱暴に放ったのでラムザは砂にのめり込んだ。
「だ………大丈夫かラムザ?」
小さなラムザはなにやら叫びながらこっちにトコトコと走ってくる。
その小動物のような動きがなんとも愛らしいのでアグリアスは
不覚にも言葉をなくしてしまう。
(もう一度触ってみたい………)
227Tinker lip ◆AgRIUsws :02/03/10 03:13 ID:???
>222
漏れもそう思うよ。
『接戦だったけど一瞬の隙をつかれて負けた』
とかだったらいいんだけど。
このアグたんは違和感が...
僕は210−215すきですよ。
ただ(CT4トード)とかいう言葉が出てくると
どこに主観をおいて読めばいいのかちょっと疑問。。。
229変チュ:02/03/10 16:44 ID:???
>227
まだ、叩き直ししてないんであまり強くないんです、うちのアグ。
シドが強すぎる(HP999、AT28)という話も・・・。
それをイメージしてるんで、ちょっと半端な強さなんです。
かっこいいアグを期待してた人に謝罪。

>228
ギャグ畑なんで「どこかで笑いとらなきゃ」とか思った末の事で・・・申し訳ない。
場面的に、ゲームから離れられない未熟さです。

・・・むう、謝ってばっかだな自分(汗)
精進せねば
230RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/10 19:54 ID:???
>>229
いや、エンターテイメントとしては正解かと

まあ肥えたアグ萌え人には物足りなさ大爆発だろうが(w
かわいいアグたんもええけど、
かっこいいアグたんも見てみたい。
も、もう一度触ってみたい………)

 そう思ったがとても口にはだせなかった。
アグリアスは夢の中でも頑なにそう思った。
「オホン………すまなかったな………ラムザ」
「………!!」
「聞こえないな………ホラ………」
内心ドキドキしながらもラムザを手に取り肩に乗せた。
「もう、酷いですよアグリアスさん!!」
「謝っているだろう。勘弁してくれ」

 日が傾きかけてきた。空がオレンジ色に輝き水平に差し込んでくる。
砂浜に座って海を眺めているアグリアスには光が少し眩しかった。
「長い夢だな………私はもう退屈してしまったぞ………」
アグリアスはそういいながら砂の上に寝転んだ。
「わ〜っ!!」
耳元で小さなラムザの声がした。
(しまった………ラムザを肩に乗せていたのだった………)
アグリアスは慌ててラムザを探した。

「どこだラムザ………潰れてしまったのか?」
「ここですよ〜………」
声はまたも後ろから聞こえた。
アグリアスの三つ編みに何か引っかかっている感触がある。
どうやら髪の毛のクッションのお陰で潰れはしなかったようだ。
夢の中とはいえ戦友を押し潰しては目覚めが悪い。
「すまなかった。お前がいることをすっかり忘れてしまっていたよ」
「酷いなぁ………もう」
アグリアスは背中に手を回すとラムザは自分からアグリアスの
手に飛びついてきた。
(まるで手乗り猿だな………)
自分の手のひらに立つラムザを見つめながらそう思った。
ペットを飼うのもいいかもしれない。しかしこんなペットは
どこにもいないだろう。そう思うと少しばかり残念だ。
「暗くなってきたね………」
ラムザはそういいながらアグリアスの手のひらであぐらをかき、
ほぼ沈みかけた太陽の方を見つめた。
その横顔は小さくてもとても凛々しかった。
その想いをなんと呼ぶかアグリアスは知らない。
(今夜は気が高ぶっているのかな………)
頬に手を当てて夕日を眺める。
太陽が消えると月が現れる。ゾディアック有史より遥か昔から
変わらない不文律。闇が迫り波音が大きく聞こえるきがする。
少し疲れたのだろうか。手の上のラムザが少し重い。
アグリアスの様子がおかしいと思ったのかラムザがアグリアスの顔を見る。
ゆったりとした変化になかなか何が起こっているのか分からなかった。
しかし手のひらからあぐらをかいたラムザの足がはみ出したので
何が起こったのか理解できた。
どうやらラムザがもとの大きさに戻るらしい。
アグリアスは今度はゆっくりとラムザを砂浜に経たせる。
「………もとに戻っていくよアグリアス!!」
「それはよかったな」
アグリアスはそっけなくそう言った。
夢の中のことだ。大きくなろうが小さくなろうがどうでもよかった。

しかしそんな考えもすぐに吹き飛んだ。
「ラ………ラムザ………ちょっと大きくなりすぎてはいないか?」
「ち………違う………ア………アグリアスさん………」
月夜に照らされたセイブザクイーンは相変わらず鞘ごと砂の上に
突き立てられている。そしてそれが今はまるで巨大な塔のように
目に映っていた。
「な………なんということだ………」
今度は自分が小さくなってしまった。
これは悪夢だ、とアグリアスは思った。
235RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/11 02:03 ID:???
ラムたんリベンジスタート!!
236ラムザ:02/03/11 02:10 ID:???
グヘヘ………お仕置きの時間だアグリアス(w
まさかここからいきなりアグリアスを置き去りにしてラムXムスに!?Σ( ̄□ ̄;)
ライオネル城、祭壇の前。この聖なる場所で、ライオネル領の中でももっとも神の御子の
近きにいた男が聖石の光の中、古き頃の御伽噺、悪夢の中の存在に変わっていくのを
ラムザ達はただただ見ていた。
『くくく、驚いたか?』
それは力に満ちながら醜悪、純粋に不浄、汚猥に満ちて澄んだ力の泉
もっとも下卑てありながら尊大な威厳を纏う王であった。
期せずしてそこにいた全員 ―――― 信仰せし者も、せぬ者も
それをその存在であると確信していた
そう、それはイヴァリースに住むものなら誰もが幼き頃に抱く恐怖の影、
正しく『伝説の悪魔』であった。
「ル、ルカヴィ?…」アグリアスがわななきながら呟く
皆がその存在に圧倒され、恐慌に陥っていた。
「パゥンッ、パゥンッ」
ムスタディオの銃が耐え切れなくなった正気の叫び声のようにその声を上げる。
「だ、駄目だ」 空になった引き金を何度もひきながら呟く。
かってドラクロワであったそれは笑いながらアグリアスの方に手をかざす。
だがアグリアスは動かない、否、動けない。恐怖に捕らわれているのではない。
恐怖にすら手が届かない処にアグリアスはいた。
「聖石と…悪魔」それのみがアグリアスの脳裏を占める。
その時、ラムザが叫んだ。
「気圧されるなっ、弾は当たっているんだっ、怪物の親玉にすぎないっ」
そう言うと階段を駆け登りながら剣を抜き切りかかる。
怪物に単身切りかかるラムザをみてアグリアスが慌てて叫ぶ。
「馬鹿な!貴公が突っ込んでどうする!」
だがそれを見てアグリアス達も我に返り、慌てて動きはじめる。
「援護たのみますっ」
その様を見たそれは確かな愉悦の表情をあげた
『さあ、あらがってくれ。そして私を。このキュクレインを楽しませてくれ…』
なんてな
240ムスタディオの手記:02/03/12 02:46 ID:???
○月×日

ドーターから出発し、リオファネス城へ。
途中ゼクラス砂漠とベルベニア活火山を通った。
ベルベニア火山の辺りでマーガレットが温泉を発見した。
もちろんラムザたちと覗いたが、ばれてアグリアスの『無双稲妻突き』を
くらった。よく覚えてないけど痛かったと思う。頭がドリフみたいに
ならなくて助かった。でもアグリアスの裸がチラッと見えてラッキーでした。

次の日、なぜかみんながぼくによそよそしかったです。
ラムザは「女性軍はこのことはもう口に出さないでくれそうしたら許す」
と言いました。最近の彼はちょっと信用できません。
A型のひと・・チョコボ密漁でレアアイテムの『ももひき』をGETだ
B型のひと・・ランダムバトル中に意中のひととドキドキ!?かもしれん
AB型のひと・・モルボルに告白されるぞ
O型のひと・・一生見習い戦士だな
アグ占い(・∀・)イイ!
A型のひと・・戦闘不能なのに誰もフェニックスの尾をなげてくれないぞ
B型のひと・・意中のあのひとに飛行移動でアタックすれば吉だと思うぞ
AB型のひと・・除名されます
O型のひと・・必殺「ギャラクティカ・アグリアス」の餌食に

除名されました・・・
さようならアグリアス様・・・・・・・・・・・
一言
「私は断じて覗きなどという行為はしていないッ!!
245変チュ:02/03/14 01:13 ID:???
 ああっ、プロットがおもいつかねぇ!!
アグが出てこない、とか(w
斬新
ラムザに近づく男にやきもちを焼くアグたん

男にかよ!!
A型のひと・・モルボル菌でラリラリだ。
B型のひと・・新アビリティ「ダウンロード」を覚えるぞ。
AB型のひと・・ねじり鉢巻、柔道着装備の私に萌え萌えだ。
O型のひと・・朝起きるとキュクレインになっているぞ。

250名前が無い@ただの名無しのようだ:02/03/14 17:47 ID:DVhzcwMu
age。笑わない黒魔導師はんの小説の続きが読みたい。
251お礼に感想ぐらい…:02/03/15 08:59 ID:???
ここ、何度か見てるケド雰囲気もいいね〜。
面白いのも多いから、読んでいて楽しいよ。
書いてくれる皆さんありがとう!

>>234
続きが気になる今日この頃。
前回のムスタディオ覗き大作戦(?)といい、
なんか発想が面白い。…笑わせて貰ってます。
続きも希望。

>>238
自分、こういう言葉遣いが好きです。
しかし、ウチのラムザと違って果敢だ…。

>>249(アグ占い)
どうも、O型の人って全編通して結果が良くない気が…。
いや、自分B型だから良いんだけれども(w。
A型のひと・・仲間から「おっさん」という愛称で親しまれるぞ。
B型のひと・・トード化した仲間を見失いがちだぞ。
AB型のひと・・埋もれたアイテム「おっさん」をGETだぞ。
O型のひと・・サウンドノベルに熱中している間に仲間が全滅しているぞ。
大きなラムザが気になりそれどころではなかった。
(食べられてしまいそうだ………)
と、思ったが夢の中だからだろうか、幸い自分の腹は減らない。
しかし夢の中の登場人物であるラムザが空腹を理由に自分を食べないとは言い切れない。
「ラムザ、私を食べるなよ」
と先に注意したが、大きさに比例して声が小さくなっているのだろうか、ラムザは首を傾げた。
ラムザはアグリアスがそうしたように自分にそっと手をのばしてくる。
相手がラムザだと分かってはいるもののさすがにここまで大きいと動揺してしまう。
普段は華奢だと思っていたラムザの両手が予想をはるかに上回る力で自分を拘束する。
「………!!………ラ、ラムザッ!?」
悪気はないのだろうがラムザはいつまでもアグリアスを肩に乗せる様子はなく、
顔の前に持っていきアグリアスを不思議そうにしげしげと見つめた。
パッチリと少女のように大きなラムザの目は今、ことさら大きかった。
「………ば馬鹿者!!なにをじろじろ見ているんだ!!」
じたばたともがくが手足の自由はラムザの両手により奪われてしまっている。
「は………早くはなせ!!ど、どこを触っているんだ!!大馬鹿者!!」
「あ、ごめんごめん。あんまり小さいからさつい見とれちゃって」
そう言ってアグリアスを肩に乗せた。アグリアスは真っ赤になりながら怒りと屈辱で
ブルブルと震えた。
(まったく………夢の中とはいえ、なんと無礼な男だラムザめ………とてもあのベオルブ家の
ものとは思えんな………ホ−リーナイトの私に対して………まったく………もう食事を
一緒にしてやらないからな………ぶつぶつ………まあ、夢の中のことだが………現実だったら
一刀両断にしてくれるところだ………)
しかし実際にはここは夢の中であり、アグリアス愛用の『セイブザクイーン』はまるでオーディーンが
使えるほど大きかったし、ラムザはドラゴンより遥かに大きかった。
「なぜ夢にまで出てきて私を動揺させるのだお前は………」
「へ?」
月だけがこのふたりを照らし出し、その奇妙な光景に含み笑いをしている。
>253
頭の数行がとんじゃいました。
想像で埋めてください(W
 月が消えかけて日が昇り始める。それは普段からすれば目まぐるしいほどの
変化の早さだったがラムザの肩の上でぼおっとしているアグリアスにはとても退屈だった。
「それにしてもおかしな夢だ。一日がこんなにも早く過ぎていくとは………
それに夢の中でこれが夢だと気づくというのもおかしい………」
「そうですか?僕は時々そういうことありますよ。まあ大抵は夢だと気づいたらすぐに目がさめるんですけどね」
と夢の中のラムザはいった。無視しておこう。どうせ夢の中の登場人物だからいい加減なことを言っているんだ、この男は。
 眩しい陽射しがふたりを射す。しかし本当は眠っているのだ。
目が覚めるまでこうしていなければならない。日課の素振りは何年かぶりに中止せざるを得なかった。
(剣が振りたい………腰のものがないとこうも落ち着かないものなのか………)
アグリアスはセイブザクイーンをじっと見つめた。夢から覚めればまた振れる。
目を閉じて目が覚めるように念じてみた。そして意味がないことを悟って溜息混じりに
目をあけた。「………?」 気のせいだろうか、セイブザクイーンが大きくなっている気がする。
(はて………?)
しかし気のせいではなかった。今度はラムザが小さくなりアグリアスが大きくなっているのだ。
ラムザはアグリアスを砂の上におくと自分の両手を見つめながら小さくなった。
瞬く間にアグリアスは砂の上の剣を楽に触れる大きさにまで大きくなった。
「ふふふ、ラムザ。さっきはよくも破廉恥なことをやってくれたな」
しかしラムザはポカンとした顔をしてなにやら考えているような顔をした。
「どうしたラムザ?」
つまみあげるのは気が引けたのでアグリアスは顔を近づけて聞いた。
「おかしい………これは本当に夢なのか………?」
 ラムザはいつになく真剣な顔をしてそういった。それは紛れもなくいつも自分達を
正しい道へと導く指導者の顔だった。
(まったく夢の中などで格好つけて………)
アグリアスは溜息をつきながらラムザを指先でつつく。
しかしそれは今のラムザにとっては丸太ほど大きな指なのだ。大きくつんのめった。
「このスケベ」「へ?」
>>255
>セイブザクイーンが大きくなっている気がする。

小さく、だね
萌え〜〜
アグファンって、ラムザにも萌えてる人多いよね
(私含め)
>ライターの皆様

ここ文章長いから 一度見逃すと読む気なくなります
半角スペース や 空欄の行 作ってくれると 読みやすくて ありがたいです
わがまま言ってすみません
>>258
半角も読みにくいから
全角が良いと思われ
気をつけます
261RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/15 20:31 ID:???
む、復帰と同時に熱い人達だ
続き期待しまくり。
とりあえず体の火照りを押さえるためにご飯を食べてきます
262無用なレスお許しを:02/03/15 23:03 ID:???
>>257
ゴメソ、私はラムザよりもムスタディオが好き(笑)。
……い、いやいや、皆さん素敵だと思うのね。うん。

>>258-259
まあ確かに読みづらいっていうのはあるんだけど…。
う〜ん。空白多様かぁ…(私は書けないからなんとも…)。

>>253
> (食べられてしまいそうだ……)
かっ、可愛い(笑)。
このスレ相変わらずいいね
>884さんは元気れすか?
ラムザは両手を大げさに振り回しながら力説した。いつもの大きさなら
説得力もあるのかもしれないがこの大きさでは愛嬌をふりまいているとしか
思えなかった。アグリアスは、ふっ………と笑いながら言った。

「で、私たちが今その魔法にかかっていると言いたいわけか?」
「そうだよ」
「じゃあ、この島はどう説明するんだ?私は空から降ってきたのだぞ?」
「う〜ん………きっとそういう魔法なんじゃないかな………」

 アグリアスはラムザの言葉を聞きながらまたふふっ、と笑う。

「もう、アグリアス………」

 やはり夢の中だからかな………ラムザが私を敬称なしで呼んでくれるのは。
アグリアスは両肘を砂に立てて頬杖をつき、空いた手でラムザの頭をつついた。

「まじめに聞いてよ〜!!」

 ラムザの表情は大きさのせいで分かり辛かったが、わずかに頬を染めたのが見えたので
余計にからかってやりたくなった。つんつん。

「頭に乗せてやろうか?ラムザ」
「あのね………アグリアス」

 がっくりと肩を落とすラムザ。 


「………うん………乗せて」
 先ほどまでの夜が夢のように、水色の水面にキラキラと太陽が反射している。
しかし夢なのだから夜だろうと昼だろうと夢なのだ。海の上を滑ってきた風がふたりを
通り過ぎる。

「うわ〜!!高い高い!!恐いよ〜!!」

 ラムザはアグリアスの頭の上で無邪気に叫んでいる。
まるでいつもムスタディオとじゃれている時のラムザそのものだった。

「楽しいかラムザ」

「うん!!すっごく!!………いやいやいや!!こんなことしてる場合じゃないんだよアグリアス!!」

「何がだ?」

「だからね、僕たちは魔法をかけられたんじゃないかって………」

「ああ、その話か。しかしなラムザ。私たちは温泉にから帰って寝たはずだ」

「違うよ。僕まだ入ってないもん」

「ん?なぜだ?」

「良く思い出してみて………」
「トレントをやっつけてから僕たちは一回テントに戻ったよね」

 夢の中のラムザが今夜のことを正確に話したのでアグリアスは驚いた。
しかしよく考えたら自分の夢に出てくる人物は自分の心が生み出した生き物なのだ、
自分が知っていることは知っていて当然だろう。
 
 しかしラムザが大きくなったり小さくなったり自分が大きくなったり小さくなったり
する夢が意味するものはいったい何なのだろう。
(私はラムザのことをどう思っているのだろう………)
そう思いラムザを見つめようとしたが生憎今は自分の頭の上でわめいているのだった。
(私はひょっとしたら変な奴なのかもしれないな………)

「ね………おぼえてる?」
「あ、聞いていなかった」
「アグリアス〜ッ!!」
「悪かった、ちゃんと聞くよ」

 コホンと咳払いをひとつしてラムザはアグリアスの頭から身を乗り出して
顔を見せた。アグリアスからは視界の上にラムザの顔だけが見えた。
ラムザは必死なのだろうがやはり笑ってしまう。

「あのねテントに戻る途中マーガレットが地面からなにか堀り起こしたでしょ?」
「そういえば………」
トレントと死闘を演じたアグリアス達は男性メンバーの治療を受けたのち
全員でテントに移動した。装備を整えて、男性メンバーが風呂に入る間、女性メンバーが
魔物や盗賊からメンバーを守るためだ。

「だったら一緒に入ればいいんじゃ………」

 そう言ったムスタディオを剣の鞘でどついたのを思い出した。

(そうだ………ラムザの言うとおりだ………)

 そして移動の途中マーガレットが杖で地面をついて「ここに何か埋まっている」と
言ったのだ。それをロビンズとワイアットが掘り起こして………
 ふたりは穴から小さな箱を発見した。
開けるのを躊躇したふたりの間を私が割り込んで………

 そうだ中から白い煙が出てきた。そこまでは思い出した。
そして声が聞こえた。

「アグリアスッ!!」

 そうだあの声はラムザではなかったか?
慌てて私に駆け寄って………

 アグリアスは全身の血が引くのを感じた。

アグリアス「カ〜エ〜ル〜の〜き〜も〜ち〜! トード!!」

ラムザ「プッ!」

アグリアス「………!?」
269ワタクシ的な事ですが:02/03/16 03:19 ID:???
>>253 やはりメリアドールから取り上げるのか?

>>268 やはり一度は言わせているのか?
 ラムザが小さくてアグが大きい絵ね

ttp://north-cape.parfait.ne.jp/cgi-bin/joyful/joyful.cgi
ファイナル・ファンタジー・タクティクス《関西版》


「…わてら罪深きイヴァリースのガキらが神々さんのの御力で救われんことをどうかよろしゅう…」
「さ、出発いますでェ、オヴェリアはん」
「もちょっと待ってぇな…アグリアスはん…」
「そやけど、もうとおに護衛隊が到着してるのんでっせ」
「姫はん、アグリアスはんを困らせたらアカンでェ!!さ、急いでんか」
「まだかい! もう小一時間経っとるやんけ、コラァ!!」
「やかまっしゃいわい!!ガフガリオンはん!!王女の御前なんやで!!」


「…これでええんかい、アグリアスはんよ…こっちは急いでんねんで!!」
「誇り高い北天騎士団にもおんどれみたいなけったいな奴がおるんかいな」
「辺境の護衛隊長殿には十分すぎるほど紳士的なつもりなんやけどな…
それに、ワシらは北天騎士団に雇われた傭兵や。あんたに礼をつくす義理はないンやで」
「なんやて、もっぺん言うてみんかい!!」
「わかったわかった。ええがなええがな、ホナ行こか」
「気ィつけえや」


「シモン先生もあんじょうしいや!!そしたら!!」
>270
ラムザ、chapter1版なんすか?
ファイナル・ファンタジー・タクティクス《東北版》

「……おらだづ罪深きイヴァリースの童らば、神々のお力で救ってけらいん。」
「ほれ、行ぐべし、オヴェリア様。」
「ちょっぺと待ってけねが、アグリアス。」
「もう護衛隊が来てっぺさ。」
「姫様、アグリアス殿を困らせたらなんねど。さ、急ぐっちゃ。」
「まだがよ!もう小一時間になるべっちゃ!」
「無礼だべ、ガフガリオン殿。王女の御前だべ。」
「こんでよかんべか、アグリアスさんよ。おらだづも急いでんだ。」
「誇り高ぇ北天騎士団にもおめみでな失礼な奴ぁいんだなぁ。」
「蝦夷の護衛隊長殿には十分すぎるくれ紳士的なつもりだべ。
それにおらだづ、神殿騎士団に雇われた傭兵だで、
お前さンに礼を尽くす義理はねえべっちゃ。」
「なにっすや、このほでなす!」


途中でぶんなげ(;´Д`)
表記不能な語彙を補うために津軽弁と南部弁と仙台弁ごちゃまぜにしたけど、
それでも撃沈。。。
>>272
ぜったいおかしいよ!!セイブザクイーンも持ってるのに!!
普段着だとか。写真ウプしたら栓が歪むのね〜
ああ〜アグリアス〜輪郭線が歪んでッ!!

>>273
負けました…
>>273
東北人ですが
それでも読みにくいのは
何か呪いがかかってるからでしょうか?
>275
すんません。付け焼き刃なのでー
(仙台の都市部育ちで、今は岩手北部にいて青森のラジオ聴いてたりして。。。)
277275:02/03/16 22:04 ID:???
>>276
ワラタ
278275:02/03/16 22:08 ID:???
いいね、方言
シリーズ化は恐ろしいが・・・
おめど早ぐせ!!

だったか・・・?
被害者の皆様、冥福を祈ります・・・・・・・・・
なんか、ラムザ達って
旅の道中 様々なことを経験してるな・・・
うちはJP稼ぎのために 壮絶な同士討ちを展開してたよ・・・
友人と アグリアスVSラムザ やってたり・・・
A型のひと・・FFT大全を信じまくりでプレイだ。
B型のひと・・メモリーカードを無くしても慌てるな、耳にはさまってるぞ。
AB型のひと・・カーソル移動方式をBタイプにしてしまい大混乱。
O型のひと・・「腕を狙う」もブリッヂでかわされます。
>>281
AB型ですが
普段Bタイプです
あしからず
もしかしたら、もう散々言われている事カモ知れないケド、
FFT初プレイなんです、現在4章。
――アグリアスって、無口だよなぁ……。
……ちょっと寂しい(涙。

>>282
私は全く逆でした(藁
>>281
すげぇ。 大当たりだ(w

あ、当方A型です。ハイ。
初プレイで タクティクスのシステム把握していなくて ルカヴィ戦でつまっちゃってさ
やり直して 効率よくやってたら CHAPTER 1 で忍者と算術士 になったよ(苦笑
>>284
>アグ(小)ラム(大)

二人の構図が(・∀・)イイ!
288従者884:02/03/17 14:08 ID:???
>263
うん元気。小ネタはちょぼちょぼだしてるよー
つってもまともなネタは百科だけだけど。
238はカッコイイラムザやアグリアスさんを書こうとして
キュクレインに力を入れて書いてしまったもの。失敗失敗
今は友に頼まれたもの書きで忙しくて、正直いろんな余裕が無い…

A型のひと・・一歩歩くたびにデジョネーターを踏むぞ。
B型のひと・・必死で検索したトリップが「agurinas(アグリナス)」。
AB型のひと・・トード化した仲間がなんと産卵。
O型のひと・・ドラクエにはまり気味。

>>289
むしろデジェネレーター踏みまくって
10歳くらいから鍛え直したいと思う今日この頃 (w
>>289初めてはずれた気がする・・・(AB型)
29228th ◆ftVduac2 :02/03/17 20:22 ID:???
テスト
29328th ◆5FYDyecs :02/03/17 20:24 ID:???
>>285
どの辺りを信じて?
源氏?
>293
いや、源氏はめんど臭そうだったからやんなかった。
白髪のおっさん(名前忘却)
から盗るんだったっけ?

まあ、信じるというか、常に片手 という感じ。二周目にね。
295ギコガード ◆FFDQ/roc :02/03/18 04:27 ID:???
マルチポスト(正確には違うけど)失礼しまっす。
保管サイト、更新しましたですよ。
タイトルの無かったものは勝手に仮題をつけてしまってます。
誤字・脱字の修正や、作者違いなどありましたらご指摘下さい。
http://north-cape.parfait.ne.jp/alflailawalaila/

アグスレから1本だけですけど、あのお話のおかげで小説が
増えたかなぁと思います。次の更新が楽しみでありんす。
29628th ◆5FYDyecs :02/03/18 15:13 ID:???
自分の名前入れた凡庸さん相手に
アグリアスがハートを盗む!!
もしくは逆やった堕阿呆いる?
いたらあの・・・ごめんなさい・・・
アグリアスに後ろにぴったり身を寄せられて自分だけズボンとパンツを下ろされ、
アグリアスのきれいな手でおちんちんをしごかれたい。アグリアスのもう片方の手は
自分の首に巻きついてる。「はやく出しなさい」と言われたい。
A型のひと・・手遅れなほどロリコンです。
B型のひと・・今月からコテハンに。
AB型のひと・・寝顔をモンスターと間違えられます。
O型のひと・・ハイト4以上の場所には恐くて登れなくなります。

299タクティクス勢も頑張ろう:02/03/18 21:32 ID:???
FFDQ最萌トーナメントなるものが開催中のようです。
知ってる方ウザかったらスマソ
詳細↓
ttp://finito-web.com/repricant/saimoe/saimoe.html

今日は
マーニャ VS ミコト だそうな。
ttp://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1015507828/500/

主な(?)対戦日
3/21 オヴェリア VS リュック
3/23 メリアドール VS ガーネット
4/ 1 アルマ VS ネネ
4/ 4 ラファ VS ミネア
4/11 アグリアス VS サラ姫
4/14 レーゼ VS シンシア
4/15 セリア、レディ VS マリア

優勝はムリでも一矢報いたいとこですな。
>>299
> サラ姫
って、何処の誰? 良かったら教えて。
301タクティクス勢も頑張ろう:02/03/18 21:44 ID:???
>300
FF3らしいんだけどよく知らない。
だから多分勝てる(w

ただ、勝ち上がっても次の対戦相手は強すぎる…
だから、がんばりましょう
>>300
サラ・アルテニー
21歳、未婚、外見おしとやか、積極的
>>299
エリアさんはいないの?
>>301-302
ありがとう。FF3はやったこと無いから何とも言えない…。
けど、アグリアスさんでしょう(ぉ。

個人的な対戦希望は

アグリアス VS ベアトリクス(FF9)


密かに両方好きなんですが(w。
3/21と3/23は不在で参加不可(;´Д`)
アルマの日とアグリアスの日だけでもあけよう。。。
みんなで連合軍つくろうか?
307RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/19 00:05 ID:???
姉さんが勝つに決まっている。
というかサラ姫て元ネタ知らん(w
連合作る?このスレの住人手どのくらい居るんだろうか。
>306
あんまり意気込んでも、ウザがられてアンチが付きそうだから、
ほどほどにね。
あ、でも俺は一員にして下さい(w

>307
点呼とってみる?君1ね。  2

3っス!!
結構少ないかもね。

ちなみにアグ占いは俺が書いていたという罠(w
310306:02/03/19 00:35 ID:???
>>309貴様のせいで除名されたのか!?

311306:02/03/19 00:38 ID:???
>>308
そんな大それたものじゃないさ
312308=299:02/03/19 00:56 ID:???
>311
とかなんとか言いながら、
俺の方が先走ってるかも。すでにTスレ2つに支援要請しちった。
まあ、大丈夫かな。
313306:02/03/19 01:01 ID:???
>>312ワラタ
314Tinker lip ◆AgRIUsws :02/03/19 01:13 ID:???
ここでも最萌えやってるのか...
意識しなかった記憶が蘇ってきてアグリアスは動揺する。
確かにおかしな夢だと思った。妙に現実感があるし、やけに長い夢だ。
しかしもしこれが魔法のせいだったとしたらアグリアスたちにどうすることができるのか。

「ラ………ラムザ」

 アグリアスは血の気の引いた唇をきゅっと結んだ。
頭の上のラムザを掴んで問う。

「私の………私のせいだ………ラムザ。面目ない。」
「くっ………苦しいよ!!アグリアス!!」
「あ、すまん!!」

 力がこもっていた手のひらから力を抜く。
両手を皿の形にしてラムザを立たせる。

「げほげほ………ふう、死ぬかと思ったよ………あのねアグリアス」
「ああ………」
「これは掘り出した箱にかけられた魔法だと僕は思う」
「そうだろうな………」
「だったらマロンが魔法を解除してくれるさ」
「そうか………な」

 とはいったものの魔法にかかってからすでに数時間が経っている。
簡単に解除できる魔法ならとっくに解除されているだろう。
ラムザが気休めを言ったことに間違いはなかった。

(どうすれば………)
316良く見に来てる名無し:02/03/19 01:30 ID:???
点呼5でしょうか。

>>309
えっ!?
ちと尊敬(笑)。いや、B型あたってるの多いて。

>>308
心配しなくても、ここのスレ見ている限り痛い人はいないと
思っているのですが……。(甘い?)
ミニマム〜
唱えたい〜〜
「天駆ける風、力の根源へと我を導きその力を与えたまえ………エスナ!!」

 マロンが眠ったままのふたりに呪文をかけた。さまざまな薬も効果は無い。
埋められた箱から噴出した白い煙。それがふたりを突然眠らせた。
 いつもは軽薄ななはずのマーガレットは責任からか押し黙ったまま一言も発しない。
ただ黙ってアグリアスの頭を抱えている。目の周りが少し腫れているのは先ほどまで
泣いていたからだ。
 魔法も効果がないと分かるとマーガレットは再び頬を涙で濡らした。
それがアグリアスの頬に落ちる。それを見てムスタディオが胸を痛める。
しかし慰めの言葉が見つからなかった。

(お前のせいじゃないぞ………)
 ムスタディオは心の中でそう言ってみる。
ロビンズがもう我慢できない、とでもいうように言った。

「マロン………箱を開けるの躊躇したの俺なんだ。それでふたりが………すまん」
  鼻を啜りながらマーガレットが首を振る。
「違うよ。誰が開けたかなんて問題じゃないもん。あたしが悪いの。罠がかかってるの気がつかなかったから………」

 そう言ってマーガレットはアグリアスの頭を揺らした。しかし彼女は目覚めない。どうなんだ、とムスタディオがマロンに問う。

「外傷はないし、ふたりとも体だけは大丈夫みたい。でも魔法にかかってるのは間違いないみたい。エスナには手ごたえがあったんだけど………」
「起きないな………」
「多分古い呪文なんだと思う………ちょっと調べてみるわ………」

 マロンはそういうとテントの中に入っていった。
「ラムザ………アグリアス………絶対助けるからね………」

 マーガレットの言葉が夜の森に静かに溶けて消えていった。
319点呼4:02/03/19 02:13 ID:???
アグには勝ち栗を食べ、厄日を避け、破軍の方角も避けていただきたい
 アグリアスの手の中でラムザが大きくなっていった(やらしい表現)。
もうすっかり慣れてしまったアグリアスはラムザを砂の上に降ろす。
(また………小さくなるのか………いやだな………)
 アグリアスは溜息をつきながら小さくなる。ラムザと大きさが同じぐらいに
なった瞬間ラムザの顔を指して「触るなよ!!」と釘を刺しておく。

 辺りはもうすっかり暗い。ラムザが言うには太陽が顔を出している間はラムザが小さくなり
月が見えている間はアグリアスが小さくなるのではないか、と言った。
 アグリアスはそんなことはどうでもよかった。それより誰でもいいからこの状況を
なんとかしてほしいと思う。アグリアスはラムザの立て膝の上に立った。
 
「そうだ………アグリアスさん」
「なんだ?」
「さっきからこの困った状況を打開する術を考えてたんですが………」
「ああ………なにか方法がありそうか?」
「ひとつだけ思い当たることが」
「あるのか?それはなんだ?」

「昔、子供の頃良く聞かされたおとぎ話にですね………魔法で眠らされたお姫様が
王子様にキスされて目を覚ますって話があってですね………」
「………!?な………何を言っているのだ!!貴公はっ!!」
「いや、確証はないんです。でもね、やってみて損はないと思いますよ。
 このまま待っててもしかたないですからね。いろいろ試してみましょう」

「い………いろいろ………!?」
 
 ラムザの表情にはまるでやましいところはなかったがアグリアスは後ずさりする。
夢なら覚めてくれ………いや………夢であってほしい………
「し………しかしな、ラムザ………私は眠れるお姫様ではないし、お前も王子様ではないそ!!」
「やだなぁ、アグリアスさん。おとぎ話じゃないですか………ははははは」
「はっ………はははは………」
「だから王子やお姫様じゃなくてもいいと思うんです………そういうわけで、失礼します」

 ラムザは逃げようとするアグリアスを捕まえて顔の前に持ってくると静かに眼を閉じた。
必死でじたばたするもラムザの両手からは逃れられない。

「やめろ〜!!ラムザーーー!!オヴェリア様、助けてーーー!!」
「もうあきらめて観念してください。おとなしくね………ふふ………」
「年下のくせにおっさんのようなセリフは止せーーー!!」

 一瞬、ラムザの手が緩んだ。その瞬間をアグリアスは逃さなかった。
ラムザの顎に蹴りを一撃して砂の上に飛び降りた。

「ぐわっ………!!」
「今度大きさが逆転したら沖のほうまでお前を投げてやるからな!!」
「………アグリアスさん、あれあれ………」
「ん………?」

 ラムザが指差す方向を見た。空から何か光るものがゆっくりと舞い降りてくる。
それは小さな羽根が生えていて、人間のような格好をしていた。妖精だろうか。
やがてそれは砂の上に着地した。そして2,3度服をはらうと、アグリアスとラムザに
一礼した。つられてアグリアスは礼を返す。

「どうも〜、初めまして。エスナです。マロンさんの使いでおふたりを助けにまいりました」
「へ?」

 ふたりは顔を見合わせた。
 
点呼6かな?
Dブロック突破を目指して
323点呼4:02/03/19 10:15 ID:???
やらしい表現って
書いてなかったら気づかなかったよ
ノリが違うし
なんかアグリアスがおもしろかった
324299 点呼2:02/03/19 11:24 ID:???
>>314 、All
ウザかったら申しわけありませぬ。大きなスレ汚しになることだけは
避けたいので、俺自身は しばらくは潜伏していようかと。

ただ、それじゃ余りにも 言い出しっぺとして 身勝手過ぎますんで、
召喚されれば出るようにしますが。

>笑わない黒魔導師さん
とんだ横槍になってしまってすみません。連載はいつも楽しみにしてます。
無視して続けていただければ幸いです。
じゃあ一応、点呼5?
>>325 が6デスナ
漏れが7 アルガス名乗ってるのだいたい漏れ。
貴族のオトモダチが欲しいYO!
327点呼4:02/03/19 17:44 ID:???
>>307  5 >>316
>>308  6 >>322
>>309  7 >>325
>>310  8 >>326

気が向いたら 自分のNo.の確認してみてください
間違っていたら訂正お願いします
では、私は9で。
たまにカキコしてます(;´д`)ノ
 羽の生えた小さな妖精は自分を『エスナ』と名乗った。

「『エスナ』って魔法の名前じゃないの?」
 大きさ的にはアグリアスとつりあっている。自分だけのけものにされた気がしたのでラムザは随分窮屈な
格好をして二人の会話に混ざった。

「ここはね、魔法の国なんですよ。僕はエスナです。名前は『ティンカー・リップ』って言います」
「ええっと………名前が『エスナ』なんじゃないの?」
「名前は『ティンカー・リップ』です。『エスナ』はおふたりの世界でいうなら『人間』とか『ゴブリン』みたいな種族の名称だと思ってもらえればいいと思います」

 アグリアスとラムザは顔を見合わせる。

「それで………助かるのか?我々は?」

 アグリアスは鼻息も荒くティンカー・リップに詰め寄る。

「残念ながら僕にはどうしようもないですね。カエルになったとかならなんとかしますが、こんな奇妙な魔法ではお手上げです」

「そんな………」

 天を仰いだが、今は夜だ。仕方が無いのでアグリアスは月に祈ってみる。

「やっぱりさっきのを試してみようか、アグリアスさん」
「さっきの………だ駄目だ駄目だ駄目だ!!何を言っているラムザ!!人前でそんな破廉恥な行為ができるか!!」
「人じゃないですよ。僕は魔法です」
「ええい、貴様は黙っていろ!!」
「じゃ、君ちょっと向こう向いててよ、その間に済ませるから」
「はーい」
「何を『済ませる』のだ!!何を!!私はそんなまじないのような方法に意味があるとは思えん!!」
「まあまあ、あふたりとも落ち着いて………」
アグリアスはふたりに背を向けると島の中央の椰子の木にもたれかかった。
いくらアグリアスが小さいからといってもこの島は一人になるにはいささか小さすぎる。

(このまま何もせず待っていても仕方がないのは間違いない………ラムザはふざけているようでもしっかり自分達のことを考えているのではないか?)

 小さく溜息をする。

(魔法はまじないだ。ひょっとしたら本当に解けるかもしれない………しかし………ううっ………)

 溜息。

(いや、やろう!!ラムザはまだ子供だ。私が手ほどきするぐらいの余裕を見せないで どうする!!ラムザだってきっと緊張しているに違いない………)

 頭を2,3度振り、髪を整える。そして唇を舐めて湿らせる。

(よし!!やってやる!!)

 アグリアスは心を落ち着かせると今まで自分が乗り越えてきた危機を思い返す。初陣の時、初めてその手を血で汚した時、瀕死の重傷を負った時。その時のことを思うとこのくらいなんてことはない。そうだ、そのとおりだ。

 アグリアスは椰子の木からふたりに近づく。

「アグリアスさん、覚悟はきまった?………うわあ、凄く恐い顔ですね」

 ラムザはそう言ってにっこりと笑った。

「うむ、腹はきまった。一思いにやってくれ」
「断首罪になったわけじゃないんですから。そう緊張しなくてもいいですよ」
「な、なななななな何を馬鹿な!!はっ………ラッ………ラララッラムザこそ緊張せずともよいぞ。私が手ほどきしてやるからまあ、力を抜け………」

 アグリアスの様子を見たラムザは手をあげて首を振り、息を大きく吐いた。
331RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/20 13:40 ID:???
ああ・・・
アグたんやっぱカワイイなぁ・・・
332299 点呼2:02/03/20 20:52 ID:???
>331
はげど〜

ところで明日の、といっても12時からだけど…
オヴェリア様の試合、どこで語ったらいいかな?
ここだと板違いかな?総合スレとか?

333点呼4:02/03/20 22:06 ID:???
遅レスですまないが、
覗き話、何かに似ていると思ったのだ
それが何か思いだした!!
二橋を浚う、孫策、周瑜に似ているッ!!
>>333

ええっと、『二橋を浚う、孫策、周瑜』ってなんですか?
模倣をしたつもりはないんですが。似た話があるんですかね?(レスキボンヌ)

 いつも書き込み一回分の先も考えずに思いつきで書いてるのでですね、
俺の無知で何かに偶然似ることはあるかもしれないです。
335316(点呼5)の名無し:02/03/20 22:54 ID:???
>>318
辺りからがなんか良いです。既出ですがアグリアス可愛い〜(^^。
笑わない黒魔導師さんの書かれるお話って、FFT本編では
見られない「ファンタジー」な感じが見られて好きです。
・・・・個人的な感想で申し訳ないですが、とりあえず。
(こういうレスは半ばクセですので、ウザかったら言って下さい)
毎回ありがとうございます。

>>332
どうなんでしょう? タイトルからすると少し横道になりそうですが……。
オヴェリア様にいまいち印象がないので、(どちらかというとリュックの方が印象に残っていたり…)
個人的には是非、その魅力を語って頂きたいところなのですが……。
  ……そう言えば今、オヴェリア様って何してるんだろう?(ゲーム中)
  私の中ではすっかり置き去りにされてます、ええ。
総合スレって、攻略のですか? するとまた違うような…。

>>333
私はその読解力に感服。323とかも書かれても気付かなかったし…(汗。

長レスでスマソ。
336点呼4:02/03/20 23:06 ID:???
>>334
話ではなくて 雰囲気というか臨場感というかそういうものが・・・

義兄弟が、美人姉妹を妻にするときの話です
親父が姉妹を大事にしているし、身分にたよって娶りたくない、と
そこで綿密な策略のもと、浚ってくることに・・・
これは戦争だ、と
>>335
オヴェリアさまはつらい時にはかつてオーボンヌ修道院でアグリアスを
色々と楽しくいぢめた事を思い出して耐えています。
アグリアスは楽しい時にはかつてオーボンヌ修道院でオヴェリアさまに
色々といぢられて気持ちよくなってしまった事を思い出してへこみます。
>>335
(点呼5さんへ)
レスがないと自分はとても淋しいです(w
誰も読んでないならただのスレ消費ですからね

それからオヴェリア様は『○○○○○の城』ってサイトの
小説を読んで自分はファンになりました(有名だよね)
小説とは別にコンテンツとしてアグの部屋があります。
自分の小説の面白さをを2とするとそのかたの小説は2万ぐらいかな。

>>336
(点呼4さん)
レスありがとうございます。しかし達観ですね。
パクリじゃなくて良かった。安心しました。


339点呼2@祭厨:02/03/20 23:56 ID:???
>>335
>その魅力を語って頂きたい
どこがどうイイのかというと…まあ正直、辛いんだけどね。
どうしても(ぉぅι゙ょだからとか、健気ダカラとかの)一通りの「萌え」になっちゃう。

ただアグリアスを語る上でオヴェリアが欠かせないのは
言うまでも無いことでして。。。

スマソ逝ってくる。漏れには語る資格は無いようだ…
340点呼2@祭厨:02/03/20 23:59 ID:???
おっと。
>>337-338
いやすみません。助かりました。
どうも俺ゃ駄目すなー
341点呼4:02/03/21 00:20 ID:???
>>338
>レスがないと
わかるよ、これ
342316(点呼5)の名無し:02/03/21 01:10 ID:???
初心者丸出しな事書きますが、何卒ご容赦下さい。

>>337-339 (アグリアスとオヴェリア)
アグリアスはオヴェリア疎開(?)の為に、元老員が派遣した
親衛隊の隊長さんですよね。……結構長い期間を、修道院
で過ごされたのでしょうか? そんなに仲良くなる時間があった
のでしょうか。
(オヴェリアとの関連づけが、どうも出来ないんです)

ってスマソ、一周目も途中なので全然把握できていないかも…。

>>338
そう言っていただけると有り難いです。
いや、稚拙な感想書く方がスレ消費かな? とか思っていたもので…。
無用な横やりになってしまわない程度に、これからも書かせて
頂きますです。(追伸:占いの方も待ってます(w。)

○○○○○の城、ですか? すみません知らないんです。
ことごとく初心者ですみません(泣。調べて逝ってきます。
(有名ならFFT関連で辿ればそのうち着きますよね…)

>>339
> (ぉぅι゙ょだからとか、健気ダカラとかの)
軟禁された所で、自らの出生の秘密を聞かされた時は、そう感じたんですが、
如何せん、その後殆ど登場することが無かったので、どうしても印象が薄く……。
これ読むまで、すっかり記憶から抜けてました(w。
343顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/21 01:17 ID:???
「しかしこんなに大きさに差があってうまくできるかなぁ………」
「べっ………別にうまくやる必要はないだろう………なんだラムザは………
 やっぱりあれなのか………上手な方が………い、いいのか?」
「なに言ってるんです?この魔法が解けるかどうかってことですよ」
「ああ………もっもちろん私もそういう意味で言ったんだよ………ははは………」

「アグリアスさん落ち着いてください。ラムザさんもいいですか?」

 ティンカー・リップはふたりのちぐはぐな会話に半ば呆れ顔で言った。

「大きさの問題ならふたりの大きさが交わる瞬間にやればすむことでしょう?
 もうすぐここは太陽に照らされてアグリアスさんは大きくなるし、ラムザさんは
 小さくなります。その時がチャンスです」

「そ………それだと、モロ………だな」

 ティンカー・リップはにっこりと微笑む。

「だから意味があるんですよ………他になにか方法を思いつきますか?」
「む………う………ラムザなにかないか?」
「そうだなぁ………他には『抱き合う』、とか『裸になる』、とかしか思いつかないな」
「うわ〜、案外スケベですねラムザさん。このおしゃまさん!!」
「えへへ………どうかなアグッ………!!」

 アグリアスの鉄拳が巨大なラムザの鼻にヒットした。
ずうん、と音を立ててラムザは砂の上に倒れこんだ。
344顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/21 01:43 ID:???
 焚き火の回りにラムザとアグリアスを寝かせる。
ふたりの寝顔は炎に照らし出されて光っている。マロンがテントから出てきて
アグリアスの手を取り脈を確かめる。気のせいか少し脈が乱れている。

「どう?様子は?」
 マーガレットはただ黙って首を横に振る。
「こっちも駄目だったわ。打ち消す方法はあるはずなんだけど………駄目。分からないわ………」

「アグリアスの顔がなんだか少し赤い気がしない?」
「そうかしら………焚き火の周りだから熱いのかも………ラムザのほうはどう?」
 ラムザの様子をみているロビンズが言った。
「ラムザさんのほうは問題ないみたいですね。少しにやけて………おや鼻血が………」

 ロビンズが慌ててその血をふき取った。マーガレットが心配そうにラムザの
様子を覗き込む。額に手を当てて、額から頬に手を滑らせる。

「ごめんね………ラムザ………」
 そしてまた涙を流す。座って焚き火に薪をくべていたムスタディオは薪を強く握り締める。
それは半分が同調した感情で、残りの半分は嫉妬という複雑な心理なのだ。
そしてそれが思わぬ一言を口走らせた。

「そういえば子供の頃良く聞かされたおとぎ話で魔法で眠らされたお姫様が
 王子様にキスされて目を覚ますって話があったな………あれはお姫様が毒リンゴを
 食べてたっけ………」

 その言葉にマロンが反応する。

「それ………試してみようか?」 
345顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/21 02:15 ID:???
 「試すって………キスするのか?ラムザに?誰が?………おい、ロビンズお前やれよ!!」
「い………嫌ですよう!!せめてアグ姐なら………」
「ふたりともいい加減にしてよ!!そんなくだらないこと言ってる場合じゃないでしょうが!!」

 マーガレットの厳しい叱咤にびくつくふたり。その様子を眺めながらマロンが言う。

「口付けに清めの効果があるのは本当よ。騎士が主に仕える時の儀式で剣に
 口付けするでしょう?………それに誰が誰にキスするかなんてもめる必要はないと
 思うのよね。だってここに眠れるお姫様と王子様が………いるじゃない?」

「ば………ばれたら殺されちゃいますよ………」

 ワイアットが怯えながらいう。

「こういう場合仕方がないでしょう?それに眠り人に口無し………口がまあなかったら
 できないんだけどね」

 マロンはそういってマーガレットに対して片目を瞑る。
マーガレットはそれでやっと少しばかりの笑顔を見せる。

「じゃ………やっちゃおっか?」

 マーガレットはゆっくりアグリアスの上体を起こす。ムスタディオたちもそれに習う。
ラムザの頭をロビンズが後ろから押さえてアグリアスに近づける。

「うひゃ〜………ドキドキするね」
 
 先ほどまで泣いていたマーガレットは楽しそうな声をあげた。
A型のひと・・「耳指ガード」の意外な使い道を発見。
B型のひと・・クラウドのものまねが馬鹿うけです「ううっ・・頭がいたい・・」
AB型のひと・・アクエリアスをハァハァしながら飲めば私の顔が浮かんでくるはず。
O型のひと・・「ティンカーリップ」で鏡に『サヨナラ』の文字が書かれています。
347点呼4:02/03/21 12:02 ID:???
ああ〜〜〜わけわからんッ!!
何なのだ!?何なのだ!?
アクエリをハァハァだと・・・? さっきグビグビ飲んできたところさ
もう腹の中、もうハァハァ飲めませぬ
348RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/21 12:31 ID:???
黒魔導師さんのアグたんの描写が最高だわ…
絶対あんな感じだよ。
FFTのリメイクではアグがらみのイベント増えて欲しいなぁ
349点呼4:02/03/21 13:02 ID:???
ゲストのときの元気がほしいなぁ
そろそろageていい・・・よね?
 
A型のひと・・『ハートを盗む』と銭形のとっつぁんに追われるはめに。
B型のひと・・奥さんに『私とアグリアスどっちが大切なの!?』とこ一時間問い詰められます。
AB型のひと・・私のこと愛してるなら長女の名前を『亜具理明日』にしてくれる?と逆にAB型の人に聞いてみるtest
O型のひと・・石田千尋に『不変不動』をかけられます。
agu
354顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/23 01:46 ID:???
「あの………アグリアスさん、そろそろです」

 ラムザが言う。

「分かっている………」

 ラムザは何が嬉しいのか鼻歌交じりに微かに見える水平線を眺めている。

(これは………夢だ………いや夢ではないかもしれないが、夢かもしれない。
 私はこの状況を打破するために最大限の努力を行うだけだ………ひいてはそれが
 オヴェリア様のためにもなるはずだ………私はオヴェリア様の騎士なのだから………)

 ここにずっといるわけにはいかない。これが夢ならなんてことはない。
これからラムザと交わすことになるくちづけも、自分が忘れてしまえば
誰も知りえないことなのだ。そしてこれが魔法の効果であるならばくちづけは
必要なことであってなんらやましいことではない。

 それどころかこの魔法の島でムスタディオと一緒になることを思えば尚のことだ。

(あの覗き魔め………いや………それは言うなとラムザと約束をしたのだった………
 だがやはりそうだ。不埒なものにこのくちびるを許すわけにはいかん………
 しかし………悪い男ではないのだろうがな………少し馬鹿な男だというだけで………
 彼も………今は私たちを心配しているだろう………)

 相変わらず隣で鼻歌を歌っているラムザを見上げて思った。

(私はラムザとここを出なければ………)
355顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/23 01:56 ID:???
アグリアスは砂の上をぐるぐる歩き回りなにやら考えごとをしているようだ。
その生真面目な様子が余計にラムザの悪戯心を刺激する。

「ねえ、ティンカー・リップ」
「なんですか………?」
「僕らがさ、キスするのってどのくらい意味があるのかな?」
「そうですね〜………正味ほとんどないと思いますよ」
「やっぱり?」
「キスするなら眠っている体のほうにしなくちゃ」
「やっぱそうか………昔話だとそうだよね」

 アグリアスは相変わらず砂の上を腕組して歩き回っている。

「アグリアスには黙っててくれる?」

「いいですよ。僕も人間がキスするところ見ておきたいですから………」

 水平線からわずかに太陽が顔を出し始め、光が闇を駆逐しはじめる。

「アグリアスさん、こっちにきてください………」
「あっ…わ、わかった………」
356RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/23 17:33 ID:???
きゃっ
357agu:02/03/24 23:35 ID:???
agu
あぐ
359名前が無い@ただの名無しのようだ:02/03/26 22:07 ID:OP4WdkDI
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  わたしに一票入れろ!
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
なつかすぃ
                 |
                 |  ・・・・胸か・・・私に足りないものは・・・・
           ...-‐――--..!、      皆は胸が唯一絶対無二に必要だと思うか?
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l         |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
・・・デストローイ!!!
貴公等の萌え心はその程度か!!
私の質問があったときは1分以内でイエスかノーかで答えよッ!!
そこに並べッ!!精神注入棒で気合を入れてやるッ!!
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
結局7分も待ったあぐたん燃え
今日の昼間2典届いたよ、あぐ。
なつかしすぎるアグたん萌え。
                 |
                 |  あぐぅ・・・・
           ...-‐――--..!、  
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l エエ  エエ  |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
367名前が無い@ただの名無しのようだ:02/03/27 19:17 ID:6KBsiqu9
「うぐぅ」じゃなく「あぐぅ」
いい響きだ。
                 |
                 |  …オヴェリア様が1回戦進出できたんだから
           ...-‐――--..!、   きっと私も!
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
           ...-‐――--.. 、     
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 二回戦進出だったわ・・・
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ あぐぅ・・・・
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l エエ   エエ   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   イェーイ!!ギンギンだぜぇ!!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
アグたん、メリアたんみたい初戦敗退にはならないでくれ。。。
相変わらずあぐたん、躁鬱が激しいですな
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   支援画像もってこーい!!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
                 |
                 |  ・・・・性騎士のラファには負けたくないわ・・・
           ...-‐――--..!、    
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l         |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
334 名前:イワン 投稿日:01/11/24 20:39 ID:???
では、私の育てているアグたん24歳にかけて公約しよう。
来年の四月一日に
「FFT2今日発売!」スレを立てると。。。。



           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   わたしはまだ忘れてはいないぞ!!!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ   皆の者!オヴェリア様は救出できなかったが・・・
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   前スレからの画像なら救出できた!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ)) 各自、使ってよし!
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
ttp://cholera-club.zone.ne.jp/neriwasabi/aguria.html
ttp://www.inkpot.org/illustfile/aglius.html
ttp://www.ad.il24.net/~aya/liner_notes/images/illust/12345hit.jpg
ttp://www.biwa.ne.jp/~taiju-no/adult/gift/taisi/agu2.htm
ttp://www.biwa.ne.jp/~taiju-no/novel/agu01.htm
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ttp://www.aya.or.jp/~kanae/gallery/2000/2000_1.html
ttp://web.muvc.com/nes/b/fft/lib.html
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ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/2019/dance.htm
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   皆の者これがおぱーい横丁である!!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))  各個奮闘すべし!
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/oppai002.jpg
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/oppai004.jpg
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/oppai005.jpg
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/oppai006.jpg
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/oppai007.jpg
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ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/heisei055.jpg
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/2313/polestar01.jpg
                 |
                 |  支援画像・・・・少ない・・・
           ...-‐――--..!、   あぐぅ・・・
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
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         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
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        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
 まだ小さいままのアグリアスに向かってラムザは言う。

「じゃあ、段取りを決めておきますね。僕とアグリアスさんの大きさが
 同じになる瞬間は一瞬です。しかしそれだと魔法を解く効果があるかどうか 
 怪しい。だから大きさが近づく瞬間には僕に抱きついてきてください」

「ああ………すれ違わないようにするわけだな………」

「そうです。しっかりしがみついてきてくださいね。僕もしがみつきますから」

「………」

 こんなことに本当に意味があるのかどうか怪しい。
しかしこの胸の高鳴りようはどうだ?まるで何か得るものがそこにあるかのように
高鳴っているではなしか。自分の吐く息が熱い。火照った頬が上気している。

「太陽が出ましたよ!!ラムザさんアグリアスさん!!」

 ティンカーベルが小さな体を震わせて叫ぶ。


 自分の体が大きくなる。目の前のラムザが小さくなる。
ふたりの体はは猛スピードですれ違う。

 腕を伸ばす。ラムザの体を求めて。
ふたりの距離はあっという間に縮まっていく。
どんな画像よりも、↓がイイ!と思ってるのは俺だけですか?
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))   キス!・・・・。
        |::l ○   ○   |:::|6)))   
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
>>380
↓は↑ですよね(一応)。
普段の毅然としたアグリアスさんを知っていると
とても好き。黒魔導師さん続き待ってます〜。

・・・・私も、微力ながら支援しようと絵を描いて、あらまと気付く。



スキャナ無かったんだ・・・・・・。
382変チュ:02/03/28 15:46 ID:???
 ジョブ変更で着替えを取りに出てきたラムザ(上半身裸)にばったりあって、ドキドキするアグリアスってどう?(笑)
383ゼイレキレの滝にて:02/03/28 17:52 ID:???
ガブガリオンの突然の裏切り。
ガブガリオン「こいつらを皆殺しにするぞっ!」

           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))   キス!・・・・。
        |::l ○   ○   |:::|6)))   
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/

そんなことよりガブガリオン、ちょっと聞け。
しょーがねーなーと言いつつもお前がこのパーティーに付いて来たのは私に萌えていたからだろ。
昨日私にフラれたからって腹いせで裏切るとは、貴様には騎士としての誇りはないのかっ!

ラムザ「ガブガリオンさん・・・(泣」
ディリータ「プッ・・・(藁」
オヴェリア「くすっ・・・(w」
384ガフ:02/03/28 18:37 ID:???
 +            。。
   。     。 +   ヽヽ
゜ 。・ 。 +゜  。・゚ (;゚´дフ。
            ノ( /
              / >
ガ「ブ」ガリオンとは、ゴブリンの亜種である。

「ガブッ、ガブガブッ、ガブーッ」とか言うの(ぉぃ
386384:02/03/28 20:12 ID:???
>383
ガブかよ!!
385みて気付いた・・・ウトゥ
387アグたん:02/03/29 08:02 ID:???
そんなことよりムスタディオ、ちょっと聞け。
理由は言えないと言いつつもお前が我々のパーティに付いて来たのは私に萌えていたからだろ。
どーでもいーからそのロマンダ銃寄こせ。この銃は今後私が使う。カコイイ!! パンパン!!

ラムザ「業務連絡、アグリアスさん、ホーリーナイトは銃を装備できません」
                 |
                 |   ・・・オヴェリアさま、ラムザが私にいぢわるします・・・
           ...-‐――--..!、    
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l         |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
ハァアア
あぐたん萌え〜
389点呼4:02/03/29 17:04 ID:???
あぐぅ・・・か・・・
> ラムザ「業務連絡、アグリアスさん、ホーリーナイトは銃を装備できません」

いかん。・・・・こんな所で一人ツボにはまった(藁。
391agu:02/03/30 02:05 ID:???
そろそろagu
>>顔が無い@黒魔道師のようださん
最高!!
アグ姐さんにはもう萌えっぱなしです。
漏れもなにか小説を書きたいところだけど、文才ないからさ・・・・(涙
http://www5c.biglobe.ne.jp/~LAB_/hune.htm

「悪かった」アグリアスはラムザの言葉を遮る。
「力を過信しすぎた。それ以外の何でもない。分かったから、今は一人にしてくれないか……」
「アグリアスさん、僕でよければ……」
「話す必要などない」
「……貴方は何でもひとりで背負いすぎだ。苦しみも悲しみも、ひとりで耐えてしまおうとする」
ラムザは寂しそうに微笑む。
「僕らは仲間なんですよ、アグリアスさん。僕にも、その辛さ、分けてくれませんか? 
一人で悩むより、そっちのほうがずっといい……」
http://www5c.biglobe.ne.jp/~LAB_/wisper.htm

今まで背中を向けていたのを、寝返りを打ってラムザのほうを向く。
彼は背を向けたまま、そこにいた。感じられるのは拒絶ではなく、初々しさ。
やや伸びてしまった、太陽のように明るい金の髪が、
思わず歯をたてたくなるくらいに白い首筋の線に沿って流れている。艶めかしい感じがする。

直に伝わってくる彼の温もりはとても暖かい。まるで縫いぐるみでも抱くかのように、柔らかな彼の髪に顔を埋める。
「まだ寒いか?」
「――いえ。でも……もうちょっと離れてただけたらな、って……」
「どうして?」
「……その……背中にアグリアスさんの胸が当たってて……。えと、ぼくも一応男なんで」
 さっきラムザが身体をこわばらせた理由がわかると、なんだか無性におかしかった。アグリアスはさらに強く彼を抱いて、耳元でささやく。
「何の不都合がある? わたしはお前の妻なのに」
優しい agu はきもいと思っているのは私だけだろうか・・・?
>>395
どんな風な印象なのか聞いてみたいです。
人それぞれ捉え方が違うかも…ですね。

私はあまり、そうは思わない方です。
どっちかと言えば、
作中で描かれる人物像→毅然とした女騎士
なので
作中で描かれない性格→少し弱い面を持つ女性
と言う風に捉えると萌えるんですが…。

(だから、照れたり狼狽したりするアグリアスさんを描いてる
SSって好きなんだよなぁ〜って、話逸れました…)
395なんだが どうも計られているような気配が・・・
398名前が無い@ただの名無しのようだ:02/03/30 23:48 ID:uYMa/etV
>>397
計られているというと??
397なんだが 上手く言葉に出来ませぬ
ただ
いついかなる時でも 母親のような強さ騎士の誇りはわすれないでもらいたい
すみません、400げっとさせてください
>>395
私の書き込みって、マズい事言ってますか?
もしそうならすみません。(計るって……う〜ん)

一応、こういう事が言いたかったというのを下に。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~h-mizo/PiAftSt/FFTSidSt2.txt

場違いかも知れないんで、あれですが。
すみません。だけど私はこういうアグリアスが好きです。
まあ、ゲーム中でアグの性格ってそんなにハッキリ出ていないと思うので
そこを、どうゆうふうに補完するかは人それぞれっぽい。
>>395
だがな、オヴェリアさまを優しく慰めるアグたんはゲームの中でも出てきたぞ!
そんな、垣間見せる優しいアグたんと、普段の凛々しいアグたんがあるからこそ、
妄想が炸裂、いやむしろ聖光爆裂波するのだっ!
しかしオヴェリア様を優しく慰めるアグたん、敬語なんで変な感覚。

優しい時も杓子定規でいてほしい(不明
 なんだかアグリアスの性格の解釈で熱い議論がなされてますな。

 自分は結構アグリアスは女性らしい性格なのではないかと思ってます。
ティンカーリップなんてものがあるんだからお洒落には気を使ったんだろうし

『人の夢と書いて儚(はかない)…何か物悲しいわね…』

なんてちゃんとオネエ言葉使ってたりもします。


 ラムザだってイベントの時は歌舞伎役者みたいな口調だけど普段は

『えーっ!? 僕が命令するのーっ!?やだっ、怖いよーっ!!』

 なんていってるみたいだし、アグも多少の裏表はあるのだと思います。
普段ラムザを『貴公』と呼んでるのに、処刑場では思わず『お前』なんて
言ってしまってるところも普段と舞台(?)のギャップを表してるとも言えるし。

 しかし語尾が『〜なのだ』みたいなバカボンのパパ風アグも好きですし。
『〜でござる』というハットリ君風アグも好きです。


 

406顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 10:12 ID:???
「うひゃ〜………ドキドキするね………大変だ〜、アグの唇がラムザに奪われますぅ〜」
「もう、何言ってんのよマロン」

 マーガレットとマロンはアグリアスの体を支えたままふざけている。
その様子を見てムスタディオが呆れる。

「さっきまでビービー泣いてたくせに………おい、ちゃんとアグリアスを支えてろよ」
「おっけ〜」

 ムスタディオはラムザの頭を支えてアグリアスの顔に近づける。

「ちょっとでいいと思いますよ」
「わかってる………」
「何言ってるのよ。ブチュッとやらないと効果ないかもしれないでしょ」
「おとぎ話じゃ、ブチュッとはやらなかったと思うけど………」
「いいから早くして。これが駄目だったら他の方法を試さなきゃいけないんだから」

 マロンの叱責をうけてただだまってラムザの顔を近づける。
407顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 10:26 ID:???
「太陽が出ましたよ!!ラムザさんアグリアスさん!!」

 ティンカーベルが小さな体を震わせて叫ぶ。自分の体が大きくなる。目の前のラムザが小さくなる。
ふたりの体はは猛スピードですれ違う。腕を伸ばす。ラムザの体を求めて。
ふたりの距離はあっという間に縮まっていく。

 伸ばした腕をラムザが捕まえてきた。意外と力強いしなやかな腕の存在がが服の上からも
はっきりと感じられる。

 とても一瞬のこととは思えないほど鮮明にラムザの瞳の輝きまで感じる。
それが普段戦場では意識しない自分の女を感じさせる。

「あっ………」

 思わず声が漏れる。声を発し半開きになった唇にラムザの唇が重なる。
体が萎縮するような感覚。体が離れてしまわないように腕を伸ばす。
ラムザの体は腕を伸ばすと背中まで手がまわるほど小さくなってしまっている。
それに答えるようにラムザの腕がアグリアスの背中にまわる。

 頭の芯が痺れるような感覚。意識が遠のいておくのを感じる。
視界の端に妖精が見える。これが夢なのか現実なのかわからなくなり、目の前が真っ白になった。
408顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 10:37 ID:???
ラムザの頭を固定するムスタディオに緊張がはしる。妙に興奮しているロビンズとワイアットも
マーガレットとマロンも口を開かなくなった。

 ふたりの唇の距離はもうわずかだ。こんなことしていいのだろうか?と
思いながらふたりの口づけをみてみたいという欲求が沸いてくる。おそらくここにいる
全員が同じ思いなのだろう。

「じゃ………いくぞ………」
「う………うん」

 ムスタディオがそう言うとマーガレットが恥じらうようにそう言った。
ふたりが口づけを交わすわけではないのだが。

 全員の緊張が高まる。ムスタディオは唾液を飲み、狭まるふたりの距離にいけない興奮をする。
その時ピクン、とラムザの体が痙攣した気がした。

「ん………?」
「どうしたのよ。ほら早く」
「いや………いまラムザが動いたような………」

 首をかしげたその瞬間、ラムザの腕が動き出し、アグリアスを抱きしめた。

「………!?」
トーナメントにエントリーされているキャラのスレだったので、除いてみた
通りすがりです。ここ読むまで、アグリアスってあんまり注目してなかったんだけど・・・。

読んでいるといろんな解釈があって面白い。黒魔導師さんの小説の中のアグリアスさん、なんかかわいい〜♪
と、思えば>>401のもわりと好きだなぁ。求道者という感じがして。
(書いた人の意図しない解釈だったらスマソ。にしても一部抜粋なのか?)

作中であまり語られないだけに、それぞれの解釈の仕方が楽しめるのもそうだけど
・・・・・・萌えの可能性って、大きいなぁ、とここを読んで思った(w。
410顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 10:57 ID:???
「ラムザが気がついた………!!」

 ムスタディオが歓喜の声を上げた。マーガレットは顔に手を当てて涙を流す。
しかし次の瞬間には口をあけて驚愕せずにはいられなかった。

 今度はアグリアスの目が覚めたかと思うとラムザを強く抱きしめ口づけをした。
ふたりは激しく、まるで離れるのを怖れる母と子のように抱き合っている。
それにともなって口づけも濃厚なものになる。

「………!?」
「………!?」

 みな一様に口をあけてその不可思議な現象をただ眺めるだけだった。
清寂の森の中、ふたりが唇を奪い合う音だけが響く。

「ち………ちょっとマロンこれってどういうことなの?」
「わっ………私に聞かないでよ。魔法………なのかも」
「アッ………アグリアスッ!!」

 マーガレットの呼びかけにふたりは反応する。アグリアスの目が開いたかと思うと
目の前のラムザを認識し体を強ばらせ露出した耳が真っ赤になる。
そこでようやくラムザが目を開け唇を離す。

「あっ………アグリアスさん………!?」

 ラムザは目の前で真っ赤になっているアグリアスを呆然と眺める。
何が起こっているのかはよくわかっていないようだ。

 アグリアスは状況を飲み込もうと周りを見渡し、全員が自分たちを見ていることに気づくと
わなわなと2,3度口を動かしてバタンと倒れ込んだ。
411顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 11:22 ID:???
「おはよう。昨日はよく眠れた?」

 目を覚ますと見慣れたテントの中、マロンがそう言った。朦朧とした意識の中、
マロンの唇に目が行くと昨日のことが突然に思い出してきた。

「ラッ………ラムザは!?」
「もう起きたみたい。明るくなったから温泉にでも入りにいったんじゃないかな」

 やはりそうなのだ。昨日のことは夢ではなく。自分はラムザとの口づけによって目を覚まし。
そしてそれは仲間たちの全てが知っているところなのだ。アグリアスは頭を抱えてうなだれる。

「どうしたの?アグリアス?まだどこかおかしいの?」

 マーガレットが心配そうにそういった。

「いや、何でもない………」
「そうだ!!それより見せたいものがあるんだけど………」

 マーガレットはそう言って道具箱のなかをごそごそとあさりだした。
取り出したものは口紅のようだ。細やかな装飾がほどこされていて、古そうだ。
>顔ナシ
Σd(・∀・)イイ、グッジョブ!!

割り込んでそうだが、もう寝ちまうもんでご勘弁plz
413顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 11:41 ID:???
「昨日の小箱から出てきたんだけどね」
「口紅が、か?」

 その問いにはマロンが答えた。

「うん。たぶん化粧を禁じられているクレリックなんかが隠しておいたものだと思う。
 昔このあたりには修道院があったの」

 マーガレットは口紅を薬指で取り、自分の唇へつけた。

「どう?似合う?」
「………ああ、似合うんじゃないか?」
「うそ、似合わないよ。この色はやっぱり金髪の人じゃなきゃね………はい」

「私に?」

 

 テントの外からラムザとムスタディオの声が聞こえてくる。やはり温泉に入っていたようだ。
とたんに頭に血が上るのを感じた。その様子を見てマロンが言う。

「アグリアス………あのね、昨日のことは気にしないほうがいいと思うわ。
 ふたりとも魔法で混乱してただけだから………」

 全てが夢ならよかった。手の中の口紅をぼんやり眺める。
今日は剣を握る手に力が入らないかもしれない。ため息をつく。
414顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 11:51 ID:???
「なによお、マロンもアグリアスも!!ラムザに失礼でしょうが!!昨日はあんなに………」

 あんなにチュバチュバやってたくせに………と言いかけてマーガレットは口を閉じた。
アグリアスの反撃に備えて身構えたがアグリアスは攻撃をしてこなかった。
いつもなら言葉より先に剣を抜き、刃先を喉元に突きつけながら
『昨日はあんなに、なんだ………?聞き取れなかったからもう一度言ってくれ』
 と脅しをかけてくるぐらいはやるはずだ。

「その通りだ………あれは必要な行為だったのだ………私が気にもっていては
 ラムザにだけ負担を強いているようなものだ………こうして私が再び太陽の光を
 浴びているのもラムザのお陰………例を欠いた真似はできないな………」

 アグリアスは勢いよく立ち上がるとマーガレットに言った。

「挨拶を………おはようを言ってくる。ついてこないでくれ………」
「わかった、出発の準備してるね」


 アグリアスがテントから顔を出すと、ラムザは上半身裸で頭に布を巻いていた。
湯上がりだからだろうかほんのりとほほが上気している。
アグリアスの姿を確認すると笑顔で挨拶をしてきた。

「ああ………おはよう………」

 先に挨拶されてしまった。

「またなにか話があるって顔してますね」
「ああ………そうなんだ………」
「ちょっと待っててください。服を着ますから」
415顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 12:42 ID:???
ラムザはそういってテントの中へ入っていった。ロビンズとワイアットが好奇の目をむけてきている。

「何か言いたいことでもあるのか?」
「いっ………いいえ、滅相もない!!」

 ふたりはぶるぶると首を振って姿を消してしまった。駄目だ。こういう態度をとってしまうと
余計に不自然だ。アグリアスは自分の行動を悔いるように首を振った。

 
 テントから出てきたラムザとふたり昨日話をした岩場まで歩く。

(私といるとラムザも苦労が絶えんな………)

 昨日はなにを思ったかラムザの手を握った。あれほど自分らしくない行動は今までの人生を振り返って
みても思い当たらない。あの場所に再びラムザと訪れるということの意味は少しばかり難解で
手に負えない想いだった。

 昨日と同じ場所に座る。まだ朝が早く、目を覚ましているのは小鳥たちだけだ。
木々の間から光が差し込む。夢で見た太陽の光より美しく鮮烈だ。
気を紛らわせるためにマーガレットが渡した口紅を弄ぶ。

「あ、それ昨日の………」
「ああ………」

 間が持たなかった。しかしそうも言っていられない。

「ラムザ………昨日は私の不注意で迷惑をかけた。この通りだ、許してくれ………」
「やめてくださいよアグリアスさん。僕はなんとも思ってないですよ」
416顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 12:42 ID:???
一息いれて続ける。

「それで………だな。起こってしまったことはもう済んだことだ。しかし………な、夢の中の
 ことまでは秘密にしてはどうだろうか?あのことまで言う必要は無いと私は思うのだが………」

 必死で喋るアグリアスをラムザは不思議そうに見つめる。

「あの………夢の中のことってなんです?」
「だから………お前と私が小島で………ああっ………今思えば
 いろいろ恥ずかしいこともしてしまったが………みんなには黙っててもらえないか………?」
「小島?なんのことですアグリアスさん?」

 ラムザは不思議そうにアグリアスの顔を見つめる。おかしい、ラムザは夢の中のことを忘れて
しまったのだろうか?それとも………

「夢………だったのか………?」
「何か夢を見たんですか?どんな夢です?僕が出たんですか?」
「うっ………その………あれだ………小島で剣の稽古をしてた夢だ………」
「恥ずかしい夢だったんですか?」
「う………まあ、夢の中の私は人にものを教えるのが下手だったんだ………」
「で、僕もその夢を見たと思ったんですか?」
「………そうだな………そんなわけがないな………くだらないことを言った。すまない忘れてくれ………」

 ラムザは返事をせず立ち上がって前に2,3歩、歩いた。
後ろ姿を見つめながらアグリアスは少し寂しいと思った。夢で見たラムザは全て自分の心が
作り出した幻。ただの幻想なのだ。
417顔が無い@黒魔道師のようだ:02/03/31 12:43 ID:???
「その口紅つけてみてください」

 ラムザは振り返らずにそう言った。その声が意外にも真剣で真に迫っていたのでアグリアスは
小さく頷き指で唇に口紅をひいた。ラムザが振り返った。

「すごくよく似合ってます。素敵ですよアグリアスさん」
「よっ………よしてくれ………」
「その口紅に名前をつけましょう………」

 座ったままのアグリアスの横を歩きながらラムザが言う。アグリアスは置き去りにされるように
座ったままだ。

「名前………?」
「ティンカー・リップって名前がいいと思いますよ」

 朝の涼やかな風が頬をかすめる。風がアグリアスの前髪を揺らす。

「ラムザ………」

 振り返るともうラムザはいない。言葉にならない想いがアグリアスを包み込む。
先ほど感じた寂しさは消えてなくなり。代わりに暖かいものが沸き上がってくる。
唇に指をそっと当てる。自然に顔が微笑む。

「夢か………」

 人の夢と書いて儚。この物悲しい響きが少し好きになれそうな気がした。


                                   THE END
418点呼4:02/03/31 15:06 ID:???
ううむ・・・無双稲妻突きが好きだぞー
>>顔なしタソ
イイ!!
最後の終わり方が特にイイ!!
これからもがんがれ!!
>>393のサイトの小説マジ萌え。サンクス>>393
ぬお、やっぱ俺は1コマネタふりに徹したほうがよいかも。
ここまでいいのは書けない。
よかったっすー。
422RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/31 18:09 ID:???
うあああああああああああああああ!
ヤバイ!マジヤバイ!畜生FFT続編だせよ!
423魔法塵グルグル ◆iyzZd3zQ :02/03/31 19:09 ID:???
あの、このスレはsage進行が鉄則なのでしょうか?
424RAGE ◆HqcvRAGE :02/03/31 19:46 ID:???
>>423
顔無したんのテンション任せで
42524601:02/03/31 22:05 ID:???
今から萌えトナメントスレに「アグたん萌えーーっ!!」とか書き込んだら怒られるかな?
>425
それはアグリアスが出る日に。。。

今日明日はアルマでヨロシコ(w
  | \
   |Д`) ダレモイナイ・・アグリアスハァハァスルナラ イマノウチ
   |⊂
   |


     ▒
    ░▓▒░    アグタン
    ▒▓█▓░    ハァハァ
    ░▓▓▒    アグタン
     ▒░░   ハァハァ


     ▒
    ░▒▓░   アグタンハァハァ
    ░▓▓▓▒     ハァハァ
    ░▒█▓░  出番スクナイハァハァ
     ░▒░     ・・・ハァ


ありがとー!

なんでいつも、終わり方が綺麗なんだろう……。
本当に感激したっす。はぁ〜この魅力をトーナメ(以下略。
334 名前:イワン 投稿日:01/11/24 20:39 ID:???
では、私の育てているアグたん24歳にかけて公約しよう。
来年の四月一日に
「FFT2今日発売!」スレを立てると。。。。



           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   イワン!どこに消えた!!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
顔なしさん、感動をありがとう。
ラストも激ウマーすぎだよもう! やるなあおい! ウマーウマーウマー!!
なんかFFTをもういっぺんやりたくなってきたなあ。
431顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/01 01:14 ID:???

 うっ………感想レスがついているっ………
読んでくれてありがとう!!

 妻の妨害があるので文書推敲の時間はありませんが(ブラウザを閉じたら
証拠隠滅ように書き込み欄に直接書いてます)
隙を見つけて書き続けます。(でも妻にはバレバレです)

 次はCHAPTER4の話が書きたいです。
ラファとかレーゼとかメリアドとか出したいから………

 しかしそれぞれのキャラの自分称とか性格とかあまりよくわかっていない
ので勉強しなければ………萌えの通は険しい………(結婚生活も険しい)
あぐたんの髪はソルティレージュのかほり。。。
43328th ◆5FYDyecs :02/04/01 01:36 ID:???
妨害・・・

個人的には 人の夢と書いて を抜かして 儚い・・・
と、直で入った方が好きです
>433
読み飛ばせばいいじゃねーか
435アグたんのお言葉:02/04/01 04:13 ID:???
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   おいっ! 顔なし黒魔道士!
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))          お前に言っておきたいことがあるっ!
        |::l ○   ○   |:::|6)))        一度しか言わないからよく聞けっ!
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))       ・・・・・・・・・少し感動した。
        |::!         l:::l          人の夢と書いて儚い・・・わたしもその言葉が少し好きになれそうだ。
        l/.         ;/            二度は言わぬっ!
436334:02/04/01 10:29 ID:???
>429
すみません!
ヤフーBBに変えたせいかスレを立てることがまったくできなくなっているのです!!

ああ、謝っても謝っても謝っても謝りきれませんね・・・・。
このつぐいないは、4月11日のアグたんVSサラ姫で、ネットカフェをはしごしてアグたんに投票することでお許しを・・・。
437RAGE ◆HqcvRAGE :02/04/01 11:40 ID:???
強さの中の弱さっつーのは共通の魅力みたいね
漏れも萌えていいですか
                 |
                 |   ・・・・そういってあんなことやこんなことを妄想するのね
           ...-‐――--..!、     ・・・・くすん
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l         |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \

 「人の夢と書いて儚(はかない)…何か物悲しいわね…」

 アグリアスは馬車をひきながらそう言った。

 「アグリアス………なんで漢字知ってんの」

 ラムザはアグリアスにそうつっこんだ。     THE END

 

 
 
441RAGE ◆HqcvRAGE :02/04/02 00:42 ID:???
アグたんアジアン説浮上
「八面六臂」にわざわざカナをふってくれるディリータ。
443顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/02 02:21 ID:???
 がたがたと馬車を走らせる音が森の小道に響き渡る。
手綱を握っているのは鎧をまとった金髪の少年だ。いや彼はもう青年というべき年齢なのかも
しれないがその瞳の輝きは少年のそれを思わせる輝きがあった。

「ラムザ〜、ドーターはまだ〜!?」
 馬車の中から車輪の音にかき消されないように大声で叫んでいる褐色の肌の少女が少年に言った。

「もうすぐつくよ。ラファ危ないから立ち上がるのはよしなよ」

「ラムザの言うとおりだ」
 瞑想をするように目を瞑り腕組みをしているこれまた異国の風貌の青年が言った。

「子供じゃないんだからな。そんなにはしゃぐなよ」
「なによお、お兄さん、自分だってウキウキしてるくせに」
「はっ、馬鹿馬鹿しい」

「うふふ………仲がいいのねふたりとも」
 そう言って静かに笑ったのは金髪の美女だった。

「よしてくださいよレーゼさん。俺はね、妹をギャーギャーうるさい女にだけはしたくないだけんだ。
 そうだな、レーゼさんみたいな女性になってほしいと切に願っている優しい兄貴なんですよ」
「うふふ………口が上手ねマラーク」
「なによお、わたしだって大きくなったらレーゼみたいな人になれるもの。ね?そうだよねレーゼ?」
「わたしみたいになんかなってもしょうがないわよ。どうせならオヴェリア様みたいになりなさい」

「お姫様かぁ………」
 ラファはそういうと夢見る少女のような顔つきになり馬車の天井を見上げた。
444顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/02 02:22 ID:???
その様子を見てマラークが吹き出す。つられてラムザも。

「な、なによう。わたしだって………わたしだって………」

 そう言いながらひぐっひぐっ、と泣き出してしまった。ラムザとマラークは大あわてで謝罪し、
レーゼに叱られた。その様子を見ていた騎士風の男がふっ、と笑う。

「やれやれ、ここの男たちは女性軍の尻に敷かれてるな」

 そういうアンタはどうなんだ、と言いかけてマラークは押し黙る。レーゼに頭を撫でられていた
ラファはパッと顔を上げて叫んだ。

「決めた!!わたしレーゼみたいな素敵な女の人になるの。それでねベイオウーフみたいな素敵な
 人と結婚するんだ!!」

「………!!」
「………!?」

 『結婚』という言葉にベイオウーフの顔が少しばかり引きつる。兄であるマラークの顔面も硬直する。
445顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/02 02:42 ID:???
馬車を小道の脇に止め、後続の馬車を待つ。馬車がくるとラムザは後続の馬車を走らせていた
金髪の女騎士と何か話しをている。その隣ではマラークが仲間に拳銃の扱いを手ほどきされている。
的に全く当たらない兄マラークの腕にオーバーオールの青年が大笑いしている。

 ラファと同じく、その様子を見て含み笑いをしている深緑のフードを被った女騎士に話しかけた。

「ねぇ、メリアドール………ちょっと相談があるんだけど………」

「なにかしら?」

 メリアドールと呼ばれた騎士はフードを外して返事をした。艶やかな亜麻色の髪が後ろで綺麗に
纏められている。ラファはふうっとため息を漏らす。

「わたしも髪を伸ばそうかしら………」
「それが相談?」
「あ………ううん、違うの。どうやったら女らしくなれるかなぁ………って思って」
「そんなこと考えなくても大丈夫。ラファは充分可愛いわ」

 メリアドールはそういってラファの頭を撫でた。ラムザたちと旅をするようになってからは
しょっちゅう頭を撫でられている。もちろん嬉しくないわけではなかったが、子供扱いされているのが
少しばかり気にくわない。

「どうしたの?元気ないじゃない………」

「ラムザは………恋人とかいるのかしら………」

「ど、どうしたの………ラファ」
446RAGE ◆HqcvRAGE :02/04/02 14:30 ID:???
新シリーズかッ
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   おいっ!まだわたしが出てきてないとは
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))          どういうことだっ!?
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
主役はやっぱ遅れて登場ですな〜〜
黒魔道師殿、さすが心得てるね〜
応援してるよ、頑張って
いや今回はきっと放置プレイの方向性で
445-446
ssに割り込まないように
12時間もカキコを控えるココの住人・・・良スレだねぇ
「ねえ、アグリアス」
 ラファは金髪の女騎士に話しかけた。アグリアスと呼ばれた剣士はラファに目線を落とすと
水袋を差し出してきた。ラファはそれを受け取ってひとくちだけ飲む。

「アグリアス。ラムザと何を話していたの?」
「ドーターまでの打ち合わせだ。もうすぐ出発だからラムザに用があるのなら今のうちだぞ」

 アグリアスは抑揚のない調子でそう言った。出会った頃はあまり人に感情を見せない剣士にとまどった
ものだった。ひょっとしたら感情が無いのでは、とラファは心配したりもしたのだが、マラークに話すと
叱られた。

「俺はアグリアスが怒ったところを見たことがある。
 朝食のチョコボエッグをムスタディオに取られた時だ」

 それを聞いて随分安心したものだ。感情があるどころかアグリアスったら
チョコボの卵が好きなのね、と思ったものだ。それ以来ラファはアグリアスのことが少し気になる。
なにしろ剣士とは思えないほどの美貌である。冷ややかな目、豪奢な金髪、真っ直ぐな意志を
感じさせる動作。自分にはないものばかりだ。自分たちのリーダーであるラムザの周りは他にも
メリアドールやレーゼといった魅力的な女性が揃っている。

 レーゼがベイオウーフと恋仲なのはみんな知っている。もし、ラムザの意中の女性がメンバー内に
いたとしよう。いや、いるはずだ。ラムザも男だし、みんな美人ばかりだ。ラファも自分でいうのも
なんだが結構いい線いってると自分で思っている。すれば相手はアグリアスかメリアドールかまたは
ラファなのである。
452顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/03 01:39 ID:???
さっきは馬車の中で大騒ぎしてみせたのはラムザの反応をみてみるためだ。

『決めた!!わたしレーゼみたいな素敵な女の人になるの。それでねベイオウーフみたいな素敵な
 人と結婚するんだ!!』

 そう言った時のラムザは優しく微笑んでいた。そこから何かを読みとることはできなかった。
ラファはこれまで暗殺者として育てられてきた。年齢の割には普通の人間よりもいろいろな体験を
してきたつもりである。それでもラムザの考えていることは少しもわからない。

 意中の人のことはいつだってわからないものなのだ。

「どうしたラファ?具合でも悪いのか?」
「ううん。ちょっと考え事してただけ」
「ラムザになにか用があるのではなかったのか?」
「いいの、たいした用じゃないもん」

 先ほどメリアドールにした質問と同じ質問をしてみる。

「ラムザって素敵ね………恋人とかいないのかな?」

 質問の内容に戸惑ったのかあるいは単に予期しなかった質問だったのかアグリアスは一瞬間をおいて答えた。

「ん?………さ、さあどうなのかな………」
「わたし、ラムザとはまだつき合いが短いからわからない………ねぇアグリアス、ラムザって
 好きな人はいないのかな?」
「………わ、私にはちょっとわからないな」
453顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/03 01:41 ID:???
しかしアグリアスの表情はいつもの沈着冷静なそれとは違い、すこしばかりの動揺がみられた。

「ごめんなさい、変なこと聞いて。ラムザには内緒にしてね」
「………わかった。約束しよう」

 心なしかぎくしゃくとした足取りで馬車に向かうアグリアス。その後ろ姿をみながらラファの
疑惑は確信へと変わった。

(アグリアスは………アグリアスはラムザのことが好きなんだ………)

 それはいささか困った事態だったが、ラファにはまだ少しばかり救いがあるとも思う。
ここまでラムザと旅をしてきて特にアグリアスと仲が良かったようには思えない。
つまりアグリアスはラムザに想いを寄せてはいるが、それを口に出したり態度にだしたりは
していないのだ。それならば勝ち目はあると思う。自分はラムザに対して積極的な態度をとれる。
しかしアグリアスにそれはできない。できるはずがない。

 問題はラムザが誰に心惹かれるか、なのだ。ラファが思うにメリアドールが怪しいと思う。
美人だし、性格もいい。過去にはラムザといろいろな確執があったようだが、今は特に
問題はないようだ。それどころか大食いして動けなくなったり、水浴びを半日もやったり
するラムザを叱るメリアドールはまるで無くした弟をかわいがるかのように幸せそうな
顔をしていると思う。指でラムザの額をつん、とつつき『駄目よ』というような真似は
ラファには到底不可能だ。ただハンカチを噛んで、キーッと悔しがることしかできない。

 ラムザにはぐいぐいとひっぱっていくお姉さんタイプのメリアドールはお似合いだと思う。
相思相愛の可能性もある。しかし負けてはいられない。

(初恋を失敗させるわけにはいかないもん………ごめんねアグリアス)
                 |
                 |   ラファよ、わたしのことをそんな風に思っていたのか・・・?
           ...-‐――--..!、  
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l エエ  エエ  |:::|6)))
         |::l`ー-,   -‐ |:::|ヽ、))
        |::!  /    _ l:::l  l
        l/./  ̄`Y´   ヾ;/  |
______,|    |    |´  ハ
           |    |    |-‐'i′l
            |__ |   _|   7'′
        (   (  ̄ノ `ー-'′\
           ̄   ̄           \
良い、良いです(笑)
456黒獣:02/04/03 18:17 ID:???
小説きれい・・・。
アグリアスさんかわいい!ラファちゃんもかわいい!
メリアねぇさんもレーゼさんもかわいい!!
よいです、ツボです、続きたのしみ♪
続き、
読みてええええええええええええええ!!!
458RAGE ◆HqcvRAGE :02/04/03 22:01 ID:???
くそおおおおおおお
なんでこうも簡単にハートをガッチリキャッチするんだ!!
459agu:02/04/04 01:37 ID:???
agu
460顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/04 01:40 ID:???
「アグリアス、疲れたんじゃないのか?よかったら交泰しよう」

 ベイオウーフはここまで馬車を走らせていたアグリアスに言った。

 「そ、そうだな。悪いがそうさせてもらう………」

 よろよろと、アグリアスは馬車の中に入っていく。チャンスだ。ラファの目がキラリと光る。
ラファは相変わらず的に当たらない拳銃の練習に精をだしている兄マラークに近づく。
 隣で笑いながら口出ししているオーバーオールの青年が声をかけてくる。

「よっ、ラファちゃん。ラファちゃんの兄貴は銃がお上手みたいだよ」
「むっ、今日はちょっと調子が悪いだけだぞ………」

 ラファは、はあ〜っ、と大きく息を吐いて大げさに肩をすくめる。

「兄さん、下手な拳銃の稽古はもういいってば。早く出発しましょう。あ、それとラムザと
 交代してあげてずっと走りっぱなしで疲れてるだろうから」
「なんだとラファ下手とはなんだ下手とはだいたいお前はいつも余計な………」
「はいはい、もういいわよ。わかったからラムザと交代してね」
「くっ………!!」

 その様子を見ていたメリアドールがくすくすと笑う。マラークは唇を尖らせて頬を赤らめ、しぶしぶと
歩き出した。よし、ここまでは予定通りだ。ラファはにやりと唇の端をあげると目的のラムザの姿を
さがす。ラムザはマラークがいる馬車に乗り込もうとしていた。
461顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/04 01:41 ID:???
「まっ………待ってラムザッ!!」
「ん?どうしたのさラファ」

馬車に乗り込もうとしたラムザを捕まえて言った。兄マラークも訝しげな顔をしている。
しかしそんなことはおかまいなしだ。

「ラムザ、兄さんがいない方の馬車に一緒にのりましょ?ねっ?」
「へっ………?」
「なななななな何言ってんだ!!ラファ!!お前、ちょっとまて!!ラムザ!!お前………」
「んもう!!兄さんは黙ってて!!………ほら早く行こうラムザ」
「よ、弱ったな………」

 と言いながらも満更でもなさそうな顔のラムザはラファに手を捕まれて行ってしまった。

「ラファ〜!!」

 マラークの絶叫が辺に木霊する。マラークの馬車の奥にはロマンスグレーの髪と髭がフードから
のぞく老齢の剣士がため息をついている。

(やれやれ………最近の若いものは騒がしいな………)

 ラファは後続の馬車にラムザを引っ張ってきた。ラムザの腕をとりそこに自分の腕を絡ませる。
ちょっと露骨すぎるか、とも思ったがラムザの肩に頭をもたれかけた。ラムザの体が緊張で硬くなる。
その様子を最初に見たのは当然ベイオウーフだ。一瞬ギョッ、としたがすぐに気をとりなおし
何を思ってのことなのかわからないが、ぐっ、と親指を立ててラファにそれを見せた。
こういう時はきっとお返しをするものなのね。よくわからないけど。
ラファは同じように親指を立ててそれをベイオウーフにお返しした。
462顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/04 01:42 ID:???
そのまま馬車に入った。中にはレーゼとアグリアスがいた。

「あら、どうしたのふたりとも腕なんか組んじゃって」
「えへへ………」

 レーゼが驚いた顔をしてふたりに好奇の目を向けてくる。アグリアスは目を見開いて口をも開けたまま
硬直している。こんなアグリアスをラファは一度も見たことがない。おもしろい顔だわ。美人も台無しね。

(やった。まずは一歩リード!!)

 ラファは心の中で小さくガッツポーズをとった。レーゼの目にはこの若いカップルがよほど
初々しくうつるのか興味津々のようである。なにしろラファとレーゼは一回り年齢が違うのだ。

「ラムザ、よかったわね。可愛い彼女ができて」

 レーゼはアグリアスのほうを一瞬だけ見て様子を確かめるように言った。さすがと言おうか、
アグリアスがラムザに好意を抱いていること位はレーゼにはお見通しのようである。

「やだな、そんなんじゃないんですけど………」

 ラムザは頭をかきながら照れた。その照れたようすが可愛くってラファは身体全体をラムザにあずける。

「ふふっ、何言ってるのあつあつじゃない。ねぇ、アグリアス?」

 意地が悪そうでいて妖艶な笑みを見せながらレーゼはそう言った。
しかしアグリアスはレーゼの方を惚けたような目で見た後、またふたりを見つめ直した。
463顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/04 01:43 ID:???
「ねぇ、アグリアス………聞いてる?」
「はっ………ああ?なっ………何か言ったか?」
「いやねぇ、さっきからどうしたのよ。なにか”衝撃的な出来事”でもあったのかしらね?」
「い………いや何でもない。はっ………早く行こうヤードーに………」
「これから行く場所はドーターよ」
「そっ、そうであったかな………」
「うふふ………おかしなアグリアスだわ。ねえ、ラファ?」
「えへへ………」
「うふふ………さあ、出発しましょうベイオウーフ」

「よーし、ラブワゴン出発だ〜!!残り物はだ〜れだ!!」

 ベイオウーフは意味のわからないことを言って馬に鞭を入れた。馬車が走り出す。
私たちの恋も走り出したのよ、ラムザ。ラファは心の中でラムザにそう宣言する。
あなたには負けないわ、アグリアス。うふふ。それにしてもラブワゴンって何かしら。
(・∀・)イイ!。
むう、今日はここまでか…


久しぶりに明日が楽しみ
466顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/04 02:16 ID:???
「さっき馬車を降りた時に採ってきたんだ。みんなで食べよう」

 ラムザはそう言うとポケットから赤い木の実を取り出した。

「まあ、綺麗ね。頂くわ」

 レーゼは指でそれを摘まむと口の中に放り込んだ。レーゼの口の中に甘酸っぱい果汁が広がる。
そしてうふふ、と笑うととびきり魅力的な笑顔を見せた。

「美味しいわ。もう少しもらってもいい?ベイオも食べるでしょう?」
「ああ、すまないけど持ってきてくれ」

 レーゼはラムザの手から木の実を23個摘まむといそいそと恋人の隣へ移動した。

「アグリアスさんもどうぞ」

 ラムザは木の実をアグリアスに差し出す。アグリアスは無言のまま木の実を摘まんで口へと運ぶ。
まだショックを引きずっているようだ。

「ほらラファ、これ美味しいよ」

 ラムザは自分にもたれかかっているラファに木の実を勧める。
少し顔に汗をかいている。きっとアグリアスのことが気になっているのね。
でももう気にすることないわ。これで決まりよ。

「あ〜ん………」
「………!?」

 アグリアスの口から木の実がポロリとこぼれ落ちた。



           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  ……!? ポロリ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
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468顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/04 02:43 ID:???
ラファはおねだりをするように口を開けてラムザとアグリアスの反応をうかがった。
ラムザもアグリアスも、ラファの大胆な行動によって頭脳停止に追い込まれているようだ。

「あっ………あはははは、ラファったら案外甘えん坊だなぁ………」

 ラムザは誤魔化すようにそう言ったがこの場の雰囲気はそれどほ甘いものではない。
目を閉じて、口を開けたまま異性を前にするというのはそれほどまでに無防備な行為。
そしてなにより卑猥な感覚がつきまとう妖しい行為なのだ。

 レーゼもベイオウーフも緊張した視線を向けてきている。アグリアスは口から木の実を落としたまま
やはり口を開けて固まっている。ラムザはこれ以上この状態でいても無意味なことを悟ると
木の実をラファの口に運んだ。

 ラファの小さく開かれた唇に赤い木の実を押し当てる。ラムザの指にその感触が跳ね返る。
思わず生唾を飲む。緊張で指が震えているのが自分でもよくわかる。しかしやましいことをしている
のではない、とでもいうようにいつもと変わらない笑顔を心がける。しかしラファの行為と
アグリアスの視線、背後から感じるレーゼとベイオウーフの視線にさすがの自慢の笑顔も引きつっていた。

 指で木の実を押すと唇の中に吸い込まれていく。木の実が完全にラファの口の中に入りきってしまうと
ラムザの指先がラファの唇にくわえられる。一瞬のことであったがその光景がアグリアスの目には
やけにはっきりと映った。アグリアスは思わず顔を伏せる。ラファは目を閉じて勝利を確信する。勝ったわアグリアス。

「は………はは………美味しかった?………ラファ?」
「うん!!」

アグリアスは顔を伏せたままもうこちらを見ようとはしない。ラファの心が少しだけ、チクリと痛んだ。
まるで小さな女の子を虐めてしまったかのような心の痛みを感じた。
A型のひと・・最萌えに行ってラファに投票だ。
B型のひと・・最萌えに行ってラファに投票だ。
AB型のひと・・最萌えに行ってラファに投票だ。
O型のひと・・最萌えに行ってラファに投票だ。

ネットアイドル・アグ21歳はラファを応援しています。

           ...-‐――--.. 、     
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ     ガ〜ン
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        |::!         l:::l
        l/.         ;/
アグリアスたんハアハア



http://book-i.net/panchira/
ラムザはこの状況にすっかり参ってしまっている。ラファに対してもアグリアスに対しても
中途半端な態度をとっていると思う。レーゼはふう、とため息をつくとベーオウーフと顔を見合わせた。

(ベイオ、わたし見ていられないわ)
(ワクワクしてるじゃないか、レーゼ)
(うふふ、若いっていいわね)

「おっ、ラムザ、ドーターが見えてきたぞ」
「そ、そうですか」

 ラムザはベーオウーフの声を機に勢いよく立ち上がった。

「あん!!」

 もたれかかった格好のラファがバランスを崩す。ラムザはこっそりとアグリアスの表情を
盗み見る。アグリアスは呆然としており少し悲しげな顔をしていた。ラムザは下唇を噛んで
自分のふがいなさを後悔する。そしてアグリアスの気持ちをわからないふりをする自分を
ずるいと思う。

 移動する馬車から顔を出してみる。夕焼けに照らされた貿易都市ドーターは赤い。
資金調達のために走り回っているロビンズやマーガレットと明日ここで落ち合う予定になっている。
突然のラファの怪行も理解不能だが、アグリアスとのことも早いうちにはっきりとさせたい。

(しかし僕はどうしたいんだろう………?)

 自分の二の腕にはラファの胸の感触が残っている。しだいに近付く夕焼けのドーターを眺めながら
ラムザは顔がにやけるのを止めることができなかった。
顔無したんイイ(・∀・)!!
だが俺はもしかするとアグアリス萌えというよりはラムザ萌えなのかもしれない・・・
ラムザたんハアハア(´Д`;)
474れいじ ◆HqcvRAGE :02/04/05 00:00 ID:???
最近忘れていた…アグたんハアハア
とりあえず俺も
ラムザたんハアハア(´Д`;)?
黒間導師の小説は禿しくスレ違いだと思うが
>>476
今後の展開に期待ハアハア(´Д`;)
478顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/05 03:10 ID:???
街をせわしく歩く人々。貿易都市ドーターは眠らない街だ。ラムザは馬と馬車を預けると集合場所の
宿に向かった。その間もラファはラムザに文字通りぴったりとくっついていたが人目の多い場所で
目立つわけにはいかなず、さすがにやんわりとラファをなだめた。

 しかし残念ながらその時アグリアスは宿に向かっており、ラムザの思惑は半分しか満たせなかった
ことになる。きっとラムザのことを見損なっているだろう。ひょっとしたら頭の中ではラムザを
一刀両断しているかもしれない。ラムザは心なしか重い足取りで宿に向かった。

「早く行こうよお!!」

 ラファの足取りは弾むように軽い。軽快なスキップを見せつけながら宿に向かう。

「ラムザ、悩んでいるようだな」

 後ろからベーオウーフが話しかけてくる。力無く振り返ると隣にレーゼもおり、
いつもの何か含んだような笑顔を見せつけている。

「ふたりとも意地悪ですよ………もう。馬車の中でもなんとかフォローしてくれればいいのに」

「何言ってるのラムザ、ニヤニヤしてたじゃない」

「レーゼの言う通りさ。二兎を追う者は一兔をも得ず………ってね」

「そうよ可愛い兎ちゃんを一匹捕まえればそれでいいのよ。ねぇベイオ………うふふ」
479顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/05 03:12 ID:???
そう言ってレーゼはベイオウーフに腕を絡ませる。ラムザは思う。

(誰が兎だって?爬虫類だったじゃないか………)
 レーゼは少し前まで魔法をかけられてドラゴンだったのだ。その名残なのかいまでもたまに口から炎を吐くことがたまにある。
ただその光景はあまりに恐ろしいため、今まで誰もまともに直視したことがない。その為か基本的にこの話題は仲間内でタブーとなっている。

 宿屋の扉を開け土埃とともにラムザ達が入ってきた。ラファの顔が輝く。
宿屋主人となにやら話し込んでいたムスタディオがラムザの方を向く。

「荷物は全部運び終わったぜ」
「すまない。ムスタディオ。部屋とれたみたいだね」
「ああ、8部屋しかとれなかったが屋根があるんだ、文句ないだろう?」

 もちろんだった。ここまでの旅は長かった。メンバーの疲労もピークに達している。
ラムザは集う一同に向かって言った。

「みんな、長旅ご苦労様でした。ささやかながら今夜は僕がおごります」

「やったぜ!!」

 ムスタディオが叫ぶ。全員が顔を綻ばせてここまでの旅の緊張を解く。
ただアグリアスだけは力無くうつむいて壁にもたれかかっている。
長い睫毛を伏せて静かに佇むその姿は一見いつものアグリアスと変わらないように見えたが、
どことなく覇気がない。ラムザは何か声をかけようとアグリアスに近づく。

「ラムザ!!早く行こ!!」

 ラファがぴょん、と飛び出してきてラムザの腕に飛びついた。
ラムザとアグリアスの目が合う。今度はアグリアスの目に悲しみの色は見えなかった。
ただ無感情な眼差しがラムザを突き抜けているだけだった。
480顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/05 03:13 ID:???
一行は安酒場に着き、思い思いの席についた。適当なつまみで空腹を満たし酒を飲む。
剣聖オルランドゥもこのときばかりは笑顔で談笑する。今はベーオウーフと剣の話をしているようだ。

「どうしたのラムザ。あなたがお酒を飲むなんて珍しいわね」

 メリアドールはそう言いながらラムザの隣に腰をおろした。宿で髪を梳かしてきたので今は長い髪が
肩にかかり身長がやや高いことをのぞけばとても女らしい。
ラムザは普段飲み慣れていない酒を飲んだせいか多少意識がぼんやりとしている。

「美味しくない………」

 ぼそっ、とつぶやいて空のグラスをテーブルにおいた。手酌でグラスに酒を満たした。
メリアドールはその手をそっとテーブルに押しつけた。

「ラファちゃんと何かあったの?」

「………いいえ」

「嘘………、ほら………隠さずに喋りなさい」

 ラムザはやや自嘲気味な笑みをうかべて酒をあおった。この少年には似合わない表情にメリアドールの
心が痛む。ここにいる全員のリーダーであるラムザ。その肩には重い負担と責任が寄りかかっている。
一方ラムザはまだ子供のようなあどけなさも残っている。

 自分が助けられるものならば助けてやりたい。後悔はもうたくさんだ。
ラムザの顔に無くした影が重なる。少しも顔は似ていないのに。
481顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/05 03:14 ID:???
ラムザは返事をせずぼんやりとしている。その視線の先にはアグリアスがいた。
メリアドールにはその意味がつかみ取れない。メリアドールはラファのほうを見る。
ラファはマラークとなにやら口論をしている。

「メリアドールは誰かを好きになったことはある?」

 いきなりの質問にメリアドールは少々面食らう。なんだか今日はこんな質問をされてばかりな気がする。

「あ、あるわよ。一応………」

「好きな人のことってわからないもんだね………なんでなのかな………好きだからわからないのか
 わからないから好きになるのか………聞いてみたら何かが変わってしまう気もするし聞かなければ
 何も変わらない気もする………」

 ラムザはそう言ってメリアドールの目を見つめた。少し潤んだ瞳はランプに反射して赤く光り
メリアドールの鼓動を早まらせた。男でもなく女でもない妖しげな魅力がラムザから伝わり
身体が竦んだ。

「ラ………ラムザ………私を口説いてるのかしら………?」

 ふふっ、とラムザが笑う。

「いや、ごめん………ちょっと酔っちゃったみたい………」
「ラムザ………」
「大丈夫………大丈夫だよ………少し風に当たってくる………」

 ラムザは席を立つとそのまま店を出た。メリアドールは媚薬を盛られたように熱くなった顔に
グラスを押しつけた。私がもてあそばれてどうするのよ。メリアドールは自分を叱る。
482顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/05 03:24 ID:???
>>478
>文字通りぴったりとくっついて

 文字通り(w
483れいじ ◆HqcvRAGE :02/04/05 03:30 ID:???
こんな時間にハァハァ
顔ナシ氏(・∀・)イイ!!

ラムザをあんま崩してないSSって何気に貴重だ
485顔が無い@黒魔道師のようだ:02/04/05 10:04 ID:???
>>476の発言にもあるようにスレ違いだと思う。

どうしよう、やめるか他にうつるかしたほうがいいって
思われる人がいるならそうします。

 ひとりスレ消費しまくっててしかもスレ違いでは荒らしかも。
どなたかの意見乞いたし。 
>476と485

???
そもそも、何がスレ違いか解らんのだが・・・
>>486
禿同。
全然違わないと思う
スレ移動したら聖光爆裂破(@□@)!
顔無し殿のSS期待してる人、すげー多いッスよ
需要があるんだからいいだろ
板違いで盛り上がってるスレより余程いい。
アグたんのやきもち物語になるんだろ?
スレ違いじゃないよ
ラヴィアン「皆の者聞けっ! アグリアス聖騎士殿のお言葉だっ!」
アリシア「ではアグリアスさま、どうぞ」

           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ     聖騎士アグリアスである。
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  >>476顔なし黒魔道士はスレ違いではない。 
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l    >>485だがこれから私をどうするつもりか…それによるぞっ!?
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
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        l/.         ;/
「だいたいお前はいつも………!!」
「うるさいのよ兄さんは!!わたしのことはほっといてっ!!」
「なんだとラファ!!いいか、これだけは言っておくぞ………」
「あっ………ラムザ!!どこ行くのよ」
「ラファ〜!!」

 ラファは店から出て行ったラムザを追い席を立った。

「まあまあ、マラーク殿、ラファ殿ももう立派な女性ではないか。恋のひとつもしよう」

 そうマラークに言ったのはオルランドゥだった。剣聖シドは酒豪でもある。
オルランドゥの周りには空の酒瓶が散乱している。

「し、しかしオルランドゥ伯………」
「むぅ、まったく頭の固い兄だ。ラファ殿もこれでは苦労する………」
「なっ………なんですと!?」
「どうやら酒が足らんようだな………ベイオウーフ殿、マラーク殿が酒が足らぬと申しておるぞ」
「むう、それはいけませんね。さあマラーク、朝までガンガンいこうか」
「さ、酒はもう結構です!!」
「レーゼ、すまないがマラークに酒をついでやってくれ」

 呼ばれたレーゼが酒瓶を片手にマラークに近づく。空になっていたマラークのグラスに
なみなみと酒が注がれる。

「はい、マラーク。ラファのことはラファのことよ。もう兄さんの言うことを聞く歳でもないわ」
「あいつはまだ子供なんだ放っておけない!!」
「ははははははは………」

 マラークの周りの騒ぎをおもしろがりムスタディオが大笑いする。

「ふひ〜………よくわかんね〜けどおもしれーや………」
 
 ムスタディオと同じくカウンターで静かに飲んでいるアグリアスに目をやる。

「どうしたアグリアス?元気ないね、あと愛想と胸もないよな、お前は。うははは………」

 そう言ってから反撃に備えて身構えた。しかしアグリアスはムスタディオの言葉が耳に
はいらないのか無視してグラスの酒をあおった。

「よお、どうしたんだよ」
「………なんでもない」
「飲み過ぎだぜ」
「うるさい」

 ムスタディオは大げさに肩をすくめてマラークをからかっている連中のまわりに移動した。
入れ替わりでメリアドールがアグリアスの隣に座った。

「機嫌が悪そうね」
「良くもないし、悪くもない。普通だ」

 アグリアスが愛想のない返事をする。メリアドールはふふっ、と笑う。
あまり恋愛関係に明るくないメリアドールにもすこし何かが見えてきた。
「おじゃまするわ」

 そう言ってアグリアスを挟んでカウンターに座ったのは恋愛関係にとても明るいレーゼだった。
さっきまで騒がしかったマラークの周辺はいまは静かになっている。

 見るとマラークがオルランドゥの胸で泣いている。それを見てムスタディオが涙を流しながら
大笑いしている。メリアドールは向こうの様子もとても気になったがこちらで何が起こるかにも
興味があったので動かなかった。
 
「女三人水入らずで話しましょう。男には聞かせられない話もあるわ」

 アグリアスはレーゼの言葉を無視してグラスに酒を注いだ。
メリアドールがレーゼに目配せする。レーゼはわかってるわ、とでも言いたげに微笑をうかべて
小さく頷いた。

「アグリアス………こんな詩を知ってる?”恋とは風雪をも春に変える。恋とは永久の春も無に帰す”」
「知ってる詩などない」

 そうだろうな、と思わずメリアドールは頷いてしまう。
アグリアスが詩を謡ってうっとりしている様を想像するのは難しい。

「どういう意味の詩なの?」

 つれないアグリアスの代わりにメリアドールが聞いた。

「人はどんなにつらくて悲しい時代にも恋をして、暮らしてきたわ。死が世界を覆っていても
 人は恋することをやめない。それが私たち………」

 アグリアスは聞いているのかいないのか。ただ黙ってグラスを空にする。
「もちろん恋はいいこと尽くめというわけでもないわ。哀しい思いをすることもあるし、
 傷つくこともあるでしょう………」

 アグリアスは空になったグラスを握った手をじっと見つめている。

「戦いに身を置いているからといって心を否定しては駄目。それは人間を否定しているようなものよ。
 あなたも、わたしも、仲間も、あなたの想う人もね………傷つくのを怖れて人は生きられない。
 誰かを守る戦いも、身を焦がす恋も同じね………」

「わたしは………」

 なにか言いかけたアグリアスの唇をレーゼが人差し指でそっと制する。
メリアドールは目の前の光景にただ見とれていた。レーゼは続ける。

「あなたは後悔しない………?これから先あなたは本当に今夜を後悔しないかしら………
 たとえばあの人が今消えてなくなってしまったら、あなたはどうするの?」

 アグリアスは一瞬だけラムザが出て行った扉を見つめた。そして少しうつむいてレーゼの言葉を
反芻しているようだ。そこにはさっきまでの心を閉じた女騎士はもうどこにもおらず、
メリアドールが好きな頑なな素直さをもったアグリアスがいた。アグリアスは少しだけ顔を上げる。

「恋とは風雪をも春に変える………恋とは永久の春も無に帰す………か」

 アグリアスは少し熱をはらんだ声で小さくつぶやいた。気のせいか少し笑っているようにも見える。
アグリアスは椅子から降りるとしっかりした足取りで店を出ようと歩き出した。
「あっ、アグリアス………?」

 メリアドールが心配して声をかける。アグリアスは振り返って言った。

「心配ない。少し風に当たってくる」

 アグリアスが店を出て行き扉が閉まる。ふう、とレーゼがため息をつく。

「本当に世話がやけるわ」

「そうね………でも素敵だったわ、レーゼ。あなたの熱い情熱が伝わってきた気がする………
 なんだったかしら………”恋とは風雪をも春に変える………恋とは永久の春も無に帰す”………
 だったかしら?」

「さあ、もう忘れたわ………さっき適当に考えついた言葉だもの………それより行くわよ、メリアドール。
 これから面白いことが始まるはずよ。くう〜………いいわねぇ、若いって」

 そう言うとレーゼはグラスの酒を一気に飲み干して店を出て行った。
呆然とそれを見ていたメリアドール。

「まっ………待ってレーゼ!!私もっ………!!」

 メリアドールも慌てて店を飛び出した。
ラムザは街を少し離れた場所に流れる川のほとりにひとり座っていた。
夜光虫が辺を飛んでいる。まるで風の流れがそのまま輝いているような光景だった。
それは月の光によく似た色を発して音もなく飛び交っている。それを映し出しているのは
透明な川の流れとラムザの瞳だけだ。

「ラムザ、こんなところにいたの?」

 ラファがラムザに呼びかけた。夜光虫がわっ、と逃げていく。

「戻ろうよ。私ラムザと一緒にお酒が飲みたいな〜………」

 ラムザはラファの声が耳に入らないかのように。川の流れを見つめている。
風で草葉が擦れ合う音と川のせせらぎだけが聞こえる。ラムザが少しだけ遠くを見つめると
どこかから弦の音色が聞こえてくる気がした。刹那な旋律が風に乗って運ばれてきている。
それが引き金になったかのようにラムザは立ち上がる。

 その光景は夜光虫の光の中、シルエットになってふたりを浮かびあがらせる。
少年は少女に近づいてなにか語りかける。少女が少年になにか叫ぶ。

 やがて少女は両手を顔に当ててその場を立ち去る。
少年はその場に立ちつくして、走り去る少女を目で追っていた。

 少女の姿が闇に消えたのだろう。少年はふたたび水面の方を見つめた。
立ちつくす少年に涼やかな風とハープの調べが運ばれる。
そこにひとりの騎士が近づく。金髪の騎士は夜光虫の光を反射して複雑に輝く。
少年はそれを予期していたかのように背を向けたまま言葉を発した。

「綺麗でしょう………」

「ああ………」

「雄と雌がね、この光で引き合うんです………お互いの光に惹かれてこうして夜の空を
 飛ぶんです………」

「私には………よくわからないな………わからないことだらけなんだ………私は………」

「僕もですよ………」

 少年は騎士に振り返る。お互いが夜光虫の光で眩しく光っている。
少年が騎士に近づいて手を差し出す。騎士はその手をそっと握る。

 どちらかが何か言ったのかもしれない。
何も言葉は無かったのかもしれない。飛び交う夜光虫だけがそれを知っている。

 ふたりの影が重なる。ハープの音色がそこで途切れる。
この世のどこかで誰かが誰かに愛を囁くように、このふたりもきっと何かを囁いたのだろう。

 風が吹いて幻光がふたりを包みこむ。
レーゼとメリアドールが店を飛び出すと街の外が光り輝いているのが見える。
そこから近づいてくる人影。

「ラファ?」

 ラファは涙を流しながら走っている。メリアドールがラファを捕まえる。

「ど、どうしたのラファ?」

「ふっ………ふえええええん!!」

 ラファはメリアドールの深緑の衣に顔を押しつけて泣きじゃくる。
メリアドールがレーゼのほうに助けを乞う。やれやれ、といった顔をしてレーゼはラファの
頭を撫でる。

「ひぐっ………ひぐっ………ラムザの馬鹿ァ………」

「よしよし………そうね、ラムザは馬鹿ね………」

 レーゼはラファの頭を撫でながらそう言った。なんといい加減なひとだろう、と
メリアドールは思う。

「あのね………ラファ………」

 しかしそこまで言いかけてメリアドールは言葉が続かない。どうしたものか、と思う。
自分にはこの少女を慰めてやれる力はないと思う。メリアドールはやはりレーゼに助けを乞う。

「飲みましょうラファ!!」

 レーゼはそう言うと酒場に歩き出した。
「ちょっとレーゼ………」

「ぐすっ………お酒………飲む………」

 ラファはそう言うとメリアドールから離れた。メリアドールの深緑の衣に涙と鼻水らしき痕が残っていた。
仕方ないわね、と思いながらメリアドールはとぼとぼと歩き出したラファについて行く。

 ラファは途中立ち止まって夜空を見上げる。先を行くレーゼも立ち止まりラファの方を
振り返る。メリアドールが心配そうに話しかけた。

「どうしたのラファ?」

「………えへへっ………ふられちゃった」

「仕方がないわ………ラファみたいに可愛くても、長い人生一度ぐらいはそんなこともあるわ………」

「………悲しいなぁ………」

「………そうね。悲しいわね………」

「………ラムザの馬鹿………」

「ラムザのこと、嫌いになった?」

「ううん、嫌いにならないよ………好きだったんだもん………」

「そうね………」
「だから………悲しい………ひぐっ………ひん………」

「もう………やめてよラファ!!わたしまで………泣けてくるじゃないの!!」

「ひぐっ………ごめんメリアドール………」

 メリアドールはラファの肩を抱いて頭を撫でた。

「今日は思いっきり泣いていいから………ね?」

「………ひぐっ………うん………」

 ラファの肩を抱いて歩くメリアドールがレーゼに近づく。レーゼもラファの頭を撫でた。

「ほら、行きましょう。マラークもきっと慰めてくれるわ」

「………うん」

「ラファ、いい話してあげるわ”恋とは風雪をも春に変える。恋とは永久の春も無に帰す”って
 詩があってね………」



 
 闇夜が世界を包む夜。夜光虫の光と恋人達の想いが輝く。 
 風が吹いて幻光が闇夜を照らす。恋人達を照らし出す。
 この世のどこかで誰かが誰かに愛を囁く。
 飛び交う夜光虫だけがそれを知っている。             THE END
期待した展開ではなかったが・・・イイ作品だわ。


いやエロパロ板住人な漏れには眩しすぎるw
>黒魔道師たん
ほんとイイ作品だったよ。
ありがとう。
このスレの作品はみんなそうなんだけど、
やっぱエロくないところがいいよね。
心が温かくなるような小説ぞろいでさ。
まあ、>>501さんみたいなえちい人は、
他のスレで思う存分性欲を発散してくださいってことだね。
           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ     ど、どういうことだっ!?
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ   一体私とラムザはどうなったのだっ!?
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l    ま、まさか、や・・・・ブルブル
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))     おいっ、誰が説明しろっ!!
        |::l ○   ○   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
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>503
>おいっ、誰が説明しろっ!
動揺してますね。(w
505RAGE ◆HqcvRAGE :02/04/05 23:10 ID:???
ああ〜しっとりするなぁ〜
 読んでくださった方々、どうもありがとうございます。
エロもない文書によくおつき合いくださいました。
ラストのほうで日本語がちょっとおかしくなっててごめんなさい。

 でも、だいたいどの部分もまんべんなくおかしいので目立たないと思います。

 それから前スレ 884さんの小説がまた読みたいです。
 時間があったらお願いします。なくてもお願いします。

>>503
>ま、まさか、や・・・・ブルブル
>おいっ、誰が説明しろっ!!

 『や・・』なんですか?
 説明しろっ!!
507agu:02/04/06 03:54 ID:???
agu
>>503
でも嫌ではないでしょ?
509黒獣:02/04/06 12:54 ID:???
>黒魔導師サマ
キャラの性格がイメージどうりなので
本当にFFTの中にこんな話がありそうに思えてきます。
いいですねぇ・・・たまらん。
これからもがんばってください!楽しみ♪ 
ああ、ますます俺の出番が無くなる(w
(作りかけのプロット見て・・・ぽいっ)

黒魔道士殿、素晴らしい話、ありがとございましたっ(嬉)
FFTは新しい話題がないから小説でたのしむか
やりこみするしかないんだよね
 
512アグたん@余裕:02/04/06 23:47 ID:???
           ...-‐――--.. 、     
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  ラファ可哀想… 
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ   だが許せよラファ。     
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l    ロリキャラは所詮大人の女性には敵わんのだ。
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))     
        |::l エエ   エエ   |:::|6)))
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513No.4:02/04/07 00:11 ID:???
ああ、とてもじゃないが読む気がしない・・・
そしてまた増える・・・
>513
読まなくていい
515ただのアグたんファン:02/04/07 09:17 ID:???
>>513
自分が一生懸命書いた小説が「読む気しない」とか言われたら、
今まで書いてた人たちが気分悪くしちゃうじゃんよ。
小説を書いたって、なにがもらえるわけでもないのに
このスレのために貴重な時間を割いて書いてくれてるんだよ。
読む気が起こる・起こらないはもうどうしようもないけどさ、
読む気しないんだったらここに来なければいいだけの話だろ。
なんのためにこのスレがsage進行になってると思ってるんだよ。
少しでも自分の書き込みが無神経だなと思ったら、
お詫びのしるしに小説なにか一本書いてみろ。
516ただのアグたんファン:02/04/07 09:31 ID:???
なんかいま読み返してみたら>>515偉そうだったかもしんない。
おれが小説かいたわけでもなかったのに。
このスレ好きだったもんでついつい熱くなっちまったが・・・・
517513:02/04/07 10:38 ID:???
それでも頑張って読みました
クオリティが上がっていますね
まあまったり行きましょう。

アグリアス「…という小説を読みました。もうサイコーです」
オヴェリア「ところで…顔なし黒魔道士の小説ではまだ私が出てきてないようなのだけれど…」
アグリアス「さあどうなんでしょう。顔なし黒魔道士殿にとってはオヴェリアさまは萌えの範疇外なのでしょう。
 まあ出てくるとしても私の引き立て役でしょうね、プ」
オヴェリア「久々に…お仕置きが必要なようねアグ」
519立ち眩み@顔無し黒魔道師 :02/04/07 11:31 ID:???
>>513
読んでいただかなくて結構です。
くだらない小説ですから。

>>515
弁護してもらってすいません。>>513みたいな書き込みがあると
やっぱり「もう二度と書かねー」って思いますよねー。なんだか助けられました。

>>517
だから読まなくていいってば。
掲示板の書き込み小説にクオリティなんか求めないように。

クオリティの高い文書が読みたければお金を払って読みましょう。

>>518
目から鱗の意見が。なるほど……書いてみようかな。
ちなみに>>512>>518の分析から導き出される答えは
黒魔導師はロリではない、ということ……
>黒魔導師はロリではない、ということ……
それだけは微妙(藁

それにしてもメリーたんなんかいい味出してたなあ。
恋愛面にはアグリアスよりは鼻が効くがまだまだお子様っぽくて。
しかしオヴェリアが出てくるとなんか血の雨が降りそうなのだが(w 色々と。
下手すっとメリアドールとアグたんのキャラ被るぞ
メリアドールは弟の影をラムザに求めてるっぽいのでまあギリギリいいんじゃないの?
それよりも積極的なラファたんが新鮮だった。つるぺたな胸をラムザに押し付けるあたりが
どうもロリ心をくすぐるな。
523RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/07 16:58 ID:???
黒魔導師たんを冒涜するヤツは許しません

で、今度はアグたん視点のが読みたいかも。
と突如希望。イヤ、シカトしてくだされ…
524れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 19:15 ID:???
むむ、顔の無い黒魔道師さんはすごいな…。

私も唐突に萌えましたんで、拙作あげさせてくださいな。
ムスタディオに変なこと吹き込まれた天然ボケラムザたんの行動にアグたんがどきまぎする話をきぼんしてみる。
526れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:10 ID:???

 今朝町を出立してから、だいぶ歩いた。途中獣道でモンスターに遭遇したものの難なく撃退し、
今夜の晩御飯の心配がなくなったと皆大はしゃぎしている。
「やあ、やっぱありゃ俺のファイアが効いたよなぁ」
「ザックってば調子乗るんじゃないの! あのときカーマインがポーション使わなかったら
 どうなってたのよ!」
「いいじゃないかヴァレリー。君こそ一番前で頑張ってくれてたんだし」
「拳一つでスケルトンも粉々だからなぁ〜。格闘娘は怖ぇ怖ぇ」
「なんですってーー!」
 3人のじゃれあいに思わず緊張が解け、最後尾を歩くアグリアスが呆れて笑う。
「平和だな…。彼らは自分の立場を解っているのか?」
「ええ」
 笑いながらも真剣なアグリアスに、隣を歩くラムザが即答する。
「みんなとはアカデミーの時から一緒ですからね」
 長くなった影を踊らせる3人を見ながら、微笑むラムザが話を続ける。
「アカデミーの頃はもっと沢山仲間がいたんです。ただ、僕が、必ず生きて帰れる保証はないから、
 家族や友達や大切な人がいる人や、僕の考えに少しでも疑問のある人は無理についてこなくていいって、
 僕の方からお願いして、それで…今はこれだけになっちゃったんです」
「では彼らは…」
 アグリアスが邪推する、が。
「今いるみんなは、ちゃんと今の状況を全部解ってくれた上で一緒にいてくれる、僕の友達なんです」
「…そうか…」
527れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:11 ID:???

 アグリアスが、野暮な質問をしたと後悔して視線を足下に落とした。そんなアグリアスに気付いてか、
ラムザが話題を変えようとする。
「あ、でもやっぱり、あの3人は他のみんなには悪影響かな?」
 結局話題は大して変わっていない。
「そうでもないみたいだぞ。ラヴィアンは、今の旅は楽しいと言っていたしな」
 しかし、一番前を歩くラヴィアンを見ながら答えるアグリアスには笑顔が戻っている。
「へぇ、そうなんだ」
「逆にアリシアは力が入らないと言っていたが」
「あはは、それじゃ困ったな。…慣れてもらうしかないかな?」
「ふ、ふふ…ははっ。それでは全然対策になっていないじゃないか」
 アグリアスが呆れて首を振る。すると。
 ぶちんっ。
 不意にアグリアスの真後ろで、何かがちぎれるような音がした。
「えっ…!?」
 何事かと思ってアグリアスが振り向くと、しゃらっ、という流れる音とともに、ほどかれたブロンドが
彼女の周りをふわりと舞ってみせる。
「な、なに…?」
 髪留めが壊れたのだ。
 ただでさえ緊張の糸も切れていたアグリアスは突然の事態に状況を認識できず、前を向き、振り向いて、
また前を見る。そうやって鳩が豆鉄砲を食らったかのようにおろおろするその彼女の姿に、ラムザは思わず
吹き出してしまった。
「…ふっ、くすくす…」
528れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:11 ID:???

 ラムザの笑い声にアグリアスが漸く我に返った。そして思いがけず見せてしまった自分の無防備な顔と、
それを見て笑うラムザに、アグリアスは顔を赤くして憤慨する。
「っ…! な、なにを笑っているっ…!」
「あ、ごめん…でも、さっきアグリアスさんだって笑ってたじゃないですか」
「!」
 そしてまたアグリアスは熱くなっている自分に気付き、クールダウンを試みようと深呼吸する、が。
「いや、それにしても、アグリアスさんでもそんなかわいい顔するんだなぁ」
 その一言に深呼吸も思考も途中で止まってしまった。
「かっ…かわっ…!?」
 アグリアスは騎士だ。
 今まで緊張感とともに、普段から厳しい顔つきを保ってきたがために、戦場で『彼女の力』を見られた
ことはあっても『彼女の女性らしさ』を評価されたことはなかった。いや、洒落やお世辞のレベルで
美人だとかなんとか言われたことはあっても、それはあくまで『剣士』としての力を知らないからこその
社交辞令であるにすぎない、つまり、自分が女であるがゆえに侮られているから言うのだ、と
受け取っていたのであろう。
 実際、アグリアスの剣技は並の男どもを震え上がらせるには十分であり、それを見せつけられた上で
彼女に軽口を叩けるような男なぞ、今までいなかったのだから。
529れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:12 ID:???

「あ、ごめん、騎士に向かってかわいいって言うのは失礼かな」
 確かに失礼かもしれない。例えば、騎士が力を認めた相手に向かってそういう馴れ合いのような台詞を
吐くことは、ある意味で侮辱ととられるのではないか。
 だが、今のアグリアスにしてみれば、そんなことが論点ではなかった。
 聞き間違いではなく、確かにラムザが、自分のことをかわいいと言っている。それが重要なのだ。
 慎重にならんとした直後だっただけにその言葉は却ってはっきり聞こえ、緊張したアグリアスの顔は
更に赤くなり、あわやこのまま窒息するのではないかと感じていた。まったく、本当にそうなっていたら
どれほど楽だったことだろうか。
「しっ、失礼だと思うなら、笑うんじゃない…ッ!」
「あ、そうか。ごめんなさい…って、さっきから謝ってばっかりですね」
 なんとか声を絞り出したアグリアスの気も知らず、ラムザは頭をかきながら苦笑いする。
 だが、アグリアスの舌足らずな、というより的を射ていないその台詞は、どうやらラムザに
『笑ってしまったこと』を悪いと認識させてしまったようだ。
 アグリアスもアグリアスでラムザの『かわいい』がエコーを伴って耳から離れず、ラムザに誤認させている
ことに気付いていない。
 深いため息をつき、熱く火照った頬に手を当てて冷静さを取り戻そうとするアグリアスに、ラムザが鞄の
ポケットからごそごそとなにかを取り出す。
「じゃあ、笑ってしまったお詫びに…これ。代わりに使って下さい」
530れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:12 ID:???

 ラムザが取り出したのは一本の紐。
「…これは?」
「僕も以前髪を伸ばしてて、これでまとめていたんです。今はもう切っちゃったけど」
 ラムザがその言葉を言いきる前にアグリアスの右手を取り、それを彼女に握らせた。不意に手を取られた
アグリアスは、ラムザの指の暖かさをそのまま頬に映している。
「とりあえず今、代わりになりそうなのはこれしかないんで」
 髪留めを握らせたアグリアスの手をラムザの細い指が包み込んだ。
 ぎゅ、っと握られたその手は、まるで心をも優しく掴まれたような、そんな感触だった。
「なんか、随分困った顔をしていましたからね。お古で悪いんだけど、よかったら使ってください」
 どうやらラムザは、先ほどまでの深いため息をついたり頬に手を当てたりといったアグリアスの仕草を
『髪留めがほどけてしまったことがショックだ』と思いこんでいるようだ。
 かたやアグリアスの心は此処に在らず。彼女に聞こえているのは自身の心音くらいだろう。
「…あ、いや、いい。ほかに誰か持っていたはずだ」
 気が付いたはいいが、動揺しているのか心ない言葉を返すアグリアス。しかし彼女の瞳はラムザのくれた
髪留めに釘付けになっている。恐らくは今自分がなにを言ったかすら覚えてはいまい。
531れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:13 ID:???

「あ、ヴァレリーはだめですよ。髪を短くしたときに、髪を留める紐も一緒に捨てちゃったって」
 ラムザの言葉に、はっ、とアグリアスが顔を上げる。
 その表情は、うれしいような、残念そうな、ほっとしたような、どうしたらいいのかわからないような。
 思わずラムザも困惑し、次の言葉が見つからない。暫し沈黙が流れる。
「あ、アリシアか、ラヴィアンに借りる…」
 アグリアスが俯いて、ぼそっ、と呟く。
「あの二人はナイトだけど、髪を結っていないんじゃ?」
 しかし聞き逃さなかったラムザ。
「…じゃ、じゃあ次の町に…」
「え? 今朝出立したばかりなのに。ここからだと二日かかりますよ?」
「あ…ああ、そうだな」
 言葉を失い呆然と立ちつくすアグリアス。照れ隠しはすべて不発に終わったらしい。
「…髪留め、探します? 髪を振り乱しているときに確かそっちの草むらの方へ飛んでいっちゃった
みたいなんですけど」
「い、いや、そこまでし、しなくていい! さ、先を急いでいるのだろうッ!?」
 必要以上にぶんぶんと首を横に振る。アグリアスの髪がさらさらと音を立てた。
532れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:14 ID:???

 ふとラムザが何かに気付いて、アグリアスの前に来る。
「…ふぅん…」
 ラムザが悪戯小僧のような顔に変わって、アグリアスをまじまじと眺め始めた。
「…な、なんだ?」
 思わず後ずさるアグリアスとお構いなしに近づくラムザ。
 距離が縮まって、あわや10センチ…というところでラムザがとん、とアグリアスから距離をとった。
 不可解な行動にアグリアスが怯えにも似た緊張感を漂わせる。
「な、なんだッ、どうしたんだッ!?」
 ラムザは微笑み、得意そうに一言。
「髪をほどくと、印象変わりますね」
「そ、そうか…」
 なにを言われるかと緊張していたアグリアスがその一言にほっと胸をなで下ろした…のだが。
「うん。綺麗だなって」
「!!」
 言われた瞬間、アグリアスが、止まる。
 一度下がった熱が押さえ切れないほどの熱さになって、顔のみならず耳をも赤く染める。
533れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:15 ID:???

「かっ、からかうんじゃないっ!!」
「からかってなんかいませんよ…本当ですって」
 ラムザがまた距離をとる。アグリアスが背にした夕日は、彼女の髪を美しく輝かせていた。
「ほら、夕日に映えて…」
 そしてその時。ふわっ、と、風が彼女の髪の毛先をさらっていく。
「あ、いい風だ…惜しいなぁ、絵になるのに」
 ラムザの無邪気な微笑みと次の一言に、アグリアスはその場に縛り付けられた。
「綺麗ですよ」
 心臓がどきどきして止まらない。言葉もでてこない。なにも考えられない。
 なんだか自分のまわりだけ時間が止まってしまった。
 目の前のラムザは、夕日を浴びてきらきらと輝きながら、微笑んでいる。
 もう、訳が分からなくなってしまって、声が出ない。
「…アグリアスさん?」
 傾いた夕日にラムザは目を細めた。アグリアスの顔が光でよく見えない。
 しかし、アグリアスの身体が心なしか震えているように見えた。
「アグリアスさん?」
 ラムザはもう一度彼女の名前を呼んでみた。
 アグリアスは答えようとするが、やはり声が出ない。
 幸か不幸か、ラムザは気付いていない。アグリアスの瞳が潤んできているのを。
 そんなアグリアスが震えながらも何かを言おうとしたその時。
534れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/07 21:16 ID:???

「おおい、ラムザ! なにしてんだ、遅いぞ!」
「アグ姉さんも早くぅ! 日が暮れちゃうよー!?」
「ああ、今行くよ!」
 遠くからのザックとヴァレリーの声にラムザが振り向いた。
 すると、がくんっ、と一瞬身体が震えたかと思うと、アグリアスの身体は自由を取り戻していた。
あまりに急に硬直が解けたせいか、アグリアスは危うく反動で尻餅をつきそうなほどだったが、振り返った
ラムザには気付かれずに済んだようだ。
「じゃ、アグリアスさん、行きましょう?」
「…あ、ああ…」
 ラムザは走ってみんなの後を追っていった。残ったのはアグリアス一人。
 一人になることでようやく冷静さを取り戻したアグリアスは、胸を押さえて、深く、深呼吸する。
「…これ…ラムザの…」
 アグリアスは自分の手にしっかりと握らされているラムザの髪留めに、改めて意識を集中させた。
 熱くなった顔に手を当てると、手がじっとりと汗ばんでいたのが解る。
 目をこすると、涙は流れることなく指に絡みついてきた。
「私としたことが…」
 騎士である自分を戒める為に自嘲気味にこぼした言葉は、アグリアス自身の思いを確認するのに十分だった。
 再び、微風がアグリアスの髪をさらう。
 傾いた夕日は、何もかもを、赤く染めていた。

 終。
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ゴロゴロ

>れっどふぉーど氏
・・・久しぶりに転がるほど萌えたYO!!
素直に感謝。
53628th ◆5FYDyecs:02/04/07 22:10 ID:???
何か凄いことになってますね
まあ、疲れている人はほっときましょう

是非、作家の皆様に お聞きしたいんですが
どのような本を 読んでいるんですか?
黒魔導師さんは謙遜なさってましたが 凄く上手だと思います
知らぬ間に神が降臨していたか・・・・
天然ラムザイイ!!(ラムザに)萌えた!!
アグリアス
 アグ トロニックで
  Bアップ

          芭蕉
アグたんに弓使いの格好をしてもらって、パンティラしてホスィ・・・・・。(;´Д`)ハァハァ・・・
540顔無し黒魔道師 ◆vn2black:02/04/08 00:26 ID:???
>>523

れーじさんはすでに顔ナシ萌えです、と言ってみるtest

そしてリクエストされて書けるほど器用ではない、という罠

>>526-534

よっし、萌えP充電……ういんういん……
これが本当の萌えかぁ、勉強になるなぁ……

>>536

本は読まないです。漫画もあんま読まないし、テレビも見ません。
ゲームはFFならちょこちょこやるかなって感じで……

それから上手くはないです。パート1,2は練習で、
3から本番って感じで書いてます。上手さより早さに萌えてくださーい。
構想はパート7までできてます。暇を見て書くのみ。
54128th ◆5FYDyecs:02/04/08 00:26 ID:???
>>539風水士じゃなくて?
54228th ◆5FYDyecs:02/04/08 00:35 ID:???
>>540ありがとうございます
543顔無し黒魔道師 ◆vn2black:02/04/08 01:01 ID:???
 
544顔無し黒魔道師:02/04/08 01:13 ID:???
小説うpできねー……
書き込みすぎたかなー
54528th ◆5FYDyecs:02/04/08 01:30 ID:???
ちょっと待ってね?
546顔無し黒魔道師:02/04/08 01:33 ID:???
『これ以上書くとアクセス禁止になります。。。
それでも書き込むなら、自己責任でお願いいたします。 』

 という謎のメッセージが。
 アクセス禁止はいやづら……
54728th ◆5FYDyecs:02/04/08 01:35 ID:???
嵐になられたのれすか?
54828th ◆5FYDyecs:02/04/08 01:36 ID:???
>>546は大丈夫?
分割するしかないですね
549顔無し黒魔道師:02/04/08 01:39 ID:???
──馬車がガタガタと音を立てて走る。みんなは揺れるので眠れない、と文句を言うが
ムスタディオはそんなことを思ったことはない。機械のリズムのように一定な馬車の揺れは
まるで母の子守歌のように機工師ムスタディオを安眠へと導くのだ。

 ドーターを後にして、ザランダへ。ロビンズたちとは再び別行動をとることになった。
資金の調達がうまくいかなかったのだ。ラムザたちものんびりとしているわけにもいかない。
ザランダへ何か儲け話がないかと足を伸ばすことになった。昨晩から降り始めた雨は止み、
世の中の埃を全て洗い流したような景色がきらめいていた。ただムスタディオは美しい景色を見て
うっとりするという感性は持ち合わせていなかった。

「退屈だよなぁ……」

「あら、おきてたの?」

 メリアドールはセイブザクイーンを鞘から出して手入れをしている。
まめな彼女は暇さえあれば剣を磨いている。きっと綺麗好きなのだろう、とムスタディオは思う。
馬車を走らせているのはラムザだ。まるで数日前までと変わらない調子で馬車を走らせている。

 ただ数日前と大きく違うところもある。ラムザの隣にアグリアスがいる。
数日前までラムザはラファといちゃいちゃしていたはずだ。かと思うと昨日あたりから急にアグリアスと
急接近したらしい。案外、隅におけない男だ。そもそもここのメンバーは男を見る目がないと思う。
ここにいい男が暇そうにしているぞ。
550顔無し黒魔道師:02/04/08 01:40 ID:???
「なあ、メリアドール……なにか面白い話でもしてくれよ」

「面白い話?そうねぇ……」

 そう言いながらメリアドールはラムザ達のほうをチラリと見る。
そして何か言いたげな顔をして言った。

「別に何もないわ……」

「……何か……知ってるのか?」

 ムスタディオは身体を起こしてメリアドールに近づいた。

「しっ……!!声が大きいわ……」

「わ、悪い……」

 メリアドールはふたりの方を見て笑みを浮かべる。ふたりは特にべたべたといちゃついたりは
していない。ただ淡々と途切れることなく話をしている。恋人同士に見えるというわけではないが、
以前のアグリアスからは考えられない行為だった。
55128th ◆5FYDyecs:02/04/08 01:41 ID:???
良かった・・・・
552顔無し黒魔道師:02/04/08 01:42 ID:???
「どうしようかな、私、口が重いのよ……親友のことをたやすく喋ったりできないわ……」

「頼むよ、気になるんだって……」

「ぐー……」

 騎士メリアドールは急に横になると、わざとらしい寝た振りをはじめた。顔が笑っている。
人をからかうのは好きだがからかわれるのは腹が立つ。

「よお、頼むよメリアドール……」

「新しいネックレスが欲しいなぁ……むにゃむにゃ……」

 寝言のつもりらしい。ムスタディオはため息をついて顔に手を当てた。
メリアドールはこんな性格だっただろうか、と思う。


 ふたりのふざけたやりとりをベイオウーフとレーゼが笑う。

「買ってあげなさいムスタディオ。アクセサリーをねだられるなんて男冥利につきるじゃない」

「レーゼの言うとおりだ。俺なんかレーゼにねだられまくって今ではこんなにも男らしい」
553顔無し黒魔道師:02/04/08 01:45 ID:???
ムスタディオは笑い合うふたりにため息を漏らし、メリアドールを一瞥した。
メリアドールはラムザとアグリアスのほうを見ている。馬車の音のせいでふたりが何を話して
いるかは分からない。それでもメリアドールはふたりを祝福する微笑みを見せる。
ムスタディオはもう一度ため息を漏らした。

 
 そんな会話が行われている馬車の後ろをもう一台の馬車が走っていた。この馬車はかなりの
荷物が積まれており、三人の人間が乗り込んでいた。馬車を走らせているのはマラークだ。
マラークは時折、心配そうに馬車の中をうかがっている。

「で、私は言ったの……『私ラムザと一緒にお酒が飲みたいな〜………』ってね。そうしたらね、
 ラムザは……んんんんん〜!!もう!!……なんて言ったと思う?」

「ううむ……私には見当がつかんのだが……」

 先ほどからラファのお喋りにつき合わされているのは雷神シド、オルランドゥだった。

「でもね、私は諦めないわ……シド様、ちゃんと聞いてる?」

「も、もちろん……そう……か……まあ、なんにせよ諦めないのはいいことだラファ殿……」

「でしょ?シド様もそう思うよね?」
554顔無し黒魔道師:02/04/08 01:47 ID:???
「ら、ラファ……オルランドゥ伯に失礼なことは言うなよ……」

「言ってないもん。兄さんはちゃんと前を見てればいいの」

 いつしか馬車はゼイレキレの滝に差しかかっていた。


 マラークは吊り橋の途中で急に止まった前の馬車を見て馬をなだめた。
急な揺れにオルランドゥがマラークに声をかける。

「マラーク殿、どうかされたか?」

「ラムザ達の馬車が急に動かなくなりました……ちょっと見てきます」

 マラークは馬から降りて前の馬車に近づいた。嫌な胸騒ぎがした。
馬車からラムザが降りるのが見えた。その手には剣が握られている。

「どうしたラムザ?」

 マラークが声をかけるとラムザは黙って顔を吊り橋の向こう側に目をやった。
そこには男が五人立っている。いずれも盗賊のようだ。
555顔無し黒魔道師:02/04/08 01:48 ID:???
「積み荷を置いてこの場を立ち去れ、そうすれば命までは取りはしない!!」

 リーダーらしき男がよく通る声でそう言った。マラークはラムザと顔を見合わせる。
後ろから誰かが馬車を降りる音が聞こえた。

「──物乞いなら物乞いらしい口をきくことだな……もっとも、貴様等にくれてやるものなど
 何もありはしないがな……」

 アグリアスは腰からエクスカリバーを抜きながらそう言った。
その後ろには馬車の入り口に立ったムスタディオがいる。手の中で器用にくるくると拳銃を回した。

「腹が減ってるならそう言えよ。──お前らの胃袋に直接鉛弾をごちそうしてやる」

 そしてその後ろにはムスタディオが邪魔で馬車から出られないレーゼとベイオウーフがいた。

「ベイオ……わ、私たちの出番が……」

「ああ……またか……」
556顔無し黒魔道師:02/04/08 01:49 ID:???
こちらが予想外に大人数だったためか盗賊達の顔色が変わった。
リーダーの盗賊が腰から短剣を抜く。そしてそれを吊り橋の支柱にかかっているロープにかけた。

「もう一度言う……積み荷を置いて立ち去るんだ。坊や……銃を下ろすんだ」

 ムスタディオの顔色が変わる。銃でどうにかするには敵の数が多い。
マラークは小声でラムザに話しかけた。

「……どうするラムザ」

「……一瞬でいい。連中の注意を引きつけてくれ。その間に僕とアグリアスさんで一気に間を詰める」

 ラムザがアグリアスをチラリと見る。アグリアスが目だけで返事をする。
マラークは小声の早口で呪文を詠唱し始める。

「──裏天鼓雷音!!」

 マラークのかざした手の先に閃光が炸裂する。眩い光に乗じてラムザとアグリアスが駆け出す。
 しかし誤算がひとつあった。敵にも魔法を使える手合いがいたのだ。

「──!?」

 急に身体の動きが鈍くなり、吊り橋に叩きつけられる。転がっているラムザの目の前に剣が突き刺さる。
アグリアスも敵の魔法にかかり派手に転んだ。
557顔無し黒魔道師:02/04/08 01:50 ID:???
「ラムザッ!!」

 固まっているラムザの耳にラファの声が聞こえた。その瞬間頬に感じていた橋板の感触が無くなる。
馬の鳴き声が聞こえる。誰かの叫び声が聞こえる。──盗賊がロープを切ったのだ。


 硬直したまま滝壺の中に落下した。冷たい水が身体を包む。水面に逃れようとするも、
身体が言うことをきかない。昨日の雨のせいだろう、予想以上の水流の強さ──恐怖で混乱する。

 誰かがラムザの身体を掴んだ。ゆっくりと身体が水面に向かう。
目の前を白い衣が覆う。

「ぶはっ……!!」

 水面に顔を出すことができた。どうにか動く口で空気を貪った。
流されながらも話しかけた。

「ラ…ラファ……」

「ラムザしっかりしてっ!!」

 鎧をまとったままのラムザはラファの助けがなければ浮かぶことができない。
ラファの小さな身体ではふたりとも溺れるのは目に見えている。
558顔無し黒魔道師:02/04/08 01:51 ID:???
「ごぶっ……ラファ……鎧を……」

 ラムザの言葉が理解できたラファは素早くラムザの鎧をはずす。
鎧がはずれる度に身体が軽くなっていく。正面からラムザの背中に手を回し、鎧をはずしているラファは
ちょうどラムザと抱き合う格好になっている。

「ラファ!!後ろっ!!」

 ラムザが叫ぶ。水面に顔を出した大きな岩がかなりのスピードでふたりと接近する。
ラファは岩が近づきかわすことができないことを悟るとラムザの頭を抱えた。

 鈍い音がして衝撃が走った。それでもラファはラムザの頭をしっかりと抱いて離さない。
目の前を馬車の破片が横切った。懸命に身体を動かそうとする。しかし身体は相変わらず言うことを
聞かない。ふたりはただ流されていった。冷たい水が体温を奪う。ただラファの頬がラムザの頬に当たり
そこだけが温かい体温を感じていた。

 どれだけの間流されていただろうか。水深が浅くなっている場所にさしかかりラファはラムザを
川岸へと引き上げた。それからほどなくしてラムザの身体の硬直が解けた。

「……助かったよラファ……ありがとう」

「いいのよ……それより他のみんなはどうしたのかしら……」
559顔無し黒魔道師:02/04/08 01:52 ID:???
見慣れない風景に不安を感じたラファはラムザにしがみつく。

(アグリアス……)

 アグリアスもまた魔法で身動きがとれないはずだった。ただそれを口にするのは避けた。
ラファの手前だ、というのもあるが今は他のメンバーとアグリアスを区別すべき時ではない。

(おそらく命には全員問題ないはずだ……だが離れ離れはまずいな……)


 ラファに目をやると額から血を流していた。手で押さえて顔をしかめている。
先ほど岩にぶつかった時のものに違いなかった。

「ラファ……見せて……」

 頭にかかっているフードを取った。ラファの小さな額から血と水が混ざった雫が滴っていた。
ラムザはそこに口をつけて傷を癒す。ラファが身体を震わせる。

「馬車がこなごなになっちゃったからな……何か薬が手に入ればいいんだけど……」

「ラムザ……いまの……もう一回……ね?」
560顔無し黒魔道師:02/04/08 01:53 ID:???
 傷が治ったわけでもないのにラファはすでに元気になっており、ラムザにすりよった。
顔はすでに怪しげな微笑みを浮かべている。

「もう大丈夫。血は止まったよ」

「ああっ……痛い、痛いわぁ……」

 わざとらしく頭を抱えるラファを置いたままラムザは歩き出した。

「ああっ!!待ってよラムザ〜……人工呼吸はしたほうがいいんじゃない?」

「大丈夫、間に合ってる」

「それってアグリアスのこと?」

「それ以上言うとマラークに言いつけるよ、ラファ」
どうしよー……
こんなに萌えるの久し振り
れっどふぉーど氏も
顔無し氏も
最高の職人だなあ……
562白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:35 ID:???
Chapter 0 再会

ラムザ達はおのおのの目的を持ち、家路についた。
自分を見詰め直す為の旅、新たな就職先を探す旅、安住の地を求める旅・・・あれから1年が過ぎた。
そして、1年後の今日。ラムザ達はある場所で再会をする円卓の英雄達・・・

「なぁ、ボコ。今度こそ、アグリアスさんに言ってみせるよ。」
「クェ〜、クェ〜!」
チョコボに跨り、とある森へと向かうラムザ。
1年が経過しても、その容姿はさほど変わらず幼さが残るラムザ。
そして、とある森の中へと入っていった。

「貴公との約束から1年か・・・私も1年前に比べて強くなっただろうか・・・」
金髪の騎士がブツブツと、小声で言った。
普段は誰も訪れることのない森に、続々とバラエティに富んだ人が入っていく。
563白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:36 ID:???
「おっ!ラムザ!」
機工銃を腰に構えた青年がラムザ近づいていった。
「あ!ムスタディオ!元気だった?」
二人とも容姿、性格ともに何の変化もなく1年経ったという感じだ。
しかし、ムスタディオの腰に装備されている機工銃は、明らかに違った。
「あれ?どうしたのその機工銃?」
ラムザは、物珍しそうに機工銃を指さす。
「おっ、お目が高いな!これはな!」
続きを言おうとしたその時。
「ラムザ〜、元気にしていた?」
「あ!レーゼさん、それにベイオウーフさん!」
「おおラムザ、見てくれよ。私たちの子供だ。」
「って、俺の自慢の銃は・・・・」
「あんたの豆鉄砲の自慢何て誰も聴きたくないわよ〜。ムスタディオ〜」
どこからともなく、声が聞こえる。ラムザ達は周りを見回す。しかし、そこには誰もいなかった。
「ここよ。ここ!」
その瞬間、空間が歪み暗殺家業を続けているマラークとラファがでてきた。
564白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:37 ID:???
「あら、デジョンなんて使えるようになったの?ラファ」
レーゼは、驚く様子もなく淡々とラファに質問する。1年前の戦いで、使われたあの魔法だ。
他の物は驚きを隠せずにいるがレーゼは顔色一つ変えてはいなかった。
「元ドラゴンだと、早々のことでは驚かないのね。レーゼ」
木にもたれ掛かりローブを纏った剣士が言った。
「あら、会う早々に皮肉なんて、あなたらしいわね。メリアドール。まだあの事根に持っているの?」
「ラファ、メリアドールさん。久しぶりですね。」
ラムザは、次々に現れる戦友に挨拶をする。
「相変わらず、みんな変わっていないね〜。内の兄さんも相も変わらず変わっていないけど・・・」
ラファはため息をつきながら、みんなを見渡す。ため息を向けられたのは無論、兄マラークだ。
「ラファ、私だって覚えようと努力をしているんだ。そんな言い方はないだろう!」
「あらあら、お二人さん仲がいいわね。」
メリアドールとレーゼは、口を揃えて言った。
「まるで仲の良い姉妹だな。ラムザ殿」
フードを被った老剣士が大きな剣を腰に下げ、ラムザに挨拶をした。
565白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:37 ID:???
「オルランドゥさん、お久しぶりです。お元気でしたか?」
ラムザは、オルランドゥに握手をした。
「オルランドゥ伯、お元気でしたか?」
「二人に戦いを申し込まれたら、負けてしまいそうだな、レーゼ殿、メリアドール殿」
息の合いようも、ここまでくると恐ろしさを感ながらもオルランドゥは戦友に挨拶をしていく。
「シド殿、お元気そうでなによりです」
一呼吸遅れて、ベイオウーフが挨拶をする。
「ああ、元気だとも、それに新たな技も身につけて雷神シドの名に恥じぬよう日々鍛錬をしたぞ」
「ぜひ、またお手合わせ願いたいものです。シド殿」
赤ん坊を愛子ながらオルランドゥの隣に座った。
小一時間の内に戦友の面々が訪れ、各自席に着く。一人を除いては・・・
今回のこの1周年記念パーティとでも言うべき催しは、アルマの提案であった。
そのアルマは、パーティの準備で大忙し、今も森に潜む獣(キングベヒーモスなど)を狩り豪華な食事の準備を行っている最中だ。
566白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:37 ID:???
「なぁ、ラムザ俺の機工銃を見てくれよ。今までの量産型の機工銃よりも凄く優れているんだぜ!」
ラムザの隣に座った大親友のムスタディオは、ひつこくラムザに銃のすばらしさを語っている。
「あんたって、1年経っても変わっていないね。銃なんて魔法があるこの世界には無用の産物じゃないの?
やっぱり、時代は、魔法しかも、暗殺魔法よ!私の覚えたデジョンなんて・・・」
「こら!ラファ。デジョンは、暗殺魔法ではない。そこのところを・・・」
ラムザの両脇を取り囲む五月蝿い青年&妹に頭の上がらない男性達は、各の自慢話に花を咲かせていた。
ラムザ本人は、あまり耳に入っている様子もなくただ、この広間の入り口を見つめている。
アグリアスさん、早く来ないかな・・・・
567白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:37 ID:???
「ラムザって、やっぱりまだ彼女の事思い続けているのかしらレーゼ・・・」
「そうねぇ、たぶん思い続けているんじゃないの?でも、あの二人は容姿は大人でも恋愛に関しては子供だから、今日あっても思いを伝えられるのかしら・・・。心配だわ」
レーゼとメリアドールは、ラムザの恋仲の話で盛り上がっている。
二人とは、ラムザとアグリアスの事で、いつくっつくかの賭け事までアンダーグランドで進行中である。大凡の見方では、今日にくっつくオッズは2.5倍程度となっている。
568白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:38 ID:???
「シド殿、私の可愛い娘を貴方の弟子にしてもらえないか?」
「貴殿の願いは、断らぬが、ちと早すぎるのではないか?ベイオウーフ殿」
「嫌々、はじめが肝心なのです。レーゼは、剣士にはしたくないと言うが私はシド殿に次ぐ剣士にしたいのだ。これだけは、今まで何でも許してきた私だが、これだけは譲れぬのです。」
「だめよ、この子はドラグナーになってもらうの。そして、親子二代でホーリーブレスを吐くのよ!」
「ベイオウーフも大変ねぇ・・・」
メリアドールと話をしながらも、他の話も耳に入っているレーゼは相当の地獄耳である。やはり元ドラゴンは伊達ではない。メリアドールもベイオウーフの話に入っている。
レーゼの一言により、、言葉を失ってしまったベイオウーフ。奥さんの尻に敷かれた良き父ベイオウーフがそこにあった。
「ラムザ殿も、将来こうなるのであろうな・・・」
「たぶんなりますね!ラムザ君は!ハハハハハハ;;」
「わからないわよ。案外、ラムザ君が亭主関白になったりしてね」
「それはないと思うわ、レーゼ、フフ」
どんな話をしていても、この二人が話に入ると、主導権を握り司会者並に話を進行していく。
この場所にアルマがいれば、レーゼ&メリアドール&アルマの独壇場とかすだろう。
マスコミ好きな3人であった。メリアドールは初めはこんな性格ではなかったが二人に毒されたのだろう・・・
569白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:38 ID:???
「にーさーーん!!」
沢山の獣(切り株、豚、その他)を抱えながらアルマが帰ってきた。その隣には、アグリアスの姿もあった。
「遅れてすまぬ、ラムザ」
「お久しぶりです。アグリアスさん」
ラムザの顔が、急に赤くなりながらもアグリアスに挨拶をする。
二人ともお互いを直視できる状態ではないようだ。

「ささ、みんな席についてー」
各自、アルマの仕切の元席に着く、席順もアルマが決めてしまい
横から、アグリアス、ラムザ・・・としっかり者のアルマは、きめ細かな配慮も忘れずに席順を指定していく。
「さすがね。アルマは」
「どの世界も、お兄さんは妹に頭が上がらないのね。フフ」
570白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:38 ID:???
「あ、あの元気でしたか?アグリアスさん」
緊張気味に、アグリアスに聞くと、アグリアスもまた緊張した面もちで答える。
「ああ、元気だった。貴公も元気だったか?」
「はい、変わりなく元気です。アグリアスさん・・・・」
ここ数分挨拶で終わっている二人、このもどかしい時間がずっと続くのだろうか・・・
そんなラムザを見ていたアルマが、このままではいけないと祝会を進行していく。
そこで、もどかしく思いある行動にでる。
兄さんってば、何であーなのかしら・・・

リンリンリンリーン
グラスを鳴らし、皆の注目を向ける。
「おほん!ちゅーもく!そこ!私語は慎む!・・・・みなさんグラスを」
注意を受けたのは、やはりラファ&ムスタディオであった。
そして、アルマの祝辞が始まる。
571白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:39 ID:???
「皆さん、私をボコボコにした日から1年が経ちました。」
笑いの部分もしっかり取りながら、祝辞を述べていく。
「1年も経ち、それぞれがそれぞれの道を進みました。歴史の陰に埋もれながらも
私達の行った事は、とても立派な行いだと私は信じています。そして、あの日から1年が経ち、各の道をもう一度考えてみましょう。」
「歴史ある航海に!」
「歴史ある航海に」
各自、思い思いに乾杯をしていく。もちろん、ラムザの乾杯はホットミルクだ。

ワインを一気に飲み干すアグリアス。今まで見たことがない光景にラムザは少しとまどいを見せた。
「ラムザ、後で話があるのだがいいか?」
「えっ、ええいいですよ。アグリアスさん」
いつにもなく、強気にラムザに返事を迫るアグリアスにラムザは少し押され気味に返答した。
「はい、兄さん。これとこれお二人でわけあって食べてね。あ、アグリアスさん兄さんをよろしくねっ」
「あ、ああ・・・」
よろしくねっの意味を理解し、少し頬が赤くなりながらもアグリアスは返事をする。

「ほんっと、アルマは行動派よね。負けてしまうわ〜」
「あなたも同じくらい行動派よ。レーゼ」
どんな話にも入ってしまうレーゼとメリアドールは、アルマを呼び寄せ、今後の二人の行方を話し合った。
572白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:39 ID:???
祝会も一段落をし、各パーティに別れ雑談に入っていく。
「ラムザ〜、いっしょにね、、むぐっ」
「ラファ、私たちと今日は夜を明かしましょ〜」
「そそ、こっちにきなさい」
ラファが、ラムザを誘おうとしたその瞬間にレーゼとメリアドールコンビに捕まりラムザゲットはできなかった。
暗殺者でも、やはりこの二人にはかなわないようだ。レーゼとメリアドールは今日くっつくと賭けているのでラムザの護衛をしているのだ。
「レーゼ、今日は一緒に寝ないのかい?」
「ごめんなさい。今日は女4人で会議があるの。」
軽くベイオウーフをあしらうと、女4人(1名は任務失敗により捕獲された)テントの中へ消えていった。
「おい!ラムザ、おれの機工銃。。うぐ!」
一難去ってまた一難、今度は、ムスタディオがラムザに近寄ろうとしたその瞬間。テントに消えたはずのレーゼとメリアドールがムスタディオを襲う。
一時的にできたラムザ親衛隊は、とても強かった。
「ラム・・・ザ。。俺の・・・」
「サイレス!アンード、影縫い!」
レーゼとメリアドールの一撃にもめげず、ラムザの元へ向かおうとするムスタディオを新たに加わった新人親衛隊員ラファがトドメを刺す。
「うげ、、むむねん・・・」
3人の連係プレイに、ムスタディオここに死す・・・
573白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:39 ID:???
「では、男4人で朝まで酒盛りといこうではないか!ベイオウーフ殿、マラーク殿、それにムスタディオ殿」
撃沈中のムスタディオを、女3人から受け取るとずるずると引っ張っていく。
「ムスタディオ殿もかわいそうに、もう少し学習した方がよいのではないかな・・・」
しらっと、マラークが気絶しているムスタディオ言った。
「経験者は語るか・・・」
ぼそっと、ベイオウーフ言いながら。ムスタディオの足を担ぎ上げて、テントの中に入っていく。
「ラムザ殿、少し良いかな?」
オルランドゥがラムザに近寄っていく、しかし、これを止める物は誰もいなかった。雷神シドの名のお陰ではないようだ。
あ、レーゼとメリアドール。止めなくて良いの!?・・・ラファが小声で二人に確認を取る。
貴方だけ行って来たら?私達はテントに戻るわ・・・レーゼとメリアドールが小声でラファに言う。
ちぇ、私もいこーっと・・・まってー・・・・ラファもテントの中に入っていく。

「はい、オルランドゥさん」
木にもたれ掛かっているアグリアスを横目で見ながらも、オルランドゥの話を聞いているラムザ。心ここに非ずという感じのラムザを見た、オルランドゥは要点だけ述べる事にした。
「ラムザ殿。優しさは大事だ。しかし、強引さも時には必要だ。」
「はっ、はい・・・判りました。すいません。上の空で・・・」
「若いうちは、仕方ないものだ。今回を逃すと次はない。そこの所よく考えるのだぞ、ラムザ殿」
ラムザの肩を叩き、激励のエールを送りながらテントに消えていった。オルランドゥも今日に賭けていたのだった。
皆が皆、各のテントに入り、外にいるのはラムザとアグリアスのみだった。そして、空のテントがもう一つ。
574白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:39 ID:???
「お待たせしました。アグリアスさん。行きましょうか」
「そ、そうだな」
落ち着きなくアグリアスは返事をする。しかもその返事は上の空という感じだ。
そして、二人は歩き出した。

サァーーーーー、サァーーーーー・・・・・
月光に照らされた小さな滝。そこにある岩に二人は腰をかける。
会話がなく、ただただ滝の音が二人を包み込んでいる。
10分位経ったとき、アグリアスは口を開いた。
「ラムザ・・・1年は長いな・・・」
「そうですね。アグリアスさん。僕もそう思います。」
滝壺に落ちていく、静かな流れを聞きながらラムザは答える。
「アグリアスさん、一つ聞いて良いですか?」
「なんだ?」
「1年前の事覚えています。僕が言った言葉を・・・」
「ああ、覚えている。しっかりと覚えている。だから、今日ここにいる・・・」
「そ、そうでしたね。すいません・・・・」
話のきっかけを掴もうとしても、二人の仲は平行線のまま。そして、時間が流れていく。
575白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/08 22:40 ID:???
大きく深呼吸をすると、アグリアスは、立ち上がった。
そして、髪に手をかける。アグリアスの髪をまとめていたリボンが解かれていく。
その瞬間、ラムザはぐっと生唾を飲み込みその光景を見入る。サラサラとしていてそれでいて弾力のある髪が大きく広がる。
騎士から女性へと変わった瞬間がそこにはあった。頬を少し赤くし恥じらいながらリボンをラムザに見せる。
ラムザはリボンを見つめ、アグリアスを見つめた。
アグリアスの手からリボンがこぼれ落ちた。それを掴もうとラムザは立ち上がる。
「アグリアス・・・」
「ラムザ・・・・」

1年前のこの場所で、同じ出来事が起こった。しかし、その時はリボンを二人をつかめなかった。
二人ともその事を深く後悔している。そして今日、その後悔を無くすために・・・・
ラムザの手にあるリボンの中にアグリアスの手が重なる。
「ラムザ、このリボンの用に私を離さないでくれ・・・」
ラムザは軽くうなずき、アグリアスを軽く抱きしめる。
不意に抱きしめられたアグリアスは引き離そうとしたが、力がでなかった。
そして、一筋の涙が顔を伝わる。
月光を背に二人は抱き合った。

「寂しかった・・・」
小さな言葉が、月光と滝の音に飲み込まれる。その言葉は、今後存在することはないだろう。
二人は見つめ合い、強い愛を確かめる如く深く口づけを交わした。

永遠に冷めることのない、愛を確かめるかの如く・・・・

fin
ちょうど良いところにあがっていたからこぴぺ
   ...   ...
  .::    `、. :::、
  .;;:.   `、:`、. ::!     Agrias
  : :`::`、`,:.:`;;..;: .i!i:
  :!,、 ` _=_:_:;;j..!i: i.!i   “Heaven’s wish to destroy all minds... Holy
  ::i!i   'i:!."'i!:i!.;j;.j::
  !:!!      ::!:j!!;.j;::    Explosion!
 .!::!:. . ,   .::!::!;j,i;;::
 :.::!:i :. ....:;;#$!:!ji;;!:::
 !: :;!  $llll#$$!::!j;;::
.! ::!;;xx#jj.ll####!::i!:
これもこぴぺだ
               ....::::::::::::::::::、
             ..::..::::::::::::::...... .::::::.、
            .;i::.:::::;:;;;:::::::::::::. ...:::;i:;;、
            .:i;;:..:::::::::::::;;::::::....:::i;;:i;:::;i:
           .i;:i!'li;;:!i::::::..::!!ii;;::;;;:::!i;::i;:i;i;
           i;;i:' '!i;;:i`!i;;;:..::::!ii;;:::::::!l::i;l;i;
           :i:;i!:  `!i  `!!ii;;:::::!l;i::::il;i;;iii;
           ::;!:i!=;:_  ..:=:::;;_;!i;:!li;:;;i:iii!;::i;
          ;::;i;i!':!:i;i,   '.!;i!~::li;iliii!!!!;::;;i;
          ;::i;;ii;:        lii;ilii;;ii;::;;i::i;
          :i:.:i;;;ii;        l;ii;:lll;:;;ii;;::::i;
          ;i:.::i;;i;i;:  ._ _   .:;l;i;i:lli;;ii!!;;;:i;
          :::..::i;i;;i`:. ~    ..:::i!l;;il.:lii!i;:;;iii;
          ;i:::.::il;i _,;;:.._...;;;::::;;;;;ill::;i::ll!i;;ii!;::i;
          ;i;:.i;:li  {{lll'::l{l::'llliiillli}}l::::..illi!!;il;;:i::i;
          ;;:::i::l_ _,,,}}lll::l}l::lllllllliillli:::.::il!;;:il;;;ii::i.,,,_
      __..::--l:::::i:;;liillliillll;::ll::!llliiiiilllli:i:.::i;:i;i;. : ::  ~~`::,,_
     _;;i'~  ..:::;i::::;iilllllliill!'::,l}l!;:!lllllliilll;;i;;:;i:i: !i, : :::     `:;,
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   ,;i'  .::::: : :: ::l;;i!:!!: `'v  ,i: : : : !v lii;i:i;il : i : : : : :::::::::::...::::`i
  ,i'  .:: : : : : ;:::l:!l :   li. ,ili、 .il   iiilil::: i : : : : : : ::::::::::: .:::i!
  ,i;,_ .: : ; ; ; :::::::{l;;i : :  i::V:i:::V:::i  : : i :lllli::.. .:. ;,,_ ,, ;_; ; ; ; ;,-'::li
  l:.  ,,, .: : ::.::::ii{{!;: : : . i:::!:::i:::!:::::i . : : :.:.i::illlllii ::  : . : : : : : : ::;::l!
>>白魔導たん
神?神?髪?
萌えすぎだよこの野郎!!
いい仕事してらっしゃいますねお前。
死ぬ前に貴公の作品が読めてよかったと思ってるるぞボケ。ありがとうございました。
久々に来たけど、皆さん凄く面白いSS書いててくれて
かなり嬉しい今日この頃。

毎度まいどありがと〜v
58028th ◆5FYDyecs:02/04/08 23:36 ID:???
ううぬ・・・
読めば読むほど FFTがやりたくなるぞ・・・
上手すぎー
美味すぎー
旨すぎー
巧すぎー

もー萌え萌え
いろいろあるね SS。マヂで。
おれが一番好きなのは・・
一番好きなのは!!<<メール欄>>かなっ!!
584顔無し黒魔導師:02/04/09 02:29 ID:???
どれだけ流されただろうか。アグリアスはメリアドールに抱えられて川岸に上がった。
ようやく体が動き始めたがまだふらふらする。
水かさが増した川の流れは激しく、よくもまあ岸に上がることができたなと思う。

「すまない……メリアドール。お陰で命拾いした」

「何言ってるのよ。体は大丈夫……?」

「問題ないみたいだ。ただ、剣を無くしてしまった」

 大き目の岩の上に腰を下ろした。ラムザのことが気になる。ラムザも魔法で自分と同じ状態にあった
はずだ。誰かの手助けがなければ助からないかもしれない。おもわず口に出してしまいそうな不安を
飲み込む。メリアドールにそれを伝えたからといって事態が好転するわけではない。

 ガサリ、と物音がした。アグリアスとメリアドールは反射的に振り返る。
思わず腰に手をやったが帯剣していないことを思い出すと拳闘の構えをとった。
メリアドールはセイブザクイーンを構えている。

「元気そうだな」

 岩陰から顔を出したのはオーバーオールを着た若者だった。ふたりの緊張が解ける。

「ムスタディオ!!」

「悪運には恵まれてるようだな」
585顔無し黒魔導師:02/04/09 02:30 ID:???
ムスタディオはアグリアスの可愛げのかけらも見当たらない言葉に肩をすくめる。

「ふたりとも人工呼吸は必要ないみたいだな」

「もとよりお前に許す唇は持ち合わせていないな」

「ああ……ラムザじゃなくて残念だったな」

「………!!なんだと!?」

「やめなさいふたりとも!!喧嘩をしてる場合じゃないでしょう」

 メリアドールはふたりに言った。からかうムスタディオもムスタディオだがいちいち真面目に怒る
アグリアスもアグリアスだ。濡れた衣の重みと疲労がぐったりとメリアドールの肩にのしかかった。

「今はみんなと落ち合うことを考えましょう。ここがどこなのかよくわからないけど……」

「今、歩き回って確かめたんだけど、ここはもうザランダに近い場所だな」

 メリアドールはしばらく考えてから言った。

「他のみんながここより下流にいるのか上流にいるのかわからないわ」

「下流に進もう。全員同じ方向に進むはずだ。もし我々だけがザランダについてしまったら装備を
 整えてもう一度捜索すればいい」
586顔無し黒魔導師:02/04/09 02:31 ID:???
「アグリアスの言うとおりだと思うぜ。みんながここまで流されてるとは思えないからな。このまま
 下って海岸線をたどればザランダまですぐだ」

 意見がまとまると出発することにした。アグリアスは剣がないので落ちていた棒を握り締める。
情けなくて溜息が出た。ムスタディオも銃に使用する火薬が湿気てしまい使い物にならないようだ。
今、武器を持っているのはメリアドールだけだ。魔物に出会ったら一目散に逃げなければならないだろう。

「それにしても困ったことになったわね……」

「ああ、馬車も物資も全てなくなってしまった」

「あいつら見つけたらただじゃおかねー……」

「あいつらに出会っても魔物に出会っても困るわ。まずはラムザ達と合流しなきゃ……」

「魔物か……」

 ムスタディオはそうつぶやいてからアグリアスを見た。手にはやや太めの棒が握られている。
あれで殴られたら結構痛いかもしれない………

「くっ……ははは」

 ずいぶん野性的な騎士に思わず笑ってしまう。メリアドールがムスタディオの視線の先を辿って
 やはり吹き出す。

「プッ……」
587顔無し黒魔導師:02/04/09 02:32 ID:???
「何がおかしい!!」

「あ……いや……すまん、つい」

「ご、ごめんなさい。アグリアス悪気はないのよ」

「ふん」

 アグリアスは歩調を速めずんずん、先に進んでいく。慌てて追いかけるふたり。

「よう、アグリアス。聞きたいことがあるんだよ」

「話すことなどない」

「お〜い……まだ何も言ってないぜ」

「どうせラムザとのことだろう」

「ま……まあな……」

 メリアドールは止めようかこのまま聞こうか、と迷う。結局野次馬な虫が騒いで止めないことにした。

「わたしにとって、大切な人だ……」

「それってつまり……あれだよな……ラムザはお前の男ってことだよな……?」

「ち、ちょっとムスタディオ……」
588顔無し黒魔導師:02/04/09 02:32 ID:???
あまりに乱暴な聞き方にメリアドールの方がたじろぐ。しかしアグリアスは涼しい顔をして言った。

「男だろうと女だろうと関係ない。大切な人だ」

 ムスタディオはその答えには納得がいかなかったようだ。顔をしかめて何か言いたそうにしている。
だがメリアドールはなんとなくアグリアスが言いたいことがわかった気がした。
それが純粋なアグリアスの正直な気持ちなのだと思う。だから隠す必要もないのだ。

 細い道を曲がるとアグリアスが足を止めて景色を見ている。開けた視界中に広がる青い山々。
頂上にはまだ雪が残っており、銀色に輝いている。新緑が春を称え色とりどりの花が咲き乱れている。
不思議な色をした蝶が飛んでいる。

 メリアドールもその風景に見とれる。美しい風景だ、と思う。
しかしアグリアスとメリアドールが見ている風景は違う。
メリアドールはアグリアスも風景として見ている。

 光り輝く金髪の騎士は光の中美しくきらめく。それは飛び交う蝶よりも美しく、神々しかった。
一匹の蝶がアグリアスの回りをひらひらと飛んでいる。

 蝶はアグリアスが持っている棒にちょこんと止まった。

「うははははははははは!!」
「あはははははははははは!!」

「貴様ら………いい加減にしろ………」
589顔無し黒魔導師:02/04/09 02:33 ID:???
再びアグリアスは歩き出した。棒に止まっていた蝶が飛び立つ。アグリアスは無意識にそれを
目で追った。その先に見覚えのある人影が見えた。

「あれ、オルランドゥ伯たちよね?」

「おーい!!おーい!!」

 ムスタディオが遠くの仲間達に向かって呼びかける。レーゼとベイオウーフがそれに気づいた。
マラークの姿も見えた。三人は仲間に向かって走り出した。
590顔無し黒魔導師:02/04/09 02:34 ID:???
ラムザとラファは深い森の中を歩いている。時折何かの鳴き声がする度にラファは大げさにわめいて、
ラムザに飛びついていた。しかししばらく歩き疲れてくると流石のラファもいちいち飛びついてはこなくなった。

「ねぇ……ラムザ……少し休まない?」

「そうだな……もうずいぶん歩いたからね」

 まだ湿ったままの服で汗を拭った。火が熾せれば少しはましなのだろうが、ラムザには道具なしで
火を熾す術はなかった。

 倒れて苔が生えた巨木にふたりで腰掛けた。足元に湧き水が湧き出ている。
ラムザは木の枝から葉を一枚もぎ取ると、それで湧き水をすくって飲んだ。

「ラファも飲むかい?」

「いい……水ならさっき、たらふく飲んだから……」

 ゼイレキレの水を飲んだらしい。ラムザは自分がかけた負担を感じて少々うなだれた。

「ご、ごめんね。そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど……」

「ああ……」

「ほら、ラムザ。座って」
 
 笑顔でラファはそう言った。滝壷に転落する瞬間、聞こえた声を思い出す。
591顔無し黒魔導師:02/04/09 02:35 ID:???
『ラムザッ!!』

 ラファは危険をかえりみず自分を救ってくれた。年下のラファから助けられ、慰められている自分。
狙われている立場を忘れ吊り橋の上に二台の馬車を進行させてしまった自分の愚かさ。
本当に自分はアルマを助けられるのだろうか。そんな疑問が頭をよぎる。
アグリアスのことを想う。恥ずかしくてとても見せられない自分の姿。一瞬ラファを連れて、
このまま消えてしまおうか、という考えが浮かぶ。ラファはそんなことを考えているラムザを
不思議そうに見つめている。

「どうしたのラムザ?」

「いや……なんでもないよ……なんでもないんだ。ラファ……」

 ラムザがそういうとラファはすっ、と立ち上がる。ラムザはラファの小さな背中を見つめた。

「うそつき……」

「え……?」

「ラムザが嘘つくとき悲しそうに笑うよね……」

 湧き水に映る自分の顔を見た。ゆらゆらと揺れる自分の顔。笑っているようには見えなかった。
592顔無し黒魔導師:02/04/09 02:36 ID:???

「私はね……笑ったことなんて無かった。生まれてきて楽しいことなんか無かったもの……
 小さなころから兄さんとふたりでずっと泣いてた……」

 ラファが振り返る。両目に涙を浮かべている。心臓を鷲掴みにされたような感覚がラムザを襲った。

「でもね……ラムザたちと一緒に旅して、楽しいって思った。わたしにも笑えたわ。わたし楽しそうに
 笑うラムザの笑顔が好きなんだもん……ラムザが幸せならわたしも笑えるわ……」

「ラファ……」

「……ごめんね、生意気なこと言っちゃったね」

「いや……よく見てくれてるんだね。僕なんかのこと……」

「見てるよ……好きな人のことだもん……」

 鼻を啜りながらラファが言う。少しはにかんだような笑顔を見せた。ラムザも自然に笑った。
アルマを助ける。もう誰にも悲しい思いはさせたくない。この手で決着をつける。

「ありがとうラファ……もう少しで逃げ出すところだったよ……臆病者になるところだった」
593顔無し黒魔導師:02/04/09 02:37 ID:???
ラファは笑いながら笑顔でラムザに抱きついてきた。ラムザの肌にラファの濡れた服がぴったりと
くっついた。少し慌てたが、ラファの行為はとても自然なものに思えた。そのままラムザも目を閉じて
ラファの体温を感じた。ラファの甘い香りが鼻腔をくすぐる。

「あ……やばい……」

 半ば眠りかけていたラムザはラファの声に反応して目を覚ました。身構えて振り返る。
そこには今一番会いたくない人がいた。

「……楽しそうだな」

「あ……アグリアス」

 アグリアスの手にはなぜか太い棍棒が握られていた。

「ち、違うんだアグッ……」

 皆が止める暇も無く、無常にも振り下ろされる棍棒。一撃で地面にひれ伏すラムザ。
すたすたと歩き出すアグリアス。慌ててメリアドールが駆け寄る。頬をたたいて声をかけてみる。

「ら、ラムザ!!しっかり!!」

 ラファがぴょん、とラムザの隣に移動した。手当てをしているメリアドールに向かって言う。
594顔無し黒魔導師:02/04/09 02:38 ID:???
「まだ、わたしにも脈がありそうでしょ?」

「……そうみたいね」

 軽快な足取りでラファはアグリアスの後をついていった。レーゼの溜息が合図になって、
一同はのろのろと歩き始めた。気絶しているラムザをメリアドールとベイオウーフが支えて歩く。

「案外、ラムザもだらしないな……アグリアスとうまくいくかと思ったのに」

「どうなってるのかしらね……」

「メリアドールはどうなんだい?」

「え?」

 すっ、と後ろから現れたレーゼがぴったりとメリアドールに寄り添う。

「わたしに隠し事はできないわよ。うふふ……」

「なっ……!?それ、どういう意味!?」

 メリアドールはラムザを突き放して、そのまま足早に消えてしまった。バランスを崩したラムザと
ベイオウーフは派手に転んだ。
595顔無し黒魔導師:02/04/09 02:39 ID:???
「おいおい、ラムザはどうするんだ!?」

 倒れた姿勢のままベイオウーフが叫ぶ。倒れた拍子に目を覚ましたのかラムザがうめき声をあげた。

「あれ……?ベイオウーフ……レーゼ?」

「あ、ベイオ……ラムザが目を覚ましたみたい」

「ラムザ、男はつらいな……」


 アグリアスのすぐ後ろをラファが歩く。アグリアスは歩を止めてラファを待つ。
ラファがアグリアスに待たなくてもいい、と言うとアグリアスはまたそのまま歩き始める。

(いつか追いつくわ……)

 歩きにくい岩場を一歩、また一歩と歩く。虹色の蝶がラファの前を横切った。   THE END

(´-`).。。ooO(いつの間にやら凄まじい良スレに・・・)

つーことで引き金引いた顔ナシは神。
いや白魔導氏もれっどふぉーど氏も神だけど

\(゚∀゚)/萌え神マンセー
このスレはFF・ドラクエ板のスレの中でも間違いなく最優良。
カオナシたん=神。
頑張ってくださいとしか言えない自分がもどかしいです。
神マンセー
59928th ◆5FYDyecs:02/04/09 16:39 ID:???
短編も長編もいいぞゴルァ!!
顔無しさんの作品、キャラの性格が本当によく掴めてて、
ゲーム本編と比べても全然違和感がありません。
萌えます。最高です。

あと、600Get。
601顔無し黒魔導師:02/04/09 20:15 ID:???
 ──深い森の中。眩しい朝日が木々の間から差し込んでくる。
オヴェリア・アトカーシャは修道院から少し離れた森の中の湖を眺めていた。

 澄んだ水は僅かな細波さえ立てておらず。清寂を作り出す根元のようでもある。
オヴェリアのため息も誰にも届くことなく消えてしまう。もとより自分の愚痴や不満を誰かに聞かせた
ことなどありはしない。それはやはり自分が王女だからという自尊心と、誰かに聞かせたとしても
何も変わらないという現実のせいに違いなかった。

 今日、オヴェリアの親衛隊が修道院を訪ねてくることになっている。それがオヴェリアの気を重くさせた。
これから気の知れない騎士──傭兵と変わりはしない──としばらく暮らさなくてはならない。
オヴェリアは自分の立場は分かっているつもりだ。それが必要なことであれば耐えてもみようと思う。
しかしオヴェリアにも嫌なことはある。ただそれは誰にも話すこともできずにオヴェリアの心を曇らせる。

(そろそろ帰らなきゃ……) 

 オヴェリアは立ち上がり、スカートを払った。ここには毎日きている。だがシモン先生には秘密に
しているのでそっと帰らなければならない。魔物がでるから、とシモン先生は言った。
本当にそんなものがいるのかしら、とオヴェリアは思う。それはお伽話のように自分を騙すだけの
作り話なのかもしれない。だが、もしそうだとしても騙されていよう、と思う。その方が皆の都合が
良いのであれば。
602顔無し黒魔導師:02/04/09 20:16 ID:???
今日もまた地下の書庫に籠もって本を読む一日になるだろう。埃と黴の中で過ごす一日。
十年、二十年後も自分はこうやって生きているのだろうか。
淋しい、と思う。けれど周りが自分に期待することは全て受け止めて耐えなければならない。
私は王女なのだから。

 森の中を歩く。空から眩しい光が差し込む。修道院には戻りたくなかった。王女という身分を捨てて
このままどこかに行ってしまいたかった。それでもオヴェリアはゆっくりと修道院に向かって歩いた。

 足音が聞こえる。オヴェリアの足が止まる。近くの大きな木の陰に隠れて何かの足音の方を見る。

 (何かしら……ひょっとして……)

 オヴェリアの鼓動が早まる。魔物が出る、というシモン先生の言葉が頭に浮かんだ。足が震える。
足音はゆっくりと近づいてくる。音は修道院と外界を結ぶ一本の小道から聞こえる。

「──馬かチョコボで来るわけにはいかなかったのですか?」

 人間だ。そう思い緊張の糸が緩んだが、再び気を取り直した。自分を狙いに来た暗殺者かもしれない。
姿勢を低くしてそのまま様子をうかがった。
603顔無し黒魔導師:02/04/09 20:17 ID:???
「修道院では馬もチョコボも管理できないからな仕方がないわよ」

 女騎士がそう言った。ふたりの女騎士と、傭兵らしき男。会話から推測すると、この三人が
親衛隊らしい。女性がふたりもいればこれからの生活もそれほど苦にはならないだろう、とやや安心する。
その時、三人の影にもうひとりの騎士がいるのが見えた。騎士はゆっくりと口を開く。

「オヴェリア様はもう随分長い間、修道院で暮らされているのだ。少々の不便に文句を言うな」

 金髪の騎士がそういうと不満を漏らした傭兵が反省の様子を見せる。長い金髪、同じく金色の瞳。
こんなにも離れているのにオヴェリアにははっきりと見えた。

 (きっとこの女の人が隊長なんだわ)

 四人が近づくとオヴェリアは木の陰に顔を引っ込めた。足音が自分のすぐ後ろを通り過ぎていく。
オヴェリアは今見た金色の騎士をもう一度頭に浮かべる。長い手足と腰に差した剣。
あの剣でオヴェリアを守るのだろうか。

 (あの人が……私の騎士なのね……)

 オヴェリアは両手を組んで神に感謝をする。
604顔無し黒魔導師:02/04/09 20:18 ID:???
「オヴェリア様!!何度言ったら分かるのです!!もし魔物に襲われでもしたらどうするのです!!」

 シモン先生が怒鳴る。修道院にはもうあの騎士がいた。彼女の目の前でシモン先生に叱られる。
私は王女なのに立場がない。第一印象は最悪ね。恥ずかしいわ。

「ごめんなさい……シモン先生……」

「今度言いつけを破った場合、王女と言えど罰を受けることをお覚悟ください」

「分かりました……」

 シモン先生は私が謝るのを聞くと金髪の騎士に顔を向けた。私も騎士の顔を見つめる。
凛々しく均整のとれた顔立ち、眩いばかりの金髪。思わず息を呑んだ。シモン先生が咳払いをする。

「………オヴェリア様」

「………え?………あっ………オヴェリア・アトカーシャです」

「アグリアス・オークスと申します。本日より護衛隊長の任に当たります」

 アグリアスはそういうと膝をついて私の手を取る。来る、来るわ、彼女のキスだわ。
私は内心ドキドキしながらも平静を装う。うまくいったかしら。あまり自信がないわ。
605顔無し黒魔導師:02/04/09 20:19 ID:???
 晩ご飯はいつもよりちょっと贅沢な料理が出た。アグリアスは王女と一緒に食事するわけにはいかない
と言ったわ。でもテーブルがひとつしかないし、なにより大勢で食べるのは楽しいわ。
久しぶりに楽しい食事だった。アグリアスの部下のラヴィアン、アリシア、ラッドもいい人達みたい。

「では私はそろそろ休ませていただきます……」

 シモン先生はいつも早く寝る。つまり年寄りなのね。いつもは話相手がいなくなるのですぐに寝る
のだけれど、今日はみんながいる。私はアグリアスに話しかけてみることにした。

「ねぇ、アグリアスは強いの?」

 食事が終わり、お茶を飲んでいる時に聞いてみた。アグリアスは少し考えてからラヴィアン達を指さして言った。

「そこの三人よりは剣に自信があります」

「へぇ……」

 きっと強いのだろう。私はまた気分が良くなる。私の騎士は強くて美しい。
強さの基準にされた三人は面白くないようだ。アリシアがふくれて言う。

「それじゃまるで私たちが全然弱いみたいじゃないですか」

「アリシアの言う通りです。俺たちだってなかなかのものなんですよ。姫様」

「うふふ……わかってるわ……」
606顔無し黒魔導師:02/04/09 20:20 ID:???
 私たちはしばらくそんな話をした。とりとめのない話だったけど面白かった。シモン先生の話は
為にはなるけどいつも難しいし、あくびをすると怒る。今日は私があくびをしても誰も怒らなかったわ。

「あ、そうだ。シモン先生にお土産があるんだったわ……」

 ラヴィアンは荷物の中から一本の葡萄酒を取りだした。

「シモン先生はお酒は飲まれないわ」

 そういうとラヴィアンは困った顔をした。お酒の瓶をアリシアに見せてどうする?と無言で問うた。

「みんなで飲みましょう」

 我ながらいい考えだと思った。特にシモン先生がお酒を飲まないって嘘は秀逸ね。
グラスを取りに台所に向かった。すぐ後ろをアグリアスがついてくる。

「すぐに戻るわ」

「いけません。オヴェリア様に用をさせるわけにはいきません。場所を教えてくだされば私が運びます」
607顔無し黒魔導師:02/04/09 20:21 ID:???
 いいのに、と言いかけてやめた。アグリアスにグラスを運んでもらおう。アグリアスは自分を王女として
扱ってくれている。その好意──いや、忠誠心に甘えてみよう。王女になんて生まれてこなければ良かった、
といつも思っていた。これからもそう思うのかもしれない。ただ今、心に生まれた温かいものは忘れずに
取っておこうと思う。初めて見た時から感じていた。アグリアスは私を命がけで守ってくれるだろう。
そういう目をしていた。まだ出会ったばかりなのに、私はもうすっかり彼女を信頼している。

 初めてお酒を飲んだわ。甘くて美味しかった。頭がぼんやりして真っ直ぐに歩けない。
これが千鳥足なのね、勉強になるわ。私が歩くとみんなが笑う。笑いを取るのは案外簡単ね。

「おっと………」

 私が転びそうになるとアグリアスが支えてくれた。そのまま身体をあずけた。

「飲み過ぎですね」

「いいえ、全然酔ってないわ……」

「酔うと皆、そう言います」

 アグリアスの胸にもたれていた顔を上げて言った。

「アグリアスは全然変わらないのね……つまらないわ」

 つまらない、と言われて責任を感じたわけでもないのだろうが、アグリアスはちょっと困った顔をした。
アグリアスの目が鳶色に輝いている。その目が私を正気に引き戻した。
608顔無し黒魔導師:02/04/09 20:22 ID:???
「ご、ごめんなさいアグリアス。確かに少し酔っていたわ……」

「いいえ、どうかお気になさらず……部屋までお送りしましょう」

 アグリアスはそう言うと燭台を持ち、扉を開けてくれた。まだ話足りないと思ったけど明日はもっと
話をしよう、と決めて部屋を出た。明日が楽しみだなんて久しぶりだわ。

 暗い通路を蝋燭の炎に照らされたアグリアスが私を先導してくれる。
いつも金色に輝いているのね、アグリアス。そう言おうとしてやめた。
言葉にするとなんとも安く聞こえてしまいそうだったからだ。

 アグリアスがドアを開けてくれた。部屋に月明かりが差し込んでいるのが見える。

「それでは………オヴェリア様。おやすみなさいませ」

「ええ………おやすみなさい………」

 そういうとアグリアスはすぐに踵を返して歩きはじめた。
609顔無し黒魔導師:02/04/09 20:22 ID:???
「あの………アグリアス………」

「なんですか………?」

 アグリアスが立ち止まって振り返える。さっきの言葉を言うか言うまいか迷う。

「いえ………なんでもないわ………ここに来てくれてありがとう……お仕事……たいへんね……」

「いいえ………仕事である前に、私は騎士ですから」

 アグリアスはそう言うと再び暗い通路を歩きはじめた。私はアグリアスの後ろ姿を眺める。
やがて姿が見えなくなるとため息をついて部屋に入った。

(仕事である前に………騎士………?)

 その言葉の意味を考えているうちに眠りについた。結局意味は解らず仕舞いだった。
610顔無し黒魔導師:02/04/09 20:27 ID:???
>>600
おだてられるとつい調子にのって書いてしまう顔なしです。
どうもこんばんわ。

これは、昨日の夜に書いたやつです。
ひょっとすると今夜中に後編書くかもしれません。
今後ともよろしく。
611白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/09 20:47 ID:???
顔なし黒魔導師さん、毎回、楽しくおもしろい小説ありがとです〜。
私の好きなアグ、オヴァのカップリングは楽しみです。
これからも、楽しい作品待ってます。
私事で恐縮ですが、この前載せたchapter0 再会 ですが
大人の都合により、chapter1 再会 となりました;;
作った後に、アルマがあまり出てこなかったので寂しいと思い
1となりました。まぁ、あまり気にして見る人もいないと思うので
流してください;;
では、よいスレが続きますよにーファーラム・・だったけな?
すっかり良質SSスレになりましたねー。楽しく読ませてもらってまス。

ところで、明後日、「最萌トーナメント」にアグリアスが出る日ですけど、
http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1018278531/
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Queen/5983/index.html

皆さん、何か支援とか考えてますか?

僕はアルマの時と同じ要領で、
アグリアス知らないという人向けのサイト作るつもりですが……
参考:http://ramza_beoulve.tripod.co.jp/alma/
613アグたんの感慨:02/04/09 21:09 ID:???

           ...-‐――--.. 、
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  おいお前ら、一体何度わたしを恥ずかしがらせるSSを書けば気が済むのだ?
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ わ、わたしは人前で赤面などせぬ! ・・・多分。
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l   それにしてもオヴェリアさま・・・うう、ついにSSに初登場ですね。
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))    このアグリアス身命を賭して貴女さまをお守りした甲斐がありました。
        |::l ○   ○   |:::|6)))   思い起こせば(以下略
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))   お前ら、オヴェリアさまに萌えることを特別に許すっ!
        |::!         l:::l     もちろんわたしに萌えることは基本中の基本だ!
        l/.         ;/
黒魔たんも白魔たんもマンセー

小説を書き始めたのはいつ頃なのか気になる……
だって神だしYO!(゜о゜)
>>610
では、続編楽しみにしてます。
でもくれぐれも無理はしないで下さいね。
>>612
このスレ紹介したらOKでは?
つーかアグたんサイトめちゃくちゃ期待してます。頑張ってください。
過度の期待は苦痛にもなるぞ
>>613
キャラのぐらつくアグたん(;´Д`)ハァハァ

>>615
>このスレ紹介したら

ここが荒れそうなヨカーソ・・・と思わんでもない
618顔無し黒魔導師:02/04/09 23:42 ID:???
お友達にパーティに呼ばれたのでオヴェリア様のコスプレで行ってみたわ。
カクテルドレスはすね毛を処理しなくて済むから便利ね。

でも奥さんに見つかって泣かれたわ。
きっと綺麗すぎてくやしかったのね。もちろんドレスは黒魔の奥さんのものよ。

>>614
 うふふ、マンセーってなにかしら。わたしにはよくわからないわ。
小説を書き始めたのは>>140からよ。つまりひと月ね。ド素人とも言うわ。

 それから神ではないわ。でもやればできるものね。
きっとここのMIDIがいいのね。
ttp://www.where-i.com/~hal9000/
ff10-19とff5-11がお気に入りね。ff10-14もいいわ。
聞きながら書くと調子いいのよ。

>>615
 無理はしないわ。いくら期待されても黒魔はヘタレなのよ。
619白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/10 00:43 ID:???
色々と本を読んだり、人のweb小説などを読んだりして
毒されてしまい書き出しました;;
fftに限っては、昨日からです。。
書き出すと止まらないものですね(笑)
620オヴェリア:02/04/10 00:52 ID:???

 さげるわね………
621614:02/04/10 03:00 ID:???
>>白魔たん

マジっすか。
昨日から……
たったそんだけの期間で、FFTの世界観を見事に表現するたぁ
すげーなー……

黒魔たんは意外性のあるストーリー展開が上手くて、
白魔たんは細かな心理的描写が上手いなあ
二人とも違う作風で面白い
けど両方イメージにちゃんと合ってる

気分的にはageだが
厨房に荒らされるのは嫌なのでsage(ワラ
622顔無し黒魔導師 :02/04/10 11:16 ID:???
朝がこんなにも素晴らしいものなんて、というセリフのある物語があったと思う。
地下書庫で読んだに違いない。朝日が差し込む窓を見てどうにか美しい言葉で表現できないかしら、
と思ってはみたけれどどうも駄目みたいね。私は詩人にはなれないわ。 

 私は寝間着のまま応接間まで走った。我ながら子供みたいだと思うが仕方がない。
応接室にはラヴィアン達がいた。私を見ると挨拶をしてきた。

「あの………アグリアスはどこかしら?」

「この時間なら外で剣を振っていると思いますよ。アグ……じゃなくて隊長の日課なんです」

 ラヴィアンの言葉に頷いた。きっと美容にいいのね。私もやろうかしら。
腕組みをして悩んでいるとアリシアがくすくすと笑いながら言った。

「オヴェリア様は随分と隊長を気に入られたみたいですね」

「そ、そんな………風に………見えるかしら………?」

「そりゃもう………昨日なんてふたりしてベタベタしちゃって………」

「そ、そうなの?よく覚えていないわ………」

 お酒は怖いわね。過ちが起こらなくて良かったわ。腕組みをして昨日のことを思い出してみる。
アリシアがクスクスと笑う。
623顔無し黒魔導師:02/04/10 11:17 ID:???
「でも隊長とオヴェリア様は案外お似合いかも、なんて思いました」

 アリシアは両手を頬をに当てて、やや赤くなりながらそう言ったわ。きっとスケベな意味なのね。
アリシアは怖い物知らずだわ。ラヴィアンがそんなアリシアに拳骨を喰らわせたわ。いい気味ね。

 裏庭にある小さな池の近くでアグリアスは剣を振っていた。邪魔にならないように物陰から見ていた
つもりだったけど見つかってしまったわ。覗きがばれたので少し恥ずかしかったわ。

「お早う御座います。オヴェリア様………」

「お早うアグリアス」

「何か御用ですか?もう終わりますが」

「いえ………何でもないの………続けて」

 アグリアスが剣の稽古を再開する。剣が空を切る度に、アグリアスの髪の毛が空を舞う。
それは華麗な舞踊を見ているようだった。私が見ていたからかアグリアスはしばらくすると剣を置いた。

「戻りましょう、オヴェリア様」

「駄目、もう少しここにいて」

 アグリアスは私がなぜそんなことを言うのか、という顔をしたが私の言う通りにしてくれた。
わたしの金色の騎士は従順だわ。
624顔無し黒魔導師:02/04/10 11:17 ID:???
「髪、綺麗ね………」

「あ、ありがとう御座います………」

 アグリアスは褒められた髪に手を当てて一瞬何かを言いかけてやめた。

「どうしたの?」

「ええ………褒められて恐縮なのですが、切ろうかと思っていましたもので………」

「だ、駄目よ。切らないで、おねがい……」

「剣を振るのに邪魔なのです」

 なんでも無いことのようにそう言った。私はなんとか思い留まらせなくては、と思う。

「それなら結いましょう」

 アグリアスは何か言う前に私は彼女の後ろにまわって、手櫛で彼女の髪をといた。
アグリアスはあっ、とかいけませんオヴェリア様、とか言っていたけど気にしないことにしたわ。
やがて彼女もあきらめておとなしくなった。わがままも王女の特権ね。

 アグリアスの髪が結いあがった。予想以上に似合っていたので驚いたわ。
まるでもともとこの髪型だったみたいにしっくりしたわ。私のセンスの良さが光るわね。
625顔無し黒魔導師:02/04/10 11:18 ID:???
「あら………結紐がないわ………」

 仕方がないので私がアグリアスの髪の毛を掴んだまま修道院に戻った。
アリシアが大笑いしていたわ。『隊長捕獲作戦成功ですね!!』と言った瞬間アグリアスに殴られたけれど。アリシアはみんなから殴られているわ。

 髪を止めて、鏡を見せた。アグリアスが微笑む。ありがとう御座います、とまた堅苦しいお礼を言った。
お礼を言わなければならないのは私のほうだわアグリアス。誰もが私と距離を取る。私が王女だから。
でもこれからはアグリアスが一緒。この金色の騎士が私といつも共にいてくれる。そう思っただけで
今まで心の痼りのようだった寂しさも無くなった。もう一日、あと一日だけでも今までの寂しさが
続いていたら、と思うと少しぞっとする。気がつくと涙が流れていた。

「オヴェリア様………どうかされましたか」

 アグリアスがおろおろして聞いてきた。私の両肩に手を置いてくれた。その手を上から押さえた。

「いいえ………なんでもないわ………ねえ、アグリアス………これからもずっと私といてね………」

 アグリアスの目を見つめてそう言ってみる。アグリアスも私の目を見つめ返す。

「勿論です。オヴェリア様………」

「ねえ………アグリアス。昨日私に言ったこと………憶えている?」

 アグリアスは何を指して私がそう言っているのか分かっていないようだった。
626顔無し黒魔導師:02/04/10 11:19 ID:???
「私は騎士ですから………って言ったわ」

「ああ………」

 アグリアスは言うか言うまいか少し迷った顔をした。私が催促するとやがて口を開く。

「オヴェリア様をお守りする勅命を頂いたのですが、急な命令だったためか 正式な叙任式はできませんでした………」

「そうね………私は疎まれている王女だから………」

「いいえ、そんなことはありません………しかし私は騎士の任を受けてここに来ているというわけでもありません………」

 そんなことは知らなかった。アグリアスに突き放された気がした。
アグリアスは私の手を取って眺めた。昨日の口づけを思い出すように。
627顔無し黒魔導師:02/04/10 11:20 ID:???
「だから昨日、オヴェリア様の手に口づけをする際、決めたのです………この口づけを叙任式にしよう、と………」

 そう言う際、アグリアスが微笑む。金色の騎士が優しく微笑む。目から涙がこぼれて、視界が滲む。
唇が震えて合わなくなる、やがてアグリアスの前で嗚咽する。アグリアスの身体を抱きしめる。
アグリアスも優しく私を抱いてくれる。彼女の身体の温かさが、伝わってくる。

 ──アグリアス。私の騎士。私だけの騎士。彼女が私を守ってくれる。
この世の全てに疎まれようと、アグリアスは私を守ってくれる。滅多に笑顔を見せない彼女だけが、
私を微笑ませてくれる。彼女の気高い心に私だけが甘えられる。

 私はいつだってイヴァリースを愛するように、彼女を愛しているわ。
628顔無し黒魔導師:02/04/10 11:21 ID:???
「………というのが私とオヴェリア様の出会いだな」

 アグリアスは幸せそうにそう言った。まるで男女のなれそめを聞かされているような嫉妬がラムザの
心に涌いた。間違った考え方だというのはわかっていたがそれで納得できるほど、ラムザは大人でも
なかった。ラムザは少し考えてから言った。

「ディリータは………」

 そう言いかけた瞬間、吊り橋の先に複数の人影が見えた。剣を抜いて馬車を止めた。

「どうしたラムザ?」

 マラークが声をかけてきた。ラムザは黙って顔を吊り橋の向こう側に目をやった。そこには男が五人立っている。いずれも盗賊のようだ。

「積み荷を置いてこの場を立ち去れ、そうすれば命までは取りはしない!!」

 リーダーらしき男がよく通る声でそう言った。マラークはラムザと顔を見合わせる。後ろから誰かが馬車を降りる音が聞こえた。

「──物乞いなら物乞いらしい口をきくことだな……もっとも、貴様等にくれてやるものなど何もありはしないがな……」

 アグリアスは腰からエクスカリバーを抜きながらそう言った。
629顔無し黒魔導師:02/04/10 11:22 ID:???
あ、しまった。ENDです。

じゃ、仕事に行ってきます。
>605
ラッドって、ゲーム上ではアグリアスの部下じゃなかったような…。違ってたらスマソ。
>>630
そういえばそうね。ガフガリオンが

「それでは金が稼げンのだよ!ラッド、ラムザッ! オレについてこいッ!!」

って言ってるわね。
でも交替制で見張るのには3人より4人が合理的よね。
実はガフガリオンはフェミニストで女に戦闘させるのが嫌だったって
ことにしておいて欲しいわ。
フェミニストならなおさら戦闘に参加させるであろう
処刑場からそうしたんだろ(w
というかひっぱるほどのことか?
>>633
禿同。

つまらんとこ指摘するのはやめましょー
そんな点を差し引いたとしても
漏れはいい物語読ませてもらったと思う
やっぱここ良スレだね
>>カオナシたん
相変わらず素晴らしい小説ですね。
最初レズものかと思っていたんですが、違いましたね(w
でも、個人的にはアグリアスのエロは嫌なので良かったです。
63628th ◆5FYDyecs:02/04/10 23:32 ID:aXz5ksBI
一旦ageさせてもらい□
637aほ ◆AHOwp78I:02/04/10 23:40 ID:???
最萌ッスよ、もうすぐッスよ
638オヴェリア・アトカーシャ:02/04/10 23:54 ID:???
とうとう今日という日が来ました。
きっと今日一日がアグスレの新たな区切りとなることでしょう。

  FINAL FANTASY TACTICS :Chapter:4
  〜ムスタディオをやっつけろ〜

我ら罪深きモナーの子らが神々の御力により救われんことを。
63928th ◆5FYDyecs:02/04/11 00:00 ID:???
640RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/11 00:06 ID:???
クソ出遅れた…でも一票入れたYO

数日外してる隙に萌えさせて頂きました。

ご  ち  そ  う  さ  ま


職人てすげぇと思った日。
☆☆FFDQ板最萌トーナメント一回戦Round7☆☆
http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1018278531/
始まりましたね。

投票まだの人、アグリアスに支援お願いします。
SSまとめちゃうってのも一案だったかなー……

ちなみに僕の支援はこれ↓
http://ramza_beoulve.tripod.co.jp/agrias/ag_an2.gif
http://ramza_beoulve.tripod.co.jp/agrias/
642オヴェリア・アトカーシャ:02/04/11 00:14 ID:???
もうぶっちぎりね。なんならサラ姫に同情票あげたいぐらいだわ。
もちろん冗談よ。勝負の世界は厳しいものよ。

   FINAL FANTASY TACTICS :Chapter:4
   〜そうだな、じゃあミルクをもらおうか〜

願わくば我ら罪深きモナーの子らが神々の御力により救われんことを。
64328th ◆5FYDyecs:02/04/11 00:17 ID:???
颯爽!HolyKnight
644RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/11 00:18 ID:???
アハハハハハハハハ
すげぇ!なんて人気だ!
あれだね、アグ萌えの人達って
普段ひっそり活動してるから判らないけど、
マジで多いね。

イヤ笑いが止まらん
>顔無しさん
最初、ラストがよく分からなかったんですが、
今回のは前作の馬車での内容不明だった会話だってことなんですね。
実に上手い‥‥‥
646オヴェリア・アトカーシャ:02/04/11 01:16 ID:???
ま、まずいわね。サラ姫が巻き返してきたみたい。
sage進行がまずいのかしら?


   FINAL FANTASY TACTICS :Chapter:4
  〜僕が命令するの?やだっ怖いよー!!〜

願わくば我ら罪深きモナーの子らが神々の御力により救われんことを。
647アグさんの感慨その2:02/04/11 02:35 ID:???
           ...-‐――--.. 、     
           /::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  オヴェリアさま…
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  昔に比べれば随分色んな所が大人になられたな…
        l:::::::/\:::::::::::::::::::::::::::l  色んなトコロが……クスッ
        l/l/   \l\l\:::::::ノ))     
        |::l エエ   エエ   |:::|6)))
         |::l`ー-    -‐ |:::|  ))
        |::!         l:::l
        l/.         ;/
一票入れてきた
649白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 08:13 ID:???
私も一票入れてきました。
対戦者には悪いけど、アグ姉の勝ち!
現在、第2部制作中〜(笑)
>>白魔殿

第二部!
おおーっ期待してます!!!
651白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:39 ID:???
Chapter 0.75 準備 前編

「だめな兄さんの為に、私ががんばらないとね!元天使だから恋のキューピッドにもなれるかな?」
固い決意を物語るネジリ鉢巻(アルマ仕様)が、風にそよぐ。
アルマはとある森に旅立った。
チョコボにまたがり、とある森のとある開けた場所につくとアルマはチョコボを止めた。
「たしか、ここね。」
チョコボから飛び降りると、後ろから着いてきたもう1匹のチョコボの元へと駆け寄る。
もう1匹のチョコボの背中には沢山の荷物が積まれ、だいぶ疲れ気味の様子である。
チョコボの背中から一つずつ荷物を下ろしていくアルマ。
荷物が少し下ろしにくそうなアルマだが、それもそのはず体にも大きなポシェットを身につけている。
まるで、アイテム師並のポシェットだ。いやそれ以上かも・・・ポシェットと呼べるか定かではない。
652白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:39 ID:???
「ふー、一通り、下ろしたわね。」
おもむろに、ポシェットから手ぬぐいを出し、汗を拭く。
「ボコ、もう帰っていいよ。あと、ポコももう少しで終わるから帰っていいよ。」
「くぇ〜、くぇ〜、くぇくぇ」
大荷物から解放され、やっと帰れるという安堵の雄叫びを上げるチョコボ達。
アルマも少し可哀相なことをしたなと少し思い、特製ギザールの野菜をポシェットから取り出した。
疲労困憊気味のチョコボであったが、食べ物を見るなり急に元気を出し、アルマに突撃を開始した。
我先にとアルマが手に持つ野菜を奪い合うチョコボ達。チョコメテオでも出しそうな勢いでアルマを襲う。
「こらっ!やめなさい!ちょっ、ちょっとーーー」ドタッ・・・「いたーい・・・・」
2匹のチョコボタックルを食らわされ、2ブロック後方に飛ばされたアルマ。
急なタックルであり、受け身も取れずに尻餅をついてしまう。
倒れたアルマを気にもせず、ギザールの野菜をむさぼるチョコボ達・・・・
「ううー、お尻が痛いよー。次こんな事したら、売りに出すわよ!」
衝撃が残るお尻をさすりながら、ゆっくりと起きあがりチョコボに近づくアルマ。
チョコボの耳に念仏な状態で、アルマの言った事をチョコボ達は聞いてはいないようだ。
ひたすらギザールの野菜をむさぼり続ける。
これから起こるであろう出来事にため息を付きながら、仕方なくチョコボが食べ終わるのを見届ける。
「のんきねー。あなた達は・・・・兄さんも同じようにのんきだけど・・・」
653白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:39 ID:???
「さぁ、食べたことだし、帰っていいわよ!明日、兄さんを連れてくるのよ。たぶん忘れてると思うから・・・」
言葉が判らないチョコボであったが、アルマがいわんとしていることは通じたようだ。
「クェ!」
チョコボは了解のポーズを取り、すぐさま後ろを向く。そして、先ほど通ってきた道を歩きだした。
徐々に小さくなる2匹のチョコボを見送りながら、明日の催しの準備に取りかかる。
「うーん、食材探しは後ね。最初にテーブルの準備と、祝辞の練習をしようかな。」
1週間前から始めている明日の日の準備に取りかかるアルマ。
チョコボの下ろした荷物の中からテーブルや食器など、催し物に必要なものを広場の中央に置いていく。
「結構あるわね。よいしょっと」
アルマの体格とは不釣り合いな程のテーブルを一人で抱え、広場の方に持っていく。
何度かテーブルに押しつぶされそうになりながらも、所定の場所にテーブルを置き、次の作業に取りかかる。
「ふぅ・・・結構あるわね。」
額に汗を浮かべながら、まだテーブルだししか終わっていないことに少し腹が立つアルマ。
一人だと無理があるかな・・・・・
654白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:40 ID:???
その時であった・・・・
ザザッ・・・ザザッ・・・・
茂みの中からなにやら音がする。
「何だろう?ベヒーモスかしら?なら食材にちょうどいいわ。ストレスも溜まってきたことだしね。」
「えっと、どこいったかしら・・・あれは・・・えーっと・・・うーん・・・あった!」
大きなポシェットの中から大きな紐もとい、愛用の竜の髭を取り出し。鞭慣らしをしながら茂みへと近づく。
徐々に音がする茂みの方へと近づいていく。

アルマのフェイスオフ
「勝利条件は・・・えーっとぉ・・・ベヒーモスを生け捕りにしろね!殺しても可!ただ日持ちはしないけど!」
一人になると独り言が増えるというが、アルマの場合は、少し行き過ぎな独り言が多くなっていく。
修道院時代の陰湿な空気に毒され、結構危なそうな性格になったのだろうか・・・・もしくは、さらわれたときに・・・
じりじりと距離を詰めていくアルマ。アビリティ「ためる」も併用されているので、第1撃は相当の物と予想される。
「いまだ!」
ヒュヒュビィシィーン。。。。アルマの華麗な鞭捌きが茂みを襲った。
久し振りの戦闘というだけあって命中率は今ひとつであるが、見事ヒットした。クリティカルヒットにはならず・・・
「ぐわっ!」
人らしき声が茂みからする。ベヒーモスではないようだ。声からして人。それも女性だ。
「ちぇっ・・・山賊!?でてきないさい!さもないとアルマのアルテマを食らわすわよ!」
今の笑ってくれないかな〜。いいできだとおもうんだけど・・・・
655白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:40 ID:???
ベヒーモスではなく、少しがっかりして舌打ちをするアルマ。
笑ってくれないのが判ると、2撃目に移ろうとしたその時だった。

「まっ、まて!アルマ。私だ。アグリアスだ!ごほっごほっ」
アグリアスという単語を耳にすると、2撃目を中止した。
しかし、いつでも次の攻撃に移れるよう詠唱を始めるアルマであった。
「渦なす・・・・生命の色・・・・・七つの扉開き・・・・」
笑ってくれなかった罰よ・・・・えっと、どこまで詠唱したかしら・・・・

これはやばいと思い、休む暇もなく首元をさすりながら、茂みから出てきた。
そして、茂みから出てきたのは女性らしき?人であった。

アグリアスと言えば、聖騎士である。しかし、その格好は、聖騎士というより山賊に近い風貌であった。
長きにわたる(1年)修行中に、鎧はボロボロに髪はボサボサになっていた。
本当に、アグリアスさんかしら・・・もっと、綺麗だと思ったんだけどな・・・・
詠唱の解除はせず、注意深くアグリアスと名乗る女性を見る。
そして、ラムザのリボンが目に付き、何とかアグリアスだということを確認するアルマ。
「力の塔の天に至らん!・・・・あっアグリアスさん!!」
アルマはそれを見るなり、慌てて詠唱を中止した。(のかな?)
最後の一言がなかったので究極魔法は不発に終わる。
あぶなかったー・・・一呼吸遅れてたら・・・・それにしても、騎士である以上に、一人の女性なのに偉い風貌ね・・・・
656白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:40 ID:???
危うく相思相愛の中を引き裂く天使になるところであったアルマ。(違うブレイブストーリーの始まり?)
本当に堕大天使になる所だったと、ほっと胸をなで下ろし戦闘は未完全のまま終了をした。。

「にしても、汚い格好ね。アグリアスさん・・・職を変えたの?」
「私の職業は、見ての通り聖騎士だ。多少汚れてはいるがな。」
アグリアスのいう常識と世間一般の常識とはだいぶかけ離れているように見える。
アルマもそういわれてしまうと言葉を無くしてしまい、頭を抱える。
騎士ってみんなああなのかしら・・・・オルランドゥさまもああなのかしら・・・・だとするとイヤね・・・・

「アグリアスさんのいう、多少汚れているようだから、綺麗にしましょう!ね!アグリアスさん!!」
アグリアスを強引に引っ張る。その時、アグリアスの腰ベルトが切れてしまい剣が落ちてしまった。
落ちた際に、鞘に収まっていた剣が、こぼれ出た。
アグリアスと違い、剣だけは輝かしさを保ち、聖剣という風貌を見せる。
アグリアスさんも磨けば、あんな剣にも負けないほどの美貌を持っているのに・・・・

アルマの引っ張る手を離し、落ちた剣を拾うアグリアス。
「剣の手入れはお手の物だぞ。アルマ殿」
上段に構え、剣を振りながらアルマに見せびらかすアグリアス。
「はいはい・・・はぁ・・・」
アグリアスの天然さに少し頭を抱え込むアルマは、ため息をつきながらも、再度強引にアグリアスを引っ張っていく。
とある場所に連れて行く途中、アグリアスのいう常識を聞かされながら、やっととある暖かい泉につき、胸を下ろす。
兄さんも大変な人を好きになったものね。でも、どっちも同じか・・・相思相愛なら別に構わないだろうな・・・
657白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:40 ID:???
「アグリアスさん、新しい服はここに置いて置くから着替えてね!それとお湯に入る時は服を脱いでね。じゃ・・・」
「私は其処まで無粋ではないのだが・・・・」
十分、無粋よ・・・・アグリアスさん・・・・
アグリアスの返答を聞かなかったことにし、直ぐに元来た道を帰っていくアルマ。

アルマがいなったことを確認し、装備をとき始めていく。
パキパキ、ドシャ・・・・ガシャン・・・・
1年も前から装備している鎧は所々メッキがはげ落ち、完全に限界を超えている。
ボロボロになった装備品を脱ぎ終わり、アグリアスの体が幾分軽くなる。
そして、残るは、保護服のみとなった。
保護服の方も、所々破けている。保護の役目も限界に近づいているようだ。
それを証明するかのように、アグリアスの体には小さな傷が所々保護服から見え隠れしている。
すべてがすべて、限界にきている様子だ。
「よくここまで、ボロボロになったものだな・・・・」
保護服を脱ぎ捨て、すべての束縛から解放されるアグリアス。
こんな所を、貴公にでも見られたら・・・・見られても・・・・
湯船に浸かっているわけでもなくが少し頬が赤くなっていく。

妄想癖があるのか、はたまたある種の開放感を呼んだのかアグリアスは色々と妄想をしはじめる。
ふと我に返り、自分が裸であるという事に気づくアグリアス。小走りに湯元に向かう。
「さむい・・・・」
胸元を隠しながらも、アグリアスの妖気に揺れる髪がいつもとは違う魅力を見せている。
リズミカルに揺れる髪が突然宙を舞った。
髪の揺れに耐えきれなくなったリボンが解け、金色のコートがアグリアスの体を包み込む。
658白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:40 ID:???
「うっ、う・・・少し熱い・・・・」
アグリアスの喉の奥から、か弱い声が漏れる。
アグリアスは、湯気が立つ水に恐る恐る足を入れていく。
時折、あまりの熱さにびくっと背筋が動きが愛らしい仕草を覗かせる。
アグリアスの足がためらいながらも、ゆっくりと湯の中に運ばれていった。

普段は騎士であるが故に女性らしさとは無縁の彼女。しかし、今は騎士を脱ぎ捨て、一人の女性がそこにいた。
湯に浸かり、全身を暖かさに包まれる。そして、アグリアスの表情が次第に柔らかくなっていった。

頬がうっすら紅色に染まり、湯船に浮く金色の髪は、森の光を受け鈍い光を放つ。
鳥の囀り・・・森の中を所々に刺す光・・・・神秘的な光景がゆっくりと流れていく。

湯の中で、眠りにつくかのように腰を落とし目を閉じるアグリアス。
肩の力が抜けていき、子供の笑顔のように表情が変化していく。
しばしの安息に酔いしれる一人の女性アグリアスがそこには存在していた。

「そろそろあがらなくては・・・・」
1年間の疲れを癒すことができたアグリアスは、勢いよく湯船から飛び出した。
体のラインに沿って、こぼれ落ちていく水滴・・・体を覆うかのような水蒸気・・・

長い髪がぴったりと体にくっつく。
手櫛で解かしながらタオルで、体の隅々に残る水滴を拭き取っていく。
まだ、所々濡れているアグリアスであったが、細かいことを気にしない彼女は、直ぐに下着を履いていく。
幾分、濡れてしまった下着を気にすることもなく、保護服に手をかける。
その時文句が始まった。
659白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:41 ID:???
「騎士として、こんなものを着るのは・・・・しかし、アルマ殿の所まではだいぶある。裸でいくこともできん。」
少し悩みながらも、着るという選択肢しかないことを悟るアグリアス。

「ラファが着こなしそうな服だな。まったく・・・」
一つ袖を通すたびに、文句を言うアグリアス。

「問題はこれか・・・」
地面に置いてあるギザギザ模様で、下半身の丈が異常に短い焦げ茶色の服がそこにはあった。

「これは確か・・・地形を扱う者の服ではなかったか・・・・私は剣を扱う者・・・」
誰に言うわけでもなく、自分の職業を再確認するアグリアス。

「まぁ、弓を扱う者の衣装よりは、ましだな・・・・あれには非道い目にあったからな・・・・」
依然、レーゼとメリアドールに弓使いの格好をさせられたアグリアスは、少し人間不信に陥っているようだ。

ブツブツと、言いながらもギザギザ模様が鮮やかな服を、丈の短さにとまどいを感じながらも袖を通す。
白魔道師のローブのように全身を覆う服であるが、白魔道師のローブと違い、丈が幾分短い。
何よりも、風水士の制服はそのようにできている。
着心地は白魔道師のローブと違い、全体に幅広く取られているので通気性はいい。
特に、下半身の通気性は、弓使いに次いで、良い服となっている。
660白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:41 ID:???
「なんだ!?短すぎるぞ!!」
アルマに文句を言うも、そこにはアルマは存在せず、空虚となる。
いくら幅が広く、丈もそこそこ取られているといっても、アルマサイズである。

アグリアスが着るには幾分サイズが小さすぎ、
後、10〜15cm程短いと下半身を隠すものがない状態で、新たなジョブが生まれそうな衣装に変わってしまった。

脱ぐわけにも行かず、少し顔を赤くしながら周りを見渡す。こんな所を誰かに見られよう物なら一巻の終わりである。
忍者にも転職できそうな動きで、当たりを確認するも気配は感じない、誰もいないようだ。
「誰も、みていないな・・・・見たら聖光爆裂破だ!」
見えない存在に、警告を終える。
一呼吸を置き、フェイントをかけて当たりを見渡すもののうりぼう一匹、出てこなかった。

アグリアスがナイト(ホーリーナイト)以外の衣装を着込むのは、1年半前以来・・・・
まだ聖石を探していた時に一度計られた事(計った人→メリアーゼコンビ、衣装→弓使い)があり、
それ以来、人から支給された服に強い抵抗があるアグリアス。あの日の悪夢は2度は体験したくないようだ。

アグリアスは根がまじめで、忠誠心の高さがこういう時に裏目に出るようだ。(仲間(隊長)のいうことはよく聞く。)
先ほどまで着ていた服と呼べないほどボロボロになった服を持ち、アルマの待つ広場へ歩き出す。

「いちお、剣も装備しなくてはな・・・」
広場の方に愛刀を置いてきてしまい現在、アグリアスの手元にあるのは
手入れの行き届いていない半分錆びた短剣だけ、腰ベルトをつけ剣を装備する。
661白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:41 ID:???
腰ベルトを巻いたことによって、ますます丈が短くなり足の付け根が今にも見えてしまいそうな状態となる。
風水士は、剣装備ができると言うこともあり、規定外ではない。
しかし、今の格好で剣装備はステータス「魅力」を大幅にアップさせている。思わぬ追加効果を身につけるアグリアス。
その魅力のアップのせいかはわからないが、顔が赤くなっていくアグリアス。
風水士のローブ?(剣を装備したことによってますますローブとは呼べない格好になってしまっている)を
着込む騎士アグリアスは、湯を後にした。

幾度となく、丈を伸ばしてみるが短剣を装備していることもあり、うまい具合に元に戻らない。
焦りが手元を狂わせ逆効果を生むときもあり、なかなかうまくいかない。

アグリアスは、風呂上がりと魅力アップのダブル効果で、ますます顔を赤くしながらアルマの待つ広場に向かった。
「なぜ、私がこの様な目に遭わなければいけないのだ・・・・また、計られているのではないのか?」
自分のせいで、丈が短くなっているにも関わらず、人のせいにする癖も1年前とは変わっていないようだ。

誰にいうわけでもなく、徐々に文句が多くなっていく。まだかまだかと、足を進めるアグリアス。
焦りが見え始め歩く速度も上がっていく。走ることができずに、早足で目的地に向かう。
走ると余計見えてしまうので走ることができず、見える見えない境界線すれすれで歩いていく。

「アルマ殿!この服は何なのだ!」
やっと、アルマの待つ広場に着いたときの第一声がこれである。
急に呼ばれたアルマは、声のする方向を向いた。
662白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:42 ID:???
其処には、風水士とは呼べぬ別の職業に就くアグリアスがいた。
「あら、アグリアスさん。職をまた変えたの?変な格好ね?」
「変えてはいない。私は騎士だ。それよりもこの服をどうにかしてくれ・・・・丈が短すぎる!!刺激が強すぎる!」
誰に対しての刺激かを問おうとしたアルマであったが、アグリアスの表情を見るや否やそれをやめてしまう。

免罪を願う異端者のようにアルマにすがりつくアグリアス。
アルマの寝不足そうな聖天使顔が微笑みに変わって、アグリアスに向けられる。

アルマと、アグリアスのコントが始まり、勢いよくボケツッコミが繰り返される。
「じゃぁ、モンク?」
「私は騎士だ!」
「じゃぁ、算術士?」
「モヒカンはだめ!」
「うーん、じゃぁ、黒魔道士?」
「私は騎士だ!」
「文句ばっかり・・・・文句ばっかりだし、モンクで良いんじゃないの?クスクス・・・」
「アルマ殿・・・・」
これ以上、おちょくるとアグリアスの聖光爆裂破が発動しそうな予感がしたアルマ。
察しの通り、アグリアスの聖光爆裂破は次のターンで発動していた。剣も短剣から聖剣エクスカリバーに変更している。
663白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:42 ID:???
「じゃぁ、アグリアスさんは、ホーリーナイトだから、ナイトの衣装でいいよね?たしか・・・」
アルマのポシェットを指さし、あの中に入っているという事をアグリアスに伝える。

一目散に、ポシェットに向かい中にある物を次々に外に放り出していく。(投げるのアビリティも装着済み)
自分が、まだ風水士の格好と言うことを忘れているのか、下半身が完全に見えてしまっていることに気づかない。
探すことに集中しすぎて、自分の格好に気づいていないアグリアス。

そして、探すこと10分。念願のナイトの装備品を見つける。マント、保護服、上半身と下半身のわかれた服を発見する。
「アルマ殿!あったぞ!あったぞ!」
ホーリーナイトの称号を、受けたとき以上の歓喜の表情が辺り一帯を包む。アグスマイルとでも言うべき表情だ。

早速、ギザギザ模様の服を破り脱ぎ、変身していく。
やたら嫌いなのか脱ぐときの速度が異常に速い。
脱ぐと同時に、ナイトの衣装をつかみ取る。

保護服を着ながら、ズボンを履き、ズボンを履きながら、いつもの鎧を身につける。
10秒も経たない内に、1年前のアグリアスに戻った。

その光景を見ていたアルマは口を開いたまま呆然する。
「着替えるの速いねのね・・・・アグリアスさん・・・・」
「ふぅ・・・落ち着く・・・・アルマ殿感謝する!」

アルマに一礼し、仕立て直した服の用に、ひらひらと舞うアグリアス。
色々なアグポーズを決め込み、ナイトの衣装を満喫している。
どこかで見たような・・・とげとげがついているな・・・誰のだろうか・・・・
664白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:42 ID:???
呆気に取られていたアルマであったが、ふと思いついたの用に、アグリアスに一言。
「アグリアスさん、もう着ないとは思うけど、その衣装は兄さんのだからね。破かないでね。」
「はぁ?ラムザのだと!!」

急に、硬直しラムザの衣装を見回す。
時折、唾を飲み込み高価な物でも触るような目つきで、自分の着ている服を見つめる。
「ラムザの・・・・」
徐々に、顔が赤くなり、鼓動が大きくなっていき、足が痙攣を起こし始める。

「すっ、少し、出かけってくる・・・あ、アルマ殿・・・・理由は聞かないでくれ・・・・」
言うや否や広場を後にするアグリアス。全身が痙攣を起こし、バランスを崩しながらも歩き続けるアグリアス。

「正直な人ね。でも、何をしに行くのかしら・・・・フフ」
アグリアスの姿が森に消え、アルマは催しの準備の続きを始めた。
さてと、パーティの準備をしないと・・・・

続く・・・かも・・・・
665白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 11:44 ID:???
何度か、警告受けながら投稿しました。。。
アルマをメインに話を進めようと思ったので、アグ姉さんが
あまりでてこないような。。。少し消化不良気味な感じです。
アグ姉の投票の手助けになることを祈って・・・・ファーラム
666れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/11 12:37 ID:???
>白魔導師氏
…萌えた…萌えましたよー…反応のわかりやすいアグリアス様萌え。
FFTはじめて間もない方とは思えませぬ。

黒魔道師氏もキャラをあれだけ大量に出して置いてちゃんと捌けるあたり尊敬です。
こっちまで恥ずかしくなってくる(←いい意味で)
アグリアスの照れっぷりに萌え〜〜〜〜

>新たなジョブが生まれそうな衣装に変わってしまった
ワラタ 
このフレーズ好き(´ー`)

白魔たんと、黒魔たんと、れっどふぉーどたんは
このスレの三大作家だな〜
66828th ◆5FYDyecs:02/04/11 18:30 ID:???
「人の夢と書いて儚い・・・」
遙か東方の、しかも島国の言葉がわかるとは・・・ なんて教養の高さだ
、と思ったね 正直。文武両道に長けた名騎士・・・
何故天は弐物を与えたのだ!? 世の中不公平だ・・・

ここで勝ててもビアンカがいるなぁ
少なくとも 純血まで残っていてほしい・・・
669れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/11 18:45 ID:???
>>667
そんな恐れ多い…私ゃぽっと出で一編しか書いてないし。
本来ギャグSS書きですので、二大作家さんということで私ゃ度外視してくだされ。

アリシア 「ねえラヴィアン…貴方ラムザと仲がいいの?」
ラヴィアン「そーねぇ…悪い人じゃないし」
アリシア 「そうよね…」
ラヴィアン「? アリシア、あなたどうしたの? ラムザと何かあったの?」
アリシア 「ううん、ラッドといい貴方といい、やっぱり『ラ』で
      始まる人たち同士で仲がいいのかなって」
ラヴィアン「なーに莫迦なこと言ってるの。そしたらアリシアは
      アグリアス隊長と二文字も『ア』繋がりじゃないの」
アリシア 「…そっか、そうよね」
ラヴィアン「そうそう、元気だしなよ」
アリシア 「うん、確信したわ、やっぱり私ってばアグリアス隊長と結ばれる運命だったのね…キャッ」
ラヴィアン「…あんた単にそれが言いたかっただけじゃないでしょーね…コイチジカントイツメルワヨ」

普段はこーゆーのしか思いつかないんすよ…しかもこれ既出でありそうなネタだ(苦
>>白魔導師どん
ほんとに素晴らしい小説で・・・・
自分が小説書けないぶん、必死で応援したいと思います。
せーの、

          こ  れ  か  ら  も  が  ん  ば  つ  て  !!
671白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:24 ID:???
Chapter X ホーリーナイト アグリアス


「おい。あれをみろよ・・・」
「なんだよ、ザックス・・・おっ!」
「なっ!一つやるか?」
「そうだな。一発やるか!」

森から一人の女性が、虚ろな表情で出てきた。
「ラムザの・・・ラムザの・・・」
同じ言葉を繰り返しながら、千鳥足のアグリアス。
前回、風水士の一件は頭のどこかに吹っ飛んでいき、今は、ラムザの衣装のことで頭がいっぱいのようだ。

「ラムザの・・・・フフ・・・」
ちょっぴり、危ない妄想が入り、口の締まりも悪く、時折薄ら笑いを浮かべる。
何を妄想しているのか、不適な笑いが辺り一帯包み込んでいく。新しいアビリティ?

「おい!そこのあほずら!まちな!」
目の前に、盗賊らしき男が2人現れる。
通常のアグリアスなら、フェイスオフの文字が出てくる前に、愛刀エクスカリバーで、滅多切りにする。
しかし、今のアグリアスには、そんな力もとい、やる気などは感じられなかった。
ただ口にするのは、ラムザ・・・・その一言だった。心ここに非ず・・・・

「おい!ねえちゃん!金目の物を置いていきな!そうしないと痛い目見るぜ〜ヘヘ」
王道ともとれるお役所言葉を並べていく男。しかし、アグリアスは何も聞いていない。アグ姉ピンチ!
「おい!ねえちゃん!きいてるのか!」
盗賊の一人がアグリアスの肩を叩く。アグ姉大ピンチ!
軽く叩いただけなのに見事、後頭部を打ってしまい気絶をしてしまったアグリアス。アグ姉大大ピンチ!
672白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:24 ID:???
「・・・・・・うっ・・・・ほほはぁ!」
「お!ねえちゃん!気づいたようだな・・・」
目隠しをされて、当たりを見ることができないアグリアス。
手足を動かしてみるが自由がない。声も出ない。できることは聞くのみという状態に気づく。
(拘束されているようだな・・・・妙に寒いな・・・湯に浸かったというのに・・・・)

「おい!ザーックス。ねえちゃんがお目覚めだぞー」
盗賊の一人が、大声で叫ぶ。
(うるさいぞ、この男!)
「ちょっと、まってなぁ、ねえちゃん・・・・」
品のなさそうな声が耳元にささる。
「くっ・・・・」
状況を打破することもできず、無駄な抵抗とは判っていても藻掻くアグリアス。
(なぜ・・・こんなことに・・・・くそっ・・・騎士失格だ!・・・・)
心の中で自分に罵倒するも、状況の変化は起こり得ない動けば動くだけ、縄が食い込むだけである。
さっきの気味悪い男の声が頭の中をぐるぐると回り、次第に怒りを覚えるアグリアス。
(くそ!くそ!私としたことが・・・・くそ!くそ!自由になったら、あいつをぶったぎる!)

「これはこれは、アグリアス・オークスか・・・しゃべらせてやれ・・・」
品のある男の声が、アグリアスの名前を呼ぶ。
猿轡(さるぐつわ)がはずされ、やっと本来のアグリアスの声に戻る。
「きさま!何者だ!」
「おれか?おれはザックスだよ・・・・」
「違う!お前ではない!」
「私のことか?アグリアス・オークス・・・・」
目が見えぬとも、アグリアスの威勢の良さは変わってはおらず、今に噛みついてきそうな声を出す。
「そうだ!なぜ、私の名を知っている!答えろ!」
声が解放され、自分の怒りを目の前にいる男に浴びせるアグリアス。
自分の失態を、怒りに任せてぶつけていく。
673白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:24 ID:???
「名前などどうでもいいことだ。お前には・・・」
「だんな。話の途中すいませんが、例の件をおねがいできやせんか?」
「ふん、これでいいだろう」
なにやら男どもの間でやりとりがあり、それが一通り決着をついたようだ。
「すいやせん・・・・おい野郎ども。けえるぞー!」
威勢のよい声が当たりにこだまし、チョコボの駆ける音が徐々に小さくなっていく。

「今、ここにいるのは私とアグリアス・オークス、お前だけだ。」
手足の自由を奪われ、目も見えず、どうすることもできないアグリアス。
アグリアスの命は、目の前の男が握っている。
「くっ!私に何のようだ!」

目も見えず、手も動かすことができず、大声で何とかアグリアスという騎士を維持しているアグリアス。
「いまにも、飛びかかってきそうなだな・・・しかし、その威勢、いつまで持つかな?」
「きさまーー!!おちょくるのもいいかげんにしろ!!」
男の冷静なまでの言葉に、少しずつ押されていくアグリアス。
剣では誰にも負けないアグリアスであったが、心理戦は大の苦手のようだ。
騎士としては、オルランドゥ伯にも迫る強さを誇る。
しかし、その心は、騎士の心を持ち合わせていなかった。
子供のように、もろく壊れやすく、少女時代におった深い傷のせいもあり、言葉の暴力にはとても弱かった。

「アグリアス・オークス。お前の心の弱さは、昔のままだ・・・・・」
「うう・・・・くっくそ!きさま!」
息が詰まり、氷出すような感覚が体中を襲っていく。
力が抜け、言葉で跳ね返そうとするも声が出ない。
全身の力が徐々に抜け、恐怖が歩み寄ってくるのをアグリアスは感じた。
(たすけて・・・・)
674白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:24 ID:???
急に男の気配が消え、不意にアグリアスの目から涙がこぼれ落ちた。
(これほどまでに、弱いとはな・・・・アグリアス・オークス・・・・)
アグリアスの心から、一つの声がする。
「うっ・・・うう・・・・・」
涙を拭おうとしても、手足を縛られ動かすことができない。ただ、涙が顔を滑り落ちていく。
その涙が、自分をよりいっそう傷つけていく。
(たすけて・・・・おにいちゃん・・・・)

「もうやめてくれ・・・・これ以上は・・・・」
涙の中に封印された、アグリアスの記憶・・・・それが徐々に蘇っていく。
心の奥にしまった忌まわしき過去・・・・騎士を目指そうとした過去を・・・・
徐々にアグリアスの意識がなくなっていく・・・・・
「アグリアス・オークス・・・・お前の・・・・騎士としての誓い・・・」
最後に聞いた男の言葉を、今も守り続けるアグリアス。
そして、その記憶が蘇った。
675白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:25 ID:???
「アグリアス。騎士は大変だからやめておいたほうがいい。」
銀髪の若い男が、少女の頭をさすりながら言った。
「えー、でも、シドみたいなナイトになるのだ。うだつのあがらない、きしにはならないぞ」
「はは、アグリアス・・・剣聖か・・・我々には一生届かないものだぞ。アグリアス」
「それよりも、女のお前が騎士なんて、やめておいた方がいい。」
銀髪の男は、アグリアスの強烈な言葉に、顔が引きりながらも子供の言ったことと、納得する。
「この戦争を私の手で終わらせてみせる!女だからと馬鹿にするな!」
「私どもが、もっと和平に歩み寄れればいいのだがな・・・しかし、私利私欲がイヴァリースを包んでいる。
それを無くすために、戦っているのだと私思っている・・・・アグリアス」
「そういうのが、うだつのあがらないのだ。ハハハハ」
自慢げに、銀髪の男に言い放った。
「ははっ;;これは手厳しいな。アグリアス」

「エルムドア侯!!大変です!」
息を切らした兵士が銀髪の男に駆け寄ってきた。
「すまない、仕事だ。また、後でな。アグリアス」
ただならぬ兵士の声に何かあると感じ、少女を家に帰す銀髪の男。
「うん!また!おにいちゃん!」
エルムドアとよばれた男の後ろ姿に手を振りながら見送るアグリアス
676白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:25 ID:???
「エルムドア候、どなたとお話をされていたのです?」
「いや、ただ、子供の相手をしていただけだ。それよりも何事だ?」
「はい!フス平原に鴎国軍が進行中とのことです。どうなさいますか?エルムドア候」
「決まっている。我々が叩く!私欲深き鴎国軍め・・・・」
エルムドアの目が怒りの色に変わっていく。
「本陣に伝令。会議を行う!」
「了解しました!」
議の伝令を伝えるべく、兵士は一目散に本陣へと戻っていった。
何かの気配を感じ、後ろを振り向くエルムドア。しかし、そこには誰もいなかった。
(彼女のためにも速くこの戦いを集結せねば・・・・)
熱い思いを胸に秘め、本陣に馬を走らせていく。
677白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:25 ID:???
「おい!聞いたか?フスに赤チョコボが出たんだぜー」
「何!それは本当か!小僧!」
ほっ、ほんとだよ、アグリアス・・・小僧はやめてよ・・・・」
赤チョコボ、子供の間ではレア中のレアと言われている赤チョコボ。
見た物は、将来聖騎士になれると子供の世界ではいつからか言われ続けている噂である。
「フフフ・・・・騎士になれるチャンスだ!」

「おい、アグリアス。チョコボは夜行性だから、今から言っても間に合わないよ。」
という言葉は、アグリアスの耳には入っていなかった。
一目散に家に戻りお菓子を詰め込みフス平原へと出発していった。

「ここがたしか、フスだったな・・・・」
当たりを見回すが、そこには人っ子一人、チョコボの子一匹もいない。

当たりに存在するのは、所々の茂みと強い風。
「小僧め・・・嘘であったら、後でアグ特製聖光爆裂破を食らわせてやる!」
ぶつぶつと、良いながらもチョコボのいそうな茂みを探していくアグリアス。
だいぶ探しただろうか、少し疲れたアグリアスは、良い茂みを見つけ休憩することにした。
おなかがいっぱいになったアグリアスは、深い眠りへとついた。
暖かい風が体を包み、徐々に当たりが静かになっていく・・・・
678白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:26 ID:???
どこからか、チョコボの足音がする。それも多くのチョコボの・・・
アグリアスは、咄嗟に目を覚まし茂みをとび出た。
しかし、目の前にいたのは赤チョコボではなかった。
目の前にいたのは、戦い・・・・
英雄 メスドラーマ・エルムドアが流れ矢に当たって死んだといわれる戦いが目の前で起こっていた。
血が舞い、叫び声が木霊する。残酷な光景を、体験する二人。
目の前で繰り広げられる殺し合いを、目を閉じ、耳をふさぎ、息を止め、いつ終わるかもわからない戦いの終わりを待つ。
体が痙攣を起こし、息をしようとすると、死臭が鼻を貫き、息をすることもできない。
恐怖がアグリアスの足を凍り付かせる。
「・・・・・・・・・」
恐怖はなおもアグリアスを支配し、目の前に、死体が群がるその光景を見せる。
目を離そうとしても離すことができず、目を塞ごうとも塞げず、ただ立ちつくすアグリアス。
恐怖が完全に支配したその時・・・・
「アグリアス!アグリアス!どうしてここに!!」
戦場に一つの光を放つ銀髪の騎士メスドラーマ・エルムドアが、馬に乗りアグリアスに駆け寄ってきた。

体が硬直し、振り向くこともできないアグリアスを、エルムドアは咄嗟に抱きかかえチョコボで走り出す。
「大丈夫か、アグリアス!!」
頬を叩くも反応がない。
「くそっ、ひとまず離れなくては!」
戦場を駆け抜ける一陣の風になり、エルムドアは戦火を切り裂いていく。
何とか、戦火から離れることができ、チョコボを下りアグリアスを再度確認する。
679白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:26 ID:???
「大丈夫か!アグリアス!!」
再度、呼びかけてみるものの反応がない。顔は青ざめ息をしていない。
「くそっ、瞳孔が・・・・」
咄嗟に鎧を脱ぎ捨て、アグリアスの喉元を上げ、鼻をつまむ。
大量の空気がアグリアスの肺に満たされる。
大きく息を吸い込み、エルムドアの口からアグリアスの肺へと渡されていく。
2,3度行って見るも、何の変化がなくアグリアスの顔は青ざめたまま。
エルムドアは、アグリアスの洋服を引き裂き、手をあてがうと力強くリズミカルに押しつけた。
2,3度胸を押し、口づけで肺に空気を送る。エルムドアの顔に焦りの色が見え始める。
死なせてはならないと言う熱い思いが、アグリアスに伝わったのかアグリアスが息を吹き返した。
アグリアスの顔に血の気が戻り、徐々に興起していく。
「よかった・・・アグリアス・・・・」
アグリアスの虚ろな目に光が戻っていく。
まだ、顔を確認することもできないアグリアスであったが、見覚えのある銀髪が目に入る。
「おにい・・・ちゃん?」
「大丈夫か!アグリアス」
聞き慣れた声で、アグリアスの表情が幾分軽くなった。
「気がついたか、アグリアス。よかった・・・・」
アグリアスの表情につられるかの如く、エルムドアの表情も軽くなっていく。

咄嗟のこととはいえ、鎧を脱いでいることに気づくエルムドア。
脱いだ鎧を拾い、着込んでいく。その時だった。
ヒューーーー、ドスッ!!
「何!?」
一つの矢が、エルムドアの肩に刺さる。
680白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:26 ID:???
「銀髪鬼・・・・あなたの最後は無念でいっぱいでしょうね。フフフ」
「でも、その後に続く、至極の日々の始まりだけど・・・・」
「きさま!何者だ!」
「わたし?わたしはセリアよ。フフフ」
「違う!貴様ではない!」
「ローファル、ローファル・ウォドリング・・・貴公を助けにきた。」
騎士と見られる男性が、エルムドアに答える。

「助けるだと!?ふざけるな!」
肩を押さえながらも、鞘に手をやりながらアグリアスを立ち上がらせる。
「そう貴方を人間から救って上げるのよ。フフフ」
「・・・・・」
「おにいちゃん・・・・」
エルムドアの影で怯えるアグリアスを庇いながら刀を抜く。

「セリア、レディ後は、任せた。貴公とは後にあうだろう・・・・・ダテレポ!」
空間が歪み、男の姿が徐々に消えていく。
「了解しました。」
セリアの後ろからレディと呼ばれる女性が現れる。
(2対1・・・アサシンか・・・・)

「アグリアス、逃げるんだ!」
「いやだ!私も戦う!」
「待つんだ!アグリアス!!」
エルムドアの影に隠れていたアグリアスが、セリアに向けて、魔法を唱えた。
咄嗟の行動に戸惑いを覚えながらも、アグリアスを止めようと、手を伸ばす。
しかし、その手はアグリアスを捕まえることができなかった。
「岩砕き、骸崩す、地に潜む者たち 集いて赤き炎となれ! ファイア!」
アグリアスの唱えた魔法は、不発に終わりセリアの手がアグリアスを掴む。
「火遊びは危ないわよ。フフフ」
681白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:26 ID:???
「喜びなさい。あなたは、選ばれたものよ。銀髪鬼・・・いえ、銀の貴公子。」
「アグリアスを離せ。」
刀をセリアに向ける。
「貴方に選択肢はないのよ。フフフ」
「おにいちゃん・・・・ごめん・・・・」
「アグリアス・・・」
少女の怯えた表情を見るエルムドア。それを見るなり、戦闘を解除する。
どうすることもできず、空を握るエルムドア。

「さてと、貴方には死んで貰うわ・・・フフフ・・・レディ!」
「了解」
セリアの合図により、レディがエルムドアの胸を刺す
「くそっ・・・・」
エルムドアの胸から止めどなく血が吹き出ていく。徐々に意識が薄れ、足をつき倒れ込んでいく。
咄嗟に目を閉じるアグリアスであったが、セリアがアグリアスの目を開けさせる。
「よく見なさい。これが人間というものよ。フフフ」
「いや・・・・いやだ・・・・はな・・・して・・くれ・・・・」
目の前で倒れていくエルムドア。目を閉じたくても閉じれないアグリアス。
アグリアスの目から涙がこぼれだしていく。
息が詰まる、心臓が痛い、恐怖の魔王が地上に降り立ったかの如くアグリアスをむしばんでいく。

「さてと、これからが本番よ。フフフ」
セリアの怪しい微笑みがエルムドアに向けられる。
倒れ込みながらも、刀を握りしめアグリアスを見つめる。
「何を・・・するき・・・!!」
ザシュッ・・・・
682白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:27 ID:???
「やめろーーー!!」
レディの一撃が、アグリアスに向けられる。
一瞬何が起こったか判らないアグリアス。自分の胸を見ると、一筋の線が走っていた。
心臓の鼓動聞こえなくなり、当たりが暗くなっていくのを感じるアグリアス。
アグリアスの目が徐々に閉じていき、スローモーションが掛かったかのように倒れ込んでいく。

「この子を助けたい?フフフ」
セリアの微笑がエルムドアに向けられる。
おもむろに、セリアの手から光り輝く一つの宝石が出てきた。
セリアの手の中で光り輝く宝石には、ジェミニのマークが埋め込まれている。
「ゾッ、ゾディアックストーン!!」
見えない目をこじ開け、セリアの手の中で光り輝く宝石を見つめる。
「ご名答。フフフ」

セリアの手から取り出されたジェミニが、倒れ込んでいるエルムドアの前に置かれる。
「願いを託しなさい。死にたくないと・・・そうすれば助かるわ」
「血はいつ見ても綺麗ね。レディ。フフフ」
「そうね。セリア・・・・速くしないと彼女死んでしまうわ・・・・可哀相・・・・」
人ごとのように、表情一つ変えず話が続く。

エルムドアの力弱い腕が、聖石を掴む。
聖石が強く握りしめられ、エルムドアは目を閉じた。
(彼女を・・・アグリアスを・・・助けてくれ・・・・・)
683白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:27 ID:???
突然、手の中でジェミニが光り輝く。神々しい光が当たりを包み込んでいく。
暖かい風が、エルムドアを包み込み、天国にいるかのような感覚を覚える。
しかし、それはルカヴィの洗礼でもあった。人間としての最後がエルムドアを襲う。

胸の傷が消えていき、意識が戻り始める。徐々に手足の感覚が戻り手に持つ刀にも力が入る。
ゆっくりと、目を開けていくエルムドア。
そして、大量に血を流すアグリアスの姿を確認する。
「アグリアス!」
悲痛の表情がエルムドアの悲しみを物語る。
自分のせいで、何の罪もない少女を傷つけた。騎士としてあるまじき行為。
その重みがエルムドアの足を束縛する。刀を杖にアグリアスの元へと駆け寄る。
「大丈夫か!?アグリアス!!」
アグリアスの頬を叩く。
「うっ・・・・」
頬を叩かれ、目をうっすら開けるアグリアス。2度の衝撃的な体験で、声を上げることができない。
目を開けるが、周りはぼやけていてはっきり認識することができない。ただ一つはっきり見えるのは、銀色の髪。
アグリアスの頬に銀髪がかかり、アグリアスの表情が和らぐ。

「よかった・・・・アグリアス・・・・」
「おにいちゃん・・・ごめん・・・・」
消え入りそうな声だったが、その声はエルムドアの耳に入る。
そして、失ったはずの感情がこみ上げる。最初で最後の人間としての表情を・・・・
エルムドアから一粒の涙がアグリアスの頬にこぼれ落ちる。
「お別れだ・・・・アグリアス・・・・」
銀髪の男が何を言ったのかアグリアスには聞こえなかった。しかし、その暖かい何かを感じ目を閉じる。
アグリアスの頬につく、一滴の血をふき取るエルムドア・・・・・
684白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:27 ID:???
「さぁ、ザルエラ様・・・いきしょう。フフフ」
「統制者がお待ちです。」

「アグリアス・・・・私と違い、お前なら立派なホーリーナイトになれる。」

「どんなときも、騎士としての誓いを・・・・忘れるな・・・・・アグリアス・・・・」

赤チョコボが一匹、アグリアスの横で静かに寝ていた。

銀の貴公子 メスドラーマ・エルムドア・・・・
アグリアス・オークスが、騎士を目指すきっかけを作った男・・・・
フス平原の戦いで流れ矢に当たり、名誉の死を遂げた彼だが・・・・
彼もまた、歴史の陰に隠れた英雄だったのではないだろうか・・・・
685白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 19:30 ID:???
ども、今日は投票日ということもあり、投票率を上げる為に
急きょつくりました。誤字脱字がないよう気を使いましたがご了承ください。
投票率のアップに一役かえばいいのですけど・・・
しかし、主人公がエルムドア;;になったように;;
いちおアグ姉さんも出ているのでよしとしてください;
このままでは、サラ姫に負けてしまいそうなので、これを
読んで、アグねえを守ってやってー・・・では、また
おれ、アグたんに投票してきたよん。
まだ投票してない人は白魔導師たんの小説読んで投票してきて念!!
すげー!!!
すげー!!!
すげー!!!
すげー!!!
すげー!!!
しつこく言うがすげー!!!

スマソ……俺のアホな頭脳じゃあ、この感動をうまく
言葉に表せません(^^;
これほど、実際のFFTのストーリーにありそうな小説は
読んだ事ないやー……
こういうのもありだなあ、と素直に感動した
エルムドアって、やおいで都合よく利用されてるのしか
見た事なかったから余計にビクーリ!!!

プリントアウトして保管しておきたいくらい(;´д`)
今まで こういう小説書いている輩が嫌いだった
原作に出てきた言葉を 無理矢理繋げている輩ばかり
恥ずかしいとは思わないのか、と疑問だった
視野が広がった気がするよ
ありがとう〜
正直どこがおもしろいのかわからんぞ面白かったと思ったひとは具体的にどこが面白かったわけよ?それともこのスレは何をかいてもほめられるわけなのか?
690RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/11 21:39 ID:???
>>689
じゃあ僭越ながら。

先ず、創作っていうのは自己満足が根底にあることを判って欲しい。
誰が依頼したわけでもないのに、ふと書き始めたのが顔無し氏。
イヤな言い方かもしれないが自己満足を得てはいるんだろう。
いや本心は知らないけどね。
それで。君がFFTをクリアしたことを前提に話させてもらうが、
ここで萌え対象になってるアグリアスは、後半ビタ一文喋らない。
コレがファンとしては苦痛なのだよ。
そうなるともう二次創作というヤツに頼らざるを得ない。少なくとも俺は。
そこへ利害の一致というと語弊があるかもしれないが、
顔無し氏が来て小説を書いていったと。
普段二次創作に触れる機会の無い人も居たかも知れないが、
好評だったワケはファンの痒いところに手が届いたからだと思う。
勿論このスレの住人の殆どに支持されたとは思えないし。
でも支持してる人間が居る以上イイ文学ではあるんじゃないかな?
「何を書いても誉められるのか?」と思う気持ちはまあわからんでもない。
ただ一致した利害の維持みたいのを潜在的に感じてるんじゃないかなぁ。
けなされて叩かれてそれでも書こう!って思う人は居ないしね。
自己満足を満たすスレ住人、妄想を具体的に提示する職人という利害。
どうだろ、凄くイヤなこと言ってるかも…。ホント個人的に思ったことだから
職人さん達は気にしないで欲しいス。

で。

文学とかの感想なんて人それぞれだから、取り立てて
「ココがイイ!!」っていうのは無いよ。俺は表現の仕方が好き。
あと萌えの方向性が限りなく近いのが支持の理由かなぁ。

まあ気に入らないなら読まない。それが一番ス。
>689
漏れの場合は
「ありそうで無い場面の妄想」を補完するのれす

てか釣られた?
マジレスカコワルイ?
692白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 21:46 ID:???
>614
心理的描写はなかなか書くのが難しく、でも、ピッタリとはまるとなんかやってて快感を感じてしまう(笑)

れっどふぉーどさん、
萌えましたか〜。私も書いていていくつか萌えてしまいました;;
れっどふぉーどさんのほのぼのとした感じはとても、読んでいて楽しいです。
れっどふぉーどさんの設定をパクリたくなることもしばしば;;
次は、あーいうラブラブ系?も書きたくなってきた;;

>667
私もこのフレーズは、好きです。書いている本人が言うのも何ですけど;;
アグ姉が一番恥ずかしがりそうな服ってどんなジョブの服かな??
やっぱり、きわどい系だろうか・・・・何て考えてみる。

>670
これからも、何とかがんばっていきます。急に面白いのが生まれたりするので書くって不思議なものですね;;

>687
やおい・・・そういわれてみれば、そうですね。ああいう脇役キャラが結構設定がしっかりしていないので(笑)
改造しやすくて良いです。ただ、fftはどれも年齢が離れていなく、以外と回想話にキャラ入れるのが大変でした。
アグ姉の回想話にレーゼさんでもいれようか迷いました;;

>688
私も原作の言葉はあまり使いたくないのですが、使わないといけない部分もあり悪戦苦闘中・・・
原作の言葉は、原作の味を受け継いでいるの自分のものにするのが大変です・・・・
パズルのピースの用に、うまく合うようにできるといいな・・・・

>666
のれっどふぉーどさんの発言で、急きょ作った。(今考えると、なぜだろう?)
楽しんでいただけたら幸いです。これでアグ姉が勝てれば、書いた甲斐があります。
693白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 21:49 ID:???
>「ありそうで無い場面の妄想」を補完するのれす

私もまさしくその通り、あったらいいながここにある ッて感じで
見に来てます(笑)
ないなら、つくっちゃえですね;;
694689:02/04/11 22:27 ID:???
>>690
RAGEさんの言いたいことは納得がじぶんとしてもできるのです。書き込みかたが悪かったんだなと思います。FFTは何回もクリアしていますよ。

>これほど、実際のFFTのストーリーにありそうな小説は読んだ事ないやー……
これ!これなっとくいかねい。どこがやねんと思うわけですよこれってどうよと思ったわけそんだけ。
 
695RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/11 22:48 ID:???
>>694
いや、偉そうによくワカラン事書いたぽい。すまぬ。

納得いかないポイント発見。成る程。
簡素な言い方すると「人それぞれだし」なんだけど…。
まあそれじゃ納得いきませんな…俺にもわかんないや。説明できそうにない…。



ていうか引っ張っちゃったね。皆さんスマソ。

  【 二 回 戦 進 出 決 定 】
698白魔導師(白魔道師とは違う):02/04/11 23:18 ID:???
やったやった!やったやった!by(今はなつかし葉っぱ隊)
2回戦に勝つには、やはり萌え萌え大爆発なものが必要なヨカソ
どーでもいいが。
自分で創作活動していない奴に限って
批判したがるんだよな……(ワラ
批判は簡単だからな(w
701名前が無い@ただの名無しのようだ:02/04/12 00:12 ID:atEG3UcY
すまん、昨日投票し忘れた。勝ってて安堵したよ。
次は必ず投票する。
つまりまだ余力があるな、と
>>697
ピンクなアグリアス
ワラタ
まあキャラの過去話系はを勝手に妄想したりすると。
クレームはつきやすい罠。
特に本編では関係の無いキャラを出したりするとよりね。
705顔無し黒魔導師 :02/04/12 01:10 ID:???
 
 一回戦無事突破ですね。投票数も多かったし準決勝までいくかな?

>>690

いや、前スレ 884さんのね、ファンだったわけですよ。で書いたわけ。
色っぽい文章だな、と思いましたね。ああいうのやりたかった。
そしてできなかったというだけのはなし。

でもまあ、SS増えたので結果的には嬉しいです。
とりあえず今日からはまた名無しで行こうかと。ちと疲れた。

>>704

なるほど・ざ・わーるどと言ってみるtest
70628th ◆5FYDyecs:02/04/12 01:28 ID:???
>>705
おお、なつかしき スペシャル2と要ってみるテスト

884先生の作品には 何か新時代の幕開けを感じさせるような何かを感じた
踊り子だと思っていたのに 娼婦だったとは・・・
完全に意表を突かれた
784 名前:RAGE ◆HqcvRAGE 02/04/12 02:17 ID:???
キレイなお姉さんと
カワイイお姉さんが同居したような人がイイ

それが!アグリアス様だッ!
884、あの続き読みたかった……
709RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/12 02:26 ID:???
うわッ、早いなオイ…

顔なしさん、気分悪くしてたらホントにゴメンなさい
正直、どこにでもいるからな…>ネタSSを叩く奴
もちろんつまらないネタを書けば叩かれるのはまあ当然。それはいつも覚悟してる。
でもウマーなネタなら賛同者もつくから問題はない。要は面白ければいいってこと。
そして最近の職人たちのSSはウマーなのか?…ウマーだ。だからこれでいい。

まあ>>689みたいなスレの流れの読めない奴は逝ってよし、なんだが。
こういうと>>689みたいなのが激烈にツマランSSとかを大量投下するんだよな…(鬱
まあつまり689はあんまり正直に感想を言うなってこった。
689みたいな、たんにつっかかる文句の付け方はいやだが
694みたいな意見もだめかね?
個人的には、なぜルザリアの中小貴族の娘が
ランベリーの領主と知り合いなのかと小一時間問い詰め
いや「別にいいジャン」とかいわれたら、「そうですか」で終わるんだが。
いままで、アグはそんなんじゃないだろう?的意見は普通にでていて、
俺的にはそういう意見を封じる流れはあんま好きく無いんだが。
でもそのせいで職人がssを書く気を無くすと言うんなら、
本末転倒になるので黙るが。
>712
じつはひそかに同意見だったりする。
>これほど、実際のFFTのストーリーにありそうな小説は読んだ事ないやー……
どこ読んでそう思ったんですか?
本気で言ってるなら凄い。
キャラ的にも性格が壊れてると思う。
出てくる登場人物全員のしゃべり方とかもまるで同じ頭脳レベルの人間みたい。
何度かいわれてるみごとな心理的描写とやらはいったいどこなのかと言いたい。
このさい落ちがないとか山場がないとかまでは言わないけどさ。
まだ人前に晒すのは早いんじゃないかぐらい言われるのも当然。

ライターの人たちだっていくら良スレだからって文句ひとつ言われずに済むとかまさか思ってないだろ。
文句は確かにわざわざ書き込む必要はないかもしれないけど書くのも自由だろう?掲示板なんだから。
私としては、
694みたいな意見はどーかと思うけどな
はっきり理由書いてるわけじゃなくて、単に「気に食わない」
って言ってるだけみたいだから

>これほど、実際のFFTのストーリーにありそうな小説は読んだ事ないやー……
「読んだ事がない」と言ってるだけであって、「これほどFFTのストーリーに
ありそうな小説はない」って断定してるわけじゃないし
個人的意見につっかかるのもどうかと思われ
批判するなら、小説の中身について批評すべきじゃないかな〜

その点、私は712のような意見ならば
いいと思うのだが何か?
(個人的に、私は白魔たんの小説好きですYO!)
中身についても批評してますが何か?
へっくしょい
花粉症の人は何かと苛立ちやすいので
気をつけましょう
あぐたんは、イワンが投票したのか詰問しなくてもよろしいので?
>>689の発言を皮切りに、
たまっていたみんなの不満(でもないか)がここへ来て爆発したようだね。
みんなここのスレの小説は誉めなきゃいけないと思い込んでいたのかもしれない。
例え駄作であっても、面白いと思い込みながら呼んでいけば
その作品が本当に面白いかのように思えてくるからね。
まあ、おれはここの小説けっこう好きなんだけど、
最後に白魔導師さんが書いた作品はどうも解せない。
結局過去の話で終わってて、現在のアグリアスがどうなったか分からない。
しかもアグリアスの話じゃない(気がする)。
次回作は期待してます。
>>719
名指しはちょっと酷いかと・・(w
いや白魔たんの荒木飛呂彦みたいなセリフまわしに萌え
無理に誉める必要はないが
批判する必要もなし
以上
72328th ◆5FYDyecs:02/04/12 17:35 ID:???
批評すること自体は 良いことだと思う
それにより 作者も、その他の読者も、学ぶ事が多いはずだ
ただし 汚い
シーザーの言葉にあるように 言葉を選ぶべきだ
他人の感想にけちつけるのは良くないな
「何故そこで面白いと感じたのか?」
この手の質問は
人生経験からとしか言えない。
それとも 科学的に証明せよということなのか?
>>724

激しく同意。
感想に感想つけて、感想の感想に感想つけて、
感想の感想の感想に感想をつけていくと
キリがなくなるので打ち切りましょー
はあ………
あぐたんはかわええのう…
まだこのスレから鼓動は感じられるか!?
 そこに萌えはあるのか?
一番萌えたのは、全スレのアレだな……
http://north-cape.parfait.ne.jp/alflailawalaila/fft/fft_04.html
ラムザの穏やかな強引さがまたイイッ
アグが出てる小説ってこれだけ?少ないなくない?
トーナメントであれだけ頑張ったのに。
732にゃも絵流用してきた者:02/04/13 01:36 ID:???
これでSS職人さんがあきれて撤退しちゃったりしたらもう大爆笑!

…大爆笑じゃねえ!

あのな、今はなんかこのスレにSSが当たり前にあるような感じだけど、
昔はそうじゃなかったんだよ。ネタ少なかったんだよ。
つーか、このスレがパート2に移行できた経緯はSSが元じゃねえか。
ったく、人の批判する「だけ」の奴はなあ…不動無明剣クラワセルゾ?
>732
全く同じことを心配しちまったよ……

なければないで書けって言うし、
あったらあったで文句言う奴は最低だなゴルァ
読ませてもらってるだけありがたい
読みたくなければ読まなきゃいい

そこらの個人サイトじゃあ、もうFFTの小説
いいの発掘できないから、ここだけが頼りの綱なんだよ
いやホント
734れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/13 02:24 ID:???
正直、批判が怖かったらSS書けません。
にべもない言い方されたらさすがにへこむかもしれんけど、
それは正直な感想としてフザケンナソンナモンヨミタクネーということなのでしょう。

その後考え直して別の話を作るか、どーでもいいかと投げるかなんてのは、
私にとっちゃそん時の気分の問題でしかないっす。書きたくなったら
ほっといても書きます。所詮掲示板なんですから締め切りなんてのもないし。

と、駄文書きが出しゃばって申し訳ない。とりあえず、萌え話しません?
735れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/13 02:44 ID:???
とか前の書き込みで強気なことを抜かしておきながら
拙作上げさせてーと断っている過去の弱気な自分発見(鬱
ちょと逝って来ます
しかしいままで、アグリアスはそんなにみのほどしらず何ですかだの。
優しいアグはきもいだの、煽りにもとれる意見もいろいろあったが、
(読みたくねえとかいってんのは完全な煽りだろうが)
なんとか建設的な(多生無理はしたにしても)方向で意見が出た
なんで今回に限ってこんなになるかね。
ごめん、すれ違った、もうやめよう、萌え話しませう。
いつからアグリアス好きになったんだろーって考えてみた

最初の頃は……
他のキャラより顔グラフィックが綺麗だなーとか
聖騎士(しかも女)ってのはカッチョエーなーって思ってたけど
好きというほど印象深くはなかった

つーと、やっぱアレだなー
「今更疑うものか! 私はお前を信じる!!」
これに尽きるんだなー
ラムザが皆に信じてもらえなくて、プレイヤーも
「これから主人公どうなっちまうんだ」って思って
ハラハラしてたとこに、彼女のありがたい一言

好きにならずにいられるだろうか
ああ、萌えー
しかも使いやすいし強いし、
美しくって萌えー
アグリアス『魚に弱いと書いて鰯…なんだか物悲しいわね』
アグリアス『女によるとし波で婆…なんだか腹立たしいわね』
アグリアス『女が三人集まると書いて姦しい…なんだか心当たりがあるわね』

ラヴィアン、アリシア「…隊長だけですよ?」
アグリアス『魚に喜ぶと書いて鱚(きす)・・・・なんだかハアハアするわね』
ムスタディオ「しねーよ」


    糸冬糸
面白くねーよ
アグリアス「ラムザ、ズボンを下ろしなさい」
ラムザ「なっ!?」
アグリアス「さっさとしなさい」
ラムザ「くっ・・・」
アグリアス「おちんちんをしごきなさい」
ラムザ「えっ?」
アグリアス「ほら、ぐずぐずするな」
ラムザ「ん・・・」

しこしこしこしこ・・・

アグリアス「・・・・・・」(じい〜〜〜っ)
ラムザ「・・・・・・(///」

しこしこ・・・ドロッ

アグリアス「女にオナニーを見られて逝ってしまうなんて、貴公は本当に恥ずかしい輩だな」
ラムザ「そ、そんな・・・(泣」
>>743
俺は面白いとおもうがね。
>>744
こんな短い文書なのに最初と最後でアグの性格が違うのかよ(w
www2s.biglobe.ne.jp/~naonao/ PLANETS/efutaku/agrius2.jpg
アグリアス応援
74728th ◆5FYDyecs:02/04/13 12:27 ID:???
>>732
全スレの873は偉い 884さんは凄い
しかしなぜ884さんと呼ぶようになったんだろ
小説の途中なのに・・

個人的にはコテ使って欲しい
>>744

お前はアグ萌えじゃなくて
ラム萌えだろ
75028th ◆5FYDyecs:02/04/13 13:50 ID:???
>>748途中で止まったからだったと思う
それで皆が続きコールして・・・
>>748
個人的にはコテは使って欲しくない。
別のスレでも「職人さんコテ使ってコール」があって職人さんがコテ使ったら、
職人さんがそのスレにネタ書き込みにくい雰囲気になっちゃったしな。
ここは2ちゃんなんだから名無しで十分。特にSSなんて騙れないよ。
別にコテでもいいけど。職人さんに要求するのはなしだと思う。
>>746
良いね。SSもいいが絵師ももっときぼん。
>>751
納得
>>746

美人だー
でも、
アドレスコピペしてもページに飛ばなかったんで
かなり迷った

/ PLANETS

ここスペース空いちゃってたんだねー
755顔無し黒魔導師 :02/04/13 19:32 ID:???
──眠る度に決まって見る夢がある。剣を手にした少年が私を何かから守ろうとしている夢だ。
私は少年に見覚えがあるような気がする。しかし少年が誰なのかはわからない。

 忘れてしまったのだろうか。それとも思い出せないのか。ただその夢を見ると決まって悲しい気分になる。
川辺を夜光虫が飛んでいる。ここはどこだろうと思う。

 少年は私に振り返る。少年が夜光虫の光で眩しく光っている。私に近づいて手を差し出す。
私はその手をそっと握る。星が揺れて零れる。胸の奥から切ないものが迫り上がってくる。

 私は涙を流している。しかしそれが何故なのかはわからない。──ただ頬を涙が伝うのだ。
756顔無し黒魔導師:02/04/13 19:33 ID:???
「何となくだけど………分かるんだ。オーボンヌ修道院にアルマがいる」

 深いアラグアイの森の中でラムザは静かにそう言った。全員が彼の方を見ている。
各々がそれぞれ何かを想う。胸に秘めた想い。悲しみや傷付きを。

──風が吹いた。メリアドールは岩に腰を下ろしたまま言った。

「決着がつくのね………何もかもの………」

 木に凭れかかり目を閉じていたアグリアスが目を開けた。想うのはやはりオヴェリアのことだった。
『ラムザと行きなさい』
 オヴェリアはアグリアスにそう言った。それが彼女の言葉だった。そしてアグリアスはその通りにした。
それが正しかったのかどうかはわからない。アグリアスは思う。本当に正しい道を歩いているだろうか、と。

 自分は騎士だ。自分にとって騎士とは自分の道そのものだとアグリアスは思っている。
ふとしたとき、例えば今まで歩んできた道を振り返って眺めたとき、本当に真っ直ぐな道を歩いているのだろうか。
自分に嘘はつきたくない。ラムザと共に行こうと決心した。オヴェリアがその背中を押した。
我を通せれば良いということではない。自分が信じた道を、その正しさを信じて歩いていきたいのだ。
757顔無し黒魔導師:02/04/13 19:33 ID:???
あれは何度目のドーターだっただろうか。ラムザが私が泊まっていた部屋の戸を叩いた。

「眠れないんだ。つき合ってくれないか?」

 ラムザにしては珍しく手に酒とグラスを持っていた。せめてこの時、気づいていれば、と思う。
私がそれに応じるとラムザはベッドに腰を下ろして私にグラスを渡した。赤い色の酒が注がれた。
まるで何かを暗示しているかのようなその色は私を不安にさせた。

「珍しいな………いやこんなことは初めてだ。ラムザ、お前が酒を持って私の部屋に来るなんて」

「そうですね」

「やはり………オーボンヌで決着がつくのか………?」

 ラムザは一瞬苦しそうな顔をして微笑んだ。少し無理がある笑顔が痛々しかった。

「ラムザ………お前でも緊張するのか………?怖いのか………?」

「もちろん………僕は一度だって戦いを怖くないと思ったことはない………」

 ラムザがそう言うのを私はわかっていたはずだった。この男は戦いを好まない。
世が世なら戦うことを知らず争うこともせず幸せに暮らしていたはずだ。しかしこの男は剣を握る。
──戦い、血を流す。命を賭して戦い、失われた命に悲しむ。
758顔無し黒魔導師:02/04/13 19:34 ID:???
私が巻き込んだ?心の中では何度かそう自分に問うた。

 ラムザに問えば、違うと言うだろう。わかっている。笑顔でこう答える。
『これは僕自身の戦いでもあるんです』と。

 だから私はそれにこの剣で答えよう。私は騎士だから。それが私がラムザに伝えられるたったひとつの意志なのだ。

 その夜交わされた言葉は今となってはとても少なく感じる。
あの日の自分の愚かさを呪う。後悔が拭っても拭っても消えない刻印のように、いつまでもこの胸にあるのだ。
 
 急激に激しい眠りが押し寄せるのを感じて眠りに落ちた。ラムザが盛った眠り薬で。
気づくべきだった。ラムザの様子がおかしいことに。

 
 目を覚ますと薄暗い宿屋部屋だった。先刻までは深い闇に包まれていた外界は今は薄暗いながらも
窓から光が差し込んでいる。身体中がざわつくのを感じた。頭のなかでまさか、と否定する。

 外には降った覚えのない雨の跡があった。心の中に深い穴が穿たれたような感覚。
備え付けの鏡台の上に手紙がおかれていた。震える手で、それを手に取る。鼓動が激しくなる。
759顔無し黒魔導師:02/04/13 19:34 ID:???
【親愛なるアグリアスへ】

 手紙は四つに折られ、そこにラムザの筆跡でそう書かれていた。
私は剣を手に取ると、走り出していた。

「この宿に泊まっていた連中はどうした!?」

 宿屋の男の襟首を捕まえて言った。男は狼狽えながら答えた。

「けっ、今朝発たれました………お客さんの宿泊代は先払いされておりますが………」

 男を突き放して宿屋を出た。男が何か喚いているのが聞こえた。構わずに走った。

 
【オーボンヌ修道院にアルマがいる。僕にはそれがわかる。

 僕は本当にみんなを巻き込んでいいのだろうか、とずっと思っていた。
 皆がそれぞれの覚悟を背負って生きていることを僕は知っている。
 だけどそれだけじゃないんだ。そう思っている】
760顔無し黒魔導師:02/04/13 19:35 ID:???
街の外まで走った。地面はぬかるんでいて上手く走れない。
──雨が降り始めた。なぜだ?どうして?誰も答えるはずのない問い。浮かんでは消えていく。


【君は知らないだろう。みんなが僕に言ってくれたことを
『アグリアスはオーボンヌに連れて行かないことにしよう』と
 最初は何を馬鹿な、と思った。だけどそれは違った。
 みんなは気づいていただけだった。──僕はオーボンヌから帰れないだろう】


「ラムザ………!!馬鹿者………!!何を考えている!!」
 走りながら叫んだ。叫び声は雨音で消えていく。


【だが僕はアルマだけは取り返すつもりだ。これは僕からのお願いだ。
 僕がオーボンヌから帰れなかったら、アルマのことをオヴェリア様と一緒によろしく頼む。
 アルマはまだ子供で我が侭な所もあるけれど、根は優しくて良い子なんだ。頼むよ】

 泥濘に足を取られて転ぶ。濡れた草の上を滑って、路の上から滑り落ちる。
手には剣と一緒に握り込んだ、手紙がくしゃくしゃになって濡れている。
761顔無し黒魔導師:02/04/13 19:36 ID:???
【それともうひとつ本音を言えば 帰れない場所に君を連れて行きたくない。
 だってそうだろう?我が侭なのは承知の上だ。

  君を愛しているから──ラムザ・ベオルブ】


 落ちた場所はラムザといつか見た夜光虫がいた河原だった。
雨が降って濡れている草の上に仰向けに倒れたまま空を見上げる。
いつからか流さないと決めたはずの涙が、視界を滲ませる。

 少しの間、騎士ということを忘れていたのかもしれない。
声を出して泣いた。何度もラムザの名を呼んだ。返事はどこからも聞こえてこなかった。
762顔無し黒魔導師:02/04/13 19:36 ID:???
「──本当によろしいのですか?」

 僧侶がそう私に聞いた。私は黙って頷いた。

「まだ記憶がある内に決められるのがよろしい。無くしてしまえば後悔すら許されません」

「騎士として、大切なものを無くしました………しかし一度は神に捧げた身です。命を絶つわけには
 まいりません。どうかこの身を焦がす哀しみから私をお救いください………」

 オヴェリアとディリータの死が聞かされ、私は自分の感情が確かに壊れるのを感じた。
全てを捨てたかった。何かも消えてしまえと思った。全ての人間の醜さを呪った。

 これは卑怯な手段だ、と思う。これは逃げだとも思う。
しかしそれでも耐えることのできない感情が私の中を渦巻いている。
ここで騎士としての自分を消そう。それを決めたのはあの日からどのくらい経ってからだっただろうか。
手紙の言葉を思い出す。

『アルマのことをオヴェリア様と一緒によろしく頼む』

 私は守れなかった。守りたかったが守れなかった。ラムザとの約束を。僧侶が目を閉じて話す。

「目を閉じなさい。再び貴女が目を開けたとき、以前の貴女はもうどこにもいない………
 悲しみの過去と共に消えているでしょう………」

 私はゆっくりと目を閉じた。涙が零れた。最後に私が私として──アグリアス・オークスとして。

 ──さようならラムザ、オヴェリア様。
 ──愛しています………
763顔無し黒魔導師:02/04/13 19:37 ID:???
それから幾年かがすぎた。ある男がある街を訪れた。
どこか少年の影を残した男は、懐かしさと暖かい空気を吸い込む。
男は街を歩く、変わらない町並みに寂しさと安心を覚える。

 ──街角で男は見覚えがある美しい女性を目にする。男は駆け寄って声をかける。
しかしその女性は男を見ても不思議そうな顔をして男の顔を眺めているだけだ。

 男は自分の名を名乗るが彼女にはその男の名前を知らない。
その女性はやんわりと人違いであることを男に伝えてきた。男はそれを信じなかった。

 しかしやがて男は何かを悟ると、人違いを認めて謝罪した。彼女は男の謝罪に笑顔を見せ、歩きはじめる。
男は少し悲しげな顔をしていたが、やがて歩きはじめた。

 少しばかり歩いて男は何か心残りでもあるかのように、もう一度女性のほうを振り返る。

 彼女の腰まで伸びた金髪は風に揺れ眩しく光っている。男はその光に見覚えがある。
駆け寄ってもう一度その名を呼びたいと思う。その腕に抱きたいと願う。

 しかし男は彼女の後ろ姿を眺めているだけだった。ふたりの間に風が吹いた。
やがて男は彼女に背を向けて歩きはじめた。乾いた風が男を突き抜けた。
764顔無し黒魔導師:02/04/13 19:38 ID:???
──眠る度に決まって見る夢がある。剣を手にした少年が私を何かから守ろうとしている夢だ。
私は少年に見覚えがあるような気がする。しかし少年が誰なのかはわからない。

 忘れてしまったのだろうか。それとも思い出せないのか。ただその夢を見ると決まって悲しい気分になる。
川辺を夜光虫が飛んでいる。ここはどこだろうと思う。

 少年は私に振り返る。少年が夜光虫の光で眩しく光っている。私に近づいて手を差し出す。
私はその手をそっと握る。星が揺れて零れる。胸の奥から切ないものが迫り上がってくる。

 私は涙を流している。しかしそれが何故なのかはわからない。──ただ頬を涙が伝うのだ。

 
 THE END
>>732

職人さん撤退しなくてヨカタねー
このスレ見捨てられなかったようだよ
黒魔たんの新作読めて嬉しい

けど、眠り薬盛られた時に、てっきり
「ラムザがアグたんを襲う!?」と思ってしまった漏れは
どうやら腐っているようです……
黒魔さんは素人離れしてるよな
本職のライターか何かですか?
>>カオナシたん
なんだかもの凄く悲しい小説ですね・・・・
涙でそうです。
新作ご苦労様でした
>>765
漏れもそうオモターYO!!
漏れも根性クサテールYO!!
>>765
>>767
置き去りにされたアグたん、しかし編成画面には謎の卵が!?
769765:02/04/13 21:00 ID:???
>>767
仲間いてヨカタ!!
共に逝ってこよう

>>768
卵かい!!!
770顔無し黒魔導師:02/04/13 21:07 ID:???
>>765
書きながら「こりゃエロだな」と思った。
そしてラムザも何もやってないとは限らない罠
>>766
誉めすぎ。嬉しいけど。今も下手だけど140のときはもっとド下手。
>>767
続きが書けない話だったりする。
>>768
その話のほうが面白そう
77128th ◆5FYDyecs:02/04/13 21:07 ID:???
>>754おお、気づかなかった
すみませぬ 多分、改行されていたからだと思う
凄く悲しい結末でした・・・
思わず泣いちゃいましたよー
文章が綺麗で感動もひとしおです
アグを除名したことがあるような不届き者はこのぐらい想像して悲しもう。
77428th ◆5FYDyecs:02/04/13 21:23 ID:???
詞にしたんですか。
雰囲気違く戸惑いました。
反復法ってやつですか。
>黒魔たん

たぶんラムザ手ぇ出してる
いくらあの性格でも
この状況だモンなあ
萌え
77628th ◆5FYDyecs:02/04/13 21:37 ID:???
少しづつ戻ってきた・・・
びつくり
みんなは連れて逝くタメグチラムザ
スリプルを書けた方が早い
うちの大魔導師ラムザ
ターン進行で目醒ますだろ
78028th ◆5FYDyecs:02/04/13 21:59 ID:???
薬も同じでは?
そんなに早く目を覚ます睡眠薬聞いたことない
>>781

アグたんはファイジャくらっても
メテオくらっても
アルテマくらっても
平然と聖剣技繰り広げるお方なので、薬にもそれなりに強いのです
……それなりに。
78328th ◆5FYDyecs:02/04/13 22:07 ID:???
>>781チョコボ参照
78428th ◆5FYDyecs:02/04/13 22:13 ID:???
>>387
この時点で石化銃持たせるのが最善かと
ふーん
それでSS書く人にそれやれっていうのか?
ゲームにあくまでも忠実にやれってのか?

人が死んだらクリスタルか宝箱にしろってのか?
ジョブマスターした特技全部使えるキャラ出せっての?

くだらねーし、つまらねーイチャモンつけるな。つーかマジつまんね。
FFTなら夢邪睡符だろうが。ベイオウーフ呼んできてスリプル!かよアフォ。
78628th ◆5FYDyecs:02/04/13 22:19 ID:???
>>785そうは言っていないと思うのだがな
つまらなくどうでも良いことではあるのだけれども
>786
煽ってる煽ってる やめれ
頭冷やせss読んでしっとりしろ。
78928th ◆5FYDyecs:02/04/13 22:28 ID:???
気を付けます・・・・・・
79028th ◆5FYDyecs:02/04/13 22:36 ID:???
ところで、
堪えきれなくてTやりました。
アグリアスゲスト出演まで進んだんですけど
CPUは何もしてくれない・・・
軽く擦れ違いかなと思うけど。
ゲストにやくにたつやつあんまりいない。
期待しないこと。
79228th ◆5FYDyecs:02/04/13 22:56 ID:???
先が長い・・・
初めてプレイしたとき アビリティ忘れやがって と憤ろしかった
Tの腐れきった世の中と 忠義に妙に惹かれて今に至る
卵を抱えて途方に暮れるアグたん萌え。
>>775口付けくらいはしてるだろう
やったかどうかは・・・
してないことキボンヌ
もっと!もっとSSを!
スレ終わりまでにあと3つほど!
そんでもって次スレ(行くのか?)でネタが切れるという罠
797れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/14 01:36 ID:???
はー…切なくなりました。黒魔道師氏には頭が上がりません。

この続きはこーなってほしいなとか個人的にはあるんだが、
それはそれで興を殺ぐのでやめとこう…。
ああ!れっどふぉーど氏ハケーン
SS書いてちょ
79928th ◆5FYDyecs:02/04/14 02:18 ID:???
スレ終わらないで欲しいな 例えネタが尽きようとも
800いつ花黄川人 ◆4xALiNDA:02/04/14 03:23 ID:???
800亜愚理
第2章でゲスト出演するアグたんにヘイストかけると大活躍してくれて(・∀・)イイ!!
おれはあのゲストアグたんにはヘイスト、プロテス、シェルかけて、
体力減ったらすぐにケアルかけてるよ!
ヘイストアグたんつえ──っ!
みんなもそうしてるだろ?
>>801

もちろんだYO!
アグは絶対贔屓すべし(;´д`)
>>顔無し黒魔さん
切な過ぎる、幕引きです。
でも、よかったです。(読後、少し鬱入ったけど……。しかし、それも作品に魅せられてのことだし)
思うに、顔無しさんは、ノーマルエンド・トゥルーエンド好きなのかな?
灰色エンド好きって、もの書きには多いみたいだけど。
804白魔導師(出張帰り):02/04/14 17:44 ID:???
chapter 1.8 旅立ちに向けて

静かな森に、チョコボの鳴き声が時折木霊していく。
深い深い夜が、月とともに沈み朝がやってくる。
生命の誕生の如く、ゆっくりと昇っていく太陽を一人の青年が望む。
獅子戦争終結から1年後の物語。
異端者としてこの世を去ったラムザのこれからの物語が綴られていく。

その横には、金髪の女性が寄り添い子供の用な寝息をたてている。
ラムザは、朝日に照らしだされていく彼女の顔を見つめていく。
「アグリアスさん・・・・」

顔にかかる朝日に、愛する人とは違う暖かさを感じたアグリアスは、ゆっくりと目を開けていく。
手で朝日を遮り、横を向くとそこには変わることのない愛を誓った青年がいた。

「ラムザ・・・・ずっと起きていたのか?」
「ええ・・・」
朝日を見るその顔を、愛おしく見つめるアグリアス。
「そうか・・・・・」
「アグリアスさんを見ていたら、朝になってしまいました。」
「・・・・・ありがとう。」
普段は、自分のことを言われると照れてしまい話を逸らすアグリアス。
しかし、この時はそんなことを微塵にも思わなかった。
一言一言に、幸せを感じていた。
そして、アグリアスもまた、ラムザとともに朝日を望む。
805白魔導師(出張帰り):02/04/14 17:44 ID:???
「ラムザ・・・昨日言った事、覚えているか?」
「えっ?」
朝日を見つめるアグリアスの口から出たのは、一つの言葉だった。
「寂しかった・・・・」
「あっ、ええ、覚えてます。アグリアスさん」
「そうか、それならいい。」
会話が終わり、アグリアスはラムザの横顔を見つめる。

少し疲れているような表情が見え、アグリアスは、心配そうにラムザに問いかけた。
「ラムザ、寝た方がいいのではないか?」
アグリアスの心配そうな声が続く。
「熱でもあるのではないか?」
ラムザは、何も答えない。ただ、朝日を見つめている。

突然、アグリアスはラムザに顔を近づけ、額を重なり合わせた。
普段は、こんな事をしないアグリアスを見て、少し戸惑いながらも黙って受け入れるラムザ。
「アグリアスさん・・・・」
「黙っていろ。ラムザ・・・・」
目を瞑りラムザを心配する顔が見える。
それを見、ラムザも噤みアグリアスを見つめる。

母の温もりのような暖かさが、額から伝わっていくのを感じるラムザ。
徐々に瞼が重くなっていくのを止めようと努力をするものの眠気はラムザを包んでいった。
806白魔導師(出張帰り):02/04/14 17:44 ID:???
「安心して眠れ、ラムザ・・・・・」
アグリアスの声が耳に入り、今まで抵抗を続けていた眠りを受け入れる。
ラムザは、頷き目をゆっくりと閉じていった。
普段は感じることのない安心感を、背に眠りにつくラムザ。

額をあわせて、何分くらいだろうかラムザの寝息を確認するアグリアス。
そっと目を開きラムザに、軽くキスをする。
1年前は、はっきり見えなかったその姿を1年後の昨日、アグリアスははっきりと確認できるようになった。

「安心して眠れ・・・・愛するラムザ・・・・」

ラムザに膝枕を提供するアグリアス。そして、羽織っていた毛布をかけラムザの寝顔を見る。
「今度は、私が見る番だ。ラムザ・・・・」
普段は、得ることがない安息を、アグリアスは噛みしめていく。

太陽は、刻一刻と昇っていき、当たりを照らし出す。霞も晴れていき森に朝がやってきた。
二人の朝は、もう少し後だろう。それよりも今を楽しむラムザとアグリアスがそこにはいた。

膝に見えるのはラムザの寝顔。愛おしい人の姿。
一生離れたくないと言う気持ちが、アグリアスの胸に広がっていった。

「もう、一生離さないでくれ・・・・ラムザ・・・・・」

end
807白魔導師(出張帰り):02/04/14 17:46 ID:???
なんかこない間に、色々とあったみたいですね。
黒魔さんの新作が、みれてとてもよかったです。
アグ姉の思いがヒシヒシと伝わる感じがとても良かったなぁー。
これからもがんばってくださいねー

今回は、短くてすいません;;では、また〜
808白魔導師(出張帰り):02/04/14 17:56 ID:???
>721
荒木飛呂彦なせりふ回し・・・・漫画を読まない私には
どう受け止めたらいいのかよくわからなく・・・・
でも、ほめて貰っている(笑)のはわかるのでありがとうです!

急きょ書いた、アグ姉の小説(ホーリーナイトのあれ)はやっぱり
設定に無理がありすぎでしたね。自分でも読み返し反省;;
やっぱり、1,2時間でばーっと仕上げるのは私にはまだ無理のようですね;;
これからは、マターリとしていきます=-
>>808
漫画ってことはわかってるんだね
JOJO!!
>>785
やってみました

夕日に背を向けて大剣を油断無く構えたメリアドールが
ゆっくりと階段をすり足降りてくる。
乱戦になり、お互い死力を尽くした戦闘の結果。
残っているのはメリアドールとアグリアスの二人だけだった。

そしてお互いの体力も少ない、次の一撃をどちらが先に繰り出すか…
それが勝負を決するはずだった。
アグリアスは後ずさりながら、横目で仲間の一人が倒れている事を確認すると足を止めた。
メリアドールは階段の上から慎重にアグリアスを観察する。

(こうも簡単に太陽に背を取らしてくれるとは…
所詮、お上品な騎士様といったところか)
メリアドールはさらに心理的に優位に立とうとアグリアスに揺さぶりをかける。

「どうした?後ろに後生大事に倒れた仲間を抱えていても
なにもできんだろう、それとも陽動のつもりか?お前がレイズもアイテムも仕えない事
は知っているぞ?」

アグリアスの額に汗が浮かぶ、うまくいくだろうか?可能性は半半だ。
だがもう少し…もう少し時間を稼がなくてはいけない。まともにぶつかっては自分の
方が遅い…後もう少し…。

メリアドールはせせらわらって挑発を繰り返す
「それとも…なんだ?そいつはお前の男なのか?そんな状態でも男がいないと
戦えないか?」
アグリアスの顔が一瞬怒りで染まるがやはりぴくりとも動こうとしない。
(まだだ、もう少し…も少しこっちに近づいてこい…そう…そこだ)
「神殿騎士という輩は…仇を取るのに腕より口をうごかすのか?」

アグリアスの言葉にメリアドールの動きがぴたりと止まる。
殺気が増し、二人の間に横たわる幾が急速にちぢまる。
メリアドールの姿がゆらりと動いて太陽の中に消え、眩しさにアグリアスが
目を細めた時を見計らいメリアドールが動く!

「くらえっ、星天…」
だがその瞬間アグリアスが身をかがめる、
同時に後ろの男がクリスタルと化し
夕日を浴びたそれは七色の光を放ちながら
メリアドールの視界を直撃する。
「なっ!?」
一瞬の、しかし致命的な怯みが生まれる。
「命は無常にして惜しむべからず…不動無明剣!!」
アグリアスはその機を逃さず己のもっとも得意とする技を相手に叩き込む。
メリアドールはその一撃を受け、どう…と音を立てて崩れ落ちた。

「く…まさかそんな機会をねらっていたとは…」
「確率は半半だった、宝箱になったのでは意味が無いからな」
アグリアスは剣を収めると勝ち誇るでもなく淡々と答えた

メリアドールは負けを認めるとよろよろと立ち上がり
ダテレポでこの場から去ろうとしたその時、
ある事に気づき神妙にアグリアスに問い掛ける。

「あの…一言…いいかしら」
アグリアスは目で先を促す
「…それ…ラムザじゃないか?」
「え?」
あたりを見回すアグリアス
「……えええええっ?!」

「し、しまった汎用キャラじゃなかったのかっ、お、おいラムザ?おーい…」
必死にクリスタルに向かって叫びつづけるアグリアスをしりめに
あたりにはかなしげな音楽と
空に大きくGAMEOVERの文字が浮かびあがっていた…
814785:02/04/14 20:36 ID:???
>811
正直笑った(w
職人はやっぱ貴重だよな
変な書き込みして雰囲気悪くして
他のスレに移られるとスレの損失だもんな
816785:02/04/14 20:47 ID:???
でもよく考えたら汎用キャラなら容赦なくクリスタルにしてるわけだよな・・
残酷アグage
最萌の次の相手ビアンカだ…
(;´Д`)激しく欝…

支援の神降臨期待アゲ
原作に忠実でうまくまとまっていて、おもしろい!
ラムザ死んだら、アグリアスの冒険として続くのだろうか・・・・
>>811-813
リアリティ?があって面白い。
ワラタよ。
そして結局忠実ではないという罠

sageるぜ?
なんかこのスレが上がってると落ち着かないな。
>>811-813
ワラタ
>>817
たしかに、ビアンカはかなりの強敵だね。
向こうは支援画像を大量に放ってくるだろうからなあ。
こっちも支援画像を投下するしかないんだろうな。
でも正直、アグたんのエロ画像なんてあんま見たくないんだけど。
イメージ壊れちゃう。
萌えスレなのにここにはほとんどエロがない(w
俺もエロ絵見たくない。見てもイメージ合わなかったりするし。ピンとこないな。
まあ負けたら負けたでまたーりしよう。
実は見たい、見たいんだがこの擦れの雰囲気
でそれを言い出すのは辛すぎる。
まあ自業自得だし。
この雰囲気も好きです品。
なんか姑息な作戦考えてみます?
前半まったく投票しないで相手を惑わせておいて
後半一気に追い上げるとか(w
>>505
しっとりするRAGE氏に萌え
>824
実は見てみたい824氏に萌え
>825
いたずら好きな825に萌え
支援になるような、アグたんのイラがたくさんある
サイトとかってないかなあ……
同盟とか……
(っていってもFFTの同盟って少ないのか)
ttp://www.where-i.net/~orpheus/ring/

探してみる・・?つーかすくねー・・
一日中戦闘に明け暮れたアグたんの、汗でじっとりと湿ったブーツの中のにおいを、
思いっきりクンクンしてみたいのれす・・・・・。(;´Д`)ハァハァ・・・
>>829
そういうSSを書いてみたら?(w
83228th ◆5FYDyecs:02/04/14 23:20 ID:???
Agにすべてを!!・・・
>>811-813

未だかつて見た事の無いSSの形で、新鮮だったじょ。

……最近来てなかったんだが、何かもめてたの?
ここはいつでもマターリ良いSS読めるから好きですよ。
職人さんありがとう。

ところで、ビアンカって誰?(スマソ)
「ビアンカって誰?」・・・・・・か
あれは萌え者の反感を買ったみたいだな
ビアンカへの侮辱と 映ったか
>ところで、ビアンカって誰?

マジで知らんのか!?(;´д`)ノ
>>834
気分を害したらスマソ。
>>835
本気で知らない。FFは7.8.9.10。DQは4のみしか知らないので。

そんなに人気のある人なのか・・・・。
>>836
もちろんTも入ってる。
ビアンカって私のやったゲームの中にはいなかった(と思う)。
838835:02/04/14 23:46 ID:???
>836
DQ5のヒロイン
一番と言っていいほどの強敵です……
>>838
そうか・・・・。
アリーナが一番の強敵かとふんでいたのだが。
まだまだだなぁ。逝ってきます。。。。
(ベアトリクスも一緒に応援しているもので・・・)
84128th ◆5FYDyecs:02/04/15 00:16 ID:???
パッケージもビアンカじゃなかったっけ
アグリアスは台詞もいいな
>>840
ウザくない。
いや、むしろイイ!
良いのと
悪い奴の波が
846顔無し黒魔導師:02/04/15 01:45 ID:???
割り込みスマソ。

>772・803さんなどへ
803さんのレスに?ついてたので一応返事。

FFTのエンディングは心残りが大変多いです、俺的には。
映画とかもそうなんだけど受け手としてはそういうの悔しかったりする。
もうちょっとどうにかしてくれぇ〜と思ったりします。
そういう感情をSS読んだ方へもれなくお裾分けしましたのです。へへ。うへへ(w。

それと「なんでテメーの書くラムザはアグにため口きいてんだゴルァ」と
前からおっしゃられてる方がおられるようですね。すいませんね、アグスレなのに。
生意気ラムザで。敬語使わなきゃ駄目ですよね。

あなたが書くときはそうしてください。
>846
モツカレー


>顔ナシ
>そういう感情をSS読んだ方へもれなくお裾分けしましたのです。へへ。うへへ(w。

むがーーーーー
ちゃんと届いてるYO!!
しかも以前の話とも繋がってるのね・・・

漏れが求めていたのはも(あまりに厨なので略)

次作に期待。
848847:02/04/15 03:07 ID:???
>845

>846ですた
849847:02/04/15 03:10 ID:???
じゃねぇ
>846

>845だ
スレ汚しスマソ氏にます
>836
>834はスラダンネタと思われ。
>836
>834はスラダンネタと思われ。
852ジョブに忠実に 1/2:02/04/15 11:41 ID:???
「あ!あれはメリアドール!!」
「やばいな…こないだ失敗したから更に復讐に燃えてやがるぞ、ラムザ。手下も
 今度は屈強の男共だし。」
「ムスタディオ、君の狙撃でメリアドールの手足を止められないか?」
「ダメだラムザ、向こうのハイトが高すぎる!迂闊に近付くと銃を破壊されそうだし…」
「くっ…そうだ、アグリアスさん!!」
「何だ、ラムザ。」
「確か『装備変更』可能でしたね!」
「そうだが?」


「脱いで下さい。」
853ジョブに忠実に 2/2:02/04/15 11:42 ID:???
「なっ・・・・なななな何だとぉ!!!!!??????」
「アグリアスさんが脱いで近付けば、メリアドールの剛剣を無効化出来ます。」
「き、貴公が脱いでもそそそそれは同じではないのか?」
「僕にはハイト無視の聖剣技は使えません!それに、アグリアスさんが脱いで近付くことで
 メリアドール以外の相手に『チャーム』効果が出るかも…第一、防具無しの状態で他の
 敵にやられても多少のことではビクともしない、こんな大事な前線を任せられるの
 はアグリアスさんだけなんです!」
「く…わ、分かった…。騎士たる者、仲間の為に犠牲を払うのは当然のことだ…」



「なあラムザ、、、」
「何?ムスタディオ。」
「よくよく考えたらアグリアスの剣がメリアドールに壊されたら無意味なんじゃないの?」
「大丈夫だよ、アグリアスさん『メンテナンス』もセットしてるから。本人忘れてる
 みたいだけど。」
「…それって脱ぐ必要も無いんじゃ…」
「アグリアスさんには内緒だよ♪」



 ちなみに自分は全裸状態のシーフムスタディオに狙撃セットでメリアドールに
近付けて、素手で狙撃させた挙句にシャンタージュその他一式頂いてました・・・。
シリーズ化したのか
鬼畜王ラムザ誕生
SSの量の関係もあるんだろうけど最近早いねスレ進むの
次スレタイトルはぜひ
《アグリアス様に萌えるスレ Part3》のあとに副題が欲しいな
なくてもいいけどできれば・・・
SSの量が多いのはいいことだー

……副題か。
つけると、字数がメチャメチャ多くならないか?
アグリアス様に萌えるスレ Part3 だけでも結構長いし
アグリアス様に萌えるスレ Part3 偽らざる者〜石頭〜
859れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/15 21:25 ID:???
ここへきてセクハラネタで申し訳ないが…唐突に思いついてしまったので。

ムスタディオ「…なあ。浮遊移動って…」
ラムザ   「ん? 浮遊移動がどうかしたの?」
ムスタディオ「飛ぶんだよな? ふわふわと空を歩くんだよな?」
ラムザ   「そうみたいだねぇ」
ムスタディオ「大岩だろうと谷間だろうと飛び越えていけるんだよな?」
ラムザ   「だからそれがどうしたの? ムスタディオ」
ムスタディオ「…あのな。女性陣全員にそれ覚えさせようぜ」
ラムザ   「え…? どうして?」
ムスタディオ「はーっ…ほとほとお子様だなお前は。
       あのな、例えばアグリアスが俺達の上を浮遊移動してみ?」
ラムザ   「…(想像中)…う、うわぁぁぁぁぁ!?(動転中)」
ムスタディオ「な? な? な?」
860れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/15 21:26 ID:???
ラムザ   「ぼ、僕の真上…ッ…は、鼻血が…」
ムスタディオ「ラムザにゃ刺激が強すぎたかな…けど、いいだろ? な?」
アグリアス 「…きぃ〜さぁ〜まぁ〜らぁ〜…?」
ラムザ   「! ア、アグリアス…さん?」
アグリアス 「ムスタディオ…貴様、私に浮遊移動を必死にすすめていたのは
       そーゆー不埒な下心あってのことなのだな…?」
ムスタディオ「…あ、あああ…ラ、ラムザあとは任せたッ!」
ラムザ   「えーっ!? どうして何もしていない僕が!」
アグリアス 「待てムスタディオ!
       せっかく覚えた浮遊移動だ、有効活用させてもらうぞ!」
ラムザ   (っていうか鼻血が止まらないよ…上向いていよう…)

  ──アグリアス、真上を向いたラムザの真上を浮遊移動。

ラムザ   「…ぶっ…(どたーーーん)」
アグリアス 「…ラ…ラム…ザ…? み、見たなッ! 貴様見たなーーッ!(赤面)」

  ──この後暫くラムザはアグリアスに口をきけなかったそうです。ちゃんちゃん。


ごめん、逝ってきます。
861れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/15 21:28 ID:???
ああ、アグリアス様そもそもスカート履いてねえ…鬱出汁脳、マジ逝ってくる。
862RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/15 21:35 ID:???
次スレ禿希望。すごく聞かんが空いても、導師たんは
戻ってきてくれたし…白魔たんもおるしれっどふぉーどたんも…
ボカァ幸せモンです。勝手に。

>>861
天然アグたんゆえの浮遊移動ですな。そこで上通らんでもエエのにw
863顔無し黒魔導師 :02/04/15 21:44 ID:???
>>858
それだあ!!
>>859
こういうの無茶苦茶好き( ̄ー ̄) ニヤリ
続けて続けてー
>>962
道師たんっておいら?
道師たん(´Д`)ハァハァ
の導師たんかと思たよ
RAGEたん(´Д`)ハァハァ
>>862
写真みたよハァハァ
>>859-860
おれもそういうネタまじ大好き。
ツボにキタ−−−−−(゚∀゚)−−−−−!!
866名前が無い@ただの名無しのようだ:02/04/15 22:37 ID:oTZ2U7Ug
>そういう感情をSS読んだ方へもれなくお裾分けしましたのです。へへ。うへへ
>>顔無しさん

うっわ。いじわる。
・・・。
でも、そんなイタズラ心は好きだなぁ。
そういう感覚も持っていないと、面白いものは書けませんよね。
(予定調和だけで構成されたの作品の、なんとつまらないことか)
867803:02/04/15 22:38 ID:???
すみません。
AGEてしまいました。
868チャペルナイト:02/04/15 22:51 ID:uZD3uMYA
へたれですが、ここの凄い小説みて感謝の意を込めて寄付させていただきます

「アグ姐ってイイよな。結構すきだなぁ」
酒場でムスタディオがふいにこう言った。
僕は手に持っていたグラスを床に落とした。
グラスは音をたててわれる。
ムスタディオが驚いて席を立ち、「どうしたんだよ?!」と僕の顔をのぞきこむ。
「なんでもないよ」と笑って言いたい。
けれど、体は鋼鉄のように硬い。
言葉は鉛が沈んでいくように声にならない。
こんなに顔がかたまることなんてはじめてだった。
いままでいろんな戦いも乗り越えて来れたのに、僕はムスタディオと戦う?
なんのために?答えはわかっている。
彼女をあ・い・し・て・いるから。
わかる問いを僕は心の中で問いつづけた。
答えはだしたくはなかった。
あれ・・終わり?
870チャペルナイト:02/04/15 22:58 ID:uZD3uMYA
数日たったころには、普通に話しをすることができるようになった。
けれど心の中はもやもやしている。
ムスタディオは歳も近いし、親友といってもいいから
僕の心がわかったんだろう。
怪訝な顔で僕をみている。
僕はその顔になにも反応できない。

戦闘がおわってマンダリアに野営の準備をしていたとき、
ムスタディオがアグリアスさんを呼び出した。
二人は去っていく。
少しして、森をぬけ、開けた所で二人は歩をとめる。
僕はいつのまにか二人を追いかけてきていたことにようやく気がついた。
(ラムザ、おまえはなにをしている?)
僕の中の僕が聞く。
沈黙がながれている。
とりのさえずりと、木々のざわめきがさわさわときこえる。
沈黙をムスタディオがやぶった
871チャペルナイト:02/04/15 23:03 ID:uZD3uMYA
↑省略されてる!(がーん)
続きます!

「・・・」
まるで士官候補生のとき、先輩ナイトが会話していたときのような
小さな声。けれど何を言ったのか不思議と聞こえた。
今までにもないくらい六感が冴えて・・・。
「・・ありがとう」
思いにふけっているうちに彼女がよく響く声を発する。
その瞬間ぼくは走っていた。
テントに戻って、気持の整理をつけようとしていた。
確かに彼女は『ありがとう』と言った。
小さな声ではない。
「二人を祝ってあげよう、僕がやらなきゃいけないんだ」
何度も声に出して自分を説得した。
けれどできるわけがない。
はじめてあったときからあったほのかな思い。
こんな時に、こんなに遅く気づくなんて・・・。
87228th ◆5FYDyecs:02/04/15 23:12 ID:???
そうか、もうすぐ900だもんね・・・
873チャペルナイト:02/04/15 23:18 ID:uZD3uMYA
しばらくしてテントにムスタディオがやってきた。
「ラムザ、いるか?」
「なに?どうかした?」
うっすら浮べた涙を拭い去り必死に作り笑いをする。
「あのな・・・俺・・・」
「おめでとう!!」
「はぁ?」
「アグリアスさんとつきあうんでしょ?!今夜は祝杯だなぁ!」
聞きたくなかったから、必死に自分を殺してはなす。
自分が何を言ってるかわからない。
こうでもしなきゃ僕は自分が戦線離脱でもしなきゃやっていられない。
「俺、ふられたんだけど・・・?」
「はぃ?(−−;」

それから僕とムスタディオは話しこんだ。
彼は確かに告白は、した。
「ありがとう」には続きがあったそうだ。
「ありがとう、けれど、大切な人がいる。私は騎士だ。大切な仲間を、
民を、特別な誰かを守る事が使命。”特別”がもう居る。すまない」
と・・・。
特別な誰かはオヴェリア様だろうか。
874チャペルナイト:02/04/15 23:18 ID:uZD3uMYA
敵は強敵だ!王女様であっても、ムスタディオと戦うのよりは
勝率は・・・すこしは・・・。
ないかも。
(この野暮天。最後の言葉はぜってーおしえてやんね)
と、そっとつぶやいたのはムスタディオだったとか。
ラムザは対オヴェリア戦のタクティクスを作っている。
六感はどこへやら、聞こえるはずもない。

「すぐ近くにいて、いつも私を守ってくれている存在。命を削っても。
金の髪の少年・・といえばおまえにもわかるだろう?」
彼女の笑顔にムスタディオは黙ってうなずいていた。
納得した表情で

        end
駄作です。高校生の駄作捧げます!
875無垢:02/04/15 23:35 ID:???
意味
なんか可愛いSSだね( ̄ー ̄) ニヤリッ
なんとピュアな萌えだろう
正直、俺の趣味には嬉しいSS
878無垢:02/04/15 23:47 ID:???
>871
「・・・」
まるで士官候補生のとき、先輩ナイトが会話していたときのような小さな声。
・・ってとこ。ウケタ。
前スレからずっと
アグたんのブーツ嗅ぎたい(´Д`)ハァハァ
と言ってるひともいればチャペルナイトさんみたいな人もいる、と

だから素晴らしいアグスレ
両方(´Д`)ハァハァ
アグ様をお守りできるなら足蹴にされてもイイ!
881無垢:02/04/16 00:14 ID:???
ライオネル城から一人逃げるアグリアス萌えをかいてくれ!
>>881
そういう時は作家を指定するんだよ!
でも希望がかなうとは限らない罠
ありそでないもの・・

「ムスタディオに萌えるスレ」
「ラファに萌えるスレ」
「レーゼ(ドラゴン時)に萌えるスレ」など作られてもいかないけど・・
いや 行くかも・・

次スレ希望
884884:02/04/16 01:18 ID:vqX4kWAU
いちおゲットさせて下さい。
885884:02/04/16 01:20 ID:???
魚輪ーあげてしまった
((((´Д`;))))ガクガクブルブル
氏,氏ぬしか
「ラファに萌えるスレ」バリンテン登場か?
むっ、agaっている!?
そして前スレ884さんハケーン!!

>>881 さんに代わって
>ライオネル城から一人逃げるアグリアス萌えをかいてくれ!
を希望してみるtest
888 GETォ!!
アグに捧ぐアグ
884さん!?!?!?

あんた好きやー!!!!
890884:02/04/16 03:59 ID:???
>>881、887
と言うとこんな感じの展開ですか?
セクハラですか?ですね?好きだと言われた直後にこんなの書いてしまいました
すいません、氏にまし

ライオネル城、礼拝堂。
ライオネル領内でもっとも荘厳で神聖な礼拝所であるはずのそこから、
今、静寂を破る怒声があがっていた。
「いったいどういう事です!枢機卿!」
アグリアスが声を荒げる。
聖なる祭壇の前で祈りを捧げていたドラクロワ枢機卿は祈りを中断すると
ゆっくりと振り向いた。

「どうしましたかな、アグリアス殿」
その顔には神の羊達を安堵させる微笑みがいつものように浮かんでいる。
しかし今のアグリアスにはその顔が奇妙に作り物めいて見えた。
「なぜオヴェリア様とあわせてもらえぬのです」
「もちろん警備上の問題ですよ…、アグリアス殿」

アグリアスは困惑と怒りのないまぜになった状態で抗議を続ける。
「なっ…私は近衛騎士の一人として元老院から直々に護衛の命を受けた身です!」
「もちろん…あなたの王家への忠誠にいささかの懸念があるわけではありません」
枢機卿は答えながら直立不動で立つアグリアスの方にゆっくりと近づく。
891884:02/04/16 04:02 ID:???
「それならっ!」
「しかし、殿下をこの城にお迎えした以上…たとえ聖騎士であるあなたとは言え
特別扱いするわけにはいきません…」
枢機卿はアグリアスの横に立つとその手をとった

「…どういう…意味です」
なぜかその感触に寒気がするほどの嫌悪を感じたアグリアスは、
思わず言葉を詰まらせる。
「いえ…あの者達には武器を持った者をを殿下の部屋に近づけぬように厳命しております」
枢機卿はアグリアスの肩に手をまわしながら微笑みを崩さず囁きつづける。
アグリアスは凄まじいいまでの嫌悪感に吐き気すら覚えたが、何とかそれを押え込むと
必死に言葉をつないだ。

「ならばっ…武装解除でも身体検査でもなんでも気の済むようにしたらよいでしょう!」
枢機卿はその言葉を聞くと初めて今までの微かな微笑みを崩しあからさま笑顔を浮かべた。
「しかし…この城には端女の類も含めて女性の類はあなたがたの他にはおりません…」
顔をアグリアスの耳元にまで寄せて囁く。
アグリアスの体が気色の悪さに震えるはじめる。

「仮にも…聖騎士である貴方が、ただの世俗の男に体を弄られるとは…なんとも背徳的な行為ではありませんか…」
突然、ドラクロワ枢機卿が手をアグリアスの太ももにのばし、撫で回す。
「すっ枢機卿?」

突然の枢機卿の乱行に動転し、言葉を失うアグリアス。
「それぐらいなら…いっそのこと私が…」
腰にまわした手に力を込め後ろからアグリアスを抱きすくめる。
「なっ…」
892884:02/04/16 04:03 ID:???
アグリアスは必死にもがくがその手はびくともしない、いくら枢機卿がかって戦場の勇士であったからと言っても、その力は異常すぎた。
そしてアグリアスの首筋に枢機卿の唇が触れたとき
「っ戯れはおやめ下さいっ!!」
反射的に怒りを爆発させたアグリアスが手加減の無い一撃を枢機卿に向かって放つ。
しかしその容赦の無い一撃をこともなげに受け止めると、枢機卿はするりとその身を放し
少し離れた所に立つと再びあの微笑みを顔に貼り付けた。

「…っ失礼いたします…」
その顔を少しの間にらみつけた後
アグリアスは息を整える間もなく、簡素な一礼をするとその場から駆け足で退出した。
それを見届けると枢機卿の顔から一切の表情が消えた。

「ふん…ようやく不審を抱いてくれたか、鈍い物だな」
枢機卿の独り言かに思えたが、後ろに答える者が居た
「しかたねえさ、今まで上を疑った事がないって面だ」
ついたての後ろから、ぼやくようにしゃべりながら黒鎧の戦士が姿を現わす

「お前がその顔を見せれば早かったのではないか」
「いくらなンでもそれはあからさますぎンよ、後は北天の紋章でも軽く見せてやればいい」
「ならさっさと餌場の用意を済ますのだな」
「あンたに言われなくとも」
そういって背を向けたガフガリオンに後ろから顔も向けず訪ねた。
893884:02/04/16 04:04 ID:???
「ベオルブ家の放蕩児はどうするつもりだ?」
「さてね、あンたに関係あるか?…まあ俺は聞き分けの良いガキはそンなに嫌いじゃない」
「聞きわけが悪かったら?」
「おいおい、そんなもンひとつしかないだろ?」
「ならば良い」
「ふん…」
鼻を鳴らしガフガリオンが出ていくと枢機卿は誰も居なくなった礼拝堂で
今度は正真正銘の独り言を呟いた。
『くく…これだからヒトという物は楽しませてくれる…』
894884:02/04/16 04:32 ID:???
(;゚Д゚)アレ?…ていうかまだ逃げ出してないですな…
えーと、まあ、今、カオナシさんにおながいされてからコメディ系ですけど
コツコツSSかいてたんですけど
どっち先にしましょう?ねえ?

>>708
あれは、あれ以上やるとエロイことになってしまうので
やらんと思います。

>>706
自分的には旧時代に幕を下ろしてしまったと考え
いつ叩かれやしないかと昼夜((((´Д`;))))ガクガク震えていますが

>>706
とりあえず今回も884取っといたのでしばらくは問題なく884です
895884:02/04/16 04:34 ID:???
ゴメソ、下の706は>>748
884たんマンセー!!!!!

ちらりと入るエロに萌え
こりゃもう((((´Д`;))))ガクガクする必要なし
コメディ系かあ……気になる……
897顔無し黒魔導師 :02/04/16 09:46 ID:???
>884師匠
おひさでやんす

>今、カオナシさんにおながいされてからコメディ系ですけど
>コツコツSSかいてたんですけど
>どっち先にしましょう?ねえ?

じゃおいらが頼んだほうを先に………(w
ってのは嘘ですけど(w

あんまりネタが集中するともったいないので
まだ発表してないほうのSSは次のスレに持っていくってのはどうです?
おいらのお願い聞いてSS書いてくれてるんですね?
ありがとうございます。楽しみに待ってます。

師匠、おいら少しは上達してるかな?
http://curry.2ch.net/warhis/
http://curry.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1018846758/

三國志・戦国板に支援を約束して協力を仰がないか?
うーん、後々面倒になりそう………
できればフェアにやりたい。そこまでして勝たなくても、と思うのだが。
「正式な騎士でもない輩の手助けなどこちらから断る!
自分の失敗は自分の力で補うのが騎士というもの。これは我々護衛隊の役目だ!
行くぞ、ラヴィアン、アリシア! 」
だ、そうです。900GETおめでとう
902れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/16 20:31 ID:???
調子に乗って前回の続き書いちゃいました…お目汚し。

ラムザ   「…あ、あの…アグリアス…さん」
アグリアス 「な、なんだ? ラムザ…」
ラムザ   「…あの…その…あのときは、ご、ごめんなさい…」
アグリアス 「ま、まだ気にしていたのか…もう、忘れてくれていい」
ラムザ   「いや…僕、ムスタディオとも相談したんだけど…やっぱり…
       男だったら責任をとれ、って…(赤面)」
アグリアス (せ、責任…ッ!? ってラムザおおおお前…ッ!?)
ラムザ   「それで…僕、何をすればいいんでしょう?」
アグリアス (ああもう、解ってないのに言うんじゃない!
       …っていうか、まさかラムザ私に言わせる気か…ッ!)
ラムザ   「あの…アグリアスさんの好きなように…なんでもしますから…」
アグリアス (好きなように…ッ!? ラムザ今自分が何を言っているのか解ってるのか!?)
ラムザ?  「あの…アグリアスさんの好きなように…なんでもしますから…」
アグリアス (げ、幻聴か!? い、いかんいかん、へ、平常心平常心…!)
ラムザ?? 「あの…アグリアスさんの好きなように…なんでもしますから…」
アグリアス (ま、まだ聞こえるッ!? み、耳に焼き付いて離れない…!?)
ラムザ???「なんでもしますから…なんでもしますから…なんでもしますから…」
アグリアス (ああああエコーが! エコーがッ! な、なんでも…なんでもぉぉ…)
ラムザ   「あの…」
アグリアス 「も、もういい! いいから…ッ! ラ…ラムザ落ち着けッ!?」
ラムザ   「いったい…」
アグリアス 「ラムザ…?」
ラムザ   「いったい何をしてるんですかッ!」
903れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/16 20:31 ID:???
アグリアス 「え…!?」

──アグリアス、ふと我に返るといつのまにか周囲にものまね士がズラーリ。

ものまね士1「(ラムザの声で)一体何をしてるんですかー」
ものまね士2「(ラムザの声で)ですかー」
ムスタディオ「(ラムザの声で)ですかー」                 ←ちゃっかりいる。
ラムザ   「みんな僕の声まねはやめてよッ!
       そんなにアグリアスさんをからかうのが楽しいの!?」
アグリアス 「フ、フフフ…揃いも揃って良い根性をしておるな貴様ら…(涙目」
ラムザ   「(ぞくっ)…はっ!? い、いけない! みんな逃げてー!」
ものまね士3「(ラムザの声で)みんな逃げてー!」
ものまね士4「(ラムザの声で)逃げてー!」
ものまね士5「(ラムザの声で)逃げてー!(泣」
アグリアス 「ええい逃がすかぁぁぁ!(泣」

──その夜、アグリアスは大勢のラムザに迫られる夢を見たそうです。

ラヴィアン 「ずーっと『ラムザ〜♥ラムザ〜♥』って譫言で呼んでました」
アリシア  「すっごい嬉しそーな寝顔でしたよー」
アグリアス 「嘘をつくな嘘をッ!(赤面)」

オチが弱い上に実は「浮遊移動」じゃなくて「飛行移動」だったという罠…首吊ってきます(汗
904顔無し黒魔導師 :02/04/16 20:39 ID:???
無茶苦茶ラブリー?
いや〜ん?
905顔無し黒魔導師 :02/04/16 20:40 ID:???
うげぇ
ハートマークがはいらねぇ
た、タグなのか………?
906884:02/04/16 20:56 ID:???
寸ません。どちらにしろ、続きは次スレになってしまいそうです。
自分の遅筆っぷりに泣けます。
>897
私、人の出来を云々言えるほどの者ではございませんが、
正直、カオナシさんが見たい物を見せてくれるので
自分で書く必要無くて楽でよいとか思ってました。
907884:02/04/16 21:05 ID:???
魚輪!
いちいちタイミングが悪いカキコミスマソ
れっどふぉーどさんのネタはアグリアスだけでなくラムザも萌えますな。
さすが、某スレでの実績が違(以下略)
涙目のアグたん萌え
いやむしろ天然ラムザ激萌え
>>900
「助太刀するのも騎士道だ!
と突っ込みたかったセリフです
とても懐かしいです
あ・り・が・と・う・・・
すみません
次スレは>>950踏んだ人がよろしく。
913れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/16 22:41 ID:???
ごめん…1000近いのにまた思いつきました…。

>>905黒魔道師さん
ハートマークはタグっす。試しに入れてみたとゆー感じです。
使おうか使うまいか悩んだんですが…なーんか、いまいちですねぇ。

>>907=884さん
ぐはっ…ご覧になってらしたんですか…。
て、黒魔道師さんも見つけてたみたいだし…(汗。
どうも私がラムザを書くと天然なお子様になってしまうの
媚び媚びかなーと思ったりするんですが…。次スレでは期待してます(w

しかし、チャペルナイトさんのSS見ると、
自分って汚れてるなぁとほとほと思います。
私みたいな大人になるなよーーーー(w
914れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/16 22:43 ID:???
ラヴィアン「ふう、ここってお風呂広かったわねぇ…(とんとん)入りますよ隊長〜」
アリシア 「っはー…気持ちよかったぁ。しかも今日は三日ぶりのベッドだもんねぇ〜」
ラヴィアン「子供じゃないんだから、もうちょっとおとなしくしてよ。…あれ? 隊長?」
アグリアス「…すー…すー…」
アリシア 「れ? 隊長ってばもう寝ちゃってる?」
ラヴィアン「そうみたいね…起こさないように静かにしよ」
アリシア 「うん」
ラヴィアン「…ところでさアリシア…あたしのお気に入りのあれしらない?」
アリシア 「ううん? あたしは昨日ちゃんと荷物に入ってたの見たけど?」
ラヴィアン「そうよね…っかしーなー…落としたのかな?」
アリシア 「隊長知らないかな? ねー、隊長隊長?」
ラヴィアン「ちょっとアリシア! 寝てるのに起こしちゃかわいそうよ」
アリシア 「……んー……」
ラヴィアン「それにしてもほんと何処行ったのかな…ほらアリシア、あたしたちも寝ようよ」
アリシア 「……ぷにぷに……」
ラヴィアン「…アリシア? 何してんの?」
915れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/16 22:45 ID:???
アリシア 「ねー…隊長の口唇って綺麗だよねー…」
ラヴィアン「…は? 何を唐突に…」
アリシア 「お肌も綺麗なんだよね。…なんでだろ?」
ラヴィアン「…ちょ、ちょっと…」
アリシア 「ほら、隊長のほっぺ、ぷにぷにー」
ラヴィアン「え、ちょっとそれほんと? ぷにぷに…ほ、ほんとだ…」
アグリアス「…ん、んんん…」
アリ+ラヴ「びくっ…」
アグリアス「…やぁめ…らめ…むにゃむにゃ…」
アリシア 「ね、寝言…? きゃーーー、隊長かわいーーー」
ラヴィアン「う…ちょっと…楽しい…かも…」
アリシア 「そういえば隊長の寝顔ってあんまり見たことないよねー」
ラヴィアン「…そ、そうね…。ううっ、うなじも綺麗だわ…うらやましい…」
アリシア 「ね、隊長に添い寝したら怒られると思う?」
ラヴィアン「…ど、どうだろ…いや、気持ちは分かるわよ? けど…」
アリシア 「まぁいっか、怒られたら怒られた、よ! 入っちゃおー(ごそごそっ)」
ラヴィアン「ええっ!? …ちょ、ちょっとアリシア…」
アグリアス「ん、うう…ん…んん!? (がばっ!) な、なんだ、何事だッ!?」
916れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/16 22:45 ID:???
アリシア 「あ、隊長…! お、起こしちゃいました?」
アグリアス「(ばっ)起こすもなにも…お前達! 私のベッドで一体なにをしていた…ッ!?」
アリシア 「添い寝ですが何か?」
アグリアス「そっ、そ、添い寝ってアリシアお前ッ!? わ、私は…」
ラヴィアン「あーーーーーーーー!!」
アグリアス「(びくっ)…こ、今度は何だッ!」
ラヴィアン「あたしのお気に入りのショーツーーーーーーー!」
アグ+アリ「へ?」
アグリアス「も、もしかして今私が履いている…これってラヴィアンのか?」
ラヴィアン「そうです! ないと思ったら隊長が持ってったんですねーーー!?」
アグリアス「あ、いや、すまん、ラヴィアンのだったとは知らなかっ…」
ラヴィアン「問答無用! いくら隊長といえども人の下着を持っていくのは無しです!」
アグリアス「う、す、すまん。とりあえず今夜は勘弁…」
ラヴィアン「いーえ、脱いでくださいッ! 今すぐッ!」
アグリアス「い、今すぐ…ッ!? (たじっ) ちょっと待てラヴィ…」
ラヴィアン「アリシア! 隊長捕まえてッ! あたしがひっぺがすからッ!」
アリシア 「おっけー!(がしっ)」
アグリアス「なっ! アリシア離せ! は、恥ずかしいだろうッ!」
アリシア 「なーに言ってるんですかぁ〜、今更恥ずかしがらなくても〜」
ラヴィアン「たーいーちょー? 覚悟はよろしいですかぁ…?(わきわき)」
アグリアス「ッ! だ、だめだラヴィアン! ア、アリシア、
      添い寝でも抱き枕でもなんでもしてやるから助けてくれ〜〜〜!」

──そして三人の部屋の前では。
マラーク 「おーい、誰か来てくれー。ラムザが鼻血を吹いて倒れてるぞ〜」
>れっどふぉーどたん

スマソ。
俺もあっちの板でのご活躍、知っております〜(´д`)ノ
?=?
マラークは何しに・・・
920顔無し黒魔導師:02/04/16 23:47 ID:???
>>906
私のSS読んで884氏に変な癖(文書の)がついたらみんなごめんな(w
とりあえず気長にラブコールしときます。
884氏のSS待ちするとスレが長生きするというジンクス。これ最強。
>>914-916
ハアハア(´Д`;)(;´Д`)ハァハァ
ラブコール!!(;´Д‘)ハァハァ ラブコール!!(;´Д‘)ハァハァ

あちらでの活躍もすばらすいですな。(☆子供は見ちゃ駄目駄目だぞ!)
最近見つけました。( ̄ー ̄) ニヤリ
つい先日、アリシアとラヴィアンはネイルさんよろしくアグリアスと融合しました。
922顔無し黒魔導師:02/04/17 00:23 ID:???
>>914-916
ラヴィアンの勝負パンツハアハア(´Д`;)(;´Д`)ハァハァ
>>921
そして悟空に「アグリシアンさま」と呼ばれ
「名前まで合体させんな、ピッコロでいい」と答えてしまう罠
じゃとりあえず次スレは
(アグリアス様に萌えるスレ Part3勝負パンツ編)
でどうよ?
アグリアス様に萌えるスレ Part3ピッコロ編
925RAGE ◆HqcvRAGE:02/04/17 00:56 ID:???
次スレ立つことに決まったスね
おめでとうござります
884氏もお見えで、益々充実することを願っております。
さて副題ですが。
勝負パパパパパンツに一票…
「まあ、RAGEったらいけないひとッ!!」
927突然思いついて止めた:02/04/17 02:27 ID:???
目を覚ますといつもの通り白い天井が目に入る。朝日が眩しい。つまりそれは鬱陶しいということだ。
血圧が低い僕には朝は神が人類に与えた意地悪のように思えて仕方がない。
鳴り響く目覚まし時計を止める。それを待っていたかのように亜留麻が部屋に入ってきた。

「ほら、兄さん。起きて遅刻しちゃうよ」
「………あと………5分したら起きるよ………」
「駄目よ、ほらぁ、せっかく朝ご飯作ったのにぃ」
「………わかったよ」

 寝間着のまま階段を降りた。笊罰苦兄さんが珈琲を飲んでいた。

「………おはよう兄さん。台酢駄阿具兄さんはもう出社したの?」
「おはよう羅無座。兄さんはもう行ってしまったよ。なんでも近々大きな取引があるそうだ」

 僕はあまり笊罰苦兄さんの言葉が耳に入らなかった。適当に頷いていると亜留麻が珈琲を
持ってきた。それをなにげなく口に運ぶと思いのほか熱かった。唇を火傷した。
慌ててカップをテーブルに置き少し溢してしまった。キッチンから亜留麻の怒った声が聞こえた。
928突然思いついて止めた:02/04/17 02:28 ID:???
「もう、兄さんなにやってるの?」

笊罰苦兄さんが僕と亜留麻のやりとりを笑う。亜留麻が布巾でテーブルを拭いた。

「兄さん、先にシャワーでも浴びて目を覚ましてきたら?」
「ああ………」

 のろのろと立ち上がって風呂場へ。亜留麻と笊罰苦兄さんがなにか言って笑っているのが聞こえた。
どうせ僕の寝起きの悪さを笑っているのだろう。


どうにか制服を着終わった頃にはだいぶ目が覚めてきた。玄関から呼び鈴の音が鳴るのが聞こえた。
929突然思いついて止めた:02/04/17 02:30 ID:???
「兄さ〜ん!!芽理亜動流先輩が迎えに来たよ〜!!」

「わかってるよ」

返事は小さくて聞こえるはずがなかったが、僕はそう呟いた。
グラマーの教科書が見つからなかった。舌打ちをして部屋を出た。

玄関には芽理亜動流先輩と同級生の夫笛利亞がいた。夫笛利亞は皆から通称『姫』と呼ばれている。
良家の娘で、今は亡き僕の父とも交流があったらしいが僕はあまり良く知らない。
わかっているのは亜留麻と仲がいいことぐらいだ。

「おはよう、辺織武くん」

夫笛利亞姫はお嬢様らしく上品に挨拶してきた。挨拶を返した。どたどたとやかましい足音が聞こえて
亜留麻がやってきた。いつもの通り4人で家を出た。


この先はありません。一発ネタでーす。亜具が出てきてない・・
>亜具が出てきてない・・
それ致命的。
せめて登場までは続けるべきだったのでは・・・
漢字読みづらい・・・・
でも期待してみるてすと
それで結局副題ってつけるの?つけないの?
漢字は関係ないよね・・亜具・・
934agu:02/04/18 01:37 ID:???
agu
ところでこのスレの女性人口ってどのくらいあるのかな
前スレでは確認できたが・・
>>935
オナニーして寝ろバカ
このスレに変な書き込みすんなバカども
毎度毎度、覗きに来るたび素敵なSSが増えていると言う
うれしい誤算。書き手の皆さんありがとうございます。

>>890-893
・・・・・ひ、非常に(・∀・)イイ!
あぁ、すみません。素敵な物を読ませていただいたのに、
こんなショボイ感想しか書けなくて。(と言うなら書くなよ)
つ、続くんですよね?? 楽しみです!
ペースは気にしないので、ぜひお願いします。
>>935
当方女です
女にもアグリアスは人気ですよー
940935:02/04/19 00:19 ID:???
>>939
ヤパーリな
いると思ったんだよねん

いや本当は作家の方が女性じゃないのかなって読んでた罠
エロないしね
>940
>852〜>853は私(女)が書きましたよん。
ご想像通りのエロも無しのヘタレな内容ですが。
最萌の投票数アグたん10位!
2回戦もがんばろうー(´∀`)
がんばれー
2回戦は次スレで・・
ビアンカは予想通り手ごわいね
なんかスレの流れがずいぶんゆっくりになってきた気がする。
先生方の新作期待sage
新スレからでしょ多分
それはどうかな
>>947
うん
>947
だったらお前は期待すんなよ

950はニュースレよろしく
950れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/20 10:40 ID:???
新しいスレ建ててきました。

http://game.2ch.net/test/read.cgi/ff/1019266739/l50
じゃあ、あとは適度に雑談するかい?
952れっどふぉーど ◆REdFoqVQ:02/04/20 15:54 ID:???
>>951
御意。

さっさとレス消費して、次スレにお引っ越ししても良さそうですが、
萌えトーナメント二回戦に出すネタとして、ここの小説も支援にならないかと
思うと、落とさないでこのままマターリ進行でも良さそうでしょうか。
下手に落とすとhtml化待ちに入ってブラウザ参照できなくなるかもしれないし。

ひとまず2ゲッターに狙われなくて良かったと一安心中。
もしもSSがゲームと同じスキル採用だったら・・・
ゼイレキレの滝にて

アグ「オヴェリア様ーッ!!
オヴェ「アグリアス!
アグ「オヴェリア様ッ!今お助けします!!
ガフ「そうはさせるか!
アグ「貴様は自分が何をしようとしているのかわかっているのかッ!?
ガフ「ああ、よぉくわかっているとも!
  「王女といえども邪魔なら排除される!それが頂点に立つ“王家の血筋”ってヤツなンだろ!?
アグ「貴様・・・ッ!

ラムザ「あなたはこの計画を知っていたのか!何故こんな汚い仕事をッ!
   「何故僕に話してくれなかった!どうしてッ!!
ガフ「話したらどうした!?オレを止めたか!?
  「オレたちがやらなくても誰かがこの仕事を請け負うンだ!わかるか!
  「おまえの知らないところで誰かが死ぬンだ!それが現実だ!
  「おまえは、おまえの知らないところで起きていることを止められるとでもいうのか!?
ラムザ「・・・・・・くそッ・・・!
   「僕は・・・・・・僕はあなたを止めてみせるッ!
   「アグリアスさんは後ろから不動無明剣で!ニキータ(汎用)はアグリアスさんにヘイストをッ!
   「ライアット(汎用)は魔法で援護してくれ!・・・僕は殴る!
アグ「わかった!
  「命脈は無常にして惜しむるべからず・・・葬る! 不動無明剣!!
ガフ「ふンッ!きかンな!
  「ホントの剣技って奴を見せてやるッ!
  「神に背きし剣の極意 その目で見るがいい・・・ 闇の剣!!
アグ「う・・・ッ!
ラムザ「アグリアスッ!!大丈夫かッ!
アグ「く・・・私は大丈夫だ・・・
  「それよりもオヴェリア様を・・・ッ!
ガフ「そんなに大事か!?“王家の血筋”って事以外
  「オレ達平民となにも変わらンこの小娘がッ!
アグ「貴様にとってはそうかもしれない!
  「だが私にしては護るべき方・・・!命をかけて護るべき主君なんだッ!
ガフ「ふン!違うのはおまえのような頭の固いヤツらが何も考えずに忠誠心を誓うって事ぐらいか!!
アグ「オヴェリア様はこんな私に優しく接してくださった!
  「私はそんなオヴェリア様に忠誠を誓った!
  「それのなにが悪い!
  「自分から忠誠を誓おうと思った方に対して命をかけるのの何が悪いというんだッ!!
  「一介の傭兵風情が知ったような口をきくな!
オヴェ「アグリアス・・・
ガフ「それが何も考えてないって言うンだよッ!!
  「つくづくおまえとは意見があわンようだな!
アグ「く・・・ッ!
ガフ「それに一介の傭兵風情だ?
  「だったらなぜおまえはその傭兵風情のラムザと一緒にいるッ!?
アグ「う・・・!? え・・・? あ・・・ えーと・・・(モジモジ
ガフ「?
  「まぁいい!これ以上おまえらと話していても時間をくうだけだ!
  「とりあえず姫さンは貰っていくぞ!
  「青き海に意識薄れ、沈みゆく闇 深き静寂に意識閉ざす… 夢邪睡符!
オヴェ「う!?・・・う・・・あぁ・・・アグ・・・リ・・・・・・アス・・・・・・
ガフ「あばよッ!
アグ「オヴェリア様ーーーッ!!
ラムザ「ガフガリオン!!
アグ「くそッ!!
  「ラムザ!やつらを追うぞ!オヴェリア様を助け出さなくては!!
ラムザ「あ、あの・・・アグリアス・・・
アグ「ニキータ(汎用)!すまない!もう一度ヘイストを頼む!
  「なんて事だ・・・!私がついていながら二度もオヴェリア様を・・・ッ!
ラムザ「アグリアスってば・・・
アグ「ガフガリオンめ・・・!私だけならともかくオヴェリア様まで侮辱して!
  「あまつさえ誘拐までするとは・・・ッ!!
  「たたっ切ってやる!!
ラムザ「だからアグリアスッ!!
アグ「ラムザ!おまえももたもたしてないで早くのぼってこい!
  「こうしてる間にもオヴェリア様が・・・!!

ラムザ「だから僕・・・このハイトのぼれないんだって・・・・・


アグ「・・・・・・・・・・



ラムザ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






アグ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


GAME OVER
お目汚ししつれひ
ディリータがいないのとかなぜオヴェリアを殺すのではなく誘拐したのか
とかは気にしないでクダサイw

あとちょっとゲームの言葉引用しまくっちゃったけど
それがウザイ人もしつれひ

わざと全部会話だけで書いてみたけど・・・
そんなに変ではなかったかな・・・?
中身は変以外のなにものでもないけど・・・

というかこれ新スレの方がよかったんだろうか・・・?
まぁいいか・・・

そんなんで
95814歳の少年:02/04/20 18:50 ID:???
をを!!
新職人さん登場ですね。
>>953-956の作品、激しくワラカシテいただきますた。
えっと、ゲーム中での発言を盛り込んでいくのは、
よりそのキャラの性格が明確に表すことが出来てよいと思いました。
また、会話だけで進めていくの方法は軽くサクサクッと読めるので、
ギャグ系のSSには最適ではなかろうかと。
今後もガンバツテ下さい。
むしろ、
横髪が無い@ただのOランのようだ
という名にウケた(ワラ
なかなか好きだ
うん
961 :02/04/21 05:40 ID:32c3X1Q.
age
962 :02/04/21 05:42 ID:???
sage
963 :02/04/21 06:50 ID:???
hage
964 :02/04/21 14:15 ID:???
956 名前:横髪が無い@ただのOランのようだ 投稿日:02/04/20 17:56 ID:???
アグ「くそッ!!
  「ラムザ!やつらを追うぞ!オヴェリア様を助け出さなくては!!
ラムザ「あ、あの・・・アグリアス・・・
アグ「ニキータ(汎用)!すまない!もう一度ヘイストを頼む!
  「なんて事だ・・・!私がついていながら二度もオヴェリア様を・・・ッ!
ラムザ「アグリアスってば・・・
アグ「ガフガリオンめ・・・!私だけならともかくオヴェリア様まで侮辱して!
  「あまつさえ誘拐までするとは・・・ッ!!
  「たたっ切ってやる!!
ラムザ「だからアグリアスッ!!
アグ「ラムザ!おまえももたもたしてないで早くのぼってこい!
  「こうしてる間にもオヴェリア様が・・・!!

ラムザ「だから僕・・・このハイトのぼれないんだって・・・・・


アグ「・・・・・・・・・・



ラムザ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






アグ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


GAME OVER
965 :02/04/21 14:17 ID:???
>964
間違えた…
クロロGET
967変C:02/04/21 18:01 ID:???
 最近、どうも皆に遊ばれているような気がする。シズカ(汎)やムスタだけでなく、あろうことかオルランドゥ伯までもぐるになって。
 ・・・膝の上にはラムザの頭。ベイオに酒を付き合わされたあげく、すやすやと眠りこける。情けないとか言いたかったが、寝顔を見て、言葉がかき消される。
 ラムザから離れる理由を探して、
「み、見張りは」
 と言ったものの、通りかかったラファに、
「・・・今、宿だよ?」
 と言われては返す言葉も無い。

 部屋の中には、カーティス(汎)がいたのだが、
「外で風あたったら、自分の寝床に行く・・・ふいー」
 と言葉を残し、誰も居なくなった。全部で三部屋借りている内の、荷物を押しこめている部屋。
 監視役に一人買って出たというものの、よもや、よもやこんな事態になるとは思ってもみなかった。
968変C:02/04/21 18:16 ID:???
 扉は閉まっている。下の酒場ではまだ仲間が酒を飲んでいる騒ぎが聞こえてきた。
 ふとラムザが寝返りをうつ。
「こ、こら」
 もぞもぞと動くので、思わず剣を取ろうと手が動いたが、寸前でとまる。
 安堵の溜息。さらさらと柔らかい髪を触ってみる。心地よい感覚が指の間を滑る。
 ここにラムザを連れて来たのはカーティスとムスタ。男性部屋にもっていけばいいものを、
「一番奥だからめんどくさくて」
 と理由をつけて、アグリアスに押しつけた。カーティスは壁に寄りかかったままダウン。ムスタはふらふらとしながら再び酒場へ向かった。

 で、今は二人きり。前にも同じような事があった気がする。
 ・・・やっぱり、これはからかってのことか? それとも?
 恋愛の機微には疎い。そんな感情とは無縁の世界に生きてきた。そしてこれからも・・・。
 これからも無縁には・・・いけないだろうな、と一人苦笑する。
 視線の先にはラムザの顔。彼は守るべき信念のために、妹を助けるために、戦い続けている。
 が、今の顔はどうだ。歳よりもさらに幼く見える。
 ふと、何かのタガが外れたように、アグリアスはラムザの唇にじぶんのそれを重ねた。
「果実酒の匂い、か」
 そい呟いて顔を上げると、少し開いた扉の隙間から、無数の視線。
969変C:02/04/21 18:20 ID:???
「み、みたな!」
 他の女性陣が皆、思い思いの笑みを浮かべて覗いていた。

 次の日。
 アーリマン系にすごい勢いで攻撃してるアグリアスの姿があった。

おわひ。
>見てる人
すまねぇ、親父が帰ってきて夕飯の支度せんといかんから、尻すぼみ。
今度こそなんかまともそーなの書くから!!(へこへこ)
おれとしたことが
>次の日。
>アーリマン系にすごい勢いで攻撃してるアグリアスの姿があった。
という文の意味が分からない・・・・
鬱だ氏脳・・・・
>>967-969
ラムザに萌え〜(´Д`;)
>>958
どうもです。
まぁ今後固定ペースで書いていくかはわかりませんが、
ちょっとやってみようかなと思って出してみた次第でして・・・

ギャグなんだかシリアスなんだか中途半端なのですがねw

>>959
この名前なにげに自分でも好きなんですけどねw
そう言っていただけると嬉しいです(?)w

>>964
・・・と〜・・・
なんでここに自分の一番下がコピられてるですか・・・?
972変C:02/04/22 00:54 ID:???
>970
「わ、わたしをそんな目で見るなー!!」
・・・って事で。特にアーリマン系、目でかいですし。
説明不足でスマソ(理由づけもよえーな自分)
フロータイボール系って言わない?
それならわかった
アーリマンの方が有名だし
アーリマンはフロータイボール系だろ
アーリマン系なんて系はない
旧スレあげるな
age
978変C:02/04/24 04:11 ID:???
>指摘した人
あ、ごめん
最近とんとゲームやってないのがバレバレだな俺(w
出されたご飯は残さず食べるよろし
さげますか
もげますね
埋めたてた方がいいんじゃないか?
埋める?
埋めー!
ウメー!
100000!!
豆腐食わせろ!
湯豆腐と冷奴を同時に食したい!
豆くれ
ホルモン
D-BORN
生湯葉食いてー
<<アグリアス>>に一票!
HALO
(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
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