アルスは駈足で部屋を出ようとするセレナを、寸手で引き止めた。
「どこにいくんですか?セレナさん」
「離して下さい,アルスさん!」
セレナは抗おうとしたが、男の力に勝てるわけが無かった。ましてや相手は仮にも勇者なのだから。
「いやだ。離すとセレナさんどこかへ行っちゃうじゃないですか」
却って部屋の中に引き戻されてしまうばかり。
セレナはしばらくアルスの拘束を離れようと試みたが、やがて諦めて椅子に座った。
「……どうして逃げるの?嫌いなら嫌いってはっきりいってくれれば、僕だって諦めます。でも、こんなのは嫌だ」
「答えはわかっていらっしゃるでしょう。いえない理由も……卑怯です。」
セレナにキッと見据えられ、困ったようにアルスは頭を掻いた。
「そんな。ただ答えが聞きたいだけなのに。僕はそんなに悪いことをしてます?」
「ひどいです。どうして私をそんなに惑わせるんですか?そんなにされたら、私……」
セレナはそれ以上言えなくて俯いた。アルスはちょっと考えて、言った。
「そうだなあ。負けたくないから、かな。死んだ男なんかに」
瞬間、セレナの手が、思わず前掛けを握り締めた。
アルスは片膝をついて、セレナの顔を覗きあげた。
「そうだよ。死んだ男にセレナさんを取られてたまるもんか。約束する。僕はセレナさんを幸せにする。
セレナさんを守り、ちゃっかり自分も生き残り、一生幸せにする。だから、逃げないで」
沈黙が落ちた。
やがて、セレナは俯いたままつぶやいた。
「…じていいの?」
「えっ?」
「信じて,いいんですか?」
涙声で言葉を待つセレナの髪を、そっと撫でながらアルスは答えた。
「もちろん」
そして、言葉を刻み込むように、口付けた。
アルスが帽子をとってやり、前掛けの金具を外すと、セレナはゆっくりと立ち上がり、服を脱ぎ始めた。
窓から差し込む月の光に彼女の裸体が白く照らしあげられた。
「セレナさん…きれいです」
アルスは自分も裸になると、セレナを横抱きに抱えあげ、ベッドに運んだ。
胸の谷間に顔をうずめ、蕩けてしまいそうなほどやわらかい乳房を揉み砕くと、紅茶色の乳首がピンと立った。
アルスがそれに舌を這わすと、セレナの肢体がぴくん、と震えた。
「あ…」
押し殺すような声に、アルスの心臓は鼓動を上げた。
吸い上げたり、歯を立てたりするたび、嬌声はもっとなまめかしく漏れた。
「あ、あふ、ん…」
しっとり汗ばんだ肌が、吸い付くようにアルスの身体を求めていた。
やがてアルスは少し体を持ち上げ、二人の肌が触れていた部分を手のひらでたどり始めた。
ウエストの窪み、なだらかな下腹部、そして、やわらかい茂みへ。
指先が茂みの中をまさぐり、熱く湿った場所にたどり着いた途端。
「あっ…はぁん!」
セレナの脚が跳ね上がり、今まで以上の愉悦の声が漏れた。
「あぁ・・・お願いです。早くっ…来て」
「…うん」
アルスは先程から破裂してしまいそうなくらい堅く勃ちあがっているモノを、セレナの秘所にあてがい、腰を沈めた。
「はぁぁぁぁん!」
セレナの身体が弓なりに反り、肉襞が絡みつきながらアルスのモノを締め上げた。
アルスはたちまち昇天してしまいそうだったが何とかこらえて…落ち着くまで待って、腰を動かし始めた。
「セレナ…さん」
「さん…はいりません…はっんっ…セレナ…って呼んで」
「えっ…じゃあ…セ…セレナっ」
「あっ…はぁん…私っ…もぅ…」
「一緒に行こうよっ!セレナっっっっ!」
アルスのその言葉を合図に、二人はほぼ同時に悦びの天へ登りつめた。