「ねえ、フーガ、そういやギルは?」
おれを起こした本人であるギルがいないことに気付き、
おれはフーガに聞いてみた。
「ギルだったら、また例の店に行ったよ。クラウスを起こした
後すぐね。」
・・・・またギルはあそこ行ってるのかよ。
ああいうとこ行く奴の気持ちって、おれには全然分からない。
「クラウス、悪いけど呼びに行ってきてくれないか?もう仕事
始めるって。」
フーガの頼みだし、断るわけにはいかない。
でも、あそこの雰囲気嫌なんだよなあ・・・・
「ああ、分かった。[ヂュミニエ]っしょ?」
心の中は見せず、おれはそう言った。
「そうだよ。あそこの店はクラウス嫌かもしんないけど、おれ
は経路の確認をしなきゃならないんだ。」
「じゃあ、行ってくるね。」
おれは扉を開け、そとに出た。
内容:
ええと、この辺だったかな、[ヂュミニエ]は。
「あ、あれだ。」
派手ネオンライトに照らされて、[ヂュミニエ]はあった。
高々と掲げられた看板、まるで城のような外観。
一目でそれ系の店だと分かる。
「ここに入るのか・・・・なんか嫌だな。」
おれは思わずあたりをキョロキョロと見回した。
店に入っていくのは、
みんなおれよりもはるかに年上の男たちばかりだ。
「嫌だけど・・・入ろう。」
おれは勇気を振り絞って店の中にはいろうとした。
しかし、女の子の声に呼び止めとめられた。
「お前、その年でこんな店に行くのか?」
おれが後ろを振り向いてみると、
そこにはおれと同い年ぐらいの女の子がいた。
「おれがこの店に入るんじゃない。おれの仲間を連れ戻しにい
くんだ。」
「そうなのか。でも一人でこの中に入る嫌だろ。おれがついて
いってやるよ。」
「え?」
おれは思わぬ言葉に間抜けな返答をしてしまった。
まさかそんな風なことを言われるとは思ってもいなかったのだ。
「嫌か?」
その女の子はこころなしか少し沈み気味に言った。
ちょっと上目づかいにおれを見てくるその子に、
おれは不覚にもドギマギしちまった。
「い、いや全然嫌じゃないよ。一緒に行こう。」
「そうだよな。おれ、フィアレスっていうんだ。よろしくな。」
「ああ、おれはクラウス。こっちこそよろしく。」
おれたちは、二人で店の中入っていった。
――――――――――――――――――――――――――――
「うわ・・・・。」
ここは何度来ても慣れらんねえなあ。
バーのカウンターに座って、
女の人にお酌してもらっている男がいる。
中央の広場で音楽に合わせて踊っている男女がいる。
中にはほとんど裸の女性もいる。
おれはどうも落ち着かない気分になりながら、
のそのそと歩いていった。
それに比べてフィアレスは慣れているらしく、
どんどん先に進んでいく。
「なあ、フィアレス。こんなとこよく来るの?」
「ああ。おれのお得意さんとの取引場所がここなんでね。」
「取引先?フィアレスはどんな仕事してるの?」
「おれの仕事はね・・・・まあ、なんでもいいっしょ。」
はぐらかされた・・・・。結構気になるな。
まあ、いいか。
「あ、いた。」
広場の端っこのほうでテーブルに座り、
周りにはたくさんの女の人をはべらしている。
真っ黒な服を着込んで、まるで忍者みたいだ。
「おい、グラスが空いてるぜ。ついでくれ。」
「は、はい。」
ギルの隣に座っていた(座らされていた)女の人が、
少しぎこちない手つきでグラスに赤い液体を注ぐ。
どうやらその女の人はこの店に入ってまだ日が浅いらしく、
ギルが手を触ったときに、ワインをこぼしてしまった。
こぼれたワインはギルの黒い服を赤く染めていく。
「おいおい。ねーちゃんなにしてくれんだよ。この服はたけー
んだぞ。この代金はあんたの体で払ってもらうかな。」
そう言ってギルは女の人の体を抱き寄せる。
女の人も嫌そうな顔をしながら、それを受けていた。
他の女の人も仕方なさそうに見ていた。
・・・・・まるでそのへんにいるゴロツキみたい。
おれがギルに声をかけようとしてギルに近づくと、
フィアレスがおれの前にずいっ、と進み出た。
「お前なー、女を馬鹿にしてんのか?おれの目の前でそんなこ
としてんじゃねー!」
突然でかい声をはりあげるレフィア。
周りの人がみなこちらを振り向くが、
フィアレスは一向に気にしない。
「誰だ?お前は。お前もこうしてほしいのか?」
ギルは女の人のお尻を触りながら言った。
「んなわけねーだろバカ!!くだらねえこと言ってっとぶっと
ばすぞ!!」
にじりよるフィアレス。
「おいおい、落ち着けよフィアレス。」
ホントにぶっとばしかねない勢いに、
おれは思わずフィアレスを抑えた。
ん?なにか柔らかいもんに触ったけど・・・
「なにすんだよ!!このどスケベ!!」
う!!
フィアレスの肘がおれの腹にはいる。
さっきの柔らかいのはフィアレスの胸だったのか・・・・。
プにプにしててきもちよ・・・・・あ、いや。
まあ、それは置いといて。
「ギル、フーガが呼んでたぜ。もう仕事だそうだ。」
ギルはそこで初めておれの存在に気付いたようだ。
「なんだクラウスじゃねえか。いたのか。するってえと、この
気の強いねーちゃんはお前のナニってわけか。」
「ち、違うよ。店の前で会ったんだ。一人でこんなとこ入るの
は嫌だったからさ。」
「ふーん。まあいいや。仕事だったな。仕方ねえ、行くか。」
ギルは立ち上がって、店のレジのほうへと歩いていった。
「あいつはお前の仲間だったのか?・・・・あんまし良さそう
な奴ではないな。」
フィアレスがこっちを見ながら話す。
おれは一回うなずいてから口を開く。
「ああ。でも、戦闘能力はすっげえ高いし、なにより忍び込む
のとか得意だから。おれたちの仕事には向いてるんだ。」
「忍び込むのが仕事?お前は一体どんな仕事をやってるんだ?」
あ、やべ。思わず言っちゃった。
これじゃあ、追求されるぞ。
どう答えたものか・・・・。
「おい、クラウス。さっさと行くぞ。」
店の入り口のところで、ギルがでかい声をあげる。
「あ、おれもういかなくちゃ。じゃあね。」
いい機会だとばかり、おれはフィアレスに別れを告げると入り口
へと走っていった。
おれ達のグループ、<マジカル・セイバーズ>は、
大陸じゃ知らないものはいないほど有名だ。
正体を知られると大変なことになる。
そう、おれたちは「盗賊」。
仕事はもちろん「盗み」だ。
36 :
名無しさん@LV2001:01/11/21 18:42 ID:inkCfeYF
ここはどういうスレなんだ?????
38 :
名無しさん@LV2001:01/12/01 23:38 ID:s8d1ztF6
格闘場に導かれし者達で決定????
決定で良いから早く立ててよ
記録は26万枚だったっけ?
なんで総合スレ22があるんだ?
43の次が立てられないからってことで、緊急措置っとわけか?
まだ生きてたのか、このスレ
次スレが立つまでのあいだ、前に間違えて立てたスレを廃物利用したのだ。
誰も使って無い 再利用するなら今の内
52 :
ss:01/12/08 01:17 ID:???
▀
z
hosyu
たまに保守
60 :
堀井雄二:01/12/14 23:01 ID:ZUxpY3p9
みんな 応援ありがとう!
おかげさまで プレイステーション版 ドラゴンクエストIVが
出荷100万本を 達成しました。
元は もう11年も前に 発売した作品ですが
今でも たくさんの人たちに 遊んでもらえるように
いろんな工夫を こらしたつもりです。
みなさんも 思い思いの冒険を 楽しんでください。
そして いよいよ次回作ですが
来年の春ごろに ちょっと おもしろいコトを
準備しています。内容は まだヒミツ。
これからも「ドラゴンクエスト」を よろしくね!
61 :
名無しさん@LV2001:01/12/14 23:02 ID:ZUxpY3p9
↑というのがパルプンタウンにあった。
保守です
保守です