1 :
まま:
暇な時に更新するよ・・・・・sageでな。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
スピラの蒼い空。
幻光虫の淡い光が周囲を取り巻き天へと上っていった。
波間に漂いながら一瞬の出来事を思い、消えたはずの自分がどこにいるのかを自問する。
「・・・・・あれ?」
両の手を見、蒼い海を見、耳慣れた音を聞き、波に洗われ、太陽の臭いをかいで、ティーダは
消えていない自分の存在を確かめた。
「・・・・・あれ?」
穏やかな風が水面を滑ってながれて行く。頬をなでる潮風も肌に冷たいスピラの海も、無くしてしまった
すべてのモノがなぜだか今、歓喜と共にここにあるのだ。
「・・・・・あれ?」
続いて大声で叫んだ十七才は、四方八方水平線、海原のど真ん中、生きていることを歓喜していた。
良スレになるか、糞スレになるか
まさに
>>1の腕しだいだな
今からちょっと楽しみだw
終了
ちんちん小説
5 :
まま:01/10/21 16:23 ID:???
祈りの歌が聞こえて来る。
悲しい色に彩られた祈りの歌が。
明るい陽光の元で多くの信仰に支えられ、安らぎと平穏を、長く待ち望んでいた些細な
ものを、引き替えにした代償を思わない、多くの信仰が高らかに歌う。
「・・・・・はあ・・・」
心なしか明るさの増した寺院の中で、ブラスカの象を前にたたずむ男。
「・・・・・はあ・・・」
エボン。スピラの柱。空虚な聖堂。祈り子。ザナルカンド。大いなるナギ節。
「・・・・・はあ・・・」
「いい加減にしなさいよ」
「・・・・・んな事いわれてもよ」
黒装束を脱ぎ捨てた白いドレスのルールーがいる。
「みんな待ってるわ。笑いなさい」
「・・・・・しょうがねえ。な」
ティーダが消え、アーロンが消え、シンが消え、何もかもが無くなった。
表情を作ったワッカを伴って、ルールーは石像に背を向ける。
明るい陽光の下、祭り上げられた英雄をたたえる盛大な式典が、当事者を置き去りに
スピラ全土をあげて行われていた。
ここはビサイド島。
「・・・・・オレがガキのころにはよ、ブラスカ様のナギ節の祝いに無邪気に喜んで
たんだよな」
ワッカは勧められるまま料理に手をつけ一人ごつ。
「・・・・・なんつーか・・・・なんなんだ。・・・上手く言えね」
式服に身を包んだ英雄達が、言葉少なにどこかを見た。
始まりの島、ビサイド島。
これから一行はナギ節の始まりを祝う習わし通り、各地の寺院を回り祈り子達に祈願をする。
永く、永く続く平和を願って。
6 :
まま:01/10/21 17:17 ID:???
スピラの蒼い空。
かすかに見える島影をたよりに、一人泳ぐティーダがいる。
「・・・・・どうすっか、な」
もう小一時間、泳ぎ続けて沸き上がる不安。
「あれが島じゃなかったら、ひょっとしなくてもこのまま海の藻屑だよな・・・・・」
寒い予感に手が止まる。
「丸腰だしな。襲われても応戦もできね・・・・・」
言いかけて、ティーダは不安を振り払うかのように、闇雲に波をかきわけ突き進む。
冗談じゃない、何で生きているのかは解らないが、訳がわからないまま死んでたまるか!
刹那、目の前の波が沸き立った。水面がえぐれた同時身構える間もなく海水と共に噴き上げられる。
離れた海面に落ちたティーダは、かろうじてつなぎ止めていた意識を振り絞り水上へと顔を出した。
音が、聞こえない。
みーみーと機械のエラー音に似た音が、頭の中をざわついている。水の中に潜っていたら鼓膜をやられる所だ。
「何な、んだよっ!」
同時に背後から圧が加わった。振動のあるほうを見ると巨大な水柱が上がっている。
「何だっ、なんだ!?」
問いを自問するより早く島影に向かって泳ぎ出す。
モンスターじゃない。アルベドの機械らしいものも見えない。正体不明の何かが爆発する中を抜け
全身全霊を込めて島影を目指すティーダの前に、一冊の本が落ちてきた。
7 :
まま:01/10/21 18:02 ID:???
・・・・本?
驚いて、止まったティーダに石が当たった。
「・・・・痛っ!?」
人がいる。
非常に喜ばしい事なんだが、ありがたくない岩場に人がいる。
人が一人立てるだけの小さな岩場に手招きする野郎がいるのだ。
しかも何かを言っているんだが、何を言っているんだか聞こえない。
体にかかる水圧と共に背後に水柱が上がる。
降り注ぐしぶきに身の危険を感じたティーダは、がむしゃらに岩場に向かって突き進んだ。
スピラの蒼い空。
ここに始めてきたあの時も、訳も分からず走ってた。
懐かしい感覚に襲われながら、あのとき分かれたままの皆を、消えてしまった人間を思い出す。
繰り返し体の芯に響く音と共に、戻ってきた聴覚にかすかに聞こえた音は、笑い声。
目の前の男がおかしそうに笑っている。
「ふざけんな!・・・・なんだてめえは!」
岩場によじ登ったティーダが殴りかからんばかりにくってかかると、不思議そうな顔をして
男はティーダを海に突き飛ばした。
「それはこっちのセリフだろう」
「・・・・うっせえ!」
「さっきから大丈夫だと連呼しているのに、くってかかられるとは侵害だな」
言葉とは裏腹の穏やかな声にティーダは男を見上げて頭をかいた。髪を短く刈り上げた白いシャツが
まぶしい地味な格好をした優男。
「聞こえてなかったんだよ・・・・・ええと・・・・」
「・・・・・とにかく海から上がったらどうだ、変な君」
「どっちが・・・・・」
ティーダは多くの質問を飲み込んで、小さ岩場によじ登る。
スピラの蒼い海。ここは四方八方水平線、大海原のど真ん中。
あ
9 :
名無しさん@LV2001:01/10/21 18:36 ID:ui22BCOt
「ユフィ…最高だよ、溶けてまざっちまいそうだ…!!」
「い…いや…いやだぁっ!ほ、ホントに飛ぶぅっ!!」
最後にクラウドが、ユフィの最奥に先端をねじ込ませるようにして押し込んだ瞬
間、ユフィは全ての意識を真っ白にしてしまった。
「あ…うぅぅ…」
ユフィは濡れタオルのようにグッタリして、ありったけの息を吐き出した。腰に激
震を走らせ…膣が絶大な収縮をみせる。ユフィはとうとうつながったまま達したのだ。
「すげっ、ゆ、ユフィッ…あ、あああっっ!!」
びゅっ!びゅびゅうっ!!びゅく、びく…
クラウドも次いで、達した。狭い膣内の最奥に信じられないほどに大量の精液が噴
出される。3回射精したうちでもっとも大量で…そしてもっとも良かった。脈動がまだ続いている。
「あ…あああ…ゆ、ふぃ…」
とろけそうなくらいに気持ちよさそうなクラウドの表情に、冷たい笑みが滲み出る。ざまぁみろ、と言わんばかりだ。
そしてゴンドラは元のプラットホームに停止し、ドアが開いた。
「お疲れさまでし…た…」
ラウンドスクウェアの受付嬢は言葉につまり、表情をひきつらせた。客の予想もし
なかった痴態を目の当たりにしてしまったからだ。クラウドはニタリと笑い、名残惜
しそうにユフィのヴァギナからペニスを引き抜いた。白い液体で、つうっ、と糸を引
かせてみせたそれは恐ろしいくらいに威勢が良く、ぢゅぽ、と外気に触れたとたん、
反り返るようにへそをぺちん、と打った。
衣服を抱えて下車し、顔色を二転三転している受付嬢にクラウドは、
「…本当にお疲れさまだよ。」
と告げていやらしく笑った。
10 :
:01/10/21 18:40 ID:???
>>9 氏ねボケ
>まま
期待してるぞ頑張ってくれ。
11 :
まま:01/10/21 19:03 ID:???
「ここはどこなんだ?」
質問に前の男が目を丸くする。
「シンは死んだんだよな・・・・ここはスピラだろ?」
目の前の男が怪訝そうに眉値を寄せた。
小さい岩場で座り込んだ野郎が二人、蒼い海原の真ん中で不思議な出会いをしていた。
「んんん・・・・初めから整理させてくれ。まず私の名前はオウカだ」
間を置いてサンドイッチを差し出すオウカの表情は優しい。
「ああ、サンキュ。オレはティーダだ。よろしくっす」
矢継ぎ早の質問を切り上げると差し出されたそれを受け取って、がっついて口に押し込む。
「変な話だな。海のど真ん中に浮いててここがどかと質問されてもな、・・・分からずに浮いているとは
お前海賊かなにかか?」
「違うよ。・・・・色々事情があってさ、話しても訳わかんねーと思うから止めとくけど」
「あっちを見てみろ」
オウカが指さした方角がかすかに黄色く煙っている。
「砂漠の砂塵だ。これでどこかわかるだろう」
「・・・・・砂漠があんのか?アルベドのホームがあった島かな・・・・・」
「サヌビア砂漠だ。その事を知ってるなら話が早い、お前アルベドか?」
「違うよ」
「訳が分からなくてもかまわない、よければ全部話せ、いやよくなくても全部話せ」
「・・・・っつうか、オウカはここで何してるんだ?」
「遭難している」
12 :
まま:01/10/21 19:13 ID:???
即答にティーダが吹き出した。むせ返る背中に水を差し出すオウカの目は冷ややかだ。
「冗談だ阿呆。弁当持って遭難する人間がどこにいる」
「・・・・あのな」
「ちょっとした魔法の実験だ。ここならじゃまされずに色々やれるからな」
「・・・・ってことは、さっきの爆発はあんたか!」
「その通り、さあ気になるからお前の複雑な事情とやらを話せ」
「いいけどな、その前に質問いいか?」
「んんん。何だ?」
「あんたここにどうやって来たんだ。海の真ん中だぞ」
横目にちらりとオウカが視線をそらす。
「オレはこれでも召喚師だ。召喚獣に乗ってここまで来た」
「へえ、あんたが」
「それがいくら召喚してもヴアルファーレもバハムートも出て来ないんだな。
祈り子に嫌われちまったか、オレ」
ティーダの動きが止まった。
そう言えば、シンを倒す時にユウナが召喚した召喚獣をすべて倒した覚えがある。
「ヴァルファーレが来ないと絶望的だな俺達は、まあ何とかなるだろ。さ、ティーダとやら。
お前の複雑な事情を話せ」
「・・・・念の為に聞くけどな、あんたここにいつからいるんだ?」
「昨日からだ」
スピラの蒼い空。ここは四方八方水平線、大海原のど真ん中。
13 :
:01/10/21 19:25 ID:???
期待sage
期待age
16 :
イェイ!(キティガイ厨房LV0) ◆bYEAHOlU :01/10/21 19:30 ID:0DLQvOhK
良スレハッケソ
スピラの青い空。
真っ白な帆にいっぱいの風をはらんだ船が進む。
連絡船リキ号の船上、浮かない顔でリュックが一人声を上げた。
「・・・なんでこんな事するわけ?無駄じゃん。祈り子もシンももういないのに」
人々に取り囲まれた輪の中で、あわててルールーがリュックの口をふさぐ。
「気持ちは分かるけど、今は静かにしていて、ね」
「いやだよ。もっかい寺院を回るなんて、ティーダはも・・・もが」
ワッカが黙らないわがまま娘の正論を押さえ込むと、周囲に作り笑いを浮かべて船室へとかつぎ込んだ。
それを笑顔で見送るユウナがいる。
閉められたドアの中で、リュックは大声をあげ難しい顔をしたワッカに噛みついた。
「なに誤魔化してんのさ!エボンなんて教えなんてうそっぱちなのはみんな分かってるくせに!今更なんで
教えなんかに従わなきゃなんないわけ!」
「そう言うな。ユウナが望んだことだ、な。分かってくれよ」
「分からない!みんなありもしない嘘を信じたままでいいわけ!みんなにちゃんと説明してあげられるの
ユウナだけなんだよ。教えも寺院ももういらないって!」
ワッカは表情を堅くしたまま正論が吐き出されるのを聞き、ため息をついてどこかを見た。
「・・・・あのなあ・・・言いたいことはオレもじゅーぶん分かるけどな・・・・ユウナのやりたい事も
分かんだろ?」
「わかんない!」
「今のスピラにはエボンは必要なんだよ。・・・・アルベドのお前にはわかんねーかもしれねーけどな」
「わかんないよ!」
薄暗い船室に絶叫が響く。
揺られる船のきしむ音が、波の音が、あたりを覆った。
「・・・・・いやなんだよ」
涙声でぽつりとこぼれた本音が一つ。
「もっかい全部回るなんていやだ。・・・おも・・・思い出しちゃうよ。何でみんな笑ってられるのさ
ティーダもアーロン・・・・もう、いないのに」
重い沈黙に、リュックが身を固くする。
「もういないんだよ。こんなこと言ってもしょうがないけど、無駄なんだ。どうして?あたし行きたくない!」
「うるせえよ!」
怒号にはじかれたように顔を上げた。ワッカが見たことのない色をたたえた目で、どこかを睨んでいる。
「・・・・・わりぃ」
背中を向けて座り込んだ。
「ゴメン・・・・あたし最悪、ユウナの前で笑えないよ・・・・笑えないんだ」
背中は無言で嗚咽に答えた。
スピラの青い空。
本当の蒼さにはほど遠い、霞がかかった青空の下、答えの出ない矛盾を乗せて船は行く。
・・・・・はあ、疲れた。
勢いで書いてみたけど、どうでしょうか?
・・・・最後まで行けるといいなああああ。ふう(^ー^)
20 :
イェイ!(キティガイ厨房LV0) ◆bYEAHOlU :01/10/21 20:44 ID:0DLQvOhK
>20
ありがとうううう。マターリがんばります。
小説メチャ(・∀・)イイ!! ガンバテクラサイ!!
「ほう・・・・シンがいなくなったか」
ここはスピラの蒼い海。
不思議な出会いを分かち合った野郎二人が、弁当を食べながら込み入った話に興じていた。
きつい日差しも幾分和らいで、ゆっくりと空が紅く染まり始めている。
「なんだ、じゃあオレは、今までの人生も苦労も何もかもが水泡に帰した上にシンを倒すのも
他人に出し抜かれ、そのおかげで帰る手段を奪われて、ここで二人寂しく死んで行くわけだな」
「・・・二人ってオレも入ってんのかよ、なあ」
「他に誰がいるんだ、馬鹿チンが」
言葉とは裏腹にオウカの表情はすがすがしい。
「人生に悔い無しだな。実に良い日だ」
気持ちよさそうに岩場に寝ころんで空を見上げる。
「・・・・よかねえよ」
「考えても見ろ、当時者のお前がここに来なければ、オレは事実を知らないまま死ぬとこだった。
お前をここに召喚しなおした召喚師の粋な計らいってやつだな」
「じゃなにか?オレ、あんたと心中するためにこんな所に来たってのかよ!」
「そうだろ」
「・・・・ふっざけんな!こんな所で死んでたまるか!」
「力んでどうする。無駄にエネルギーが消費されるぞ無駄無駄」
「向こうに陸地があるのが分かってんなら、オレは泳いでくぞ」
「おいおい、どれだけ距離があるか分かってるのか馬鹿」
「これでもオレはブリッツの選手なんだ、これくらいわけないって」
そう言って飛び込もうとしたティーダの上着をオウカが引っ張った。
当事者はバランスを崩して転がり落ちる。
「・・・・ってえ!なにするんだおっさん、アブねえだろ!」
「危ないのはお前だ、丸腰でここの海に入ったら三十分持たないぞ」
「・・・・・どーゆう意味?」
馬鹿でかい海獣がいるんだよ、お前なんぞ一飲みだ。あとオレはおっさんじゃねえ!」
ティーダの顔面に水筒を投げつけて満足そうに微笑むと、空を見上げて鼻糞をほじくっている。
「まだ25だ」
「なんか・・・・だんだん人格変わってないっすか?」
「阿呆これが地だ。召喚師ってのは外面取り繕うのが商売だからな」
「そうっすか」
「お前、向こうまで泳ぐか?さっきみたいに援護射撃してやるからよ」
「あれが援護?」
「ただしオレから見えなくなったらあとは知らんがな」
「あのな・・・・」
為すすべの見あたらない二人は、互いに寝ころんで夕日を呆けて眺めていた。
真っ赤な空。
刻一刻と彩りを変える大空は、瞬く星を天蓋に添えて二人を覆っていく。
オウカが急に立ち上がった。何事かつぶやくと右手で軽く額をなで海面に向けて意識を飛ばす。
轟音を伴って水柱が上がった。立て続けに三つ。
「なんだ、なにやって」
「上」
見上げた上に移動する小さな灯りがある。
「アルベドの飛空挺だ、助かるぞ」
「シドのおっさんか!よし」
ティーダは覚えたくせに一度も使うことの無かった魔法を唱えてみた。
二人から離れた沖合いに、光る光球が浮かんだ瞬間、轟音と共に爆風が二人を飲み込む。
「・・・アルテマか」
頭上の飛空挺が二人の存在に気が付いたのか、信号灯を発しながら近づいて来るのを確かめたオウカは
忌々しげに喜ぶティーダを海に蹴り込んだ。
正直、これイイ…
ガンバレ1。マジで応援
ひさしぶりの職人たんだな
>25.26
ありがとう。がんばりますです、はい。
期待あげ
30 :
ブラスカ:01/10/22 00:09 ID:???
戦いの歌が聞こえる。
順調な船足に助けられた一行は、村の盛大な歓待の中キーリカ島へと到着した。
シンに襲われた爪痕も、異界送りをされた人々の面影も最早なく、ナギ節の到来に沸く村人は
世界を救った英雄を心から歓迎し祝福した。
すべてエボンの賜物として。
村のあちこちから香をたく煙が立ち上っている。
即席に形作られた祭壇は、美しい花々で飾られて犠牲の煙を立ち上らせる。
「いやな臭いがする」
人々の輪から離れた所で、キマリが朴訥な声を出した。
「・・・・キマリ?」
ユウナが鼻をならして意味を問う。
香のかぐわしい薫り。
「ロンゾ族に古くから伝わる歌がある。戦いの歌」
ルールーが二人の会話に足を止めた。
「空気が歌う、戦いの歌。いやな臭いだ」
「どういう意味?」
「今は分からない、ユウナ。皆が呼んでいる、キマリの事は気にするな」
名残惜しげに振り返るユウナの背を押して、獣人は一人空を仰いだ。
大気の変化。
魔術を使うルールーも、その微妙な変化を感じ取ってはいた。
でもそれは、シンがいなくなり祈り子がいなくなり人々の祈りが必要無くなったからだと
思っていた。
「戦いの歌」
時代の転換点とは、後世になって初めて理解される事があまりに多い。そのただ中にあってそれを感じ取る事の
できる人間はあまりに少なく、多くの人々がそれを感じ取れないままに、歴史は静かに動き出すのだ。
後世に後悔の念だけを残す形で。
人々の歓待に沸く小さな村で、少なからぬその臭いをかぎ取った人間が二人。
それは血の臭いか。
それとも。
>30
・・・・名前、間違えたよ(w
正直、スレタイトルが良い。
ついクリックしてしまった。
>32
そうでしょうか・・・・個人的にはリセットしたい心境でいっぱいだったのですが。
小説、はっきりいって断然拒絶反応だったけど、
ちょっと許せる範囲かも・・・
キャラ萌えっぽい要素があるとダメなんだよね。ちょっとでも
それが感じられるとキモい。ヲタぽい。ライターの意志をそのまま
引き継いだものきぼん!がんばれ。
あのー、もしかしてままさん「FF10◯◯小説EXスレ」の
伝説のあの方では・・・・
36 :
名無しさん@LV2001:01/10/22 00:44 ID:VrfXYVri
ままさん、サイコ〜です!!
よければ続きを読ませてね。
37 :
まま:01/10/22 00:47 ID:???
>35
ええと、それは違いますよ。そちらの方とは別です。
読んでないから解りませんが、文体が似てるのかな?
諸君、私は「ちんまり」を言う言葉が好きだ。
だからこのスレを応援しようと思う。
…FF10やったこと無いケドナーケドナ
ちんまり万瀬−!!
>38.39
ありがとう(w ネタ的突っ込みも歓迎します。
実は>4の突っ込みには吹き出しました・・・・・
あげ
>>1応援してます。ところで
出来るなら、出来る物なら
切なくないラストを…もう本編で切ないのはお腹一杯っす…
あ、あくまで個人的な我侭なんで…(失礼
>42
ラストか・・・・・実は全くプロット組まずにその場の思いつきで
書き殴っているので、何にも考えてないんです。
考えてなさすぎて、登場人物に突っ込みを入れながら形にしているので
どうなることやら・・・・・・終わるんだろうか。
あ、余り気にせず頑張って下さい。
「ユウナ様!」「ありがとうございます、ありがとうございます!これでスピラにも平和が」
「おお、ユウナ様がいらっしゃったぞ」「ユウナ様!」「ユウナ様だ!」
「ユウナ様、ガードの方々、本当にありがとうございます!」
「ユウナ様っ」
寺院の参道に詰めかけた大勢の人々から、口々に上がる歓喜の声。
信仰に満ちた素朴な人間の、喜びに満ちた瞳。
刺されるような多くの視線に囲まれて、ユウナがゆっくり歩いていく。
「これをお納めください」「私もユウナ様、これを」
次々に差し出される感謝のこもった贈り物。
それを受け取らずに微笑んで、ユウナはゆっくりと歩いていく。
参道の永く続く階段を踏みしめ上がった森の奥、キーリカ=エボン寺院が久しぶりのにぎわいに、陽光に照らされ
皆を迎える。
「ユウナ様、並びにガードの方々、ようこそおいでくださいました」
寺院に籠もる僧が一同に介し、一行を恭しく先導した。
「準備はすでに整っております。さあ奥へ」
祈りの歌が聞こえない。
静寂に包まれた寺院の中で、紫の式服に身を包んだ高僧が一人、進み出て微笑んだ。
「大召喚師ブラスカ様のナギ節のおりには、このような式典を執り行うことはできませんでした。
いえ・・・ナギ節のおり、式典を行うのは千年の歴史を持つエボンにとっても初めてのこと。
ユウナ様の大いなるナギ節の祝いの末席に、私ども立ち会うことができること、これ以上の祝福は
ありません」
空気がピンと張りつめる。
「エボンの賜物です、ユウナ様」
恭しく頭をたれる儀礼的な光景を、冷めた瞳でリュックが見る。
シンを倒してなりたくもない英雄になり、信じてもいない寺院を回ってどうするんだろう。
ユウナ、このまま普通の暮らしに戻れずに、エボンの老師になって飾られるんだろうか。
いっぱいいろんなモノが無くなって、代わりにしょうがなく得たモノはあんまりうれしくない、こんなモノ。
死の螺旋
シーモアの歌うような声が耳に蘇る。
死の螺旋
そんなモノは無くなったんだよね。
死の螺旋
私たちのした事は、無駄にはなっていないよね。
死の螺旋
きっとこれでよかったんだ。
死の螺旋
促されるまま後に付き、リュックは一人微笑んだ。
「・・・・ひっでえなあ、こりゃ」
煙る砂塵に覆われた、かつてのホームを見て笑う。
「一からやるしかねえっでしょ、な、みんな」
煙る砂塵が空に舞い、居並ぶ野郎の顔を覆う。
生き残ったアルベド族の一行は、舞い戻ったホームを眺め、終わった前の時代をふみしめていた。
すっかり錆びて廃墟となったかつての家は、乾いた音を天高く上げ、死んでいった仲間達を思い出と共に
包み込んで何かを語る。
「なあに、時間はいくらでもあるんだ。再建なんかめじゃねえぞ!」
シドが野太い声を張り上げる。
「てめえら!ぐずってねえで仕切直しだ。とっとと働け!」
うれしそうに吐き捨てると、隣のティーダを殴って笑った。
「あにすんだよ、おっさん!」
「やかましい、いっぺん死んだんだろうが。おいしいところに出てきやがってよ!」
そう言って今度は足で蹴りを入れる。
「いい加減にしやがれ、じじい!」
「生きてるだけありがたく思え」
一人が砂をティーダにかけた。
「ユウナちゃんが見たら泣いて喜ぶだろうな、おい」
一人がさらに砂をかけた。
「じっとしてココに埋まってろ」
一人がティーダを押さえつける。
「野郎共、この糞ガキを埋めちまえ!」
シドの声にティーダに皆が襲いかかる。
「やめ、やめろ馬鹿!うわ」
「・・・・おまえら馬鹿だなあ」
砂よけに物陰から顔だけ出したオウカが一人、感心した声を出す。
「笑ってねえで助けろよ!」
首まで埋められ周りを踏み固められた当事者は、げんなりして辺りを見た。昨日の夜からずっとこれだ。
何かあれば、殴られ、叩かれ、突き飛ばされ、突き落とされ、風呂に沈められ、埋められる。
「シド、やるんなら早くしろ。帰るぞオレは」
「おう、オウカ頼んだぞ。皆、ちっと下がれ!」
オウカが額に指を当て何事がつぶやいた。
「・・・下がるってなんだよ!?オイ!」
埋められたままのティーダが叫ぶ。一人、逃げられずに埋まっているのだ。
皆の笑い声と同時に天に、無数の氷柱が姿を現した。それらが乾いた地に降り注ぎ、澄んだ音ではじけ飛ぶ。
オウカがティーダを横目ににやりと笑った。
風が頬をなでる間に乾いた光景が一変した。数え切れない氷柱が、砂漠の日差しを反射して虹色に輝いている。
「よっしゃお疲れ!氷が溶けるまで飯だ飯!」
「タダの魔法はきついなクソ」
「そうなのか?細かいこと言うな兄弟」
「誰が兄弟だ、シヴァがなつかしいぜ」
「ああ、ありゃいい女だった」
男達が楽しそうに声を上げ、光の中を歩いていく。
ティーダはその光景に目を見張った。あれはたぶんブリザラだ。そしを信じられないほどの早さで唱えている。
魔術にはずぶの素人の自分でも、ルールーの手並みの鮮やかさを目にしているからよく分かる。
ルーの魔法やシヴァの一撃より早いんじゃないか。
遠ざかる皆の笑い声。
「・・・・どうでもいいけど、オレをこっから出せ!」
氷の柱に囲まれて、十七才は天に吼えた。
あ
ルカの陽気な街並みが、灯りに包まれ浮かんでいる。
人々の雑踏に紛れ、様々な種族が行き交う街。街の中心にあるブリッツスタジアムの真ん前で、たたずむ一人の男がいる。
閑散としたチケット売場を眺め、行き交う人々の言葉の渦に包まれて、どこかを見ている男がいる。
ナギ節の祝いに沸くルカの街は、夜だというのにそれを感じさせない明るさで、街に生きる人間を等しく包み受け入れる。
異質なものも何もかも。
「召喚師ユウナ様ご一行が到着されたぞ!」
港を警備しているかつての討伐隊が行き交う人に声をかけた。
「三番ポートだ!三番ポートだ!」
足を止めた人の流れが変わりうねりとなって動き出す。
歓声が歌う声が陽気な会話が周囲を覆う中、流れに逆らい立ち去る男がいる。
黒い外套に身を包み、小さな声で祈りの歌を口ずさみながら。
「三番ポートだぞ!」「こらぁ!下がれ下がれ!」
沸き立つ民衆をかき分けて、街の首長十五人が偉業を成し遂げた英雄のために鯱張って居並んでいる。
警備員が一行のための道をあけ、怒声を張り上げ走り回る。花束を持って楽しそうにさえずる子供達。
その姿を一目見ようとスフィア片手に陣取る記者。手に手に持った黄色い花を掲げ、それをゆっくり振る大人達。
スポットライトに照らされて、連絡船ウイノ号は静かに港に滑り込む。
「みんな!」
「待てこら」
雑踏の中、三番ポート目がけて走り出したティーダをオウカが引き留めた。
「今は待て。時期が悪い」
「なにが」
「これからお偉いサン方と謁見して会食だ。お前は死んだことになってるんだろうが。今出ていっても混乱するだけだ」
正論にティーダが息を吐く。
「ルカから出てミヘン街道ででも落ち合うのが賢明だろう。ちったあ頭つかえよ」
「・・・・・くそ」
「今夜は宿に泊まって大人しくしてろ。お楽しみは後でいいだろう」
背後で大歓声が上がった。
「・・・・どうした?」
歓声に背を向けて、薄暗い通路を見やるティーダの表情は喜びとはほど遠い。
オウカは視線を飛ばして押し黙る。
「・・・・・いや、知り合いかと思っただけだ」
ティーダは自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
「もう・・・・いないんだ」
オウカに言い聞かせるようにつぶやいた。
「見間違いだ、気のせい気のせい」
幻光虫のかすかな光が暗闇に、陰ったようにオウカには見えた。
うぉ〜〜〜!!ドキドキするー!
人気のない湿気った酒場。
夕食時のにぎわいを、従業員と客を召喚師一行に奪われた酒場の主が一人、大慌てで立ち回っている。
「忙しそうだねえ、飯、飯!なんかねえか?」
「オレも!」
「まいど!もうすぐ皆が戻って来るからな、仕込みが大変なんだよちょっと待ってろ」
ティーダとオウカは街のはずれ、街道よりの酒場にいる。
二人とも下らない歓待の式典なんぞに興味はなかった。
興味があるのは街で聞いた不穏な噂だ。
酒を片手にオウカが顎で促すとティーダがそれに答えて切り出した。
「親父、ちょっと聞いていいか?」
「なんだあ、後にしてくれ後っ!」
「俺達これからグアドサラムに行くんだけどな、あの噂って本当か?」
「あん?」
「戦だよ、戦争」
動きが止まった店の主が金髪の若造を睨み付ける。
「胸くそ悪い事言ってんじゃねえぞ坊主。くだらねえ事言い腐りやがって」
「わりい、でもなこっちも都合があってさ」
「お前の聞いた通りだよ。グアドがロンゾとやり合うってのは本当だ」
「まじっすか・・・・」
「何があったのか知らねえが、せっかくのナギ節ぐれえ静かにしやがれってん」
最後の言葉は入って来た大勢の客にかき消され、ナギ節の祝いに沸く祝儀の酒が酒場を満たす。
流れ込むように入ってきた客が、大声で口々にユウナの名を挙げ杯を酌み交わす。
「・・・・・戦か、まったく凝りねえ連中だ」
陣取った酒場の隅でオウカが吐き捨て酒をあおった。
「ロンゾはグアドにひどい目にあってっからな・・・・・」
ティーダはシーモアを思い出し、ガガゼト山の切り立った氷壁を、シーモアの言った言葉を思い出す。
死の螺旋
そう言えば同じ言葉をあいつも言ってた。
死の螺旋
アーロンはスピラの全部をそう言った。
死の螺旋
親父が死んで無くなったはずのモノ。
「・・・・死の螺旋」
オウカの言葉に空気が止まった。
・・・・・ちょっと小休止。
よければ何かご感想ください。それが無いと筆が進みません(w
56 :
名無しさん@LV2001:01/10/22 21:15 ID:3KEF0D4w
なんか感動した気分
ティーダってマジ小麦系だよネ
58 :
???:01/10/22 21:29 ID:l9AsfSIw
初めまして、ままさん。
書き殴ってると言っていましたが、すっごい良いッスよ!
リアルです、本当にEDの続きを読んでいるようです。
読みながらニヤけてます。
謎の人が出てきてますね!?
いったい誰なんでしょうか?
黒い外套ですか・・・、誰だったっけ?
続き、がんばってくださいね。
ティーダとユウナの再会はきっとボロ泣きしてしまうことでしょう。
鉛色をした空の下、ミヘン街道はいつもの穏やかな表情を見せてはいなかった。
多くの召喚師と巡礼者が行き交った街道は、今はひっそりと静まりかえっている。
戦乱のかすかな足音は人の心を凍らせる。
街道の中程にあるリンの旅行公司、ティーダとオウカは待ち人を待ちつつチョコボと和んでいた。
「かわええの〜」
オウカがチョコボを撫で、羽をかき分けノミ取りをしている。
「・・・そんなに好きなのか、チョコボ」
「見りゃわかるだろ、オレはこいつがいれば何もいらん」
失笑したティーダに黄色い羽が突き刺さった。
「いってえ!」
「目上の人間に対する教育がなっとらんなお前は」
「それとこれと関係あんのか!?」
「無い」
ティーダが殺気と共に身構えた。
「おっ、やるってのかお前」
「・・・・あんた、オレで、遊んでるだろ」
「その通り」
「ふっざけんな!」
オウカはいきり立つティーダを優しい目をして眺め微笑んだ。
深い色をした何かを言いたげな瞳。
「オレはお前とはいっぺんやり合ってみたいと思ってたんだがな・・・・」
「ああ、今ここでやってやる!」
「待ち人来たりだ」
「ティーダ!!」
黄色い声に振り向くと、足に根が生えたように立ちつくしたリュックがいる。
「・・・・よう」
短く答えたティーダの視界に懐かしい仲間が入ってきた。
言葉無く固まるワッカ。
相変わらず無口なキマリ。
声に駆け寄ってきたルー。
「・・・ティーダ!」
そして、ユウナ。
離れていたのは、ほんのつかの間。
永遠に感じられたその時間を埋め合わせるかのように皆が笑った。
鉛色をした空の下、人知れない感動の再会は穏やかに多くのモノを伴って訪れた。
ここからが本当の始まりの物語。
>56.57.58
ありがとうございます〜(^ー^)
お陰で今日は進むのが早いですよ。
がんばってください
続きが気になって仕方がない!(笑
鉛色だった空がそのまま泣き出して、静かな雨に煙る午後。
ここはミヘン街道・リンの旅行公司。
お互いが離れていた間の事をとりとめもなく話し出し、中を占拠して小休止している。
笑うだけ笑い、泣きたい奴は泣き、思い出話を話すだけ話して出尽くした頃、あくびをしていた
オウカが気怠そうに口を挟んだ。
「・・・・お前らがさっきから言ってるアーロンっての、片目の渋めのおっさんで紅い上着にでかい大刀。
すかして鼻でふっ・・・・とか笑ってる頭の固い野郎だろ」
皆の視線がオウカに集まる中、ワッカが一人思い出して吹き出した。
「・・・知り合い、なんすか?」
返す刀でティーダの顔を蹴る。
「なんで蹴んだよ!コラ!」
「うるせえガキ、で、アーロンはどこに行った」
問いに皆が顔を見合わせた。
「行っちゃたよ、異界にさ・・・・」
節目がちに答えたリュックを乗り越えて、オウカの視線はユウナに刺さる。
「本当か召喚師さんよ」
ユウナは自分に向けられた視線の厳しさに身を固くした。
凍るような冷たい視線。
オウカの敵意はない、しかし異様なまなざしに和やかな空気がかき消えた。
「はい」
「お前が異界送りでもしたのか」
ユウナの目が見開かれた。
「・・・・・お前、本当に召喚師か?」
押し殺された低い声に、キマリがユウナの前に出る。
「不勉強な召喚師様に良いことを教えてやろう」
息を吐きオウカが静かに話し出す。
「死者がスピラに止まるには二つの方法がある」
皆が固唾を飲んで言葉を待った。
「一つは気合いだ。信念だけで異界に行かずにスピラを彷徨う。誰にでもできるが誰もが次第に人の心を
失って、信念にとりつかれた化け物になる。例外はない。ユウナ」
「はい」
「そんな人間が人の心を失わずにどれだけスピラにとどまれるか、おまえ、答えを知ってるか」
ユウナがオウカを真っ直ぐ見た。
「申し訳ありません」
丁寧に頭を下げる。それを見たオウカは表情を作って語気を強くした。
「お前のような召喚師がいるからだ。だからスピラの螺旋は切れない」
「・・・・さっきから黙って聞いてりゃあんた!」
「いいの、ワッカ。私は本当に半人前なの」
ユウナはオウカに向き直り、真摯な瞳で言葉を待つ。
65 :
???:01/10/22 22:53 ID:l9AsfSIw
ままさんのFF10ED後世界で異界に行ってもアーロン出てこなそうですね・・・。
「もう一つの方法は召喚師が召喚する方法だ。この方法は死者は意識をとどめたまま、永遠にスピラを彷徨う」
ティーダは、冷たい言葉に思考が止まった。
「異界には行けない、永遠にスピラを彷徨う」
死の螺旋
「アーロンは十年、死んでからも意識を保っているだろうが」
死の螺旋
「あの野郎はな、約束のためだけに九年前、馬鹿な召喚師によって召喚された」
死の螺旋
「異界になんて行ってねえ。召喚師がどうして側にいてそれに気が付かない」
死の螺旋
「死人は生者と異なるはずだ。どうしてお前はそれに気が付かない」
幻光虫の淡い光がオウカを包む。
「あの野郎はこれから永遠にスピラを彷徨う」
幻光虫が淡い光を放ってオウカを包む。
「オレはあの野郎と同類だ。どうしてお前はそれに気が付かないんだ」
音のない部屋の中でオウカの声が悲しく響く。
「死の螺旋、お前はそれに向き合う事ができるのか」
雨音が静かに部屋を満たしていく。
「できるならアーロンを探してお前が殺してやってくれ」
ティーダは冷たい言葉に幻光虫を見た。
すごいっす・・・・あげっす。
おもしろいっす。はやく続きが読みたいっす。
がんばれ!ままさん!
気合い入れて書いたら鬱に・・・・・ちょっと席はずしますね。
マジスレだとカキコが少なくて、ちょっとさびしい(w
(゚д゚)ウマー
応援してるYO!がんばってNE!
オウカって誰?
age
74 :
名無しさん@LV2001:01/10/23 18:18 ID:XpVliQgu
ままさんがんばってください!まじイイっす!
マジで期待!イイ!
ベ○ーさん(誰)もビクーリですね。
とりあえず上げます。
皆さんスミマセン・・・・今夜はちょっと違う板が盛り上がっているもんで(w
更新ないかもしれません。
明日から一気に上げでいくぞ!ジェクト最後まで突っ走れ!
ジェクト様のスレ、本当に最高でしたね・・・
ジェクト・ブラスカ・アーロン様のなりきりっぷりに感服いたしました。
またどこかで会いたいな♪
場違いな書き込みですみません。
例スレ、燃え尽きましたね・・・。
さみしい。
けど今度はままさんの小説を楽しみにここに遊びに来るよ。
ていうか(1002)になってるけど・・・。ジェクトスレ
いつもラストって1001じゃない?
…もしかして奇跡か?
80 :
ブラスカ:01/10/24 00:47 ID:???
・・・・こっちに人が流れてきているのに驚いたよ・・・・・場違いだが
向こうのコテハンでたまにはここに書き込んでくれてもかまわないと思っている。
最後に一言
私の最後の言葉が1002だった。(w
まさか・・・
そっそっそんな・・・
ティーダのように復活とか!!
そりゃないっすよね・・・
復活しないほうが個人的にはいいなぁ・・・
あれはあれで終わらせたから、あれだけ盛り上がったんだもん。
82 :
イェイ!(キティガイ厨房LV0) ◆bYEAHOlU :01/10/24 00:49 ID:m4pdiRht
∧_∧
( メ∀T)終わっちゃった・・・餅・・・!
83 :
おお!:01/10/24 00:51 ID:???
奇跡の1002をブラスカ様が!
受け入れて下さってありがとうございます。
なんか他のスレに流れてまであれこれ言うのは厨だと承知ですが。
>82
超可愛いよあんた。後半から結構好きだ。餅!
・・・・・皆、スレ違いだからここにあんま書き込むなよな。
ブラスカ様・・・・じゃなくてままに悪いだろ。
気持ちは分かるけど甘えるな、自粛自粛。
>82
餅も泣いてる。わかるよその気持ち。
名無しで遊びにくるからな!
続き期待してるぜ!
今度は俺に最後まで付き合わせてくれよ!
通りすがりの旅の者です・・・俺が誰か、気にせんでください。
あいつと共にスレを見守っています。では・・・(会釈)
>85
正直、ごめん。
まま続き楽しみにしてるぜ〜
90 :
イェイ!(キティガイ厨房LV0) ◆bYEAHOlU :01/10/24 00:56 ID:m4pdiRht
91 :
まま:01/10/24 00:58 ID:???
>87
今後ともよろしくだ。ジェクト某・・・・違うのか?
92 :
まま:01/10/24 01:00 ID:???
>88
・・・・お前もな・・・・アーロン某(w
ここのスレには、いつかブラスカ様・アーロン様・ジェクト様がぶらりと遊びに来てくれそうな予感がする♪
ままさん、小説の続き楽しみにしてますよ〜
・・・・・唐突ですが、ここのスレから引っ越して、違うスレ立てて一からやり直
したいと、思ったりしております。・・・まだ未定ですが・・・・
読み返して、誤字脱字はなはだしいものがあるのも一興かなと、初めは思っていま
したが、掲示板の形に合わせた軽い書ききり文章ではなくて、きちんとした小説に
なりそうな気配がするお話なので、現在小説として描写を書き加えて推考してます
んです。ハイ。
訂正版をこの続きにコピペするか、新たにスレ建てるか考え中ですが、二・三日中
に決めて夜中に一気にUPしますんで、しばらくsageたままでお待ちください。
今後ともよろしく頼みます、はい。(w
ままさん頑張って!
ままさんの小説は面白いと思ってるけど、わざわざスレ立て直すのは
どうかと思うよ。
微々たるモノかもしれないけど、サーバーの負担とか考えたら、
このままここで続けたほうが良いと思われ。
別に荒されたりしてる訳じゃないんだし。
98 :
???:01/10/24 21:47 ID:ar6E50m9
>>97 私もそう思います。
同じようなスレ立てると逆に荒らされると思います。
そうじゃなかったらままさんがHP作って小説書いてみたらどうですか!?
ところで、1002の事だけど、
どうやら1001の瞬間にレスが殺到すると1001を超えるらしい。
別板に1004ってのがあった…すれ違いスマン
この良スレ、みんな基本的にsage進行で行こうよ!!
101 :
名無しさん@LV2001:01/10/24 22:01 ID:EzXBqWaS
構造改革なくしてこの良スレはありえない
皆さん、わざわざのご意見ありがとうございます。ぺこり。
ご意見通り後日このままここに、一からコピペしなおしますね。
たいして構成が変わったわけではなかったので・・・・
>101
気になる言葉です。もし気が向かれるようなら詳しい御指南お願いしますね。
書いていて1000で終わるのかこれ・・・・と今から不安ばかり
先行しておりますが、気長にやります、皆さんありがとう。
・・・前の某スレで思っていたこと。
ジェクト、あんた文才あるよ。
もしまだプロじゃなかったら早く作家でデビューしな。(マジ
ライターはいけんよ、使い捨てられるからね。
・・・・・ええと、とりあえず時間があったので昼間にUPします。
結局数回書き直し、初めとほとんど変わらぬ文章ですので、一度読んだ方は読み飛ばしても
全く問題はありません。(w
思うところあって、日本語を練り直しただけにとどめました。・・・持続できる程度に。
これは某スレでがんばったジェクトとアーロンに捧げます。二人がいなければこれは形に
ならなかったでしょうから。
スピラの蒼い、蒼い空。
幻光虫の淡い光が視界を取り巻き天へと上っていった。
穏やかな波間に漂いながら、消えたはずの自分がどこにいるのかを自問する。
「・・・・・あ?」
両の手を見、蒼い海を見、耳慣れた音を聞き、波に洗われ、太陽の臭いをかいで、ティーダは消えていない
自分の存在を確かめた。
「・・・・・あ?」
穏やかな風が水面を滑って流れていく。
頬をなでる潮風も肌に冷たいスピラの海も、無くしてしまったすべてのモノが、なぜだか今、歓喜と共にこ
こにあるのだ。
「・・・・・あれ?」
大声で吼えた十七才は、四方八方水平線、大海原のど真ん中、生かされている事を歓喜していた。
祈りの歌が聞こえて来る。
悲しい色に彩られた祈りの歌が。
明るい陽光の元で多くの信仰に支えられ、安らぎと平穏を、長く待ち望んでいた些細なものを、引き替えに
した代償を思わない、多くの信仰が高らかに歌う。
「・・・・・はあ・・・」
心なしか明るさの増した寺院の中、大召喚師ブラスカの像を前にたたずむ男。
「・・・・・はあ・・・」
エボン。スピラの柱。空虚な聖堂。祈り子。ザナルカンド。大いなるナギ節。
「・・・・・はあ・・・」
「いい加減にしなさいよ」
「・・・・・んな事いわれてもよ」
黒装束を脱ぎ捨てた白いドレスのルールーがいる。
「みんな待ってるわ。笑いなさい」
「・・・・・しょうがねえ。な」
ティーダが消え、アーロンが消え、シンが消え、何もかもが無くなった。
表情を作ったワッカを伴って、ルールーは石像に背を向け光の中へ歩み出る。
以前は馴染みだった多くの顔が寺院の周りを取り囲み、素朴な敬意を表した歌声が、人々が掲げる黄色い花
に彩りを添えていた。僧が上げる祝詞が低く、地を這うように広がっていく。それに和した人々が寺院に向
かって頭を垂れた。
大いなる、ナギ節。
明るい陽光の下、祭り上げられた英雄をたたえる盛大な式典がスピラ全土をあげて行われていた。
当事者達を置き去りにして。
「・・・・・オレがガキのころにはよ、ブラスカ様のナギ節の祝いに無邪気に喜んでたんだよなぁ」
ワッカは勧められるまま神酒に手をつけ一人ごつ。
「・・・・・なんつーか・・・・なんなんだ。・・・上手く言えね」
真っ白な式服に身を包んだ英雄達が、言葉少なにどこかを見た。
始まりの島、ビサイド島。
これから一行はナギ節の始まりを祝う習わし通り、各地の寺院を回り祈り子達に祈願をする。
永く、永く続く平和を願って。
スピラの高い蒼い空。
かすかに見える島影をたよりに、一人泳ぐティーダがいる。
「・・・・・どうすっか、な」
もう小一時間、泳ぎ続けて沸き上がる不安。
「あれが島じゃなかったら、ひょっとしなくてもこのまま海の、藻屑だよな・・・・・」
寒い予感に手が止まる。
「丸腰だしな。襲われても応戦もできね・・・・・」
言いかけて、ティーダは不安を振り払うかのように、闇雲に波をかきわけ突き進む。
冗談じゃない、何で生きているのかは解らないが、訳がわからないまま死んでたまるか!
刹那、目の前の波が沸き立った。水面がえぐれた同時、身構える間もなく海水と共に青い空へ噴き上げられ
た。離れた海面に落ちたティーダは、かろうじてつなぎ止めていた意識を振り絞り水上へと顔を出す。
音が、聞こえない。
みーみーと機械のエラー音に似た音が、頭の中をざわついている。
「何な、んだよっ!」
同時に背後から圧が加わった。振動のあるほうを見やると巨大な水柱が上がっている。
モンスターじゃない。アルベドの機械らしいものも見えない。正体不明の何かが爆発する中を抜け、全身全
霊を込め島影を目指すティーダの前に、一冊の本が落ちてきた。
・・・・本?
驚いて、止まったティーダに石が当たった。
「・・・・痛っ!?」
人がいる。
非常に喜ばしい事なのだが、ありがたくない岩場に人がいる。
人が一人寝られるだけの小さな岩場に手招きする野郎がいるのだ。
しかも何かを言っているんだが、何を言っているんだか聞こえない。
体にかかる水圧と共に背後に水柱が上がった。降り注ぐしぶきに身の危険を感じたティーダは、がむしゃら
に岩場に向かって突き進む。
スピラの蒼い、蒼い海。
ここに始めてきたあの時も、訳も分からず走ってた。
焼けるような懐かしい感覚にアーロンの怒声を、分かれたままの皆を、消えてしまった人間を思い出す。
繰り返し体の芯に響く音と共に、戻ってきた聴覚にかすかに聞こえた笑い声。
岩場の男がおかしそうに笑っている。
「ふざけんな・・・・なんだてめえは!」
岩場によじ登ったティーダが殴りかからんばかりにくってかかると、不思議そうな顔をして男はティーダを
海に突き落とした。
「それはこっちのセリフだろう」
「・・・・うっせえ!」
「さっきから大丈夫だと連呼しているのに、くってかかられるとは侵害だな」
言葉とは裏腹の穏やかな声にティーダは男を見上げて頭をかいた。髪を短く刈り上げた、白いシャツがまぶ
しい地味な格好をした優男。日に焼けた浅黒い顔が優しく笑った。
「聞こえてなかったんだよ・・・・・ええと・・・・」
「・・・・・とにかく海から上がったらどうだ、変な君」
「どっちが・・・・・」
ティーダは多くの質問を飲み込んで、小さな岩場によじ登る。
スピラの蒼い、蒼い海。
ここは四方八方水平線、大海原のど真ん中。
「ここはどこなんだ?」
質問に前の男が目を丸くする。
「シンは死んだんだよな・・・・ここはスピラだろ?」
目の前の男が怪訝そうに眉値を寄せた。
小さい岩場に座り込んだ野郎が二人、蒼い海原の真ん中で不思議な出会いをしていた。
「んんん・・・・初めから整理させてくれ。まず私の名前はオウカだ」
間を置いてサンドイッチを差し出すオウカの表情は優しい。
「ああ、サンキュ。オレはティーダだ。よろしくっす」
矢継ぎ早の質問を切り上げると差し出されたそれを受け取って、がっついて口に押し込んだ。
「変な話だな。海のど真ん中に浮いててここがどかと質問されてもな、・・・分からずに浮いているとは
お前海賊かなにかか?襲われたのか?」
「どっちも違う。・・・・色々事情があってさ、話しても訳わかんねーと思うから止めとくけど」
「向こうを見てみろ」
オウカが指さした方角がかすかに黄色く煙っている。
「砂漠の砂塵だ。これでどこかわかるだろう」
「・・・・・砂漠があんのか?アルベドのホームがあった島かな・・・・・」
「サヌビア砂漠だ。その事を知ってるなら話が早い、お前アルベドか?」
「違うよ」
オウカの深い黒い瞳が好奇心に閃いた。
「訳が分からなくてもかまわないな、よければ全部いやよくなくても全部話せ、変な君」
人の良いオウカの態度にティーダの力が抜ける。
「・・・・っつうか、オウカはここで何してるんだ?」
「遭難してる」
不意を付かれた即答にティーダが吹き出した。むせ返る背中に水を差し出すオウカの目は冷ややかだ。
「冗談だよ。弁当持って遭難する人間がどこにいる」
「・・・・あのな」
「ちょっとした魔法の実験だ。ここならじゃまされずに色々やれるからな」
「・・・・ってことは、さっきの爆発はあんたか!」
「その通り、さあ気になるからお前の複雑な事情とやらを話せ、変な君」
「いいけどな、その前に質問いいか?」
「んんん。何だ?」
「あんたここにどうやって来たんだ。海の真ん中だぞ」
横目にちらりとオウカが視線をそらす。
「オレはこれでも召喚師だ。召喚獣に乗ってここまで来た」
「へえ、あんたが」
「それがいくら召喚してもヴアルファーレもバハムートも出て来ないんだな。祈り子に嫌われちまったか、
オレ」
ティーダの動きが止まった。
そう言われれば、シンを倒す時にユウナが召喚した召喚獣をすべて倒した覚えがある。
「ヴァルファーレが来ないと絶望的だな俺達は、まあ何とかなるだろ。さ、ティーダとやら。お前の複雑な
事情を話せ」
「・・・・念の為に聞くけどな、あんたここにいつからいるんだ?」
「昨日から♪」
スピラの蒼い蒼い空。
ここは四方八方水平線、大海原のど真ん中。
スピラの青い空。
真っ白な帆にいっぱいの風をはらんだ船が進む。
連絡船リキ号の船上、浮かない顔でリュックが一人声を上げた。
「・・・なんでこんな事するわけ?無駄じゃん。祈り子もシンももういないのに」
人々に取り囲まれた輪の中で、素早くルールーが口をふさぐ。
「・・・気持ちは分かるけど、今は静かにしていて、ね」
「いやだよ。もっかい寺院を回るなんて、ティーダはも・・・もが」
ワッカが黙らないわがまま娘の正論を押さえ込むと、周囲に作り笑いを浮かべて船室へとかつぎ込んだ。
それを笑顔で見送るユウナがいる。
閉められたドアの中で、リュックは難しい顔をしたワッカに噛みついた。
「なに誤魔化してんのさ!エボンなんて教えなんてうそっぱちなのはみんな分かってるくせに!今更なんで
教えなんかに従わなきゃなんないわけ!」
「そう言うな。ユウナが望んだことだ、な。分かってくれよ」
「分からない!みんなありもしない嘘を信じたままでいいわけ!みんなにちゃんと説明してあげられるの
ユウナだけなんだよ。教えも寺院ももういらないって!」
ワッカは表情も堅く正論が吐き出されるのを聞き、ため息をついてどこかを見た。
「・・・・あのなあ・・・言いたいことはオレもじゅーぶん分かるけどな・・・・ユウナのやりたい事も
分かんだろ?」
「わかんない!」
「今のスピラにはエボンは必要なんだよ。・・・・アルベドのお前にはわかんねーかもしれねーけどな」
「わかんないよ!」
薄暗い船室に絶叫が響く。揺られる船のきしむ音が、波の音が、あたりを覆った。
「・・・・・いやなんだよ」
涙声でぽつりとこぼれた本音が一つ。熱の籠もる瞳が陰る。
「もっかい全部回るなんていやだ。・・・おも・・・思い出しちゃうよ。何でみんな笑ってられるのさ。
ティーダもアーロン・・・・もう、いないのに」
重い沈黙に、リュックが身を固くする。
「もういないんだよ。こんなこと言ってもしょうがないけど、無駄なんだ。どうして?あたし行きたくない」
「うるせえよ!」
怒号にはじかれたように顔を上げた。ワッカが見たことのない色をたたえた目で、どこかを睨んでいる。
「・・・・・わりぃ」
背中を向けて座り込む。
「・・・・あたし最悪、ユウナの前で笑えないよ・・・・笑えないんだ」
背中は無言で嗚咽に答えた。
スピラの青い空。
本当の蒼さにはほど遠い、霞がかかった青空の下、答えの出ない矛盾を乗せて船は行く。
「・・・・シンが、いなくなったか」
ここはスピラの蒼い海。
不思議な出会いを分かち合った野郎が二人、弁当を食べながら込み入った話に興じていた。
きつい日差しも幾分和らいで、ゆっくりと空が紅く染まり始めている。
「なんだ、じゃあオレは、今までの人生も苦労も何もかもが水泡に帰した上にシンを倒すのも他人に出し抜
かれ、そのおかげで帰る手段を奪われて、ここで二人寂しく死んで行くわけだな」
「・・・二人ってオレも入ってんのかよ、なあ」
「他に誰がいるんだ、馬鹿チンが」
言葉とは裏腹にオウカの表情はすがすがしい。
「人生に悔い無しだな。実に良い日だ!」
気持ちよさそうに岩場に寝ころんで空を見上げる。
「・・・・よかねえよ」
「考えても見ろ、当時者のお前がここに来なければ、オレは事実を知らないまま死ぬとこだった。お前をこ
こに召喚しなおした召喚師の粋な計らいってやつだな」
「じゃなにか?オレ、あんたと心中するためにこんな所に来たってのかよ!」
「そうだろ♪」
「・・・・ふっざけんな!こんな所で死んでたまるか!」
「力んでどうする。無駄にエネルギーが消費されるぞ無駄無駄」
「向こうに陸地があるのが分かってんなら、オレは泳いでくぞ」
「おいおい、どれだけ距離があるか分かってるのか」
「これでもオレはブリッツの選手なんだ、これくらいわけないって」
そう言って、飛び込もうとしたティーダの上着を不意にオウカが引っ張った。
当事者はバランスを崩して水面に転がり落ちる。
「・・・・ってえ!なにするんだおっさん、アブねえだろ!」
「危ないのはお前だ、丸腰でここの海に入ったら三十分持たないぞ」
「・・・・・あ?」
「馬鹿でかい海獣がいるんだよ、お前なんぞ一飲みだ。あとオレはおっさんじゃねえ!」
ティーダの顔面に水筒を投げつけて満足そうに微笑むと、空を見上げて鼻糞をほじくっている。
「まだ25だ」
「なんか・・・・だんだん人格変わってないっすか?」
「阿呆これが地だ。召喚師ってのは外面取り繕うのが商売だからな」
「そうっすか」
「お前、向こうまで泳ぐか?さっきみたいに援護射撃してやるからよ」
「あれが援護?」
「ただしオレから見えなくなったら後は知らん」
「あのな・・・・」
為すすべの見あたらない二人は、互いに寝ころんで夕日を呆けて眺めていた。
真っ紅な空。
水面に黄金をちりばめた光の帯が二人を招く道を造り、世界の創造以来繰り返されてきた理が、変わらず今
日を終えていく。刻一刻と彩りを変える大空は、瞬く星を天蓋に添え二人を覆い包み込む。
オウカが急に立ち上がった。
何事かつぶやくと右手で軽く額をなで海面に向けて意識を飛ばす。
暗い海に一瞬光が煌めき轟音を伴った水柱が上がった。立て続けに三つ。
「なんだ、なにやって」
「上」
見上げた上に移動する小さな灯りがある。
「アルベドの飛空挺だ」
「シドのおっさんか!よし」
ティーダは覚えたまま一度も使うことの無かった魔法を唱え身を乗り出す。
二人から離れた沖合いに、光る光球が浮かんだ瞬間、爆風が二人を飲み込んだ。
「・・・アルテマか」
頭上の飛空挺が二人の存在に気が付いたのか、信号灯を発しながら近づいて来るのを確かめた二十五才は
喜ぶガキを海に蹴り込んだ。
戦いの歌が聞こえる。
快晴と順調な船足に助けられた一行は、村の盛大な歓待の中キーリカ島へと到着した。
シンに襲われた爪痕も、異界送りをされた人々の面影も最早なく、ナギ節の到来に沸く村人達は世界を救っ
た英雄を心から歓迎し祝福した。人々に囲まれた客人は、黄色い花で作ったリースを幾重にも首に掛け、か
つて歩いた木造りの道を笑いに包まれ歩いていく。広い海には多くの船が押し寄せて、大いなるナギ節をも
たらした英雄達を静かに祈り見守っていた。
すべてをエボンの賜物として。
村のあちこちから香をたく煙が立ち上っている。即席に形作られた祭壇は、美しい花々で飾られて犠牲の煙
を立ち上らせ、多くの祭司が香を持ち行き交っている。
「いやな臭いがする」
人々の輪から離れた所で、キマリが朴訥な声を出した。
「・・・・キマリ?」
ユウナが鼻をならして意味を問う。
香のかぐわしい薫り。
「ロンゾに古くから伝わる歌がある」
ルールーが二人の会話に足を止めた。
「空気が歌う、戦いの歌。いやな臭いだ」
「どういう意味?」
「今は分からない、ユウナ。皆が呼んでいる、キマリの事は気にするな」
名残惜しげに振り返るユウナの背を押して、獣人は一人空を仰いだ。
大気の変化。
魔術を使うルールーも、その微妙な変化を感じ取ってはいた。
でもそれは、シンがいなくなり、祈り子がいなくなり、人々の祈りが悲しみが必要無くなったからだと
思っていた。
「戦いの歌」
時代の転換点とは、後世になって初めて理解される事があまりに多い。そのただ中にあって意味を感じ取る
事のできる人間はあまりに少なく、多くの人々がそれを理解できないままに、歴史は静かに動き出すのだ。
後世に後悔の念だけを残す形で。
人々の歓待に沸く小さな村で、少なからぬその臭いをかぎ取った人間が二人。
それは血の臭いか。
それとも。
「ユウナ様!」「ありがとうございます!これでスピラにも平和が」「おお、ユウナ様がいらっしゃったぞ」
「ユウナ様!」「ユウナ様だ!」「ユウナ様、ガードの方々、本当にありがとうございます!」
「ユウナ様っ」
寺院の参道に詰めかけた大勢の人々から、口々に上がる歓喜の声。
信仰に満ちた素朴な人間の、喜びに満ちた瞳。
刺されるような多くの視線に囲まれて、ユウナがゆっくり歩いていく。
「これをお納めください」「私もユウナ様、これを」
次々に差し出される心のこもった贈り物。
それを受け取らずに微笑んで、ユウナはゆっくりと歩いていく。
参道の永く続く階段を踏みしめ上がった森の奥、キーリカ=エボン寺院が久しぶりのにぎわいに、陽光に照
らされ皆を迎えた。
「ユウナ様、並びにガードの方々、ようこそおいでくださいました」
寺院に籠もる僧が二十人、一同に介し一行を恭しく先導した。
「準備はすでに整っております。さあ奥へ」
祈りの歌が聞こえない。
静寂に包まれた寺院の中で、紫の式服に身を包んだ高僧が一人、進み出て微笑んだ。
「大召喚師ブラスカ様のナギ節には、このような式典を執り行うことはできませんでした。いえ・・・ナギ
節のおり、式典を行うのは千年の歴史を持つエボンにとっても初めてのこと。ユウナ様の大いなるナギ節の
祝いの末席に、私ども立ち会うことができること、これ以上の祝福はありません」
空気がピンと張りつめた。
「エボンの賜物です、ユウナ様」
恭しく頭をたれる儀礼的な光景を、冷めた瞳でリュックが見る。
英雄になって奉られて、信じてもいない寺院を回ってどうするんだろう。
ユウナ、このまま普通の暮らしに戻れずに、エボンの老師になって飾られるんだろうか。
いっぱいいろんなモノが無くなって、代わりにしょうがなく得たモノはうれしくもない、こんなモノ。
死の螺旋
シーモアの歌うような声が耳に蘇る。
死の螺旋
そんなモノは無くなったんだよね。
死の螺旋
私たちのした事は、無駄にはなっていないよね。
死の螺旋
きっとこれでよかったんだ。
死の螺旋
促されるまま後に付き、リュックは一人微笑んだ。
「・・・・ひっでえなあ、こりゃ」
煙る砂塵に覆われた、かつてのホームを見て笑う。
「一からやるしかねえっでしょ、な、みんな」
煙る砂塵が空に舞い、居並ぶ野郎の顔を覆う。
生き残ったアルベド族の一行は、舞い戻ったホームを眺め、終わった時代をふみしめていた。
すっかり錆びて廃墟となったかつての家は、乾いた音を天高く上げ、死んでいった仲間達を思い出と共に
包み込んで何かを語る。ここはサヌビア砂漠の南のはずれ、アルベド達の造った故郷。
「なあに、時間はいくらでもあるんだ。再建なんかめじゃねえぞ!」
禿げ上がった頭を撫で、シドが野太い声を張り上げる。
「てめえら!ぐずってねえで仕切直しだ。とっとと働け!」
うれしそうに吐き捨てると、隣のティーダを殴って笑った。
「あにすんだよ、おっさん!」
「やかましい、この野郎がおいしいところに出てきやがってよ!」
そう言って今度は足でティーダを蹴った。
「いい加減にしやがれ、じじい!」
「生きてるだけありがたく思え」
一人が砂をティーダにかけた。
「ユウナちゃんが見たら泣いて喜ぶだろうな、おい」
一人がさらに砂をかけた。
「じっとしてココに埋まってろ」
一人がティーダを押さえつける。
「野郎共、この糞ガキを埋めちまえ!」
シドの声に皆がガキに襲いかかった。
「やめ、やめろ馬鹿!うわ」
「・・・・おまえら、馬鹿?」
砂よけに物陰から顔だけ出したオウカが一人、他人になって声を出す。
「笑ってねえで助けろよ!」
首まで埋められ周りを踏み固められた当事者は、げんなりして辺りを見た。昨日の夜からずっとこれだ。
何かあれば、殴られ、叩かれ、突き飛ばされ、突き落とされ、風呂に沈められ、埋められる。
手荒な気持ちが芯からうれしい。
「シド、やるんなら早くしろ。帰るぞオレは」
「おう、オウカ頼んだぞ。皆、ちっと下がれ!」
オウカが額に指を当て何事がつぶやいた。
「・・・下がるってなんだよ!?オイ!」
埋められたままのティーダが叫ぶ。一人、逃げられずに埋まっているのだ。
皆の笑い声と同時に天に、無数の氷柱が姿を現した。それらが乾いた地に降り注ぎ、澄んだ音ではじけ飛ぶ。
オウカがティーダを横目に微笑んだ。
風が頬をなでる間に乾いた光景が一変した。数え切れない氷柱が、砂漠の日差しを反射して虹色に輝いてい
る。風が凪ぎ、ぎらついた地表の熱を奪った空気が潤う。
「よっしゃお疲れ!氷が溶けるまで飯だ飯!」
シドが豪快に笑った。
「・・・タダの魔法はきついなクソ」
「そうなのか?細かいこと言うなよ兄弟」
「誰が兄弟だ、シヴァがなつかしいぜ」
「ああ、ありゃいい女だった」
男達が楽しそうに声を上げ、光の中を歩いていく。
ティーダはその光景に目を見張った。あれはたぶんブリザラだ。それを信じられないほどの早さで唱えてい
る。魔術にはずぶの素人の自分でも、ルーの手並みの鮮やかさを目にしていれば違いは分かる。
ルーの魔法やシヴァの一撃より早いんじゃないのか。
遠くで聞こえる笑い声。
「・・・・どうでもいいけど、オレをこっから出せ!」
氷の柱に囲まれて、十七才は天に吼えた。
ルカの陽気な街並みが、灯りに包まれ地から浮かぶ。
人々の雑踏に紛れ、様々な種族が行き交う街。街の中心にあるブリッツスタジアムの真ん前で、たたずむ一
人の男がいる。
閑散としたチケット売場を眺め、行き交う人々の言葉の渦に包まれて、どこかを見ている男がいる。
ナギ節の祝いに沸くルカの街は、夜だというのにそれを感じさせない明るさで、街に生きる人間を等しく包
み受け入れていた。
異質なものも何もかも。
「召喚師ユウナ様ご一行が到着されたぞ!」
港を警備しているかつての討伐隊が行き交う人に声をかけた。
「三番ポートだ!三番ポートだ!」
足を止めた人の流れが変わりうねりとなって三番ポートへ動き出す。
歓声が歌う声が陽気な会話が周囲を覆う中、流れに逆らい立ち去る男がいる。
黒い外套に身を包み、祈りの歌を小声でつぶやきながら。
「三番ポートだぞ!」「こらぁ!下がれ下がれ!」
沸き立つ民衆をかき分けて、街の首長十五人が偉業を成し遂げた英雄のために鯱張って居並んでいる。
警備員が一行のための道をあけ、怒声を張り上げ走り回る。花束を持って楽しそうにさえずる子供達。
その姿を一目見ようとスフィア片手に陣取る記者。手に手に持った黄色い花を掲げ、それをゆっくり振る大
人達。スポットライトに照らされて、連絡船ウイノ号は静かに港に滑り込む。
「みんな!」
「待てこら」
雑踏の中、三番ポート目がけて走り出したティーダをオウカが引き留めた。
「時期が悪い」
「なに?」
「あいつらはこれからお偉いサン方と謁見して会食だ。お前は死んだことになってるんだろうが。今出てい
っても混乱するだけだ」
正論にティーダが息を吐く。
「ルカから出てミヘン街道ででも落ち合うのが賢明だろう。ちったあ頭つかえよ」
「・・・・・くそ」
「今夜は宿に泊まって大人しくしてろ。お楽しみは後でいいだろう」
背後で大歓声が上がった。
「・・・・どうした?」
歓声に背を向けて、薄暗い通路にティーダの視線が張り付いた。
オウカは視線を飛ばして押し黙る。
「・・・・・知り合いかと思ったんだ」
ティーダは自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
「もう・・・・いないんだ」
オウカに言い聞かせるようにつぶやいた。
「見間違いだ、気のせい気のせい」
幻光虫のかすかな光が暗闇に、陰ったようにオウカには見えた。
人気のない湿気った酒場。
夕食時のにぎわいを、従業員と客とをすべて召喚師一行に奪われた酒場の主が一人、大慌てで立ち回ってる。
「忙しそうだねえ、飯、飯!なんかねえか?」
「オレも!」
「まいど!もうすぐ皆が戻って来るからな、仕込みが大変なんだよちょっと待ってろ」
ティーダとオウカは街のはずれ、街道よりの酒場にいる。原色に彩られた多くの酒が壁を埋め、釜戸で焼か
れたばかりの肉が、食欲を誘う臭いで酒場を満たす。
二人とも人が集まる歓待の式典なんぞに興味はなかった。
興味があるのは街で聞いた不穏な噂だ。
酒を片手にオウカが顎で促すと、ティーダがそれに答えて切り出した。
「親父、ちょっと聞いていいか?」
「んだあ、後にしてくれ後っ!」
「俺達これからグアドサラムに行くんだけどな、あの噂って本当か?」
「あん?」
「戦だよ、戦争」
動きが止まった店の主が金髪の若造を睨み付ける。
「・・・胸くそ悪い事言ってんじゃねえぞ坊主」
「わりい、こっちも都合があってさ」
「お前の聞いた通りだよ。グアドがロンゾとやり合うってのは本当だ」
「まじっすか・・・・」
「ブリッツの試合も無期延期。何があったのか知らねえが、せっかくのナギ節ぐれえ静かにしやがれってん」
最後の言葉は入って来た大勢の客にかき消され、ナギ節の祝いに沸く祝儀の酒が酒場を行き交い始めた。
流れ込むように入ってきた客が、口々に大声でユウナの名を挙げ杯を酌み交わす。
「オレのおごりだ!今夜はてめえら家に帰るな!」
酒場の主が樽酒を担ぎ出し、道行く人間にまで振る舞い始めた。
「・・・・・戦か、まったく凝りねえ連中だ」
にぎわう酒場の隅でオウカが吐き捨て酒をあおった。
「ロンゾはグアドにひどい目にあってっからな・・・・・」
ティーダはシーモアを思い出し、ガガゼト山の切り立った氷壁を、シーモアの冷たい言葉を思い出す。
死の螺旋
そう言えば同じ言葉をあいつも言ってた。
死の螺旋
アーロンはスピラの全部をそう言った。
死の螺旋
親父が死んで無くなったはずのモノ。
「・・・・死の螺旋」
オウカの言葉に空気が止まった。
鉛色をした空の下、ミヘン街道はいつもの穏やかな表情を見せてはいない。遠くまで見通せる地平線、多く
の召喚師と巡礼者が行き交った街道は、今はひっそりと静まりかえっている。
戦乱のかすかな足音は人の心を凍らせる。
街道の中程にあるリンの旅行公司、ティーダとオウカは待ち人を待ちつつチョコボと和んでいた。
「かわええの〜」
オウカがチョコボを撫で、羽をかき分けノミ取りをしている。
「・・・そんなに好きなのか、チョコボ」
「見りゃわかるだろ、オレはこいつがいれば何もいらん」
失笑したティーダに黄色い羽が突き刺さった。
「いってえ!」
「目上の人間に対する教育がなっとらんなお前は」
「それとこれと関係あんのか!?」
「ない」
ティーダが殺気と共に身構えた。
「おっ、やるってのかお前」
「・・・・あんた、オレで、遊んでるだろ」
「その通り」
「ふっざけんな!」
オウカはいきり立つティーダに優しい目をして微笑んだ。
深い色をした何かを言いたげな瞳。その真意を測りかね、ティーダの怒りがそがれて萎える。
「オレはお前とはいっぺんやり合ってみたいと思ってたんだがな・・・・」
「ああ、今ここでやってやる!」
「待ち人来たりだ」
「ティーダ!!」
黄色い声に振り向くと、根が生えたように立ちつくしたリュックがいる。
「・・・・よっ」
短く答えたティーダの視界に懐かしい仲間が入ってきた。
言葉無く固まるワッカ。
相変わらず無口なキマリ。
声に駆け寄ってきたルー。
「・・・ティーダ!」
そして、ユウナ。
離れていたのは、ほんのつかの間。
永遠に思えた時間を埋め合わせるかのように皆が笑った。
鉛色をした空の下、人知れない再会は穏やかに多くのモノを伴って訪れる。
ここからが本当の始まりの物語。
鉛色だった空がそのまま泣き出して、静かな雨に煙る午後。ここはミヘン街道・リンの旅行公司。
お互いが離れていた間の事をとりとめもなく話し出し、中を占拠して小休止している。
笑うだけ笑い、泣きたい奴は泣き、思い出話を話すだけ話して出尽くした頃、あくびをしていたオウカがけ
だるく口を挟んで言葉を投げた。
「・・・・お前らがさっきから言ってるアーロンっての、片目の渋めのおっさんで紅い上着にでかい大刀。
無駄に酒瓶ぶら下げて、すかして鼻でふっ・・・・とか笑ってる頭の固い野郎だろ」
皆の視線がオウカに集まる中、ワッカが一人吹き出した。
「・・・知り合い、なんすか?」
返す刀でティーダの顔を蹴る。
「なんで蹴んだよ!コラ!」
「うるせえガキ、で、アーロンはどこに行った」
問いに皆が顔を見合わせた。
「行っちゃたよ、異界にさ・・・・」
節目がちに答えたリュックを乗り越え、オウカの視線はユウナに刺さる。
「本当か、召喚師さんよ」
ユウナは自分に向けられた視線の厳しさに身を固くした。
凍るような冷たい視線。
オウカの敵意はない、しかし異様なまなざしに和やかな空気がかき消えた。
「はい」
「お前が異界送りでもしたのか」
ユウナの目が見開かれた。
「・・・・・お前、本当に召喚師か?」
押し殺された低い声に、キマリがユウナの前に出る。
「不勉強な召喚師様に良いことを教えてやろう」
精気が消えたオウカが静かに話し出す。
「死者がスピラに止まる方法は、二つ」
「一つは気合い。信念だけで異界に行かずにスピラを彷徨う。誰にでもできるが誰もが次第に人の心を失っ
て、信念にとりつかれた化け物になる。例外はない。ユウナ」
「はい」
「そんな人間が人の心を失わずにどれだけスピラにとどまれるか、おまえ、答えを知ってるか」
ユウナがオウカを真っ直ぐ見た。
「申し訳ありません」
丁寧に頭を下げる。それを見たオウカは表情を作って語気を強くした。
「お前のような召喚師がいるからだ。だからスピラの螺旋は切れない」
「・・・・さっきから黙って聞いてりゃあんた!」
「いいの、ワッカ。私は本当に半人前なの」
身を乗り出したワッカを止めて、ユウナは真摯な瞳で言葉を待つ。
「別の方法は召喚師が召喚する方法だ。死者は意識をとどめたまま、永遠にスピラを彷徨い生き続ける」
死の螺旋
「異界には行けない、永遠にスピラを彷徨い死に続ける」
死の螺旋
「あの野郎はな、約束のためだけに九年前、馬鹿な召喚師によって召喚された」
死の螺旋
「異界になんて行ってねえ。召喚師が側にいて、どうしてそれに気が付かない」
死の螺旋
「死人は生者と異なるはずだ。どうしてお前はそれに気付いてやれない」
幻光虫の淡い光が浮かび上がる。
「あの野郎はこれから永遠にスピラを彷徨う」
幻光虫が淡い光を放ってオウカを包む。
「オレはあの野郎と同類だ。どうしてお前はそれに気が付かないんだ」
オウカの声が冷たく響く。
「死の螺旋、お前はそれに向き合えるのか」
雨音が静かに部屋を満たしていく。
「・・・アーロンを探して殺してやってくれ」
ティーダは冷たい言葉に幻光虫を見た。
名もない墓石に名前を刻む。
名もない墓石に名前を刻む。
篝火が絶えない岩の下、静まり返った岩場の袂、ルッツの名前を墓石に刻む。
戦の残り香が薫る戦場跡、人気の絶えた岩場のくぼみでワッカが墓石に名前を刻む。
岩場を抜ける潮風が、寂しげな楽を奏で止むことがない。墓石に献花された沢山の花々は、訪れる人の心の
在処を問うかのように、茶色くしおれて大地に帰る。墓石に刻まれた無数の名は、消えた個人を忍んで刻ま
れた祈りの言葉で覆われていた。
「どこへ行ってしまったのかな・・・・・」
ユウナがぽつりとつぶやいた。
「気まぐれだろ。何考えてるのかわっかんねえからな、オウカって奴」
ティーダが明るい声でユウナに寄り添う。
「もっと教えてほしいことが沢山あったのにね」
オウカが皆の前から姿を消した。
「正体ばれたから居づらくなったんだろ、気にするなよユウナ」
「・・・そうだね」
「おれは、気になるけどよ」
ワッカが空を睨んで言葉を吐いた。
「あのオウカって野郎、おれは気にくわねえな・・・・胡散臭いぜ」
それだけ言って歩き出す。
「時間取ってすまねえな、皆。次はジョゼの寺院だ」
シンが残した傷跡は、大地に根を張り容易に消えない。
幻光虫の淡い光が大河を覆う。
対岸がかろうじて目視できる幻光河。急ぐ旅ではない一行は、人気のない岸辺に陣取って、幻想的な光景を
つまみに酒盛りを始めていた。露天で買い込んできた弁当と酒とを並べ、リュックが鼻歌を歌っている。
風に乗ってどこからか、陽気な楽器の音が笑い声と共に聞こえてくる。
ナギ節に沸くスピラの人々は、幻光河に集い召喚師一行を待ちわびながら、陽気に我が春を謳歌していた。
「・・・・・すっげえ・・・・」
ティーダは刻一刻と表情を変えるパノラマに、いつかの自分の言葉を反芻する。
・・・・・シンを倒したら、ここにみんなでまた来よう・・・・・
本当に現実になった不可能なはずの淡い夢が、ティーダを遠い記憶へと誘った。
眠らない街・ザナルカンド。
ガキの頃から一人で見ていた街の景色は、こんな風にいつも光に溢れていた。母さんが死んで一人になった
オレの側に、親父のためにオレのために、いつの間にか居てくれた、アーロン。
あんたは今、どこでこの空を見てるんだ。
「あのねえみんな!」
リュックがティーダの後ろで言った。
「ザナルカンドまで行ったらさ、今度はアーロン探そうよ。きっと絶対見つかるよ!」
皆が明るい言葉に微笑んだ。
「ユウナだって助かったんだ。あたし、絶対あきらめないから!」
死の螺旋
アーロンもスピラのどこかでこの空を見ている。
死の螺旋
諦めなければきっと消せる。
「わたし、絶対あきらめません」
「さっすがユウナ、そうこなくっちゃね!」
リュックは買い込んできたシシカバブをほおばって、幻光河に目をやった。
「・・・景気付けにおもしろいモノでも見せようか?」
酒に酔い顔を赤らめたルールーが、皆の中から躍り出る。
ルーが短い詠唱の後、手のひらに取った小さな炎を水辺に浮かべて周囲を照らす。炎はいくつにも別れ広が
って、一行が眺める岸から少しの沖、丸い円を描いて蒼白く光りながら漂った。
次第に幻光虫が蒼白い光にゆっくり群がり集まっていく。
「・・・・すっごーい・・・・」
リュックが感嘆の声を上げ、初めて観る光景に見惚れている仲間を見る。
幻光河の水面に巨大な光のドームが現れた。虹色に淡く輝く光の丘は、周囲を照らさず淡く漂っている。
離れた岸部で歓声が上がった。
宴に興じていた人々が、見たことのない光の出現にエボンを賛美し歌い出す。
希望に満ちた祈りの歌を。
ルーは続けて炎の螺旋を送り出し、一カ所に集まった幻光虫を散らして空高く導いた。
「魔法はね、自在に操るには結構な修練がいるけれど、あなたも一からやってみる?」
ルーが物欲しそうなリュックに笑って声をかけた。
「よろしくお願いいたします。ルー先生!」
「・・・あたしも一から教えてもらおうかな」
ユウナとリュックが顔を見合って微笑んだ。
天高く伸びる光の螺旋。
それは空ではじけ飛んで、霜降るように降りてくる。
天高く上がる希望の螺旋。
「今度はここでアーロンも連れて酒盛りだ!」
ティーダが夜空に、皆に、自分に言った。
「ユウナ様。少しお耳に入れておきたい事が・・・・・」
ここは幻光河の対岸。
シパーフでの水上の旅に別れを告げ、人々の歓迎の輪を抜けて森に入ろうとした矢先、声をかけてきた旅人
があった。しきりにキマリに視線を送り、申し訳なさそうに小声で切り出す。
「そちらのロンゾ族の方、キマリ様をお連れのままではグアドサラムに入ることは難しいでしょう」
鳥がさえずる平穏な森の中で、戦乱の足音が聞こえてくる。
「先だってロンゾがグアドに対して開戦の布告をしたともっぱらの噂です。仕来り通りロンゾは寺院の回答
を待っているようですが、グアドサラムは緊張に包まれています。何事か起きないとも限りません」
真摯に訴える旅人の真剣さが、自体の深刻さを物語っていた。
「どうかユウナ様、ここはいったんお引きになって事の経過をご覧になられるのが最良かと」
「いいえ」
ユウナは気遣いに答えて微笑んだ。
「そうであれば、なおのこと私はいかなければなりません。私に何ができるのかは行ってみなければ解りま
せんが、それが私の務めです。お気遣いに感謝します」
ユウナが頭を下げたのを見て旅人は慌てふためき、申し訳なさそうに立ち去っていった。
「・・・戦争か。グアドもロンゾもたいがいにしろよな、まったくよ」
ため息混じりに愚痴るワッカは大荷物を抱えている。
「・・・・あ、わりいな」
「気にするな」
キマリは短く言って息をつく。ティーダもキマリも荷物を背負い、先は長いというのに疲労の色が隠せない。
昨夜から今朝までの少しの間、泊まっていた宿屋に言付けられた誰かからの贈り物だ。高価な織物に宝飾品、
山海の珍味に香に武具。断りを入れたにも関わらず、断るだけ断ってこれなのだ。
まさか当事者が見ているかも知れない所で金に換えるわけにもいかない一行は、律儀に全部をグアドサラム
まで持って行くことにしていた。
これから先が、思いやられる。
「おお皆さん!オオアカ屋よろしくっす」
背後からの聞き慣れた挨拶に、ワッカが満面の笑みで答えた。
「オオアカ親子!良いところに来た。あんた達はすばらしい商人だ!」
「いやだなあ、まあた上手いこと言っちゃってくれますね、ワッカさん」「旦那もお久しゅう!」
「念のために聞くけどよ?お前らこれからどこに行くんだ」
「もちろんグアドサラムでさあ、商いは短くいってこつこつ当てる。これしかねえですからね!」
行きずりのオオアカ屋にすべてを押しつけた一行は、身軽になって旅路を急ぐ。
切り立った氷壁に紅い炎が影を落とす。
吹き荒れる吹雪の音が響く洞穴で、ロンゾの戦士五人が炎を囲む。洞窟を切り掘った彼らの素朴な祭壇には、
渦巻く怒りを代弁する炎が、死んでいった多くの仲間の角を紅く照らして揺らめいている。
「論議の、余地は無い。必要は、無い。我らは誇り高きロンゾの民」
年老いた、式服を纏った獣人が語る。
「我らを待つのは誇り高き、死。生きて恥辱を晴らす故無し」
ロンゾの戦士が言葉に聞き入る。
「死して晴れる、恥辱あれど、生きて保つ誇りは無し」
洞穴の外では百人は下らないロンゾの民が、神託を待ってたたずんでいる。
「グアドの民に知らしめ果てよ。我らはロンゾ、ガガゼトの民」
五人が炎の中に黄色い香を投げ入れる。
散って黄金に燃え立った香は、炎を洞穴の天井にまで噴き上げ岩盤を黒く染めた。
「我らがロンゾ、我らが誇り」
祭司の言葉が重く響く。
紅蓮の炎が揺らめいた。
・・・・・上げるだけでこんなに時間が・・・・昼にして正解だった。(w
話しが中途半端ですみませんです。では!
あげ!
・・・すごい量ですね。もう一回全部上げる必要はなかった感じもしますが(w
物書きのこだわりって奴に感服・・・・続き待っております。
主のいないザナルカンド。
召喚師達が目指した最果ての地、人が誇った栄華の極み、眠らない街、ザナルカンド。
命がなくなって久しい街に、幻光虫が舞い散りただよい漂う中を、一人の男が歩いていく。
黒い外套に身を包み、祈りの歌をつぶやきながら。
動きを止めた時間の中に、取り残された始まりの街。祈り子達が見た夢を、永久に語る永遠の街。
巨大な墓標の中を彷徨いながら、幻光虫が見せる夢は、かつて地上に生きた命の幻。
祈りの歌をつぶやく男が、歩みを止めて幻を追う。
「母さんが、居なくなるなんて・・・・イヤだよ。母さん!」
繰り返されるシーモアの永遠に残る、記憶の断片。
「追ってきたか・・・・」
黒い外套が背中に言った。
「なんだ、その黒ずくめの格好はよ。喪にでも服してるみたいだろうが」
「相変わらずだな、オウカ」
「てめえもな、アーロン」
アーロンは振り返らずに歩き出す。
「・・・・行かないで!」
繰り返される母と子の別れを置き去りに、目的の地へと歩き出す。
「ブラスカとジェクトに会いに来たってのか?」
「・・・お節介もたいがいにしろ」
「それしかする事がねえんだ、悪いな」
アーロンは鼻で笑って幻を見る。
「身につまされる言葉だな」
「おっ、えらく今日は正直じゃねえの旦那!」
ブラスカが、微笑んで二人の後ろを眺めて消えた。
「時間の螺旋からはずれたお前に、全部話してやろうと思ってな」
ブラスカが、微笑んで二人の後ろを眺めて消えた。
「始まりの物語だ」
ブラスカが、二人を微笑み見つめて消えた。
グアドの空は青く広がる。
「召喚師ユウナ様、並びにガードのみなさま、おいでを心待ちにしておりました」
トワメルが険の無い顔で微笑んで、街のはずれまで一行を出迎えた。従えたグアドの二十人ばかりの衛兵達
は、以前の出来事を忘れたかのように恭しく一行に敬礼する。
「事の次第は聞き及んでおられるかと思います。時節が時節、みなさまを思うようにもてなしは出来ません
が、ご安心ください」
あからさまに警戒の色を浮かべるガード達の表情に気が付いたのか、トワメルは笑みを消してユウナに向き
直った。背後に居並ぶ衛兵達を去らせると、ユウナ達を先導して力無く歩き出す。
「ここでお話しすることは、私の一存ではどうにもならないことです。ですが是非ユウナ様の助力を賜りた
く恥を忍んでお話しいたします」
ユウナを囲むガード達の表情は硬い。
閑散とした街は、ここにある異界へと人々が訪れていた頃の面影はなく、堅く閉ざされた家々の窓がグアド
の民の置かれた立場を物語っていた。
「・・・・シーモア様の亡き後、グアドの民は悲しみに沈んだまま今にいたっております。少ない同胞の中
にはここを捨て、他に移る者達も出てきている始末です」
感情を押し殺したトワメルは容易に意図を悟らせない。
「次の族長を選出する事が出来ずにいる今のグアドは、目で見るよりも深刻に内部で醜く争っているのです」
伏し目がちに語るトワメルは救いを求めてユウナを見た。
長く思えた沈黙は、グアドの街の大きさの証。少しの労で街の外れに出た一行は、辺境の小さな部族の未来
を思う。
街の外れ、雷平原に続く道。
グアドの民から見えない場所で、年老いた忠実な家隷の表情が崩れていく。
「ユウナ様。この旅におきましてはこのままグアドを過ぎて行かれるのが最善でありましょう。ここに止ま
れば、どのような災難に巻き込まれるか、私ではどうにもならない事なのです」
雷光が天を駈ける。
人目をはばからずトワメルが地に平伏した。
「・・・・・ユウナ様。今のグアドはロンゾの民との戦には耐えられません。多くの者が目先の欲望にとら
われ何も見えていない。多くの者が死にグアドは、滅びる事になるやも・・・しれません」
雷光が天を這って地に落ちる。
地をつかんだトワメルは、額を地に付けふるえる言葉を吐き出した。
語ることの許されない多くの言葉を飲み込んで、何もかも捨て自身をさらす。
「ユウナ様、ユウナ様。なにとぞなにとぞグアドをお見捨てになりませぬよう・・・・ユウナ様」
年老いた老家隷が小さく見えた。
「・・・ユウナ様・・」
雷光が哀願の言葉をかき消し天に昇った。
主のいないザナルカンド。
かつて主がいた空間で二人の男がたたずんでいた。
「いい印だ。・・・・ユウナレスカの情念を感じさせるねえ」
オウカが、地表に残るユウナレスカの魔法陣を撫でてその場に座り込む。
「アーロン、あんたも元は召喚師だろうが。この印の意味が解るか?」
黒い外套を引っ張って、立ちつくす男を座らせた。
「ふん・・・・そんな昔の事は忘れたな」
「なにジジ臭い事言ってんだ。元々親父だったけどなチョット見ない間にさらに親父になったのう」
「・・・・オレの事はいい。それより言いたいことがあるんじゃなかったか」
オウカはちらりと横目におっさんを見る。
「千年前、一人の天才と呼ばれた召喚師がいやがった。エボン=ジュになった例の野郎だ。魔道の追求のた
めに自らを召喚し永遠の時間を手に入れ研究にいそしみ人生に勝手に絶望し自分を消すためだけにエボン=
ジュになったはた迷惑なクソ野郎だ」
アーロンが目を細めてオウカを睨む。
「・・・・もっとゆっくり話せ」
「あーーー塩っぺえなあ、クソ」
貧乏揺すりをする落ち着かない早口野郎はユウナレスカの魔法陣を撫で、横目にアーロンを睨んで黙った。
「エボン=ジュにまつわる話なら、寺院の古書に腐るほど並んでいる」
オウカが言葉に親父を睨む。
「何が言いたい?」
aga
「ユウナレスカでも起こすか?」
アーロンが言葉にはじかれたように立ち上がる。
「何だと?」
「この魔法陣を読めアーロン」
主を失ってなお輝きを失わないそれを、アーロンは初めて意味を持つ物として見た。
「こんなエグイ印もちょっとねえよな」
「わからん・・・・どういう意味だ?」
「ココニ私を起こセと、そう描いてある」
オウカがため息混じりに印をはじくと、波紋が魔法陣に広がった。
「どういう意味だ、オウカ!」
「そう慌てるな。悪い意味じゃねえよ。要は、召喚獣として私を使えと、ま、そういう意味だろうな」
「・・・・ユウナレスカを起こしてどうする」
「ご期待に添う働きが入り用だろうが」
「そんな物はもう必要ない!」
「必要だ」
オウカが笑って魔法陣の中央を弾いた。制止しようとするアーロンより早く、両手で印を結び同じ所を、又
叩く。地表に描かれた印が明るく輝き、突風の如き光の洪水が二人の視界を奪ってほとばしった。
「多分な♪」
「・・・・何だその言い草は・・・・」
何も見えないアーロンは一か八かで襟首をつかんでオウカを殴った。
「召喚師の役目は終わった。召喚獣など必要はない!」
涼しい顔でオウカが光の中心を見ている。
「こんな物があれば、また人は争う!」
光の中からユウナレスカが姿を現す。
「・・・お前は何をしに此処に来たっ」
「まあまあ、そう熱くなるなよ。見てみれ」
漆黒の裸体が生きていた頃の面影をそのままに、魔法陣の上に姿を現した。
「シヴァとタメはるいい女だぞ♪」
アーロンがオウカを手加減無く殴った。
・・・・・小休止。ちょっとハイペースが仇になって、初めから
やり直したのが無駄になるような文章の荒れですな。。。スマソ
もしよろしければご感想など下され。最後まで書ききる動機にしたいと
思うので・・・・って言うか、皆さんついて来てくれてる?る?
すごい黒い不安が・・・・・w
ついてきてます。
アーロン萌えとしては彼がたくさん出ててウレシイ
>137
昼夜別2〜3ぐらいの小出しがいいかも。
でも、ついてってます!がんばれ〜(^^)/~
幻の映像の状況とアーロン達の状況が混雑してわかりにくいと思います。
偉そうに口出しして申し訳ないのですが小説と言うよりは
漫画の原作プロットのような形に思えます。
お話自体は面白いと思うので頑張って下さい。
ガソバレ!
アーロンとオウカのからみの辺りがちょっと
わかりにくいかと思います。
でもストーリーが魅力的なので引き込まれます。
頑張って下さい。
みなさま、レスありがとう!
>138
ありがとうです。アーロン、いやってほど出てくるよ。。。たぶん
>139
小出しはお約束できませんが、気が向けばスレが一気に消費されているでしょうな。
>140/142
ご指摘に書き直してみました。(w こんなものでしょう。これ以上はここでは無理です。
>141
ウン、ガンバルヨ!! コレカラモアソビニキテネ!
そうですな。確かに今流行の小説じゃないですな。
マンガの原作プロットに近いって指摘はごもっとも。実は私はマンガ描きがメインで
小説はまともに書いた事がねえのよ、実際。気が向いたら絵をUPしてリンク張り込みます。
ついでですが同人はやってません。
一つマジで語ってしまうけど、もし登場人物の心理描写が全然無いと言う意味で「小説らしくない」
と思っておられるようなら、私は今の売れてる時流に乗って、人物が心の中をぶちまけるだけぶちまける
読み手と書き手の想像力を摩耗するクソ文章はココでは書きたくないです。偉そうですまんですな。
金が絡めば別なんですが。これに関しては、なんか文壇のほうで姦しい論争が水面下で何度か起きていたような・・・・
第一、他人の造った世界、他人の土俵でそれやっちゃ、本来のライターさんに失礼だと個人的に思うので。
某宮崎監督のお言葉を自分流に拝借すれば、そんな親切な事はここではやらねえ、勝手に自分で考えろ。
・・・・という風に解釈してくださいね。w ↑(紅の豚)
情景や人物の書き込みが甘い、というまっとうな指摘であれば、真摯にお言葉拝聴させていただきます。
日本語五十個くらいしか知らないので(w それは愛で覆ってください。
いい加減、マジスレにしてしまった事を一万回は後悔しているので、これから合間に変なネタを混ぜたりして
スレの軟化を目論見たい・・・・・です。 アーロソスレっておもしろくていいよなあああ。(誤爆? では、また後日!
***書き直し***
主のいないザナルカンド。
召喚師達が目指した最果ての地、人が誇った栄華の極み、眠らない街、ザナルカンド。
命がなくなって久しい街に、幻光虫が舞い散りただよう中を、一人の男が歩いていく。
黒い外套に身を包み、祈りの歌をつぶやきながら。
動きを止めた時間の中に、取り残された始まりの街。祈り子達が見た夢を、永久に語る永遠の街。
巨大な墓標の中を彷徨いながら、幻光虫が見せる夢は、かつて地上に生きた命の幻。
祈りの歌をつぶやく男が、歩みを止めて幻を追う。
「母さんが、居なくなるなんて・・・・イヤだよ。母さん!」
繰り返されるシーモアの永遠に残る、記憶の断片。
「なんだ、その黒ずくめの格好はよ。喪にでも服してるみたいだろうが」
背後からの声に驚きもせず、幻を追う男は背を向けたまま動かない。
「追って来たか・・・・」
「追って来ちゃ悪いってか?」
「相変わらずだな、オウカ」
言葉を切って振り返らずに歩き出す。
「てめえもな、アーロン」
天を覆う星降る夜に生きた者がまどろむ頃、二つの人影が死んだ街に吸い込まれていく。
「ブラスカとジェクトに会いに来たってか?」
「・・・お節介もたいがいにしろ」
「それしかする事がねえんだ、悪いな」
アーロンは懐かしい幻を見、鼻で笑ってそれをすり抜ける。
「身につまされる言葉だな」
「おっ、えらく今日は正直じゃねえの旦那!」
ブラスカが、寂しそうに微笑んで過ぎゆく二人を眺めて消えた。
「時間の螺旋からはずれたお前に、全部話してやろうと思ってな」
ブラスカが、微笑んで二人の後ろを眺めて消えた。
「始まりの物語だ」
二人を見つめて微笑み消えた。
あげ
はいはい、もうこないでね。 /
______ _____/
∨
------------- 、____ ウワァァン ヽゝ バカ
/  ̄ ̄ ̄.// ̄ ̄|| |___/\ヽ(`Д´)ノ ヽ(`Д´)ノ
イッテヨシ!.∧//∧ ∧.|| | \ .\(
>>1 )ヽ(`Д´)ノ (
>>1)
[/_________.(゚//[ ]Д゚#).|| | \ \/ヽ (
>>1 ) / ヽ ノ
.||_ ___|_| ̄ ̄ ∪.|.| |___\ \ / ヽヽ(`Д´)ノ ノ
.lO|--- |O゜.|______ |.|_|ニニニニニニl.|ヽ(`Д´)ノ(
>>1) ゴルァ
|_∈口∋ ̄_l______l⌒ l.|_____| l⌒l_|| (
>>1) /ヽヽ(`Д´)ノ
──`--'───`ー'─── `--' `ー' ┐ /ヽヽ(`Д´)ノ(
>>1 )
│ヽ(`Д´)ノ(
>>1 ) /ヽ ノ
│ (
>>1) /ヽヽ(`Д´)ノ
│ ミ / ヽヽ(`Д´)ノ )ジャブーン
│ ;: (
>>1 )’/ ヽ〃、、..
ボシャーン ミ ミ\ヽ(`Д´)ノ /ミ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アイーン!!
( ゚ д ゚ )
(√ )>
< >
(・∀・)ハヤクツズキカケ!
149 :
一応…:01/10/27 22:44 ID:???
×つずき
○つづき
>143 偉そうですまんですな
全くだ
>150
同意。w 適切な突っ込みだ。これでこそ2ちゃん。
つうか?なんかあったのか?・・・・まま。
喧嘩打ってもスレの軟化にゃならないと思うが・・・・続きには期待してるぞ。
荒らしの予感・・・もとい嵐の予感(w
続き、またーりと待ってます(いちおうsageとくね)
153 :
151:01/10/28 00:05 ID:???
荒らしか・・・・荒らされるのが目的か?んで、そのまま小説うち切ってばっくれる
・・・・・勘ぐりすぎるのは2ちゃんねらーの性か・・・・
まあまあ、温かい目で見守ろうよ。w
なんだかな。
自分でサイト開いた方がいいんじゃない?>1
156 :
名無しさん@LV2001:01/10/28 00:54 ID:1+kr6PfX
>人物が心の中をぶちまけるだけぶちまける
>読み手と書き手の想像力を摩耗するクソ文章
とりあえず自分で作った設定なんかは読み手にもっと分かりやすく説明してけろ。
>>115-116 >天に、無数の氷柱が姿を現した。それらが乾いた地に降り注ぎ、澄んだ音ではじけ飛ぶ。
(中略)あれはたぶんブリザラだ。
→正直、それはブリザガだ。(ブリザラのパターン・・・氷が周りから集まってきて
標的を固める)
ところで、リディアって(・∀・)イイ?
>143
ということは>140>142はまっとうな(まともな)指摘じゃ無かった訳か。
へぇぇぇ〜('Д')
某Jもここを見てることを思えば荒らしたくはないがな。
素直に続き読みたいと思ってたんだが・・・・フゥ
誰も心理描写が無いなんて言ってないのに……。
「普段は書かない」とか言い訳を予防線に貼るくらいなら批判に対して
高圧的に噛みつかない方が良いと思うよ。批判は実に的確だと思ったし。
冷静になって、良い作品を書いてくれぃ。
最近のスレみたいな意見ももっともだと思うけど
純粋にままの小説とても面白いと思うんで
ままもへこまず頑張って書いて下さいね。
待ってます。
千のアスキーアートより、一つのマジレス・・・・
久しぶりにここに来て、皆さんの良識ある言葉と態度に恐縮することしきりです。
>146-148
同じ方なのでしょうか?とにもかくにも書き込みはうれしいです。無反応が一番
辛いので荒らしたくなったらまた荒らしに来て下さい。本当、反省です・・・
>150
全くです。安易に「まま」のキャラ付けを試みた私が愚か者でした・・・・
>151.153
ご指摘は遠からず近からずです。思いやりのある書き込みに感謝。
>152
あまり荒れてないのが不思議と言えば不思議。下げてくださってありがとう。
>154
ありがとうございます。はい。
>155
自分のサイトか・・・個人的に今の現状では維持が出来ないので、しばらくここで続け
させて下さいね。
>156
はい。それでも書き込んで下さった事自体に感謝です。気長に続けたいと思っていますので
後審判はまた後日、気が向かれるようなら、それまでお付き合いください。
>157
ご指摘ありがとうです。どうやら記憶違いだったようです。FFをプレイしたのはコレが初めて
(とゆうかゲーム自体を滅多にしないの)という初心者ですので、他にもおかしな所があればお願いしますね。
・・・アルテマニア、やっぱり必要か・・・
>158
そういう意味ではなかったのですが、文字のみのコミュニケーションは難しいなと改めて感じています。
今後気にくわない展開にでもなりましたら、ここを見捨ててやって下さい。
・・・すでに見捨てられたかもしれませんが。
>159
はい。言い訳するまでもなくその通りです。ありがとうございます。
>160
・・・・・あああ、ありがとう。
すっかり凹むだけ凹んだ私ですが、荒らされないでいるかぎり、ちまちま続きを書いていきます。
・・・・自分の方向性が、このままでいいのかがどうも解りません。(苦
ええと、お詫びらしいお詫びでもありませんが、もそもそイラスト描いてUPしてみました。
真面目に反省の気持ちをと思いまして・・・・お目汚しですが、よければクリックしてみてください。
http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/1877/ruru.html 普段はアニメ絵が基本な私なので、小説っぽいのはちと苦戦・・・
凹んだままですので、小説の続きはまた後日、テンションあげてから参りたいと思います。では。
>162
画像が表示されない。画像ファイル名の記述を直せば
見えるようになるだろう・・・。
余計なことだが、2chで自サイトを出すのは慎重にな。
このスレの人達なら大丈夫だろうが・・・全く別のサイトを
用意した方が良いと思う。余計なこと言ってすまん(w
>163
ありがとうございます!自分のブラウザではきちんと見えているので、何が原因
なのか全くわかりません・・・・(苦
とりあえず直してみます。はい。
・・・・ひょっとしてアーロンですか?いや、いや、気になさらぬよう・・・w
>164
もう、出ないつもりだったんだが・・・ブラスカの命でな(w
画像ファイル名にフォルダ名が付いていた。それが原因だ。じゃあな
>165
そうですか、ブラスカ様の(w
またそのうちにここに来てくださいますよう。ぺこり
167 :
158:01/10/28 21:17 ID:???
>162
見捨ててはいないよ。むしろ期待してる。嫌味なレスをしてすまなかったが
一連のレスを見て冷静を取り戻し尚且つここを続ける意志を持てているのなら
それはままの評価すべきところなんじゃないの。
馴れ合いで生まれる文章なんて貧相なもんだしな。むしろちゃんとした批判
の声があるということはそれだけ真剣に見てくれてる奴等がいるということ
だよ。批判に対して少しでも自分が納得いく点があればなるべく受け入れて、
そうじゃ無い時はさらりと受け流すくらいの余裕がほしい。
とかマジレスしてみたり。もううんざりかな?悪かった。
イラスト見たよ。なんか絵本みたい<褒め言葉。
はっきり言ってこのルールー、好き。アナログ塗り?
>167
マジレスでもなんでも、書き込みはうれしいです。はい。
正直、当初思ったより真面目なスレになってしまったのが、プレッシャーで(w
私生活にまで食い込んで大変なわけですが、同人じゃないんだから他人に批判さ
れてこそいっちょまえ。
あれネタだったって言ったら怒られるんでしょうか・・・・怒るよな、やはり。
自分の素が出るのはイヤだったので、やらかしてしまいました。
これから、このまま素で行くことにします。2ちゃんなのにいい人が多いんだもの。ここ・・・・
一杯マジレス頂いて、落ち込んだのはそうやって真面目に取り組んでなかった自分自身にです。
ここにいい方が来て下さるのも、すべてはジェクトの人間性によるものでしょう。
彼のおこぼれ貰っているようで、それも実はいやだったのです。
あのイラはデジタルです。ペインターで塗ってます。個人的にはルーの次のアーロンがお気に入り。
ご希望があれば、あんなので良ければ他のキャラのイラも描きますです。それでは、また後日。
169 :
142:01/10/28 23:50 ID:???
自作自演じゃないッス…
あと、イラストよかったです!
アーロンが(・∀・)イイ!
偉そうにコメントしちゃったけど
凹まずにがんばってください
>168
ネタにしても唐突すぎたようだな<藁 それまでのままの雰囲気と全く違うから
皆何事かと思った訳だ。確かに某ジェクト効果で人は流れてると思うが(自分も
某J等と書いてしまったしな)、少なくとも自分はこことジェクトスレの関係を
知る以前からここに来て楽しませてもらってたぞ。自信持ちなされ。某J効果を
手玉にとるくらい図太くなってはどうよ?
へぇ、ペインターか。自分は写真屋以外苦手でね。ティーダも描いてくれんかの
う。オウカの姿については読み手の想像に任せる方向かい?
続き期待してるよ。
キャラの心情を書き込まないのはFF10ぽくていいと思うよ。
無理せずゆっくりでもいいからさ。マータリいつまででも待つぞ。
このスレ好きだから。
172 :
???:01/10/30 12:08 ID:4V4Z1VcC
久しぶりにきました。
ああ、やっぱり、アーロンでしたね・・・。
続き楽しみです。
ルールー見ました。
すっげえきれい!!!
アーロンはまだ怖くて見てません。すいません。
でもアドレス「アーロソ」、笑いました。
ティーダ見たいです。
ごめん・・・・ものすごく笑えたのでここにメモるよ・・・・・w
今更だけど、アーロンの声優さん、イカスホームページ造ってるネ!!
あの人とはきっと友達になれる!そう思います・・・・はい。
ロンゾとグアドの戦争かぁ・・・
シンはシンでもスピラには死の螺旋は消えないんですね・・・
この事態にユウナはどう動くんでしょう? 小説の続きが楽しみです。
ところでシドのおっさんはロンゾと一緒にグアドと戦わないのでしょうか?
ホームを攻撃してきたのはたしかグアドでしたよね?
続きが楽しみです・・・
気の向くときに気の向くままに書いてくださいね。がんばって!!
良スレ ハッケソ!
一気に読んじゃいました!
続きが楽しみッス〜
ままがんばれ〜
>169
ありがとうです。凹まずに時間があったら何かイラ書きますね。アーロンはアダルトな
感じで描いて楽しい人ですわ。・・・・これが初めて描いたFFキャラですが、こんなんで
良かったでしょうか。
>170
一言一句に上がったり下がったりする私は図太くなるのは無理かもしれません・・・・(苦ワラ
ティーダは時間があったらまたUP します。小説をなんとか進めないといけないので、すみません。
オウカは・・・・ご想像にお任せします。
>171
ありがとう。無理しないで書いていきます。・・・某スレの下読んでサイトを回り、自分が首を
突っ込んだ現実に、かなりへこたれ気味ですが・・・・(w
みなさんの気持ちを裏切らないモノを、はたして私が書けるのか、それが大いに問題です。
>172
それはお約束でしょう、やはり。・・・ルーは個人的理由で削除しました。何年ぶりかに
描いた絵だったので見るのもイヤになった、のが理由です・・・・
>173
馬鹿です。あんまりにも受けすぎです。
>174
ユウナはどうするんでしょうか・・・・描いている本人が一番不安です。勢いでこんなスレを
建てた事を激しく後悔する毎日です。(w
>175
ありがとうございます。コメント頂いて、元気になってまた続きを書く。それの繰り返しですね。
では、続きをどうぞ。
雷平原に悲鳴が聞こえる。
誰が建てたのか解らない天に伸びる避雷針の間を縫って、細く、長い道が続いている。緑が育たない薄暗い
平原で一行はリュックを引きずるように先を急いでいた。
「いやいやいやいやいやいや!!」
誰彼かまわずすがりつくリュックのおびえように、あきれ顔でワッカが頭をかいた。
「もうすぐ旅行公司があるから行きましょう、リュック」
すがりつかれたルーはさり気なく、ぐずる子供を引きずっていく。
とどろく雷鳴にかき消される悲鳴。
サボテンダーが皆の視界を横切り消えて行く。
「・・・何か変っすね」
ティーダはつぶやいて、走り去るサボテンを見た。
いつもは飛来する多くのモンスター達が、ここに入ってから一向に姿を現さない。
一行を歓迎でもするかのように、道を譲っているように思えるだ。
「きゃーーーーーー!」
悲鳴にめげずにルールーは淡々と歩いて行く。
立ち止まったティーダにサボテンダーが近づいて、何か言いたげな様子でじっと見つめた。
「どうしたの?」
ユウナの問いにサボテンが逃げる。
「・・・何か変じゃないか?」
「何が?」
「サボテンもそうだけど、今日はモンスターが居ない」
ユウナは首を傾げて逃げたサボテンを目で追った。
「さっきからあの子、私たちの周りをうろうろしてるね」
「な、変だろ。・・・変って言えばサボテンそのものが変だけどな」
こういう時に訳知りなのはアーロンだなと言いかけて、口をつぐんで天を仰いだ。
「あ?」
厚い雲の切れ間から巨大な何かが降りてくる。
「・・・・おいおい!」
切れ間から見えたアルベドの飛空挺に、立て続けに雷が落ちた。
ユウナとティーダは空に広がる光の演目に見惚れて立ち止まる。
「・・・・シドのおっさん、相変わらず、だな」
「大丈夫、かな・・・・」
避雷針に落ちるはずの雷が、飛空挺を狙うかのように躍りかかって駆け回る。獲物を襲う竜の様に自在に
向きを変え地を這い昇り、意志を感じさせる動きで飛空挺の腹を撃つ。
「・・・・ちょと、やばくねえ?」
ティーダは、昔に読んだ科学の教科書の内容を、出来なかったなりに必死に思い出そうと頭を使う。
空中に浮かんだモノに雷が落ちるって、一応電気は流れないから感電の心配はなさそうだ。でも電気系の
動力なら配線がショートして・・・・あれ、飛空挺って動力なんだっけ?
「きゃーーーーーー!!」
間近に轟く雷鳴に、リュックが堪らず座り込んだ。
数を増した光の帯が平原への進入を拒むように、高度を下げる飛空挺を叩いていく。
「・・・・何かが、あるのかしら」
雷光に意志を感じたルールーが、どこかを見やって呟いた。
179 :
???:01/11/01 22:27 ID:T+4ilKhM
早くアーロンを!!!と言ってもアーロンいまザナルカンドですね。
一気にザナルカンドまで行っちゃいましょう!!!
ルールー残念です!
すっごいよかったのに!
変わりにアーロン・・・。(泣)
でも、アーロンも格好良かったです。
次はティ(以下略)。
ままさん元気ですか?ちょっと不安。
>179.180
更新が滞っていて申し訳ありません。個人的には全くさわやかな日々をすごして
います。別段何事も無いのですが、無用なご心配をおかけするのもなんだと思い
ますので、一応のカキコです。
・・・実はこのところ私めのパソ吉の調子が変なのです。
具体的な症状は以下の通り。
1)少し前まで頻繁にあった「ゾヌ」の警告ウインドウが、思えば全く出なくなった(w
2)二日前、勝手にDドライブにアクセスがあった。
あからさまにきな臭い臭いが漂いまくっていますので、とりあえず己のパソの少な
い知識を動員して、対応に追われているところです。スパムの踏み台にでもされた
日にはえらい事になりますので・・・・(苦笑
ネット暦三ヶ月のあたしには、ちと重い荷ですが。良ければどなたか知識をプリーズ(w
自力でなんともならなかったとしても、 11月の初めにヤフーBBに変わりますので
それでもいいかなと、素人判断でお気楽に考えています。
そんなわけで、しばらく当人のカキコが止まりますが、その間にお話を考えますので
気長にどうかお待ち下さいね。
182 :
???:01/11/02 21:18 ID:8kI1hGgt
何もアドバイスできません。
私も先週ハードディスクがぶっ壊れてしまい、Cドラ等が消えてしまい凹みました。
ファイトッス!
ままさんのパソ吉さんが治ってカキコできるまで消えないように私がここを守ります!
ガードっす
ちょっと違う?
皆さんもガードになってください。
ガードは信用できる人の数ですからね〜。
がんばって治してくださいね!
とりあえずここの板ちがい、セキュリティー板に行ってみると「ゾヌ」関係のスレあるよ。
>182・183
お気遣いありがとう。調べてみましたが素人には訳が分からない世界なので
放り出しておく事にしました。前触れなく何日も更新が止まったら、パソが
壊れたという事で生暖かい目でお待ちください。(w
主のいないザナルカンド。
長い長い腐れ縁が続きそうな野郎が二人、殺気立って対峙していた。
「・・・・丸腰でやり合おうってか?魔法のまの字も知らねえくせしやがって」
静かに微笑むユウナレスカを背にし、オウカは軽く額を撫で印を結んで身構える。
「誰が丸腰だ?」
鼻で笑ったアーロンがコートの中から凶器を取り出す。
革張りの細い柄の先に無数の金属片が連なっている。鋭利な鱗が鎖のような音をたて、床に落ちて煌めいた。
「・・・・新手の鞭か?」
「こう、使うらしい」
アーロンが頭上でそれを軽く振る。涼しげな音を建て、金属片が空気を切って一筋に繋がった。
「剣と鞭の間の子か。おもしれえギミックだな」
一歩間合いをよけいに取って、オウカが簡単の声をあげた。まだ血を知らぬ磨き上げられた金属片が、刀鍛
冶の執念を反射する。あれで殴られたら痛そうだ。馬鹿力で一刀両断を狙われたら真っ二つかもしれない。
「太刀より軽い。貴様の先手を取れるだろう」
「ナマ言ってんじゃねえ。アルテマかまして消し炭にしたる」
「同時に腹に風穴が開くだろうがな」
互いが眼孔鋭く押し黙る。
かつてここの主だった女は、漆黒の裸体をうつろに表し光を放つ円の中にいる。しばらく間合いを取り合う
二人を視点の定まらない瞳で見つめると、不意に円陣の中から躍り出、消えた。
魔法陣の中に、いまや祈り子となったユウナレスカがおぼろげな姿で浮かび上がる。
「・・・召喚師、あなたがここに来た理由を」
主の出現に驚きもせず、オウカは矛を収め向き直る。
「昔話をしに」
「・・・私に語るべき言葉はない。すべてはあなたが決める事」
「なんでもオレにおっかぶせるなよな。ったく」
「・・・始まりのオウカ、私はあなたの力になりましょう。生と死、永遠の時を司る者」
「それはあんただろう、ユウナ?」
ユウナレスカは何事かを呟くと、生前のまま花のように微笑んで円陣の中に姿を消した。死してなおスピラ
に執着する妖魔と化し、千年もの間、縛られていた呪縛からの解放を喜ぶかのように。
「ありがとうじゃねえだろ、阿呆」
鋭い切っ先をオウカに向け、アーロンが続く言葉を促した。
「これで消えちまった召喚獣はなんとかなったな、オレ的には満足満足」
「召喚師の時代はもう、終わりだ」
「シンがいない時代。召喚師の真価が問われるのはこれからだ」
オウカは光を失った円陣を踏みにじり、異様な光をたたえた目で同士を見据える。
「死の螺旋、お前もこれからそいつに関わる」
暗く笑って歌うように座り込む。
「お前はしばらくここで寝てろ」
崩れ落ちる同士を眺め あぐらをかいて天を仰ぐ。
「・・・糞ガキが、とっとと来やがれってんだ」
生者のいない空間で、静かに目を閉じ祈りの歌を呟いた。
書き込んだ後で、必ず誤字脱字を発見する私です・・・・・暖かい目で見てやってね・・・・
雷鳴が轟く中、旅人がつかの間の休息を取る場所。ここは雷平原旅行公司。
腹に響く地響きに外を見やると、鉄巨人が巨体を揺らせてゆっくりと歩いていく。
「・・・・こんな事ぁ初めてだぜ、ったくよ」
商売道具をどさりと下ろし、シドが飛空挺を見上げて吐き捨てた。
「見てて落ちるかと思ったぞ、ホント」
ティーダは渋い茶をすすりながら、遅めの昼ご飯をかき込んでいる。三人のアルベド族の若者が、商品の搬
入をしている傍らで、一行は寝込んだリュックを別室に休ませてしばしの休息を取っていた。
「ユウナにゃ悪いな、ウチのアホが面倒かけてよ」
側にいない甥っ子に、シドは申し訳なさそうに頭を掻いた。隣の部屋からは雷鳴が響くたび、リュックの悲
鳴とユウナの慰めとが聞こえてくる。
「ココには何回も来てるんだが、雷に狙い打ちにされたのは初めてだ」
「初めてって・・・なんかあるんすかね?」
「知らん。で?オウカはどこだ」
「消えたっすよ」
「何だァ、しょうがねえな、あいつがいねえと仕事が進まねえ」
「ルーもかなり魔法使えるし、頼んでみたらどうっすか?」
シドは窓の外を物憂げに見ているルールーに、視線を飛ばして頭をかいた。
「オウカを探す。まあ、再建は急いでるわけじゃねえからな」
「ひょっとして・・・・・苦手?」
質問には答えずにティーダを睨んだシドは、荷物をほどいて棚に整理し始めた。ポーションや毒消し、サン
ダーリングに陽炎、調合で使うと凶悪な「マップ」がずらり、懐かしい道具達が所狭しと並べられる。
「ずいぶん多いっすね」
「グアドとロンゾの雲行きが怪しいからな。そういやお前等、俺等と飛空挺で一緒に来い。物資の搬入で公
司と寺院は一通り回るからな。馬鹿娘が面倒かけた詫びだ」
「ホントっすか!」
「・・・ちょっと見て」
ルーの声に皆が振り向いた。
窓の外、飛空挺を見上げた鉄巨人が微動だにせず立ちつくしている。
「さっきからずっとあれ」
窓から皆が覗いていると、いつの間にかに外に出たキマリが鉄巨人に近づいていくのが見えた。
「おいしいとこ持ってかれたな」
ワッカが面白がって後を追う。ドアを開けたとたん、入ってきた人間とぶつかった。
すごい音が聞こえた気がするような正面衝突だ。当事者二人は声も出ず、うずくまって頭を抱えている。
「召喚師、ユウナ様御一行様はここにおられませんか?!」
初めに声を上げたのは、頭を抱えた式服の人。はっきりと僧侶と解る格好をして、店内を見回している。
「俺達がそうだけど?」
リュックについて部屋にいない当人にかわり、ティーダが返事をとりあえず、する。
「急いでベベルにお越し下さい。マイカ総老師様がユウナ様にお話が」「マイカァ!!?!」
ワッカが思わず大声を出す。ルーが横目にサイレンスアタックで口を封じ、満面の笑みを浮かべ誤魔化した。
「お気にされないで。お話の続きを伺いますわ」
いぶかしげに二人のやりとりを眺めた僧侶は、咳払いして用件に入る。
「詳しい詳細については私も伺っておりません。ですがグアドとロンゾの争いについて、ユウナ様のお力を
拝借できればとのこと。急いでベベルにおこしください。事態は急を要する問題です」
それよりマイカの方が無茶苦茶やばいっす、とのティーダの声にならない突っ込みは、隣室の悲鳴にかき消
えた。
外で、キマリは鉄巨人と仲良く並んで空挺を見上げている。
雷光が閃く中、急に動き出した物語にしばしの静寂がまどろんでいた。
ガンバレ!
ままさんファイト!
そしてままさんPCガンバレ!(w
昨日このスレにたどりついて
一気に全部読んでしまいました。
面白いよ〜。続き楽しみにしてます!
PCの調子が悪そうだな。
マータリ待つからね。
主の眠るザナルカンド。
千年の昔、無意味に滅びた眠らない街。滅びてなお、人々にその名を刻む永遠の街。
廃墟と化した無音の街並みに、不釣り合いな轟音が風に乗って聞こえて来る。
高くそそり立つ塔が一つ、ゆっくりと崩れ落ちて消えていく。
「まあ、よくもったほうだろうな」
沈む夕日に照らされた遺跡を見下ろすエボン=ドームの上、舞い上がる粉塵を視界に入れたオウカが一人
持参した弁当を食べていた。
「・・・・ここにいたか」
気配を殺した野郎が一人、殺気立って背後に立つ。
「お前の分はねえよ」
「弁当などどうでもいいっ!貴様の真意を今すぐ話してもらおうか!」
返事がわりに生真面目男に足払いをお見舞いしたオウカは、転がり落ちていく野郎を眺め、お茶をすすって
和みに入る。
「スリプルに耐性のある野郎だな」
眠らせたはずの生真面目野郎は懲りもせず、がむしゃらに壁面をよじ登って来る。
オウカは弁当を食べ終わり、食後のデザートに手を出した。ロンゾが造る銘菓の一つ「マンドラコラ」
なんのひねりもない名前がロンゾらしい。マンドラコラの握り拳ほどもある種子を甘く煮たもので、表皮を
剥いでピンク色の中身を食べる。個人的には酒粕と一緒に煮たものが、なかなか美味でお気に入り。
「オウカ・・・・」
さらに殺気立った生真面目男は、深呼吸し言葉を選んで黙り込む。
「あそこにオレは住んでいた、千年前な」
オウカが崩れた塔の方角を、指さして微笑んだ。
「その頃にはおおまかに百年くらいは生きていた。オレを召喚したのはオレのダチで、そいつはオレの変
わりに祈り子になって死んだ」
マンドラコラを受け取って、アーロンは話を聞くべく座り込む。
二人の頭上を巨大な影が横切った。影の主は物音も立てずに静かにドームの正面へ舞い降りる。
「・・・・あれは?」
「聖地のガーディアンだ、召喚してみた」
「なに?」
「あれも召喚獣だ。元々はユウナレスカのペットだが、あんたが寝てる間に祈り子見つけて手に入れてみた」
オウカが口笛を吹くとガーディアンは低い唸り声と共に翼を広げ、一気に天に向かって光を放つ。光弾は視
界から消えた刹那、一気にエボン=ドームの周囲に降り注いだ。
幻光虫が疾風に飛ばされ舞い上がる。
「召喚する者のいなくなった召喚獣ほど哀れなもんもちょっとねえからな。祈り子は永遠に孤独なままだ」
「お前の友人とやらは、なぜお前を召喚した?」
アーロンの静かな言葉に無反応を決め込んだらしい当事者は「マンドラコラ」を手に取って、ガーディアン
に投げつける。それが当たるより早く宙に舞い、ガーディアンはいずこかへと飛んで周囲に熔け入るように
消えた。
「オレは祈り子になった野郎を捜して千年ちょっと生きてきた」
沈みかけた夕日に照らされて、舞い上がった幻光虫がドームにかすかな幻を浮かび上がらせる。
「糞野郎を見つけたら理由ってやつを問いただしてみるか」
幻光虫はかつてここを訪れた、来訪者の姿を映し出す。
「まあ、それまでよろしくたのむわアーロン」
映し出された影の中に、今と変わらぬ二人の姿が見えた。
>189
ありがとう、がんばるよ!
>190
ありがとう!PCは元気だから気にしないでおります。いざって言うときはノートがある
から大丈夫!ただ時間は無くなるけれども・・・
>191
初めての方ですね。(^o^)/これからもよろしくです!
>192
すみません・・・・マターリしていた真の原因は初めからの一気読みにあり。
全部に目を通したらものすごく落ち込みました・・・・こんなの小説じゃねえ(苦藁
やはり後で直しが聞かない書き殴りは、読み返すのは禁物ですね。
今度からは絶対しません。書く意欲が著しく減退します・・・・
>195
直しが聞かない→きかない・・・・・ああ
オウカに翻弄?されアーロンがどうなっていくのか・・・またーりと続きを待つ今日この頃(w
保全カキコ(w
保全ageさせていただきます。ままさーん!カムバーック!続きお待ちしてます・・・・。
ワクワク
∧ ∧ ∧ ∧ マターリ待ってます。お茶どーぞ
(,,・Д・) (,,・∇・)
〜(,,u且) (,,u且~
途中まで好きだったけど、
アーロソの新しい武器に萎え。
オウカにもだんだん萎え。
オリキャラが出しゃばるパロ小説は糞の法則を辿るかな?(w
今、辿ってる
>203・204
痛いご指摘(w ・・・それが筆が進まぬ元凶です。
さて、気が向かれるようならしばしお付き合いください。
スピラの蒼い蒼い空。
流れる雲と風を切りベベルへと向かう飛空挺。四方八方に広がる蒼い空、大空の真ん中で塵にも満たない
存在が、滅多に使わない頭を使って存在理由に思いをはせる。
自分はなぜ、こうやって生きて居るんだろうか?
「・・・・なーんか暗いかも、オレ」
悩めるティーダは飛空挺の甲板で、一人寝ころび鼻くそをほじくった。
ベベルには怪しげなヒヒ爺(死人)がいて、グアドとロンゾは戦争で、オウカやアーロンも気にかかる。
ザナルカンドからここに来て、勝手に動き出した物語は加速度的に突き進み、考えたって追いつけない。
自分はなぜ、消えずにここにいるんだろうか?
「これからどうなるかも怪しいもんだしな、オレ」
祈り子・魔法・召喚師・夢ザナル・ユウナレスカにオウカにスピラ。
分かっているようで何一つ説明できない概念に、顔をしかめて雲を睨む。
死の螺旋
オレはそこに落ちたのか?
死の螺旋
オウカやアーロンも同じなのか?
死の螺旋
死ねない俺達はコレからどうなる?
死の螺旋
皆が死んで居なくなって、それでも三人残るのか?
死の螺旋
死の螺旋
「・・・まーなるようにしかならねえよ、な」
考えることを放棄した永遠の十七才は、低いうなり声のような音に左舷を見た。
白い一本の帯がたゆたうように泳いでいる。
「?」
その帯は、信じられない速さで飛空挺に近づいて来た。
「エフレイエ?!」
聖ベベル宮を守護する聖獣、皆で一度相対した天かける竜、エフレイエ。
飛空挺とつかず離れず距離を保ち周囲を旋回しながら舞うように飛んでいる。牙をむき出しにしていた以前
の姿とは違う、喜びの素直な表現にティーダはしばし見惚れていた。鱗が陽光を反射して虹色に輝いている。
艦内放送からは混乱したアルベド語が流れてきた。
そりゃそうだろなあ。
他人事のように不思議に落ち着いた思考でティーダは、甲板に座り込んで物音に聞き入った。
野太いアルベド語と悲鳴とルーの制止とユウナの声とリュックの笑い声と、ワッカの感嘆の声と僧侶の説明
と風を切る音。
飛空挺は二度、がくんと高度を下げ、気を取り直したようにエフレイエと並んで目的地へと向かう。
「おまえも召喚獣か」
ティーダは明るい大声で、前に向かって右手をかざした。
黄色い小花が風に舞う。
大いなるナギ節に沸く都市ベベル。大陸全土から巡礼に押し寄せた人々が、聖ベベル宮を幾重にも取り囲み
歴代の大召喚師への寄進物と笑顔を持って順番を待っている。
街は人々で溢れ、かつて無い賑わいにベベルの街は揺れていた。
召喚師一行がついにベベルに到着する。この一報は瞬く間に市内中を駆けめぐり、老若男女、外人居留者か
ら乳飲み子に至るまで、葛藤や諍いや過去を忘れて人々の意識を一つに繋ぐ。
天に向かって祝砲が挙がる中、飛空挺は聖ベベル宮前大広場に静かに降りて静止した。
かつてシーモアがここにいた。
結婚の式典に沸いた街は、一度は拒絶した花嫁を、英雄となった花嫁を歓呼の声で受け入れる。
すべてに拒絶された者を忘れて。
上空から見えたシンの残した傷跡は、今や人々の歓声と喜びに取って変わられ思い出される事もない。
千年もの間繋がれてきた呪いに打ち勝った人々の歓喜は、それをもたらした英雄を偶像にまで押し上げ行き
場を奪う。それがどんな意味を持つかも知らないままに。
「大召喚師ユウナ様」
「イサールさん!」
イサールは朗らかに微笑んでユウナに用意してきた言葉を並べた。
「このような場でこのような形でお会いできたことをエボンに感謝します。宮殿での式典は準備が整ってお
ります。さあこちらへユウナ様」
天に上げられる祝砲、祈りの歌にラッパの音色。騒然とした広場の周囲には着飾った僧侶や僧兵が重々しく並んでいる。
イサールが一同からユウナだけを引き離し、僧兵達が間に割ってティーダ達を別方向へ案内した。
「イサール!」
ティーダの声に微笑んで振り向いた。
「マイカ総老師様からユウナ様にお話があると伺っています。皆さんはしばらく用意した別室でお待ちくだ
さい」
ルールーがティーダの腕をつかんで首を振った。
黄色い小花が風に舞い一行の頭上を影が覆う。
飛空挺が別れの言葉も前触れもなく、何かを置き去りに空へと浮かぶ。
黄色い小花が風に舞った。
エフレイエ登場か・・・描写イイ!(・∀・)
>209
・・・・ありがとう。
薄暗い聖ベベル宮。
祈りの歌が聞こえる迷路を宮殿奥まで通されたユウナは、一人の老獪と向かい合っていた。
「なぜ、私がココにいるかお分かりになるだろうか、召喚師ユウナ」
伏し目がちにユウナは首を振って見せる。
二人だけの静かな私室、向かい合ったまま重い時間が過ぎて行く。
「スピラの行く先を案じただけのこと」
マイカ総老師は穏やかな顔で、微笑みすら浮かべて口を開く。
「四老師が消え新たな選出もままならず寺院は混乱しておった。シンが倒され人々を結んでいた手綱が切れ
た。寺院の混乱はスピラの混乱に繋がる。だからこそ」
言葉を切ってマイカは沈黙を作り出す。
ユウナは言葉を待って真っ直ぐ総老師を見た。
「わしを異界送りしたければそうすればよい。そして次のスピラの柱に何かを選べばよい。ただ今はそうし
ている時ではないと思うのじゃが、いかがかな?ユウナ殿」
「はい」
返答に老師はイスに沈み込み、大きく頷いて息をつく。
「・・・・飲み込みのいい答え。時流を読む目は大召喚師になるだけのことはあろう。ユウナ殿には、この
ままガガゼトまで行きグアドとロンゾの戦を調停する為に尽力を頂きたい」
「寺院の回答は・・・?」
「戦を回避するために力を尽くしてほしい、そう言ったつもりじゃが」
ユウナの表情が幾分和らいだ。それにあわせてマイカが言葉を続ける。
「・・・難しい問題ですぞ。分かっておいでか?ユウナ殿」
「はい。ですが、私に出来ることがあれば喜んで」
「グアド・ロンゾ双方は信仰に厚くエボンの教えに忠実な人々。しかしケルク=ロンゾ、シーモア=グアド
両氏を失い、急進的な意見を押しとどめられる指導者に欠けたまま。このままでは争いは必然」
「わかっています」
「シンが居なくなれば、次に争うのは人々。それは歴史が繰り返し証ししている世界の真理」
総老師は暗闇を見据えて何かを目で追った。
「召喚師も魔術もいまや諸刃の剣。なぜか持て余した力は、必ず悪い方向へと向かいよる」
暗闇に幻光虫がふわりと浮かぶ。
「千年間、忘れていた醜い争いが、必ず表へと吹き出し多くの者が死ぬじゃろう、ユウナ殿」
「はい」
「・・・どうしたら良いものか、答えを教えてはくれないか?」
総老師は真剣な眼差しで、浮かぶ幻光虫を見据えて言った。
「答えはない。だが、ならば何故人は生まれ死んでゆくのか?」
幻光虫はユウナの頬を撫で部屋の灯りに誘われて行く。
「シンは私たちに何を教えようと生み出されたのか。考えた事はおありか?」
「・・・・生み出された・・・」
「エボン=ジュとなった者は何を求めてシンを召喚したか、考えたことはないのかね?」
ユウナはマイカの哀願するような問いに、死んでなおスピラに止まる老人の真意を垣間見たような気がした。
「シンが存在する限り、スピラには平和が満ちていた」
その真意は思っていたよりも、ずっと悲しい物事の始まりへの憶測。
「種族を越えて人は手を取り合い戦った」
本当に純粋な、高みに昇った人間だけが覗く絶望。
「シンと共にスピラの平和は終わったんじゃ」
静かな部屋に平和を求める祈りの歌が、ささやくように聞こえていた。
>197.201
マターリ暖かいお言葉に感謝です。猫かわいい(w
>198.199
保全カキコありがとう・・・・たまに書かないとdatに落ちること忘れて
悩んでおりました。ううむ。
>202
はい。オウカに関しては私も頭痛の種。
ただアーロンの武器に関してはご理解下さい・・・・
アーロンの太刀は絵描きの永遠の謎って言いましょうか
とにかく大問題。・・・どうやって持ち歩いているんだ、アレは(苦
もう終わったの?
>213
・・・・いえ、これから長いと思います・・・・気長にお待ちください。
211に感動してしまいました・・・イイ!
ままさんがんばれ!
わかりました!大変かもしれないけどがんばってください、
気長にまってます(・∀・)/
私、オウカ好きだよ。オウカの活躍も期待してます〜♪
(ちなみに一番好きなキャラは、アーロンだYO!)