たとえ胃の中水の中−被食系妄想26

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522dannna ◆pacuXy4LCI
 「熱い内に食べなさいよ、まあグロいっちゃグロいかな? 姿焼きだからね」
「いただき… ます… 《カリン》 えっ、これ、おいしぃ、芳ばしくって、歯ざわりもいい…」
女将さんが後輩の様子を見て嬉しそうに微笑む、何せこの焼きのたれは女将さんの秘中の秘だ。
最初は頭だけを銜えた後輩が、一気に串一本を食べきった。
グビッグビッ、ビールを流し込むように飲む、そうそう、ビールに合うんだよねこの焼きは。
「ぷはぁっ、美味しい… 最高です、癖になりそう」
523dannna ◆pacuXy4LCI :2012/01/22(日) 13:33:54.30 ID:tgIVPKKS0
 何が起こるのかと素直に従い黄色い線を越えた瞬間、轟音が響いた。
間近でジェットのエンジンが、噴射するかのような轟音に振り返って見ると火柱が上がっていた。
青白い高温の火柱は穴から3m程に一瞬吹き上がり、あっという間に消え去った。
それでも中に入れた物を灰にするには十分であった。
赤く輝きながら振り落ちる繊維屑は、あっという間に輝きを失い灰へと変化した。
その瞬間、俺はこの場所で全てを失った様に思った。
自分を証明する一切が灰になってしまった、この場所には一人の人間が立っているだけだ。