たとえ胃の中水の中−被食系妄想26

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224danna ◆Xs5riRtBYc
 俺は中流家庭に生まれた次男だ。
子供の頃から必死になって自分を磨いていた、使われる者から支配する者へとなりたかったのだ。
生半可な努力や苦労話など、準備運動にすら思えない程に頑張り続け、やっとその裾野にたどり着けた。
それからは表だけでなく裏の方でも働き続け、やっと頭角を現すことが出来るまでになった。
その後は如何に信頼を得るかに腐心した、裏の関係を闇の内に処分した。
やがて一人娘に近づきその心を徐々に染めて行った、そして俺は夢をかなえるに至った。

 結婚して2年、それは素晴らしい生活であった。
ただ、妻が望まない事、気に入らない事は一切行うことは出来なかった。
妻は寛容で優しく、俺の望みはほとんど叶えられたが、ごく稀にどうでもいい様な事を否定される事があった。
それは何があろうとも妻の意見が覆る事は無かった、下手をすれば根本が消え去る事すらあった。
女性POPシンガーのライブを見に行こうと言って断られ、2週間せずにそのPOPシンガーは引退した。
彼女の不興を買う事の恐ろしさをその時初めて知った。