最後の晩餐
俺は意識を失っていた。
気がつくと、銀色の世界、磨き上げられた冷たい金属の上。
継ぎ目など無く、20m程の丸い半円の窪みの底にいた。
半円といっても今立っている場所は直径8m程のの円形の平面の上。
中心から2m位に黄色い線で円が描かれており、その中心部には直径1mの穴。
深さは1.5m程で網が張られている。
つるつるに磨き上げられた表面はうっかりしていると滑ってしまう程だ。
深さで9m程ある、2mも上れば滑り底へと帰ってきてしまった。
意識を取り戻して30分もすれば自分が置かれた状況に途方にくれる事が出来た。
記憶が無い、なぜこんな所にいるのか、ここがどこかも分からない。
見上げれば遥かな位置に天井、その天井が全面でわずかに光を放っている。