「キューティーの毛を抜けるんだって!?」
「1000円なら安いよ、払う、払う!」
たちまち希望者が殺到した。コング松本はニヤリとほくそ笑んだ。1000人に毛を
抜かせれば、100万円が手に入る計算だ。
キューティーに屈辱を味合わせた上に、臨時収入まで頂けるとは二重においしい。
「ケツの毛まで毟り取る」という表現があるが、正に字面通りだった。キューティーの
ケツ毛まで毟り取って辱めた上に金儲けまでできるとは、笑いが止まらない展開だ
った。
(そんな! やめて! もうやめて!)
毛抜きを宣言されたキューティーはまたしても泣きベソ状態になった。恥ずかし
い陰毛が人目に晒された上に、それを場内の観客たちに抜かれてしまうなんて信
じられない。それも一本一本抜かれて、男どものオカズのネタにされてしまうのだ。
キューティーは声を上げることも許されなかった。彼女の口にはリングパンツに
変わって、今しがた剥ぎ取られたばかりの自分自身の生パンティが押し込まれてい
る。ボール-ギャグならぬパンティ-ギャグだった。
(もういやっ! こんなのもういやよっ!)
キューティー浅尾の心の叫びだったが、口にすることはできないのだ。彼女にと
っては、リング上で想像を絶する羞恥ポーズを演じさせられていた。
一糸纏わぬ全裸大股開きを強いられ、二穴と陰毛は完全露出。両の乳ももちろん
露出。頭は一本の髪もないツルツル頭で、鼻はブタ鼻、口にはパンティを咥えさせ
られているのだ。
(恥ずかしいっ! 恥ずかしいっ!)
あまりの恥じらいにキューティーの美しい白い肌が、真っ赤に染まるのだった。
だが、ううっと呻くのだけが、せめてもの抵抗だ。
「よし、第一のグループ、そろそろ始めてくれ」
コングの指示で最初の20人がリングに上がっていく。
「1グループ2分だ! 厳守だぞ!」
コングはすっかりご主人様気取りだった。毛抜きを希望する客のために、手際よ
く用意されたピンセットが貸し出される。無論料金と引き換えだ。
第一グループには、高校生くらいの若い子が多かった。試合前はキューティーの
信奉者だったが、試合途中でコングの狡猾な誘導でアンチキューティーに転向した
女の子たちがほとんどだ。
「キャハッハ!」
と下品な笑い声を上げながら、キューティーを取り囲む少女達、彼女たちはかつ
てのヒロインに対して徹底的に残酷だった。
「見て見て! キューティーの鼻の穴よ!」
鼻フックで広げられたキューティーの鼻孔を覗き込む女の子たち。
「やだ、鼻毛がはみ出てるじゃない。みっともないわね」
「普段きどってるくせに、鼻毛一杯じゃないの」
彼女らの一言一言がキューティーを傷つける。そして、一人が言った
「そうだ、どこの毛を抜いてもいいんでしょ。鼻毛抜いちゃおうよ!」