これでキューティー浅尾の頭には一本の髪の毛もなくなってしまったが、これでは
まだ足らないとばかりに、更に辱めの追加メニューが注文された。
「髭を剃るカミソリ持って来い!」
コングの命令でT字カミソリが準備された。コングはキューティーの頭にシェービ
ングクリームを塗りたくって、まだ青さが残っているキューティーの坊主頭を剃り上
げていく。ついでとばかりに彼女の眉毛をも剃ってしまった。すっかり剃り上げて、
タオルでクリームを拭き取った。
「それ一丁上がり!」
こうしてスーパーアイドルキューティー浅尾のツルツルのスキンヘッドが完成した
のである。まったく髪の毛がなくなったキューティーの額にコングは、マジックで、
ある落書きを描いた。それを見た客からは、キャハハと失笑が漏れる。
おのれの美貌が、一体どうなってしまったのか怯える妖精の目の前に、再び鏡が差
し出された。次の瞬間
「うわああああああああっ!」
というキューティーの今日最大の絶叫が響き渡った。ツルツルに剃り上げられた頭、
眉毛もなくなっている。変わり果てた顔に大衝撃を受けた彼女は号泣した。その額に
は、割れ目からポタポタ液を垂らす女性器の落書きが描かれていた。
これでも、まだキューティー浅尾の羞恥地獄は終わりではないのだ。
「鼻フックだ、鼻フック持って来い!」
次の用具がすぐ準備される。手際よくキューティーをもっと辱めるための鼻フック
が仕掛けられた。
依然泣きじゃくるキューティーにはおかまいなしだ。手早く首にベルトが巻かれ、
首の後ろから、前に回された紐の先端のフックが、彼女の美しく高い鼻の穴に引っ掛
けられた。すると鼻孔が醜くガバっと開かれて、ブタ鼻に変わる。
「ううっ!」
キューティーはうめいたがどうしようもない。女子プロレス界随一の美女は、あっ
という間に、無様なブタ顔にされてしまった。
「キューティーブタ尾だ! ブヒヒ!」
コングはキューティーを嘲り笑った。そして、すぐに彼女をもっと侮辱するアイデ
アを思いついた。彼女にマイクを突きつけ
「キューティーよ、ブヒヒと鳴け!」
と強要した。これには浅尾は従わなかったが、コングは彼女の耳元で囁いた。
「鳴けよ、そうすりゃ磔は止めてやる」
気力が溢れている時なら、たとえ磔にされてはいてもこんな要求は拒んでいたであ
ろう。だが、もはやキューティーの心は折れ、闘争心も奪い去られていた。そして
「ブ……ヒ……ヒ……」
弱々しい声で、ブタの鳴きまねをしてしまったのである。
「ギャハッハ!」
コングと極悪軍団は腹を抱えて笑い転げた。観客も哄笑した。