キューティー浅尾は新日本女子プロレスのチャンピオンであった。身体はややスリムではあったが
運動神経は抜群で俊敏な動きとテクニックを誇り、無敵の女王として君臨していた。
また「マットの妖精」とも言われるアイドル並みのルックスの持ち主で、人気復活の女子プロレス界
にあって名実ともに中心的存在であった。反則無しの誇り高いファイトスタイルでも知られている。
その美貌の女王のタイトルに対して、謎の新人が挑戦してきたのである。その正体は不明だった。
名前がコング松本という事しか明かされていなかった。
「いくら盛り上げるためだからって、とんだ茶番だわ」
白いレオタードに短いスカートのコスチュームを身に纏ったキューティー浅尾が、慣例を破って先
にリングに上がってコング松本の登場を待っていた。謎の新人の神秘性を高める演出らしかった。
そして、不気味な音楽とともにコング松本が入場してきた。その姿に超満員の観客はどよめいた。
まるでゴリラの様な巨大な体の持ち主だったのだ。
だが、女王は全く動じなかった。見掛け倒しの百貫デブなら得意中の得意だ。スピード、テクニッ
クで圧倒できる。
「フフッ」
コングの顔を見た女王浅尾は失笑を浮かべた。挑戦者はとんでもない不細工なルックスをしていた
のだ。
笑われたコング松本は、激怒した。リングアナのマイクを奪い取って大声で言い放つ。
「キューティー、今日がお前の最期だ! 客の前で大恥掻かせてやるから覚悟しな!」
新人らしからぬ度胸だった。キューティーは少し気圧されるのを感じたが、すぐに気を取り直す。
新人にビビッてどうするのだ。ゴングが鳴らされ試合が開始された。
試合が始まって15分、チャンピオンキューティー浅尾は思いもよらぬ大苦戦を強いられていた。
「こいつ強いわ、ほんとに新人なの?」
コング松本は体格どおり、女性離れしたパワーの持ち主だったが、動きもスピーディーだった。女
子プロレス界随一のスピードを誇る浅尾にヒケを取らない。
コングは女王の脚を中心に攻めて来た。浅尾得意の空中殺法を封じるためだ。
「ううっ!」
キューティーはうめいた。彼女の膝にコングの強烈なストンピングが浴びせられる。
(ああっ、わたしのファイトスタイルが研究し尽くしされてる……)
動きを止められた女王の美貌に徐々に焦りが浮かんできた。それを見透かしたかのように挑戦者
は新たな技を繰り出してきた。
ダウンした浅尾の右脚を自らの両脚に挟み込むと、素早くターンして折りたたみ、自分も倒れこん
でもう一方の脚に引っ掛けたのだ。
(よ、四の字固め!!)
古典的ではあるが、脚を痛めつけるには最高の技である足四の字固めだ。
(脚を掛けられてはダメ!)
両者仰向けの体勢で、コングは自分の右脚をキューティーの右足首に掛けようとする。それで四
の字固めが完成するのだ。
そうはさせじと、美しい女王は、両腕で必死にコングの右脚を押しとどめようとする。双方懸命の
攻防だったが、やはり脚の力が上だった。
脚を蹴りつけるようにして、腕を振り払った挑戦者の太い脚が、遂に浅尾の右足首を捕らえた。
「ア、アアッ!!」
無敵の女王の絶叫が響き渡る。足四の字固めが完成したのだ。
(ロ、ロープ!)
ロープブレイクに逃れようと、右手を頭の上に伸ばす。だが、
(ダメ! 届かない!)
技が極まったのはリング中央だった。ロープは遥かに遠い。
「グフフ、苦しむがいい!」
完璧な四の字がガッチリ極まり、コング松本は余裕綽綽だった。スリムな浅尾の二倍ほどもある太
い脚でグイグイ締め付ける。
「くああああっ!!」
激しい痛みに苦しむチャンピオン、新人相手にまさかの大ピンチだった。
(こ、こんな! 嘘でしょっ!)
新人相手に苦戦する自分の姿に、恥ずかしさを覚えたが、状況はそれどころではない。なんとか、
逃れなくては。
(タ、ターンして逃げるのよ!)
身体を回転させて、ロープへ逃れようと試みたが、コングの巨体がそれを許さなかった。
(ううっ、動けない!)
ロープブレイクもならず、ターンもならず、状況は絶望的だった。
(ああ、苦しい……耐えるしか、耐えるしかないわ……)
プロレス界のスーパーヒロインの大苦戦、その相手が新人とは大変な屈辱であった。
「さっさとギブアップしなよ。そうすりゃ楽になるぜ」
調子に乗った挑戦者は、大胆にも格上のチャンピオンに負けを強要したが、負けず嫌いの浅尾が
受けるはずもない。
「冗談言わないで!」
すぐさま拒絶したが、それを聞いたコングは
「そうこなくっちゃな! 痛め甲斐がないってもんよ!」
と言うと、身体を揺さぶって再び激しく両脚を締め付けた。
「いやあああっ!!」
またも美しいチャンピオンのセクシーな絶叫が響き渡った。日頃からキューティーはピンチの時
には、わざと色っぽい悲鳴を上げる様にしていた。男性ファンを喜ばせるための演出の一つなので
あったが、今の叫びは本物であった。それだけに、女王のよもやの苦戦に会場の男どもは大興奮に
陥った。
だが、そうこうしている内に、浅尾は両腕を使って身体をロープの方に寄せていった。ジリジリ
とロープが近付いてくる。もう少しでようやくロープブレイクという刹那、コングが突然四の字固
めを解いた。
「逃げようたって、そうはいかねーよ!」
チャンピオンの両脚を抱えると、再びリング中央に引きずっていく。
「ああっ!」
絶望の悲鳴を上げるキューティーを、再び奈落の底に突き落とすボストンクラブが決まる。これ
でたっぷりと背中を痛めつけた。
この逆エビ地獄にも懸命に耐え続けたキューティーが、ようやくロープに逃れた。やっと離れる
ことができたのである。
(ようし、反撃よ!)
いきなり空中に舞い上がった、今まで幾多の劇的勝利をもぎ取ってきた必殺の延髄斬りを放った
のだ。これで逆転のはずだ、だが、
「うああっ!」
惨めにも空中で叩き落され、背中から落ちたのだった。徹底した脚攻めで跳躍力が不足していた
上に、この反撃は完全に見破られていたのだ。
(ダメっ! すべて研究されてる!)
「キューティー! お前の技はすべて研究済みさ、私にゃ通用しないよ!」
愕然とするキューティーとは裏腹にコングは勝ち誇った。
(そ、そんな! いやっ! わたしの技が通用しないなんて!)
最後の切り札を奪い取られ、精神的にも追い詰められたチャンピオンを、コングは嵩に掛かって
攻め立てた。
試合は悲惨なワンサイドゲームになっていった。キューティーはまったく攻めに回る事ができず
コングの技を受けるだけであった。キャメルクラッチ、ボーアンドアローバックブリーカー、アル
ゼンチンバックブリーカーなどの拷問技の連続が彼女を苦しめる。
(ああ、このままでは負けてしまう、いやよ!)
女子プロレス界のアイドルである自分が、新人に一方的に負けることなど許されるはずもない。
その誇りだけが彼女を支えていたのだ。
だが、この連続攻撃は確実にキューティーからスタミナを奪っていった。浅尾の大きな弱点の一
つが身体が細いためにスタミナに欠けることであった。
(わたしの弱点が調べ尽くされてる……)
この事実が、大きなプレッシャーとなって、チャンピオンの闘争心を萎えさせた。反撃ムードを
生む事もできない。
スタミナをすべて奪い取られ、反撃する力を失ったキューティーに止めを刺すべく、コングは彼
女の身体を逆さに抱え上げた。必殺のパワーボムだ。
一発! 二発! 三発! 白いマットに女王の脳天が強烈に叩きつけられた。キューティーは完
全にグロッキーとなり、惨めにリングの上に這いつくばった。
「うう……」
意識は失っていなかったがもはや立ち上がる力は残されてはいなかった。コングはキューティー
の背中を片足で踏みつけ仁王立ちになった。まさかの展開に観客は呆然となる。
後は身体を仰向けにして覆い被さればスリーカウントは確実だった。だがそうはしなかった。観
客を指差して高らかに宣言した。
「これからキューティー浅尾の公開処刑だ! ロメロスペシャル行くぜ!」
予想もしないヒロインの惨敗に呆然としていた場内が興奮の坩堝と化した。女子プロレスラーに
とって、最も恥ずかしく、受けたくない技だった。惨めに身体を吊り上げられ、客の前で股を大き
く開かれるのである。
男性客は、これから展開しようとするスーパーアイドルの恥態に心を躍らせ、例外なく股間を固
くした。
逆にキューティーをヒロインとして崇拝する少女ファンたちは
「お願い! やめて!」
と絶叫した。早くも号泣しているものもいる。
132 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 09:17:17 ID:qc7tzbng0
公開処刑を宣告された浅尾は、全身が凍りつく思いだった。デビュー以来スター街道をひた走っ
てきた誇り高い女王にとっては、一度も受けた事はないのであった。スケベな男の客を喜ばせるた
めの技という認識だった。一度かけられそうになり、試合後
「あんな下品な技をわたしにかけようとするなんて、許せないわ」
と激怒したこともあり、その後は彼女にロメロを試みる事はタブーとなっていた。もはや、逆転
勝ちは絶望となっていたが、ロメロスペシャルで敗れることだけは避けたかった。しかし、反撃す
る力は全く残っていない。
(いやよ! ロメロだけは受けたくない……)
だが、その思いも空しく、コングはチャンピオンの両脚を自分の両脚にフックさせた。
「いや、やめてえっ!」
これまで、どんな苦境でも凛とした姿しか見せてこなかった無敵の女王が見苦しく、敵に哀願す
るような悲鳴を上げて両手をバタつかせた。これが僅かな最後の抵抗だった。しかし、それもコング
に両手首を捉えられた事によって終わってしまう。
「くっ!」
これから訪れる屈辱の予感に、美女レスラーは歯を食いしばった。
(ああ、かけられたくない!)
「いくぜ、そりゃ!」
浅尾の両腕を逆に極めたコングは掛け声で気合を入れて彼女を吊り上げたのだった。
「いやあああああっ!!」
絶叫とともに持ち上げられたチャンピオンの肢体は、吊り天井の頂点でピタリと止まった。見事
な形のロメロスペシャルが完成した。引き締まった浅尾の細身の肉体が高々と持ち上げられ、まる
で一つの芸術品のようなフォルムが描き出された。そして女子プロレス界ナンバーワン美女の大股
開きが、正面観客席に向けて公開された。目を覆う悲惨な展開から一転、エロチックな雰囲気が醸
し出された。
133 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 09:23:43 ID:qc7tzbng0
「うおっ! まるでパンチラみたいだ!」
男たちは大興奮してカメラのフラッシュを炊く。キューティーはややハイレグ気味の白いリンコ
スを穿いていた。激戦の間に尻を覆う布が尻の割れ目に食い込んでいき、Tバックのような状態に
なっていたが、食い込みを直す余裕もないまま、ロメロスペシャルを受けてしまい。スカートから
覗く股間の部分が、その白さも相まって、「パンチラ状態」を呈していたのだ。
「もう、やめてえええっ!」
「キューティーのこんな姿見たくない!」
浅尾を女神と崇めてきた少女ファンたちは、目の前で展開されている光景が信じられない。あの
強かった、無敵のキューティーがこんな惨めな姿を晒すなんて……彼女たちは一様に目から涙を
流していた。
(ああっ……く、苦しい!)
股間を開帳されて吊り上げられたキューティーの受ける苦しみは恥ずかしさだけではない。ロメロ
スペシャルは、全身の関節を締め上げる拷問技でもある。その激痛は彼女の全身を蝕んでいった。
そして、
「浅尾、弱いじゃん」
「キューティーのパンチラ見れるなんて、ラッキー」
「あんな股開かれちゃって、恥ずかしいだろうなあ」
観客の容赦ない会話がチャンピオンのプライドを傷つけた。一斉に炊かれるフラッシュが自分の
恥ずかしい姿を納めている事も否応なく認識させられた。
(ううっ、何の抵抗もできないなんて、こんなのいやっ!)
惨めだった、恥ずかしかった、そして苦しかった、その美貌は激しく歪んだ。だが逃れる方法は
敵に屈服する事だけである。
(ダメよ! 負けないわ!)
134 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 09:40:22 ID:qc7tzbng0
レフェリーが尋ねる。
「ヘイ、キューティー、ギブアップ?」
「ノー!」
敗北を拒絶した。女王としての誇りだけが彼女を支えていた。だが、それにも限度がある。怪力
を誇るコングは下から何度も揺さぶって、キューティーの苦しみを倍増させた。その度に、彼女の
「あ、あっ! ああっ! いやああっ!」
という、まるでレイプでもされているかのような淫靡な悲鳴が響き渡る。女王の苦しむ姿を見たコ
ングは調子付いて、両脚を更に大きく広げ、男たちは美しいマットの妖精のパンチラ開脚を心ゆく
まで堪能した。
自分の惨敗を受け入れる事ができず必死に耐えてきたチャンピオンだったが、もはや、とっくに
限界は超えていた。あまりの苦痛に意識が遠くなっていく。
(いやっ、ありえない……わたしが負けるなんて……)
そして、いきなりキューティーの全身からガックリと力が抜けた。女王は股を大きく開かれた恥
ずかしい姿のまま失神したのである。
「いかん、気を失ってる!」
レフェリーは急いで試合終了を告げるゴングを鳴らさせた。なおも技を解こうとしないコングか
ら無理やり、浅尾の身体を引き離した。失神KO、チャンピオンの惨敗であった。
「いやああああ!」
「う、嘘でしょ!」
信じられない光景を見せつけられたキューティーファンの少女たちは泣き叫び、激しく嗚咽した。
中にはショックのあまり、キューティー同様に気を失って倒れる者もいたほどだった。
「パンチラ開脚、キューティー惨敗!」
「キューティー完敗!王座転落!」
ベルトを失った誇り高い女王の記事が、翌日のスポーツ紙の一面を飾った。だが、敗れた瞬間、
キューティー浅尾のリングコスチュームの股間が失禁によって濡れていた事実は、報道される事
はなかったのだった。
―終