名作「わが子よW」のお漏らしをシナリオで再現しました。
○F病院・4階病室
ベッドの上で座っている志穂(15)。お尻をもぞもぞと、落ち着き無く動かしている。
枕元に置かれた時計のスイッチを押す。時計は、機械的に現在時刻を伝える。
志穂「(小さく)お母さん、遅いよ」
志穂、ため息をつくと、意を決して立ち上がる。
病室を出て行く志穂。
○同・4階廊下
廊下を手探りで歩いてゆく志穂(15)。
迷いながらも、トイレの前にたどり着く。
志穂「あった、ここだ」
ほっとして、笑顔を浮かべる志穂。
トイレに入ろうとすると、中から作業服姿の男が出てくる。
男「ああ、駄目駄目、今工事中だから」
志穂「えっ?」
男「階段下りて、この真下がトイレになってるから、そっち行ってくれる?」
男、戻っていく。
志穂「(気おされて)あ、はい……。」
志穂、再び歩き始める。
○同・3階廊下
志穂が階段を下りて来る。苦しそうな表情。
志穂「うぅ、ううっ……」
小さく呻いて、思わず股間を手で押さえる。
よろめいた拍子に置かれていた観葉植物を倒してしまう。
何とかトイレにたどり着く志穂。
トイレの前に若い男が二人やって来る。
若い男1「あれ、ここは男の子専用ですよ」
志穂「ええっ?」
若い男「俺たちは別に構わないけどな」
笑いあう男たち。
志穂「すいません」
振り返り、歩き出そうとする志穂。足が滑り、その場に転んでしまう。
若い男1「おい、君……!何だ、目が悪いのか?」
志穂「え?はい……」
志穂を抱き起こす男。
若い男2「悪かった、連れてってやろう」
若い男1「ああ」
男たち、志穂を立ち上がらせる。
志穂「い、いいです!離して、離してください!」
男たちを振りほどいて歩き出す志穂。
呆然と見送る男たち。
○同・階段室
志穂がやって来る。
顔は汗ばみ、血の気が引いている。
手すりにもたれ掛かるようにして階段を下りて行く志穂。
片方の手で、股間をぎゅっとつかんでいる。
志穂「うう、ううん……。」
志穂の歩みが、次第に遅くなり
志穂「……あ、あああっ!」
踊り場の手前で遂にしゃがみ込んでしまう志穂。
階段の下の方から、職員の男がやって来る。
志穂に駆け寄る職員。
職員「どうした?どこか痛むのか?」
顔を歪めながら、首を横に振る志穂。もう一度立ち上がろうとするが、それも叶わない。
志穂「うう、うううっ……」
志穂の表情が、不意に呆けたようになる。
志穂「あ、あ、あああ……」
志穂の股間から、小水が溢れ出す。
泣き崩れる志穂。
職員「君……」
職員、志穂の肩を軽く叩いて立ち上がる。
職員「おーい、看護師さん!」
職員、去る。
信じられないという様子で首を振りながら、泣き続ける志穂。
階段を流れ落ちてゆく志穂の小水。