「貴裕〜!」
有子はそう叫んで目の前の扉をぶち壊した。広い部屋の真ん中に貴裕は囚われていた。
周りを魔物たちが取り囲んでいる。かなりの数だ。ぐずぐずしている暇はなかった。
有子は破邪の剣を出す。最大奥義で一気にカタをつけるつもりだった。一匹でも残すと
あとあと面倒だ。
有子は呪文を唱え、気を剣に集中させていく。荘厳な輝きが剣を包み込んでいく。
「破邪の剣よ! 邪悪なるものを消し去れ!! 滅!」
その瞬間、剣を包み込んでいた輝きは部屋中に広がり、魔物たちを攻撃していく。
戦いは一瞬で決した──魔物たちは浄化され無へと帰す。その場には有子と貴裕だけが
残った。
「貴裕!」
有子は囚われていた愛する我が子のもとへと駆け寄る。ぐったりしているその体を起こすと
強く抱きしめた。
息はある。外傷もないようだ。眠らされているだけだろうか? それとも……
「貴裕、貴裕! しっかりして!」
有子はそう呼びかけ体を揺する。貴裕はううっ、という声をあげるとうっすらと瞼を
開けた。
「あ……、ママ」
「よかった……、大丈夫もう安心よ。魔物たちは退治したわ」
有子はそう言って貴裕を安心させる。
「ママ、怖かったよ」
貴裕はギュッと力を込めて有子を抱きしめ顔を胸にうずめる。よほど怖かったのだろう。
体がふるえている。
「ママ……」有子の胸に顔をうずめたまま貴裕は言った。「おっぱい吸わせてよ」
有子は一瞬聞き間違いかと思い「えっ?」と問い直した。
「だから、ママのおっぱいが吸いたいんだよ」
「ど、どうしたの? 赤ちゃんみたい」
「吸わせろよ!」
その声は有無を言わせぬ強い口調だった。貴裕の言葉とは思えない。魔物に取り憑かれ
たのか? いや偽者ということも考えられる。
有子は貴裕の体を突き放し構えをとった。貴裕からは魔物の発するような邪気は感じら
れない。では操られているのか?
「どうしたの? ママ。僕にはおっぱい吸わせられないっていうの?」
貴裕はゆっくり立ち上がると薄笑いを浮かべそう言った。
「貴裕、あなた魔物に操られてるのね?」
有子は息子を操っている魔物の気配を探した。だが、そんな気は一切感じられない。
「いやだなぁ。操られてなんかいないよ。僕は僕さ」
貴裕はそう言いながら有子へと近づいてくる。ゆっくりと……一歩一歩……
どうする───有子は剣を握りなおした。確かに魔物に取り憑かれているふうでも、魔物に
操られているふうでもない。だが、明らかにいつもの貴裕の様子とは違うのだ。
ふと気づくと貴裕はすでに目の前にいた。いつの間に──と思ったがすでに遅く、有子
は貴裕に抱きしめられていた。
「うくっ……や、やめなさい! 貴裕」
「ママ、ママ……、キスしようよ。ねぇ」
そう言って有子を強く抱きしめる貴裕。小学校六年とはいえ身長はすでに160センチを
超えている。背の高さは有子と変わらなかった。
実の母にキスを迫る息子。必死に抗う母。貴裕の唇が有子のそれを捕らえかけた。
「いいかげんにしなさい!」
有子の平手が貴裕の頬を打つ。目を覚ましてと願いながら──
「やったな……、ママ」貴裕は頬を押さえながら言う。「──痛いじゃないかぁぁぁぁぁ」
その瞬間、有子は突然動けなくなる。腕も脚も、そして指先さえも──
なにが起こったのかわからない。意識ははっきりしている。体だけが動かせないのだ。
「な、なにをしたの?」
声は出せるようだ。だが、それ以外は自分の体ではないかのようにまったく自由にならない。
「催眠術みたいなもんかな? さっきママがやっつけた魔物にお願いして、もらった能力だよ」
貴裕は平然とそう答える。そしてさらに続けた。
「ママの体はもう僕の言うことしかきかないよ。いくら嫌がってもだめだからね」
「ど、どうして……、貴裕。なぜこんな……」
「ふふ、どうしてかって? 僕は前からママとヤりたかった、それだけだよ」
「な、なにを言ってるの。わたしたちは親子なのよ」
有子の言葉を聞きふっと笑みを浮かべる貴裕。そしてこう口を開いた。
「それがどうかした?」
有子の背筋に冷たいものが走る。おそらくはなにかの拍子に貴裕の内に秘めたどす黒い
欲望が表に出てきた、そういうことだろう。目が血走っている。まともな精神状態では
ない。
「貴裕……、目を、目を覚まして」
有子は言うがその程度では焼け石に水だ。
「脱げ」
貴裕はそう言った。操られるように有子の手がバトルスーツへと伸びていく。
「あン、だめ! こ、こんな」
自らの意思とは関係なく動く指先。スーツの上着を脱ぎ、スカートを下ろす。そして
ブーツを脱ぎさると有子は下着だけの姿になった。
「貴裕、やめましょう、こんなことは……」
有子は言うが貴裕は妖しく笑みを浮かべるだけだ。
「下着も脱ごうか?」
その言葉に答えるように有子の指先はブラのホックを外す。さらに肩紐が外されると
豊かな胸のふくらみがその全貌を現わした。
ああ、だめ……なんとかしないと───だが、いくら心で思っても体はまるでいうことを
きいてくれない。やがて指先がパンティーへとかかっていった。
だめ、だめ! お願いいうことをきいて! 心で抗う有子。このままでは本当に全裸に
されてしまう。そして次に待っているのは───
パンティーが足先から抜き取られる。有子はついに一糸もまとわない生まれたままの姿
になった。
「ふふ、きれいだよ。ママ」
貴裕はそう言うと有子に近づき強引に唇を奪った。
「うぐっ、やめ……」
貴裕の舌が有子の口腔へと差し込まれる。愛する我が子とはいえこれは……こんなことは……
(だめよ、貴裕。いけないわ。親子なのよ、わたしたちは)
有子の思いとは裏腹に彼女の舌も貴裕の口中へと差し込まれ、お互いにチューチューと
舌を吸いあう。それは二匹の軟体動物が絡み合う姿に似ていた。
貴裕の手が有子のその豊満な双乳を揉み嬲る。やわらかいそのふくらみは貴裕の手の中
でおもしろいように形を変えていく。
「はン……あふン」
口腔を蹂躙され胸をこってり揉みほぐされるうち、有子は思わず甘い吐息を漏らしてしまう。
実の息子に体を弄ばれる背徳感。そして小学校六年とはとても思えない貴裕のテクニック。
さらには自由がきかないというこの状況。そんなものがない交ぜになって徐々に有子の官能
を蕩かせていく。
貴裕は唇を離すと今度は有子の乳房へと攻撃の場所を移した。
ピンと尖ったピンク色の乳首に吸い付き舌先でころころところがしていく。微妙な舌使
いに有子の官能はさらに高ぶっていく。
これが憎むべき相手、忌み嫌う相手ならこんなことにはならなかったかもしれない。愛
する我が子に弄ばれる──それが有子を狂わせつつあった。
「貴裕……やめよう、ねぇお願い」
有子は最後の抵抗をこころみる。もうここまでにしてちょうだい。そうでないと……
「それは本心なの? ほんとはママも僕とヤりたいと思ってるんじゃないの?」
貴裕は有子の耳元でそう囁く。そして軽く耳朶を舐めあげるのだ。
「ふう……ン───」
もうだめだ。このままでは本当に実の息子と最後までいってしまう。
(だめよ。挿入だけは避けないと……)
最後の一線だけは越えるわけにはいかない。わたしたちは親子なのだ───
「貴裕、あなたのを舐めさせて」
この際フェラチオまでは仕方がない、そう思った。最後の、そう最後の一線さえ越えな
ければ──
「ふふ、がまんできなくなったの? じゃあ、ママ舐めてよ」
貴裕はそう言うと抱きしめていた腕を外す。それと同時に有子は実の息子の足元へと跪く。
催眠術によるものなのか、自分の意志なのか、すでに有子自身にもわからなくなっていた。
有子は貴裕のベルトをゆるめ、ズボンとブリーフを一緒に下ろしていく。ギンギンに
いきり立った息子のモノが眼前へ現れる。
ああ、もう充分に大人だ。皮もめくれ太さも長さも申しぶんない。この時点ですでに
亡き夫よりもりっぱなのではないか───これがわたしの中に入ってきたら……
有子はそんな思いを心の中で打ち消す。流されてはだめ、一線だけは、最後の一線だけは──
だが、貴裕はフェラチオだけで満足してくれるのか? いくら自分自身が抗っても体を
操られている以上無駄なのではないのか?
有子はそう思うがこのままでは最後までいってしまうのは確実だ。なんとか貴裕を
これで満足させなくては。
意を決し有子はその可憐な舌先を貴裕の若茎へと差し伸ばしていった。
有子の舌が貴裕の棹を根元から先端へ向け舐めあげていく。カリの部分はその舌腹を使い
さらに丁寧に舐められる。先端からはすでに糸を引くような透明な汁が漏れ始めていた。
「あうっ……マ、ママ」
貴裕の口から上ずった声が漏れる。有子は口を開き息子のモノを包み込むように咥えこんだ。
クチュクチュという淫猥な音。棹をすべる妖艶な紅唇。そして雪のように白く蕩ける
ような柔肌。そのどれもが貴裕の欲望を満足させるに足るものだったはずだ。
「ああ……」
少年はそううめき、母の口中へとドロリとした白濁を注ぎ込む。
実の息子の多量な精を口に流し込まれながらも、有子はそれを吐き出すことなく一旦口に
含んだのちゴクンと嚥下していった。
これで、これで満足してくれたはずだ。有子はそう思った。帰ろう──そして何事も
なかったように元の親子として暮らしていけるはず───
だが、ふと見上げた貴裕の表情は満足した男の顔ではなかった。淫猥に歪むその顔。
そして───少年は母に向かってこう告げた。
「四つん這いだ」
その言葉に反応したのか、有子の体は屈辱的なポーズをとっていく。尻を息子の方に向け
おねだりするかのように腰を振る。いかに催眠術で操られているとしてもこの屈辱的な姿は
なんなのだ。有子は自分自身が許せなかった。
ああ……なんていうこと。今からわたしは実の息子に犬のように後ろから犯されてしまうのね。
有子はそう思っただけで下半身に熱い疼きを感じるのだった。
「ふふ、ママいい格好だよ。お尻の穴も丸見えだ」
貴裕はそう言って有子の羞恥を煽る。その言葉はさらに彼女の股間を刺激し、熱い淫蜜
を溢れかえらせていくのだ。
「やっと、やっとママに入れられるんだね」
貴裕は有子の後ろに膝をつき、挿入の体勢に入った。抜けるように白い尻が誘うように
くねっている。少年の息が荒くなる。憧れつづけた母の膣内に挿入できる喜びに打ち震え
ているかのようだ。
「だめ! それだけは……入れるのだけはやめてちょうだい!」
近親相姦の愚だけは避けたい。そんな思いから出た有子の言葉はかえって貴裕を興奮さ
せる。反り返った少年の若茎はさらに勢いを増し、お腹に付かんばかりにいきり立っていた。
「いくよ」
そう言って貴裕は有子へとゆっくり挿入していく。熟れきった有子の女唇はこともなげに
その長大な逸物を受け入れていくのだ。
「はうううう……あはン」
亡き夫以上のモノが膣内に挿入され、その圧迫感に思わず喘ぎ声を漏らす有子。
「ママ、僕たちつながってるよ。親子なのにこんなことしてるよ」
貴裕は狂ったように実の母への抽迭を繰り返していく。そんな貴裕の言葉は有子の背徳感
を刺激し一層興奮を高ぶらせていくのだ。
「だめ……もうやめて。いけないわ、これ以上は」
そう言いながらも有子の腰は貴裕の動きに合わせるようにくねっていく。
そうよ───中にさえ出なければ……外に出してくれさえすれば……
では避妊さえすればいいの──そんな悪魔のような考えが脳裏をよぎる。
だめ、違うわ。そんなんじゃない──もう有子は訳がわからなかった。息子のものを
受け止め淫猥に腰をくねらせているのは、自分の意志なのか、催眠術によるものなのか
さえも。
「ふふふ、実の息子とセックスして感じちゃうなんて。ママってほんとにいやらしい女
だったんだね」
「違う……これはあなたがかけた催眠術のせいよ」
「なに言ってんのさ。催眠術なんてとっくの昔に解いちゃってるよ」
えっ……………
貴裕の言葉に有子のなにかが壊れた。
いつから、いつからがわたしの意思なの───
いや、もうそんなものはどうでもいい。些細なことなのだ。
愛する我が子と結ばれたい───それは自分自身の望みだったのかもしれない。
受けとめよう。この子のすべてを──この体に、この子宮に………
そして──この子のすべてを感じたい……
やがて貴裕の動きがさらに激しくなっていくのがわかった。
「ママ……」
その言葉とともに有子の子宮をめがけ大量の白濁が射出される。生暖かい
息子の体温が全身に感じとれた。
有子はその瞬間、「ああ……」とだけつぶやいた。その言葉がなにを意味していたのか、
それは彼女自身にもわからなかった。
おわり