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彼女の指は物に触れる事が多いからだろう。指先の感度はかなり鋭い。
たぶんごまかす事はもう無理だろう。
こんな物持ってるって分かっちゃったら嫌われちゃうかなぁ…
頭を掻き、小さいため息と共に素直に白状する。
「ま、まぁ一人でする時もあるしさ。まぁそういう時に使うモノで…」
「…。私の中もこんな風になってるの?」
「え?い、いや、ここまで極端じゃないけど…近い…かな?」
彼女は手探りでテーブルを探し「優香たん」を置いた。
…2時間後…
横にいる彼女の顔をそっと触る。目をつぶりながら。
額を。髪を。耳を。まぶたを。鼻を。口を。
彼女もオレの顔を触りながら、オレの愛撫とも観ているともつかない行動を静かに受け入れている。
あれ?こんな感じだったっけな?
何か身近に感じる。
体温が布団を通して伝わってくるからなのか、触れている安心感なのか
何だろう。暗闇の中でも安心できると言うか…
唇に柔らかい感触が伝わる。
彼女のキスはそのまま頬から耳に移って、小さな声を漏らす。
「お腹すいた。」