273 :
名無しさん@ピンキー:
すると、萩原先生が、急に、冷たい声になった。
「大野さん、あなた、何本虫歯があると思っているの?19本よ。しかも、どれも進行してるの。
そんなに放っておいたのに、簡単に治るわけないでしょう?治す気あるの?」
香緒里が悲しそうな顔になる。
「そんな顔したってダメ。虫歯は、なるもんじゃないの。作るものなのよ。
あなたが虫歯に「してしまった」のよ。自覚してるのかしら。」
香緒里の目に涙があふれてきた。
「前のとき、時間がないとか言って帰って、痛くなって駆け込んできたこと、忘れたの。」
えっ、と思って横を見ると、美人助手が頷いている。
香緒里は涙に声をふるわせながら、
「おねがいします・・・」と言った。