虫歯&銀歯の女の子   

このエントリーをはてなブックマークに追加
112名無しさん@ピンキー
虫歯をネタにした話か…

だめだ、すっかり迷ってしまった。
道は山道の割には広いが、整備されていない。
日はだんだん落ちてくる。
助手席の香緒里も、さっきからずっと無言だ。
「ごめん、遅くなっちゃうな。…怒ってる?」
「ん」
とだけ答えて、香緒里はほおづえを突いて外を見ている。
早くこの道を抜けないと、本格的に喧嘩になりそうだ。
俺はアクセルを少し強めに踏んだ。
タイヤが道のくぼみに取られて、車が少し弾む。
「…停めて」
113名無しさん@ピンキー:04/08/23 20:42 ID:ExeIjLQt
突然香緒里が、聞き逃しそうなほど小さい声で言った。
あわてて車を停める。
「どうした?」
「…」
「酔ったのか?」
車には強いはずなんだけど、と思いつつ聞く。
「……頭が、痛くて」
「え、大丈夫か?」
「うん…少し休ませて。」
そういって香緒里はシートを倒し、体を窓に向けた。
確かまだお茶が残っているはずだ。
山の上は寒いと思ったから持ってきた熱いお茶。
結局山も夏は暑くて、全然減っていない。
「これでも飲んで寝てなよ」
助手席のドアから香緒里に声をかけた。


114名無しさん@ピンキー:04/08/23 20:56 ID:ExeIjLQt
香緒里はそれには答えず、のそのそと起きあがり、
お茶を一口含んだ。
とたん、香緒里は「んっ」と呻き、お茶を取り落としてしまった。
スカートに染みが広がっていく。
「おい、大丈夫か?」
見ると、香緒里は左頬を強く押さえている。
もしかして、
「頭じゃなくて、歯が痛いんじゃないの?」
香緒里の動きが止まった。
みるみるうちに涙が溢れてくる。
「なんでそんなつまんない嘘つくのさ」
「……だって、嫌いなんだもん、歯医者」
言い切るとまた顔をしかめてシートに倒れ込む。


だめだ、限界です_| ̄|○ 
誰か続きを代わりに…