【機械化】サイボーグ娘!三つめのパーツ【義体化】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
サイボーグ娘に萌えるスレです。
人工皮膚系・金属外骨格系どちらも(それ以外も)OKです。
事故や病気で体を失って機械化した娘、特殊な作業に特化した体を得る為に機械化した娘、萌えるじゃないですか!
自分の機械の体で悩む娘も、能天気な機械化娘も、萌えるじゃないですか!
そんな趣旨のスレです。

アンドロイド娘とはかなり方向性が異なるので別スレにしてみました。
アンドロイド娘は完全人工な娘、サイボーグ娘は生身だったのを機械に改造した娘です。
区別の目安としては、脳味噌が生身か造り物か、という事になります。
21:04/04/25 02:35 ID:67CCrPLA
前スレ
【機械化】サイボーグ娘!【義体化】
ttp://wow.bbspink.com/feti/kako/1062/10626/1062698217.html
【機械化】サイボーグ娘!二回目の手術【義体化】
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1064515330/
3名無しさん@ピンキー :04/04/25 02:42 ID:iQIzex4b
スレ立ておつかれ

あと 1.5スレが有ったらしいですが
4名無しさん@ピンキー:04/04/25 09:27 ID:cubR4Z+/
>>1
 スレ立て乙ー。
5名無しさん@ピンキー:04/04/25 11:56 ID:uphccEZM
乙かれー
6Powered Gear:04/04/25 16:00 ID:ctJ4AKDk
23世紀、地球人は地球と似た惑星を発見。その星をライアと名付けた。
交渉時の地球側の高圧的な態度により交渉は決裂、その結果として軍事衝突が発生。
その後、停戦協定が結ばれたが地球連邦の高官達はライア侵攻の機会を捨ててはいなかった。

停戦協定から一年後、自らを改造したライア公国軍VA開発部長官ハルカを筆頭として数千のサイボーグ兵士が決起。
ライアの首都メルカドを襲い、市民たちを連れ去り始め、ライア星に対し宣戦を布告した。

鎮圧の為に地球連合軍は地球連合軍のエリート部隊(ブラッディーアーマー部隊)を結成。
敵VA部隊の一掃と民間人の救出を目的にライア星に派遣する事を決定した。

しかしこの作戦の真相は暴動鎮圧後に治安の維持と称してライア星に軍を駐留させることだった。

もちろん、この事実は一般に公開されることはなかった。
7Powered Gear:04/04/25 16:00 ID:ctJ4AKDk
兵器、戦術等がいかに進歩しようとも戦争の基礎は歩兵である。
そんな考えから歩兵を強化する「筋力強化型機動外骨格」の開発が開始。
この基礎技術にはテラフォーミング計画用に開発された作業用大型工作機械の技術が用いられた。

それに端を発するMan Silhouette Weapon(MSW)は大規模破壊兵器の使用できない局地戦においての
占領、制圧を主目的として開発されている。
現在の主流はArmed Executioner(AEX)と呼ばれる歩行兵器。
これの最新型はVariant Armed Executioner(V-AEX or VA)、可変型歩行兵器と呼ばれている。
ここでは、機体の一部(もしくは全部)を変形させる事により使用可能な各種攻撃兵器を内蔵、
単体での運用範囲の拡大を想定したものをVA、と定義する。
8Powered Gear:04/04/25 18:25 ID:ctJ4AKDk
AEX、といっても地球側のものとライア星のものとでは全く設計思想が違う。
地球側のそれは生身にパワードスーツを装着する形なので、あくまでも
本人の体力をベースとした性能しか引き出すことはできない。過度の負担は
装着者に強い負担をかけてしまうのだ。素体・・・人間をサイボーグ化した
AEXやVAを製造しない限り、ライア星の軍事力に対抗するのは不可能、という
意見もあったが、コスト、倫理上の理由からその意見は取り上げられることはなかった。
地球側が恐れたもの・・・人間を何のためらいもなく機械化した上でその上を強化装甲で
覆う、という形のAEX開発をライア星側は何のためらいもなくやってのけたのだ。
ライア星開発のAEXは脳神経細胞と直接接続されているため、パイロットは思考するだけで
機体を思うように操縦することができるため、極めて素早い反応速度を誇るのだ。
そのようなAEXが量産されはじめた今、ライア軍の地球制圧は時間の問題だと思われた。
9Powered Gear:04/04/25 18:27 ID:ctJ4AKDk
「おかしいなぁ、こっちだと思ったんだけど・・・?」
広いホールでユカは、一人途方に暮れていた。
「やっぱり頼んじゃえばよかったかなぁ・・・」
何事も最後までやり遂げなければ気のすまない性格と、先ほどリリースが発表されたAEXの完成品を
この目で見てみたかった。 という好奇心がさせた行動だった。
「とりあえず情報サービスの端末を見つけよう。そうすれば何とかなる・・・、ん?」

ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン、ヴォウン・・・。

「何かしら、あの音・・・」

何処からか、機械の作動音らしきものが重く響いてくる。その音に誘われるままに歩いてゆくと一つのドアに出くわした。
『関係者以外立ち入り禁止』と書かれ、隙間から赤い光を漏れ出させているそれはいかにもらしい。
部屋のプレートには『VA開発室』とあった。

(早速量産計画が始まったのね・・・)
ドアの隙間から様子を伺う。
「・・・はい、仰せのままにいたします」
(誰かいる・・・)
「まずはこのビル内に居る者をサンプルとして向かわせましょう。その後は全社員を招集して・・・」
(ハルカ主任?)
隙間から漏れてくる声は確かにVA開発室:ハルカ主任のものだ。だ。 しかしどうも様子がおかしい。

(サンプル・・・、招集・・・?いったい何の事?)
ユカはドアをノックしようとしてやめた。 何か嫌な予感がする・・・。
とりあえずこの場は離れた方が良さそうだ。そして他の誰かを伴なってから、もう一度来る事に・・・。
しかし彼女が覚えているのはそこまでだった。何か重い鈍器のようなものが、彼女の後頭部に降り下ろされたのである。
・・・ユカは、意識を失った。
10旧874:04/04/25 19:07 ID:uphccEZM
がんばってくださいー
楽しみです

私の方の話は前スレで完結させておきました。
11名無しさん@ピンキー:04/04/25 20:00 ID:Rekv27iR
age
12Powered Gear:04/04/25 20:13 ID:ctJ4AKDk
彼女が目を覚ましたのは何かのポッドの中だった。
後頭部が、ズキズキとうずく。
「これは・・・一体!?」
『目が覚めた?ユカさん』
「その声は主任・・・!?ここから出して下さい!」
『悪いけれどそれは出来ないわね。貴方はは貴重なサンプルだからね』

(・・・サンプル)
先ほどドアの中から聞こえた言葉だ。

『私にはこのビルの中すべてのことが、手に取るように解るのよ』
「・・・ハルカ主任・・・貴方は・・・一体・・・」
『見せてあげるわよ・・・』

すると、ユカの前に何かの立体映像が浮かび上がった。
「ひっ!」
それは、全身が金色の装甲で覆われた巨大なAEXだった。
『AEX-10M 【ブロディア】・・・貴方の新しい名前よ』
「一体私をどうするつもりよっ!」
『言ったでしょう?貴方は貴重なサンプルだって・・・。私は貴方たちを使って、新しいVAの開発をしなけりゃならない』
見ると自分以外にも多数人の入ったポッドが見えた。顔までは解らないが、男女まちまちのようだ。
『そこの彼女・・・カナさんなんかは、自分から、力が欲しいって、言ってきたのよ?』
「なっ! 貴方、カナさんに何をしたのっ!?」
『ちょっとした催眠術よ。さ、おしゃべりはここまで。 作業を始めるよ』
「出して! 出しなさいよー!!」
13Powered Gear:04/04/25 20:29 ID:ctJ4AKDk
ユカはポッドの蓋を、ガンガン蹴りまくるがびくともしない。

『無駄よ・・・。それにライアの人間は、いずれ全てが貴方と同じ様になるんだから・・・』
『そして、どんな方法を使ってでも必ずこの戦争に勝たせてあげる。・・・プログラム通りにね・・・、くすくす・・・』

(私は死なない! 必ず生き残ってやる!そして全てをぶち壊してやるんだ! あんたの作る世界、全てをっ!!)

『さあ、始めるよ』
ウィィィィィィン・・・という音とともにマニュピレーターが動き出す。

(壊してやる! 壊してやる! 壊してやる! 壊して・・・や・・・る…)

ユカはポッドの蓋を、ガンガン蹴りまくるがびくともしない。

『無駄よ・・・。それにライア人間は、いずれ全てが貴方と同じ様になるんだから・・・』
『そして、どんな方法を使ってでも必ずこの戦争に勝たせてあげる。・・・プログラム通りにね・・・、くすくす・・・』

(私は死なない! 必ず生き残ってやる!そして全てをぶち壊してやるんだ! あんたの作る世界、全てをっ!!)

『さあ、始めるよ』
ウィィィィィィン・・・という音とともにマニュピレーターが動き出す。

(壊してやる! 壊してやる! 壊してやる! 壊して・・・や・・・る…)
14Powered Gear:04/04/25 20:41 ID:ctJ4AKDk
3日後。地球連合軍の基地のうちの一つ、ワシントンにライア軍のAEX隊が強襲をかけた。
「敵、敵は何処!?こんなんじゃ足りないよ!もっと、もっと壊してやる!」
こう叫びつつ逃げまどう一般市民を殺戮している白いAEXは、ブロディアに改造されたユカだった。
ユカの近くでは「お目付」として派遣された、これもVA-10H ワーロックに改造されたカナが暴れ回っている。
青緑色の機体が灰色だらけの無機質なビル群の中でひときわ異彩を放っている。
また、周囲に多数展開する人型の機体はMSW-16M GAITS(ゲイツ)だ。
最も生産台数の多い機体であり、それは基本性能と信頼性の高さに他ならない。
数々の派生型の母体となった機体で、部隊および個人別のスペシャルチューンが存在する。
現在確認されてるのは初期量産タイプのゲイツ、ダッシュ機構や追加装甲を付加したゲイツE型、
デスドリル装備のD型、チェーンスパーク装備のSP型、レーザーブレード装備のLB型、
他、サブウエポンを装備したE型、等が確認されている。
今回は様子見という意味もあって初期型が多く配置されていた。

地球連合軍の部隊は押し寄せるAEXに対してなすすべもない。敗北か、と思われた直前、
前方に地球側のものと思われる青いAEXが現れた。

『ワーロックは青い奴を撃破する!お前は残りの量産型を撃破しろ!』
「了解!」
ワーロックの指令を受けたブロディアは退却を始める残りの部隊に斬りかかる。
だが、ブロディアの中に失ったはずの感情が再び芽生え始めていた。
「何・・・、何で・・・?敵がいっぱい・・・、嬉しいはずなのに・・・。何故か、行くのが・・・、こわい・・・」
15Powered Gear:04/04/25 20:54 ID:ctJ4AKDk
青い機体と青緑色の機体がほぼ一対一で戦っている。
青い機体以外の全ての地球側の機体を倒したブロディアは戦場の様子を正視できなくなっていた。
「これでもう終わりにして・・・。もう、戦いたくないよ・・・、気持ち・・・悪い・・・」

『まだ地球側にこれほどのAEXがいたとは!』
ブロディアがそんな考え事をしているうちに、双方かなりの損害を受けていた。

「回避運動が遅い!」
青いAEX・・・レプトスのビームライフルがワーロックの左腕を吹き飛ばした。
『こんな所で邪魔が入るとは・・・退却!』
戦闘続行は無理、と考えたワーロックはあっという間に戦闘機形態に変形すると、はるか彼方へと飛び立っていった。

呆然と戦いの様子を見つめていたブロディア。そこにレプトスが声をかける。
「見慣れない機体だな・・・回収させてもらう」
レプトスの右腕が電磁ムチのようにスルリと伸びたかと思うと、ブロディアに巻き付く。
「ああああっっ!」
凄まじい電撃が体内を駆けめぐる。ブロディアはよろめきはじめた。
「少々手荒な手段だが仕方あるまい」
レプトスは電磁ムチ・・・ヒートロッドをブロディアに巻きつけたままズルズルと引きづり、基地へと向かっていった。
16Powered Gear:04/04/25 22:23 ID:ctJ4AKDk

「入れ」
連合軍の基地に連行されたブロディアは牢に入れられた途端、ガクっと崩れ落ちた。
その瞬間赤い閃光が走り、装甲が跡形もなく消え失せ、中から全裸の少女の姿が現れた。
「フッ・・・」
レプトスも装甲を解き、人間体の姿へと戻る。クールな印象を受けるなかなかの美少女だ。

「・・・!! 何もかも思い出したわ!私、改造されて・・・、な、なんて事を・・・どうしたら・・・・・・」
ユカの脳裏にVA開発部の友人の事が次々と浮かぶ。
「もう私は人間じゃないんだ・・・」
ユカは泣こうとした。だが、悲しみを味わう間もなく、レプトスが部屋に入ってくる。
「データを取らせてもらおう」
そう言うとバサッとコートをユカの体にかける。白い肌。大きな黒い瞳。整った顔立ち。
外見は人間だった時のものと全く同じだ。だが、中身は全て冷たい機械・・・
こんな自分はこれからどうなってしまうのだろうか。ユカはコートを羽織るとレプトスの後をついていった。

「私が地球連合軍の長官、ムトーだ。なに、そんな怖い顔をしなくてもいい。落ち着きたまえ」
「データを取る・・・?どういうことですか?」
ムトーは50歳過ぎの中年男性だ。白髪が交じり始めたがその眼にたたえる闘志はいささかも衰えていない。
「地球を救うために今こそ君の力が必要なのだよ」
「私の力・・・それは地球の人達をライア軍の兵器みたいに改造するということですか!」
ユカが強い調子でムトーに詰め寄る
「まぁ待ちなさい。今はただ君の実力と性能が見たいだけだ。君は今の状況が分からないほど馬鹿ではないだろう?」
そう言われるとユカは従う他は無かった。
17名無しさん@ピンキー:04/04/25 23:48 ID:uphccEZM
とりあえず、話題は多い方がいいと思うので、ネタ一つ振ってみまつ

魔法少女とサイボーグのハイブリッドってのは如何なもんでしょうか。
例えば、中世魔女狩り以降の人間は魔力を失ったため、魔法を使うには
肉体を魔力を持った金属であるミスリル製に変えるしかない、とか。

日常では全ての魔力を使って偽装してるけど、バトルのときは
金属製の四肢に魔法少女なコスチュームになるとか

ちと異端な発想ですね
火あぶり覚悟しときまつ
18名無しさん@ピンキー :04/04/26 01:25 ID:THe5Xg8/
>>17
全然問題無いと思う
19名無しさん@ピンキー:04/04/26 03:32 ID:3x5quXSg
>>17
勝手に妄想してみた。
 
時代は科学と魔法とがともに発達を遂げてきたもう一つの21世紀。
そこには魔力の源となる魔晶石とそれを操る魔術回路を体内に埋め込んだ
サイボーグ少女たちがあらゆる分野の第一線で活躍していた……
 
サイボーグ少女のこじつけな設定とか。
 
・魔晶石
いわゆる魔力の素。 エネルギーをMPに変換することで術者に魔力を供給。
人間の精神波に反応して活性化、機能する。
ただし、何故か処女でないと満足な魔力を精製できない(笑 
このため、魔法使いになれるのは処女限定。 また、充分な魔力を得るためには
魔法使い自身を高出力リアクターと魔法の効率を大幅に高める触媒効果のある
ミスリル製の骨格フレームを持ったサイボーグとするのが望ましい。 
ちなみに魔晶石をもっとも効率良く活性化させるのは性的昂奮(お約束


・魔術回路
サイボーグの体内に埋め込まれた中枢ユニット。
駆動エネルギーと魔晶石に供給するためのリアクター、魔晶石、生体脳に
直結された制御演算ユニットからなる。
制御演算ユニットは各種身体制御の他に、各種法儀式や呪文が電子情報化されて
データ化してあって、このためサイボーグ魔術師は絶大な魔力と極めて高度な術式
とを併せもつことになる。
 
  
続く
20名無しさん@ピンキー:04/04/26 03:33 ID:3x5quXSg
>>19 続き  

・サイボーグの外見
外見は生身の人間と変わらないが、脳と脊髄、一部内臓を除いて全て機械化するのが普通。
素材工学の発達と、魔法使い自身の物質転換術によって普段は生身の少女に見える。
だが、身体各所に魔術師であることを示すのと、魔力変換効率アップのための魔法の紋様が
タトゥーとして描かれている。
また、メンテナンス時等は人工皮膚にかけてある魔力を解くので、全身にシームラインの
入ったいかにも機械人形然とした姿と質感になる。(見られるととても恥ずかしい)
 
 
・セックスについて
魔晶石は処女の精神にしか反応しない。
よって改造手術を受けるのは処女に限られるが、サイボーグとなった後のセックスはフリー。
これは人工性器によって行なわれる性行為を魔晶石は破瓜と認識しないからである。
また、性的昂奮は最も高効率な魔力を得られるので、サイボーグ魔術師は感度を非常に
高く設定していることが多い。
ちなみにリアクターから供給されるエネルギーに支えられているのでスタミナは無限大である。
 
 
・人格の制御など
サイボーグ魔術師は個人が非常に強大な力を持つので、脳や演算部に処置を加えて
ロボトミー的な処置を施される者もいる。
また、ユニークな例として魔晶石から魔力の供給を検知するとCPUが自動的に術者の精神
に対して拘束の呪文をかけて、魔術使用時のみ人格を凍結させる、といった例も。
 
 
 
なぜ夜更かししてまでこんなネタを考えてるんだ俺……

21名無しさん@ピンキー:04/04/26 17:02 ID:raQvPKdN
ふと思い出したのだが、最終兵器彼女はこのスレ的にはどうなの?
22強制移動命令:04/04/26 21:56 ID:M6umID1P
本スレがサイボーグ可になったのに伴い、ネタ分散を防ぐため本スレと統合するものとし、この隔離スレは廃棄処分となる。
ここの住人は本スレに戻る義務があり、速やかに本スレに移動しなければならない。
なお、本スレは、サイボーグ否定派・アンドロイド否定派に対し断固毅然とした態度で対応する。

移動先
[有機]美少女アンドロイド+サイボーグ:7号機[無機]
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1082981237/l50
23名無しさん@ピンキー:04/04/26 22:07 ID:ucaUNy4T
板をまたいで本ヌレとはいかに
24名無しさん@ピンキー:04/04/26 22:09 ID:WbfLY8EX
[有機]美少女アンドロイド+サイボーグ:7号機[無機] の1です。
強制移動命令が出てはいるけど、こちらはSS系スレとして発展してるようだし
このまま本スレ(と言ってもいいのか)にSSを貼ったらクレームがつきそうな気がするので
こちらはSS用として存続してもらえれば、と思うけれどどうでしょう。
もしくはもう合流したくないと言うのであれば現状維持でもかまいません。
ただ、本スレがサイボーグも認める、ということだけ覚えておいてもらえればいいので。
>>22氏には悪いですが、俺はこの意見です。
25名無しさん@ピンキー:04/04/26 22:17 ID:WbfLY8EX
>>23
スマンカッタといっときます。>>22>>24はスルーするなり個人の判断でお願いします。
>>22氏が移動命令とかなんとかカキコしてたのでこっちのスレに説明しに来ただけです。
迷惑でしたらごめんなさい。
26名無しさん@ピンキー:04/04/26 22:28 ID:/NtJREMC
どうやら大事には至らなかったようでヨカタ

スルーに一票。
それが困難な人は、
大脳旧皮質に感情制御ユニットを埋め込んでもらう、とか
27名無しさん@ピンキー:04/04/26 22:43 ID:WbfLY8EX
>>26
賢明な判断ありがとうございます。
このスレの住人にはは関係なかったようですね、マヂですんません。
もう忘れ去った過去の記憶なんて皆さんの電子頭脳にゃ残ってないですよね。
では続きをお楽しみください。スレ汚しでスマソ。
28名無しさん@ピンキー:04/04/26 23:25 ID:i3satinx
>>17
機械化魔法少女萌え!
もいら的には、
・顔は生身
・偽装モードが無いので常に金属光沢
だともっと萌でつ。
銀色に輝く体を隠すために、いつも体を(顔以外)包み込むような地味な服を着込んでて、いつもすみっこの目立たないところでおとなしくしてる、とかね。
29名無しさん@ピンキー:04/04/27 00:05 ID:2ziDIpgP
>>19
魔晶石は拳大くらいの輝くヤツが、
胸のあたりに埋め込んであると萌え。
大魔法の詠唱時には一層まばゆい光を放つ


戸惑いや悲しみが欲しい自分としては、
サイボーグは世間の知らない存在である方がいいなあ
3028:04/04/27 00:58 ID:VyZawK8H
>>29
世間に知られてないだけに、知られる事へのものすごい恐れを持ってて、見られたら死ぬほどはずかしい。
ってのが萌えでつね。漏れは。
もちろん、悲しみや、自分の体に対する戸惑いやコンプレックス持ちまくりで。
そうすると偽装機能が無くて必死に隠す方が萌えなんじゃないかと。
31名無しさん@ピンキー:04/04/27 13:27 ID:ZDAN+ZPB
>>15
おそるべき しゅぼうしゃこそ あのにくき AEX ワーロック!
32名無しさん@ピンキー:04/04/28 00:15 ID:pt3TDfyt
うーむ、俺的フェイバリットサイボーグ娘はBROTHERSのメモリー
だったりするので外骨格系よりソフト系のが好みでふ。
 
ま、好みやツボは人それぞれだけどね。
 
>>29
それいいですね。
更に妄想を膨らませたら、魔法使い各自が契約したエレメンタルの属性
によってその色が違ってくるなんてのを思いつきました。
33名無しさん@ピンキー:04/04/29 00:43 ID:7ZpOQKtq
保守!
34名無しさん@ピンキー:04/04/30 00:01 ID:WB1nnreN
おまいら、立って間もないスレなんだから必死に保守しないと即死するですよ
35名無しさん@ピンキー:04/04/30 02:34 ID:odnD0tw7
保守いたします!
36名無しさん@ピンキー:04/04/30 10:03 ID:z+CjS9sE
保守
37名無しさん@ピンキー:04/04/30 14:51 ID:R0lkjkzj
レインボーマンのキャシー・ダイアナ・ロリータ
について語ってはいけませんか?
38名無しさん@ピンキー:04/04/30 16:21 ID:jw9qea/Y
         /                           、  ゙:、ヾ:、
           /          .::  ..:  .:.   .:.. :!:.. :!.. .  :i::.. i:.. ゙;
        i          ..::::: ..::::::. .:::::::.  .:Y:..|:::::.:::i::::i:. ::|::::.:i:::. i
         |    i  .: .:::::;:::::::::/i::::::::;::::. .:::::!:::ト、::::::|:::::i::::|:::::::|::::.l
        i  i :! .;:: .:::::/:::::/ .l::::::/!::::::::::ハ::i ゙:;::::!:::::|:::!:::::::l、::::i
           ':  | l:::i:::::::::i::::/    !:::i l:::::::::/ j/,.、-゙:;i゙:、::|:/;::::::i ヾ:、 わたしはどう?
            ゙. 丶 ゙::!::::::/l::/''"" ̄ヾi' |::::::/ 'ゾ    i i、i':/ i!:;'
         ト   ゙i:::::ハ i' 、_, ....::::;_  i/  ;:=''''''ヾ' | iソ ' i'
            i.     i:::!::|  ~                i.    l
         l      :::: |             i        !     |
          | .i:.   i.  |、           '     /      |
         i.::l:. .   ゙、 |:\     __,,...-......    /:::..::..  i !
            !::i!:.i.  . ゙、|;;;;l \        -    /;;;:::::::::. |: l
          ゙:;i!::゙、 i !:.i;;;;|  丶、     ,.イ;;;;;;;;;::;;;;r':. i;:!!
             〉!:::゙、゙、 :!;;;;;|    ` ー- "  |;;;;;;;;;;;;;;i'l:::. !リ、
       ,. -‐:'/ ゙:;:!::、ヾ!;;;;;|             |、;;;;;;;iヾ!.|::::l  ヽ,...、
    ,、-'" (::://   ヾ゙:;:、 !;;;;;|            ! `ヾ;;;,. !::i.   ヾ‐'''‐- 、 _
_,. ‐'´    //      ゙:;、.|;;;;;l             ヽ ヾ;;,. リ     \ 、    ` 丶、
39名無しさん@ピンキー:04/04/30 18:38 ID:mBHXa1G4
>>38
少女型義体でお願いします。
40名無しさん@ピンキー:04/04/30 20:51 ID:T/nWaiYw
>>17
機械化魔法少女の「杖」はどうなんだろ

杖の機能は内蔵されてる… 絵にならない
腕と一体化してる… それはいくらなんでも

いい案は無いものか
41名無しさん@ピンキー:04/04/30 21:21 ID:XQ2xX+jN
>>40
安全装置
42名無しさん@ピンキー:04/04/30 21:31 ID:r6mTeVwz
機械化魔法少女というと、バーチャロンのエンジェランが真っ先に
思い浮かぶワケだが…ありゃあ完全にロボットですにゃあ。
43名無しさん@ピンキー:04/04/30 22:41 ID:sXFK+UXt
裏設定によるとエンジェランは実は元人間の可能性がある。
44名無しさん@ピンキー:04/05/01 00:40 ID:Zg3Q1+l1
>>40
グリップ部分に手の平にある端子との接続部分があって、本体から魔力供給とか?
45名無しさん@ピンキー:04/05/01 01:36 ID:Aq6Sy9pV
>杖
実は怪電波を発射するアンテナなのでつ
46名無しさん@ピンキー:04/05/01 20:44 ID:LKEUArTE
ふたなりサイボーグはありですか?
47名無しさん@ピンキー:04/05/01 23:00 ID:C5vXY9+3
ありです
48名無しさん@ピンキー:04/05/02 10:46 ID:c0rOUKK3
杖は銀色よりピンク色がいいでつ

前スレではセーラー服とサイボーグ
今度は魔法少女とサイボーグ
他にもなかよし系のネタに相性のいい取り合わせがあるやも
49名無しさん@ピンキー:04/05/02 20:50 ID:VRtiuToe
ttp://legion.neopolis-jp.net/akuheroine3shion.htm

「うう、ここは何処?確かガイファードと戦い崖から。
?!っ、何この体は、この格好は?」
「目が覚めたようだな、紫苑。お前はあの時崖から転落して重傷を負った。
無論そのままでは死んでいただろう。しかし死なすには惜しい体だ。よって
強制サイボーグ手術を施し、お前をサイボーグ奴隷、メタル紫苑として蘇らせて
やったのだ。生まれ変わったその姿を良く見るがいい。」
「左半身は完全に機械に換えられている。二の腕と太ももだけがいやらしく
外気に触れて、そのほかは無骨な機械と革のスーツで全身を拘束されている。
どうして私がこんな醜い姿にされなければならないの?
おのれガイファード。」

50名無しさん@ピンキー:04/05/02 22:56 ID:tWhYZ/6b
>>48
超能力とサイボーグだと白泉社系になります
51名無しさん@ピンキー:04/05/03 00:54 ID:cDuw3DEv
♪超能力のサイボーグ
52名無しさん@ピンキー:04/05/03 01:49 ID:Nr+FxGSl
セーラー服とサイボーグ、最高でつ。セーラーウェポン、ツボだなー。MI..Bさんネ申なのになあ
53名無しさん@ピンキー:04/05/03 12:07 ID:z6rhDptm
>50
例えば何?タイトルおせーて。
54名無しさん@ピンキー:04/05/04 01:00 ID:QlUUjpDP
>>53
紅い牙 ブルーソネット
55名無しさん@ピンキー:04/05/04 21:03 ID:eZTnlM0D
保守手術
56名無しさん@ピンキー:04/05/05 01:55 ID:nEVQWsoU
赤保守手術
青保守手術
黄保守手術
57名無しさん@ピンキー:04/05/05 16:35 ID:6yRz/yRg
あっちはまたアンドロイド専門に戻った模様。
58名無しさん@ピンキー:04/05/06 00:34 ID:jOS2sAKd
機械化に悲しんだり戸惑ってる少女にハアハアできるのは
やっぱり石ノ森章太郎の影響なんだろうか
少なくとも私は仮面ライダーの影響をうけたからだと思ってまつ
59名無しさん@ピンキー:04/05/07 22:14 ID:kpwUIRbA
保守しとく。
60名無しさん@ピンキー:04/05/08 00:29 ID:6BLLHEAu
保守
61保守:04/05/09 01:43 ID:fw/AEJ1P
サイボーグ百合少女
62名無しさん@ピンキー:04/05/09 01:50 ID:0UrRzAr3
>>61
百合を極めるために自分をふたなりに改造なんてのは駄目ですか?
 
63名無しさん@ピンキー:04/05/09 02:27 ID:fw/AEJ1P
このスレ的にはダメってことは無いと思うけど、漏れは大の苦手スマソ
やっぱりストイックか素手か接続アダプター(謎)がいいな。
64名無しさん@ピンキー:04/05/09 03:09 ID:0UrRzAr3
>>63
やはりティムポ型アダプターで股間からエネルギー充電ってのはお約束か?
65名無しさん@ピンキー:04/05/10 03:20 ID:HcAteq5a
最近オススメのサイボーグ娘の情報をキボン
66名無しさん@ピンキー:04/05/11 13:35 ID:rVmFuL7w
保守しとく
67名無しさん@ピンキー:04/05/11 20:17 ID:rgJSJAKZ
>>65
ブレイジングスター…は最近じゃない上にガイシュツだな…
でも萌える
68名無しさん@ピンキー:04/05/11 21:44 ID:/Wxtz4oI
個人的萌えシチュだが

自分の手足パーツを、自分で分解してメンテしてる娘。
外したネジを口にくわえてたり、メンテ終了で組み立てようって時に
「部品が一個足りなーい!」とわたわたしてると、なお良し。
69M.I.B:04/05/11 22:24 ID:iu9uyltR
何か久々に書いてみたいと思う。
アイデア、リクエストはありますか?

(セーラーウェポンは今は無理です)
70名無しさん@ピンキー:04/05/12 01:14 ID:YE9Ro7zR
神キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

前スレで話題になってたグラディエーターはいかがなもので?
もう旬を過ぎちゃったかもしれませんが
71名無しさん@ピンキー:04/05/12 02:36 ID:lCNoHRrP
>>68
当然手順を間違えてハマって困るわけでつね?
両腕を修理しようとして、片腕づつ外して修理するつもりが間違って両腕いっぺんに外しちゃって、自分では元通り腕をつけることもできなくなってにっちもさっちもいかなくなる、とか。
72名無しさん@ピンキー:04/05/12 03:04 ID:2/0kiYYW
>>71
この新型の義手に付け替えればパワー20%増しよ・・・
 
(付け替え作業中)
 
‥‥‥‥‥
 
よしっ!作業終了!! ‥‥あれ、おかしいな?
なんだか左手に違和感がある―――
 
あっ! しまった!
間違って両方とも右手をつけちゃった!!
 
 
 
こんなノリですか?
73名無しさん@ピンキー:04/05/12 20:41 ID:acF5/WT8
>>68, >>71
彼女の視界には両方の義手の具合が悪いことを示す、点滅するマークが現れていた。
彼女の義眼は、各種情報が自動的にスーパーインポーズされるようになっているのだ。
「ああンもう、また腕の調子が悪いの?いちいち直すのもしゃくにさわるけど、警告のチラチラ(点滅表示)がうっとおしいから替えちゃおう。あーあ面倒くさいなあ。」
そう言うと、彼女はメンテ室に向かった。
そして工具箱をとりだし、いすに座ると、彼女は自分の体の「メンテナンスモード」を呼び出した。視界に「メンテナンスメニュー」なる項目が現れたので「四肢の着脱」を選ぶ彼女。
すると、四肢のどれを外すかを指定するサブメニューが出てきたので、彼女はまず左腕を外そうとして…。
「いちいち二回メニューを呼ぶのは面倒ね」と思い、両腕を外すと指定した。
するとゴトンという音を立てて、両腕が外れ床に落ちた。
そして工具箱を開けようとして気づいた。両腕が無いのだ。
これでは工具箱を開けることも腕をひろい上げることもできない。
「きゃー!しまったー!」と情けない叫び声をあげる彼女。
片腕づつ外して、もう一方の腕で修理するつもりが、うっかり両方外してしまったのだ。
とにかくこれでは何もできないので、とりあえず元に戻そうと思ったものの、
残ったひじ上までしかない短い腕のつけ根だけで、外れ落ちた腕をひろい上げるのに、じたばたするはめになってしまった。
腕を外すぶんにはメニュー一発でできるが、つけるには腕をつける場所にしっかりとあてがい、そうしながらメニューで腕をつける指定をしなければならないのだ。
そうしているうちに、やっとの思いで腕をひろい上げることができたものの、短い腕と頭だけではなかなか元の位置にあてがうこともできず、彼女は生身の腕の何倍も重い義手をすべり落としてしまった。
じたばたと何度もくりかえすうちに、ついに彼女は無理だとあきらめてしまった。
彼女はもう、半泣き状態である。


こんな感じ?
7468:04/05/12 21:12 ID:YE9Ro7zR
それも萌えまつ!

実は漏れが想像したのは、床にぺたんと座って、
ドライバーやはんだごてを使ってるような手作業風景だったのでつ

ベルセルクの2巻表紙を見て思いつきますた。
いえ、もちろんガッツよりお上品な顔でやってほしいのでつが
75名無しさん@ピンキー:04/05/12 23:11 ID:e8LK3y+k
>>73
その失敗を生かして両手または両足の取り外しを脱落した場合、「両手を脱落しますが、本当にいいんですね?」と
確認画面が出るようにOSが改善された。
改善されたOSを頭脳に書き込まれた彼女は安心し、自分のメンテ室へ向かった。
「本当に大丈夫かしら」と思った彼女は「四肢脱着メニュー」から「四肢全てを脱落」を選択した。
「ふふん、大丈夫よ、確認画面が出るし・・・」と安心しきっていた彼女が聞いた音は、
4つの「ギシ・・カチャッゴトッ」だった。
四肢の脱落は緊急時に使用される為、確認画面は適用されていなかった。
「緊急モードに移行。緊急モードに移行。」この文字が彼女の義眼内に映し出された。
そして、「緊急モードに移行しました。現在、選択出来るメニューは[自爆][解除]のみです」
「きゃー!どうしょう・・・」すっかりパニック状態になった彼女は[解除]を選択するつもりが、
[自爆]を選択してしまい、あまつさえ、「本当によろしいですか?」の確認画面も[実行]を選択してしまった。
「自爆が選択されました。ただ今より生命維持装置、駆動装置、連絡装置へのリンクが切断されます。そしてあなたの
記憶領域が全てクリアされたのち、自爆します。」
彼女の義眼内に映し出された最後の文字は・・・・
「あと1秒で自爆手順を開始します。今までお疲れ様でした。」
7673:04/05/13 00:03 ID:tCDoRfRq
>>75
む、そう来たか。>>75はそういう属性ですたか。
ちなみに両腕取り外しで確認が出ないというのは、わざとそういう風に設定してたのだったりする。(こっちの設定では)
緊急時(腕から火を吹くとか)にすぐに切り離せるように、という事で。
その設定とは異なってしまうけど、同じ所に目をつけた>>75は目のつけどころがシャープ!(古いよ…w)
77名無しさん@ピンキー:04/05/13 01:55 ID:AFWKi8h8
このスレの場合、
既に他の方が、SS・小説・イラスト等で設定したキャラ・名前・シーン等を
拝借するのは控えた方が無難と思われます。
原作者や住人の方が、イメージを壊されたと不満に思う可能性がありますゆえ。

実際に前スレで一騒動ありました。

ここの住人の属性の分かれ方が、やや特殊である事を考えると、
今後の為に、テンプレにでも書いておいたほうがいいんでしょうか
7873:04/05/13 02:06 ID:tCDoRfRq
いや、自分としては、枝分かれした別の話だという事がちゃんと明記されてて、混乱しないようになっていれば、構わないんだけどね。
もともとネタ不足で、属性が違うスレ仲間の間でネタを共有せざるをえない以上、そうしたほうが色々な属性の人が満足できると思うんだけど。
でも、枝分かれした別ばなしだというのははっきりさせてほしいけど。
79名無しさん@ピンキー:04/05/13 02:49 ID:0otIHCA/
でも荒れた前例があるのなら控えたほうがいいと思う。
80名無しさん@ピンキー:04/05/13 03:12 ID:vsvl307y
いちゃもんつけてたのは一部の荒らしだけだったような…。
もしかしたら最初の方はスレの住人のまじめな抗議だった可能性もあるけど。
でも話がこじれたのは、明らかに後から来た別人のしわざだったとしか。
81名無しさん@ピンキー:04/05/13 22:48 ID:lfpZZQAv
私はある半導体工場で働いています。
ある日、フッ酸を大量に浴びてしまい、全身サイボーグ化されました。
普段は人間と同じような格好なのですが、会社へ出勤するとシリコン製の人工肌を脱ぎ、
両手足を切り離して業務用の手足を取り付けられ、そのまま12時間ほど働きます。
ウェハース洗浄機や半導体製造器に異常があったらそのまま中に入って復旧措置をとります。
人間の体だった時は全身ゴム製のスーツ、ガスマスクで完全装備していたのですが、
今は機械の体なのでそのまま入れます。
でも猛毒物質がかかってるので職場の人は誰も近寄って来ません。
いわば、危険物処理専用の要員です。私の他にも全身サイボーグ化された女性が3人います。
二交代で24時間体勢で勤務しているんです。私の体は頭脳だけが生身なので人間と同じように
扱ってもらえますが、以前、爆発事故で頭脳にダメージを受けた子は頭脳も電脳化されて
過去の記憶も飛んでるので二交代でありながらいつも勤務しています。
仕事が終わると洗浄プールに入って30分程洗浄され、
それに、会社の重要業務データベースにもすぐアクセス出来ると言う特権が与えられているので
体内にPHS、GPS位置情報機器が埋め込まれていていつも会社側から居場所を把握されています。


こういうのはつまらない?
82名無しさん@ピンキー:04/05/13 22:52 ID:lfpZZQAv
あ、書きかけで送信してしまった・・・スマソ。

私はある半導体工場で働いています。
ある日、フッ酸を大量に浴びてしまい、全身サイボーグ化されました。
普段は人間と同じような格好なのですが、会社へ出勤するとシリコン製の人工肌を脱ぎ、
両手足を切り離して業務用の手足を取り付けられ、そのまま12時間ほど働きます。
ウェハース洗浄機や半導体製造器に異常があったらそのまま中に入って復旧措置をとります。
人間の体だった時は全身ゴム製のスーツ、ガスマスクで完全装備していたのですが、
今は機械の体なのでそのまま入れます。

でも猛毒物質が付着しているので職場の人は誰も近寄って来ません。
いわば、危険物処理専用の要員です。私の他にも全身サイボーグ化された女性が3人います。
二交代で24時間体勢で勤務しているんです。私の体は頭脳だけが生身なので人間と同じように
扱ってもらえますが、以前、爆発事故で頭脳にダメージを受けた子は頭脳も電脳化されて
過去の記憶も飛んでるので二交代でありながらいつも勤務しています。

仕事が終わると業務用手足を外されてメンテナンスラックに固定され、カートに乗せられてそのまま洗浄プールに
入れられて全身浸かった状態で30分程超音波洗浄され、 その後、高温乾燥室に入れられ、
乾燥された後、やっと人間と同じ手足を取り付けられてシリコン製の人工肌を着せてスーツを着て
帰途につきます。スーツを着るまでが身動き出来ない状態なのがもどかしいです。

それに、会社の重要業務データベースにもすぐアクセス出来ると言う特権が与えられているので
体内にPHS、GPS位置情報機器が埋め込まれていていつも会社側から居場所を把握されています。

83名無しさん@ピンキー:04/05/14 00:16 ID:Q9JoLd2I
GJ
84名無ッシー:04/05/14 13:40 ID:RcKTZLOR
w.giga-freeks.net/page/gallop/pmid/pmid010.htm
↑こんなのどうよ?ってか、チャチぃくて萎えるか
85名無しさん@ピンキー:04/05/15 08:58 ID:MLzNOatz
補修…じゃなくて保守
86名無しさん@ピンキー:04/05/16 22:33 ID:XL1ZCvuC
保守しとかないと。
87関連スレ:04/05/17 19:45 ID:cofmOipM
女子高校生位の子が改造されるシーン
http://tv6.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1043884297/
88名無しさん@ピンキー:04/05/18 02:13 ID:UWEDzzk1
機械化娘に変形機能があるというのは?
猫耳モードとか犬耳モードとか人魚モードとか
それぞれ機能が違うわけですよ。
89名無しさん@ピンキー:04/05/19 22:34 ID:U3le9c2q
保守せねば
90名無しさん@ピンキー:04/05/19 23:57 ID:bKba5Oxe
はげ
91名無しさん@ピンキー:04/05/20 23:29 ID:nyX2DveT
サイボーグ娘がケーブルにつながれてる
シチュエーションに萌え。

暗い研究室の中で
背中に接続された太いケーブルで充電中。
早くケーブルから開放されたいのに、
なかなか充電が終わらなくてもどかしい顔をしてたり。
92名無しさん@ピンキー:04/05/22 09:53 ID:pLcejPMv
>88

個人的には飛行機やバイクや車に変形するのがいいですね。
中途半端に人間的なフォルムが残っていたり・・・
外部からのコントロールで無理矢理変形するのが萌えでつ。
93名無しさん@ピンキー :04/05/22 18:32 ID:oIH0Q1md
もう操り人形系は某所でお腹一杯です
94名無しさん@ピンキー:04/05/23 00:23 ID:p63g28Kk
>>91
それの発展系で、ケーブルを触手に見立ててみるとか


「今日はまだ充電の必要ありませんっ!」
と逃げ回るサイボーグ娘を、自動追尾機能付のケーブルが
しゅるしゅると巻きついて拘束し、脚を開かせ、
股間に極太の電源ケーブルが…

みたいな
95名無しさん@ピンキー:04/05/23 00:45 ID:QYqhTXqO
エネルギー源についてちょっと思いついた。
 
 
「あの… 博士?
 新型の人工皮膚にバージョンアップしてもらって人間と同じ外見になれたのは
 嬉しいんですけど……」
 
「おお、どうぢゃ! 外見も触感も生身のときと同じかそれ以上ぢゃろう!!」
 
「ハ、ハイ……
 それはいいんですけど、その…何か着るものをもらえませんか?
 このまま胸もアソコも丸出しのままっていうのはちょっと…… 」
 
「ああ、それは無理ぢゃ!!
 その人工皮膚にはナノサイズの太陽電池が無数に埋め込んであってのう。
 それがお前の身体のエネルギー源というわけじゃ!!
 可能な限りの密度で埋め込んだがそれでもギリギリの発電量じゃから
 服など着る余裕などないのぢゃ!!」
 
「そ、そんなぁ〜っ!!
 わたしこれから一生スッポンポンのまま生きてかなきゃいけないのぉ!?」
96名無しさん@ピンキー:04/05/23 01:07 ID:FbV2e4LN
>>92
無理やり変形させるってのがいいね。
97名無しさん@ピンキー:04/05/23 04:08 ID:tR8qKHL+
>>88
上半身だけ・両腕無しの「素体」サイボーグ娘と専用合体パーツ群たち…とか。
用途に応じて合体パーツを選んで合体して、専用サイボーグとなる。
仕事がおわればまたパーツを外されて素体に戻る。
98名無しさん@ピンキー:04/05/23 14:29 ID:p63g28Kk
>>95
しかもお天道様の下じゃなきゃ発電できませんから、
外出も強制

>>97
同じパーツを複数人の機械娘達の間で使い回してると萌える
99名無しさん@ピンキー:04/05/25 01:48 ID:Yom0y3dn
>>98
>同じパーツを複数人の機械娘達の間で使い回してる
当然!
パーツを複数人で流用するのは、慢性的で深刻なパーツ不足のため。
もしくはコストダウンのため。
(萌えるほうをどーぞ)
100名無しさん@ピンキー:04/05/25 01:52 ID:UtIc27zo
そして間違って他人の下半身パーツをつけてしまう、と。
101名無しさん@ピンキー:04/05/25 19:58 ID:Yom0y3dn
やはりここはキャタピラでしょう。
102名無しさん@ピンキー:04/05/26 23:08 ID:EeioiP9Z
キャタピラってガンタンクみたいな…?
それは好き嫌い分かれそうな気が(こんなスレで何を今更)

足の裏がキャタピラでドムみたいに移動するなら
103名無しさん@ピンキー:04/05/27 08:01 ID:jyhVb/lS
エクスターミネーター?
104名無しさん@ピンキー:04/05/29 01:24 ID:r2qGxApE
>>101

やはり、自分の思い通りにならない体になるのが萌えですね。
105名無しさん@ピンキー:04/05/29 22:14 ID:nL/p0/TO
電池切れの間は、脳は動いてるから意識はあるけど
感覚器がとまってるから五感が無いってのは?
いちど体験するとどんな娘もトラウマになります
106名無しさん@ピンキー:04/05/29 23:39 ID:C1W07dDu
オマイラって、少年ジャンプに連載している スピン という少女ロボットにも
(;´Д`)ハァハァ・・・しているのか?
107名無しさん@ピンキー:04/05/29 23:47 ID:8GDhWst5
>>106
アレは人間ベースじゃないはずなので却下。
108名無しさん@ピンキー:04/06/01 02:06 ID:48f9WYd0
>>105
人間って感覚からの情報がないと眠るようにできてたような…。
感覚からの情報が常に一定で変化が全く無いと発狂したような気もするけど。

メイン動力が切れてもどうせ生命維持装置のためのサブ動力は生きてるだろうから、
エネルギー消費が少なそうな感覚系は生きてる事にしてこういうのはどうだろう。

エネルギーが尽きたのでメイン動力が停止。体が全く動かせなくなる。
でも感覚系は生きてて、目も見えるし耳も聞こえる。
でも体が全く動かせないので、そばにいる人に意志表示をする事すらまったくできない。
まばたきすらすることができない。(人工の義眼だから乾いて痛む心配もない)
もちろん声を出すこともできない。
109名無しさん@ピンキー:04/06/01 02:13 ID:Pn/OLLCn
保守
110名無しさん@ピンキー:04/06/01 02:20 ID:48f9WYd0
 
111109:04/06/01 19:31 ID:Pn/OLLCn
>>108
筋萎縮牲側索硬化症を思い出しますね
やっぱりトラウマになりそ
112名無しさん@ピンキー:04/06/03 00:29 ID:/D2tBXd2
小池一夫のBROTHERSによるとサイボーグも脳は人間だから
性欲を解消するための手段として性器は絶対に必要なんだとか。
 
サイボーグは性器を必ず装備してなおかつそれを使用するように
法律で義務が課されるんだろうか?
113名無しさん@ピンキー:04/06/03 16:33 ID:NRAex4pa
下半身麻痺とか下半身切断とかの人が現に普通に生活できてたりするわけだから、性器がないと発狂したりとかいうことはない。と思う。
もちろん欲求不満とかにはなるんだろうけど。
中途失明者がものすごく物を見たくなるのと同じようなものだから、性欲に限った 話じゃないんだろう。多分。

サイボーグなら、要は脳に性器からの感覚信号が届けばいいわけだから、人工性器が実際に存在しなくても、何かの方法で感覚信号を用意して(実際の人工性器の感覚信号を記録しておくなり、計算で合成するなり)それを脳に送れば、とりあえずの性欲は満たせる。と思う。
もっとも、相手がいないでそういうことをしても、肉体的快感は得られても精神的な快感までは得られず、しょせん自慰でしかないんだろうけど。

コンピューターなり何なりで仮想空間を構築して、その空間の中に仮想的な義体(もちろん性器つき)を用意して、二人の神経系をその世界にネットワーク接続するなりすれば、物理的な性器が実在しなくても「(自慰でない)行為」が可能、ということになるのかな?

興ざめなマジレスすまそ
114名無しさん@ピンキー:04/06/05 16:18 ID:0aoY5edV
肉体を経由しないで、脳に信号を直接送る事で
感じている娘というのは、どのような仕草をするのだろうか。
想像するとハァハァ
115名無しさん@ピンキー:04/06/09 00:05 ID:zliTWwhk
ケーブルから快感信号が送られてたり、人工の性感帯を触られてるなら
ケーブルを抜こうとしたり、局部を庇ったりしようとするのだろうけど。

どちらでもなく、体内の機器から快感信号が出てる場合は、
止める手段が無くて、どうしていいか分からずに
ひたすら悶えながらのた打ち回るわけですな
116名無しさん@ピンキー:04/06/09 00:10 ID:/ajjbItK
(||´_ゝ`)ドーン
117名無しさん@ピンキー:04/06/09 00:20 ID:AhQSt2jc
もしくは無線で快感パルスが送られてくるとか
118名無しさん@ピンキー:04/06/09 01:01 ID:uaYUaXaN
もうすぐ甲殻起動体SAC最終回なり・・・
119名無しさん@ピンキー:04/06/09 01:48 ID:uaYUaXaN
>>112-117
結局脳にとってどういう信号なのかだよね。
脳が無改造で、生体器官を模した信号だったら、脳から見れば生身の器官として見えるわけだから、局部が物理的には存在してなくても、「局部があるはずの部分」をかばおうとしたりするんだろうね。
そういう信号じゃない抽象的な快感信号とかの場合は(無改造の脳だとそういうのを意味のある信号として認識できない気がするけど)どうなんだろう?
・・・それはすでに「性感」と呼べるのかどうか謎だなw
120名無しさん@ピンキー:04/06/11 16:29 ID:BawpJl9T
保守くらいしようよ
121名無しさん@ピンキー:04/06/11 16:31 ID:BawpJl9T
ついでにage
122名無しさん@ピンキー:04/06/11 18:21 ID:cBhZ32wp
そうだな、保守しとこう。
123名無しさん@ピンキー:04/06/11 22:34 ID:tUSKvKVz
空山基でオナニーしよう。
124名無しさん@ピンキー:04/06/12 00:11 ID:qLXe6JSS
オマイラは、アラレちゃんもいける口なのか?
125名無しさん@ピンキー:04/06/12 00:44 ID:0EJ0Y5Yf
あれはサイボーグじゃないだろう
126名無しさん@ピンキー:04/06/13 21:07 ID:JDtQC04j
>>117
労働効率を上げるために、労働者サイボーグ娘たちを
無線LANで繋いで意識を共有させる。
で、早退した一人が無線LANの接続切るの忘れたまま
自慰すると職場がえらい事に。
127名無しさん@ピンキー:04/06/14 00:36 ID:JutgwDWK
>>126
そういう場合って、ドメインに接続させて
サイボ娘の行動および意識をサーバの方で制御した方が早くないか?
要するに、自我を完全に統制された状態。

『人形姫』にそんな内容の小説があったような。
女子社員全員をネットワーク端末に仕立て上げて、
全ての行動をサーバで制御する、ってな感じの。
128名無しさん@ピンキー:04/06/14 00:53 ID:U7HXIrM9
要はどんなシチュに萌えるか個人の嗜好の問題ですな
129名無しさん@ピンキー:04/06/14 02:34 ID:HGYedQpk
>>126は「意識を共有」では無く「感覚を共有」と言いたかったのかも。
>>127>>127で萌え属性にヒットするヒトもいるんだろうけど。

>>126で、警備担当のサイボーグの女の子たちが
お互いの感覚(視覚とか)やレーダー・監視カメラ類を共有してて、
お互いの位置とかも把握しつつ効率よく見回りするとか。
もし不審者とかが居たときには効率よく追い詰めるとか。

で、オフの時間のとき、仲間どうし混雑をものともせず待ち合わせしたりするのに、こっそりその機能を悪用するとか。
勤めてる会社とかにバレないように、こっそりと。
130名無しさん@ピンキー:04/06/15 03:24 ID:rQXj4LyO
ところで、何年か前の何かの雑誌で、なんかすごい連載コーナーがなかったっけ?
たしか「魔法のイエローページ」とかいう名前のコーナーで、
記憶と手足を失っちゃった女の子(人間じゃなくて妖精だったと思う)に、色々な職業専用の義手義足をつけてって、記憶喪失になる前にどんな職業だったか思い出させようとするやつ。
ぜひ全部見たい(欲しい!)。
…しかし今思い返すとつくづくすごい設定だw
131名無しさん@ピンキー:04/06/16 02:47 ID:QcPLfCaQ
すいませんが、このスレ的にお勧めのサイトとかありましたら
教えてもらえないでしょうか?
132名無しさん@ピンキー:04/06/16 10:13 ID:FJr9ui8w
>>130
想像するだにすごい萌えますな。特に無骨なのつけた状態。
133名無しさん@ピンキー:04/06/16 22:59 ID:QcPLfCaQ
保守
134名無しさん@ピンキー:04/06/18 00:44 ID:LImSosjx
>>131
人形姫というサイトが何度か話題に上ったけど
自我を奪っちゃう系だから好みに合わない方は注意
135名無しさん@ピンキー:04/06/18 16:26 ID:WB17arDs
>>131
ttp://sirpent.hp.infoseek.co.jp/M_top.html

「ドロイド」とつくけど、実際にはサイボーグ。
マリオネットカンパニー方面で有名な人のサイトらしい。
136名無しさん@ピンキー:04/06/18 21:39 ID:14CJ5wT2
女子厨をさらって改造し鯛
137名無しさん@ピンキー:04/06/20 22:31 ID:zmpcPF8l
そういやサイボーグといえば、若いのばっかりだね
まあ、その方が好きだけど
138なはない:04/06/22 12:38 ID:vBYbOUDt
tp://yotsuba.saiin.net/~kanai/roman/z_1.html

再掲です
139名無しさん@ピンキー:04/06/23 20:49 ID:wCgbOYHT
138イイ!!!
140130:04/06/25 04:48 ID:jjKxVW5+
>>132
>無骨
そりゃもう、おさえるべきところはおさえてあったですよ。
中には自分で歩く事ができない義足なんてのまであったような。
もしかしたら雑誌の名前はB-CLUBとかいったかもしれないような気がする…。
ググってもかかってくれる気配もなし。orz
依然情報熱望中…。
141名無しさん@ピンキー:04/06/26 13:20 ID:rSId+l09
最終兵器彼女はこのスレ的にはどうなの?
142名無しさん@ピンキー:04/06/27 20:40 ID:CxDj1PEu
好きな住人は多いかもしれないけど、
特定のアニメとかを語る事は、今まで無かったですね。

ネタを出したり、画像晒したり、SS書いたりというスレなんでしょうね、たぶん
143名無しさん@ピンキー:04/06/29 00:54 ID:g39l7lpo
ドジっ娘属性としては、不良箇所があって
よく転んだりド忘れしたりすると萌え

実は動作ミスがランダムに発生するように
プログラムされていたりして
144名無しさん@ピンキー:04/06/29 15:04 ID:E6VG9Rzi
>>143
その娘の義体を制御するOSはMeでつか?
145名無しさん@ピンキー:04/06/29 15:38 ID:EKd8AbJT
Me型完全義体か!?
146名無しさん@ピンキー:04/06/29 22:15 ID:M4lpx7mu
大抵の子は予算的な都合でX-Windowを搭載したLinux系OSを搭載した義体になさいますね。
ミリタリヲタの子は米軍軍艦の制御OSがWinNT4だから。ってWinNT4を搭載した義体になさいました。

そしてここだけの話なんですが、軍事用義体の場合、FreeBSDのCUI版OSなんだそうですよ。
ウチでは取り扱いしておりませんが、話を聞くと、例えばメンテナンスモードに入る場合、
通常OSなら脳内でアイコンを選択してウィンクすると言う過程なんですが、軍事用の場合、
メンテナンスモードに入る場合、脳内でmente_mode onとキータイプするような感じでやらないとダメみたいですよ。

そうそう、最近多いトラブルなんですが、間違ってカーネルファイルを削除してしまって
脳だけは活動するのですが、体はまったくなんの反応もしない。周りの人はフリーズしたんだろうか?と思い、
リセットボタンを押したそうですが、OSそのものがダメージを受けていたので再起動すらせず、周りの人は
脳死だろうと判断し、廃棄処分としたそうですよ。
幸い、ウチへ廃棄処分されましたので、念のために頭部を取り外して脳へpingを送ると応答があったので
OSをインストールし直して復旧してさしあげましたよ。
その子はもう戸籍上は存在しておりませんので、ウチで従業員として働いておりますよ。とてもいい気の付く子ですよ。
147名無しさん@ピンキー:04/06/29 23:04 ID:g39l7lpo
解体業者っておいしい商売だ…

命の恩人だから娘からの高感度高いだろうし
ハーレムも夢じゃないよ
148名無しさん@ピンキー:04/06/29 23:39 ID:/UcnGBWs
>>147
DaDaDa!!
149名無しさん@ピンキー:04/06/30 05:25 ID:VNJwYNqy
ついでに廃棄処分に回されてきた義体から高級なパーツをいただく、と。
 
「あ、これって○○社の98年型神経ノードユニットのハイエンドモデルじゃないですか!
 マスター、これ私につけ替えてもらえませんか?」
150名無しさん@ピンキー:04/06/30 18:25 ID:GWYrLJUZ
息子にダルマ娘のサイボーグをプレゼントし、
「手や足は自分で稼いだ金でつけろ」という父親ってどうよ?
151名無しさん@ピンキー:04/06/30 21:52 ID:IffC+zs9
お金がたまる毎に、一つずつパーツが手に入り、
身体の自由を得る度に、喜びとともに二人の仲が深まるのですな。

で、五体満足になった暁には…
152名無しさん@ピンキー:04/06/30 22:39 ID:+AhvaIzh
>>147
いえ、解体業者ではないですよ。
ちゃんとした販売店ですし、メーカー代理店でもあります。
廃棄処分された義体はリサイクル法がありますので機械の部分だけメーカーに送りますよ。
脳は特に希望がない場合、大学病院、または研究機関へ送りますよ。
よく聞かれるんですよ。人間をサイボーグ化しますよね。その残骸はどうするのかって。
これも先ほど書いた通り、希望がなければ大学病院や研究機関へ送ります。
と言いますが、臓器移植法がもうじき改正されるんですよ。そうなったら義体化する前に
DNAを関係機関へ送って適合する患者が見つかれば病院で脳を取り出し、チタン製のカプセルに収容して
体の残骸はそのままうっちゃって店舗へ戻り、義体化と言う流れになりそうです。

>>149
いえ、残念ながらそう言う高価なパーツは流れて来ないですね。
なんたって、最高機種の二番目の機種でさえ家が買えるぐらいですし、廃棄処分されてこっちへ来る前に
親戚、家族もしくは友人に取られるってケースが多いですね。
それに、義体のメーカー間での互換性は無いに等しいんですよ。例えば、三○製の義体と播○製の義体とでは、
まったく違いますし。脳と電子系統の接続も違って来ますから。

153名無しさん@ピンキー:04/06/30 22:47 ID:+AhvaIzh
そう言えば、こないだ運転手付きのベンツに乗って見えられたお嬢様がいまして、17歳の方なんですが、
人間の体でいる事がたまらなくイヤ。と言うことで義体化を希望されておりました。
未成年でしたし、親権者の承諾が必要でしたが、これは難なくクリア。
本人の希望通りのスペックで見積もりの金額を伝えたら、小切手で払って頂けましたので、
その場で義体化し、お車のところまでお送りいたしました。
残骸の方は、本人の希望で標本にし、ご自宅の居間に展示なさっておられるそうです。

ではまた。
154名無しさん@ピンキー:04/07/01 00:27 ID:Docngfj7
とりあえず、うちの箱入りメイドサイボーグのOSは
悪い虫(ウイルス)が付かないように、
OS/2 で。
155名無しさん@ピンキー:04/07/01 00:44 ID:660NK96q
>>150
もしあまり金の溜めれない息子だと腕はかろうじて這える棒程度のもので
足は掃除機の車輪レベルになりかねない。
しかし、金があっても変わり者でスパイダーマン2に出てきたようなアームを
つけられたりして
156名無しさん@ピンキー:04/07/02 23:55 ID:9CaM14Ax
スパイダーマン2の、事故でアームと融合しちゃった挙句
アームの人工知能に理性をのっとられた科学者さん。
設定がツボです。

これで女の子だったらねえ…
157名無しさん@ピンキー:04/07/03 17:17 ID:iGNbyHIg
もしその人工知能のOSがMeだったら?
158名無しさん@ピンキー:04/07/04 00:07 ID:9+ii6eH6
即ちドジ娘機能追加
さらにアームに触手属性を持たせて…

多機能化が進みすぎるのも問題か
159名無しさん@ピンキー:04/07/04 12:52 ID:SnSIL6iM
満員の通勤電車の中で
女子高生やOLが触手に剥かれて揉まれて入れられて
挙句の果てにはナノマシン注入で
その女の子たちまでロボット化しちゃって、
んで、その中央でドジっ娘が泣きながら「ごめんなさ〜い」…か。

取り返しの付かないコミカルっぷりが妙に萌え。
160名無しさん@ピンキー:04/07/05 13:28 ID:H50k5AyI
>>159
女性専用車両でなら一向に構わないな
161名無しさん@ピンキー:04/07/07 12:00 ID:UKUucXmc
保守
162名無しさん@ピンキー:04/07/07 15:37 ID:P4hWFWje
ゼノサーガ2で

手足を取られてサイボーグ(生体コンピューター?)化された少女

が出てくるという噂をきいたんだけど、ホント?
情報きぼんぬ
163名無しさん@ピンキー:04/07/08 01:13 ID:2qIgVO2p
ホシュ
164名無しさん@ピンキー:04/07/09 17:51 ID:rSj8iy81
やはりカタリアですよ
165名無しさん@ピンキー:04/07/10 13:34 ID:rkk8Gjs+
>164
アンデッド・ゲームのか?
166名無しさん@ピンキー:04/07/11 00:26 ID:RY6xtx17
小説ではどんな手足だか厳密にわからないのが残念だ。
167名無しさん@ピンキー:04/07/11 02:55 ID:NGZRSlAH
そろそろいったんageていいでつか?

>>164
詳細情報キボン
168名無しさん@ピンキー:04/07/11 20:23 ID:mrfOxy7t
>>167
ナポレオン文庫の「殺戮のサイバーシティ―アンデッド・ゲーム」という作品に
出てきた哀れな女サイボーグ
169名無しさん@ピンキー:04/07/13 21:35 ID:DDg6Fv5M
“臓器移植受けた人が、ドナーの性格や記憶を受け継いだ”
というのはよくあるストーリーだが、これを応用して、

サイボーグ娘に中古パーツつけてあげたら、内部に前の娘のデータが残ってて
性格や記憶がうつってしまった。
というのはどうか
170名無しさん@ピソキー:04/07/14 01:41 ID:+zN/S5Gs
このスレ絵師は降臨しないのでつか?
171名無しさん@ピンキー:04/07/14 20:15 ID:TW9t7v/R
絵師も作家もいないYO
いるのはムサい男だけ
殺風景なもんだ・・・
172名無しさん@ピンキー:04/07/14 21:40 ID:yuKxvoow
>>171
まぁここは百年戦争で荒れ果てたスレだからなw
173名無しさん@ピンキー:04/07/15 00:47 ID:GTBPf4lU
サイボーグというと人より強くなるようなイメージがあるけど、
逆のパターンはなしか?

デザインのいい手足のパーツでいい気になってたらいきなり肘と膝の先が動かなくなって
四つんばいでしか移動できなくなったあげく男に調教されるとか
174名無しさん@ピンキー:04/07/15 02:43 ID:y0U16DxC
前スレ125は?
方向性が違うか。
175名無しさん@ブラッキー:04/07/15 14:18 ID:cVCdB/A1
昔メカっ娘スレに貼っていたんですが
方向性がこっちぽいので。

版権ものですがドゾー
('A`)ノシ
ttp://kigaruni-up.ath.cx/~kigaru/cgi-bin/clip-board/img/10083.jpg
176名無しさん@ピンキー:04/07/17 12:11 ID:I92QQy1i
女の子をさらってきて、自由に改造して対戦させるようなゲームをどこかの会社で作ってくれねーかなぁ。
177名無しさん@ピンキー:04/07/17 18:05 ID:lu4hYaUR
妄想ドカンというサイトのDOG FIGHTという企画がそれに近い
178名無しさん@ピンキー:04/07/19 22:59 ID:0MgpMuZQ
久々に描いてみました。
…覚えてる人いるでしょーか?
ttp://akm.cx/2d/img/4538.png
179嘩帝:04/07/20 00:59 ID:WkLaAC13
>>178
ピンクちゃんキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
しばらくリリィちゃんにかかりっきりだったでしょ?
180名無しさん@ピンキー:04/07/20 04:56 ID:qadKSqtL
>>178
わたしゃあ某鬼畜板で見てましたよ。
181名無しさん@ピンキー:04/07/20 20:54 ID:kTrZer1t
某鬼畜板ってどこでつか?
182名無しさん@ピンキー :04/07/21 00:43 ID:8jtDPHAz
サイボーグに関係無いじゃん。
183名無しさん@ピンキー:04/07/22 07:02 ID:HYYbh8N0
こんな物描いてみました。
ttp://akm.cx/2d/img/4573.jpg
184名無しさん@ピンキー:04/07/22 07:48 ID:S5j/vu9z
リース嬢サイボーグ化、萌え!
虚ろな瞳がぐーですよっ。
185名無しさん@ピンキー:04/07/22 08:23 ID:OGC2WCdK
ナイス!GJ!!
186名無しさん@ピンキー:04/07/22 21:05 ID:BPnU91TI
>>183
本人? コラ?
187名無しさん@ピンキー:04/07/22 21:23 ID:HYYbh8N0
>>186
本人ですよ。
前スレで看護婦ピンクちゃん描かせていただいたものです。
188名無しさん@ピンキー:04/07/24 01:08 ID:En5oMBfy
ちょっと保守ついでに質問。
現在このスレでSSを書いたら読む人いますか?
いるなら、どんな話がいいですか?
189名無しさん@ピンキー:04/07/24 11:50 ID:AFdsQe94
希望をいーますと、生身の女の子が無理やり改造されちゃって
自我を持たない人形みたいになってしまうのが好きです〜。
190名無しさん@ピンキー:04/07/24 14:43 ID:Ou3XiiEP
漏れは自我を持ちつつも逆らうと元の体に戻してもらえないので
泣く泣く調教されるのに萌える
191名無しさん@ピンキー:04/07/24 16:05 ID:gAAGcK/L
さっきOH-1の機首下のライト見ながらオナった
OH-1たまらない
192名無しさん@ピンキー:04/07/24 19:40 ID:lmDGeG65
>191

軍板にカエレ!
193名無しさん@ピンキー:04/07/25 02:49 ID:9aKIkFnD
>>188
あの〜
調教とか精神支配とかされない娘はスレ違いなんでつか?
悲劇は背負ってても自分の意志で頑張って生きてる娘さんとかはダメなんでつか?
そういうのがいいのって他にだれもいないの?_| ̄|○
194名無しさん@ピンキー :04/07/25 04:51 ID:j07O26dI
>>193
自分的には大歓迎
195名無しさん@ピンキー:04/07/25 11:45 ID:OhuZWhOt
個人的には自我の剥奪とか、洗脳みたいのはあまり・・・
人と機械の間で揺れる心のカタルシスなんてのがいいなあ
196名無しさん@ピンキー:04/07/25 17:41 ID:/8Yy4Q74
>>192
だって軍板のOH-1スレとっくに落ちちゃってるんだもん
197188:04/07/25 20:30 ID:1lott99/
答えてくださった方ありがとうございます。
自分も完全に自我を奪われるのは、好きでは無いので>195さんの方向で書くこうかなぁ…

次に質問です。
どんなサイボーグの話がいいですか?
例としては
軍事用サイボーグ
魔法使いサイボーグ
格闘用奴隷サイボーグ
など過去に上がっていたのですが、他にありますか?
なるべく、用途が限られた非日常的なものがいいですが…
198名無しさん@ピンキー:04/07/25 20:53 ID:4ut8gxBX
愛玩用サイボーグきぼんにゅ
199名無しさん@ピンキー :04/07/25 22:13 ID:j07O26dI
軍事用サイボーグか格闘用奴隷サイボーグがいいっすねー
200名無しさん@ピンキー:04/07/25 22:45 ID:KJxk45p7
200げと

>>197
事務用がええのぉ。ただし完全に事務員の代役、ってんじゃなくて
例えばコーヒー入れる用途にしか使えない、とか。
この場合、体内でコーヒーを沸かしておいて、お客が来ると
人間で言う「乳首」の位置から直接注いでくれるような感じの。
あるいは掃除機として、口から洗浄液を出しつつ
人間で言う「なめる」動作でひたすら汚れを落としていくだけ、とか。

もちろん、わずかに残った人心が拒否し続けるんだけど、
定められた用途で使われると快感を覚えるように、プログラムに書き込まれてて
その快感に逆らえずに全裸でコーヒー入れたり、ゴミを吸い込んだり。
201名無しさん@ピンキー:04/07/25 23:19 ID:jIJwztVV
>>200
体内でコーヒーを沸かすと言う案には賛成でふ。
でつが、乳首からコーヒーを出すと言うのは頂けない。
やっぱり、腹部に扉がついてて、
「コーヒーが出来上がりました。扉を開けてお取り下さい。熱いですので気をつけて下さいね」って
喋って扉を指さす。
客は(;´Д`) ハァハァしながら扉を開けてコーヒーを取り出す。と言うのがいいかなぁ、と。
スプーンや砂糖、ミルクは股間部が引き出しになっていて、そこから取り出す。

エロさがないけど、そう言うシチュエーションに萌えます。

他にも出前で、腹部が岡持になっていて、女性らしいウェストを醸し出すために
小振りのラーメンとかチャーハン2つぐらいしか運べない。
なので5人分頼んだら5体のサイボーグがわらわらとやって来る。
お代の受け渡しも、胸部に精算機みたいなのが埋め込まれてるの。
スーツをビシッと着たサイボーグがやってきて、スーツをはだけて
「チャーシューメンと餃子をお持ちしました。お代はここに入れて下さい。精算が済めば
扉が開くようになりますので取り出して下さいね。食べ終わりましたら玄関前に置いといて下さいね」って
喋る。
もしそう言うのがあるなら毎日利用するよ。
202名無しさん@ピンキー :04/07/25 23:26 ID:j07O26dI
>>200
おまいら『人形姫』に行ってこい
203名無しさん@ピンキー :04/07/26 00:12 ID:g13IQXX6
>>201 もね
204名無しさん@ピンキー:04/07/26 09:28 ID:9r47dSvt
『人形姫』逝きたいでつ。それはサイト名でつか?
205名無しさん@ピンキー :04/07/26 12:48 ID:g13IQXX6
『人形姫』つうのは人形化系のサイトで結構排他的所です

>>200,201 については何でそう書いたと言うと 188氏は人形化系は嫌だって言ってるのに人形化系を希望した馬鹿だからです
206名無しさん@ピンキー:04/07/26 14:59 ID:jg7zz7eE
またそんな>>188氏がやりにくくなりそうなことをわざわざ。
207名無しさん@ピンキー:04/07/26 18:58 ID:Sl4BQwkc
(´-`).。oO(コーヒーよりミルクだろ・・・
208名無しさん@ピンキー:04/07/26 22:23 ID:mLcbG2mC
>>205
そう言うお前も排他的。
209名無しさん@ピンキー:04/07/26 22:47 ID:nJuhvqdB
>>208
つまり、200海里以上離れなさいってこった。


…え?何?それは「排他的経済水域」?
210名無しさん@ピンキー:04/07/26 22:55 ID:eMVNS19a
>209
それだ!!!
211200:04/07/27 00:31 ID:uuVKISdQ
つか、200ってまんま人形姫のおえびのネタなんだけどね。
ちなみに、人形姫が排他的ってのは同意。リンク基準厳しすぎ。

>>209
人魚型の海上防衛サイボーグってのはどうだ?
背中に「海上保安庁」とかプリントしてあったりして。
212名無しさん@ピンキー:04/07/27 01:16 ID:556zQK78
大きく改造しすぎた胸を支えるのに腕にアームを加えるという
サイボーグはなしか?
213名無しさん@ピンキー:04/07/27 01:50 ID:QCC/eGgj
>>211
海を見ると…な性格に改造されてたりとかいうのはダメでつか?
214名無しさん@ピンキー:04/07/27 21:17 ID:1Rzmr9i4
性格は改造でなく洗脳だろ
215188:04/07/28 01:48 ID:wkbfS1oU
私としては、洗脳というかある程度の行動制約がつくのはサイボーグ化ではかまわないと思う。
ただ、自分が人間と違う存在になってしまった事などを悲しむ心が無ければ意味がないと思います。

ぶっちゃけ、全ての自我を奪って人形化するのなら始めから機械でも変わらないわけで…
216名無しさん@ピンキー:04/07/28 02:45 ID:RQLGlw2t
>>215=>>188=>>205
おいおいおい。
個人的に萌えられないからって人形姫叩きするのはどうかと思うぞ。
萌えられないネタをカキコされたら無視すればいい。
嫌がられそうなネタをカキコするんなら前置きして回避可能にしておけばいい。
もっとマターリしる。
217名無しさん@ピンキー:04/07/28 20:52 ID:SSxlcp/+
ある軍事国家にて。体力・知力に秀でた真面目な女性士官が司令部に呼び出された。
最初に軍務とは関係無い雑談だと念を押された上で、極秘裏に進められていたサイボーグ兵士計画について教えられる。
そして、これは機密中の機密であること含みながら、下級兵士ではなく、心技体を備えた有能な士官を改造したいこと、
この任は国家に報いる栄誉であることをネチネチと説明されたうえで計画に志願することを薦められる。
女性士官は一対一で機密情報を教えられた意味を悟る。事実上、断わることはできないということを。
「……はい、国家を守る軍人として志願します」
彼女には、そう言う以外に道はなかった。

こんな感じで追い込まれて改造される話なんてどうでしょ?
218名無しさん@ピンキー:04/07/29 00:58 ID:eforr0dw
>>216がイイ事言った。
自分が理解出来ないからと言って、頭ごなしに否定したら、それはそのまま自分に返って来る。
と言う事は自覚して欲しいな。何が萌えるか?なんて人それぞれ違って当たり前なんだから。
人形化しか扱わない「人形姫」が嫌なら、なんで「機械化淑女」へ行かないんだ?
消えた投稿掲示板の復活を申請するなり作品投稿するなりして、自分の趣味に近いサイトを盛り上げれば良いだけの話しだろ。
サイトそれぞれで性格が違うのは当たり前なんだから、自分が好きな物を扱わないからと言って叩いたり、
人形化が好きな人間を追い出したりするのはどうかと思うけどな。
あと>>188そんなに人形化が理解出来ないなら、「どんな話がいいですか?」などと言う聞き方はするべきじゃ無いな。
一言その旨そえるべきだろ。

>>217
面白そうだけど、どちらの方向?
219名無しさん@ピンキー:04/07/29 03:41 ID:uBrxhDOP
>>217
似たような境遇だけどサイボーグ化でなく生体コンピュータ化なら固め系大御所サイトにあったな。
220名無しさん@ピンキー:04/07/30 11:34 ID:RcAeU85z
お互いを否定し合うのか。またこうやってスレが衰退していくわけだな・・・
221名無しさん@ピンキー :04/07/30 16:31 ID:N6SAYiTA
むう
 いろいろ申し訳ないです
>188さんは自分の思うようにやってくださいいろいろすいません

機械化淑女に関してはCGの濃いと言うか萌えねえ顔が駄目なんで除外しとります。
>217さん
萌えますけど、なんか既視感が...って破李拳 竜の「撃殺!宇宙拳」かって、最近の人は見たこと無い人が多いだろな20年近く前のやつだし

あと自分の嗜好としてはライダー系+メカ分大盛りっすね、それに近いんで気に入ってるのが古いですが北崎拓のエンジェルコップですな
222名無しさん@ピソキー:04/07/31 00:19 ID:swf4X2Op
>>220
結局、好みが細分化しすぎてるのと「これイヤ」な人が多いのが原因かと。
223名無しさん@ピンキー:04/07/31 07:28 ID:tA3BjkbC
みんな、こだわりが強いからね、、、
224名無しさん@ピンキー :04/07/31 10:11 ID:u4JGmuub
ですなぁ
みんなストライクゾーン狭そうだから(w
225名無しさん@ピンキー:04/07/31 12:26 ID:ijoahgHO
ストライクゾーンなんか
針の穴ほど狭いよね、、、
ここの人達。
226名無しさん@ピンキー:04/07/31 13:11 ID:swf4X2Op
>>220以降
確かに人形姫と機械化淑女はサイボーグ萌えの双翼って感じですね。

私も幾つかの類似スレを巡回してるんですが、各スレこんな感じ。

1:サイバトロン面 トランスフォーマー興 デストロン
 トランスフォーマー関係ならロボ萌えでも登場人物(普通の人間)でもアリ。
 ネタ画像も多く、一番間口が広いようだがガノタには冷たい。
 ロボ擬人化はメカフェチ的にくる画像があるかも。
2:[有機]美少女アンドロイド:7.5号機[無機]
 美少女ロボット・アンドロイド・サイボーグと「スレ上での」扱っているジャンルは幅広い。
 しかしアンドロイド率が高いため、アンチ・アンドロイド派が行くのはいやみたい。
3:【MS少女】メカっ娘の画像【GALUTION】
 メカっ娘というカテゴリーで大分間口が広くなったようだが、
 実際はMS少女、オーラバトラー少女などリアルロボ系が多い。
 スレ住人いわく「外見ありきで中身は生身でも機械でも構わない」とのこと。
4:陸海空兵器少女第八造兵廠
 兵器の擬「少女」化を主とする。
 兵器の経緯や性能を反映した擬人化を重視するため、現実兵器以外を認めない住人が多い。
 非常に軍オタの要素が高く、敷居が高いかも。
5:【機械化】サイボーグ娘!三つめのパーツ【義体化】(このスレ)
 サイボーグ(脳味噌は人間)萌えを追求するスレ。アンチ・アンドロイド派が多い。
 ストライクゾーンが非常に狭いのと同属嫌悪(?)で、時々荒れる

私は広い意味で知人に「メカフェチ」と言ってるんですが、
このスレじゃそれだけでは伝わりませんね。
227名無しさん@ピンキー:04/07/31 13:18 ID:swf4X2Op
例えば「眼鏡っ娘」は好きで「眼鏡っ娘メイド」が更に好きでも
それが「エルフ耳」だった瞬間もう見たくもなくなる……
いわゆる女の子の「属性」って、ある特定のものがついただけで
他のどんなに好きな属性があってもノーサンキューって堅物な人、いませんか?
「関西弁じゃなかったら!俺は!いいんちょに萌えるのに〜」とか。

連続カキコ&長文すんません。
228名無しさん@ピンキー:04/07/31 21:11 ID:onzcL8kY
>>227
>関西弁じゃなかったら!俺は!いいんちょに萌える
よみがいるだろ
229名無しさん@ピンキー:04/07/31 23:18 ID:LYS79uT/
>>227
>>特定のものがついただけで、他のどんなに好きな属性があってもノーサンキュー
確かにこいつが問題の根本な気もする。

でも、ノーサンキューな話題はスルーすればいいんですよね。
たまたまこのスレは、調教とか奴隷とか、刺激の強い属性が付加されやすくて、
スルーを忘れるという不幸な事態になりやすいのでは。
230名無しさん@ピンキー:04/08/01 03:13 ID:o5ZtPPK7
>>226
>しかしアンドロイド率が高いため、アンチ・アンドロイド派が行くのはいやみたい。
アンドロイド率が高いとか以前に、あそこは原則的にサイボーグ禁止。
そもそもここのスレ(サイボーグ娘)ができたのも、あそこを追い出されて
隔離されたという経緯があったりする。
ここは相互不可侵の暗黙の了解で存在を許してもらってるようなスレだから、
ここではあっちの話を出さない方がいいと思われ。
くれぐれもあっちの住人の機嫌を損ねることの無いように注意。
231名無しさん@ピンキー:04/08/01 15:13 ID:fq/o0AX0
流れをぶった切るが、改造過程好きって少数派?
232名無しさん@ピンキー:04/08/01 15:34 ID:MPPD3GYe
>>231
大好きです
233名無しさん@ピンキー:04/08/02 00:31 ID:JdKJZI5k
向こうはもともとサイボーグ禁止ではなかった。
ただ、向こうでサイボーグの話をすると過剰反応して追い出す基地外が1名居るため
ここをサイボーグの避難スレとして使っている。
>>230に書いてあることは全てその基地外がやった行為
234230:04/08/02 03:53 ID:ZLd+EWa1
>>233
>>>230に書いてあることは全てその基地外がやった行為
いきなり俺を自作自演基地外厨呼ばわりするとは、いくらなんでも失礼と思わないか?
今は知らないが少なくともあの時反対してたのは明らかに一人ではなかったろ。
233はどうしても俺をあっちの住人認定したいようだが、正直俺はあそこと関わりたく
ないんだよ。刺激したくないんだよ。だからもうあそこはROMすらしてないんだよ。
頼むからわかってくれ。
嫌われるなら嫌われるでしょうがないが、せめて両方のスレとも荒れないように相互
不可侵不干渉でいたいんだよ。
俺を自作自演基地外厨認定して叩いてる暇があるならその暇で萌えるネタでも書いて
くれ。それがいやならROMっててくれ。叩きあいは不毛すぎてもうウンザリなんだよ。
235名無しさん@ピンキー:04/08/02 05:49 ID:Vg0m4cn5
>>231
改造途中大好き。
…ひょっとして絵かSSでも?
236名無しさん@ピンキー:04/08/02 10:26 ID:ulbWcYjw
漏れも改造過程が好き。泣き叫ぶ少女が改造手術台に固定されて、次々と機械化されていってしまう・・・。萌え
237名無しさん@ピンキー:04/08/02 13:42 ID:VgEt5nh8
>>234
被害妄想強すぎ
誰もお前がその基地外だなんて言ってないだろ
お前がどう思ってるかなんて誰も気にしてない
233が言いたいのは事実がどうだったかと言う問題だけだろ
238名無しさん@ピンキー:04/08/02 22:51 ID:lVDCO/6N
>>231
過程好きですよ。
やっぱり泣いてる顔とか。

他には、気付かないうちにサイボーグにされてて、ある日突然気付くのも好き。
え? という事態が飲み込めてない顔とか。
239名無しさん@ピンキー:04/08/04 03:19 ID:yJ39O+bW
人間が人間の姿をした別のものに作り変えられていく様子ってのはいいね。
誘拐されて無理矢理、目的の為に志願しつつ内心で強く不安がっている、
事故で重症を負ったら死亡扱いにされて意識が無いまま改造、etc…
改造はそこに至るシチュエーションを含めて好きだな。
個人的には、その後自意識を持ってるか人形化されたかはあまり関係なかったりする。
240名無しさん@ピンキー:04/08/05 02:06 ID:YwO7rnnO
>>239
個人的にエクセルサーガの岩田が頭にこびりついて離れないのは何故だ?
241名無しさん@ピンキー:04/08/05 12:04 ID:f922KVeE
退化させるための改造もいいな
242名無しさん@ピンキー:04/08/07 01:30 ID:zAN7TMgF
退化、イイ!少女を拉致って、性欲処理用以外に必要無い機能は退化改造。性欲処理専用サイボーグのできあがり。
243名無しさん@ピンキー:04/08/07 09:53 ID:rSX16nIK
だるまにしる
244名無しさん@ピンキー:04/08/07 11:14 ID:LwBeyn43
だるまでは運ぶのに困るからせめて四つんばいか
手は細いアームで足は樹脂製のタイヤとか
245名無しさん@ピンキー:04/08/08 01:42 ID:qwY3EgSw
>>244
背中にキャタピラ。これ最強。
246名無しさん@ピンキー:04/08/08 03:27 ID:ETbb29nR
ダッチワイフ+生体脳でdayパックで持ち歩き
247名無しさん@ピンキー:04/08/08 08:24 ID:6CGjT43x
>>244
頭にフック取り付ける。
んでつり下げ式スライドレールで運搬。
248名無しさん@ピンキー:04/08/08 11:34 ID:xA5gugXX
スーツケースに二〜三人詰め込み
運搬専用の手足付きが一人
249名無しさん@ピンキー:04/08/09 23:43 ID:4ELIMIi4
アイボみたいな手足はどうよ?
歩行プログラムはもちろんメモリスティックに入れたデータでw
250名無しさん@ピンキー:04/08/12 12:47 ID:Wo4nmtxm
保守しとくか
251名無しさん@ピンキー:04/08/12 17:42 ID:v1o12Vfy
先週のギャラクシーエンジェルにタイヤ型サイボーグ娘出てた。
首から上は生身(?)で、首より下がロボコン風(藁
せめて上半身は人間っぽい形の方が萌える・・・と思ったけど、これはこれで萌えかも。
首から上と首から下のギャップが。
252名無しさん@ピンキー:04/08/13 00:15 ID:O9jfLyBN
サイボーグの女の子同士がケーブルかなんかで繋がってて
データとかやり取りしてるのってどうですかね?
253名無しさん@ピンキー:04/08/13 22:17 ID:ScGiDF0n
データリンク中。
…データ以外のモノもやりとりしてるみたいです。
ttp://akm.cx/2d/img/5221.png
254252:04/08/14 01:39 ID:5JhfhKRu
>>253
GJ!! ありがとうございます
255名無しさん@ピンキー:04/08/14 04:20 ID:jDEDkw1y
age
256名無しさん@ピンキー:04/08/14 21:51 ID:9cTkOfxV
>>253
これって、某所でゲーム機にうわなにsるやめばtrんふb
257名無しさん@ピンキー:04/08/16 19:14 ID:7JEwcJRe
神が現れて貧乳女子厨工を無理矢理サイボーグに改造してくれないかなあ。
258名無しさん@ピンキー:04/08/16 19:46 ID:W+KHYV8L
タイヤ型でも8時間は充電しないとダメな構造がいいな
動力部はセグウェイが使えそうだ
259名無しさん@ピンキー:04/08/18 10:39 ID:kD2OCYT1
どこかの会社か、同人屋が
ターゲットの少女を選択するところから始めて、ターゲットの確保
改造(部分改造あり)、使用に至るゲーム作ってくれねーかな
260名無しさん@ピンキー:04/08/18 14:38 ID:ts0zC2TM
映画とかでよく「殺さずに生け捕りにしろ」ってあるけど、
あんなノリで散弾や地雷でワルの女の手足を吹き飛ばして捕らえ、
逃亡を防止できるように改造して秘密を吐かせるために調教するとか
261名無し:04/08/19 03:01 ID:pkUcpHOT
http://www.rainbowman.biz/neo/cyborgdyana00.jpg

古いけど、こんなんありますた
262名無しさん@ピンキー:04/08/19 10:45 ID:TPy0Yukk
こんなゲームが欲しいな。

育成シミュレーション風で、改造対象には「体力」「理性」「自我」「服従」「改造度」などのステータスがある。
最初に対象の少女の「身長」「体重」「3サイズ」「性格」「髪型」「瞳、髪の色」などを決定する。
さらに、「お嬢様」「妹」などの特殊背景も付けられる。

対象が決定したら、どのように素体として確保するか決定する。
例としては「拉致」「アルバイトなどに見せかけた詐欺」「借金のカタに」などがあり、
選択によって、対象のステータスが変化する。

次に捕らえた素体を改造するが、彼女に改造のことを事前に教えることも出来る。
これによって、反応が変化する。

改造は基本的には、全身を既存のフレームから選んだもの改造するものと、部分毎のパーツを選んで改造する2種類がある。

こんな感じの作ってくれないかなぁ
263名無しさん@ピンキー:04/08/19 12:15 ID:YrOukSeJ
確保の仕方に「市民によるタイーホ」があればDQN娘も素体にできるな
264名無しさん@ピンキー:04/08/21 07:14 ID:iS3IhOLk
未来ある少女が拉致られて改造されてしまい、人間扱いされずにモノとして酷使される姿を観察したい。
265元祖サイボーグ娘:04/08/21 22:51 ID:TRUXRm83
やはりサイボーグ009の003でしょ?バレリーナになるはずが無理矢理改造されて…戦地へ放り出される!原作には009とのSEXシーンがありますがサイボーグにも子はできるのでつね!
266名無しさん@ピンキー:04/08/21 22:52 ID:HIeLU1KU
超音戦士ボーグマンのアニスも「生殖器だけは生身」という設定だかんね。
267名無しさん@ピンキー:04/08/22 02:10 ID:tCzyP9y7
>>258
ジンジャー娘激萌え!!

…つか、漏れも全く同じ事を妄想して、絵に描いてみて己の画力の無さにうちのめされたわけだがw orz
268名無しさん@ピンキー:04/08/22 02:33 ID:tCzyP9y7
>>266
そういえば、あのバーチャコール某のサイボーグ娘も、局部と頭部(首から上)だけが生身なんだよな。
269名無しさん@ピンキー:04/08/22 10:17 ID:jjEM9P+K
>>265-266
ぶっちゃけ生身のアソコや子宮はもう無くても、
卵巣さえあれば、いや卵巣すらなくても卵子が保存されてれば一応子供は作れるね。
卵巣だけは残ってるものの子宮もアソコももう失ってて(だから代理母か人工子宮が必要)、すごくチャチな人工のアソコがついてるとか、それすら全くついてないってのも、
なんか妙に萌える。
レズっ娘の場合、女同士で快感を得られる最低限の機能しかなくて、男を受け入れる機能すらないとか。
270名無しさん@ピンキー:04/08/22 10:48 ID:oK++hQPs
へー、003って無理矢理改造されたのか!知らなかったが、それは萌える。しかもセクースシーンまであるのか!
271名無しさん@ピンキー:04/08/22 12:51 ID:GwhrCCXE
平井和正で、ビルから落ちて下半身ぐしゃぐしゃになってダッチワイフ
ロボの下半身を移植されたサイボーグ売春婦ってなかったっけ
272名無しさん@ピンキー:04/08/22 13:22 ID:euqEWM6L
003拉致シーンはお決まりの黒づくめの男達にクロロフォルム嗅がされて…原作じゃ009に自分から抱いて!あなたの子供がほしいと…ビキニ姿もあり。男ばかりの中でかなり無防備…。
273名無しさん@ピンキー:04/08/22 14:53 ID:oK++hQPs
>272 003,そうだたのか!拉致されて無理矢理改造!石の森正太郎も好きよのう。


電波人間タックルを主人公にした話を見てみたい。女子高生が拉致されて改造人間に改造される可哀想な萌え話を。
274名無しさん@ピンキー:04/08/25 21:32 ID:sbvn/zp5
やっぱり、黒服に拉致されて、気がつくと手術台の上、次に気がつくと改造済みってのが王道だな。
275名無しさん@ピンキー:04/08/29 00:02 ID:mEUfL83e
hage
276名無しさん@ピンキー:04/08/31 12:14 ID:BWWY8NPY
サイボーグってなぜか兵器に改造される話が多いよな。他にも色々な用途に改造されてもよさそうなのに。やぱーり兵器という非人道的なモノに改造されて争いの道具として使われるのが可哀想で萌えで、みんな好きだからだろうか。
277名無しさん@ピンキー:04/08/31 17:57 ID:i2LVhsUW
漏れはかろうじて動ける程度にしてペット化というのに萌える
278名無しさん@ピンキー:04/08/31 22:02 ID:46iDlyYD
>>276
兵器が非人道的ってこともあるけど、兵器を運用する軍隊という組織の性質も大きいと思う。

まず、軍事関連の技術は最先端のものが用いられる。
また、これらは非常に秘匿性が強い。
これにより被害者達が、存在すら夢想だにしなかったサイボーグに改造されるというシーンがえがける。

次に、軍隊の倫理観。(実際には違うものだが)
戦争に勝つと言う、至上命題の前に暴走してしまうことで、一般人を改造と言うシチュエーションが…
上の命令に下が絶対逆らえない環境から、人間以下の存在の悲哀を描きやすい。

この辺がSSとかだと大きい気がする…
279名無しさん@ピンキー:04/09/01 09:48 ID:uhfbwwg7
>278 なるほど!軍(戦争)の愚かさ、恐ろしさという前提でリアリティが生まれるわけだ。
ほんと、ことごとく兵器だもんなあ。009,最終兵器彼女、ダイターン3、仮面ライダー・・・
280名無しさん@ピンキー:04/09/02 22:49 ID:ZswT39Ty
おろかさっつーか、軍は
・最先端
・秘密主義
・命令の前には個人は存在しない
ってのがイイんでは?
281某スレよりコピペ:04/09/03 04:20 ID:1bW4U8ZI
ロボコップとマルチは、
メカという観点から考えれば対極の位置にある存在であるといえる。
何故対極なのか。それは、彼らの外見である。

ロボコップは名前こそロボであるが、
その実体は生身の人間の脳を使った「サイボーグ」である。
作者はロボコップが元は人間であるという点を、見事なアイデアで表現している。
つまり、顔面だけは生前のマーフィー巡査のままなのである。
ロボコップを作ったオムニ社が人間の脳を使ったサイボーグという事実を隠すのであれば、
わざわざこのようなデザインにする理由がない。
ロボコップの「顔面だけ人間」というデザイン。
我々は彼を「ロボットの外見をしつつも人間」という認識でとらえることが出来るのである。

 一方この対極にあるのがマルチである。
マルチは外見上人間とは全く変わりない。設定上、人間と何ら変わらない人格を持つ。
しかし彼女をロボットたらしめている部分がある。そう、「耳」である。
私が思うに、マルチが外見上全く人間と同じであったとしたら、
女性キャラが多数存在するTo Heartの世界では
それだけでロボットというアイデンティティを確立するのは難しいと思う。
勿論、緑色の髪、従順な性格という設定もあるが。
これを解決すると同時に彼女をロボットと認識させるための部分・・・
それがマルチの「耳」なのである。
マルチは「人間の外見をしつつもロボット」なのである。
282名無しさん@ピンキー:04/09/03 07:38 ID:Bm4iDyPH
283名無しさん@ピンキー:04/09/03 11:49 ID:PXaJarsg
>>281
ロボコップいいよなぁ。
あれで中身がオッサンじゃなくて、かわいい女の子なら最高だよなぁ。
284名無しさん@ピンキー:04/09/03 13:12 ID:5UhEwWw6
>283
女バトルコップとかエンジェルコップ(漫画版)とか
285名無しさん@ピンキー:04/09/03 22:37 ID:1bW4U8ZI
ロボコップの画像に好きな娘の顔をコラして
ハァハァできる私は何かおかしいでしょうか
286名無しさん@ピンキー:04/09/03 22:58 ID:YVloQDwa
>>285
画像キボンヌ
287名無し:04/09/04 00:55 ID:iEy4ojQr
「ドラムカンナの冒険」って、ちゃんと女優の娘が演じていた元・人間の女の子が人形になり、それが崩落事故で体が押し潰されて、修理の為、ボディーがケイタイ、色々なメカで出来た体に改造され、電気入力で起動したから、あの作品もサイボーグ娘物と云えるんだね。
「わたしをこんな体にして〜!!」と叫ぶシーンもあったし。
288名無しさん@ピンキー:04/09/04 13:34 ID:TOsVZmXx
>>285
おかしくないよ。仲間だね。
私は仮面ライダー1号の画像に好きな娘の顔をコラして
ハァハァしているよ。そして改造シーン妄想してさらに萌えているよ。
ごくたまにウルトラマンもやるが、、、
289名無しさん@ピンキー:04/09/04 16:45 ID:3daKZJd1
脳死した女の子の脳だけ摘出して
代わりに電子頭脳を詰め込んだら
定義上彼女は何と呼ばれますか?
290名無しさん@ピンキー:04/09/04 16:54 ID:pw5opXDR
ザレム人
291名無しさん@ピンキー:04/09/04 18:11 ID:4m20UHa3
>>289

財部早紀。(古いね俺も)
292名無しさん@ピンキー:04/09/04 18:33 ID:QdKzI2y/
フェザータッチオペレーションおめ
293名無しさん@ピンキー:04/09/04 22:00 ID:oU2GrhdP
>289
肉バッパー
294名無しさん@ピンキー:04/09/05 02:56 ID:BpdK9Q8X
>>289
ゾンビ令嬢
295名無しさん@ピンキー:04/09/06 04:45 ID:ngxiHF0/
>>289の質問の答えから察するに
それはサイボーグでもアンドロイドでもない?
296名無しさん@ピンキー:04/09/06 12:57 ID:VLLfL58N
>>289
電脳肉人形でどうよ?

脳も目だけ残してガラス容器に入れて側において肉体が男に弄ばれるのを
毎日見せたい
297名無しさん@ピンキー:04/09/08 04:30 ID:jLp+Awi/
>>296
うむ、「電動肉人形」ですか。
どなたか横文字でそれっぽいネーミングキボン
298名無しさん@ピンキー:04/09/08 05:06 ID:OkK/5Ped
それじゃ"Hired Girl"(文化女中器)ならぬ"Wired Girl"
299名無しさん@ピンキー:04/09/10 12:02 ID:7iji+FJn
保守
300名無しさん@ピンキー:04/09/10 21:00:18 ID:t0Zxnpdu
age
301名無しさん@ピンキー:04/09/11 07:39:13 ID:lnrBpNRx
サイボーグフェチにおける
ヒト派とモノ派ってどっちが多いんでしょう
302名無しさん@ピンキー :04/09/12 03:08:55 ID:MbRTbEZp
>>301
両方扱う以上、そういった比較はしない方が良いと思うが。




303名無しさん@ピンキー:04/09/13 21:15:28 ID:TRgaGWi+
保守age
304名無しさん@ピンキー:04/09/18 13:48:34 ID:aPrYzAR/
ho
305名無しさん@ピンキー :04/09/19 14:33:06 ID:akBkx5w9
保守
306名無しさん@ピンキー:04/09/20 17:29:49 ID:z/Ft3R4G
折れ的には機械化がサイコウだYO!
307名無しさん@ピンキー:04/09/21 12:41:31 ID:OAUSqMei
今さらだがセーラーウェポンは名作だった。
308名無しさん@ピンキー:04/09/21 18:59:20 ID:VdqUkWug
やっぱり、カタリアだな・・・
309名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:28:22 ID:2mnVJ+uW
>>307
同意。
続編や番外編が読みたいね。
310名無しさん@ピンキー:04/09/22 01:43:33 ID:LxdTDFHb
過去スレのログいただけませんか?
間違って消しちゃったorz
311名無しさん@ピンキー:04/09/23 20:13:34 ID:hMqJF4pe
このスレ見ろよ 一日ごとに作品が投下されてる

スーパーヒロイン系・総合スレ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071976937/
312名無しさん@ピンキー:04/09/24 13:24:01 ID:wTVX/4jb
作品ねえ。
ここの住人はストライクゾーンが狭すぎて
迂闊にネタ投下しづらいんです。

ところでどなたか「メカ娘フェチ論」とか
書いてあるサイトとか知りませんか?
313名無しさん@ピンキー:04/09/24 14:28:55 ID:MDcPUH/c
機械化はいいんだけど、スーパーヒロイン系は好きじゃないんだよなぁ・・・
314名無しさん@ピンキー:04/09/24 17:04:40 ID:ZEaXRSD8
むしろサイボーグ版グラディエーターとかがいいな。
近未来での娯楽として改造した少女同士を戦わせる。
少女のフォルムを残しつつも、いかに戦闘的で機動力と防御力を
備えた擬体にするかがエンジニアの腕の見せ所
315名無しさん@ピンキー:04/09/25 00:47:51 ID:NqX5+cgS
ttp://www.yo.rim.or.jp/~sapara/movie/mk/mk_01.html

コレはこのスレ的にはアウト?
316名無しさん@ピンキー:04/09/25 02:42:32 ID:zCQNX0p+
 人工臓器が安価(とは言っても一般人にはとても買えない)に供給されるようになった近未来、改造

した少女同士を戦わせる娯楽「剣闘」が流行していた。純粋なショーとしてだけではなく、スポンサー

となる各種先端産業表の格好の宣伝の場となっていた。表向きは事故、疾病等でやむを得ず義体化され

た少女達がグラディエイターとして戦っている事になっているが、短時間で大金を手に入れたい少女達

が仲介所で義体化手術を受けるというアンダーグラウンドな物であった。少女達の臓器は冷凍保存され

、10戦勝ち抜くと大金とともに本人に返還されるが、死亡もしくは引退した場合には義体の費用として

、今もなお人工臓器よりも本物の臓器を選ぶ人々に高値で売却される事になっていた。少女達は大金を

手に入れ、再び人間として生きるために戦うのだった…
主人公はそういった世界とは縁遠い生活をしていたが、病気の弟の義体化費用を得るために参加した、

とかそういうので24話構成
戦闘は手足とかバキバキに取れたり下半身吹っ飛んだりで当然メンテナンスが多くなる、でも主人公の

明るい性格から日常はほのぼの
ラストは主人公は10戦目で死ぬんだけど(陰謀)、臓器は弟に移植される、主人公は勝ち抜くが弟に臓器を譲る、弟も義体化するのどれか
みたいな感じで
317名無しさん@ピンキー:04/09/25 10:40:16 ID:sgZaHjnF
>315ど真ん中。萌え。
幼女っぽい子とセーラー服に激萌え。
318名無しさん@ピンキー:04/09/25 11:02:48 ID:sgZaHjnF
>316おいおい、ネ申降臨の兆しがプンプンするぜ。
319名無しさん@ピンキー:04/09/25 15:02:09 ID:sSflcBpk
>>316
シリウスの痕が参考ですか?
320名無しさん@ピンキー:04/09/25 23:49:44 ID:4bovk2pu
>>310
これじゃ駄目か?

初代スレ
ttp://wow.bbspink.com/feti/kako/1062/10626/1062698217.html

1.5代目スレ?
ttp://makimo.to/2ch/bbspink-pink_sm/1063/1063904273.html

二代目スレ
ttp://makimo.to/cgi-bin/dat2html/dat2html.cgi?http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1064515330/

二代目ログは後ろのほうが少し切れてるようだけど…
321名無しさん@ピンキー:04/09/26 15:43:31 ID:IwhcERVA
>>316
>>319
つうかシリウスの痕の程度の低いパクリだな。シリウスを中途半端にいじっているだけ。
322名無しさん@ピンキー:04/09/26 18:29:33 ID:zNiDaWAc
シリウスの痕も二巻以降はアレらしいので、うまく練り上げたら
満足するものになるかもしれない。
ここでは萌えとエロも出せるしw
323名無しさん@ピンキー:04/09/26 18:35:22 ID:zNiDaWAc
ここでだめでも、メカギャル掲示板の逆襲に投稿できるぞ
324316:04/09/28 04:25:56 ID:SBI/9rMp
物語の体操って本を読んで314を基にプロットを立ててみましたが、決してパクリではないので。
ライトノベルの普遍的テーマ「自己、物の喪失→異世界での体験から自己、物を取り戻す」
という流れに、エヴァンゲリオン、最終兵器彼女等、最近はやり(?)の
日常非日常の対比表現、これは僕自身も食傷気味なんですがおきまりの灰色決着、バッドエンドってことで。
やっぱり在り来たり+あざとすぎましたね。
シリウスの痕の存在は今知りましたが、ググったら確かに何となくかぶってます。
まあ、テーマがかぶってても作家の個性が出せれば別の作品になり得るとは思いますが、

何にしても僕には文才も画才も無いので…orz
325名無しさん@ピンキー:04/09/29 01:43:49 ID:Txm1+6Ro
シリウスとも銃夢にもない設定やヒロインならパクリにならないと思う
ちなみに漏れが314
首から下が金属製のボディで腕に武器がある位しか考え付かなかった。

バッドエンドにする必要ないし、ハイで好戦的なヒロインでもよさそう。
人の限界を超えるわけだから、精神面でもタフになってもおかしくない。
326名無しさん@ピンキー :04/09/30 23:50:54 ID:ZemnsiPg
hasyu
327名無しさん@ピンキー:04/10/01 10:20:00 ID:N/qSf6YU
保守
328名無しさん@ピンキー:04/10/01 21:51:57 ID:oM2ozN/t
このスレ用の小説保管庫とかないんですか?
329名無しさん@ピンキー:04/10/03 20:16:34 ID:cVCQR7dh
保守あげ
330名無しさん@ピンキー:04/10/05 01:05:01 ID:Np6P6XIy
保守っときます。
331名無しさん@ピンキー:04/10/05 16:19:00 ID:a79oZQSQ
hosh
332名無しさん@ピンキー:04/10/05 18:39:20 ID:TdF+lX5i
>324 バッドエンドいいじゃないですか!他人の意見に流されずぜひ書いてください。
333名無しさん@ピンキー:04/10/07 00:01:52 ID:+yVyhbol
過去スレ読みたい…
334名無しさん@ピンキー:04/10/07 01:25:41 ID:ENhZoxBd
>>333
>320
いくらなんでも13レス前ぐらい見ろよ。
335名無しさん@ピンキー:04/10/07 19:18:37 ID:irbei+Ak
hosyu
336333:04/10/08 17:52:56 ID:BE9esABT
スマソ。
素で見ていなかった…
337名無しさん@ピンキー:04/10/09 22:53:55 ID:ttLSccn5
このスレの長編?がオワタ
ていうかセーラーウェポン続編きぼん

スーパーヒロイン系・総合スレ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071976937/
338名無しさん@ピンキー:04/10/10 01:48:41 ID:DpWjdZrq
SS書くにしても、ネタが無いんだよな…
グラディエーターものは、ある意味シリウスの劣化になりかねんし…

なんか、少女を拉致って改造するのに、
どんな用途でどんな姿のサイボーグにしたらいいかネタが欲しい。
339名無しさん@ピンキー:04/10/10 02:32:43 ID:/relkAVr
エロ系ダークネタはだめか?
その美少女に対する嫉妬か彼女の親への復讐として手足を改造して
四つんばいでしか移動できなくして調教した挙句、最後に売り飛ばすとか。
途中何度も逃げ出そうとするが結局失敗するというお約束つきでw
340名無しさん@ピンキー:04/10/10 10:06:37 ID:/QtW3T0W
>338 性欲処理用。片腕片脚肩乳房を金属パーツに完全に交換、他の部分は生身で部分的に改造。度々改造を繰り返し、最後は醜い機械の塊にされてスクラップ。萌え。
341名無しさん@ピンキー:04/10/10 12:24:59 ID:zlxBJc8m
>>340
スクラップという結末もいいけど、現代美術風オブジェとして美術館に
飾られたり、秘宝館のような所に展示されて永遠に好奇の的にされるとか
342名無しさん@ピンキー:04/10/10 13:47:05 ID:aUFro9fv
おおおっ、そりゃぐーですねっ。
かなりツボなシチュですっっ。
343名無しさん@ピンキー:04/10/10 14:05:28 ID:R49FCSCR
手足だけでなく消化器も改造してペットフードだけでいけるようにしたら、
性欲処理用の前にペット化できそうだ罠
でも、あくまで顔と乳と性器は人間のままにしておいて惨めさを維持する。
運動の時間(手足のキャスターに慣れさせる訓練)には首輪と鎖をつけて
放尿の際には片足を上げさせる訓練もいるな
344名無しさん@ピンキー:04/10/10 17:34:49 ID:tBnANCtj
>>343
ドッグフードなら人間でも行けますけど・・・
元々、ほ乳類なんだから問題ないし。
が、ずーっと同じものばっかり与えると栄養が偏るから
数種類のドッグフードを交互に与えるのがいいよ。
うちの奴隷もここ数年ドッグフードだけ食べてるけど健康上問題はないよ。
半年に一度は定期検診受けさせてるしね。
が、いきなりドッグフードオンリーにすると腹壊すから人間の食事とドッグフードの比率を
半年でドッグフードに切り替えると言うやり方がいい。

ま、手足は改造してみたいけど夢物語だしなぁ・・・
ってスレ違いだな。スマソ。
345名無しさん@ピンキー:04/10/11 10:07:00 ID:YY/OU02x
究極は精液と尿だけで生きていけるように改造できたらいいだろう。
姫美川涙の作品にそういうのがあったけど
346名無しさん@ピンキー:04/10/11 17:20:35 ID:jE10YcuV
>343 イイ!
347名無しさん@ピンキー:04/10/11 18:40:51 ID:EbSZi35C
>>346
(・∀・)イイ!と言われても困る。漏れはただ、もしカタリアが自分のものになったら
どうしたいかカキコしただけだし
348名無しさん@ピンキー:04/10/14 19:29:38 ID:LQHOODMN
保守
349名無しさん@ピンキー:04/10/17 23:39:44 ID:b8PU9SHD
とりあえず、保守
350名無しさん@ピンキー:04/10/20 11:11:54 ID:0wva25Hi
下腹部のねじを外して保守
351名無しさん@ピンキー:04/10/20 11:20:44 ID:ILCJFloz
やっぱり他の目的のために自ら生身の体を捨て改造、だけど巨乳。てのがいいなぁ
352名無しさん@ピンキー:04/10/20 11:41:18 ID:0m/p1BNo
>>351
猛烈に同意!
353名無しさん@ピンキー:04/10/20 20:34:36 ID:YjwBu0Rm
やっぱり他の目的のために強制的に生身の体を捨て改造、だけど巨乳。てのがいいなぁ
354名無しさん@ピンキー:04/10/20 23:32:25 ID:RUrgYb7Q
まず目的は何なのかと小一時間(略
355名無しさん@ピンキー:04/10/21 00:28:34 ID:/Cf3nyS0
戦闘用サイボーグが良いな。
改造に適した体質だってことで、拉致されるの。
機械の身体にされて、戦いを強要される。
ダメージを受けた部分をバラして、分解整備。
パワーアップのための再改造。
萌える!
356名無しさん@ピンキー:04/10/21 12:20:12 ID:VTZylws/
戦闘用やグラディエーターでは流れが決まってくるから、
今度は殺し屋なんてのはどうだろう?
改造した体でギャングの親玉とかをリムジンやクルーザーごと破壊するとか。
もちろん狙われる側も凄腕のボディーガードがいたり
357名無しさん@ピンキー:04/10/21 18:24:37 ID:EkElolIY
もちろん頭部と乳だけ生身のままでしょ?
358名無しさん@ピンキー:04/10/21 18:45:50 ID:F85P1KfZ
乳を残しとく合理的根拠はないけど、でかいなら漏れ的にはOK
359名無しさん@ピンキー:04/10/21 21:33:51 ID:Or25/W18
美少女サイボーグが醜い機械に改造されて恥ずかしいのに萌え。しかも胸や股間は生身のまま露出されてさらに萌え。(;´Д`) ハァハァ
360名無しさん@ピンキー:04/10/21 23:06:59 ID:ygynvcJ3
>>358
ショックアブソーバー。
前方からの衝撃は乳で。
後方からの衝撃は尻で。
361名無しさん@ピンキー:04/10/21 23:46:21 ID:FeqiioGn
暗い路地とかで顔と胸を出して相手を油断させておいてあぼーんさせる為とか
362名無しさん@ピンキー:04/10/24 04:36:22 ID:lpzTFdgX
保守のため手足を取り外しておきますね
363名無しさん@ピンキー:04/10/24 13:01:40 ID:3EDp4e/m
・観賞用としては、999に出てきた"ガラスのクレア"萌
・あと、ねじだらけの人やメーターだらけの人も999に出てきたような気がする。
364名無しさん@ピンキー:04/10/24 21:31:17 ID:wG92ulqG
露利美少女を拉致って性欲処理用サイボーグに改造。片手をバイブに、もう片方をペニス穴の開いたこんにゃく状の手こきバンドに。
365名無しさん@ピンキー:04/10/25 00:46:06 ID:wUYNSN8u
やっぱ、バイブはいらんでしょ。穴という穴を人口マンコにして
性感も脳とつないで、前、後、口、臍で5P 4倍逝ける。って感じで
366名無しさん@ピンキー:04/10/25 20:33:26 ID:JYE261W+
精神が壊れたので生体脳交換保守age
367名無しさん@ピンキー:04/10/26 19:06:34 ID:XTJ8HX4g
>365
いや、見た目が惨めになるのでバイブ、イイ!!
368名無しさん@ピンキー:04/10/28 21:06:52 ID:4KJAzGpQ
私は体は機械、脳は残っているものの精神的には壊れてる。そんな感じの少女サイボーグを買いたい。
369名無しさん@ピンキー:04/10/29 06:07:10 ID:WXQbVb0W
>368
なんぼなら買う。
370名無しさん@ピンキー:04/10/29 18:11:58 ID:gXGNOF5B
今まで話題に出なかったように思うが、このアスカと綾波の
アクションフィギュアってサイボーグっぽいよね。

 ttp://www3.osk.3web.ne.jp/~kaiten/
371名無しさん@ピンキー:04/10/29 19:08:12 ID:R/yJG8wa
綾波はサイボーグにされててもおかしくないキャラだな
372名無しさん@ピンキー:04/10/29 22:37:53 ID:MTW93wV0
綾波は人造人間だろ…
373名無しさん@ピンキー:04/10/30 06:24:41 ID:hAwLzWHv
>369
100万 ただし、下半身と脳は生身の体キボン
374名無しさん@ピンキー:04/10/30 07:53:57 ID:SUadb7oC
>370
確かにサイボーグっぽい。GJ。そう言えば漏れはいつもフィギュアを脳内変換でサイボーグと見てハァハァしてまつ。
375名無しさん@ピンキー:04/11/01 19:30:01 ID:8igj50Ge
保守っとく。
376名無しさん@ピンキー:04/11/01 20:24:47 ID:xOW1fEXz
じゃ漏れも保守っとく。
377名無しさん@ピンキー:04/11/01 21:01:55 ID:xIEVmQ+5
メンテナンス表示が出てるのに、所有者にメンテしてもらえないサイボーグ少女
痛んでるのに修理してもらえないそんな境遇に萌え
378名無しさん@ピンキー:04/11/02 20:38:29 ID:SA2WNufg
腕と脚をはずした状態だが保守っとく。
379名無しさん@ピンキー:04/11/03 18:21:02 ID:Io2SvYS2
人工性器を保守
380名無しさん@ピンキー:04/11/03 19:03:49 ID:TixAegvZ
保守整備中につき別のサイボーグを製造要請
381名無しさん@ピンキー:04/11/06 18:03:59 ID:sagdfTJF
では女子厨生で1体造っときまつ。
382名無しさん@ピンキー:04/11/07 18:33:36 ID:Cwl3Z4IQ
MIB様キボン
383名無しさん@ピンキー:04/11/08 19:32:58 ID:sKmRe7Re
禿同。セーラーウェポン萌えだったのにな。他人の作品を自分に都合良く書かせようとしたヤシがああしろこうしろと水を刺すからM.I.Bさんイヤになっちゃったんだろう。ヤシらはバカだったよな。気に入らないのなら自分で書くべきだったのだ。
384名無しさん@ピンキー:04/11/10 23:19:59 ID:T/6iauCC
普通、サイボーグってモーターとかそう言うのだよね。
電源の確保が困難な地域で作業する為に腹部にガソリンエンジンが内蔵された少女って
よさげだと思う。
プリウスみたいにハイブリッド式でバッテリーの電源が減って来たら自分でリコイルスターターを引いて
始動する。排気ガスはアナルから排気。より萌えるようにエンジンは2ストを採用。
ガソリンは普通にコップに入れられてて、普通に飲む事で補給。

あと、陸上競技みたいなのを作り、駆動は電動、エンジンとクラス分けする。
電動クラスはスマートな少女。
エンジンの方はタービンやインタークーラー、たこ足が体のあちこちについて
いてエンジンはRB26とか2JZ等の6気筒が腹部についてる。
想像しただけでなんとも言えないグロテスクな形態となりそう。
385名無しさん@ピンキー:04/11/11 19:58:47 ID:uvXv6t/h
顔と胸は生身の美少女、他は人間離れした惨めな姿のサイボーグに萌え。
386名無しさん@ピンキー:04/11/12 00:34:00 ID:ycD6v0H3
人間タクシーなんてどうよ?
車体はトータルリコールに出てきたような感じで
387名無しさん@ピンキー:04/11/12 20:35:19 ID:6sNX/QJr
>386
誰か絵師キボンヌ!
388名無しさん@ピンキー:04/11/15 23:33:14 ID:2Nh2scIz
女子怪盗モノは既出ですか?

装備は
スタンガン、フックつきワイヤー、
光学迷彩、スモークディスチャージャー、
ピッキングツールetc
389名無しさん@ピンキー:04/11/16 01:05:47 ID:kPhIlmgF
拉致され、サイボーグに改造された少女。
そして彼女に窃盗行為を強要する謎の博士。

盗む事に特化した身体を持つ少女を、誰も捕らえる事が出来ない。
犯罪を憎む少女刑事は、怪盗を捕らえる力を得るために
自ら望んでサイボーグとなる。

盗むための身体にされた少女と、捕えるための身体となった少女の戦いの結末は!?
そして、超古代文明のオーパーツばかり狙う謎の博士の目的は!?



こんな感じでどうでしょか
390名無しさん@ピンキー:04/11/17 20:13:53 ID:dzcJsgQB
>389
面白萌えそうじゃないですか!製作キボンヌ。
391名無しさん@ピンキー:04/11/17 20:47:51 ID:AqkIiXDl
>>389
最後には、二人の少女サイボーグが手を組んで、巨悪と戦ったりしてくれると
嬉しいんだけど、今の段階で言ってはダメ?(w
392名無しさん@ピンキー:04/11/17 20:50:34 ID:ceDpRvEE
みんなで3行ずつ書いてみるとか…
393名無しさん@ピンキー:04/11/17 21:10:21 ID:dzcJsgQB
>391
389様がイヤでなければ、389様に任せようよ。作家さんにあれこれ言うと書きづらくなってまたいつかみたいになっちゃうよ。
394名無しさん@ピンキー:04/11/17 22:29:06 ID:AqkIiXDl
>>393
スマソ。もちろん、お任せするつもり。
395389:04/11/18 01:21:23 ID:Ng7D4A4O
どうもです。
週明け以降になってしまうと思いますが
がんばってみます
396名無しさん@ピンキー:04/11/18 19:47:22 ID:FpQUxeKI
>389様
楽しみでつ。
397SAGE:04/11/20 09:24:31 ID:gFMTiau/
hosyu
398SAGE:04/11/20 09:58:30 ID:2eAaDi/S
hosyu
399名無しさん@ピンキー:04/11/21 13:45:57 ID:xj9QrFW3
けっこう仮面がサイボーグでも良いかも。

パワーユニットに乗り込む時はマ○コが接続プラグとかも。
400名無しさん@ピンキー:04/11/21 23:57:29 ID:jE1/YydB
ヨン様が華麗に400get
401名無しさん@ピンキー:04/11/22 19:14:07 ID:3FOVLWNL
今朝女子高生を1体捕らえ、サイボーグ化しました。
402389:04/11/23 01:14:29 ID:9BeeFotZ
怪盗モノ、書いてみました。
拙文ですが、読んで頂けると嬉しいです
403389:04/11/23 01:16:08 ID:9BeeFotZ
1−1

 深夜零時。緊張と言う名の静寂に包まれた博物館に、警報が響き渡った。
「逃がすな!」
「あっちだ!」
 何十人もの警官の怒声が飛び交い、無数のサーチライトが私の姿を求めて狂った様に舞う。
 私は「獲物」を抱え、その光の間を縫うように走る。
 屋根の上、壁の上、庭に茂る木々の間、そして見張りの警官のすぐ背後を。
 あの警官は、背後に風が吹いたとしか感じられなかっただろう。
 消音機を埋め込まれた私の両足は、一切の足音を立てないのだ。
「なんで気が付いてくれないのよ…」
 ポツリと走りながら呟く。
「いっそのこと逮捕されてしまえば、もうこんな…泥棒なんかしなくても済むのに」
 この良心の囁き、いったい何百回目だろう。でもその度にあの女の言葉が甦る。
『もし、目標の奪取に失敗したら、ましてや警察の手に落ちるような事があれば…分かっているな?
 あたしはお前の自爆スイッチを押す。ためらいなくな』
 私をこんな身体にした女の、私に盗む事を強要する悪魔のような台詞。
「やっぱり、いやだ。私は…死にたくない!」
 死の恐怖から逃れるように、塀を飛び越える。でも、その着地地点には「あの子」が待ち構えていた。
404389:04/11/23 01:17:57 ID:9BeeFotZ
1−2

「来たわね、“怪盗ガジェット”。私の読み通りだわ」
 私と同じくらいの歳の、トレンチコートに身を包み警官隊を従える少女。
 アズマ・ハツミ警部。私の逮捕の執念に燃えて、行く先々で立ち塞がる子だ。
「今よ、捕獲網、投下!」
 頭上から巨大な投網が私の身体に覆い被さる。
「くっ、こんな網」
 簡単に引き千切れる、筈なのに…
「無駄よ。いくらあんたの腕力が人並み外れでも、特殊強化鋼線で編まれた網を破る事は不可能だわ」
 警官たちの懐中電灯が一斉に私を照らす。
 夜闇というヴェールを剥がされ、私の漆黒のボディが浮かび上がった。
 少女の輪郭をした機械。あの女に改造された、忌まわしい私の身体。
「年貢の納め時ね。さあ、神妙にお縄につきなさい!」
 じわりと、警官たちが迫ってくる。
(捕まる…捕まったら、殺される…)
「いやっ、こないでーーっ!!」
 それは、無意識の行動だったと思う。
 網を握る両手が青白い火花を散らした。直に当てれば巨象も倒すスタンガン。
「なっ! まだ…こんな…装備が…」
 阿鼻叫喚。電撃は鋼線の網を伝い、警官隊をことごとく気絶させた。
「ごめんなさい…でも私、死にたくないから」
「獲物」を抱え、網から這い出す。そのとき、背後からしわがれた声が私を呼び止めた。
405389:04/11/23 01:19:20 ID:9BeeFotZ
1−3

「ま、待ってくれ!」
 振り返ると、白髪の老人が追ってくるのが見えた。この博物館の館長、今回の被害者だ。
「君の目的は何だ!? 金ならいくらでも払う、だからその石板は持っていかないでくれ!」
 この「獲物」…古ぼけた石板を盗る目的? そんなの、私が知るわけない。
 あの女に訊いても教えてくれる筈が無い。
 私はあの女にとってピッキングツールと同じ、盗むための道具に過ぎないのだから。
「頼む、持って行かないでくれ! それは人類史を解き明かすための貴重な…」
 老人が、すがるように手を差し出す。
「近寄らないで!」
「ひっ…」
 哀れな老人が、私を地獄へ引きずり込もうとする亡者に見えた。
 盗みに失敗すれば、私はあの女に殺される。だから私は悪くない。
 なのに、ズキリと、無いはずの心臓が痛んだ。
406名無しさん@ピンキー:04/11/23 03:17:38 ID:ri2HMUfM
萌え!
今後に期待age
407sage:04/11/23 22:20:37 ID:riyaRfpJ
乙。強く期待。
408389:04/11/23 23:40:23 ID:9BeeFotZ
2−1

 あの子に電撃を浴びせ、何の罪も無い老人を突き飛ばし、私は無事に「獲物」をアジトに持ち帰った。
 人里離れた森の奥にたたずむ研究所。その奥の部屋に、あの女はいる。
「ただいま戻りました」
 ゴトリ、と石板を台の上に置く。
「ほう、今回も無事に帰ったか。案外そろそろ捕まるかと思ったのだけど」
 残酷な笑みを浮かべながら、あの女が振り返った。
 女はまだ二十歳くらい、妖艶な姿がかえって人の皮をかぶった古狐を連想させる。
「これで、十枚目…」
 石板が本物であることを確認すると、女は悦に入ったように口元を吊り上げた。
「ほら、お前は次の仕事まで眠っていなさい」
 女が部屋の片隅の大きなカプセルを指差した。
 この身体にされて以来、私は命令された通りに盗み、それが終われば次の仕事までカプセルの
液体の中で眠らされることの繰り返しだ。
 食事も、楽しい会話も、娯楽も、希望も無い。私はまさに機械、まさに道具なのだと思い知らされる。
409389:04/11/23 23:43:13 ID:9BeeFotZ
2−2

 戸を開けてカプセルの中に立つ。
 何十本ものコードが全身の端子に入り込み、同時に足元から緑色の液体が満ち始める。
 盗む事への嫌悪も、改造された身体の事も、何もかも感じないこの眠りの時間だけが、私の唯一の安らぎだ。
 なのに、今日の私はその安らぎを、自分の一言でぶち壊してしまった。
「その石板、一体何に使うの? あなたは何故そんなものを集めて…」
 あの老人への自責の念からか、老人の知りたかった事をつい口にしてしまったのだ。
「ふうん、道具のくせに私のすることに口出しするつもり?」
 女の視線が私を貫く。一瞬で私の背筋は凍りついた。
「あっ…いえ、何でもないんです。ひ、ひとり言です…」
「大した好奇心ね。ご褒美にいい夢を見させてあげるわ」
 女がカプセル脇のスイッチを押す。たちまち緑色だった液体が真っ赤に染まりはじめた。
「ごめんなさい! お願いだから、それだけは…!」
 女はカプセルのガラス越しに顔を近づけ、ニヤリと笑った。まるで私が苦しむのを愉しんでいるように。
「あ、あぁ…」
 悪夢を見せる赤い液体の中で、私の意識は闇に引き込まれていった。
410389:04/11/23 23:44:52 ID:9BeeFotZ
2−3

(やめて…やめて…!)
 あの女が私の調教に使う赤い液体。
 それは、私の中に記録された忌まわしい記憶…私がサイボーグに改造されたときの記憶を再生する。
 ループする悪夢の中で、私は肉の身体を何度も何度も失うのだ。


「なっ…ここはどこ!? どうなってるの!?」
 気が付くと、私は何か固い台のような物に、仰向けに寝かされていた。
 体中のあちこちを冷たい金具が固定し、私に大の字のポーズを取らせている。
(私は、確か…そう、体育の授業中だったはず)
 首を固定されて見ることは出来ないけど、上半身をふわりと包む木綿の体操着の感覚と、
下半身にフィットするブルマの感覚が、それを証明している。
(そう、確か急にお腹が痛くなって、それで校庭の片隅のトイレへ行って、それから…)
 そこから先の記憶がプッツリ切れていた。
「あら、目が覚めちゃったの、運がいいお嬢さんね」
 唐突に、右手の方から若い女性の声がした。
「だ、誰なんですか? それにここは…病院、ですか?」
 もしかしたら、トイレの中で急病になって、救急車で運ばれたのかもしれない。
「フフ、お前が固定されているのは確かに手術台だけど、あたしがお医者様に見えるかい?」
 コツコツと足音を立て、声の主が私の視界に入ってきた。
 とても人命を救う人の顔には見えない。端正な顔立ちではあるけれど、その微笑みはまるで堕天使のようだ。
「まさか、私を…」
 真っ先に「陵辱」という単語が思い浮かんだ。だが、女が笑顔で告げたのは、もっと残酷な事実だった。
411389:04/11/24 00:00:10 ID:ws7ir/ms


>>406
>>407
ありがとうございます。引き続きがんばります
412名無しさん@ピンキー:04/11/24 00:48:25 ID:vH/qHq9U
萌え。乙。
413名無しさん@ピンキー:04/11/24 19:30:17 ID:zzI4AewN
禿萌。期待大。
414389:04/11/25 01:27:58 ID:5GA2M+XB
2−4

「今からお前は、生まれ変わる。サイボーグにな」
「サ、サイボーグ…?」
 何のことか分からない。
「そう、その若くてしなやかな身体を切り開いて、硬い金属の機械を埋め込む。
そして、その瑞々しい皮膚を剥いで、冷たい金属製の外骨格を被せる」
「えっ……?」
 そんなことされたら、私は、どうなっちゃうの?
「お前は血と肉でできた“人間”という存在ではなくなる。つまり、食事のための胃も、腸も、
呼吸のための肺も、生物の証たる心臓すら必要ない」
「いっ……いや、そんなのになりたくない! 私は、人間なの!」
「安心しろ、脳はそのまま残る。だから自分が人間だと思い続けるのは自由だ。
でも、お前は、自分の身体の90%が金属と置き換わっても、自分を人間と認知できるのかな?」
「いやああぁぁ!」
 私は暴れた。拘束されて満足に動く事も出来なかったけど、とにかく全身に目一杯の力を込めてもがいた。
 頭の中は恐怖で一杯。目には涙があふれ、耳には泣きじゃくる私の声しか入ってこない。
 何分間そうしていただろうか。ついに暴れるだけの気力も体力も失せて、ぐったりとなった瞬間、
「無駄な抵抗、ご苦労さま。お前の痴態、充分に堪能させてもらったわ」
 耳元でささやく声。同時に首筋にチクッと痛みが走った。
「あっ…」
 それが麻酔注射である事は、すぐに分かった。反射的に振り払おうとした腕は、力が全く入らなかった。
415389:04/11/25 01:29:53 ID:5GA2M+XB
2−5

 そこから先の記憶は無い。でも、あの女は周到に続きを用意していた。
 私の改造手術を俯瞰図でビデオに撮影し、その映像データを私の外部メモリに保存していたのだ。


 私の目は焦点が合っていない。もう意識を失っているのだろう。
 カメラの位置からはあの女の表情は見えないが、きっと邪悪に微笑んでいるに違いない。
 女は拘束具を外し、私の体操服を一枚ずつ脱がしていく。
(今よ、さあ、目覚めて! 今なら逃げられる!)
 私は夢の中で叫ぶ。でもこれは既に起こった過去。変えられる筈が無い。
 ほどなく、思春期の少女のありのままの姿があらわになった。
 女がメスを取り上げ、私の二つの乳房の間に添える。
(やめて、やめてーっ!)
 スッとメスが沈み込み、下腹部まで一文字に私の身体を切り裂いた。
(いやあああぁぁ!!)
 あの女が、裂け目から無造作に私の中身を引きずり出していく。
 五臓六腑だけでなく、切断された肋骨や背骨まで、私が私として生きるために必要なものを。
(やめて、お願いだから…だめ、元に戻して…) 
 抜け殻となった私の身体の上から、機械の群れがゆっくりと下りてきた。
 自動車か何かの部品としか思えない、とても私の一部になるなんて認めることの出来ないガラクタ。
 それらが一つずつ順番に、私のお腹に納まっていく。
(もう…だめ…助けて)
 目を閉じることも逸らすこともできない、脳に直接送り込まれる映像。
 自分でも、発狂して心が壊れてしまわないのが不思議だった。
416389:04/11/25 01:36:10 ID:5GA2M+XB
2−6

 そして悪夢はクライマックスを迎える。


「さあ、目覚めなさい。新しい身体の感想を聞かせてもらうわ」
「あ、れ? か、身体?」
 朦朧とする意識の中、首だけを動かして自分の身体を見る。
 真っ黒い身体。いつの間に着替えたのだろう、確かこんな服は持ってなかったけど。
 両手でその服に触れてみる。
 お腹に触れた指が、かちゃりと鎖のような音を立てた。
「え?」
 よく見ると、黒いのは服の色ではなかった。
 鈍い金属の輝きを持つ漆黒のボディ。冷たく硬い金属の外骨格。それが私の身体だった。
「あ…あ…」
 全てを思い出した。
 私は本当に、機械にされてしまったのか。
「…………………」
 悲鳴どころか声一つ出せなかった。
「どうした? 黙っていては伝わらないわ、どんな気分なの?」
 女の声など、聞こえなかった。
 あらゆる感情が強すぎて恐怖すら覚えず、私は俯いた姿勢のまま、
ただガタガタと身体を震わせていた。
417389:04/11/25 01:46:00 ID:5GA2M+XB
>>412
>>413
ありがとうございます

次から少し、ハツミ警部の話になると思います。
毎晩更新はそのうち無理が出ると思うので、すこしペースダウンすると思いますが
よろしくお願いします。
418名無しさん@ピンキー:04/11/26 22:36:03 ID:DWwBUqQS
う〜ん、かなり萌えな話をサンクス
419389:04/11/27 02:20:22 ID:2yPuF/bG
3−1

 やられた。またアイツに逃げられた。
 スタンガンの火傷跡に絆創膏を張りながら、心の中で地団太を踏む。
 署に戻って手にした朝刊には、「怪盗ガジェット10回目の犯行」の文字が躍っていた。
「とうとう…十回目か」
 私は以前から、十回目の犯行までにアイツを捕らえると心に決めていた。
 同時に、もし、それが出来なかったら最後の手段に出る事も決めていた。
「警部、ハツミ警部?」
「あ、なに?」
 いつの間にか、部下の刑事が心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
「ずいぶん深刻な顔をしてましたけど、大丈夫ですか?」
「またアイツを逃したのよ、深刻になって当然でしょ」
「いえ、それどころじゃないってくらい、すごい顔でしたよ。
警部、その一人で思い詰める癖、直してくださいね。いつでも我々が力になりますから」
「あ、うん。ありがとう」
 作り笑顔で返事をする。部下の好意は正直嬉しい。でも、こればかりは誰かの手を借りられる問題じゃない。
 部下達に仮眠をとるように告げ、私は捜査本部を後にした。
 向かう先は技術捜査部。そこで私の命じたものが完成している筈だった。


「カズヒロ技術官。例の物、出来ているわよね」
「は、はい警部。こちらがそれです」
 タニ・カズヒロ。私より六つ年上の部下が、モニターに設計図を映し出した。
 捕獲・拘束用の各種武装、目標を常に捉える複数のレーダー、そして賊の逃亡を許さない機動性。
 全てを完璧に備えた人型機械…いや、サイボーグの設計図だ。
420389:04/11/27 02:22:16 ID:2yPuF/bG
3−2

「さすがは若き天才技術官ね。(“若き”といっても、私のほうが年下だけど)
 これならアイツと互角、いえ、それ以上に渡りあえるわ」
「はい…しかし警部、本当にこれを実用化するおつもりですか?」
 彼は不安げな表情で私に振り返った。
「もちろん、次の犯行までに実用化させるわ。さっそく志願者を募らないとね」
「志願者なんている筈ありませんよ。だって実験台になった挙句、人の身体では無くなってしまうんですよ?」
「大丈夫、私がいるわ。私が志願者第一号よ」
 さらりと、私は秘めていた決意を明かした。
 しばしの沈黙があった後、彼は暗い顔で口を開いた。
「やっぱり…最初からそのおつもりだったんですね」
「気付いていたの?」
「警部はいつもそうですから。どうしてそう簡単に自分の身を危険にさらしたり、
肉体を差し出したり出来るんですか?」
「私は天涯孤独だから。私の身に何かあっても、誰も悲しまなくてすむでしょう」

 私の家族、両親と妹は、私が三歳のとき、自宅に押し入って来た強盗の銃で命を落とした。
 強盗犯の供述によれば、私の家が狙われたのは、「たまたま目に付いたから」だという。
 私は実感した。人はどんなに清く正しい生き方をしていても、運が悪いだけでたちまち不幸に陥る。
 人生は不公平なのだ。
 だから、私は決めた。警察官になって犯罪と戦う事で、その不公平を少しでも正すのだと。
 これは誓いでもあるし、家族を失った私が生きる支えでもある。
 だから、そのために身体を機械に変えてしまう事くらい、なんでもない。
 私は改めてモニターの中の図面を見つめた。
421389:04/11/27 02:24:27 ID:2yPuF/bG
3−3

 数日後、私のほかに志願者が現れる筈もなく、予想通り私は手術台とも作業台ともつかないベッドの上にいた。
「カズヒロ技術官。私の身体、任せたわよ」
「はい…」
 彼はさっきからため息ばかりだ。当然かもしれない。
 私は構わなくても、彼にとって生きた人間を機械にする事は、とても辛いに違いない。
「技術官」
「は、はい。なんでしょうか」
「あなたには構想から設計まで、いろいろ私の要望を聞いてもらったわ。おまけに辛い手術の役目まで
請け負ってもらったし。だから、お礼に何でも一つだけ、要望を聞いてあげるわ」
「えっ、その、何でも、ですか?」
「言っておくけど、違法な行為はダメだからね。違反のもみ消しとか予算の水増しとか」
「そ、そうですよね…警察官が違法行為はまずいですよね」
 また一つ、彼は大きなため息をついた。何を考えていたのやら。
 苦笑して壁時計を見上げると、手術開始の予定の時刻が迫っていた。
「そろそろ時間ね。願い事は、これが無事に済んでから聞いてあげるわ」
 傍らのグラスに手を伸ばす。
(後悔なんてしない。私は文字通り身命を賭して犯罪と戦うと誓ったのだから)
 グラスに映った自分の顔に一点の曇りも無い事を確認すると、私はその水で睡眠薬と麻酔薬の混合物を一気に飲み下した。
422名無しさん@ピンキー:04/11/27 08:03:06 ID:tn4arM6i
す・ば・ら・し・い!特に主役の子の悲惨な境遇に萌えます。美しく若い肉体を、よりによって犯罪に利用されるために改造されるとは、可哀想でヌケマス。
423389:04/11/27 10:51:36 ID:2yPuF/bG
3−4

「…警部。聞こえますか?」
 誰かの声が聞こえる。それがカズヒロ技術官の声だと気付くまで、随分と時間がかかった。
「あ、うん。聞こえるわ」
 上方から照らされるライトが眩しい。どうやら私は仰向けになっているらしい。
「よかった。もし警部の意識が戻らなかったらと思うと…あ、安心するのはまだ早いですね、
身体はちゃんと動きますか? 手足とか」
「手…?」
 仰向けのまま、右手を顔にかざすように持ち上げる。
 掌が手術灯の光を受けてきらりと輝いた。
「…っ!」
 シーツをはねのけ、上半身を起こす。
 視線を落とすと、そこには純白に輝く金属の身体があった。
「あ…」
 やっと意識がはっきりした。私はサイボーグになったのだ。
「そ、そう、手足は…」
 問題なく、動く。
 モーターの振動が微かに感じられる以外は、人間だったころと変わらない。
 私の改造は無事に成功したようだった。
「大丈夫みたいですね。あと、各装備・パーツのチェックをしてみてください」
「…ええ、わかったわ」
 軽く目を閉じ、事前に説明を受けた通りにデバイスマネージャを立ち上げる。
 脳裏に私の全身の情報が一気に羅列された。
「…あら?」
 なにか、違和感がある。
424389:04/11/27 10:52:18 ID:2yPuF/bG
3−5

「技術官。私の身体、設計と一箇所違っているでしょ」
「えっ、そ、そうですか?」
「私の記憶力を甘く見ないで。あの図面には無かったパーツが一個、埋め込んであるわ、下腹部に」
「そ、それは決して違法ではないというか…その説明は、あと二年待ってくれますか?」
 技術官が顔を真っ赤にしてぼそぼそと弁解する。
「は?」
「いえ、あと二年たてば合法になるので…このパーツのことを内緒にしておく件を以って、
さっきの願い事と言う事にしてくださいませんか…?」
「? まあ、あなたは信用できるから構わないけど…」

 そんなことより、早くこの身体を使いこなせるようにならないと。少女の輪郭の中に
数え切れない装備を搭載した、この身体を。
 そして、次こそ、アイツを捕らえるのだ。


 二日後、アイツの予告状が届いた。
「今度こそ、逃がさない」
 両腕で自分の新しい身体を抱いて、私はその決意を改めて口にした。
425389:04/11/27 10:57:00 ID:2yPuF/bG
>>418
>>422
ありがとうございます。
426名無しさん@ピンキー:04/11/28 00:14:04 ID:BvWeM3FW
う〜んGJ!!
427名無しさん@ピンキー:04/11/28 13:45:30 ID:AZ3xK9Gt
誰か絵師いないかなぁ。すんばらしいストーリーに挿絵S. V. P.
428389:04/11/30 01:29:23 ID:nYWPnIGg
4−1

 博物館の五階、大展示室。中央には二重三重の強化ガラスで守られた石板が鎮座している。
 重苦しい空気の中、壁時計が午前零時を知らせた。警官たちが一斉に殺気立つ。
 だが、何も起こらない。
「来ませんね」
 部下の刑事が小さく呟いた。
 徐々に警官隊に動揺が広がっていく。
(まさか、予告を反故にする気? いえ、アイツに限ってそんな筈は…)
 私までもが疑念にとらわれたその時、
「け、警部。あれを!」
 部下が指差す先、石板を守るガラスケースの内側に、一筋の光が立ち上っていた。
「プラズマ…レーザー! そんな、階下から!?」
 レーザーメスの大型版。それが真下の部屋から、コンクリの床を易々と貫いているのだ。
 私達が息を呑んだ一瞬のうちに、その光の筋が石板の周りをぐるりと一周する。
 まるでクッキーの生地を型で抜いたように、石板の置かれた床がきれいな円形に切り取られた。
(やられた!)
 強化ガラスに守られた空間の中、
 ズズズ、とコンクリートの摩擦音を響かせて、石板は床ごと階下へ沈んでいった。
429389:04/11/30 01:31:26 ID:nYWPnIGg
4−2

 博物館に警報が鳴り響く。
 私は大展示室を飛び出し、索敵用の装備をフル稼働させながらを廊下を駆けた。
(まったく、なんてヤツなの)
 建物の図面がインプットされていたとしても、一発で石板の位置を見極めるなんて、生半可な性能じゃない。
 アイツには毎回毎回、驚かされてばかりだ。
(でもこの勝負、まだ負けてはいない)
 アイツはターゲットを入手すると、途端に隠密性が低下する。
 盗品にまで光学迷彩はかけられない、レーダー撹乱用チャフを使い切ってしまう、などの理由だろうが、
とにかく、一気に逃げ切る戦法に出るのだ。当然、排熱量も増え、熱感知レーダーにも引っ掛かるようになる。
「見つけた!」
 猛スピードで真下…四階の廊下を移動する物体。間違いない、アイツだ。
『試験運用機、アズマ・ハツミ。これより追跡・拘束モードへ移行します』
 動力炉の出力ゲージが跳ね上がる。その爆発的加速度を維持したまま、正面の窓へ突進した。
 窓ガラスの砕ける音が二つ。
 眼下に、石板を抱え宙に舞うアイツの姿があった。
430389:04/11/30 01:34:34 ID:nYWPnIGg
4−3

(何なの、アレは!?)
 もう博物館から十キロは離れている。
 警備網からはとっくに脱出したのに、私は謎の追手を振り切れずにいた。
 追いつかれたら、捕まってしまう。そして、私はあの女に爆破処分されてしまう。そんなのは、絶対にイヤだ。
(お願い、ついて来ないで!)
 背面のブースターを全開にしているのに、あの白い機影との距離は一向に開いてくれない。
 まるで死神だった。夜の闇の中、私の命をとるために背後から迫り来る白い死神。
(どうして私がこんな目に…? 悪いのは私じゃないのに!)
 追っ手の気配を感じる度に磨り減ってきた私の心は、もう限界だった。
 これ以上追われる事には耐えられない。だから、私がアレに捕まる前に、私がアレをやっつけてやる…!
 足の裏をアスファルトの路面にこすらせ、急ブレーキで停止する。
 石板を置き、右手甲に仕込まれたプラズマレーザー発振機を起動した。
 私の攻撃意思を察したのか、白い人型の機影もブレーキをかける。
 十メートルほど離れて私は追手と対峙した。
「え…?」
 互いに停止した事で、今ようやくその顔がはっきり見えた。
「うそ、なんで、あなたが…」
 見間違える筈が無い。今まで何度も私の前に立ち塞がったあの子の顔を。
「自称“怪盗ガジェット”、窃盗の現行犯で、逮捕するわ」
「あなた、ハツミ警部なの?」
「ええ」
「その身体は…まさか」
「察しの通りよ。私は、あなたを逮捕するために、あなたと同じになったの」
431389:04/11/30 02:04:46 ID:nYWPnIGg
>>426
>>427
どうもです。
もしも絵師の方が描いてくれたりしたら、漏れはきっと飛び上がって喜びます
432名無しさん@ピンキー:04/12/02 01:01:00 ID:BBL0Dp+1
うむむ。萌えなだけじゃなく、よくできてるな。応援しまつ。
433名無しさん@ピンキー:04/12/02 01:55:16 ID:tN/3TDwG
GJ、この先も楽しみにしてますよ。
434389:04/12/03 01:32:13 ID:svjFiiKd
4−4

「なんで、なんで、どうして…!」
 私を捕まえるために…私のせいで、あの子は機械の身体になってしまった。
(私の責任なの? あの子から人間の身体を奪ったのは、私なの?)
 勝手に自分からサイボーグになったあの子を、憎いとさえ感じた。
(ただでさえ苦しんでいる私に、他人の肉体を奪った責任まで背負わせて、更に苦しめようというの!?)

「どうして!? どうして私なんかのために、身体を捨てちゃうの!?」
(私みたいなつまらない存在…ただの道具のために身体を捨てるなんて)
「“私なんか”ですって…!? あんたは、自分の罪の大きさが分かっているの!?
考えてみなさい、“持っていた石板があんたに目を付けられた”という偶然のためだけに、
理不尽な苦しみを味わった人たちのことを!」
「やめてーーっ!!」
 地を思い切り蹴り、右手を振るう。分厚い床も切断するレーザーの刃を、あの子の首めがけて振り下ろした。
 そう、私は悪くない。私は“あの女に目を付けられた”だけの偶然で苦しんでいる被害者なんだから。
 あの子が機械の身体になっても、あの子をここで殺してしまっても、それは私の責任じゃない!
435389:04/12/03 01:34:38 ID:svjFiiKd
4−5

 振り下ろしたレーザーの刃が首を両断するその寸前、白い残像を残してあの子の姿が消えた。
「えっ…」
「遅いわ。普通の人間ならともかく、私はあなたと同じなのよ」
「う…ああああ!」
 もう一度跳びかかる。
 正面から切り込むと見せかけて、寸前で再上昇し、頭上を飛び越えつつ姿勢を反転して、後頭部に…!
「そんな動き、見え見えよ」
「えっ?」
 あの子の掌が私を向く。直後、その掌の中央から爆発したように網目模様が広がった。
「きゃああぁぁ!」
 空中で私の身体は網に絡め取られ、地面に墜落した。
 前回と同じ強化鋼線の捕獲網。
 でも、鋼線には絶縁コーティングが施されているらしく、スタンガンは通じなかった。
436389:04/12/03 01:36:50 ID:svjFiiKd
4−6

「スラスターを得た人間がどういう動きを思いつくか、私は自分の身をもって知っているわ。
あんたの心理などお見通しよ」
 あの子が勝ち誇った顔で私を見下ろす。
(私の…心を?)
「ふざけないで!! あなたに…私の心が分かる筈なんて無い!」
「……?」
「あなたと私は同じなんかじゃない。私の…道具でしかない存在の苦しみなんて、あなたには…!」
 レーザーで網を切り払う。
 そのままあの子に跳びかかり、ひと息に右手肘を切断し、
「なっ!?」
 その断面に直接電撃を叩き込んだ。
「きゃあああぁ!!」


 黒煙を上げ、動かなくなったあの子の身体を見ないように、私は石板を抱え上げた。
 あの子は死んでしまったのか、それともまだ生きているのか分からない。
「私じゃない…悪いのは私なんかじゃ…」
 うわ言のように呟きながら、私は走り出した。
 あの子や警察とは別の、人を殺したかもしれないという恐怖から逃れるように。
437389:04/12/03 17:04:21 ID:svjFiiKd
5−1

 腹部、背面、脚部、腕部、後頭部。
 全身の各所にある整備用ハッチが一斉に開き、機械と回路の詰まった私の内部をさらけ出す。
 試験運用機である私は、毎日一回メンテを兼ねたチェックを受ける事になっている。
 正直、この日課は好きではない。
 捜査に没頭すれば忘れていられる身体の事を否応無しに実感させられるからだ。

 アイツとの“初対決”から一週間経った。
 結果は黒星。おまけに私の身体は右腕全壊、肩から胸の電子機器丸焦げという有様。
 幸い脳に別状は無く、パーツを交換するだけで私の身体は元通り修復できた。
 でも、犯人逮捕に失敗したという事実、そしてアイツの残した言葉が私を責め立てる。
『私の…道具でしかない存在の苦しみなんて、あなたには…!』
 あれは本心だ。私の刑事としての勘がそう言っている。
 つまり、黒幕は別にいる。アイツも被害者だったのだ。
「それなのに、私は、なんて残酷な言葉を…」

「あっ、あの、警部」
 機能チェックを終え、捜査本部へ戻ろうとする私を、カズヒロ技術官が呼び止めた。
「なに?」
「いえ、警部がメンテ中ずっと悩んでいるように見えたので。その、ひょっとして後悔してるんじゃないかと…」
「後悔って、この身体のこと?」
 思わず肩をすくめる。
「意味の無い質問はしないで。後悔してたら何だっていうのよ。元の身体に戻してくれるの?」
 もちろん、元の身体に戻るなんて出来るわけが無い。
「い、いえ…すいません」
 黙ってしまった部下に背を向けて、私は整備室を後にした。

(何言ってるのよ私…彼は心配して声をかけてくれたのに)
 やっぱり、彼の言う通り私は後悔しているのだろうか。あれだけ後悔しないと誓ったのに…
438389:04/12/03 17:05:34 ID:svjFiiKd
5−2


「あ、警部! お待ちしてました」
 廊下に出ると、部下の刑事がなにやら興奮した様子で走り寄ってきた。
「どうしたの、何か進展があったの」
「はい、重要な報告が二点。一つは一連の石板についてです」
 差し出された報告書を受け取る。
「ヤツの集めている石板は、超古代文明の遺物と言われているそうです」
「超、古代文明…?」
「なんでも、先史時代に現代をも凌駕するテクノロジーで世界中を支配していた、とか。
それでですね…あの石板にはその文明が生まれてから繁栄を極めるまでの物語が綴られているんだそうです。
例えば、一枚目は“狩りをする者”二枚目は“耕す者”そして、文明が発展してくると“商う者”…」

「ストップ。要点だけ話してくれる?」
「あ、はい。結論を言いますと、あの一連の石板は全部で十二枚存在するんだそうです」
「十二枚!? じゃあ、前回が十一回目の犯行だから」
「そうです。残る一枚、“覇王”の石板で最後です」
 つまり、おそらく次がアイツの最後の犯行になる。
 アイツは自分のことを「道具」だと言った。用済みになった道具にはどんな運命が待っているのだろうか。
「で、警部、もう一つの報告ですが…」
 部下が封筒を手渡す。
「ヤツからの予告状が届きました。狙いは覇王の石板だそうです」
439名無しさん@ピンキー:04/12/03 20:04:52 ID:8IVfZm/P
すばらC!ネ申でつな!
440名無しさん@ピンキー:04/12/05 03:09:42 ID:ACSlX0Ds
保守あげしとこう
441名無しさん@ピンキー:04/12/05 19:38:49 ID:1HWlQL+I
 保守sageしとこう
442名無しさん@ピンキー:04/12/06 20:58:06 ID:8FzBdoQS
巨大な敵がでるわけでもない、ましてや本人が巨大な力を持っているわけでもない、
全く普通のサイボーグ少女(外見上は生身の人間と一緒)の日常を淡々と描くってのは
どうですか?
サイボーグだと分かって彼氏に振られて号泣とか、お誕生日会で、みんな楽しく
料理食べているのに一人だけ寂しく栄養カプセル飲んで陰でしくしく泣いたりとか
同じ境遇のサイボーグのお友達と心の傷をなめ合ったりとかそういうやつ。
443名無しさん@ピンキー:04/12/07 21:54:56 ID:M1Sxt0vl
>>442
イイんでないかい
444名無しさん@ピンキー:04/12/08 01:19:32 ID:rYbs43t+
>>443
じゃあ気が向いたら書いてうpしてみよう。
いつになるか分からんけど。
445389:04/12/08 02:11:13 ID:TQ7VjJql
6−1

「起きなさい、仕事よ」
 あの女の声が、安らかな眠りの終わりを告げた。
 また、死の恐怖と罪の意識に苦しむ現実が始まる。
 私はゆっくりと目を開いた。
「あれ…?」
 なにか、いつもと違う感じがした。
 両腕が重たく感じる。視点がいつもより高い気がする。 
「どう? 気に入ってもらえたかしら、その手足は」
「手足………なっ、何これ!?」
 少女の形をした私のボディから、不釣合いなほど大きい手足が生えていた。
 太く、長く、ゴツゴツした四肢を持つ私は、まるで悪鬼にでも化けてしまったようだった。
「見ての通り、隠密性と機動性を犠牲にして、破壊力を増大させてあるわ」
「そんな、どうして私をこんな姿に…!?」
 私は思わず目を閉じた。ますます人間からかけ離れてしまった自分の身体を見ないように。
「あの警察の雌犬に対抗するためよ。前回とどめを刺していれば、こんな面倒は無かったというのに」
「えっ、あの子は生きてるの!?」
 喜びを隠し切れない私に、女はあの邪な笑顔を向けた。
「…嬉しそうね」
「あっ…それは、その…」
「やはり、さらなる調教が必要ね。躾の基本は“飴と鞭”…
自爆装置という鞭に加えて、とびっきりの飴をプレゼントしてあげるわ」
446389:04/12/08 02:11:57 ID:TQ7VjJql
6−2

 カチリと、首筋の端子にプラグが差し込まれる。
「なっ、何を…」
 言い終える前に、私の身体に何か衝撃のようなものが走った。
「!!!………っ…あっ!」
 頭の中が真っ白になる。身体に力が入らない。
 ぐらりと、床に倒れこんだ。
「っ……はぁ……ああ…ぁ」
 つま先から頭頂部まで、私を貫いた衝撃は熱い余韻を残し、
それはやがて、どこかで感じた事のある喜びに変わった。
「ふふ、随分とお気に召したようね。昔のお前も、そのような姿で行為に励んでいたのかな?」
「え…?」
 二回りも大きくされた私の手は、無意識のうちに、胸と下腹部を撫で回していた。
「そ……そんな…」
 今はただ固い金属の殻があるだけの部位に、あの恥ずかしい器官がよみがえったような錯覚。
「その首筋の端子は、お前の脳に繋がっている。性感を直接脳に入力するなんて簡単なことよ」
 女が愉快そうに私を見下ろしている。
「……性感……これが…?」
 信じられない。
 昔、皮膜を剥いて肉珠に直接触れてみたときも、
 中への入り口におそるおそる指を差し入れてみたときも、こんなに感じる事など無かった。
 だから、こんな激しすぎる衝撃が、性感だなんて…
「ふうん、なら、もっと味わって確かめてみなさい。何度でも、ね」
「……っ!?」
447389:04/12/08 02:12:42 ID:TQ7VjJql
6−3

「ぁああぁぁぁ!!」
 衝撃が、何度も何度も、私の身体を蹂躙する。
 もう言葉も浮かばない。悲鳴とも歓喜ともつかない叫び声が、途切れることなくあふれ出る。
 生身の身体なら、悶えるあまり呼吸も出来ずに窒息していたに違いない。
「イイでしょう? なにもかも忘れて、いくらでも感じられるなんて、サイボーグの特権よ」
「あ…ぁ……」
「このまま続けて欲しい?」
 女が笑顔のまま私を焦らす。
「う…う…」
 信じられない事に、私は、首を縦に振っていた。
「正直ね。いいわ、心ゆくまで味わいなさい」
 再度、私の身体が痙攣する。
 息も切れず、のたうつ身体は疲れを知らない。
 歯止めの利かない私は、ただひたすらに快楽をむさぼり続けた。


「ここまでよ」
 不意に快感が途切れた。
「えっ…」
「まだ欲しいというの? こんなに楽しんだのに、まだ足りないの?」
「も、もっと…もっと…!」
「そうね。なら一つ条件があるわ。簡単なことよ」
「…?」
「今まで通り、今回も石板を持ち帰る事。たとえ警官を殺すことになっても、ね」
448389:04/12/08 02:33:36 ID:TQ7VjJql
>>432
>>433
>>439
ありがとうございます。

>>444
それ萌えです。楽しみです。
449名無しさん@ピンキー:04/12/08 19:15:34 ID:SKI3jOpV
389氏

>>415
>スッとメスが沈み込み、下腹部まで一文字に私の身体を切り裂いた。 あの女が、
裂け目から無造作に私の中身を引きずり出していく。五臓六腑だけでなく、
切断された肋骨や背骨まで、私が私として 生きるために必要なものを。
抜け殻となった私の身体の上から、機械の群れがゆっくりと下りてきた。
自動車か何かの部品としか思えない、とても私の一部になるなんて認める ことの
出来ないガラクタ。 それらが一つずつ順番に、私のお腹に納まっていく。

↑から、

>>416
>真っ黒い身体。いつの間に着替えたのだろう、確かこんな服は持ってなかったけど。
両手でその服に触れてみる。 お腹に触れた指が、かちゃりと鎖のような音を
立てた。
「え?」
よく見ると、黒いのは服の色ではなかった。 鈍い金属の輝きを持つ漆黒のボディ。
冷たく硬い金属の外骨格。それが私の身体だった。

↑までを、

>>414
>「そう、その若くてしなやかな身体を切り開いて、硬い金属の機械を埋め込む。
そして、その瑞々しい皮膚を剥いで、冷たい金属製の外骨格を被せる」

↑で片付けずに「金属製の外骨格を被せる」ところを、もうちょっと
絡んで触れてもらえると激萌なんで津が。
389氏、今後に是非検討を・・・。
450名無しさん@ピンキー:04/12/08 19:40:03 ID:TcBd6ORA
>>作者様、激萌えでつ。話も面白いし、随所にフェチ心溢れる描写がちりばめられてて、興奮が止まりません。今後も期待してまつ!!
451名無しさん@ピンキー:04/12/08 20:07:53 ID:6mLlg4rZ
>>449

>>393 辺りでも指摘されているけど、とりあえずは作者さんに任せようよ。
凄い展開になっているところだし。
452名無しさん@ピンキー:04/12/09 00:41:07 ID:Zj+zJ4Sm
「だあー、しまったあ!」
気が付いたら時計は9時半をまわっていた。
待ちに待った初デート。普段は時間にとてつもなくルーズな私めだが、
今回ばかりは絶対遅刻しないぞ、と誓ったのに。
心臓なんかとっくに無くなったこの体だけど、やっぱり心はドキドキしちゃって
昨日寝付けたのは午前三時。そりゃあ、寝坊も無理は無いよね。
体内時計機能をつかえば良かったと大後悔。普段は自分が人間じゃなくなった
気がして絶対使わないのだけど、こんな特別な日はプライドなんか捨てて、
この体のちからを充分に生かせば良かった・・・
約束の時間は10時半。まだ急げば間に合う。化粧はちょっと恥さらしても
電車ですればいいよね。
この日のために思い切って買い込んだかわいらしい服を消防士顔負けの速さで身に付け
ると、バックにさしあたって必要と思われるものを手当たり次第かきこんで
家を出た。ここまで五分。まだ間に合う。まだ間に合う。
駅までは普段はゆっくり歩いて15分なんだけど、今日は全速力。いくら走っても息切れもしない、汗もかかないこの体が今は有難い。
カップラーメンが出来上がるくらいの時間で駅について、自動券売機で切符を買おうとしてハタと気が付く。
「さいふ・・・忘れた・・・・」
思わずその場にペタリ。昔だったら、こんな時涙が出てたな、そういえば。
453名無しさん@ピンキー:04/12/09 00:42:38 ID:Zj+zJ4Sm
気を取り直して何かないかとバッグにサイフ、穴という穴(おいへんな意味じゃ
ないぞ、コラ)を探しまわると、救いの神のようにバックの内ポケから500円硬貨
が登場。
(助かった)そう思って切符を買おうとしたんだけど、運賃表を見てまた青ざめる(いや
いまの身体で青ざめるなんてことは絶対ないんだけど、気分として・・ね)
30円足りない・・・。目的地までは530円、何度確認しても530円。
ふと思い立った私は駅員さんのいる切符売り場に行ったのです。
手に取るは障害者手帳。
「すみません、あのう、これで・・・」
最後のほうは、ごにょごにょ言葉を濁してしまう。つらいつらい一瞬だ。
手帳を見た駅員さんは、ぎょっとして私を見て、ふと憐憫の表情を浮かべて
すぐ目をそらす。
この手帳を見た人の反応はみんないっしょ。ああ、かわいそうだな・・なんて
冗談じゃないよ!!!
私の障害者手帳には「義体化一級」なんて文字がご丁寧に赤字で書いてある。
義体化一級というのはつまり何でしょう、えと、自分の持ち物は脳みそだけってことです。
あとはぜーんぶ機械なの。
サイボーグ技術が日進月歩の昨今だけどさすがに一級という人はあまりいないみたい。私の知る限りはね。だけど日常生活には何一つ不便はないし、普通の人より便利な身体
だなって思う事も結構あるのに障害者手帳は逆差別だよね。
と、いうことで私は極力これは使わない。今みたいな非常事態を除けばね。
時には今日のように半額で切符が買えたりする役得もあるけど、さっきみたいな
何ともいや―な反応と引き換えだよ。黙っていれば、普通の人と見かけは何も
かわらないんだから、多少お金を払ったって、できれば手帳は使いたくないものです。
454444:04/12/09 00:44:23 ID:Zj+zJ4Sm
こんな感じでどうでしょう。
評判いいならまた書いてみます。
いつになるか分からんけど。
455名無しさん@ピンキー:04/12/09 21:19:02 ID:r/J67WeM
>>444
いいですね。先を読んでみたいです。
456名無しさん@ピンキー:04/12/09 21:19:56 ID:r/J67WeM
アンカー間違えた・・・
457名無しさん@ピンキー:04/12/09 21:20:27 ID:r/J67WeM
>>452>>453ね。
458名無しさん@ピンキー:04/12/09 22:18:36 ID:Gu5QFv1a
>>454
なるほど、障害者としての視点ですか。
目新しくていいと思います。先の話も是非書いて下さいな。
459444:04/12/10 01:01:47 ID:c49KyB54
>>455>>458
そう言っていただけて本当にありがたいっす。
近日中にはデート編続きとか就職活動編とか書いてみたいです。
お話なんか書くのは初めてで怪盗先生には遠く及びませんが
生暖かい目で見守って下さい。

460389:04/12/10 23:21:10 ID:e3HByMx7
7−1

“古代石板連続盗難事件”最後の夜。深夜零時を待たず、異変は起こった。
「総員退避! 壁面及び石板から離れなさい!」
 コンクリートの壁が砕け散る。めくれた鉄筋の向こうから、ゆっくりとアイツが姿を現した。
「ば、化け物…!?」
 部下達が悲鳴を上げる。
「下がっていなさい! 私でも、アイツを止められるかどうか…」
(今まで何度も何度も裏をかかれてきたけど…でも、まさか、こんなのってアリなの!?)
 独りで石板の前に立ち塞がる。
「自称“怪盗ガジェット”、あなたに投降を勧めるわ。あなたは誰にどんな弱みを握られて…」
「邪…魔…!!」
 黒い巨体が腕を振り上げる。
「なっ!?」
 間一髪。
 鉄槌のような拳が、私の立っていた床を粉々に砕いた。
(説得が、いや、言葉が通じていない!?)
「石…板……これで…もっと、もっと…気持ちよく…」
 アイツは道をあけた私には目もくれず、何かに憑かれたように石板を求めている。
 その顔には、恍惚ともとれる表情が張り付いていた。
461389:04/12/10 23:22:58 ID:e3HByMx7
7−2

「このっ…お願い、止まって!!」
 十回目の捕獲網を射出する。
 以前なら確実にアイツを束縛できた強化鋼線は、巨人のような腕に容易く引き千切られた。
(一体どうすれば…)
 アイツが石板を強奪し、力任せに包囲網を突破してから、既に十キロは過ぎていた。

「あなた知ってる!? 石板はこれで最後なの。これを持ち帰ったら、あなたは用済みになってしまうの!」
 私は必死にアイツの背中に呼びかける。
「私はあなたに死んで欲しくないの! だから止まって、お願い!」
「………あなた…しつこい」
 返ってきたのは、明確な殺意だった。
「…えっ?」
 アイツが急減速で停止し、石板を地面に置く。
 そして、岩山のような肩に仕込まれた戦斧を抜き、構えた。
「そ、そんな…」
 アイツは操られているだけの被害者だ。それが分かっている以上、私達が戦う理由は無いはずなのに…
「…ぁ…あああ!」
 戦斧が唸る。ガードレールが寸断され、路面が砕け、電柱が薙ぎ倒されていく。
 ただひたすらに振り回されるだけの戦斧をかわす事は不可能じゃない。
 でも、捕獲・拘束用の武装が通じない以上、この戦いに終わりが見えなかった。
462389:04/12/10 23:27:12 ID:e3HByMx7
7−3

「ご苦労。確かに石板は受け取ったわ」
 不意に、遥か頭上から私達を嘲るような声が響いた。
「えっ!?」
「あ…」
 私達の動きが止まる。
 夜空を見上げると、いつの間にか一機のヘリコプターが私達を見下ろすように浮遊していた。
「しまった、いつの間に!?」
 戦いの直前、アイツが地面に置いた石板が消えている。
 ヘリから垂らされたクレーンが、石板を空高く釣り上げていた。
「ああ……ご、ごほうび…を」
「そうね、お前にはご褒美をあげる約束だったわね」
 顔こそ見えないが、その声だけで奴の悪意が恐ろしいほど感じ取れた。
「待ちなさい! 何を…」
『自爆装置、起動。爆発まで、あと、三十秒』
 アイツの身体から、最悪の結果を知らせるものが聞こえた。
463389:04/12/10 23:30:53 ID:e3HByMx7
7−4

「せっかくだから、ついでに正気に戻してあげたわ。
惚けたままでは、一生に一度しかない瞬間も充分に味わえないものね?」
 ヘリが去っていく。
 戦斧が力無く地面に落ちる音が聞こえた。
「う……うそ、でしょう…?」
 アイツの顔が感情を取り戻していく。恐怖という単一の感情だけを。
「い、いや…私、こんなところで…こんな姿で、死ぬなんて…!!」

 私は決断した。
 アイツの足元から戦斧を両手で取り上げる。
「ごめん! 私を信じて!!」
「えっ……!?」
 説明している時間など無い。
 思い切り地を蹴って跳躍する。
 戦斧を握る両腕に全力を込め、アイツの首めがけて振り下ろした。
464389:04/12/10 23:43:37 ID:e3HByMx7
>>450
ありがとうございます。
>>随所にフェチ心溢れる描写がちりばめられてて
スレの皆さんがネタを積み重ねてきたおかげです。

>>444
乙です。萌えです。続きが気になります。
465名無しさん@ピンキー:04/12/11 22:46:56 ID:2ydQC2KN
電車は幸い空いていた。と、なれば電車の中ですることは一つだけ。
バックをあけてコンパクトを取り出す。眼鏡をはずして薄めにお化粧。
ああ、最近の若い娘は電車の中で化粧なんてして恥を知らんのか
なんて周りの人は思ってるんだろうな。
恥ずかしいに決まってるだろ!!でもデートにすっぴんで行くなんてもっと
恥ずかしくて乙女の私にはとてもできません!!しょうがないじゃん許してね。
しかし、この身体になってから化粧は正直楽になったわ。なにしろ万年血色良好
(ホントは血の一滴もかよっちゃいないんだけどね)に見える作り物の肌なんだから。
どんなに寝不足でも眼の下のクマなんてできることはないし・・・汗で化粧が落ちる
こともないし・・・ははは。
あっ、そうそう私の視力は右も左も0.1、なので普段は眼鏡をかけてるんだ。
義体化一級の身体のくせに眼鏡かけてるなんて変でしょ?
目だってもちろん義眼だから、ホントは視力2.0でも5.0でもお好みで
設定できるんだけど、でも私はあえて0.1に設定してるんだ。
だってホントの身体を持ってた頃の私は目が悪かったのね。その頃の感覚を
忘れたくないからわざとそうしているの。そうしたからって、自分の身体が
戻ってくるわけでもないのにへんなこだわりだよね。我ながらそう思うわ。
お医者さんもそんなことするより、早く新しい身体になじむように努力
しなさいって、そう言えばこの身体になりたての頃言ってたっけ。

結局終点まで座っちゃった。立っていても別に疲れるわけでもない私が
生意気にも座席を占領しちゃいました。ごめんなさい。
腕時計で時刻を確認しようとして、それも忘れたことに気がついたので
体内時計機能で現在時刻をチェック。10時27分32秒だって。
オッケーオッケー、ギリギリ間に合った。
北崎君もう来てるかな?
466名無しさん@ピンキー:04/12/11 22:47:06 ID:2ydQC2KN
電車は幸い空いていた。と、なれば電車の中ですることは一つだけ。
バックをあけてコンパクトを取り出す。眼鏡をはずして薄めにお化粧。
ああ、最近の若い娘は電車の中で化粧なんてして恥を知らんのか
なんて周りの人は思ってるんだろうな。
恥ずかしいに決まってるだろ!!でもデートにすっぴんで行くなんてもっと
恥ずかしくて乙女の私にはとてもできません!!しょうがないじゃん許してね。
しかし、この身体になってから化粧は正直楽になったわ。なにしろ万年血色良好
(ホントは血の一滴もかよっちゃいないんだけどね)に見える作り物の肌なんだから。
どんなに寝不足でも眼の下のクマなんてできることはないし・・・汗で化粧が落ちる
こともないし・・・ははは。
あっ、そうそう私の視力は右も左も0.1、なので普段は眼鏡をかけてるんだ。
義体化一級の身体のくせに眼鏡かけてるなんて変でしょ?
目だってもちろん義眼だから、ホントは視力2.0でも5.0でもお好みで
設定できるんだけど、でも私はあえて0.1に設定してるんだ。
だってホントの身体を持ってた頃の私は目が悪かったのね。その頃の感覚を
忘れたくないからわざとそうしているの。そうしたからって、自分の身体が
戻ってくるわけでもないのにへんなこだわりだよね。我ながらそう思うわ。
お医者さんもそんなことするより、早く新しい身体になじむように努力
しなさいって、そう言えばこの身体になりたての頃言ってたっけ。

結局終点まで座っちゃった。立っていても別に疲れるわけでもない私が
生意気にも座席を占領しちゃいました。ごめんなさい。
腕時計で時刻を確認しようとして、それも忘れたことに気がついたので
体内時計機能で現在時刻をチェック。10時27分32秒だって。
オッケーオッケー、ギリギリ間に合った。
北崎君もう来てるかな?
467444:04/12/11 22:52:29 ID:2ydQC2KN
はいはい、早速二重投稿ですね。申し訳ないです。
>>389
いつも楽しく読ませてもらっています。というか私のほうこそ
続きが気になります。
拙作につき続きが気になると言って下さったのでかなり緊張していますが
続きの電車車中編、というか独白ですね。かなりの地味話ですが
こんなのでいいんだろうか?
468名無しさん@ピンキー:04/12/11 23:58:19 ID:TTVvZB2T
SSw書く上でのちょっとしたアドバイスを。
 
・段落ごと、あるいは「」を使用する時は一つ空白行を入れる。
 なお、2chブラウザに対応させるために空白行にはスペースを一つ入れておく事。
 
・一行の中に複数のセンテンスがある場合は「。」と次の文の間に
 半角スペースを一つ入れる。
 
>>463の一部を勝手に引用させていただきますと
 
>「せっかくだから、ついでに正気に戻してあげたわ。
>惚けたままでは、一生に一度しかない瞬間も充分に味わえないものね?」
> 
> ヘリが去っていく。
> 戦斧が力無く地面に落ちる音が聞こえた。

>「う……うそ、でしょう…?」

> アイツの顔が感情を取り戻していく。 恐怖という単一の感情だけを。

>「い、いや…私、こんなところで… こんな姿で、死ぬなんて…!!」
 
このようになります。
こうすると文章がずっと読みやすくなりますのでお試しあれ。
では続きを期待させていただきます。
469名無しさん@ピンキー:04/12/12 02:11:36 ID:9RzJChGD
「電車男」ならぬ「電車機械女」GJ!(・∀・)
470名無しさん@ピンキー:04/12/12 06:26:46 ID:qaZE8pGQ
盛り上がってきましタナー
はげしく萌えGJ!!!
個人的にはハッピーエンドきぼんぬ。
あくまで個人的にはだけど。
471名無しさん@ピンキー:04/12/12 06:30:08 ID:qaZE8pGQ
そういやかなり前にも障害者なサイボーグ娘ってネタがうpされてたが
このテのネタのサイボーグものは世間じゃほとんど見られないからもっと読みたいな。すごく。
472名無しさん@ピンキー:04/12/12 19:59:04 ID:nmzcei8o
>>389
激萌えでつなー。主人公がかわいそうなのがいいです。未来ある女子高生が改造されて強盗の道具にされてしまうというだけで萌え。さらに卑猥な機能を付けられた上、より惨めな姿に改造され(*´Д`)ハァハァ
いよいよ自爆装置まで起動。ただの機械として、今後どんな悲惨な虐待を受けるのか、わくわくしまつ。(*´Д`)ハァハァ
473名無しさん@ピンキー:04/12/12 21:29:20 ID:au0+EQS/
女子高生が改造されるとことか初めて泥棒サイボーグにされた姿、再改造後の人間離れした姿を想像すると(*´Д`)ハァハァ
絵師降臨きぼんぬ。
474名無しさん@ピンキー:04/12/13 02:07:49 ID:qDAJlGnC
>>473
女子高生がブルマ姿で無理矢理サイボーグ化(*´Д`)ハァハァ哀れで(・∀・)イイ!
475名無しさん@ピンキー:04/12/13 19:38:24 ID:NPBBiQw7
萌えまくりhoshu
476389:04/12/14 01:35:11 ID:T5JfZBt1
>>皆様
賛辞ありがとうです。

>>468
アドバイスどうもです。でも、「」ごとの改行は、改行多すぎエラーが出そうなんで多分無理です…
同行内の句読点後や、空白行のスペースは入れさせて頂きます。
477389:04/12/14 01:36:58 ID:T5JfZBt1
8−1

 幸いアイツに仕掛けられていた自爆装置は胴体の方にあり、戦斧で強引に切り離した頭部は無事だった。
 でも、生体脳維持装置が止まったままでは、結局アイツは…アイツの脳は死んでしまう。
 それを防ぐ方法は、現段階では一つしかなかった。
 
 アイツは今、私の中にいる。
 私の脳と維持装置を共有して、私の胸の中に納まっているのだ。
「ありがとう、カズヒロ技術官。 おかげで、彼女を救うことが出来たわ」
「いえ。 でも、警部が容疑者の首を抱えてきたときには、さすがに腰が抜けました…」
 互いに苦笑する。
「それで、彼女と“会話”が出来るようになるのは、いつ頃なの?」
「はい。 今、容疑者の脳は極度のストレスで昏睡している状態ですから…
目覚めさえすれば、いつでも尋問できる筈です」
「そう。 早く目覚めてくれるといいけど…」
 
 自分の胸に視線を落とす。
 既に各種の機器で一杯一杯だった私の中に、急遽アイツの脳を詰め込んだせいで、
私の胸部は大きく膨らんでしまっている。
 期せずしてスタイルが良くなったわけだけど、何だか見栄を張っているようで、かえって恥ずかしい。
 かといって、お腹なんかに脳を入れたら、それこそ妊婦のようになってしまうのだけど…
「とりあえず、しばらくは安静にお願いします。 万が一、容疑者に負担がかかるといけませんから」
(…なんだか、本当に妊娠したような気分ね)
 タイミングを合わせたかのような技術官の言葉に、思わず苦笑してしまった。
 でも、ふと思った。 自分の中にもう一つの命がある。 この感覚はまさに妊婦のそれなのではないだろうか。
(今までの人生で、自分の妊娠なんて想像したことも無かったのに、
機械の身になってその感覚を味わうことになるなんて…)
 なんだか、とても滑稽な気分だった。
478389:04/12/14 01:39:39 ID:T5JfZBt1
8−2

「それにしても何者なんでしょう、容疑者をこんな目にあわせた女は」
 そう呟いたカズヒロ技術官の顔は、暗く沈んでいた。
「やっぱり許せないの? 同じ技術者として」
「うちは代々技術者の家系ですが、“人の道を踏み外す無かれ”と教えられてきましたから。
…道に背いた肉親が勘当されたのも見ていますし」
「それは、随分と厳しいのね」
「ええ。 自分たちへの戒めとして、ある家宝を代々大切に受け継いでいるほどですから」
「家宝?」
「古代の石板です。 なんでも、超古代文明が自らの技術力に溺れて滅亡する様子が書かれた…」
 
「ちょっと待って、石板!?」
「え、ええ…」
(まさか、石板は十二枚で全部じゃなかった!?)
「見せて! それはどこにあるの!?」
「うちの家にありますが、今はまだ夜明け前で…」
「ごめん、すぐ見たいの、案内して!」
 彼の身体をひょいと持ち上げる。
「うわっ、わ!? ちょっと警部…!?」
 軽くパニックを起こしている彼を抱えて、窓から暁闇の空へ飛び出した。
479389:04/12/14 01:54:50 ID:T5JfZBt1
8−3

 十三枚目の石板は、和室の床の間に飾られていた。
「確かに…この古代文字、一連の石板と同じだわ。 お手柄よ、カズヒロ技術…」
 振り返ると、彼はまだ肩で息をしながら畳の上にへたり込んでいた。
「あ、ごめんなさい。 そんなに怖かった?」
 彼の顔はかなり上気しているように見える。
 さすがに屋根から屋根へとブースター全開で跳んでいくのはまずかっただろうか。
「いえ…それもありますけど…その、警部に抱っこされるというのは、さすがに、なんといいますか…」
「え? おんぶは背面のブースターで大火傷するからまずいでしょう?
落っこちるのが怖かったら、帰りはもっとしっかり抱いてあげるけど」
「っ!!……も、もういいですっ!
……そうですよね、捜査に夢中になって他の事に気が回らなくなるのは、警部のいつもの癖ですし」
「…?」
「…と、とにかく、警部は安静にお願いします。 容疑者の脳を抱えてるんですから」
「分かってるわ。 分かってるけど、早くこの石板を考古学者に分析してもらわないと…」
 カズヒロ技術官が大きな溜め息をつくのが聞こえた。
480444:04/12/14 09:43:56 ID:1US/BAS0
「おーい、八木橋さん、こっちこっち」

北崎君は改札横の喫煙所で煙草吸いながら待ってた。 あわてて走る私。

「ごめんごめん、待った?私、急いで来たから財布わすれちゃったよ。 申し訳ない」
「大丈夫。 お金は俺が出すから心配するな」
「その代わり映画のチケット割り勘のつもりだったけど、 私がもつね。
何から何まで払わせちゃったら悪いもんね」

はなっから男の金を目当てにしていたと思われるのも嫌なので、 すかさずフォロー
するあたり、 私もさすがだよね。
『新しい愛のカタチ』
今日のデートの表向きの目的はこの映画を見ることなのでした。
事故で身体を失ってサイボーグになった少女と、 そのリハビリを担当した
若い医師のラブストーリーなんだって。 いま、ちまたで結構はやっているみたい。
ちょっと前までは障害者・義体化一級の存在なんてタブーに近かったのに、
今じゃこんな映画をやるようになるなんて、 世の中ずいぶん進歩したよね。
いい傾向だ。 うんうん。
でまあ、裏向きの目的としては、この映画をダシに北崎君のサイボーグへの
認識を聞いてしまおうなんてズルいことを考えています。 北崎君とは、この前
合コンで知り合ったばかりなんだけど、 同じ大学の医学部義体工学科の人なんだって。
ということでその時の合コンでサイボーグネタで意気投合した私たちは、 一緒に
この映画を見に来ることになったのね。 彼は私のことをまだ、 サイボーグネタ好き
の普通の女の子と思っているみたいだけど・・・ 彼の反応次第では自分のこと
カミングアウトしてもいいかなと思ってるよ。義体工学科の人なんて普通の
ひとよりサイボーグに対して理解ありそうだから期待していいよね。
481444:04/12/14 09:52:45 ID:1US/BAS0
映画は結構よかったよー。 私なんて自分の身体が身体だけに、 主人公の女の子に感情移入しちゃったな。
サイボーグの心理描写なんて 「うんわかる、わかる」 って感じだったもんね。泣きたくても泣けない身体なのが残念。

で、 映画を見た後で二人は喫茶店に流れるわけだ。 お決まりのデートパターン
だね。 二人してコーヒーを注文して、 しばらくは他愛もない世間話になるんだけど
ふとした瞬間に自分の正体がばれそうになって、 ギクリとしました。
「いま、何時だっけ」
私の帰りの時間を気にした北崎君がふといった。 夕食は用事があるので帰ると
あらかじめ言ってあったのだ。 ホントは用事なんてないけど、 この栄養カプセル以外は
何一つ口にできない身体でレストランに行くのは、 拷問以外の何者でもないからね。
「15時37分22秒でしょ」
不意に問われたので思わず即答してしまった。答えてからしまったと思う。
「ほんとだ。 あってるよ。 スッゲー。 八木橋さん何で時計も見ないで分かったの」
「いや、 ただなんとなく、 山勘かな? へへへ」
背筋を冷たいものはちっとも流れなかったが、 精神的冷や汗をかいた一瞬。
「ごめん、コーヒー嫌いだった? 紅茶にすればよかったかな?」
北崎君はカップに一口もつけない私に気を使って言ってくれたのかもしれない。
ギクギクッ! 残念はずれ! 嫌いじゃなくて、そもそも飲めません。
「そんなことないよー。まだ喉がかわいていないだけ」
我ながら苦しい言い訳だよね。 カップじゃなくてマックのアイスコーヒーみたいに
紙コップでコップに蓋がついてる店にすればよかった。 あれ飲んだふりができるから
友達と行くときには重宝するのよね。
北崎君がトイレにでもいった隙に隣のテーブルにでも置いて飲んだことにして
しまおう。 うん。
てことで、 自分の正体を隠すというのも、 気苦労が多いことなのだよ。 チミィ。
482444:04/12/14 10:00:51 ID:1US/BAS0
さて、 いよいよ本題に入りまうす。
「でも、北崎君は将来義体医師になるわけでしょ。 この映画みたいな恋が実際生まれちゃったりして」
「あ、 でも俺的には恋人にするのはきっついかも」
でてきたのは予想外の答え。 とまどう私。
「正直ベースで話するとさ、 事故なり病気なりで身体が機械になちゃった人は、 可哀想だな、 とは思うよ。
でも恋人とか結婚相手としてはありえないよ。 だってさ、 俺は普段から義体みているから分かるんだけど、
義体ってどんなに人間そっくりでも結局のところ機械のかたまりだぜ? 結婚したって子供ができるわけでもないし・・・。
もちろん機械の中に人間の脳が入っているってのは理屈では分かっていてもやっぱり俺には人形にしか見えないかなあ。」
(はいはい、どうせ私は人形女ですよ。)
ひょっとして私の表情あからさまに曇ったかも。 でも奴は気づかない。
「八木橋的にはどうなのさ? 好きな人がいたとしてさ、 例えばそいつが、 実は俺サイボーグなんだよね、
とか言ったらやっぱちょっと引かねえかな」
(別に引きませんが何か? 北崎君将来義体医師になるんじゃないの。 そんな、相手が人形なんて言ったら可哀想。
サイボーグだってれっきとした人間です。 あんた医師失格だわ)
そう言ってやりたかったが、 そんな勇気もなく
「うーん、そうかもしれないね」
と力なく苦笑する私。 この期に及んで生身のニンゲンであるかのように振舞ってしまう自分が恨めしい。
そこから先もまだ何か話したようなきがするが、 余りよく覚えていません。
ていうか、 忘れます。 今日の出来事はすべて。

どこでどう別れたものやら、 全部うわの空。
気がついたら駅に向かって一人で歩いてた。
冷静に考えれば北崎君の反応ってすごくフツーだよね。 誰だって機械女とつきあうのは嫌なんだよ。
気味悪いよね。 そうじゃなかったら、 私だって自分のこと隠したりなんかしない。まあ、 いつもの事だし
今日だって別に対して期待してなかったし・・・。
そんないろんな想いが頭の中でぐるぐる回る。 思いっきり泣けたらすっきりするのかもしれないけど、 泣けない身体では
イライラがつのるばかり。
で、 駅について気がつくのでした。
「そうだ、私財布忘れてたんじゃんか・・・。 どうやって帰ろう・・・」
483444:04/12/14 10:05:27 ID:1US/BAS0
デート編はあと一回だけやってそれで終わりです。

>>468
私もアドバイスをもとに改良してみましたよ。どうもです。
484名無しさん@ピンキー:04/12/14 22:44:22 ID:RpG8aXn8
>「そうだ、私財布忘れてたんじゃんか・・・。 どうやって帰ろう・・・」
歩いて帰れ。涙雨に濡れながら。




どうせ、何百キロ歩いたって疲れない体なんだから。(つДT)
485名無しさん@ピンキー:04/12/14 23:54:36 ID:W8ylcBrn
>484
雨に濡れると錆びるんだよ。

海水浴に行くと色落ちするし・・・
486名無しさん@ピンキー:04/12/14 23:55:41 ID:rT9xhz34
お二方ともGJ
487名無しさん@ピンキー:04/12/15 00:28:42 ID:57a9Ekkd
>>485
人工膣に天然精液を入れても錆びますか?
488名無しさん@ピンキー:04/12/15 22:46:39 ID:W6/kDRVo
>>389
乙。ネ申。
489名無しさん@ピンキー:04/12/16 20:08:03 ID:z9X3Z3KB
>>444
八木橋さんはセクースできる設定?
490名無しさん@ピンキー:04/12/16 23:44:37 ID:0+kGofGQ
セクースってHのことだよね。好きだよ。気持ちいいからっていうのもあるけど
こういうことするのはやっぱり自分も人間だからなんだって再確認できるから。
でも相手にとったら、ダッチワイフ(まあ最近は技術も進んでるから人間そっくりの
反応をするのもあるらしいよね。よく知らないけどさ)を抱くのと一緒だよね。
なんか騙しているみたいで心苦しいよね。


と八木橋は言ってます。まあそのへんのお話もそのうちにやりましょうか?
491389:04/12/17 00:53:23 ID:lZtjCHkH
9−1
 
 二日間の昏睡から目覚めた私は、あの子に命を救われた事と、
“肉体”に続いて“身体”まで失ってしまった事を知らされた。
 どうして私ばかりこんな目に遭うのだろう…私は、神様に咎められるような罪を犯したのだろうか。
 
『こっちでいいのね? あの女のアジトは』
 内部回線を通じて、あの子の声が直接脳に響いてくる。
『はい。あと二、三キロほど行った所の、古ぼけた研究所です』
 十一回と半、往復した森道の風景が見える。
 足が地を踏みしめ、あの女の住処へ向かっていく。
『私、こわい…』
『大丈夫。 もうあなたに爆発物は仕掛けられていないし、何か危険があっても、
私はあなたの安全を最優先に行動するわ』
『うん、でも…』
 理屈じゃない。 私が数々の拷問を受けた場所、そこに向かっているという事自体に耐えられない。
 
『見えてきたわ。あれね』
『………』
 程無くして、恐怖の象徴とも言うべき建物が、木々の間から姿を現した。
492389:04/12/17 00:54:51 ID:lZtjCHkH
9−2
 
(いやだ…こわい…)
 身体が勝手に廊下の奥へ、あの女の部屋へ進んでいく。 感覚はあるのに、自分の意思では動けない。
 私があの子の中にいるというより、あの子に取り憑かれて操られているというほうが、実感として正しかった。
 
 扉が開く。
「ようこそ。機械の婦警さん」
 あの声が無機質な部屋に響く。 壁には、十二枚の石板が方形に掲げられていた。
「よくこの場所が分かったわね…」
「余計なお喋りはいいわ、あなたには訊く事が山ほどあるもの。署の取調室でね」
「あら、窃盗容疑にしては随分と激しい敵意ね」
「黙って! あなたが肉体を奪った上に、奴隷として酷使していた娘の事、忘れたとは言わせないわよ」
(………)
「そう…機械にされた娘が可哀想なのね………なら、あたしはどうなの? あたしは可哀想じゃないの?」
『えっ…?』
 女が、その身に纏った白衣を、するりと脱ぎ捨てる。
「なっ…」
 その下から現れたのは、妖艶な顔に似つかわしい柔肌などではなく、
『私と、同じ!?』
 怪盗ガジェットと呼ばれた私と全く同じ、金属の外骨格だった。
493389:04/12/17 00:55:44 ID:lZtjCHkH
9−3
 
「自分の意思でこんな身体になりたいなんて、思うわけ無いわよね?」
「………じゃあ、誰が」
「父よ。 あたしの」
「なっ……その父親は!?」
「絞め殺したわ。 あたしが、この手で。 本当に呆気無かったわ」
「………」
「その時気付いたわ、あたしは強いんだって。 そして、それがあたしの生きる意味になった…」
「どうして、そんな…」
「身体のほとんどが金属になってしまったあたしは、自分を人間と認識できなかった。
だから人としての生き甲斐なんか持てない。 あたしの生きる支えは、機械として強さを求める事!」
 
 クレーンが女の両肩を掴んで、宙に吊り上げた。
 肩接続部から両腕が、腰接続部から下半身が外される。
「!? 何を…」
 宙に浮かぶ胸像。 その首筋の端子に、小型の装置が接続される。
『あ、あの端子は確か脳に…』
 
「あたしは遂に手に入れた。かつて全世界を支配した古代の力を!」
 突如、轟音とともに研究所が崩れはじめた。
494389:04/12/17 01:13:14 ID:lZtjCHkH
9−4
 
 研究所を振り返る。
 間一髪で脱出したその建物は、地下から湧き出す無数のパイプに押しつぶされようとしていた。
(一体、何なの……!?)
 銀色の金属光沢を持ちながら蛇のようにうねるそれは、際限無く溢れ出し山林の地形を侵食していく。
「どう? これが古代に世界を統べた覇王、“銀樹”の姿よ」
 放射状に広がるパイプ群れの中央に、あの女の姿があった。
(ひっ……)
 何千、何万もの銀の根が集束し、太く幹のように盛り上がった場所。
 その頂で、あの女の身体は樹と同化していた。
「こんなモノが、石板に記されていたっていうの…!?」
「そう、そしてこの機械と同化したあたしは、古代の技術そのもの…人間を超えたのよ!」
 私達の周囲の銀根が、一斉に鎌首をもたげる。
『に…逃げて! 早く!!』
「言われなくても!!」
 四方八方からの鞭のように唸る根、銛のように打ち込まれる根。
 それらの間隙を縫って、矢のように跳躍した。
495389:04/12/17 01:19:21 ID:lZtjCHkH
>>486
>>488 ありがとうございます

二人とも同じ身体になってしまったので、次から章節番号の前に
しるしを付けて、どっち主観で書いてるか表すことにしますね。
●怪盗娘   ○警部娘
496444:04/12/17 02:39:08 ID:oc+xK3Q5
どうせ疲れを知らないこの身体、 いっそ、家まで歩いて帰ってしまおうか?
と思ったが、 あわてて思い直す。 朝もかなり無理して走っちゃったし、
家に帰るまでには絶対バッテリーがもたないはず。 喫茶店かなんかに
立ち寄ってこっそり盗電するにも、 そもそもコーヒー一杯頼むお金もないし・・・。
義体化一級障害者、 バッテリー切れで行き倒れなんて見出しで三面記事には
絶対のりたくないよね。

こんな時に限って友達の携帯は繋がらないし、 北崎には絶対助けられたく
ないし、 どうしよう。
迷った結果とりあえず駅の改札に行った。
「すみません、 あの、 宮の橋まで帰りたいんですけど、 財布を無くしてしまって
切符が買えないんです。 お金を貸していただけないかと思いまして」
私の顔をみた四十がらみの駅員さんはあからさまに面倒くさそうな顔をした。
「あのねえお姉さん。 お金を貸して下さいって簡単に言うけどねえ、 ここは
銀行じゃないんだよ。 財布盗まれたんなら交番にでも行って借りたほうが
いいんじゃないの?」
言い方はともかく、 言ってることは正論だよね。 でもさあ、 かわいい娘が
頭を下げて頼んでるんだから、 ちょっとは聞く耳を持ってくれてもいいんじゃない?
救いの神はそのとき改札の向こうから現れました。
「あっ、貴女は」
いまはラフな格好しているけど、 朝、 私の手帳を見た駅員さんだ。 間違いない。
勤務帰りかな。 私は無言で会釈した。
「おう、 藤原。 お前この娘の知り合いか? 丁度よかった。 この娘、 財布忘れちゃって
切符買えないんだとさ 。知り合いってことならお前お金貸してやってくれないか?」
そう言ったっきり、 さも忙しそうなふりをして奥のほうへ行っちゃった。
無言で立ち尽くす残された二人。 藤原と呼ばれた若い駅員さんが
沈黙を破るように言った。
「あの、 朝はすみませんでした」
「すみませんって何がですか?」
なんで私こんな聞き方しちゃうんだろう。
497444:04/12/17 02:41:10 ID:oc+xK3Q5
「いえ、 あの・・・1000円お貸します」
言葉につまった彼はしどろもどろになっちゃった。 ごめんね。
「ありがとう。 えーと、 私の連絡先はねえ」
彼はさっと、 手帳とペンを出してくれた。
年は私と同じくらいかな。 もっとも私の見かけは高校三年くらいだから、 むこうは
ひょっとしたら私のことを年下と思っているかも。 かわいい顔してるし、 性格も良さそうだよね。
「八木橋裕子さんというんですね」
私が手帳にすらすらとペンを走らせるそばから、 一字一字確認するよう
ゆっくりと彼は言った。
「そう、 友達は私のことヤギーって呼んでる」
「あなたの携帯も教えて。 こういうことって私のほうから連絡するのがスジでしょう」
「そうですね」
彼は嬉しそうに笑って、 手帳を破って自分の携帯番号を渡してくれた。 そして
「でも私から、 連絡しますから」
とつけ加えた。
最後に一つだけ、 どうしても気になったので確認しておく。
「朝の手帳のことですけど、 障害者・義体化一級の意味って知っていますか?
普通の人間に見えるかもしれないけど、 私はお人形さんですよ?」
「貴女は貴女でしょう」
彼はそれだけ言うとまた笑った。 いい笑顔だよね。 つられて私も笑っちゃった。

帰りの車中、 一人で笑ってる私がいました。 まわりの乗客は気味悪がって
ちょっと引き気味。 でも私は気にしませんとも。
今日のことは全部忘れる? えーと前言撤回。 今日の出来事明日への活力。
八木橋裕子21歳一見フツーの女子大生、 明日も頑張るぞう!
498444:04/12/17 02:45:06 ID:oc+xK3Q5
デート編はこれで終了です。なんだかちっともサイボーグものっぽくない
地味ーなお話におつきあいくださいまして有難うございました。
次回はヤギーの就職活動でいきます。今後とも宜しくお願いします。
499名無しさん@ピンキー:04/12/17 10:50:13 ID:+NmGgaM8
地味だからこそイイよね。何か周りに居そうで
500名無しさん@ピンキー:04/12/18 15:54:59 ID:70WCu62+
>>389
いつも萌えな話をサンクス!久々のドマンナカでつ。
501名無しさん@ピンキー:04/12/18 17:22:16 ID:e2zpS3NV
サイボーグ化怪盗娘の悲しい運命に(*´Д`)ハァハァ
502名無しさん@ピンキー:04/12/18 22:05:06 ID:C2rUMIdj
韓国人の女は、サイボーグ多いぞ。
503名無しさん@ピンキー:04/12/19 00:33:34 ID:kD7yJBjE
どういう意味?
504名無しさん@ピンキー:04/12/19 01:19:30 ID:dfqRPGch
>>503
サイボーグの定義が「人工物を埋め込んでいる事」だからでないかい?
整形でシリコンとかそう言うの埋め込んでるって事の揶揄だろう。

極端な話、差し歯や詰め物をしてるだけでもサイボーグになるからね。
505名無しさん@ピンキー:04/12/19 03:56:16 ID:p/YJTzF7
>>503
キリスト教原理主義では「入れ歯すら認めない」って連中もいるしな。
506鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 02:12:01 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳1-1」
今日は、月1回の義体のメンテ、予約した9:00少し前、なにわ大学病院に行く。
毎月1回、医師が整備用ハッチを開いて、バッテリーやと回路のチェックを行うんだけど、否応なく機械の体の実感が
して好きにはなれないが仕方がない。整備不良でバッテリー切れになったら、行き倒れになってしまう。
私ら義体の人ってアンドロイドと同じって誤解されやすいけど、元々人間で脳は生身だからバッテリー切れすると
脳に酸素を送れない訳で本当にやばい。アンドロイドのように再充電で復活っていかないもんね。生身部分は。
来月は、半年に1回の入院して3日コースでオーバーホールだから、事前検査もあるので、
いつもよりは時間がかかるかもしれないけど昼前には終わるだろう。一応、午後の講義も病欠で休講届出しておいてけど

通いなれた13号棟の義体科診察室の待合で待つってるとき掲示板に気がついたんだけど、来月は飛び石で休日が多い。
3日間続けて休みじゃない日がそう多くない。オーバーホールの検査枠もあまり残っていないので、順番を待ってる間に
ちょうど1ヶ月後の同じ曜日に予約をしする。来月はオーバーホールかと思うと憂鬱だけど。

看護ロボットに順番を呼ばれて診察室に入ると、担当の善哉教授と若い男性の助手がいた。
中年の善哉教授一人のときでも整備用ハッチを開けられるの緊張するのに・・・若い男性。
いつもどおり、服を脱ぎ全裸になって整備台の上に横になる。上を見ると善哉研究室の研修生が中2階から見学している。
恥ずかしいと思うが仕方がない。生身の体のときも検査の時,インターンの先生が横にいたもんね。
大学病院の宿命だとあきらめる。

507鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 02:28:12 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳1-2」
教授が助手に指示を出し、下腹部のハッチを開けさせる。ハッチの中の端子に検査用PCをつながれると、
私の体は私の体であって私の体ではない。私に感覚はあるものの私の制御を離れるんだ。
いつもながら不思議な気分。生身の時の感覚でいうと金縛りって感じかな。

検査用PCを覗きながら、助手が「主電源電圧よし。副電源電圧よし。ログ転送よし。・・・・・」毎月恒例のチェックが始まる。
あと、整備台から立ち上がっての外見検査だけが残る。この外見検査がじろじろ体を見られるようでイヤな感じなんですが
次は外見検査か。と思っていると、教授が助手が「学生達に中の構造も見せてあげてください。」と指示。
えっ、「聞いてないよ〜。」と思うが、まだ、私の体はまだ私の制御じゃなくエアーが供給されないので声も出せない。

助手によって、私の体の下腹部ハッチ、胸部ハッチ、背面ハッチ・・・すべての検査用ハッチが開かれた。
エアーポンプ、酸素供給機・・・義体の部位を中2階から見えるように説明する助手。生身の人間だったら人権問題で
訴えたいところだが、現在、義体化手術の認定病院はなにわ大学病院だけなので訴えたら、今後のメンテも出来ない。
教授が中2階の見学室にいた研修生に「近くによって触ってみないとわからいぞ。」なんて言ってるよ。鬱、鬱、鬱、
中2階からは、顔もお互い見えなかったけど、検査室に下りてきたら顔もお互いわかっちゃうよ。
肌ざわりとか、構造とか、ノートにつけながら、男10人くらい女5人の研修生が私の体を触ってる。
研修生っていっても現役だと私と同じ年だし、同じ府内だしサークルやバイトの友人がいたら嫌だな。
まぁ、さすが医学部、人工性器を触られなかったのがまだ救いだけど・・・ねぇ。

508鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 02:48:23 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳1-3」
検査PCとの接続を切り、私の体が私の制御に戻る。次は、立ち上がって、次は外見検査なんですが、
体のコントロールが戻るとまだ、研修生はいてることがへの恥ずかしさが増した気がする。
丸い台の上にたって回転されながら、じろじろ見られる外見検査。傷やめくれがあるとそこから腐食するということで
通常は1回転でスキャナー検査と目視検査を行うんだけど、15人もいるから5回転もまわされる。その間、私は全裸。
「いつもより多めにまわしております。」なんて教授は親父ギャグをいってるけどこっちの気も察してほしい。
研修生退場後、教授から検査結果異常なしといわれひと安心。

あと、看護ロボットから起動前セルフチェックの指導を受ける。毎月同じことなんだけどね。
・バッテリー75%以下の時は外出しない。
・生活防水レベルなので水には近づかない。
・溶剤は・・・、洗剤・・・、雷は・・・、静電気・・・、ローション・・・、
つまらなく、読み上げをさせられ、誓約書に判子を押す。一応、義体の所有者は国で、なにわ大学のパイロット事業として
私に貸与されてる形のなので、整備や手入れに義務も多く面倒なんだよ。
なんやかんやで検査から解放されたのは13時過ぎ昼前に終わると思っていたのに、病欠届も出したことだし、
午後は、なにわ大学近くの学生街をふらついてみることにしようかな。

509鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 04:00:22 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳=直之の視点から 1-1」

「あ〜、今日も朝から講義がだるい。」なにわ大学近くの下宿で目覚めた直之は、なにわ大学医学部の3回生、
代々、医者家系のので医学部に入ったが、本当は血を見るのもイヤなため血をみることの少ない義体工学科の
善哉研究室に所属している。今日は、1講目〜2講目連続で「義体工学」の特別実習がある。
13号館の検査室の中2階見学室で、善哉教授より、今日の患者は、20歳の完全義体化した女性との説明。
診察、検査の段取りの説明があった。なにわ大学の先端技術プロジェクトの作品らしい。
今回は、高田助手が実際の検査を担当し、それを上から見る形での実習である。

高田助手が下の検査室に下りると、見学室に残されたのは学生だけである。検査室の患者さんの顔の位置は
曇ガラスになっている。が、逆方向の見学室から検査室は丸見えである。また、検査室にマイクがあり、その音を拾って、
見学室に流す形であるが、患者に見学室の声が聞こえると緊張させることがあるので防音も万全である。

検査前の問診で「林美穂」と名乗った女性。きれいというよりかわいいタイプに見える。義体のSpecは身長150B85W60H85に
つくられているとデジュメに載っている。こんなかわいい子の身体が義体(機械)になっちゃって、可哀想だな、 とは思う。
でも義体化当時のSpecで義体をつくるのが原則だけど、教授に包めばスタイル改造もOKとの噂もある。
生身の身体のときのSpecは、さてどんな感じだったのだろうか。それによって萌え度は違うぞ。と思う。

510鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 04:12:24 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳=直之の視点から 1-2」
全裸になり整備台の上に横たわる林美穂を研修生がスケベ心丸出しで覗き込む。直之も見やすい場所をGET。
高田助手が検査PCを操作すると検査画面が見学室の大型プロジェクターにも映る。
「人工性器機能OK」の表示で盛り上がるが、検査画面を見てるだけではあまり萌えないものだ。

「学生達に中の構造も見せてあげてください。」と教授が指示。やったね。体の制御は出来なくても
感覚はあるらしい若い女って、
本来、構造や機器を見ないといけないんだけど、やっぱ、胸の肌触りと人工性器でしょ。
男なんだから、といっても、人工性器を触る根性はないので・・・見てるだけ・・・
でも、人工性器ってやっぱダッチワイフだよな〜と思う。
次は外見検査だって、全裸で丸い台の上に立たせて回転させながらの目視検査。東南アジアの買春かよって感じ
本当に真面目にじっくりと目視検査したよ。大学に入って一番真面目に、
外見検査のときは、生身の脳の制御下にあるわけで、ほんと羞恥プレーだよねぇ。

見学が終わって見学室に上がる。萌える香具師。萎える香具師色々な男もいるが、女の反応がすごい。
いつまでも若いのがうらやましいのか、「完全整形女」とか、「生体脳付ダッチワイフ」とかなんとか。
俺も思ってたけど口には出せないよ。義体科に生身の看護婦がいない理由がわかったような気がする。
女って怖いよね。

教授が戻り、まとめと来週の「ログ解析」の実習の予習箇所の説明があり講義が終わる。あ〜もう1時過ぎだ。
511鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 05:37:07 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳1-4」
なにわ大病院の待合室で充電をして、裏門から七甲台の町を歩くことにする。生身の身体だったら、
七甲台といえばなにわ大正門前のケーキなんだけど義体に消化器がない私には縁がない。
ケーキ屋の前を通るのも悔しいので裏門から帰ろうと歩き始めると、何やら懐かしい姿が・・・
前を歩いているのは、えっ、もしかして小学校で同じだった直之君?
「もしかして、直之クン?」って声をかける。
近くの公園で昔話をする。直之君って中学からなにわ大学付属中学だったから、小学校時代しか昔話できないけど、
今、医学部に通ってるんだって。直之君ってお医者さんになるんだ。小学生のとき、大人になることはないって
言われたことを彼が覚えていたので、高校時代に大手術(って義体化手術だけど)をした話もしてしまった。
まだ、義体だってことをカミングアウトする勇気はないけど。
公園で長話してるとのどが渇く。彼のデーパックからコーラのペットが出てきた。口に入れたものは、
ノドのフィルターを通して胸のタンクにたまるわけで、糖分は厳禁。
私は、あわてて、断る。断る理由が思い浮かばず「射矢ガールのあすみちゃんと同じ体質で・・・」
彼は勝手に、「女の子はダイエット大変ねぇ」と・・・ホッとする。
私の場合、発声器と脳への水分補給が必要なんだけど、胸のタンクに蒸留水を補給が必要なんだ。
今日は蒸留水をペリエのペットに入れ替えていたので、彼の前でも普通に補給。
帰り際も彼は自販機で缶ビール買って「飲めへんか?」って、これは普通に「女の子って道歩きながらビールのめへんよ」と
断れましたが。
来週どこかで直之君とまた会うことを約束。来週が楽しみ。

512鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/20 05:57:45 ID:ckZFIwtp
「機械化女子大生美穂20歳1-5」
午後から休講だったので、先週,あった直之と会うことに、

前回あったときは、突然だったけど、今回は前もって準備ができる。
でも、服の素材も静電気対策で制約。磨耗対策でデザインも制約。自作しか着れないんだよ。
前に赤い布でかわいい服作ったときは、人工皮膚に色移りしてしまって、メンテの時に善哉教授に大目玉くらったことも
化粧も人工皮膚が色落するから指定品しか使えないし、髪型も切るのいいけど生えてこないから
あと、アクセサリーも指定品以外厳禁、金属は内部の腐食の原因になるんだって

結局、先週と変わらない姿で、五宮まで地下鉄に乗って出かける。直之君はなんと自転車で七甲台から
自転車で着たらしい。自転車を置きに自転車置場に行くんでと荷物を預かる。
荷物っていっても、講義のデジュメだけでけど、医学部ってどんな勉強ってデジュメを見てみると
===============================
「義体工学」
===============================
試料1
検査日 平成16年10月17日
氏名:林美穂 昭和59年12月24日生まれ 平成15年10月15日義体化 年齢20歳
血液・・・義体タイプ・・・バッテリー最終交換日・・・
(中略)
性機能 人工膣=未使用、口腔性交=未使用 人工肛門性交=機能なし
(以下略)
===============================
ショック!!
直之君、知っていたの?私の体
検査のときの研修生?
義体科って工学部じゃなくて医学部だったんだ。
ここまで学生に配られてるんだ・・・・

513389:04/12/21 02:52:20 ID:L0m6ulR+
>>444氏 乙です
個人的ツボは「敢えて眼鏡」

>>500
>>501
ありがとうです

>>鬼畜系 氏
乙です。私は鬼畜になりきれないので、よろしくです。
514389:04/12/21 02:54:25 ID:L0m6ulR+
○10−1
 
 屈辱だ。あの女を必ず逮捕するつもりでいたのに、逃げ帰るのが精一杯だった。
(捕らえるための身体に生まれ変わった私が、手も足も出ないなんて…)
 重い沈黙に包まれる捜査本部。そこへ、
「警部、十三枚目の石板の解読が終了しました! 至急技術捜査部までお願いします!」
 待ちかねていたカズヒロ技術官の内線電話が入った。
 
 
「十三枚目“滅ぶ者”の石板によれば、サイボーグである覇王が死に至った原因は、大規模な磁気嵐だそうで…」
「ストップ。 結論を先にお願い」
「は、はい、…この電磁波爆弾を炸裂させれば、根を含めた容疑者の動きを一時的に停止させる事が出来ます」
「つまり、あの根っこが動けない間に、一気に中央の本体に接近して倒してしまえば…」
 勝てる。
「しかし、動きを止められるのは僅か十秒間です。 つまり、あらかじめギリギリまで
本体に接近しておく必要があるんです。そんな危険な事を…」
「そんなの決まってるじゃない…」
 私がやるわ、と口にする直前、
『ちょっとまって! まさか…またあの場所に行くの?』
 身体の中からアイツの声が聞こえた。
『ええ。 この作戦がこなせるのは、この身体しか有り得ないわ』
『イヤっ!! もう絶対にイヤ! 私もうこれ以上怖い目に遭いたくない!!』
515389:04/12/21 02:57:58 ID:L0m6ulR+
○10−2
 
『だったら、せめて私は…私の脳は置いてってよ。 身体なんか無くてもいいから、
ガラス瓶の培養液の中でもいいから、私をあの女のところに連れて行かないで!』
 アイツの気持ちは痛いほど伝わってくる。 でも、私は心を鬼にして言わなければならなかった。
『…お願い。この作戦にはあなたの力が必要なの』
『そんな…なんで、どうして!?』
『残酷な要求だって事は承知しているわ。 でも、あの女を逮捕できるのは私達しかいない。
立ち上がらなければ、あなたは一生あの女の存在に怯え続ける事になってしまうわ』
『もうイヤっ!! 私は何も悪くないのに、もう散々ひどい目に遭ってるのに、
どうしてこれ以上辛い目に遭わなくちゃいけないの!?』
 
 ただ人生を呪うことしか出来ないアイツが、昔の私に…あまりにも似ていたから、
『甘ったれないで!!』
『えっ…?』
『確かにあなたは悪くない。 でもね、人生はそんな事で容赦してくれないの。
いくら自分の不幸を神様に訴えたところで、なにも好転しないんだから!』
 思わず、最も酷な事実を告げてしまった。
 
『………』
『ごめんなさい…警察官が口にしていい台詞じゃなかったわ…』
『いえ、べつに…』
 私の中に気まずい沈黙が流れる。
『…場所を変えましょう』
『えっ?』
 窓を開け、アルミのサッシに片足をかける。
「カズヒロ技術官、ちょっと出かけてくるわね」
「は? 警部、ちょ、ちょっと突然どこへ…」
 ぽかんと呆気にとられた彼を置いて、窓から署を後にした。
516389:04/12/21 03:00:05 ID:L0m6ulR+
●10−3
 
 警部さんが降り立ったのは、郊外にある田園地帯の休耕田だった。
『ここなら、ゆっくり話せるわね』
 そう言って、警部さんは草の上に腰を下ろし、そのままごろんと仰向けに転がった。
『あ…』
 視界にあるのは、一面の青空。
『ずっと夜の空しか見られなかったんでしょ? だから、見せてあげたくなって』
 そうだった。 夕に目覚めて、夜に盗み、明け方にまた眠る…その繰り返しの果てに、
私は空が青いという事まで忘れてしまっていた。
『…あ、ありがとう』
 同じ空の下に存在している筈の、あの女の事なんか吹っ飛んでしまうくらい、空は青々と晴れ渡っていた。
 
『あの、警部さん…あなたは“人間”なの?』
『人間よ。 法律的にはね、ココに入ってる脳みそがアズマ・ハツミ警部で、
この身体は支給された装備品。 手錠や拳銃と同じ扱いね。
だからこの身体である限り、私は一生 二十四時間 年中無休の勤務中なんだけど…』
『そうじゃなくて…まわりの人たちは、警部さんをちゃんと人間として接してくれるの?』
『もちろんよ。 ときどき部外者にロボットと間違えられるけど……
でも、刑事課のみんなも、カズヒロ技術官もいい人よ。 私の事を本気で心配してくれて』
『そう………』
 人間では無く道具として扱われた私とは随分な違いだ。 正直、ちょっと妬ましい。
517389:04/12/21 03:03:32 ID:L0m6ulR+
●10−4
 
『でもね、私の事を一番心配してくれたのは、あなただった』
『えっ?』
『この身体になってから初めて対決したとき、言ってくれたでしょう?
“どうして私なんかのために”って、泣きそうな声で』
『あ、あれは夢中で…』
『ありがとう。 あなたが私を心配してくれているって後で気付いたとき、とても嬉しかった』
『そんな! 警部さんは私のせいでサイボーグになっちゃったのに…私がお礼を言われるなんて』
 さっきまで境遇の事で嫉妬していた自分が恥ずかしい。
『いいの。 私はこの身体の事を後悔していないわ』
『後悔してない? …なんで』
『最後の事件のとき、あなたは用済みだって殺されそうになったでしょ?
そのときにあなたを救えたのは、私がサイボーグになって生体脳維持装置を備えていたからだもの』
『あ…』
 
 
『警部さん、決心できたわ。 あの女を逮捕する手伝いをさせて』
『あ、今のは別に恩に着せるつもりで言ったんじゃ…』
『いいの、そんな理由じゃないから』
『恩や義理じゃない…ってこと?』
『うん』
 私も警部さんのように、嘆いたり、恨んだりしない前向きで強い人になりたいから。
 そのために、目の前の試練から逃げ出さない、って決めた。
518389:04/12/21 03:06:56 ID:L0m6ulR+
●10−5
  
『ありがとう。事件が片付いたら、必ずお礼するからね…』
 ゆっくりと身体を起こす。
『ところで、あなたの名前、思い出せた?』
『ううん、まだ…思い出せないの』
 あの女に消されたのか、それとも拷問の結果か、私の改造される前の記憶はひどく曖昧になっていた。
『そう…このままだと呼ぶのに不便だから、とりあえず私が勝手に決めてもいい?』
『うん』
『じゃあ、“サチ”って呼ばせてくれる? 私の死んじゃった妹の名前なんだけど…縁起悪いかな』
『ううん。そんなことない』
 警部さんの心がなぜそんなに強いのか、少し分かった気がする。
 過去に私と同じくらいの苦しみを味わって、それを乗り越えた事があるからなんだ。
 
 
『あの女と戦うために、これからまた改造を受けなきゃならないんだけど、サチは何か欲しい機能はある?』
『欲しい機能……あ、あることはあるんだけど…』
『遠慮なく言っていいわよ』
『う…その…この身体は、ひとりエッチって、出来ませんか?』
 瞬間、警部さんの脳がフリーズするのが分かった。 
 
『ええと…よく知らないんだけど、やっぱり私達くらいの女の子って、…普通は、するの?』
『あ…その、たぶん…』
『そうなんだ…私はあんまりしたことなくて…あ、でも私のほうが少数派かもしれないし…』
 ぼそぼそと言葉を交わす。
 私だってそんなにするほうじゃないと思う。
 でも、あの女に調教された後遺症で身体が疼くなんて、恥ずかしくて絶対に言えなかった。
519名無しさん@ピンキー:04/12/21 19:43:39 ID:8PhMNsNa
>>389
乙。萌え。女子高生サイボーグひとりエッチきぼんに(;´Д`)ハァハァ
520389:04/12/23 21:19:09 ID:Uj35TbJN
○11−1
 
 結論から言うと、サチの要望するような機能は、既に私に備わっていた。
 これは一体全体どういう事なのか。 事件が解決した後に、お白州の上で事情聴取の上、
追って沙汰を申し渡すとカズヒロ技術官に告げておいた。
 で、私は今、トイレの個室に籠もり、便座の上に腰掛けている。
 時刻は深夜、邪魔が入る心配はない。
 
 下腹部のハッチを開ける。
「うわ…」
『あ…』
 そこには、実に精巧に再現された“それ”があった。
「……」
『……』
 でも、いざ始めるとなると、さすがに二の足を踏む。
 
 この身体は、各種のレーダーや感覚器からの情報は、私たち二つの脳に等しく入力される仕組みになっている。
 つまりサチを満足させるという事は、私も同時に快楽に身をゆだねるという事だ。
 それも、私のあられもないポーズや指づかいを、サチに対して赤裸々に大公開するというおまけ付きで。
『……』
 やっぱり落ち着かない。 始まるのを待ちかねているサチの気配が、ひしひしと伝わってくる。
『しょうがないか… サチ、この身体しばらく貸すから、あなたの好きなようにしてくれない?』
『えっ?』
『どっちの脳が身体を動かすかは切り替えられるのよ。 しばらくの間、あなたが動かせるようにしてあげる』
『い…いいの?』
 自分のひとりエッチする様子を、サチに見られるよりずっとマシ…だと思う。
521389:04/12/23 21:20:23 ID:Uj35TbJN
○11−2
 
 カチンと、体内に小さな音が響く。 神経回路が切り替わった音だ。
 たった今、この身体を動かす権限はサチに移った。
 
『って、サチ、ちょっと待って!』
 気が付けば、指が飢えたように最も敏感な点を目指し…
『ああぁあっ!!』
「んんっ!」
 ためらう事無く、肉の芽を押し潰していた。
 そして、間髪をいれずもう片方の手が合わせ目を開く。
『んあっ!…だめっ…もっと、ゆっくり…あっ!』
「ごめん…我慢、できなく…っ!」
 唇の内側が激しく撹拌される。
『だめっ、それは、……あんっ!…早すぎっ…』
「だって…だって…!」
 刺激から陰核を守っていたものが剥かれる。
 無防備になった神経の固まりを求めるように指が伸びて…
『「んああぁぁっ!!」』
 意識が、飛びかけた。
 
 私と同時に快楽を味わうサチ。 そして自分の意思に反してサチに快楽を強制される私。
 私は、サチに、犯されていた。
「んぁぁっ、も、もっと、もっとぉっ…!」
『だ、だめぇっ…! ちょ、っと、ストップ、して…っ!』
522389:04/12/23 21:25:38 ID:Uj35TbJN
○11−3
 
『えっ…ちょっと、それは…』
 折り畳まれたのは親指と小指。 そして平行に伸びた人差し指、中指、薬指。
 指が三本、私の入り口に狙いを定めている。
『だめぇっ…だめえっ! それ多すぎ…ひっ!』
「だめ、足りないの…まだ…もっと!」
『あっ!!?』
 下腹部に、巨大な杭が打ち込まれた。
「くうっ……ま、だ…もっと」
 サチの声に導かれるように、奥へ、深みへと侵入する指。
『ひぁ…ぁ…』
 股を裂かれるような感覚に、私の身体は痺れ、脳は言葉を失った。
「…ちがう…の…もっと、もっと!」
 サチが手首をひねる。
 縦筋に平行に差し込まれた指の列がねじれて、膣をあり得ない形に押し広げ…
『…!!!』
「んっぁああああ!!」
 私の意識は、そこまでが限界だった。
 
 その後は、サチのあえぎ声と、お腹の中をかき回す指の質量が、かすかに記憶に残っているだけだった。
523389:04/12/23 21:26:49 ID:Uj35TbJN
○11−4
 
『………』
『………』
 事が終わった後、私達はただなんとなくトイレの一室に留まっていた。
 自分のあられもない声を聞かれてしまった恥ずかしさと、サチの淫らな一面を知ってしまった気まずさで、
なんだか声をかけづらい。
 でも、きっとお互い様だ。 二人とも等しい量の快感を受け取った筈なのに、私だけ先にイッちゃうなんて…
きっと、イキやすい人だったんだって思われているに違いない。
 
『あ、あの…』
『え…と、サチ?』
『ご、ごめんなさい! 私…もっとゆっくりするつもりだったんですけど…でも、止まらなくて…』
『別に、その…私が敏感すぎただけかもしれないし』
『そんな事無いです! その…変なのは私の方ですから!』
『変って…そんな大げさな』
『いいんです、変なんです、私……警部さんの迷惑も考えないで』
『いいのよ、私の事は気にしなくて』
『でも私、警部さんをいじめてたようなものだし…』
(確かに、これはちょっとした拷問だったけど)
『いいって言ってるでしょ。 サチのお願いなら、また…一緒にしてあげるから』
 義理でも気遣いでもなく、そう答えてしまった。
『えっ…?』
『もう一度くらいなら、いいかな…って』
 
 本当に変なのは、私の方だと思う…
524389:04/12/23 21:30:22 ID:Uj35TbJN


>>519
ありがとうございます


あとは最終決戦やって終わりです。
525鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/23 22:43:56 ID:7+HcUV9W
「機械化女子大生美穂20歳=直之の視点から 1-3」
2コマも真面目に講義を受けたから、もう今日のノルマは達成。パチ屋にでも行こうと裏門を出ようとすると
「もしかして、直之クン?」って声をかけられた。えっ、小学校のときの美穂ちゃん?なんかさっきの機械化
人間と似てるなぁ。と思うが失礼なので確かめられない。
でも、手をつないだら暖かいし・・・
すごくかわいいし、今まで医者の息子でなにわ大医学部だからって群がって来たバイキンギャルとは違って
・・・清楚な感じ。他人の空似だろう。と思い込むことにする。
小学校のときから持病で大人になるまで生きられないとか近所のおばちゃんがいってたけど、高校のときに
大手術して助かったんだって。
来週いつか会うことになった。ラッキー。
===
夕方、同じ研究室の松井と飲み。松井は機械化人間に興味あるとのことで、今日の実習のバカ話。
義体とのセックスや義体の鬼畜改造で盛り上がる。松井によると義体の人工性器は感度調整が難しいそうで
論文のテーマにもなるってことだ。現在、義体になってる人の義体は実験用の名目なので色々実験の義務があるらしい。
松井も人工性器の感度調整のテーマで実験申請をするらしい。
まぁ、おれは松井に実験動物として協力するとだけ言っておいたが・・・
526鬼畜系 ◆vWH2NR6MyY :04/12/23 22:50:46 ID:7+HcUV9W
午前中は、「ログ解析」の講義だった。が、直之は11:30起床。デジュメだけ友人のから受け取り、
自転車で、五宮まで地下鉄に出かける。自転車を置きに自転車置場に置きにいって帰ってくると
午前中のデジュメが開いていて、美穂は消えていた。なんで、

開いたデジュメをみると・・・・
えっ、マジ。あの義体の女の子って美穂だった。今まで義体のこと悪くいったかどうか思い出す。
多分、悪く言ってないだろう。と思う。
でも、松井の申請通ったら美穂が実験体になるのかと思うと鬱。と、まぁわけわからん状態の俺。

とりあえず、美穂を探すことにする。
527名無しさん@ピンキー:04/12/24 03:46:46 ID:wTTJkbgC
どうでもいいけど
「レジュメ」じゃないのか
528名無しさん@ピンキー:04/12/24 09:23:22 ID:daulfCmV
よし、即修正だ
529名無しさん@ピンキー:04/12/25 20:53:33 ID:5fz2tDdq
>528
人工性器の締りをよくするように修正きぼんぬ
530名無しさん@ピンキー:04/12/26 16:45:33 ID:2URhedL9
>>389
強盗サイボーグ化女子高生オナニー(;´Д`)ハァハァ
531389:04/12/28 16:17:53 ID:cbPivpka
○12−1
 
 再び訪れた山は、さらに銀樹の侵食が進んでいた。
 木々が銀の根に押し倒され、あの女がいる山頂まで見通せるようになっている。
「覚悟はいい、サチ?」
『うん、大丈夫』
 
 戦闘に特化した、新しい身体の具合を確かめるように手足を動かす。
「でも、この見た目がちょっと……まるでワンちゃんじゃないの」
 頭部から垂れ下がる二つの追加レーダーと、お尻から伸びる放電用アンテナ。
 はっきり言って、ちょっと恥ずかしい。
『そうかな? 巨人にされたときと比べたら、かわいくていいと思うけど』
「……ごめん、確かに贅沢言ってられないわよね」
 山頂に向き直る。
「それじゃ、行くわよ!」
 背中のブースターに点火し、推力に任せて斜面を跳ぶように駆け上がる。
 こちらに気付いた銀根の末端が、コブラのように身を起こした。
 
 根の動きを例えるなら、“生き物のように”ではなく“軍隊のように”が正しい。
 牽制、遮り、追い込み。 全ての動きがあの女の意思の元に統率されている。
 これを乗り切るために私達のとるべき方法は、
「サチ、頼んだわよ!」
『まかせて!』
 この身体を動かす神経回路を、両方の脳に対してオンにする事だ。
532389:04/12/28 16:19:39 ID:cbPivpka
○12−2
 
 突き出される根を飛び越え、振り下ろされる根を弾き、横に薙ぐ根をくぐり抜けて山頂へ跳ぶ。
 いける。 前は逃げるのが精一杯だったけど、今は根を捌きつつ前進できている。
 
 サチがレーダーで根の動きを捉え、その意図を読み、最適なルートへ方向を定める。
 そして、私が迫る根を寸前で回避し、姿勢を保つ。
 数千本の根を手足とするために、あの女が脳を強制的に高速化させているのをCPUの
オーバークロックに例えるなら、私達は二つの処理を並行して行うデュアルCPUマシンだ。
 性能は、今のところ互角。
 でも、放射状に広がる根の中心に近づくにつれ、根の存在密度は急速に増していく。
『警部さん、そろそろ限界!』
「分かったわ、過電流放電用アンテナを起動して!」
 自身を電磁波から守るため、尻尾が直立する。
「これでも、食らいなさいっ!」
 バックパックから電磁波爆弾が上空へ射出される。 そして、一帯に響き渡る炸裂音。
「ぐ、がぁぁぁぁ!!」
 と同時に、山頂から人とは思えない悲鳴が響いた。 全ての根が力を失い、無残にしおれていく。
 
 タイムリミットは十秒。
「間に合うか…」
『間に合って!』
 山頂の銀樹本体が目視できる距離まで迫る。
「…お、まえ…何をした!?」
 女が悪魔のような視線を向ける。
 機器のショートがもたらす激痛に顔を歪ませながらも、その戦意は少しも衰えていない。
533389:04/12/28 16:25:11 ID:cbPivpka
●12−3
 
 右手に仕込まれた大型レーザーメスを起動する。
 博物館の床を切り抜くのに使ったレーザーメスを、複製してもらったものだ。
 
 残り五秒。 間に合う、と思った瞬間、あの女は信じられない行動に出た。
「あたしを、なめるな…!」
 最も電磁波に弱かったシステム、痛みの元凶である脳内処理高速化装置。
 首筋の端子に接続されていたそれを、あの女は自ら引き抜いた。
「『なっ!?』」
 女の周囲の根が活力を取り戻し始める。
「お前を仕留めるのに、全部の根を操る必要などない! この十本で充分…!」
 
 チャンスは、一度。 一撃で女の動力炉を貫けば勝ち。 失敗すれば負けだ。
 これは私と警部さんだけではなく、あの女にも共通の認識だったに違いない。
『警部さん、お願い! 私にやらせて!』
「サチ…?」
『私には分かるの、動力炉の位置が!』
 幹と同化していても、女の本体は昔の私と全く同じ姿だ。
 内部の構造も一緒なら、私は確かに動力炉の位置を知っている。
「…わかった。 サチを信じる」
 そう言って、警部さんは身体を私に委ねてくれた。
「さあ来なさい…この根で絡めとって、締め上げて、四肢をねじ切って…あたしの玩具にしてあげる」
 もう女の脅しに怯んだりしない。 失敗を恐れたりしない。
 位置は分かっているのだから、石板の足元を切り抜いたときより簡単だ。
534389:04/12/28 16:27:26 ID:cbPivpka
●12−4
 
 根が力を取り戻すのと、私が女の身体を射程に捉えるのは同時だった。
 身体に絡みつく根に構わず、何も考えず、
「はあぁぁぁぁぁ!」
 ただ真っ直ぐに胸の一点を貫いた。
 
 
「な…ぜ…」
 かろうじて聞き取れるほど小さい声は、動力を失った女のもの。
 力を失った根が、私の身体から剥がれ落ちていく。

「なぜ…位置が…分かった…?」
「そんなの、あなたが教えてくれたじゃないの」
 胸を貫いた瞬間の、触れ合うほどに顔を寄せ合った姿勢のまま、言った。
 
「あなたの身体の中身なら、何十回も、何百回も見せてくれたじゃない。 赤い水の中で…」
「お、お前は……!?」
「そう、実演付きで、私の身体を使って!!」
535389:04/12/28 16:33:00 ID:cbPivpka
>>530
どうもです


後日談を書いて締めようと思います
536名無しさん@ピンキー:04/12/29 01:49:40 ID:h+AUbkep
>>389
うーむ乙。あいかわらず萌えでツボだ。(*´Д`)ハァハァ
537名無しさん@ピンキー:04/12/29 20:06:32 ID:hh7jOwJT
>>389
犯罪用サイボーグに改造された女子高生が今後どうなるか想像すると(;´Д`)ハァハァ
538名無しさん@ピンキー:04/12/29 23:14:29 ID:meOY4ipS
>>389
ひょっとして、前スレの"neo-human"の作者と同じ方でしょうか。

こういう凛々しいのっていいです。最高です。
やはり、大義あるいは信念に殉じた超人、というイメージが、
サイボーグに萌える一番の理由なので。
539名無しさん@ピンキー:04/12/30 01:36:45 ID:x7WqqvwM
漏れは仮面ライダーみたく無理矢理拉致されて醜い機械に改造される惨めさに萌える。ひたすらモノとして扱われるとか、使用目的に合わせて非人間的な姿に再改造されちゃうとか。
むしろその点でガジェットに激萌え。
540ミニネタ:04/12/30 22:07:15 ID:OmiXECfu
>>538
下のページにある「Powered Armor」は前スレの「neo-human」をリメイクしたものです。
良かったら読んでやって下さい。

http://s1.artemisweb.jp/sslibrary/original4.html
541538:04/12/31 05:32:16 ID:L6WJNM/K
>>540
おお!有り難うございます。果穂が健気でよかったので。
是非拝見致します!

>>539
そういう悲劇性に、私もすごく萌えますね。
そもそも「メカゴジラの逆襲」の真船桂の再改造シーン
(「再」というのが、「ヒトとしての自我を歪められメカとなってしまった」印象を強めており、いっそう萌える)
ところで「最終兵器彼女」のちせの解体シーンって、陵辱系パロディイラストが氾濫する中でも、何故か全く描かれませんよね。
wac姿のちせをウリナラの最狂アガシ(もちサイボーグ)に解体してもらいたいニダ(ぉぃ
542538:04/12/31 05:38:20 ID:L6WJNM/K
>>541
訂正
そもそも「メカゴジラの逆襲」の真船桂の再改造シーンのスチルを納めた児童向けの本で
これ系のフェチに染まってしまったので...。
543389:04/12/31 13:30:02 ID:zRptFcG8
>>538
いえ、私じゃないです。

>>536-539
ありがとうです

正月忙しいので、エピローグの方もうしばらくお待ちください…
544538:04/12/31 15:16:54 ID:L6WJNM/K
>>543
失礼致しました。お仕事乙です!
545!omikuji !dama:05/01/02 07:18:30 ID:vJmOeiWb
ほしゅ
546名無しさん@ピンキー:05/01/02 21:22:44 ID:N0jWGcW9
ガンスリンガーガールズでも見てれ。
547名無しさん@ピンキー:05/01/03 16:06:19 ID:MZnMRZbi
今年こそ素敵な絵師様が降臨しますように(*゜ー゜)
548444:05/01/04 03:33:11 ID:2JA2OOIm
私の部屋には風呂なんてありません。 だってもう今の私には必要ないから・・・。
冷蔵庫もありません。調理器具もありません。 だってもう今の私には必要ないから・・・。
私は築七十年のボロい木造アパートに一人暮らしです。 だってもう親も兄弟もいないから・・・。私にたった一つだけ、生きていくのに必要なもの、それは、お金です。

今日は●●商事の面接の回答が来る日。 合格なら4時頃に電話がかかってくるはず。
と、いうことで私は藤原と遊ぶ約束も断ってアパート備えつけの骨董品ものの黒電話と
睨めっこしています。 なのに、6時になっても電話が来ないのは落ちたということ
なんだろうな・・・・。 やっぱり。
ついでにいうと5時くらいに電話が鳴ったので喜んで電話をとったら
藤原からだったので、 つい
「なんだ藤原か・・・」
と言ってしまい、 喧嘩になった。 憂鬱だ。
八木橋裕子22歳。 就職戦線これで21連敗。
 
きょうびの文系女子の就職活動はきついきついとは聞いてたけど、 実際これほどとはね。
正直私は焦っています。 私の場合、 就職先はどこでもいいというわけじゃないんです。
給料はできるだけ多くもらわないといけないんだ。 だから能力もないくせに一流企業に
的を絞っちゃってるんで、 余計に厳しいんだろうね。
別に私も見得で一流企業に入りたいわけじゃないの。 私は障害者・義体化一級、
世間でいうサイボーグというやつです。 ぱっと見、 普通の人と同じに見えるかもしれないけど、
もともとの自分の身体は脳みそだけで、 他は全部作り物の機械なんだ。
で、 そういう身体になっちゃうとさ、 いろんな定期検査を国から義務づけけられて、
そのたびにウン十万ってお金が飛んでくってわけ。 で、 思い出したくもない例の事故の時におりた
保険金も検査のたびにどんどん減っていくし、 親兄弟もいない孤独な身の上でこの身体を維持してくには、
もう、 たくさんお金をもらえるいわゆる一流企業ってやつに入るしかないのよ。
こんな可哀想な身の上の女の子なら、 どこかの会社が助けてくれるだろう、 なんとかなるよね、
なんて、 軽く考えていたわけだけど、 現実はそんなに甘くなかったみたい・・・。
549444:05/01/04 03:37:36 ID:2JA2OOIm
でもね、 ホントのこというとね、 就職するのは簡単なんだ。 たかーい給料をもらって
セレブみたいな生活するのも実はカンタン! 毎月サイボーグ協会から送られてくる会誌には
いろいろ就職案内が載ってるよ。 自衛官とか警察官とか宇宙開発事業団とかね。
ちょっと私の義体の設定をいじれば、 150馬力くらいだせるんだって。 で、 サイボーグ協会を
通してその力をいかせるサイボーグならではの職業なら、 簡単につけるんだってさ。
最高のメンテナンスも受けられるし、 新しい部品に交換したり、 義体の交換も全部国が面倒を
見てくれるんだって。
でも私は絶対嫌だからね。 150馬力のセレブなんて死んでもなりたくないです。 私は人間で、
しかも女の子です。 私は八木橋裕子であって150馬力のスーパーガールじゃありません。
私は普通に生きる道を選びます。 あ、 でも義体は年相応の新しいやつに換えたいかも。
私は22歳であって高校生じゃないからね!
 
うう、 話がそれてしまった。
 
就職活動も21連敗もするとさすがに自分の駄目なところが見えてくる。
私の場合一番駄目なのは志望動機がゼンゼン言えないことだ。 そりゃあそうだよね。
ただ、 高給だっていうだけで、 いろんな業種をのべつまくなしに受けているんだから。
企業研究もきちんとして、 志望動機もちゃーんと、 言えるようにしないと受かるものも
受からないよね。
そんなことを考えながら漠然と就職情報誌をパラパラめくっていると
「イソジマ電工」
という文字が目に入った。
いそじま、 いそじま、 えーとなんか聞いたことあるような、 あるような。
ああ、 私の義体はイソジマ製だったっけか。 そういえば。
私の義体を造っている会社を受けるのも面白いかもね。
幸い書類選考の締め切り日にはまだ間に合うタイミングだったので、 早速私は
エントリーシートに記入を始めたのでした。
550444:05/01/04 03:44:34 ID:2JA2OOIm
新年あけおめです。
会社異動になって、しばらくネット環境になかったのですが
復活しました。今年もヤギーの地味地味ストーリーによろしくおつきあい
くださいませ。
551名無しさん@ピンキー:05/01/04 03:48:40 ID:6pv/Ockz
>>549
う〜ん…
宇宙服なしでシャトルにへばりついて作業する八木橋とか
違反者追いかけてバイクの一部になって疾走する八木橋とか
ホバリング中のヘリから沈没船にダイブして
「要救助者確保ぉっ!」とか叫ぶ八木橋とか
見てみたい気もするけどなぁ…
552名無しさん@ピンキー:05/01/04 03:50:21 ID:erlhM24E
>>550

あけおめでございます。
いつも楽しみにしている1読者です。よろしくおねがいいたします。
553名無しさん@ピンキー:05/01/04 21:50:51 ID:x1zMlecl
>>550

あけおめでございます。

何か切ない出だしですねぇ…。本人視点で内面から描写してくださる
作品はとてもありがたいです。私の萌えのツボにスマッシュヒットして
おります。今後もよろしくお願いします。

藤原氏との関係もだいぶ進展しているように見受けられますので
>>490
こちらの話もぜひ。
554444:05/01/04 23:21:46 ID:fTALWD7j
>>551
そういう話は多分八木橋視点ではやらないでしょうね。
八木橋は必要もないのに眼鏡をかけるくらい、生身の身体に執着してますから。
ただ、サイボーグはサイボーグでいろんな意見があると思うので
そのうち八木橋のライバルを出してそっち方面でも話を進めようと思ってます。
>>552
賛辞サンクスです。この調子で続けます。
>>553
もうちょっと、待ってください。近いうちにそういったこともしますから。
555名無しさん@ピンキー:05/01/04 23:55:31 ID:erlhM24E
自らをチューニングして、夜な夜な峠でかけっこする八木橋ちゃん・・・

頭文字Y。
556名無しさん@ピンキー:05/01/06 02:12:44 ID:aYptllq7
>>538
ちせって凄く可哀想で萌えですね。エロ強調解体シーン見たいでつ。
557389:05/01/06 16:28:08 ID:h73weiTD
●13−1
 
 事件の裁判は、被告人が身体無しで出廷するという異例のものになった。
 あの女の義体が間に合わず、ガラス瓶内の脳にスピーカーとマイクが
接続された姿で審理を受ける事になったためだ。
 でも、被告人の姿は審理に全く影響しなかった。 そもそも女は完全な記憶喪失に陥っていたからだ。
 脳高速化装置の強制切断のせいか、それとも動力炉を貫かれたショックのせいか、原因は分からない。
 とにかく、事件の真相は闇に消えた。
 
 私はというと、カズヒロさんに作ってもらった新しい義体に脳を移してもらい、
家族のもとへ帰ることが出来た。
 でも、そこはもう私の居るべき場所ではなかった。
 家族との記憶も友人との記憶も失った私。
 法律上は無罪でも、怪盗ガジェットとして数々の盗みを働いたという事実。
 そして何より硬く冷たいこの身体が、私の今と昔を完全に断絶させていた。
 
 私はもう、何一つ元には戻れない。
558389:05/01/06 16:30:59 ID:h73weiTD
●13−2
 
 数年後…
 
 
「ねぇ、警部さんは!?」
 刑事部屋に駆け込むなり、近くの同僚に尋ねる。
「あれ。 サチさん、警部と一緒に出たんじゃなかったの?」
「私は聞いてないわ! どこに行ったか知らない?」
「例の兵器密輸の現場を偵察してくるって言ってたけど」
「なっ!…そういう忍び込む仕事は私の役目だって言ったのに!」
 同僚への礼もそこそこに、私は窓から署を飛び出した。
「警部さんが行ったら、偵察どころか御用改めになるに決まってるじゃない…
もう、すぐ一人で突っ走るんだから…」
 
 取引現場と目される波止場に着いてみると、案の定、警部さんが倉庫の屋根の上で仁王立ちになっていた。
 コンテナの陰から窺ってみると、倉庫の周りには、警部さんに銃を向ける密輸犯たちが数十人。
(やっぱりね…)
 すでに一触即発。 予想通りの事態はいえ、思わずがっくりと肩を落としてしまった。
(とにかく、まずは連中の注意をそらさないと)
 昔とった杵柄だ。 手早く発煙弾を装填し、直感で弾道と炸裂地点を決定する。
 腕部からせり出した砲身を密輸犯たちの風上に向け、トリガーを引いた。
559389:05/01/06 16:32:48 ID:h73weiTD
●13−3
 
 爆音とともに、倉庫付近の一帯が煙に包まれる。
 混乱する密輸犯たちの隙をついて、素早く倉庫の屋根に飛び乗った。
「警部さん!」
「サチ、何でここに!?」
「それはこっちの台詞なんだけど…その話は後回しね」
「うん、丁度良かった。 サチの力を貸して!」
 
 私の脳と身体を結ぶ神経回路を、外部接続に切り替える。
『警察式義体二号機、アズマ・サチ。 これより一号機と接続します』
 警部さんと背面ハッチを合わせて、私の脳をこの胸内から警部さんの胸内に送り込む。
『同じく一号機、アズマ・ハツミ。 アズマ・サチの神経回路との接続を確認』
 抜け殻になった私の身体が多々のパーツへと分解し、警部さんの身体を武装していく。
『『合体の完了を確認。 一号機、二号機、並行制御モードに移行します!』』
 
 倉庫の下には、ようやく煙幕から開放された密輸犯が数十人。
 千本の銀根と比べたら、随分と楽な相手だ。
『戦意を取り戻した奴から順番に潰していくわ。 サチ、ナビゲートをお願い』
『分かってる。 任せて!』
『行くわよ。 一人残らず引っ立ててやるんだから!』
560389:05/01/06 16:34:38 ID:h73weiTD
●13−4
 
 三十分後。 既に密輸犯全員の拘束が完了してから二十七分、ようやく警官隊が現場に到着した。
 犯人達を護送する車が、次々と署に向けて波止場を発っていく。
『ところで警部さん。 こういう危険な仕事のときは、私に相談してくれるって約束だったんじゃないの?』
『それは、その……つい』
『全く…私が加勢に来なかったらどうなっていたことか…』
 すぐ一人で突っ走る警部さんの癖は、何年経っても一向に治る様子がない。
 ここはやっぱり、私が色々フォローしてあげないと。
 
『ところで、サチ? もう合体を解除してもいいと思うんだけど…』
『ダメです。 警部さんが約束破ったから、今夜まで分離してあげません』
『今夜って…まさか』
『そうです。 罰として、私と一緒に気持ちよくなってもらいますから』
『う……またこの身体で、エッチなことするの?』
『はい。 それとも、警部さんは気持ちいいの嫌いでしたっけ?』
 調子に乗って、少し意地悪な質問をしてみた。
『その、嫌いじゃないけど…サチのは、激しすぎるというか…』
 まずい…警部さんのもじもじと恥らう声が、こんなに可愛いなんて…
 あの女の嗜虐癖が伝染しちゃったのだろうか。
 
『警部さん、ちょっと身体借りるね』
 痴話のドサクサに、警部さんから身体の操作権を奪い取る。
『ちょっと、サチ、何するの!?』
『人の来なさそうな所へ行こうと思って……夜まで待てなくなっちゃったから』
『ええ!? そんな、嘘でしょ!?』
『残念でした。 私は本気です』
 パニックになっている警部さんを私の中に閉じ込めて、倉庫の陰に向かって走り出した。
 
 
END
561389:05/01/06 16:48:41 ID:h73weiTD
 長々と続いてきましたが、完結できました。
 読んでくれた方、感想くれた方、住人の皆様、ありがとうございました。
562538:05/01/07 00:41:16 ID:sAJZvDVg
>>389
お疲れさまです!
少し哀しいけれども(概ね)ハッピーエンドでよかったです。
凛としているのがよいです。「闘える」身体だけに。警部さん萌え
563444:05/01/07 02:37:33 ID:jLyI8Kyx
 第一次選考となる書類選考は自分で言うのもなんだけど完璧な出来だったと思う。
何しろ私がお世話になっている義体を造っている会社だからね。 最初は死ぬほど嫌だった
この機械の身体も、 4年間も連れ添うと不思議な愛着が湧いてくる。 まさに
よき相棒ってかんじかな? と、 いうことで、 この相棒のいいところも、 嫌なところも
身をもって体験しているからよーく分かっているぶん、 言いたいこと、 思うことは
山のようにあって、 その思いのたけを選考用紙にぶつけたよ。

 もちろん、 それだけじゃ一人よがりの文章になってしまうので、 業界のことも
いろいろ勉強したということも、 アピール。 この分野は世界でも日本が一番進んでいて、
イソジマ電工は、 業界一位のギガテックス社についで二位なんだって。 ギガテックスと
イソジマ電工と二社で、 全世界で生産される義体の七割を占めているんだってさ。
ただ、 両社のコンセプトは正反対で、 ギガテックスの全身義体はロボット技術の
延長として生まれたもので、 主に軍事用、 宇宙開発用などの専門分野で活躍する義体に強く、
イソジマ電工の全身義体は義手、 義足や人工臓器などの医療技術の延長として民生用として
発達してきたことが大きく違うんだって。 だけど、 いまは両社の間に昔のような
明確な棲み分けはないみたいで、 専門分野にもイソジマ電工の全身義体は進出しているし、
民生用の全身義体にもギガテックス製が出回っていて、 シェアトップをめぐって
お互いにしのぎを削っている状況だってさ。 そのあたりのこともさりげなく、
分かっているんだよって感じにうまーく文章に織り交ぜました。

 どうです、 完璧でしょう。
564444:05/01/07 02:38:59 ID:jLyI8Kyx
 ただ、 自分がイソジマ電工の義体使用者だってことは隠して書かなかった。
いままで、 自分が障害者でサイボーグですなんて言ってもいいことなんて
なかったからっていうのもあるし、 自分の身体をたてにお涙頂戴ストーリーを
仕立て上げるなんて卑怯なんじゃないだろうかっていう想いもあったしね。

 手ごたえはあったとはいえ、 面接試験の案内がボロアパートの半分赤く錆びた
ポストに入っているのを見たときはさすがに嬉しかったなあ。 連敗記録もすでに
24まで伸びていたしね。

 勝負の時は午後2時、 場所は東京新橋汐留町イソジマ電工本社ビル42階会議室D。
黒いスーツでシックにきめて、 メークもばっちり、 おまけに充電もばっちり。
八木橋裕子22歳、 天王山にいざ出陣。
565444:05/01/07 02:50:36 ID:jLyI8Kyx
>>389
お疲れ様でした。いつも楽しく読ませていただいてました。
でもハツミさんとカズヒロ君の関係はどうなったんだろう?進展あったんだろうか?
そのへんが気になっってしまったり。終わってしまうのが残念です。
次回作、期待してます!
566名無しさん@ピンキー:05/01/07 20:21:03 ID:BsUYwkVD
>>389
乙。萌えさせてもらいました。哀れな女子高生サイボーグに萌え。
567名無しさん@ピンキー:05/01/07 21:46:50 ID:zvJX8rNJ
>>444
乙です。

義体なことを隠したのが吉と出るか凶と出るか…。
面接がうまくいくことを祈ってます。>八木橋さま
568444:05/01/08 02:04:12 ID:qGJCPfX8
 イソジマ電工本社ビル入り口は、 学生らしい不似合いなスーツ姿の男女でごったがえしていた。
なになに、 何でこんなに人がいっぱいいるわけ? 入り口には私が一番嫌いなものがあった。
飛行場によくある金属探知機。 金属を身につけたままゲートをくぐろうとすると、 ピンポン鳴るあれね。
それで、 不慣れな学生があわてて財布やら携帯やら身の回りの金属製のものを取り外していたんで、
行列になっているんだ。 社員らしい人は虹彩登録されているらしく、 ほとんどフリーパスで、
あたふたしている学生を横目にスイスイ中に入っていく。 で、 全身金属の固まりの私は
どうすればいいのかな? のっけから嫌な予感。

列に加わるか、 どうしたものか悩んでいると、 列の先頭にいた小柄な女の子が
警備員に手帳を出して何かこそこそ話してる。 それで、 ゲートはくぐらず、 横から通してもらってる。
あれって私と同じ障害者手帳だよね。 ってことは彼女も義体なのかな? 私は自分以外の義体の人とは、
テレビとか協会の会誌以外では検査病院でしか見たことない。 町のどこかですれ違っているのかも
しれないけど、 お互い別に私は義体ですなんて言い合ったりしないからね。 でも会社が会社だけに、
私以外の義体の娘が面接受けにきても不思議じゃないよね。 なんか親近感湧いちゃうな。
でも、 あの娘ずいぶん堂々としてるな。 私はあんな人がいる中で手帳を出すなんてできないよ。
誰も気にしないのかもしれないけどさ。

 私は合いも変わらず臆病者なので、 しばらく入り口付近で友達にメールするふりをして時間潰しをした。
で、 列に誰も並ばなくなった頃合を見計らって、 意を決してゲートの前に行ったわけです。
携帯とか腕時計とか念入りに眼鏡とか、 一応身につけていた金属製のものを全部外して、
(奇跡よ起これ!)
何を血迷ったのかそのままゲートの強硬突破を試みた。 で、 無情にもブザーが鳴るわけだ。
当たり前だっつーの。
569444:05/01/08 02:14:55 ID:qGJCPfX8
「他に身につけているものはありませんか」
警備員のおねーさんが慣れた調子で私に声をかける。 はいはい、 身につけているものありますよ、 この身体全部でーす。
渋々、 一番人に見せたくない、 見られたくない例の手帳を警備のお姉さんに見せた。
「はい、ではこちらをお通りください」
お姉さんは顔色も変えずに、 横の通路に誘導してくれた。 やっぱりこういうところだから、 私みたいな全身義体の人も
結構来るんだろうか。 なんだか対応慣れしている感じ。
「お手数ですが、 足元の黄色い線を真っ直ぐ線が途切れるまで歩いてくださいね」
言われたとおり、 白亜の大理石の床に不調法に引かれた黄色い線の上を10mほど歩く。
まあ、 どこかでこの身体がスキャンされているんだと思うと嫌な感じだが、 ルールはルール。 仕方なく、
できるだけ早く歩いて検査終了。 荷物を受け取って面接会場の42階D会議室に急ぐ。
「高校生の一般職募集の方はこちらですよ」
42階といってもやたら広くて、 エレベーターホールの地図を見ながらまごついている私に、 社員らしい若い男の人が
声をかけてくれた。 嬉しいけど、 私は高校生じゃないってば!
「いえ、 私、 大卒総合職の面接会場のD会議室に行きたいんですけれども、 どう行けばいいのでしょうか?」
こういうときはにこやかな笑顔でね。 この社員さん、 愛想よくD会議室入口の受付まで連れて行ってくれた。
で、 去り際に一言
「頑張ってね」
うん、 いい会社だ。 ますます入りたくなったぞ。
 受付で葉書を渡すのと引き換えに通された会議室は待合室みたいな感じで、 きれいに並べられた椅子に学生がパラパラ座って、
イソジマ電工の企業案内を見たりしてる。 みんな緊張気味かな? そういう私も多少緊張してるけど、 心臓がなくて
ドキドキしないぶんまだましかもね。 こういうとき機械の身体ってありがたいよね。 まあ、 人間らしくないといえば
それまでなんだけどさ。
570444:05/01/08 02:18:34 ID:qGJCPfX8
まわりを見回すと、 さっき入り口で見かけた義体らしい女の子もいたいた。 真面目に企業案内を読んでるよ。
「八木橋さん、内海さん、佐藤さん、竹内さん、田中さん、お隣の面接室にお入りください」
時間ギリギリにきたせいか、 待つほどもなく私の名前が呼ばれて、 いよいよ面接室へ。
私と一緒に入るのは男の子が三人と・・・あの女の子だよ! どんな娘なんだろう。
でもそんなことよりまずは自分のこと、 頑張らなくちゃ。
コンコン。
「失礼します!」
571名無しさん@ピンキー:05/01/10 02:54:55 ID:+Rt7rMkf
保守
572名無しさん@ピンキー:05/01/10 13:54:02 ID:cG/g4hvX
正義のスーパーヒロインの敵役として、同型のサイボーグに改造される哀れな少女が欲しいな。
573名無しさん@ピンキー:05/01/11 12:14:33 ID:WNXS5M2p
保守あげ
574名無しさん@ピンキー:05/01/11 20:40:36 ID:Z4WQ9vBB
>>572
禿同。それで互いに競い合って強化の為に無理な再改造を繰り返され苦しむサイボーグ少女(;´Д`)ハァハァ
575名無しさん@ピンキー:05/01/12 01:01:39 ID:w5wQjA7m
>>574
シリ(ry
576444:05/01/13 02:36:11 ID:lHD7dxSw
通されたのは20畳くらいの明るい部屋。 全面ガラス張りの大きな窓の向こうには東京タワーが見えた。
面接官は三人いて、 若い人は30代後半、 一番年かさの人で50歳のちょっと手前って感じ。 まあ、 私に言わせれば
みんなおじさんだよね。 で、 私たち学生は、 おじさん達と向かい合うように促されるままに着席して、
面接がはじまったわけです。
 「まず、自己紹介からどうぞ。 では一番左の貴女からお願いします」
一番手は例の女の子だった。 いったいどんな事を話すのかな? 気になってチラっと横目で彼女を見た。
目が大きくて猫みたいな顔をした子だな。 でもちょっと緊張してほっぺたが赤くなってるみたい。
「東西大学の田中美和と申します。 実は私の足は両方とも本当の足じゃありません。 本当の足は
18歳の時に事故が原因で切断してしまいました。 高校時代の私は、 こう見えてもバレーボールの選手で、
セッターをやっていて全国大会に出場したこともあります。 本当にバレー漬けの高校生活でした。
そんな私が両足を失ってしまったんです。 昔だったら、 もう二度とバレーなんてできないですよね。
でも、 失った足の代わりに新しい足が私についたんです。 もうお分かりですよね。それが、
御社で作られた義足でした。 だけど最初は半身半疑でした。 作り物の足が本当に自分の思い通りに
動くのかって・・・。 でもちゃんと動くんですね。 飛んだり跳ねたりできるんですね」
 彼女の話を聞いて、 私は正直げんなり。 あーあ、 目なんかうるうるさせちゃって。
今のご時世で義足ごときでお涙頂戴ストーリーですか? ちゃんちゃら可笑しいよね。 はっきり言って
聞いてられないよ。 自分の身体をダシに使うのはフェアじゃないって思いが私にはあるものだから
余計に、 ね。
「八木橋さん、 何か言いたいことがあるのかな?」
おじさん達の中でも一番若い人が、 突然私に言った。 言い方は穏やかだったけど、 表情は険しい。
やばい、 思っていることがそのまま顔にでちゃったかな・・・
「いえ、 その・・・その・・・」
今思っていることをそのまま口に出せるわけない、 かといってとっさに言い訳も思いつかない。
577444:05/01/13 02:42:15 ID:lHD7dxSw
「大丈夫です。 こういうことには慣れてますから」
毅然とした口調でバレー女が言った。 なにそれ、 ひょっとして、 これって私が義足のバレー女を
差別してるって図式? おーい、 冗談でしょ。 私だって義足だよ。 あんたみたいにおおっぴらに
言わないだけでさ。 動揺する私にかまわず、 彼女は続けた。
「大学に行っても、 やっぱりバレーは続けたくてバレー部に入りました。 始めのうちは、
みんな義足ってことで気を使ってくれたけど、 だんだん態度が変わってきました。 『あなたはいいわよね。
苦しい練習しても疲れないし、 筋トレだってしなくてもジャンプ力は衰えないんでしょ? ほーんと羨ましいわ』
面と向かっては言わないけれど、 みんな影ではそんなこと言ってました。 試合にも出してもらえませんでした。
だから、 監督に聞いたんです。 どう考えても自分のほうがうまいのに、 どうしてあの娘が正セッター
なんですかって? そうしたら、 監督は言いました。 君は義足だ。 つまりジャンプ力も設定次第でいくらでも
変えられる。 つまり君を出すと相手チームからクレームがつく。 だから、 申し訳ないが試合には出せないと・・・。
ご存知かと思いますが、 セッターはそんなにジャンプ力を重視するポジションではありません。
それでも駄目なものは駄目なんだそうです。 私は一回両足を失って、 でも自分では元通りになったと思っていました。
けれど他の人から見ればやっぱり違っていたんです」
だから目をうるうるさせるなっつーの。 バレー女はまだ話し続けてる。
「申し訳ございません。 この足には本当に感謝しています。 義足のことを批判したいんじゃありません。
私は、 義足に再び生きる喜びをもらったのと同時に、 身体の一部分が機械になってしまった苦しみもよく分かっている
つもりです。 御社ではその経験を生かしてケア・サポーターとして働きたいと思っています。 そして、
もし許されるのであれば、 御社のバレーボールチーム『ウイングス』に入りたいと思っています」
 そこまで言うと、 バレー女はようやく一息ついた。
578444:05/01/13 02:45:10 ID:lHD7dxSw
ケア・サポーターっていうのは、 義体になった人の心理面をサポートするイソジマ電工独自の役職だ。 かくいう私も
義体になった当初イソジマのケアさんにいろいろお世話になっていた。 眼鏡をやめろ、 やめろってちょっと
ウザかったけどね。 で、 私がイソジマ電工で働くなら、 やっぱりケア・サポーターって考えてた。 自分の義体の
構造だってロクに知らないという、 機械オンチの私でも勤まりそうな職種って他にないもん。 もちろんそんな
消極的な理由は、 おじさん達の前で言う気はないけどさ。 いまのバレー女もそうだけど、 やっぱりこの会社を受ける
女の子はケア・サポーターの志望が多いのかな。
「弊社のケア・サポーターも、 実際に義手や義足の者は少ないです。 貴女みたいに、 自分も義足だという人が
励ますと言葉に重みがでるかもしれません」
「ウイングスは最近二部落ちしてしまったからなあ。 貴女みたいな元気な娘が入ってくると、 活気が出るかもしれないな。
ただウイングスは広告塔としての役割も負っているわけで、 もしも貴女がウイングスに入ったら当然弊社の義足を
つけているってことで、 おおっぴらに宣伝させてもらうことになるかもしれないが、 そういうのって抵抗はない?」
おじさん達すっかりバレー女をお気に召したみたい。 まだ一次面接なのに入れるって前提で話しちゃってる。
でもって私は減点だよね。 間違いなく。 どうしよう、 どうしよう。
579名無しさん@ピンキー:05/01/14 23:39:15 ID:jNqcM4Oj
いつも乙です。 はやくこういう世の中にならんもんですかなあ。

本屋で立ち読みしたニュートンに、カメラの映像を視神経に直接送る盲人用の技術が紹介されてた。
全身義体も実現しうると思う今日この頃
580名無しさん@ピンキー:05/01/15 23:40:19 ID:UgowYMGL
>389
お疲れ様でした。

ストーリーも人物描写も設定も素晴らしい上に、萌えな要素
が随所にちりばめられていて、とても楽しく読ませていただ
きました。

拙い絵ですが、この作品を読むことのできた喜びと、作者様
への感謝の気持ちを込めて、お贈りします。よろしくご笑納
ください。

ttp://akm.cx/2d2/img/4601.jpg
581名無しさん@ピンキー:05/01/16 00:00:20 ID:3eiv2bQO
絵師キター!!!!!
感謝!!
582名無しさん@ピンキー:05/01/16 03:20:47 ID:sFOHhEkO
はじめてこのスレにきましたが、サイボーグ好きって結構いる物ですね。

科学ライターとして有名な金子隆一氏が色々な未来技術をSF(主にハード系)
を使って解説した「新世紀未来科学」のなかでサイボーグについて触れていてその那加で女性のサイボーグ(一部内部構造が見える)が結構良かったです
ただサイボーグについての「どう考えてもその実用性は低い」という結論は残念。
583389:05/01/16 13:59:44 ID:7oKzg4ST
>>580
大感謝です
やったー!
584444:05/01/17 01:44:35 ID:jO0f1e0e
 面接は滞りなく進んでいくが、 私は先ほどの失敗のことで頭がいっぱいになっちゃって、
男の子たちが何を話したものやら、 ちっとも頭に入っていかない。
「じゃあ、 次は八木橋さん。 どうして弊社を志望したのですか?」
「はっ・・・はい」
 話をふられて、 ふっと我にかえった。 えーと、 しぼうどうき、 しぼうどうき。昨日夜中の三時まで
寝ないで考えたじゃない。 落ち着け、 私。 こういう時、 もう必要ないのに反射的に深呼吸をしてしまうのは、
やっぱり身体は無くなっても脳の奥底に身体があったころの記憶が残っているからなんだろうな。
「星修大学の八木橋裕子です。 私が御社を志望しましたのは、 『もっと、もっと本当の身体に近づきたい』という
御社の経営理念に惹かれたからです。 今の全身義体はハード面では生体とほぼ同じ機能を持つまでになっています。
いえ、 ある意味では生体以上と言ってもいいかもしれません。 つまり不幸にも何らかの事情で自分の身体を全て失っても、
一応は普通の人と全く同じように生きていくことができるばかりか、 普通の人にはできないようなことが全身義体では
できてしまったりします。 これは御社を始めとする多くの義体製造企業の努力の結果だと思います。 ただ、今の全身義体は、
外見こそ普通の人と同じですが、 食事ができなかったり、 すぐに電力が無くなって動けなくなったり、 普通の人と比べて
とても重かったり、 子供を作ることができなかったりと、 ソフト面についてはまだまだ普通の身体と比べて違うところが
たくさんあるようです。 そして、 その違いが全身義体となった人の心に深い傷をつけているということも聞いております。
しかし、 多くの企業はコスト重視で、 全身義体使用者のこうしたソフト面の向上を重視していません。 そんな中、 御社は、
他社に先駆けてケア・サポーターという、 医師とは別に義体を心理面からサポートする役職を作ったり、 最近では
汗をかく全身義体を開発したりと、 いかに人間らしく生活してもらうかということを重視して、 義体のソフト面に、 
より重点を置いているように見られます。 そして、 それこそが本当に全身義体になってしまった人たちが
本当に望むものと合致するのではないかと思います。
585444:05/01/17 01:50:17 ID:jO0f1e0e
身体を失ってしまった人の気持ちを親身になって考えてくれる企業、 そんな御社で私はケア・サポーターとして
働いてみたいのです。」
 実際にはこんなに流暢には言えてないよ。 あたふた、 あたふた、 つっかえつっかえだったけど、
でも何とか言いたいことは言えた・・・と、 思う。 だけど、 おじさん達の反応はあまりいいとは言えなかった。

「ひょっとして君、 『新しい愛のカタチ』って映画見た? 最近多いんだよね。 あの映画を見て全身義体に
関心をもつ子がね。 とくに女の子にね。 で、 まあ、 あの映画のせいで、 全身義体っていうのは余りにも
非人間的すぎてかわいそう、 なんて世論が盛り上がって、 ウチも例の汗をかく義体ってのを作ったんだけど、
これがあんまり売れなかったんだよね。 実際は全身義体の人は大抵自衛隊とか警察とかね、 そういった
義体の能力を存分に発揮できるところに行く人ばかりだから、 職業柄、 身体に君が言ったような余計な
機能をつけるのは、 かえって嫌がられることのほうが多いんだよ。 もっと勉強してね」
 これは面接官の中で一番年かさの、 意地が悪そうなバーコードはげの親父の意見。 全身義体の私に向かって
勉強がたりないとは、 よくぞ言ったもんだ。 全身義体の人たちだって、 好き好んで自衛隊とか警官に
なっている人たちばかりじゃなくて、 それしか仕事がないから仕方なくやっている人だって大勢いるの。
汗をかく義体だって、 できた当時みんな欲しがったのに、 国からの義体交換機種の対象外だったし、
保険が効かないから、 それはもうものすごい値段だったわけ。 買いたくても誰も買えなかったの。
そんなことくらい、 サイボーグ協会の協会誌読めばすぐわかるじゃん。 あんたこそ、 勉強してよね、
この薄らハゲ。 と、 言いたかったけど言えない。
586444:05/01/17 01:55:27 ID:jO0f1e0e
「八木橋さんの言う全身義体の品質向上は、 確かに今後検討すべき課題だと思います。 ですが、
全身義体を必要とする患者の総数は義体を必要とする患者の総数の1%程度に過ぎません。
義体を使用する患者の99%までが、 田中さんのような部分義体の使用者です。 これは、 全身義体独自の
技術開発にはコストが非常にかかる割には、 利用者は非常に少ないということを意味しています。
利用者の大部分を占める部分義体ユーザーと、 ごく少数の全身義体ユーザーでは、 どちらを重視するかは
言うまでもないでしょう。 また、 全身義体は部分義体の集合体です。 部分義体で開発された技術は
全身義体に必ず反映されます。 結局全身義体の技術そのものは、 部分義体で培った技術の集合体ということを
忘れてはいけないと思います」
 これは、 年でいえば三人のうちの真ん中、 一番影が薄い貧相な眼鏡親父の意見。 はいはい、 1%の人を
相手にするのはコストがかかるから無視しようということですね。 ごたいそうな企業理念を唱えておきながら、
結局は他社とたいして考え方は変わらないということですか? って言いたかったけど言えるわけない。

 「全身義体を開発する一番大きなメリットは企業広告としての役割です。 全身義体の成果は派手ですし、
マスコミの注目度も部分義体と比べて段違いに大きいですね。 映画の題材にもなりましたし、 ニュースネタにも
なりやすい。 例えば、 ウイングスのスーパーエースの深町さんが全身義体ということは、 世間では広く
知れ渡っています。 マスコミが何かと取り上げてくれますからね。 深町さんの一挙一動は同時にイソジマ電工が
これだけのことができるという宣伝にもなっているわけです。 全身義体の技術開発というのは、 そのものが
生み出す利益よりも、 どちらかというとこうしたニュースが巷に流れることによる企業イメージのアップの部分が
大きいのです」
587444:05/01/17 02:02:55 ID:jO0f1e0e
 これは、三人のうち一番若いおじさん、 私的には結構いけてる顔だと思うんだけどね、 の意見。
でもいけてるのは顔だけだった。 言ってることはある意味一番残酷だよね。 つまり、 企業にとって
全身義体の開発は、 客寄せパンダ的な意味合いしかないということだ。 私はパンダと一緒なんだ。
見世物ってわけね。 今度、 見世物小屋でも開いてあげようか? 恐怖、 人形女ってね。 はは。

「君は、 全身義体にいろいろ関心を持っているみたいで、 それはそれで嬉しいんだけどね、
さっき田中さんにあんな態度を取っていているような君に、 義体の人が心を開いてくれるとは
思わないけどね」
 また、 バーコード親父だ。 全く腹立つよね。 おじさん達は、 全身義体の見た目の
技術の派手さに目を奪われた素人さんをたしなめてやった、 くらいにしか思ってないのかも
しれないけど、 今まで言われたことは全身義体の私にとっては心に突き刺さるようなことばかり。
怒っちゃいけない、 怒っちゃいけないと思って、 ひたすら耐えておとなしくしていたのに、
あまりの言われように一瞬だけ理性が飛んじゃった。
「どうしてあなたにそんなふうに決め付けられなければいけないんですか?」
思わず興奮して立ち上がってしまう私。 そして、 立ち上がってから気がつく。 
何をやっているんだ、 私は。 こんな圧迫面接の罠に今まで何度もはまっては失敗してきたじゃんか。
馬鹿、 馬鹿、 私の馬鹿。
「失礼・・・しました・・・、 何でも・・・ありません」
取り返しのつかない失敗をしたことに気がついた私は、 蚊の鳴くような声でボソっというと、
椅子に崩れ落ちるように座ったのでした。
「!!!!!!っ」
バキッ!ドシン!
その座り方がよくなかった。 倒れるように座りこんだものだから、 やわなパイプ椅子は
重―い私の体重を支えきれずに潰れちゃった。 勢い余って見事な尻餅をつく私。
おじさん達もバレー女も男の子達も、 み−んな私を見て絶句してる。 泣きっ面に蜂とは
このことだ。 泣けないけどね。 生身の身体だったら、 悔しさやら恥ずかしさで
顔が真っ赤になっていただろうな。 きっと。
588444:05/01/17 02:05:54 ID:jO0f1e0e
見かねた若いおじさんが、 社員を呼んで新しい椅子を持って来させてくれた。
「あら? ひょっとして、 あなた八木橋さん?」
椅子を持ってきてくれた女性社員は私の顔を見て驚いている。 この巻き毛の女性、 どこかで見たことあるような。
私がまごついていると彼女は
「眼鏡はやめなさい!」
と言って、 いたずらっ子のように笑った。
「汀さん!」
間違いない。 タマちゃんだ。 私が親も兄弟も、 自分の身体もなくしてしまったとき、一生懸命リハビリに
付き合ってくれたイソジマのタマちゃんだ。 眼鏡はやめなさいとうるさく言っていたタマちゃんだ!
「汀君。 君は彼女と知り合いなのかね」
バーコード親父は怪訝そうに私たちを見た。
「斉藤部長、 知り合いも何も、 彼女は私がケア・サポーター時代に担当した患者さんで・・・」 
「汀さん、 お願い、 言わないで」
私はあわてて言葉を被せた。 汀さんもはっと気がついて話すのをやめた。 でも遅かったみたい。
「汀君はケア・サポーター時代、 全身義体の患者の担当だったな。 八木橋君、 ひょっとして君は・・・」
斉藤バーコード部長は気づいちゃった。 全身義体だって隠すつもりだったのに、 ばれちゃった。
タマちゃんはきまり悪そうな顔をして
「外で待ってるから」
と言い残して面接室から逃げるように出ていった。
589580:05/01/17 03:53:51 ID:4ziw9vQ6
>581
ありがとうございます。萌え絵じゃなくってすみません。

>389
ありがとうございます。作者様に見ていただけてよかったです。

絵にしたいシーンが多々あるのですが、お許しいただけないでしょうか?
私の画力では、389様の作品の魅力の万分の一も表せなかろうとは思いますが…。
590名無しさん@ピンキー:05/01/17 04:00:11 ID:4ziw9vQ6
>444

すみません。ちょっと泣いていいですか…。

絶対、絶対、BAD ENDにならないって信じていても、痛すぎて読んでいられないです・゜・(ノД`)・゜・
こんなところで切られては、続きが気になって何も手につきません…。

444氏は、どうしてこんな素晴らしい作品を書けるんだろう…。
591590:05/01/17 19:40:57 ID:4ziw9vQ6,
読むのが辛いので思ったことをそのまま書いてしまいました。作者様を非難する、続きを催促するなどの
事は一切意図しておりません。きっと不快に思われたことと思います。大変申し訳ありませんでした。
592444:05/01/17 21:09:04 ID:+yTkgbJD
私が全身義体の障害者だとわかったとたん、 その場の空気が凍って、 そのあと誰もしゃべらなくなっちゃった。
いつものことだから、 もう慣れっこだけどさ。 面接官は三人で集まって何かひそひそ相談してるし、 バレー女や、
男の子達はというと・・・あー、 みんななんとも言えない例の目つきで私の事を見てくれるねえ。 憐れみとか同情とか、
いろんな感情がいっしょくたになったような、 あの目つきね。 まあ経験したことない人には分からない
かもしれないけどさ。 いいんだよ、 そんなチラチラ横目じゃなくて、 この際もっとじっくり観察したらどう?
人間とどこが違うのかってさ。 お人形さんを間近で見れるいいチャンスじゃん。 はは。
ようやく相談が終わったのか面接官三人は自分たちの席に戻った。
「私は義体開発部の部長を務めております、古堅(ふるげん)と申します。 まさか、 八木橋さんが弊社の
全身義体ユーザーとは知らなかったものですから、 知らなかったこととはいえ、 先ほど失礼なことも
申し上げたと思います。 申し訳ございませんでした」
面接官の中では一番若手のおじさんが他の二人を代表するような形で、 まあ、 謝罪というのかな、
一応それらしい言葉を言い繕った。 でもね、 古堅部長、 あなた目が謝ってないよ。 なにたくらんでるの?
「そこで折り入ってお願いですが、 八木橋さん、 弊社の商品開発に協力していただく気はありませんか?」
ほらきた。
「えーと、 商品開発といっても、 私は文系ですし、 専門知識は何も持っていないのですが・・・」
だいたい、 商品開発っていっても要は義体の開発でしょ。 なんだかものすごーく嫌な予感がするんですけど。
「あなたに、 その知識がなくても大丈夫です。 それに、 その成果は当然あなたの義体にもフィードバック
されます。 悪い話ではないと思いますが」
古堅部長、 悪い話かどうかを判断するのは私なんですけど。
593444:05/01/17 21:12:38 ID:+yTkgbJD
斉藤バーコード部長が口を挟んだ。
「いやねえ、 全身義体の人っていうのは、 大抵は自衛隊とか警察とか、 そういったところの特殊技官として
就職しちゃうわけでしょ。 あなたみたいに、 ウチみたいな一般企業に就職しようって人自体がもう稀なの。
新しい義手でも義足でも、 全身義体でもね、 開発には試作品を、 被験体・・・あわわ、 えー、 実際に義体の方に
装備してもらって細かい調整なんかをする必要があるんだけどね、 自衛隊や警察と太いパイプがある
ギガテックスと違って、 ウチにはそういった人材が決定的に不足しているわけ。 で、 八木橋さん、
せっかくウチの義体を使ってもらって馴染みもあることだし、 そういった仕事はどうかなって思ったわけだ」
「それは、つまり私に全身義体の実験台になれということでしょうか?」
「実験台なんてそんな・・・」
もごもごと弁解を始める斉藤バーコード部長を制して、 古堅部長は冷たく言い放った。
「端的に言えばそうなります。 駄目ですか?」

結局この人達は、 私の人間性を必要としているわけじゃない。 私が全身義体だから必要なんだ。
義体の中に入ってる脳みそなんて、 誰だっていいんだ。 そう思うと悔しさがどっとこみ上げてきた。
「駄目です。 嫌です。 絶対に嫌」
言い切っちゃった。 これでイソジマ電工へ就職する芽は多分なくなっただろう。 でも、 いいや。
たとえ、 たくさんお給料もらっても、 体をいろんな機械に繋がれて実験台にされるなんて
とても私には耐えられそうにないよ。 まだ他にも会社はいくらでもあるよ。 そう開き直ってしまうと
勇気が出た。 このさい、 言いたいことを言ってやれ。
594444:05/01/17 21:15:21 ID:+yTkgbJD
「私は人間です。 体のほとんどが機械かもしれないけど、 それでもやっぱり人間なんです。なのに、
どうして、 実験動物みたいに扱われないといけないんですか? 全身義体の開発にはコストがかかるですって?
何もかもコストで決めるんだったら、 ごたいそうな会社理念なんて掲げないで下さい。 あなたがたは、
私達全身義体の使用者が人間らしい暮らしができなくてどんなに苦しんでいるか分かっているんですか?
友達と一緒に、 彼氏と一緒に食事にもいけないんだ。 今のままでは余りにも周りのみんなと違っていて、
影でお人形さんとか言われて蔑まれて・・・・私だって、 私だって、 もう一度おいしいご飯を食べたいんだ。
思いっきり泣いたりしてみたいよ。 私はずーっと私が全身義体だって言うつもりはありませんでした。
だって、 だって、 いつもそれを言うと周りの私を見る目が変わるから。 普通に接してくれなくなるから。
結局、 今日だってそうでしたね・・・。 こんな我侭娘を面接していただいて有難うございました。 さようなら」
思いのありったけをおやじ達にぶちまけた私は、バックを掴んでそのまま部屋から飛び出した。
595444:05/01/17 21:20:57 ID:+yTkgbJD
>>591
っていうか、590は最大限の賛辞ですよねえ。続きが気になるなんて作者冥利に
つきます。ということで、すばやく続きをUP。
気にしないでください。そして、すばらしい絵で、スレを盛り上げてください!
(あ・・・催促する意図はもちろんありませんよ)
596名無しさん@ピンキー:05/01/17 22:20:35 ID:eGrp1Xq5

・・・うう、今すぐヤギーのところに飛んでいって「ぎゅっ」てしてやりたい。 ・゚・(つД`)・゚・


「ヤギー」って愛称は、やっぱり「マギー」のオマージュですか?
597389:05/01/18 00:04:16 ID:LysTLnk7
>>580
>>589>絵にしたいシーン
どうぞご自由に、というよりむしろぜひお願いします。

絵をよく見ると、ガジェットの首筋に性感入力に使われる端子らしきものが…
細部までこだわってくれて嬉しいっす
598580:05/01/18 00:58:27 ID:4AsjBcxz
>>444
好意的に受け取っていただいて、ありがとうございます。あれを書いた後、かなり凹んでました。

こんなに早く続きが読めて幸せです。今は涙なくしては読めませんが、また笑顔の八木橋さん
を見れることを願ってます。

あのぅ…八木橋さんを描きたいです…。お許しいただけるでしょうか?
599580:05/01/18 01:00:53 ID:4AsjBcxz
>>389
ありがとうございます。
なるべく作者様の意図に沿うような作画をしたいと思いました。喜んでいただけて幸いです。

肌の色、目の色、髪の色などよくわからないのですが、配色はあれでよろしかったでしょうか?あと、
髪型とか、胸の大きさとか…。
600444:05/01/18 01:31:27 ID:nLraH41i
>>596
そこまで感情移入してくれて有難いです。
マギーって誰?マギー司郎しか知らないんですけど。
と、思って調べてみたらヴァーチャル・ガールという小説の
主人公の女の子ロボットの名前でした。私は残念ながら
読んだことないです。ってことで、マギーへのオマージュってことは
全然ないです。申し訳ない。

>>598
もう、遠慮なくジャンジャン描いちゃってくださいよ。
お分かりかと思いますが、ヤギー本人の外見、容姿にかかわる記述は
ほとんどありません。本人視点での物語なのでそのへんあまりくどく
書くのも変だと思ったもので。なものですから描き方はもうおまかせ。
眼鏡っ娘なのは私の趣味だ。
本人の独白以外にサイボーグものっぽいところがほとんどないので
なかなか描きづらいと思いますが、どう料理していただけるのか
楽しみです!

601389:05/01/18 04:31:00 ID:LysTLnk7
>>580
>配色はあれでよろしかったでしょうか
OKです。 気に入ってしまいました。
絵に関してはあまり詳しくないので、今後もお任せします。

ハツミ警部の胸は、中にガジェットの脳が有るか無いかで、
並と巨の変化がわかるように描いてくれると嬉しいです。
(体積的、形状的な矛盾は気にしないでくださいw)
602580:05/01/19 02:21:08 ID:/OEJD9DY
>>444
>>600
ありがとうございます。
おっしゃる通り、サイボーグものっぽい内容を視覚的に表現するのは難しい
です。まずは、挿絵として、444氏のお話とセットで楽しんでいただくしか
ないかと思いました。
義体化後のリハビリの時や検査病院のシーンなら、それなりの絵になるかと
思いますけれど、そういう露骨なのは八木橋さんが嫌がりそうですし。
藤原君視点で、日常生活の中で垣間見られる、それっぽいシーンの絵でも
描いてみましょうか…。二次創作になってしまいますけれど。
眼鏡は、444氏のこだわりでもあるのですね。

>>389
>>601
了解しました。気に入っていただけて嬉しいです。
ハツミ警部の胸は、カズヒロ技術官が全力をあげて解決してくれているだろ
うと思います。きっと美しいフォルムに仕上がっていることでしょう。
合体機構がある限り、ずっと巨のままなのですね。素晴らしい…。
後でサンプルを描きますので、サイズ的にあっているかどうか、見てみてく
ださい。
603444:05/01/19 23:32:23 ID:YjOcdrxy
>>602
うーん、どんな絵を描こうとしてるんだろう。激しく楽しみです。
リハビリや検査病院のシーンはヤギーは嫌がるかもしれませんが
私的にはかなり萌えです。
検査病院編はお約束ネタになっちゃうかもしれませんが、
今回の就職活動編が終わったらやろうと思ってます。

604444:05/01/20 02:28:33 ID:Z9QATqua
「八木橋さん、どうしたの!」
外の廊下で私が出てくるのを待ち構えてたタマちゃんは、 一目見るなり私の尋常じゃない様子を感じ取ったみたい。
びっくりして目を見開いて、 ただでさえ高い声なのに、 いつもよりよりいっそう高い、 まるで小鳥のさえずり
みたいな声を張り上げた。
(ごめん、 タマちゃん。 今はほっといて)
私は引きとめようと伸びるタマちゃんの両腕を何も言わずに振り払ってエレベーターに向かって駆けていった。

 武南電車の菖蒲端の都会の垢をそのまま染み付かせたような薄汚れた洋館建築の駅舎の前で私はぼんやり立っていた。
到着した電車が、 どっと乗客を吐き出し、 その人の波が私自然に駅の隅っこのところどころ装飾が欠けた太い柱の
ところまで、 押し戻した。
家に帰ろうと、 菖蒲端まで来たものの、 なかなか帰りの切符が買えないで、 さっきから切符売り場の前を人波を
避けて右往左往している私。 なぜって、 家に帰りたくないから。 誰が待っているわけでもない、 薄暗い、
生活感のない冷たい部屋に、 もう慣れっこだと思っていたけど、 今日は帰りたくなかった。
出ないと分かっていて、 つい藤原に電話してしまった。 案の定、 携帯はつながらない。 そうだよね。
駅員さんが勤務中携帯なんか話せるわけないよね。 ただ、 それを再確認するためにかけたようなものだ。
 あきらめて家に帰ろうと思った矢先、 スーツの胸ポケットの中で携帯が震えた。 藤原だ。 藤原だ。
「もしもし、 裕子さん。 今、 トイレ行くっていって抜け出して電話してる。 結果が気になったからさ。
面接はどうだった?」
「藤原・・・・・・」
そのあとの言葉が続かない。
「もしもし、 裕子さん、 もしもーし」
「・・・・・・・私、 駄目だったよ」
電話の向こうの声が途切れた。 多分、 なんて慰めようか考えているんだろう。
「ねえ、 藤原。 今から会えないかな?」
藤原が口を開くより先に私は言った。 まだ四時前だったけど、 駄目もとだ。 寂しくて、 寂しくて、
声を聞いたらとにかく無性に藤原の笑顔が見たくなった。
「えっ! 今から? いや、 まだ仕事中だしさ。 ちょっと無理だ」
「そうだよね。 ごめんね」
605444:05/01/20 02:29:50 ID:Z9QATqua
「でも今日は七時びけのシフトだからさ、 その後なら会えるよ。 何して遊ぼうか? 映画でも見る?
それとも駅前のヤマイデパートに買い物に行く? まだ閉店には間に合うぜ。 骨董品買うのに
つきあってもいいや。 好きだったろ、 そういうの」
藤原は、 私と遊ぶとき決してご飯を食べない。 お腹空いているだろうにいっつも我慢してくれるんだ。
今日だって、仕事終わってお腹空いてるはずなのに、私が行きたそうなところにつきあってくれるつもりだ。
有難う。 私みたいな機械女と知り合ったばっかりに、 いつも苦労かけてごめんね。
「ううん、 私、 菖蒲端で藤原が帰るのを待ってるから」
菖蒲端は私の住んでる宮の橋に行く武南電車のターミナルで、 ちょっとした歓楽街もある。 ちなみにいうと、
藤原の住む武南電車の独身寮もここにあるんだ。
「菖蒲端で待ってるって? 裕子さん、 これから宮の橋に戻るんじゃないの?
わざわざ、 菖蒲端で会うことないじゃん」
「あのね、 藤原。 今日は・・・私・・・家に帰りたくないの」
 私は思い切って言った。
電話越しに唾を飲み込む音がはっきり聞こえた。 これって、 はっきりいって誘ってるよね。
私たちが知り合ってから、 よく遊ぶようになったといっても、 私たちまだ一度もHしたことなかったもんね。
藤原が奥手なこともあったし(女性経験がないことなんて、 女から見れば隠しても分かっちゃうんだからね)、
私自身は、 好きな男とHした経験がないわけじゃないけど、 まあ昔いろいろあって、 こんな機械の身体を
藤原にさらすことに臆病になってたんだよね。 でも、 今日はそんなことどうでもよくなっちゃった。
私には生理もないし、 もちろん子宮も卵巣もないけど、 そんな私にだって、 フツーの女の子みたいに
好きな人に抱いて欲しい、 慰めて欲しいと思うときはある。 私の身体は全部作り物の機械だけど、
この気持ちだけは作り物じゃないよ。
606444:05/01/20 02:36:39 ID:Z9QATqua
私は今、 一人で菖蒲端のワイワイ横丁の居酒屋「野次来多」に来てる。 仕事帰りのサラリーマンたちが、
ちょっとしたつまみを肴に一杯ひっかけてくような、 狭いカウンターだけの店だ。 正直言って、 女の子が
一人でなんてとても来ないような店。 仕事帰りのサラリーマン達で賑わう店の片隅に、私はなるべく
目立たないようにひっそりと座った。 一体全体、 こんな店を待ち合わせ場所に指定するなんて、
藤原はどういうつもり? 藤原はいいやつだけど、 こういうところでは全く気が利かない。
「お嬢ちゃん、 どうしたの。 こんな店に一人で来るなんて」
頭にバンダナ巻いて、 威勢よく店を仕切っている店のマスターもさすがに私を見て怪訝そうに言った。
「あの・・・、 人と待ち合わせてて」
「そうかい、 あんまり遅くならないうちに帰るんだよ。 親御さん心配してるよ」 
このおじさん、 絶対、 私のこと未成年と思ってるよね。 大丈夫。 私には心配してくれる両親はもういないから。
「うう、とりあえずビールください」

「お嬢ちゃん、 どうしたのさ。 ほとんど飲んでないのにそんな酔っ払っちゃって」
マスターがテーブルに突っ伏して動かなくなった私を見て、 心配そうに声をかけた。
「うるさいよう。 まだ全然酔っ払ってなんかないんだから」
全然量が減ってないグラスを掴んで、 こんなこという私は立派な酔っ払い。実はもう酔っ払ってフラフラ。
藤原を待つ間、 これからするに違いない、 すごーく気持ちよくて楽しいことを考えてればいいのに、
今日の面接のことばかり思い出して悲しくなって、 こっそりとっておきの5000円もするアルコール入りの
栄養カプセルのんじゃったからね。 それも一つじゃなくて三つも。 三つといってもカプセルに含まれる
アルコールの量なんて、 ほんとたかがしれてる。 でも今の私に残されたわずかな人間の部分をぐでんぐでんに
酔っぱらわせるには、 この程度で充分ってこと。 人間らしい楽しみのほとんどを奪われて、 永遠に
人形の中に閉じ込められた、 私のちっぽけな魂のストレスを解消するのは、 こんなものしかない。
でもないよりましだ。 過ぎたことは忘れよう。 酔っ払って何もかもぜーんぶ。
607444:05/01/20 02:38:04 ID:Z9QATqua
何時間たったんだろう?
「裕子さん、裕子さん」
気がつくと誰かが私を起こしてる。 顔をあげると、 隣には藤原の困ったような笑顔があった。
「藤原―、 待ってたよう」
私はろれつの回らない口でそう言うと、 一口も飲まないままぬるくなっちゃったビール瓶をつかんで、
藤原のコップに注いだ、 つもりで狙い外れてカウンターテーブルに注いじゃった。
空のままのコップを握ったまま苦笑いする藤原。
608名無しさん@ピンキー:05/01/20 11:02:36 ID:lkUg0wLb
>>606
八木橋……………(つДT)

ところで>>444氏って、関西系の方?
○○電車って表現、関東人にはなじみが薄いもんで。
609名無しさん@ピンキー :05/01/20 13:25:15 ID:sLn81OO4
藤原がデート編に出てきた男だったというのを完全に忘れてて
女友達だと思いこんでた俺は負け組ですか…orz

今度からちゃんと読むので検査病因編もおながいします…
610名無しさん@ピンキー:05/01/20 19:49:38 ID:4HjNAAzp
八木橋って熊谷のデパートからの名前っぽいような
611580:05/01/20 20:39:34 ID:Q00/CYI1
>>603
期待はずれにならないよう、がんばります…。
検査病院編、楽しみにしてます。444氏なら、お約束ネタでも素晴らしい作品を書いてくださるで
しょう。よろしくお願いします。

>>604-607
・°・(つД`)・° ・゜・(ノД`)・゜・ ・°・(つД`)・°・
…もう涙が枯れてきました…。

H編突入ですか…期待していいですか?
有言実行の444氏に深く感謝しつつ、続きをお待ちしています。

好きな人のための苦労なら、それを幸せに感じる人もいるんです。藤原君も苦労だなんて思っ
てないですよ、きっと…。>八木橋さま

>>610
Webサイトにアクセスしたら、今週の八木橋…今月の八木橋…八木橋友の会なんていうのも…。

… … … 八木橋友の会 No.001希望…。八木橋FCの方がポピュラーかな…。
612444:05/01/21 00:25:02 ID:wS1G2Dfs
>>608
関東育ちですが、かなり長く北海道にいました。
そういえば、関東では東武電車・京成電車っていうより
東武線、京成線って言い方をしていたような気がする。
以後訂正しますね。
関西には今のところ全く縁がありません。関西に住んでいたら
関西弁キャラも出せるのになあ。
>>609
すまない。もっと分かりやすい描写を心がけます。しかし、せりふだけで
キャラ立てするのは本当に難しいです。
>>610-611
名前は今まで出会ってきた人から脈絡なく適当にとってつけてます。
しかし、今週の八木橋、今月の八木橋、八木橋友の会にはワロタ。
友の会会員NO001ですか。ヤギーがここまで愛されるキャラに育ってくれて
作者としてとても嬉しいです。
>>611
H編というか就職活動編の中休みってとこでしょうか?
就活編かなり長くなっちゃいましたけど、ようやく終わりが見えてきた
感じですね。
613名無しさん@ピンキー:05/01/22 23:49:11 ID:/JjPyAmx
ちょっと保守しておきます。
614444:05/01/23 03:09:48 ID:/RJ9t6f+
私は酔いが抜けない千鳥足で、 駅や藤原の住んでる寮の丁度反対側のワイワイ横丁のはずれ、 みんなが密かに
猥々横丁って呼んでるラブホテル街に向かって、 藤原を引っ張ってよろよろ歩いてる。 当の藤原はというと
何も言わず私に引っ張られるがまま。 ワイワイ横丁はまだ宵の口。 キラキラ輝く原色のネオンがまぶしいよ。
「私ホントは自分からこんなことする女じゃないんだから。 藤原がオクテだからいけないんだからね。
今日だけだよ。 次からは藤原にエスコートしてもらうんだからね」
 さっきから私ばかりしゃべってる。 酔ってるせいばかりじゃないよ。 二人して無言でホテルに行くなんて、
なんか恥ずかしいじゃない。 藤原が何も話さないなら、 私が何かしゃべりまくるしかないよ。

「キャッ!」「うわっ!」
酔っ払って頭がぐるぐるしてる私は、 バランスを崩して倒れそうになった。 そこを藤原が抱きとめてくれた
までは良かったんだけど・・・、 私の重い機械の身体を抱きとめきれなくて、 二人して重なり合うように
倒れちゃった。 ちょうど、 地面で抱き合う格好になった私たち・・・。
「裕子さん、 大丈夫?」
藤原が心配そうに声をかける。 うー、 頭がふらふらする。 機械の身体のくせして酔っ払うなんて、
なんてみっともないんだろう。 次から、 アルコールカプセルを三つ一気に飲むのはやめよう。 だけど、
なんて言うか、 このまま抱き合ってるのっていいかも。
「大丈夫じゃないって言ったら、 しばらく、 このままでいさせてくれる?」
私はそう言って、 藤原の胸に顔をうずめた。
トクトクトクトク。
(あ、 藤原の心臓の音だ。 ずいぶん速く動いてる)
「藤原、 ひょっとして緊張してる? かわいいんだ」
私は上目遣いに藤原を見上げてくすくす笑った。
「うるさいっ! 重いからどいてくれよ」
「あっ、 藤原め。 私のほうが年上だよ。 先輩に向かってそんなこと言うんだ。 ひっどーい」
「でも、 裕子さん。 今日始めて笑ってくれたね」
・・・そういえばそうだね。 藤原のお陰だね。
615444:05/01/23 03:16:39 ID:/RJ9t6f+
  結局、 いろいろ迷ったあげくに、 一番安い「ピンクパンサー」というラブホテルに入った私たち。 藤原も、
まだそんなに給料もらってるわけじゃないし、 学生の私に至っては言わずもがな。 今日は、 別に部屋でカラオケしたい
わけじゃない。 どんな立派なお風呂も私には意味がない。 ベッドがあって、 することができればそれでいいの。 しかし、
壁もベッドも全部ピンク尽くしなのには、 ちょっと閉口したけど・・・。
「服脱ぐから電気消してよう」
  私の身体に何箇所かある検査用のコンピューター接続端子は、 普段は肌の色と全く同じ色のシールを貼ってカムフラーッジュ
してるから、 注意して見なきゃほとんど分からないはずなんだけど、 それでもやっぱり明るい中で、 自分の作り物の身体を
晒すのは嫌だった。
  パチン。
  藤原が私の言葉に素直に従って、 枕もとのスタンドのスイッチを切ると、 部屋の中は真っ暗になった。 月の弱弱しい
青い光の中で、 私は黙々と、 スーツを、 ブラを、 ショーツを脱いでいく。 私の眼は暗い中でも、 よーく物が見える
機械の眼だから(視力は0.1だけど)、 別に真っ暗闇でも服を脱ぐのに苦労はしない。 すぐに服を脱いで、
身体に身につけているのは眼鏡だけの素っ裸になっちゃった。 改めて、 自分の身体を見つめる私。
  裸になっても、 生まれたままの姿なんてとても言えない、 高校生の頃の自分の身体とそっくりに作られた、 だけど
作り物の身体。 子供を埋めない機械の身体だから、 私の女性の象徴、 赤ちゃんを育てるためについてるはずの
たいして大きくもない乳房だって、 本来なら新しい生命をこの世に生み出す入り口になるはずのアソコだって、
どんなにもとの身体そっくりに再現されていても、 もうHのときに使う快楽装置以外の存在理由なんてない。
フンだ。 せいぜい今日は存分に使ってやるんだから、 覚悟しなさいよ、 私の身体め。
  私は仰向けに寝そべって藤原が来るのを待った。 でも藤原は服をぬいだくせに、 なかなかベッドに
上がってくれない。
「ねえ、 早く来てよ。 どうしたの」
  私は両手をひろげて、 藤原を誘った。 
「いや、 その、 こういう時って避妊のためにコンドームを着けたほうがいいんじゃないかと」
藤原は恥ずかしそうに言った。
616444:05/01/23 03:24:46 ID:/RJ9t6f+
「ちょっと、 ひょっとしてそれギャグで言ってるの? 全っ然面白くないんだけど」
「あ・・・・ごめん・・・そんなつもりじゃなかったんだ。 本当にごめん」
  あらら、 いままで勢いよく立ってた藤原のシンボルが急にしおしおしちゃった。 そんなところまで
見えなくていいのに。 暗いところでもよく見える眼というのも困りものだわ、 ホントに。

  私と藤原は裸でベッドの上で抱き合ってる。 もちろん私が下で、藤原が上。 ホントは私が上になって、
藤原を襲ってやりたい気分なんだけど、 私の体重じゃ無理だよね。
「俺、 経験ないから」
  藤原が私から眼をそらして、 ポツリとつぶやく。 知ってるよ。 そんなことは。
「今日は、 私がリードしてあげる。 でも今日だけだからね。 私だって恥ずかしいんだから、 ちゃんと覚えてね」
そう言いながら、 私は藤原の左手を私の右の胸にもっていった。
「おっぱい触ってよう。 やさしくだよ」
  藤原の左手が不器用に私のおっぱいをまさぐる。 そして今度は藤原の右手を私のアソコに。
「あのね、 下のほうも触って。 最初は手のひらで全体をさすって。 ゆっくりだよ・・・うわ」
ちょっと藤原が私のアソコに触れただけで、 下半身から快感がぞわぞわ這い上がってきた。
ひょっとして、 今日の私、 滅茶苦茶感じやすくなってるかも。 相手が藤原だから・・・かな。 ふふ。
「もっと早く、 手、 動かして。 胸も、 下も。 藤原、 藤原、 気持ちいいよう」
  より強い快楽を求めて、 つい藤原を催促してしまう。
私、 普段は、 こんなこと言わないんだからね。今日だけだからね。
  私の言葉を待っていたかのように、 藤原の手が大胆に動き出す。 快楽のボルテージが上がって私は
藤原の胸の下で狂ったようによがった。 甘い声だってだしちゃった。 所詮、 人工性器と脳をサポートする
コンピューターからもたらされる、 偽りの快楽なんだけどね。 でも、 それでもいいんだ。
もっと溺れさせてよ。 今日だけは。
  そのうちに、 私の作り物のアソコからピチャピチャ猫がミルク舐めるような音がしてくる。
よくできた身体でしょ? きっと、もう溢れるくらい濡れちゃってるよ。 恥ずかしい。
617444:05/01/23 03:28:44 ID:/RJ9t6f+
「藤原の、 握っていいかな」
藤原の返事を待たずに、 握っちゃった。 これが藤原のなんだ。 熱くて硬くて愛しいな。
ちょっとしごいちゃえ。
「裕子さん!」
  それが合図だったかのように、 藤原は激しく私の口を吸ってきた。 私も藤原の背中に両腕を回して、
それに応える。
「裕子さん、 俺もう我慢できないよ。 入れていい?」
  藤原の表情は切羽詰ったものになってる。 そうだよね、 童貞のあんたをここまでお預けして、
私ばっかり気持ちよくなっちゃってた。 ごめんね。 私もそろそろ藤原のが欲しいよ。
  私は無言でうなずくと、 私の入り口に藤原を導いてあげた。 でも藤原のそれはなかなか私の中に
入ってくれない。 入り口でまごまごしてるだけだ。 ん、 もう何やってんのよ。 そんなにじらさないで。
わざとじゃないんだろうけどさ。 私も藤原のを掴んでなんとか入れてあげようとしたんだけど、
それがかえって、 藤原にとって変な刺激になってよくなかったみたい。
「裕子さん、 ごめん。 だめだー」
と、 藤原が言ったかと思うと、 藤原のそれ、 どくんどくんて脈打って、私のお腹の上にせーえきを
撒き散らしちゃった。 ありゃりゃ。 イっちゃったんだ。 でもいっぱい出たね。 藤原は私の胸の谷間
(まあ、谷間っていうほど胸があるわけじゃないんだけどさ)に頭をうずめてはあはあ息を荒げている。
かわいいんだ。
「ははは、 藤原。 気持ちよかった?」
  私はお姉さんぶって藤原の頭を撫でてあげた。
「裕子さん、 ごめん。 うまくできないよ」
「気にしなくていいよう。 一回出したら落ち着くんでしょ。 男の人って」
618444:05/01/23 03:31:30 ID:/RJ9t6f+
今日の八木橋でした。
就職活動編は、あと一回だけやって、それで終わりです。
619名無しさん@ピンキー:05/01/23 03:54:53 ID:Ci5mrgvC
444さん、待ってました。
私の頭の中は、八木橋さんや彼女の住む町がばっちり浮かんできます。
こんなに感情移入できるなんて、本当にすばらしいで話です。
がんばってください。
620580:05/01/23 06:14:30 ID:l5RdIPdU
>>613
保守乙です。

>>614-617
八木橋さんに笑顔が戻ってよかった…。

藤原君、かわいいです。八木橋さん、エッチいです。
心の底から堪能させていただきました。ありがとうございます。
高校生体型で、貧乳(かな?)で、優しくて、エッチなお姉さん…激萌えです。
八木橋さんの甘い声、聞きたいです。キス、したいです。胸にも、アソコにも、触りた
いです。もちろん、その先のことも、したいです。藤原君が激しく羨ましい。うぅ…。

>>618
就職活動編も、もう終わりですか…。悲しくて、読むのが辛いお話でしたけど、終わっ
てしまうとなると淋しいです。どんな結末を用意していただいているのでしょう。
検査病院編も、その後も、八木橋さんのお話を読める幸せが、そして作者様に感想をお
伝えできる幸せが続きますことを切に願います。

これだけ作品を読ませていただいても、今だに八木橋さんのイメージを視覚化できない
ヘタレでごめんなさい…。
621580:05/01/23 20:58:44 ID:l5RdIPdU
>>620
八木橋さんに、こんなにも愛されている藤原君が羨ましい、と書くべきでした…orz

眼鏡を描くのは難しいです。可愛くならない…。

ttp://akm.cx/2d/img/10563.jpg
622名無しさん@ピンキー:05/01/23 21:33:42 ID:QieiBVMI
ヤギーイメージ画像キターーー!
623444:05/01/23 21:35:49 ID:/QzvMOG9
 藤原と私はベッドから身体を起こすとティッシュでお互いの身体についた体液を拭きあった。
「はは、 かわいくなっちゃって」
私は欲望を吐き出してすっかりおとなしくなっちゃった藤原のものを指ではじいた。
「ねえ、 私が口でして大きくしてあげる。 でも出ちゃいそうになったら言ってね。 口の中に出したら、
もしかしたら私の身体壊れちゃうかもしれないから」
「うん」
「だから、 藤原も私のを口でしてね。 お互いに舐めっこしよう」
  私が藤原のをフェラしてあげて、 藤原に私のアソコを舐めてもらう。 これってシックスナインって
いうんだっけ? うーん、自分からそんないやらしいことするように誘うなんて、 今日の私って
なんていやらしいんだろう。 全部藤原のせいだからね。
  藤原の身体を潰さないように気をつけながら、 上にまたがって、 目の前の萎えちゃった藤原のものを
ぱくって口に加える。 私の舌はもう味なんか感じるようにはできてない。 食事ができないのに、
味なんか感じたらかえって苦痛を味わうだけだから、 わざとそんなふうに作ってるんだって。
でもね、 小さくなっちゃった藤原のそれをはむはむしてると、 なんだか藤原の味がするような気がしたんだ。
本当だよ。
  今、 私のアソコ、 藤原の目の前にあるんだよね。 暗いけど、 藤原だってもういい加減、
目が慣れてきてるよね。 きっと丸見えになっちゃってるんだ。 そう思ったら、 なんだかものすごく
興奮してきた。 私の人工愛液が、 どっと私のアソコから出てきてるに違いない。 藤原も私のお尻と
睨めっこなんてしてないで早くしてよう。 私が、 もうちょっとだけ、 藤原の顔に向かって体を沈めると、
ようやく、 遠慮がちに藤原の舌が私の中に入ってきた。
「あのね、 私のあそこの上のほうに、 コロコロしたものがあるの、 そこ舐めてよう」
藤原の舌が別の生き物のよう私のあそこを這い回って、 ようやくクリを探し当てた。
624444:05/01/23 21:38:29 ID:/QzvMOG9
「あっ!」
  藤原の舌がちょっとクリに触れただけ、 それだけで、 あんまり気持ちよすぎて、
途中からフェラもできなくなっちゃった。 また私ばかり気持ちよくなっちゃってるよう。
ごめん、 藤原、 ごめん。 きっと私のコンピューター、 いままでにないくらい処理能力を
フル活用して快楽情報を脳に送り込んでるんだ。 この気持ちよさなんて、 幻想、
まやかしなの、 まやかしなんだから! なのに何でこんなに感じるのよう。
いつの間にか私はシーツを噛んで藤原の攻撃にただ耐えるだけになっていた。
今日は私が攻めてやるつもりだったのに、 どうしてこうなっちゃうのよう。
「あーん!」
私の反応に調子に乗った藤原は、 舌で私のクリをなぶるのと同時に、 人差し指を私の中に
軽く入れた。 それで、私はとうとう耐え切れなくて、 軽くだけど、 イっちゃった。
私の身体がストンと藤原の上に落ちる。 眼をぎゅっとつぶって、 身体中を蹂躙する、
電気信号に姿を変えた淫魔のもたらす嵐にひたすら耐える私。 くそう、 藤原め。
私は、 そんなこと、 教えてない・・・。
「裕子さん、 ちょっと重い、 重いよ」
  藤原の苦しげなうめき声で、 ふと我に返る私。 私、 自分の身体のことも忘れて・・・
藤原の上でぐったりしてた。 機械がぎっしりつまった120kgの身体を受け止めるのは、
そりゃあきついよね。
「ごめん、 だって藤原がうますぎるからだよう、 初めてのくせに生意気なんだよう」
625444:05/01/23 21:46:16 ID:/QzvMOG9
  藤原のあれ、 いつの間にか回復してる。 私のよがる姿を見て興奮してくれたのかな? だったら恥ずかしいけど嬉しいな。
「藤原君、 元気になりましたね。 じゃあ、 もう一回チャレンジしましょう。 さあ来て」
  私は先生みたいな口調で言うと、 また仰向けに寝っころがった。
藤原は、 もう一回イっちゃってるからか、 さっきみたいに、 めくらめっぽうに私の足の間を突いたりしない。
余裕のある動きで、 私の入り口を探る。 私が手で導いてあげると、 私のあそこも、 もうグチョグチョになっちゃってるから
抵抗感もなくすーっと入っちゃった。
「入ったね」
「うん」
「焦らないで、 一気に奥まで入れないで。 最初はゆっくり、 浅くね。 いきなり奥まで入れたら痛いんだからね」
  私は性急に動こうとする藤原をたしなめた。
「うん」
  藤原のもの、 ゆっくりゆっくり、 ぬーって私の中に入ってきた。 よしよし、 素直で言うことをよく聞く生徒だ。
「藤原、 いま私と藤原一つになってるんだよ。 分かる?」
  今の私、いったいどんな顔してるんだろう? きっと、 ものすごくいやらしい顔してるんだろうな。
私は両手を藤原の背中にまわして、 藤原をかき抱いた。 んー、 もう。 すごく愛しい。
「じゃあ、 動いてみて。 ゆっくりだよ」
  藤原は私に言われるがまま、 ゆっくりと腰を動かしはじめた。 あ・・・ダメだ。 こんなゆっくりしか
動いてないのに、 まだ深く入ってるわけでもないのに、 また私感じてるよう。 藤原のことが大好きだからだよ。
いいよ、 いいよ、 藤原あ。 やっと一つになれたね。
  私は藤原と身体をつないだまま、 両足を藤原の肩の上にのせた。
626444:05/01/23 21:49:41 ID:/QzvMOG9
「こっちのほうが、 深く入るから。 この姿勢で身体動かしてみ・・・」
  私が言い終わる前に藤原は身体を動かしはじめた。さっきより早く、強く、深く。あ・・・、もうだめ。気持ちよすぎて
何も考えられないや。 ただ藤原のリズムにあわせて、 あーあーうーうーしか言うことができない。 シーツをぎゅって
つかんで、 快感に翻弄されるがままの私。 こんなの、 こんなのただのデジタルな電気信号のはずなのに、
私の脳の中でそれが快感にアナログに変換されて、 また全身にうわって広がっていくんだ。 私の心は、 いまのところ
機械のいいなり。 悔しいっ! 悔しいっ! この身体の持ち主は私なのにコンピューターに支配されるなんて悔しいっ!
藤原だって、 人の話は最後まで聞きなさいよ。 私は教えてあげてるんだよ。 私があなたを気持ちよくさせてあげるはず
だったんだから。 なのに、 なんで、 なんで・・・・。
  もうどうだっていいや、 どうせなら、 ねえ、 藤原。 もっと高くまで行かせて。 世界の果てまで昇らせて。
私のこのくだらない馬鹿コンピューターが、 壊れるくらいに。 私の脳が狂っちゃうくらいに。
「もっと滅茶苦茶にして。 おっぱいも強く握ってよ。 もっと強く!」
 私なんてハシタナイ言葉叫んでるんだろう。 もう恥じも外聞もないよう。 藤原の手がそれに応えて私の右胸を左胸を、
鷲掴みにもみしだき、 乳首を噛んで・・・。 愛撫なんて生易しいもんじゃない、 ホントなら痛みを感じるくらいの
動きなのはずなのに、 それが全部快感信号に置き換わって一斉に私の脳に襲い掛かった。
「もう私ダメだから。 ダメだから。 ダメダメダメダメッ。 藤原、 私もうダメだよう、 ダメだよう」
  もう自分で何を言ってるのか分からない。 私の身体の中の赤くて小さな風船が、 藤原が私を突き刺すその一突きごとに、
胸をもみしだくその一もみごとに、 どんどんどんどん膨らんで、 とうとう私の身体より大きくなって、
この部屋より大きくなって・・・。そして。
「ふじわらー、私、イクっ!!!!」
「裕子さん、俺も!!!!」
風船がはじけた。
世界がはじけた。 私がはじけた。
627444:05/01/23 21:55:40 ID:/QzvMOG9

「Hするのが始めての男にイカされちゃった。 ちょっとくやしいかも」
  私は私の上でまだあえいでる藤原に向かって舌を出してやった。
「まだ離れたらだめ。 手を私の背中にまわして。 ギュってして。 しばらくこのままでいてね」

「藤原、 藤原」
返事がない。 すーすーと気持ちよさそうな藤原の寝息。 私の身体の上で寝ちゃったんだ。
私は身体を起こすと裸のまま気持ちよさそうに寝てる藤原にそっとシーツをかけてあげた。 そうだよね。 遅くまで仕事
がんばってたんだもの、 すぐ寝ちゃっても無理ないよ。 おやすみ、 藤原。
 でも、 結局藤原に言えなかったな。 聞けなかったな。 藤原のこと愛してるって。 藤原は私のこと愛してるかって?
私はこんなにも藤原のことが好きなのに。 愛してるのに。
  今まで、 機械の身体の私を本気で愛してくれた人なんていない。 私の身体のことを知ると、 途端に距離を置こうとする男、
機械の身体ってどんななのか知りたくて、 興味本位で近寄ってくる男。
「なんだ、 期待してたのに、 結局人間と変わらないじゃん」
  Hが終わった後、 そんな言葉を私に向かって吐いたやつもいた。
  いつも私だけが本気で、 その度に裏切られて傷ついてきたから、 だから私は藤原の本当の気持ちを聞くことに
臆病になってるんだ。 でも、 いいや。 私が自分の気持ちを藤原に伝えたからって何になるというんだろう。
藤原の心に重い負担をかけるだけじゃないか。
  例え藤原が、 本当は私を愛してなくてもかまわない。 いつか私から離れることになってもかまわない。 だって、
私の身体は冷たい機械だもの。 もう人並みの幸せは手に入れられないってあきらめてるから。 たまに、 ちょっとだけ
抱いてもらって、 人間だって思い出させてくれればそれでいいよ。 それ以上は何もいらないから。 本当に、 ホントに・・・。
628444:05/01/23 22:02:32 ID:/QzvMOG9
  朝、 眼が覚めると藤原はすでにいなくなっていた。
その代わり、 ベッドの横の小さなサイドテーブルに置いた私の眼鏡の隣に、 こんな手紙があったんだ。
藤原の書いた字は、 まるで藤原みたいに不器用に角ばってて、 でも力強かった。
___________________________________________________________________________
八木橋裕子様

  おはよう。 俺、 今日は早番なんだ。 先に行くね。 昨日はいろいろあって疲れただろう。裕子さんは
ゆっくり休んでいってくれ。 昨日はありがとう。 俺はこういうこと初めてだったんで、 うまくできなくてごめんな。
  裕子さんはことあるごとに私はお人形さんだからっていうよね。 世の中には汚い心を持った人たちも残念だけど、
ちょっとだけいるんだ。 そういう人たちが裕子さんをずっと傷つけてきたんだろ。 だから、 裕子さんもそんな
言い方をするようになっちゃったんだと思う。 でも、 お願いだから、そんなふうに自分を傷つけるのはやめてくれ。
確かに裕子さんはちょっとだけ他の人と違うかもしれない。 でも、 立派な人間だ。 それは裕子さんとすごした
この三ヶ月間でよく分かった。 裕子さんはとても真っ正直で、 とても優しくて、 とても強い人だ。 そしてとても
心の清らかな人だ。 俺なんかよりずっと。
  だから裕子さんが僕を必要かは分からないけど、 少なくとも僕には裕子さんが必要だってことだけははっきり言える。
俺は口下手だから、 面と向かっては言えない。 だから、 古い手段かもしれないけど、 こんな形で告白します。
一回しか書かないからな。 裕子さん、 俺はあなたが好きだ。 愛しています。 これからもずっと一緒にいよう。
裕子さんさえよければ、 いつまでも。
   藤原修治
__________________________________________
629444:05/01/23 22:08:49 ID:/QzvMOG9
「藤原・・・有難う」
  私はその手紙を藤原だと思って、 ぎゅっと胸に抱いた。 目を閉じたら、 嬉しくて胸がいっぱいになって
涙が溢れてきた気がした。 ううん、 気がしたんじゃない。 確かに涙は流れたはず。 この世でたった二人、
私と藤原しか見えない、 でもとびっきり大粒のやつが、 ね。
 そうだ、今から宮の橋に行こう。働く藤原を見に行こう!

  午前七時半時、 ラッシュのピークを迎えた朝の宮の橋駅は、 たくさんの人でごったがえしてる。
東京へ向かうサラリーマンやOL、 そして学生達、 誰もが先を急ぐようにホームで電車を待ち、 乗り込んでいく。
もう何十年も、 そしてこれからもずっと変わらないだろう、 ごくありきたりの朝の風景。
  そんな中、 私は一人で駅のベンチに座っていた。 ベンチに座ってぼんやりと行きかう人を眺めているうちに、
ラッシュの時の駅のベンチって私みたいだな、 とふと思った。 誰もが先を急いでるから誰も座らない、
誰もが先を急いでるから省みる人もいない。 存在に気がつかない人だっているだろう。 せわしなく動く時間の中で、
ここだけ時が止まったような、 そんな感じ。 こんなにもたくさんの人がいるのに。
  私も同じ。 私の身体も17歳の時から時が止まったまま。 まわりの誰もが皆、大人になっていくのに、私の身体は
いつまでも高校生のときのまま。 ひょっとしたらこのまま永遠に。 そして、 こんな私を本気で愛してくれる人なんて
いるわけない。 私はそう思ってた。 そう、 昨日までは。
  でもね。 もう大丈夫だよ。 私、 一流企業のOLという地位を手に入れることには失敗したかもしれないけど、
そのかわり、 もっと素敵なものを手に入れたよ。
630444:05/01/23 22:10:04 ID:/QzvMOG9
 私はホームの先に目を向ける。
「急行電車通過します。 どなた様も白線の内側までお下がりくださーい」
そこには制服姿の凛々しい藤原の姿があった。
「藤原ー!私も藤原のこと愛してるよー!大好きだよー!」
  私はやっちゃいけないと思いながらも、 自分の気持ちを抑え切れなくてついベンチから叫んじゃった。
せわしなく流れていた、 朝の時間の流れが一瞬だけ止まった気がした。 電車を待ってたサラリーマンが
怪訝な顔で私を振り返る。 近くにいたセーラー服姿の女子高校生たちは私を見てくすくす笑う。 藤原は
私の声が聞こえたんだろうけど、 それには答えず、 ホームの先端を凝視したままだ。 そこには、
頼りない夜の姿とは違う、 鉄路を守るプロとしての誇りと自覚に満ちた藤原がいた。
(藤原、 あんた、 立派だよ。 私にはもったいないくらいにね)
  こがね色の朝の光を浴びながら、 急行電車が宮の橋を通過していった。
631444:05/01/23 22:23:46 ID:/QzvMOG9
ふう。やっと就職活動編、終わりです。
応援してくれたみなさんのおかげで、ここまで書ききることができました。
ありがとうございます。
しかし、Hシーンは難しいっす。自分のボキャブラリーの貧困さが良く
分かりました。まだまだ、修行がたりません。
次回は、検査病院編になるはずだったのですが、就職活動編で描ききれなかった
エピソード、お食事会編になる予定です。期待していた人、申し訳ない。
>>619
私の下手くそな文章で、どこまで読者さんを引っ張れるか、最初はかなり
不安でした。いわゆるこのスレ的な萌えともちょっと違う気がしましたし。
そんな、感情移入していただけるなんて、俺萌え路線で突っ走ってよかったです。
有難うございます。
>>580
私のつたない物語りに感激していただき、あまつさえこんな素敵な
ヤギーを描いてくれるなんて、ひたすら感謝、感謝です。あなたのおかげで
今まで、作者の私でも漠然としていたヤギーのイメージが、はっきりしましたよ。
やっぱ、いいっすわ、眼鏡っ娘。
632名無しさん@ピンキー:05/01/23 22:59:11 ID:jXXoG1Ay
乙です。GJです 
633名無しさん@ピンキー:05/01/23 23:09:47 ID:XRxtpYAx
580氏、>>444
634名無しさん@ピンキー:05/01/23 23:10:37 ID:XRxtpYAx
お疲れandGJ!!
635580:05/01/24 02:36:40 ID:0uReKEn4
>>389
>>602

遅くなってしまいましたが、これでいかがでしょうか?
私に描ける最大サイズです。仕上げが雑ですみません。

ttp://akm.cx/2d/img/10584.jpg
636389:05/01/24 22:39:26 ID:m1JOWrSY
おお、ありがとうございます!
巨にされて微妙に恥じらってる顔がタマラナイ…
637名無しさん@ピンキー:05/01/24 22:49:06 ID:oZEmMixG
せつない話です。泣けました。
いるわけないんだけど、街の中で八木橋さんを探してしまいました。
それぐらい、惹かれる話です。
八木橋さんが人間らしいところを貫き、それゆえ世間は彼女を異形の目でみる。
美しくも残酷なところが、ぐっときます。
638580:05/01/25 00:51:18 ID:ZmvmAVMT
>>622 >>633-634
見てくださってありがとうございます。

>>623-630
最後もHでしたか…。しかも、こんな爽やかな終わり方とは…。よかったです。あまりに嬉しく
て泣けました。これで、八木橋さんの生身の体への執着は、少しでも軽くなったのでしょうか…。
最初のデート編で、「 いつもの事」「お人形さん」と言っていた言葉の裏には、こんなに苦しい
辛い思いをし続けてきた過去があったのですね…・°・(つД`)・°・

八木橋さんを愛してくれてありがとう。そして、自分にとって必要だと言ってくれてありがとう。
八木橋さんに笑顔が戻ったのはあなたのおかげです。感謝の言葉もありません。>藤原さま

>>631
444氏の作品は、私にとっては、萌え全開です。これからも、この路線で素晴らしい作品を
お書きください。次回の、お食事会編も楽しみにしています。

私の絵が、少しでもお役にたったのでしたら、これに勝る喜びはありません。高校生体型とか、
貧乳とか書いておきながら、全然絵に反映できてなくて、すみません。デッサンが狂っていて、
仕上げが雑で、すみません。イメージがあわなかった方、ごめんなさい。
せめて、もう少し時間をかけて、ちゃんと描けばよかった…orz

>>636
ありがとうございます。もっと恥ずかしそうな表情のものも描いてみたのですが、ハツミ警部
には、このくらいが適当かと思いました。気に入っていただければ幸いです。
それでは、これで描かせていただきますね。また少し時間がかかってしまうだろうと思います
が、気長にお待ちください。
639名無しさん@ピンキー:05/01/25 01:35:24 ID:yzwA8vq6
ヤギたん(;´Д`)ハァハァ・・・
640444:05/01/26 01:21:21 ID:WCLK4wuc
  私達くらいの年頃の女の子の共通の話題って限られてるよね。 私の趣味は骨董集めなんだけど、
そんな話したら何だこのヲタク女はって顔されるのがオチでさ。 えーとまずファッションでしょ、
それから男だ。 私は誰それがいいだの、 誰と誰がくっついただの、 そういった類の話ね。
それから食べ物だ。 とくに甘いものね。 極端な話、 話題はこの三つでまわしてるよね。 私に言わせるとさ。

  ゼミが終わった昼下がり。 私は友達のジャスミンと佐倉井の三人で研究室にいた。
最初は三人で何かくだらないことを話してたんだけど、 いつの間にか私は会話に加わらず、
藤原は今何してんだろなんてぼんやり考えてた。
「・・・ちょっと、 ヤギー、 人の話聞いてるの?」
「えと、 ジャスミン、 今何か言ってたっけか?」
「もー、 最近ヤギーなんだかボーっとしてるよね」
「そりゃあ、 あれだ、 いつものヤギーの病気だ。 電車の運転手かなんかをしてるっていう例の彼氏の
ことでも考えてたんじゃないの? ヤギーも結構入れ替わり激しいよね。 おとなしそうな顔して、
やることはちゃんとやってんだよね」
  ぐぐっ、 佐倉井め。 図星だけど、 入れ替わり激しいは余計だよ。 全く。
「うるさいよう。 運転手じゃなくて駅員。 今度は本気なんだから」
「それ、 前も言った」
  ジャスミンと佐倉井の二人は同時に全く同じツッコミを私に入れたあとで、
顔を見合わせてくすくす笑った。
「ホントにうるさいよう。 あんた達。 で、 何の話?」
「星修学園前の駅前にある悠遊茶館の杏仁豆腐と団子坂のカティーサークの杏仁豆腐とどっちが
おいしいかっていう話」
「ほら、 いまどっちも流行ってる店じゃない、 で私は悠々派でジャスミンはカティー派ってわけ。
ヤギーはどっちが好きなのさ」
  ほら、 結局こういう話だもん。 ジャスミンと佐倉井。 特に、 この二人が集まると、
大抵食べ物の話になるのよね。
641444:05/01/26 01:28:52 ID:WCLK4wuc
  ジャスミンの本名は李莉(りーりー)。 在日華僑の三世なんだってさ。 イングリッシュネームの
ジャスミン・リーがお気に入りらしく、 みんなに自分のことをジャスミンと言わせるよう強要してる。
入舸浦の老舗レストラン、 青竜楼のお嬢様だ。 だからか知らないけど、 食べ物にはむちゃくちゃうるさい。
いわゆるグルメってやつだ。 それから、 佐倉井清香。 こいつが、 ジャスミンに輪をかけた甘味ヲタクだ。
お手製のキャンパス周辺甘味マップなるものを作成し、 頼みもしないのに研究室の皆に配ってる。 しかも
ご丁寧に二ヶ月に一回改訂版を作る念の入れよう。 そんなことしてる暇があったら、 就職活動にでも励んだらと
思っていたら、 このたび小さな出版社から内定をもらったらしい。 私は、 まだどこからも内定もらってないのにぃ!
二人とも私の大切な友達。 だけど、 だけどね。 私の前で食べ物の話はお願いだから、 やめて・・・。
「私、 どっちにも行ったことないから・・・」
「ほーう、 ヤギー君、 ダイエットまだ続けてたんだ 。ちっとも太ってないのにさ。 そんなことだから、
高校生みたいだと言われてしまうのだよ。 胸が成長しないのだよ。 だめだよ、ちゃんと食べないと。
ロリコンにしかもてないよ」
「あんたに言われたくないよ。 あんたこそ、 巨乳とデブの境目ギリギリのところにいるくせに」
 私は、 言い返してやった。 まわりに男がいなきゃ、 こんな会話はいつものことでさ、
佐倉井に悪気がないのは分かってるよ。 そんなことは分かってるけど、 私は何ともなかったふりしてるけど、
ホントは深く傷ついてる。 だって、 ダイエットしてるなんて嘘だもん、 高校生に見られるのだって
訳があるんだもん。

  ジャスミンと佐倉井が、 キャッキャキャッキャ騒ぎながら研究室から出て行ったけど、
私は調べ物があるふりをして一人研究室に残った。 ホントは何も用事なんかないんだけどさ。
(悠遊茶館とカティーサークの杏仁豆腐かあ・・・いいなあ、 ジャスミンも、 佐倉井も・・・
きっとどっちもすごくおいしいんだろうな)
642444:05/01/26 01:32:44 ID:WCLK4wuc
 研究室に一人残された私は、 机に頬杖ついて膨れっ面してる。 杏仁豆腐って
どんな味だったっけ? そんなこと分かってるよ。 杏仁豆腐は甘いんだよ。 でも、 甘いって
どんな感じだったっけ。 昔、 自分の身体を持っていた頃の記憶を思い出そうとした。
だけどうまく思い出せなかった・・・。

 みんなは気づいてないかもしれないけど、 実は私は身体障害者だ。 それも極めつけの。
国から与えられた種別でいうと障害者・義体化一級といいます。 どういうことかっていうと、
私の人間の部分は脳だけ。 あとの部分は一見普通の人と同じに見えるけど、 腕も足も胸も、
顔だって、 全部作りものの機械ってわけ。 今じゃ差別用語になってるみたいだけど
サイボーグっていったほうが分かりやすいかな。 だから私の身体は高校生時代のままで
成長なんかしないし、 食べ物だってもう必要ないんだ。 っていうか食べ物を食べられるように
身体ができてないの。 舌は一応ついてるけど飾りみたいなもので、 味なんか何も感じやしない。
私に残された脳みそがちょっとだけ必要な栄養分は栄養カプセルなんていう何とも味気ない
ものでとるしかなくてさ。 でも昔、 こんな身体になる前に、 いろんな美味しいものを食べた
記憶はいつまでも覚えていて、 そのくせ具体的な味のディテールはどんどん忘れるしまつで、
まわりで皆が楽しそうに食べ物の話をされるとそれだけで悲しくなってくるんだ。 泣くことも
もうできないんだけどね。

  おもむろに私の携帯が鳴った(新しい愛のカタチの主題歌が着メロだよ)。 藤原かなと
一瞬期待したんだけど違った。 携帯には登録されていない、 私の知らない電話番号だった。
643444:05/01/26 01:53:54 ID:WCLK4wuc
 食事会編スタートです。今回は、前より明るい雰囲気のお話にしたいと思っていたのですが
結局くよくよ思い悩むヤギーになっちゃいました。
>>637
有難うございます。ヤギーが生き生き動いてるのは、そんなふうに
感情移入していただける皆様のお陰だと思います。今回のお話も
そうなってくれるといいな。頑張らねば。
>>638
いつも長文感想乙です。作者としてものすごく励みになります。
今回から、あの絵の八木橋イメージを頭に描きながら話作ってます。
こんなこと言ったらあれですけど、もっと、いろいろ描いていただけ
ないでしょうか?負担にならない程度に・・・。俺様萌えは貫く所存ですが
あの絵があるのとないのとでは、やっぱり萌えっぷりが違ってきます。
お願いします。
>>639
その調子で萌えてくれ。
644名無しさん@ピンキー:05/01/26 02:20:27 ID:c32Rpt47
ヤギーは、どうやって充電するのでしょう。
当然誰にも見られたくないでしょうけど。
想像すると、ちょっと萌え。
645444:05/01/27 01:05:01 ID:fM1SkzCQ
「もしもーし、 私でーす。 八木橋さんこんにちは」
  女の人の声だった。 この独特の間延びした話し方。 どこかで聞いたことある。 誰だっけ。
「えと、 失礼ですがどちら様でしたっけ?」
「ほーう、 私を忘れるとは、 八木橋さんもずいぶんと冷たいじゃない? ところで、 八木橋さん、
まだ眼鏡かけてるの?」
  ああ、 思い出した。 イソジマのケアサポのタマちゃんだ。
「汀さん」
「正解でーす。 みぎわでーす。 だけど汀さんはちょっと他人行儀ね。 前みたいにタマちゃんでいいよ」
  タマちゃんの苗字は汀って書いてみぎわって読むんだ。 珍しい苗字だから覚えやすいよね。 名前は環って
書いてたまき。 だから、 昔、 私は彼女のことタマちゃんて呼んでたんだ。 タマちゃんとは高校生の時、
私が全身義体になっちゃってからの知り合い。 タマちゃんは、 義体になっちゃった私のリハビリ訓練とか、
新しい身体の使い方とか、 生身の身体を失った私の心のケアとか、 そういったことをサポートしてくれる
ケアサポーターとしてイソジマ電工から私のところに派遣されてきたんだ。 とっても明るくて 面白い人で、
しかも自分は生身の身体なのに機械の身体の悩みとか苦労とか、 とてもよく知っていて、
いつも的確なアドバイスをしてくれたり、 励ましたりしてくれた。 彼女の存在がなかったらきっと私、 今頃、
自殺しちゃってこの世にいなかったかもしれない。 そういう意味では私の命の恩人だよね。 わざわざ義眼の
設定を生身の時と同じ視力0.1にしてまで眼鏡にこだわり続けたときは、 眼鏡はやめなさい、 やめなさいって
うるさかったけどさ。
  私が新しい身体に何とか適応したあとも、 何回か年賀状のやりとりをしてたけど、 私が大学に入学したり、
タマちゃんも異動でケアサポーターの部署から離れたりして、 いつしか疎遠になっちゃってた。 それが、
この前、 私がイソジマ電工に就職面接に行ったとき、 偶然に、 何年か振りで再会したってわけ。 残念ながら
お互いにとって余りよい再会ではなかったけどね。
「八木橋さん、 この前はごめんなさい。 話はウチの斉藤や古堅から全部聞きました。 ずいぶんつらい
思いをさせちゃったみたいね。 全部私のせいだ。 ずーっと気になってたの」
646444:05/01/27 01:09:56 ID:fM1SkzCQ
「タマちゃん・・・、 そんなに気にしなくてもいいよう。 私こそ大人気なかったと思ってます」
「ううん。 八木橋さんは悪くないよ。 そこで、 お詫びと言っては何ですけど、 来週の木曜の夜、
八木橋さんのご都合はどうでしょうか?」
  木曜の夜かあ。 確か藤原は夜シフトの出勤日で、 ジャスミンや佐倉井たちとも何も約束してなかったはず。
「木曜日は空いてますけど、 いったい何するの?」
  タマちゃんの口から出たのは意外な言葉だった。
「えー、 それでは、 来週木曜午後七時から、 八木橋さんを素敵なお食事会にご招待したいと思いまーす!」

「・・・ちょっとタマちゃん。 それギャグのつもり? だとしたら全っ然面白くないんだけど」
  優しいタマちゃんにしてはずいぶん毒のある冗談を言うなあ、 と思った。
私がものを食べることができないってことは、 他でもないタマちゃんが一番よく
知ってるだろうに。 今、 杏仁豆腐のことばかり考えてイライラしてたばかりだったから、
余計腹がたったよ。 ホント。
「八木橋さん怒らないで。 ギャグじゃありませーん。 私は本気でーす」
「いったい私の身体に何をしようっていうの? バラバラに分解して何かの実験に
使おうとしてる? ひょっとして」
「ごめんね。 まだ社外秘なの。 何をするかはまだ言えない。 でも信じて。
決して悪いことじゃないの」
「うー・・・」
  タマちゃんが嘘を言うとは思えない。 だけどまだ半信半疑の私。 実験台に
なるのはごめんだけど、 でもお食事会かあ。 いったい何が食べられるんだろう。
「そうだ。 今回の食事会、 深町さんも招待してまーす。 深町さんも来まーす」
「深町さんってウイングスの深町香織さん?」
「そうでーす。 他にどの深町さんがいますか」
深町さんはイソジマ電工のバレーボールチーム「ウイングス」のスーパーエースだ。
でもって、 パラリンピック、 バレーボールの日本代表選手。 私と同じ全身義体
だけど、 何も恥じ入ったりしないで、 堂々とマスコミの前に出てくる数少ない人。
綺麗で格好良くて、 私たちの全身義体の人たちが憧れるスーパーヒロインだ。
その深町さんと会えるんだ。
「タマちゃん、 私、 行きます! いえ、 行かせてください!」
頭で考えるより先に口が勝手に答えてた。
647444:05/01/27 01:13:30 ID:fM1SkzCQ
「有難う。 それじゃあ早速、 今回の食事会のメニューをリクエストしていただきまーす。 八木橋さん、
一つだけ好きなメニューをリクエストできるんだけど、 何が食べたい?」
  何が食べたいかって。 そんなの決まってるじゃない。
「うー、 ・・・一つじゃなくて二つリクエストできないかなあ」
「えっ、 二つも?」
「タマちゃんお願い!」
  タマちゃんはしばらく考え込んでいたふうだったが、 結局、 私の無理を聞いてくれた。やった!
「一つはね、 武南線の星修学園前にある悠遊茶館の杏仁豆腐。
もう一つは団子坂のカティーサークってお店の杏仁豆腐」
  電話口でタマちゃんが吹き出した声が聞こえた。
「なにそれ、 二つって言っておきながら二つとも杏仁豆腐じゃないの。 八木橋さん、
本当にそれでいいの?」
「ただの杏仁豆腐じゃないよう。 悠遊茶館の杏仁豆腐とカティ−サークの杏仁豆腐じゃないと、
駄目なんだからね。 できるの?」
「大丈夫でーす。 八木橋さんの頼みならなんでも聞いてあげちゃう。 じゃあ、来週木曜、
ご出席いただけるということで、 問題ないね?」
「うー、 ・・・お願いします」
「八木橋さんは菖蒲端から都電に乗ってくるのかな? じゃあね、 6時50分に汐留の電停で
待ってるから一緒に会社に入りましょー。 私と一緒に行けば入り口は検査なしのフリーパスだから。
じゃあまた木曜ね、 バイバイ」
648444:05/01/27 01:16:35 ID:fM1SkzCQ
>>644
そういえば、充電シーンて今までなかったですね。
いつか書いてみよう。
649580:05/01/27 04:08:41 ID:lR9o5/Dg
>>640-642,645-647
お疲れ様です。444氏の創作のペースの速さには驚嘆させられます。

食事のできない八木橋さんのお食事会編ということで、一体どんなお話なのだろうと
思っていましたが、今回は多少は心安らかに読めそうな雰囲気ですね。お友達との会
話の裏で、密かに傷ついてしまっているのは、まだしかたないのでしょうか…。

謎の食事会もさることながら、憧れの深町さんとの出会いは、八木橋さんに、どんな
影響を与えるのでしょう。どんな展開になるのか、わくわくしています。

あぁ、汀さんにも感謝しないといけないのでした。
八木橋さんが一番辛い時に、親身になって支えてくれてありがとうございました。
八木橋さんが眼鏡をはずせる日がくることを、私も願っています。>汀さま
…444氏的には、眼鏡はずしちゃだめなのかな…。

>>643
ありがとうございます。そこまで言っていただけるとは、思っていませんでした。負担
などということは、まったく無いです。もともと、私の方から八木橋さんを描かせてい
ただくよう、お願いしていますし…。444氏のペースには到底及びませんが、できる限
りの努力をいたしますので、よろしくお願いします。

>>644,648
義体っぽい描写ですね。私も萌えます。いつか、ぜひ。
650名無しさん@ピンキー:05/01/27 08:26:16 ID:pwxC45Oq
それよりも俺はH後の充電のタイミングの方が気になる・・・
いや、この作品がすきだからこそだけどね。

やっぱコンビニとかで簡易充電パックとかが売っている時代なのかなぁ
651名無しさん@ピンキー:05/01/27 23:05:53 ID:bIzb52/F
>>650
人間大の義体を動かすためのバッテリーを
コンビニで気安く売れるとは思えんな。
ガソリンスタンドみたいなとこでカートリッジごと交換、とか。
652名無しさん@ピンキー:05/01/27 23:52:15 ID:z5UMf6Xl
メタノールダイレクト型の燃料電池ってどうよ?
653名無しさん@ピンキー:05/01/28 00:14:04 ID:huiFKYz1
義体が普及し始めた頃か...
攻殻の世界だとすると第四次世界大戦のまっただ中になるが...
654444:05/01/28 00:44:47 ID:7yRJpPup
  夕方の汐留電停は、 たくさんの人が乗ったり降りたりするから、 電車を降りるまではタマちゃんを見つけられるか
どうか今いち不安だったんだけど、 心配するまでもなかった。 人波に押されるように、 電車から吐き出されて、
都電の小さなプラットホームに足を踏み入れるとすぐ、 寝ぼけた小鳥みたいな間延びした声が私の耳に入ってきた。
「やっほー、 八木橋さーん。 おひさでーす」
  ホームの向かいの洒落たカフェが並ぶ並木道の遊歩道で 、巻き毛の女性が手を振ってる。 タマちゃんのテンションの
高さは相変わらずだ。 もう三十代にのはずなのに、 大人の女性って感じが全然しないよねーと思わず失礼なことを
考えてしまう私。
「タマちゃん、こんにちはー」
  遠ざかる都電のぐゎーんていうモーターの音に負けじと、 私も声を張り上げた。 手を取り合って再会を喜ぶ私達。
「きゃー、 八木橋さんかわいい。 素敵な服着てるじゃない。 それベトナムの服でしょ。 アザオイっていうんだっけ?」
・・・タマちゃん、 アザオイじゃなくてアオザイね。 訂正しないけどさ。 ジャスミンからベトナム旅行のお土産に
もらったやつだ。 せっかくの食事会、 深町さんも来るっていうし、 私も精一杯お洒落しなきゃと思って、恥ずかしくて
今まで一度も着たことがなかったんだけど、 今日は迷ったあげくに着てきちゃった。 あのお嬢様のジャスミンからの
お土産なんだから、 きっと最高級品に違いない。 有難う、 ジャスミン。
「こんな服しかなくて、 着てこようかどうか迷ったんだけど・・・」
「とっても似合ってるよ」
タマちゃんは人懐こい笑顔を浮かべてそう言ってくれた。 場違いな服着てきたんじゃないかと思って
不安だったんだけど、 ちょっとホッとした私。
655444:05/01/28 00:51:57 ID:7yRJpPup

  タマちゃんの案内で、 イソジマ電工本社ビルにはフリーパスで入れた。 あの忌々しい金属探知機を
通らなくてもいいなんて実に気分がいい。 そのあとは、 会社の中をぐるぐるぐるぐる。 エレベーターを
乗り換えて昇ったり、 下ったり。 今、 私、 何階にいるんだろう。
  ようやく、 タマちゃんは一つのドアの前で立ち止まった。 別になんの変哲もないオフィスビルの
無表情な灰色のドアだったけど、 一つだけ違うこと。 ドアに
『レストラン遥遥亭』
  という木の札が下がってる。 墨汁で書いた綺麗な字だった。
「この字、 私が書いたの。 うまいでしょ。 こうみえても書道二段なのでーす。 ふふふ」
  そう言ってタマちゃんは胸をそらした。
「では、 八木橋裕子様。 我がイソジマ電工の誇るレストラン遥遥亭にようこそいらっしゃいました」
汀さんは妙にあらたまって私にお辞儀すると、 うやうやしくドアを開けた。

 中は、 ただ広いだけの、 窓もない、 白い壁ばかりが寒々しい殺風景な部屋だった。 部屋の真ん中に
ポツンと三台、 ひょうたんをグロテスクにしたような、 高さ2メートル足らずの異様な機械が鎮座している。
機械からはなんだか複雑な配線がグシャグシャと伸びて、 部屋の片隅のデスクの上のコンピューターに
繋がっていた。 コンピューターは複雑な計算をしてるのか、 うわんうわん耳障りな音でうなってる。
シックな木目調の内装、 ムーディーな音楽、 ハンサムなウエイター、 この一週間いろいろ妄想して
いたのに・・・見事に裏切られた。
「なんなの、 これ」
「なんなのこれって、 レストラン遥遥亭。 想像してたのと違ったかしら?」
  タマちゃんは悪びれるふうもなく、 さらりと言った。 それがますます私のカンにさわった。
「タマちゃん、 とぼけないでよ。 これのどこがレストランなの? なんか変な機械が
あるだけじゃない。 おいしい料理はどこなのよう。 深町さんはどこにいるのよう」
  私はタマちゃんを睨みつけた。
656444:05/01/28 00:56:20 ID:7yRJpPup
「八木橋さん、 怒らないで。 深町さんはもう来てまーす。 遥遥亭の中であなたを待ってるよ。来てごらん」
タマちゃんは私を例のひょうたんのお化けみたいな機械の前に案内した。 ひょうたんの前の部分は
よく見るとスモークガラスって言うのかな、 黒いガラス張りになっていた。 中を覗き込むと、 テレビや
サイボーグ協会誌の協会誌で見慣れた深町さんがいた。 普段のスポーティーなユニフォーム姿からは
想像できないほど素敵な黒いドレスを身にまとった深町さんは、 歯医者さんにあるような大きな椅子に
身を沈めて眠ってた。 深町さんの首筋や、 両腕からはたくさんのコードが伸びて、 両側のなんだか
得体の知れない機械に繋がってた。 その姿は、 まるで・・・言いたくないけど・・・
壊れた操り人形みたいだった。
「遥遥亭っていうのは、 一種の仮想空間演出装置でーす。 バーチャルリアリティって横文字で
言ったほうがかえって分かりやすいかなあ。 いままでのバーチャルリアリティと違うのは、
義体を制御する補助コンピューターに接続することで、 脳に相当現実に近い感覚を与えることが
できるということ。 特に遥遥亭は、 味覚にかなり特化したプログラムを入れてるから、
どんな味でも再現できちゃうすぐれものでーす。 これはまだ試作品だけどね。 これを使って、
今日は我が社の全身義体の人たちの慰労会を総務部主催で行いまーす。 八木橋さんは
特別ゲストってわけ」
  タマちゃんの説明、 理屈はよく分からなかったけど、 今回の趣旨はよく分かった。
やっぱり私を試作品の実験台に使うつもりなんだ!
「タマちゃん、私を騙したね。 仮想空間だってさ。 所詮まがいものじゃない、 嘘の世界じゃない。
一人でうきうきしてどんな服着てくか散々迷ったのに・・・私、 馬鹿みたい。 結局私は実験台なんだ。
実験動物なんだ。 ひどい、 ひどいよ」
  がらんとした部屋に私の叫び声だけがわんわん響いた。 タマちゃんは何も言い返さない。
私がさんざんタマちゃんを罵って、 タマちゃんを罵った分だけ自分を傷つけて、 何も言うことが
なくなるまで大人しくなるまで待っていた。 ようやく大人しくなった私の眼を見て、 静かに、
穏やかに言った。 いつもの間延びした口調じゃなくなってた。
657444:05/01/28 01:00:22 ID:7yRJpPup
 「残酷なことを言うようだけどね。 貴女がそんなふうに遥遥亭を否定するのは、 結局自分を否定するのと
同じだよ。 貴女は確かに生きてるでしょ。 人間でしょ。 なんで人間かって、 それは貴女の見た目じゃない。
貴女には心があるからでしょ。 遥遥亭は確かに見た目はただのブッサイクな機械だよ。 デザインセンスの
かけらもないよね。 これから貴女が行くところだって仮想空間。 嘘の、 作り物の世界かもしれない。
でも、 八木橋さん聞いて。 古堅部長も全身義体開発チームのみんなも徹夜で一生懸命頑張ったんだよ。
あなたに美味しい杏仁豆腐を食べさせたいって。 貴女に喜んでもらいたいって。 この機械の中にはそんな
開発チームのみんなの心が入ってるんだよ。 お願い、 見た目だけで遥遥亭を否定しないで。 みんなの
気持ちを否定しないで」
  昔、 リハビリに音をあげて、 死にたい死にたいとわめいた私を叱咤した厳しいタマちゃんがそこにいた。
「実は義体開発チームの面々は、 あなたの言う悠遊茶館とカティーサークに五日連続で通ったの。 リアルな
味を再現するためにね。 女ばかりの店内にむっさい男どもが集団で押しかけるなんて、 彼らも恥ずかしかった
だろうね。 そうまでして、 見ず知らずの貴女を喜ばせたかったんだよ」
  この人たちはそんなにも真剣だったんだ。 私が、 ただ思いつきで、 ジャスミンや佐倉井達と話を合わせ
られたらいいなあなんて、 軽い気持ちで言っただけのことに、 そこまで真剣になってくれてたんだ。
それなのに、 実験台なんていっちゃって、 私はどんなふうにタマちゃんに、 彼らに詫びればいいんだろう。
私は、私は・・・。
658444:05/01/28 01:02:02 ID:7yRJpPup
「こんな私のためにみんなそこまでやってくれたって言うの? どうして、 どうして?」
  いっぱい、 いっぱい色んなことが、 言いたかったのに、 言葉が溢れすぎてうまくいえない。
「『もっと、 もっと本当の身体に近づきたい』それが弊社のモットーでーす。
あなたにおいしい杏仁豆腐を食べてもらうのが私達の願い。 それだけでーす」
  いつの間にか、 タマちゃんは、 にこやかな、 いつものおどけた口調に戻ってた。
「タマちゃん、 分かったよ。 みんな、 ありがとう。 私、 遥遥亭に、 行きます」
「では、 改めて、 遥遥亭にようこそ」
タマちゃんはまるでお店のウエイトレスさんみたいに、 私に向かって深くお辞儀した。
659444:05/01/28 01:19:30 ID:7yRJpPup
どうせ、私はアオザイフェチですよ。こんなところでアオザイが出る
必然性なんて全くありません。文句あっか(w
毎日アップですね。どこまで続けられるんだろう。
>>649
私も驚嘆してます。自分の暇さに。このままだと確実にリストラされるな・・・。
絵の件は、ご無理を承知で申し上げました。こちらこそ、宜しくお願いします。
>>650-652
充電ネタは需要が多そうなので、次回はそれにしてみましょうか?短めのネタで。
地味で、湿っぽい展開にも皆さん飽き飽きかもしれませんしね。
>>653
時代は、えー、いつ頃の話なんでしょうね(汗
元号でいえば永康15年くらいかな?西暦ではいつになるかはよく分からないので
ムニャムニャいってごまかします。舞台は日本ですけど、現実地名、架空地名が
入り乱れてワラワラ出ますし、細かい設定は作者も実は余り考えていないようです。
660名無しさん@ピンキー:05/01/28 01:48:45 ID:XBxx8WPP
こんな設定もどうでしょう?
たいしたアイデアでないのですけど。

全身義体で普通の生活をしてる人は、生身の人以上に力が出せないよう
法律で規制されている。危ないので。
ただし義体経験3年以上で、許可された人だけ特権で火事場の馬鹿力
(50馬力くらい?)出せるというのは?
でも、発熱が激しすぎて、短い時間しか使えず、脳を守るため素っ裸に
なって放熱しなくてはいけない。
で、八木橋さんが人助けのためにその力を使う、恥かしくもすかっと
した話。

661名無しさん@ピンキー:05/01/28 05:53:29 ID:WL2JxV8k
>>660
50馬力がどれぐらいのモノか分かってるんでしょうか・・・・
3.75トンの物体を1秒で1m動かせるって事でつよ。
それに数秒だけ耐えられるボディって・・・・120Kg程度では済まないような。
強度計算しないと大体の重量は出せないが、多分200Kgオーバーは確実。

機械、金属や樹脂等の技師やってるんでつが、このスレは楽しみにしてるっす。
662580:05/01/28 23:14:04 ID:pbIq0tL7
>>654-658
心安らかに、と思っていましたが、こんないい話を書かれては、また心が乱れます。

ケア・サポーターを務めただけあって、汀さんは、しっかりした人なのですね。八木橋さん
はもとより、藤原君、汀さん、魅力的な人物設定とその描写が素晴らしいです。

リハビリって、やっぱり辛いんですねぇ…。その頃の話とか、もし読めたら…って思っては
いけないでしょうか…。また泣きまくりかな…。

アオザイですか…。シルクかな、ベルベットかな。食事会用に着てくるのなら、あまり派手
な色ではないかな。輸入品じゃない現地のお土産って、どんな柄だろう…。

>>659
そんなことおっしゃらずに… >リストラ
地味でも、湿っぽくても、そんな作品を読めたから、444氏の作品の虜になりました。飽きる
ことなんかありません。もちろん、明るいお話も書いていただければ、もっと嬉しいです。
663444:05/01/29 02:27:47 ID:BEwFXHjZ
  ひょうたんのお化けみたいな遥遥亭の中の椅子に緊張気味に腰掛けた私。 これから、 私は深町さんみたいに
全身コードだらけにされちゃうんだろうか? 病院の定期検査でもないのに・・・。 タマちゃんに遥遥亭に行くと
言ってはみたものの、 さっきの深町さんの操り人形みたいな姿を思い出すと、 正直余り気が進まない。
「タマちゃん? これから私の接続端子使うんだよね。 やっぱり・・・」
「サポートコンピューターにアクセスするだけだから、 検査のときみたいに身体全部の接続端子を使うわけじゃ
ないの。 あなたのタイプの義体だったら首のとこしか使わないから安心して。 ああ、 それから、 あなたの
着てる服のデータも遥遥亭に転送されて、 仮想空間上で反映されるから、 かわいいアザオイ着てきたことも
無駄にならないよ」
  そうなんだ、 首のとこだけでいいんだ。 このアオザイ、 仮想空間でもちゃんと着てるんだ。 ちょっと
ほっとした私。 それでも、 髪を掻き揚げて両首筋に張られた肌色のカムフラージュシールをそーっと剥がして、
肌との継ぎ目もあらわな接続端子のカバーを露出させた時にはやっぱり憂鬱になった。 どんなに生身の身体
そっくりにできていてもやっぱり機械の身体なんだなって自覚させられちゃうからね。 自分でカバーを開いて
銀色の接続端子を剥き出しにして、 格好だけのため息をつく。 病院で毎月やってるお決まりの作業とはいえ、
こればっかりはいつまでも慣れない。 自分のこんな姿を晒すのは、 はっきりいって、 私にとっては裸を
見られるよりずーっと恥ずかしいことなんだからね。 まあ、 タマちゃん相手に恥ずかしがってもしょうが
ないんだけどさ。
  タマちゃんは、 私と遥遥亭をテキパキ手際よくコードでつないでいく。 普段はやたらとおしゃべりな
タマちゃんだけど、 そういえば、 こういうときは私の気持ちを察して黙っていてくれたな。 なんか昔を
思い出しちゃうよ。 作業に没頭しているタマちゃんを横目で見ながら、 作業中悪いとは思ったんだけど、
私は、 さっきからどうしても気になっていることを聞いてみた。
「あのね、 タマちゃん。 遥遥亭って三台あるでしょ。 一つは深町さんが入ってる、 一つは私でしょ。
あともう一つは一体誰?」
664444:05/01/29 02:34:04 ID:BEwFXHjZ
「もう一台はねえ。 ふふふ。 誰かなあ。 誰でしょう。 行ってみればすぐ分かりまーす」
  タマちゃんは答えを教えてくれなかった。 意地悪。

  私と遥遥亭との接続作業を終えたタマちゃんは、 部屋の隅のパソコンに向かった。どうやらあそこで
遥遥亭をコントロールするみたい。
「八木橋さんのサポートコンピューターのアクセスコードはなんだったっけ? yuko.yagihashi17でいいん
だったっけ? なんかアクセス拒否されちゃうみたいだけど」
「タマちゃん、 それ間違ってる。 だけどお医者さんには、 アクセスコードは誰にも言うなっていわれて
るんだよ。 誰かがサポコンにアクセスしたことがばれたら、 怒られるのは私なんだからね」
  アクセスコードは、 本当に信用できる人にしか教えられない私のトップシークレット。 普通知って
いるのは本人と担当医とケアサポーターだけ。 下手にサポートコンピューターの設定を素人がいじったら、
最悪私の命にかかわるからね。
「私はあなたの元ケアサポでーす。 私には知る権利がありまーす。 大丈夫、 アクセスの痕跡は私が残さず
消してあげる」
「ホントだね? ホントだね? 私、 タマちゃんを信用するからね。 えーと、 半角英文字でy.yagee17」
「そういえばそうだったね。 ユーコヤギー17歳。 今更ながら思い出しましたー。 おー! 繋がった、
繋がった。 バンザーイ。 ではこれから八木橋さんの外観データをスキャニングして、 それからサポート
コンピューターに遥遥亭のプログラムをインストールしなきゃいけないの。 最初はサポコンと脳の接続を
切らないといけないから、 ちょっと寂しい思いをさせちゃうかもしれないけど我慢してね」
  げっ! サポートコンピューターと脳の接続を切られる。 これは、 全身義体の私達にとってはすっごく
嫌なことなんだよ。 はっきりいって、 一回されたらトラウマになること請け合い。 こればっかりは
義体じゃないタマちゃんには分からないんだろうな。 でも・・・やるしかないんでしょ。
「うー、 嫌だけど、 仕方ないんでしょ。 分かったよう」
665444:05/01/29 02:39:05 ID:BEwFXHjZ
「それじゃあ、 主電源落としまーす。 用意はいいですか? いーち、 にー、 さーん」
  その瞬間、 全身から力が抜けていった。 感覚はあるし、 眼もまだ見えるけどさ、 身体は全く
動かないし、 何もしゃべれないんだ。 まばたきできないまま、 眼をずっと開き続けてるなんて、
本当にお人形さんみたいだよね、 私って。
「次にサポコンと脳の接続を切りまーす。 八木橋さん、 準備はいいね。 すぐ終わるから我慢してね」
(タマちゃんちょっと待ってよう、 心の準備がまだできてないよう)
  そう言いたかったけど、 私の口はもう動かない。 身体も何一つ言う事をきいてくれない。 私が、
この身体の持ち主なのに、 どうしてご主人様の言う事が聞けないのさっ! このガラクタっ! 嫌だ、
嫌だよう、 接続切らないでよう。 怖いよ。 怖いよ。
  そんな私の気持ちにはまるでおかまいなしに、 タマちゃんの無情のカウントダウン。
「はい、 いーち、 にー、 さーん」
  プツン!
  視界がテレビのスイッチを消したみたいにプッツリ消えて目の前が真っ暗になった。 何も見えないし
聞こえないし、感じない。 上も下もない永遠の暗闇。 本当の自分はもう身体のない、 生命維持装置に
繋がれたただの脳の塊なんだっていやが上にも思い知らされる。 サポートコンピューターの助けのない
今の私なんてミジンコより無力な存在。 暗いよう、 怖いよう、 タマちゃん、 助けて、 助けて!
誰にも届かないって分かってたけど、 無限の暗黒に向かって私は、 私の魂は、 一人ぼっちで叫び続けた。

  ・・・どれくらいたったんだろう。 多分ほんの数十秒くらいのことだったんだろうけど、 私には
無限に感じられた暗黒が終わって、 だしぬけに身体の感覚が戻った。 気がつくと私は上も下もぜーんぶ
真っ白な世界の中に一人で立っていた。 まるで深い霧の中か、 ミルクの海にでもいるみたい。
あわてて、 自分の身体を確認する私。 手も、 足も、 身体も全部ついてる。 アオザイもしっかり
着てる。 でも、 何故か眼鏡だけがなくなってた。
666444:05/01/29 02:42:58 ID:BEwFXHjZ
”やっほー。 八木橋さーん、 具合はどう?”
  タマちゃんの声だ。 姿は見えないけど、 どこからかタマちゃんの声が聞こえた。
「タマちゃーん、 どこにいるのー。 ここはどこなのー。 真っ白けで自分の身体以外は何も見えないよう」
”どこにいるって、 私はさっきからずっとコンピューターデスクの前でーす。 八木橋さんは今、 椅子の
上で気持ちよさそうに眠ってまーす。 眼は閉じてあげたから安心して。 ふふふ”
「意地悪しないで教えて!」
”あなたの意識は今、 仮想空間に入ったところでーす。 これから遥遥亭への入り口を用意しまーす。 そーれっ”
  タマちゃんの掛け声とともに、 目の前の何もない空間にいきなりに扉が現れた。 なんだかタマちゃん
魔法使いみたいだ。 扉は古くて重そうな木製で、 さっきみたいに「遥遥亭」って札がかかってる。
この扉の向こうに深町さんと、 もう一人、 私の知らない誰かがいるんだ。 いったいどんな所なんだろう、
何が食べられるんだろう。 期待と好奇心で興奮して私なんだかドキドキしてる。
  え?ドキドキしてる?
  恐る恐る左胸に手をあててみた。 そうしたら・・・私の心臓が確かにとくんとくんって脈打ってたんだ。
”ふふふ、 八木橋さん、 びっくりした? 遥遥亭で体験できるのは味覚だけじゃないよ。 最終的には
生身の感覚すべてを再現するのが目標なの。 まだこれは試作品だから 、完全再現とまではいかないけどね”
「すごいよ、 タマちゃん。 この機械、 本当にすごい! これが私の身体? まるで生きてるみたいだよ。
これが作り物の感覚なんて信じられない! イソジマ電工ってやっぱりすごい会社なんだ。 私、 中に入るね。
早く杏仁豆腐が食べたいよう」
  興奮してドアを開けて中入ろうとした私にタマちゃんは余計な一言を付け加えた。
”ああ、 そうそう。 プログラムをいじって眼鏡は外してあげたからね。 たまには眼鏡の要らないきれいな
世界を楽しんでごらんよ。 考えが変わるかもしれないよ。 ふふふ”
  タマちゃんの顔は見えないけど、 今、 どんな顔してるかカンタンに想像がつくよ。
きっといたずらっ子みたいな顔してるに違いないんだ。
667444:05/01/29 03:15:43 ID:BEwFXHjZ
こんな時間まで何やってるんでしょう。私は。と、いうことで
今日の宿題終わり。ちょっと、疲れたので休日は休ませてください。
仮想空間ネタも、もう使い古されたネタって感じですけど、
一応自分なりの味付けで料理しているつもりです。

>>660
ネタを考えてくださってありがとうございます。ギャグ調の展開ですね。
ギャグってすごく話を作るのが難しいと思うんですよね。人を泣かすより
笑わせるほうがはるかに難しい。私の力では、美味く料理する自信が
ないです。
私の頭だと、義体の人が、火事場の馬鹿力で本人は悪くないのに
子供を怪我させちゃって、それがもとでマスコミの義体バッシングが
はじまって、ヤギーが辛い思いをするとか、そんなネタしか思いつかない。
>>661
ヤギーの義体出力はポテンシャル的には150馬力なんて前のほうで書いて
しまって、汗です。体重は120kgなんて書いてしまって、汗です。
きっと、未来には今より軽くて丈夫な合金ができているなんて言い訳で
逃げるのも卑怯ですよね。もう読者さんも分かっていると思いますが
私はメカ関係にはてんでうといので、詳しい人が呼んだら噴飯もの
だと思います。そういう場面に出くわしたら、大目に見てください。
突っ込んでいただけるとなお有難いです。
>>662
メカ的知識が全くない分、キャラでもたそうとしていたので、そう言って
いただけると有難いです。リハビリ編、汀さんとの出会い編ですか。
眼鏡がらみの感動巨編にしたいですね。あのヤギー眼鏡は実は親の
形見だったとか、そんな展開にするかな。
次回の充電編は大体構想ができてます。暗い要素ナッシングなので
気楽に楽しめるかと。


668名無しさん@ピンキー:05/01/29 05:03:36 ID:zmTdn6ue
>>667
完全義体のような物は、現在の技術水準を遥かに超える高度な技術の塊でしょうから、
現在の常識や予測の範囲で評価するのは難しいのではないでしょうか…。
物理法則をあからさまに無視するような設定でもないかぎり、444氏が考える設定で、
お話を作っていただければよいのではないかと思います。その設定が、物語を語る上
で、あるいは八木橋さんを描写する上で必要であり、また生かされていればよいのです。

義体の技術的な側面については、できないと突っ込むよりも、それが実現できるよう
な夢のウソ設定を創作していただいた方が、皆楽しめると思います。どうでしょう?
669名無しさん@ピンキー:05/01/29 22:16:22 ID:lBADiUX1
>>444
なんかこう、じわじわと萌える話です
670名無しさん@ピンキー:05/01/30 00:01:34 ID:H4Ys0TIo
444さん、660です。
例えば、助けた子供に「お姉ちゃん、こわい」とか言われたりとか、
助ける時に皮膚を破ってしまい、中の機械が見えてまわりの人がひくとか、
そんな話が好きです。泣けますけど。
素っ裸は趣味です。

444さんの描写は、もう本当に義体が世にありそうに感じます。リアルです。

ヤギーさんは、水濡れ禁止でしょうか? 体の表面に端子があるんで。


671名無しさん@ピンキー:05/01/30 20:05:57 ID:A4/NYiL7
>>>444
中田氏した藤原君の精子の処理はどうするの?
672444:05/01/30 23:03:18 ID:d8wzdLbt
>>668
まずはおのれの萌えに忠実に。設定を考える時のポイントとしては
「〜だからできない」ということではなくて、後付けでも
「どうしたらできるのか?」ということを考えるのが肝要ということですね。
現実にとらわれすぎて自分が自分の作品に萌えなくなっちゃったら
元も子もないですもんね。まあ、私としては余り深く考えないで
気楽にやっていくつもりです。それはそれとして>>661のような意見も
現実にはそうなんだってことで、勉強になるし、参考になるし面白い。
>>669
成程、じわ萌えですか。一般的なサイボーグ系ストーリーの壷は
一応おさえつつも、微妙にずらしてるので、じらし萌えって
感じですかね。
>>670
そういう話いいですね。私も萌えツボです。それは、この話自体が、義体だと
わかってまわりの人がひくみたいな展開ばかりなのでお分かりいただけるかと。
ただ、ヤギーに関しては、どちらかというと義体になった人の心の描写が主な
ので、実際そういう場面が今後出るかは分かりません。
ヤギーは多少の水濡れは大丈夫かと。そのためのカバーです。でも海水に入ったりは
多分できないでしょうね。
>>671
うーん、考えてなかった(w
一人寂しく洗ったんですかねえ。ご想像におまかせします。
>>580
レスし忘れましたが、私的にはアオザイといえば白です。白無地。
ただ、全国のアオザイフェチのために、あえて詳しい作中で
詳しい描写は避けました。みなさま、お好みのアオザイを妄想して下さい。
673580:05/01/31 00:31:43 ID:JK7bJtey
>>663-666
うぅ…感想を書くのが間に合わなかった…。連投お疲れ様でした。

八木橋さんの義体の仕組みの片鱗がうかがえて、有り難いです。
仮想現実でも、全身義体の人のために身体感覚を再現っていうところがいいです。食事が
できるだけじゃなくて、失ってしまった肉体を、つかの間だけでも取り戻せるのですね。
さすがイソジマ電工です。面接の時の冷たい言葉を聞いてちょっと失望していましたけど、
遥遥亭のコンセプトといい、八木橋さんのために徹夜で作業した古堅部長たちといい、素
晴らしいです。見直しました。こんな会社で働けたら、八木橋さんも幸せでしょうに…。

さて、もう一人は…八木橋さんと面識がある人って…一体、誰なんでしょう? 続きがとても
楽しみです。

>>667
あ、あの、そんな重大なネタを先にばらされては…。>親の形見
とても萌えて泣けるお話になりそうです。リハビリの時がこのお話の出発点だと思うので、
いつか気が向かれましたら、書いていただけると嬉しいです。事故の時とか義体化手術の時
とかもありますけど、それはさすがにお願いできませんよねぇ…。私も辛くて読めそうにない
ですし。

>>672
実現できるできないは別として、150馬力だったらこのくらいの力がかかって、今の技術だと
このくらい大変…みたいな具体的な数字があると、八木橋さんの身体はそんなにすごいんだ、
って改めて萌えられそうです。
わざわざお答えいただいてありがとうございます。>アオザイ
それでは、白無地ということで妄想しておきます。
ところで、八木橋さんの趣味が骨董集めになってますけど、どの方面でしょう?アンティー
クとは違うのでしょうか? 装身具だったら、絵を描くのが少しは楽になるかと思いまして…。
674444:05/02/01 00:58:21 ID:OSRVtWRr
  遥遥亭は思ったより小さなところだった。 広さでいうと十畳一間くらいの部屋が一間だけ。
レストランというよりは山の中の小さなログハウスみたい。 外は夜っていう設定なのかな。 窓も
あるけど、 真っ暗で何もみえない。 部屋には裸電球が一つ寂しげに下がっているだけだったけど、
暖炉もあって、 火が赤々と燃えていたので、 部屋の中は優しげなオレンジ色で満ちていて、 暗い
とは感じなかった。 私はアオザイを着ているだけで、 上着も羽織っていなかったんだけど、 部屋の
中は暑くも寒くもない、 丁度良い温度に保たれていた。 暖炉だけ見たら真冬みたいなのに、 なんだか
とても不思議な感じがした。 もっとも、 こんなことはあとで落ち着いてから遥遥亭を観察して感じた
印象で、 ホントは入ってすぐにテーブルを挟んで切り株みたいな椅子に腰掛けてる男女に眼を奪われ
ちゃったんだけどね。
「はじめまして、 あなたが八木橋さんね。 環から話は聞いてるわ。 今日は宜しく。 あら、 その服は
アオザイね。 似合っとるがねー。 かわいいー」
  テレビで見慣れた長身の美女が私に向かって、 わざわざ立ち上がって親しげに声をかけてくれる。
褒められた、 褒められた。 深町さんから褒められた。 でも、 あなたのその黒いドレスのほうが、
私なんかよりよっぽど素敵です。 白い肌によく似合ってます。
「あっ、 有難うございます。 ふ、 ふ、 深町さん。 こちらこそ宜しくお願いします」
  身長180cm(と何かの雑誌で読んだことがある)の深町さんを見上げながら緊張してギクシャク
としかしゃべれない私。 いつもテレビでご活躍を拝見してますとか、 パラリンピック頑張って
くださいとか、 もっと気の利いた一言でも言えればよかったんだけど、 いざ憧れの人が目の前に
いるとあがっちゃって、 何も言えなくなっちゃうもんなんだよね。
  私も、 深町さんも全身義体なんだから、 元の顔立ちとか身長とか関係なくいくらでも理想の
プロポーションが作れるだろって思われがちなんだけどさ、 結局は生身の身体に極力近いサイズの
義体に入るのがルールになってるし、 スタイルだって、 顔立ちだってもとの身体とほぼ同じに
することが、 法律で義務付けられているんだよね。
675444:05/02/01 00:59:37 ID:OSRVtWRr
  私は昔は163.7cmだったけど、 今は義体になったから165cmちょっきり。 そんなに背が低い
わけじゃないけど、 深町さんと比べたらずっと小さいよね。 胸だって、 義体になったからって
大きくなったわけでもなし。 何が言いたいかというと、 義体でも綺麗でスタイルのいい人は、
生身の身体のだった時でも、 綺麗でスタイルが良かったということ。 これ以上は・・・私が
虚しくなるからやめときます。

「八木橋さん、 よくいらっしゃいましたね。 お久しぶりです。 まあ、 とりあえず腰掛けて
ください」
深町さんとあともう一人の人は三十代後半くらいの目鼻立ちのはっきりしたカッコいい
男性だった。 えーと、 この人だれだっけ? どこかで見た事あるような、 あるような。
「面接の時は、 もっと君と話したかったんだけど、 まさか帰ってしまうとはね。 いやはや
あの時は驚きました」
  全然驚いている風でもなく、 さらりと冷静に語るこの口調。 思い出した。 古堅部長だ。
面接の時、 全身義身体のことを広告塔って言い切った、 私のことを実験台とはっきり言い切った、
あのいけ好かないおじさんだ。 ってことは何? ここにいるってことは、 古堅部長も全身義体
だったんだ。 びっくり。
「うー・・・、 今晩は。 あ、 あの、 本日は宜しくお願いします」
やっとのことで、 それだけ口にする私。 今日の私は緊張したり、 驚いたり、 なんだか忙しいよ。
「驚いたのはお互い様ですね。 この前の面接のときは私、 今日はあなたです。 お互いの正体が
分かったところで、 もう一度お話してみましょうか」
  古堅部長は穏やかに言った。

  私が深町さんの隣に腰掛けたところで、 待ってましたとばかりに部屋の中にタマちゃんの
小鳥みたいな声が響いた。
"じゃー、 皆様お揃いになりましたところで、 そろそろはじめたいと思いまーす。 はい拍手ー"
  パチパチパチパチ
676444:05/02/01 01:01:18 ID:OSRVtWRr
"レディース&ジェントルメーン、 日々のお仕事誠にお疲れ様でしたっ! 本日は総務部の主催にて、
全身義体の方々の慰労を兼ねた食事会を開催させていただきまーす。 今回は第一回目として
三名の方にお越しいただいております。 皆様お忙しい中お越しくださいまして、 誠にありがとう
ございました。 司会進行を勤めさせていただきますのは、 私、 総務部のアイドル汀環です。
皆様宜しくお願いしまーす"
「彼女と私は同期入社なの。 まっ、 アイドルはアイドルでもトウのたったアイドルって
とこかしらね」
  深町さんが小声で私に耳打ちした。
"こらっ香織、 こっちにぜーんぶ聞こえてまーす"
「おおー、 相変わらず怖いがね。 環は。 それじゃあ、 今度からはもっと小声で言いますね」
  深町さんは外人さんみたいに大げさに肩をすくめた。 それが可笑しくて私、 いけないと
思いながらもつい笑っちゃったよ。 それで、 緊張がほぐれた。 有難う深町さん。
"八木橋さん今笑ったね。 ちゃんと覚えておきますからあとで覚悟しておいてね。 ふふふ"
  タマちゃん、 怖いよう、 ははは。
"それでは気を取り直しまして、 出席者の紹介のほうに参りたいと思います。 まずは、
弊社きっての赤字部門、 義体開発部を率いる我らがリーダーにしてイソジマの誇る天才
技術者。 こら社長。 コスト、 コストと煩いぞ。 その赤字はイソジマの良心! イソジマの誇り!
でも頼むから愛想はもうちょっとよくしてくれ、 怒られてるのか、 褒められてるのか分から
ないってもっぱら評判。 ミスターよーたろー、 ふーるーげーん"
  パチパチパチパチ。
  古堅部長の様子を見た深町さん
「あらら、 古堅部長喜んでるわよ」
とまた私にこそこそ耳打ちした。
  喜んでるって言っても、 古堅部長、 表情全然変わってないんですけど・・・。
「ああやって、 鼻を掴んでいる時は部長が喜んでるって証拠なの、 仮想空間上でも変わらないのね。
今日は環がいるからだわ」
「汀さんがいるとどうなんですか?」
  なんで、 そこでタマちゃんが出てくるんだろう。 不思議に思って私は深町さんに聞いた。
677444:05/02/01 01:02:39 ID:OSRVtWRr
「あれ、 八木橋さん知らなかったんだ。 環が話してないの? 古堅部長と環は付き合ってるんだよ。
昔っからずーっとね」
ええっ! えっ! 初耳なんですけど。 あのタマちゃんがあんな陰気くさい古堅部長とねえ。
人間って本当に分からない。 男女の仲はもっと分からない。 でも、 義体の人と、ずうっと
付き合ってたってことであれば、 タマちゃんが義体じゃないのに、 あんなに義体の人の
気持ちを知り尽くしているってことにも合点がいく。 タマちゃんはいつも私のことを気に
かけるばかりで、 自分のことを話したことなんてそういえばなかったな。 なんだか今日は
驚くことばかりだ。
  そんなことを影で話されているともしらず、 今日のタマちゃんは一人舌好調。
"ご存知弊社の広告塔。 我らがウイングスの熱血スーパーエースにして毒舌女王。
普段はおっとりお淑やか。 でもボールを持ったらコートの鬼。 二重人格はAB型の血が
なせる業か。 奮したときに思わず出ちゃう名古屋弁も素敵。 ラリンピックも期待
してるぞ。 広告宣伝部所属、 ミスかおり、 ーかーまーちー"
  パチパチパチパチ。
「二重人格で悪かったわね。 の身体に血なんかほとんどないのにね。 液型なんて
関係ないでしょ。 ともとこういう性格なのよ。 私は」
  うーん、 私は深町さんみたいに自分の身体をネタにできるほど強くはないぞ。
やっぱり深町さんは世の中でもまれているだけあって、 私なんかより一回りも二周りも
大きい人だ。 身体も。 もちろん心も。
"それから、 忘れちゃいけないもう一人、 今日はかわいいゲストが来ています。
古堅部長からのたってのお願いで、 この場に参加していただくことになりました。
星修大の学生さん、 自慢のアザオイで今日も溌剌。 普段は眼鏡をかけてるけれど、
眼鏡を取ったら美人だぞ。 ミスゆーこ、やーぎーはーしー"
  パチパチパチパチ。
  アザオイのところで、 深町さん思いっきり吹き出した。 アザオイって
ひょっとしてアオザイのつもりだよね、 と私にこそこそ確認してニヤニヤ笑ってる。
どうやら深町さんも訂正してあげる気はなさそうだ。
678444:05/02/01 01:04:05 ID:OSRVtWRr
"さあ、 では紹介が終わりましたところで、 とりあえずビールで乾杯を。 皆さんどうぞー、
えーい、それっ"
  タマちゃんの掛け声で、 テーブルの上にいきなり瓶ビールとグラスが三つづつ出現した。
きっとタマちゃんのことだから、 誰も見ていないのにオーバーアクションでパソコンの
エンターキーを押してるに違いない。
「うわー、 うわー、 ビールなんて超久しぶりだがねー。 とりあえずビールなんて、 環、
ビールに失礼だがね」
  目の前に出現した琥珀色の液体に深町さんは大興奮。 グラスを手にしてじっくりと
上から下から眺めてる。 今にも飲み干したそうな雰囲気だ。 きっと、 深町さん、 昔は
ビール党だったんだね。
"まだ、 ウエィターやウエイトレスを出すなんていう気の利いたプログラムはできて
いないそうですので、 本日は私のマジックショーで我慢してください、 ふふふ、 では、
乾杯の音頭を古堅部長から・・・"
「環、 環。 挨拶なんて後回しでいいがね。 私、 我慢できんがね。 部長、 かんぱーい、
ほら八木橋さんも、 かんぱーい」
  深町さんは大喜び。 なし崩し的に古堅部長や、 私を巻き込んで乾杯を始めた。
さすがの古堅部長も深町さんの勢いに押されて苦笑しながらも乾杯に応じてる。
  私、 ビールって飲んだことないんだよね。 義体になったのは17歳の時だし、
それから六年間はビールどころか水の一杯だって口にできない体になっちゃったから。
  えーい、 飲んじゃえ。
  うぇー苦―い。 そういえば、 苦いってこんな感じだったな。 でもビールが喉を
通る感覚ってこんなに爽やかだったんだね。
679444:05/02/01 01:24:00 ID:OSRVtWRr
名古屋弁の女性って萌えませんか?え、萌えない。
どうでもいいか、そんなこと・・・。
今日は今までにないくらいウルトラ地味でした。
これじゃ、ただの飲み会だがね。

>>673
いつも感想有難うございます。ヤギーの趣味の骨董集めですが、
詳しいことは何にも考えていませんでした。骨董全般が好きな
ようですが、陶器あたりは耳学問だけで手が出るわけもなく、
入舸浦の中華街のあやしげな露天商から、偽アンティークの時計とか
古い方位地震とかお香を入れる小さな壷(なんていうんでしたっけ)
とかチベット人の首飾りとか、そういったものを好んで買っていると
思われます。
 リハビリ話編はどうなんでしょう。面白そうですけど、高校生時代の
ヤギーはホントに救いがないくらい不幸せっぽいです。その中で
どうやって明るい、救いのある話を作っていけるか。難しそうですね。


680名無しさん@ピンキー:05/02/01 01:42:46 ID:ykLPvTmZ
わたし、面識のある人を藤原だとかってに思って、どきどきしていました。
こんなに続きの気になる話は、子供の時以来です。すばらしいです。

八木橋さんが脳だけになって、なにもない空間で意識だけある感覚は、私には
耐えられそうもありません。麻酔がいりますね。
681580:05/02/01 03:30:13 ID:wy7H5wYe
>>674-678
お疲れ様です。

三人目は古堅部長でしたか。面接官の中で唯一、八木橋さんの味方になってくれそうな期待を
かけたのですが、あの冷たい言葉で、がっくりしてました。こんなところで、また再会しよう
とは…。自分自身が全身義体だから、あんな言葉が出たのでしょうか。
名古屋弁のおかげで、登場早々、深町さんに親近感を感じてしまいました。この4人で、どん
な会話が展開されるのでしょう。八木橋さんが、また一歩、心の成長を遂げるのでしょうか…。

八木橋さんの身長が判明したのは大きな収穫でした。あとはスリーサイズと血液型と誕生日と…。
わかったらいいなぁ…。八木橋さんは、眼鏡をとらなくても美人だと思います。>汀様。

今の時点で、八木橋さんは、まだ22歳だと思うのですが、六年間だと計算が合わなくないですか?

>>679
骨董集めの件、お答えいただいてありがとうございます。これでまた、八木橋さんのイメージが
少し鮮明になりました。言われてみれば、いかにも八木橋さんらしい感じがします。八木橋さん
のことを少しでも知りたくて、いろいろとお聞きしてしまいます。すみません。
リハビリ話編の方は…忘れてください。決してBAD ENDにならないお話作りをしていただけるので、
途中に何があっても耐えられますけど、救いのないお話になったら辛くて読めないです。
682名無しさん@ピンキー:05/02/01 23:09:36 ID:vydl7i8h
>>679
>名古屋弁の女性って萌えませんか?え、萌えない。
ごめん…中途半端な方言って、地元民にとってはかえってマイナス。
683444:05/02/02 02:27:22 ID:hyEWFokp
"それでは乾杯も済んだところで、 まず最初の一品に参りたいと思います。古堅部長から故郷の味、
ゴーヤちゃんぷるーのリクエストが入ってまーす。 ではゴーヤさん、 めんそーれー!"
  タマちゃんの掛け声とともに、 テーブルの上に料理ののったお皿が三つ現れる。 とんでもない
光景なのかもしれないけど、 こう立て続けに起きると慣れちゃった。
「うん、 まあまあだな」
  古堅部長は、 相変わらず無表情のまま、 もぐもぐやってる。
「うわ、 苦っ、 苦くてわやだがね。 私は苦いものが食べられなかったのよね。 好き嫌い激しくて」
  これは深町さん。 私はというと、 これが苦手な味だった。 六年ぶりの食事だというのに、 聞いた
こともない料理を出されて、 ちょっとがっかりしてる。 だってビールは喉越しは爽やかだったけど、
やっぱり苦いし、 ゴーヤちゃんぷるーも苦いんだもん。 これじゃあ、 食事に来たのか修行に来たのか
分からないよ。
「ほら、 八木橋さん、 古堅部長を見てごらん。 相変わらず美味いんだか不味いんだか分からない顔してる
でしょ。 でもね、 鼻掴んでるでしょ。 あれ相当喜んでる証拠だから」
  深町さんは、 すぐに箸を進めるのをやめてもっぱら古堅部長観察に夢中になってる。
"次は深町香織さんからのリクエストの味噌煮込みうどんでーす"
今度の料理は深町さんのリクエストだから、 少しはましかなと思ったんだけどさ、 私は
この味も駄目だった・・・。 古堅部長も、 深町さんも、 リクエストがマニアックすぎ
だよ。 もっとこう、 カレーとかさ、 ラーメンとかさ、 万人受けする無難なリクエストに
してよ。 私みたいにさ。

「だけど、 最初の頃に比べたらすごい進歩だよね。 遥遥亭は。 ねえ古堅部長。 なんだか
今日は特に美味しい気がするわ」
  深町さんは味噌煮込みうどんを美味しそうに頬張りながらもしゃべり続ける。 きっと
大好物だったんだろう。
「そうだな」
684444:05/02/02 02:29:11 ID:hyEWFokp
「八木橋さん、 私ね、 仮想空間で食事体験ができるって初めて言われた時、 喜んで
義体開発室に来たの。 食事なんてできない身体になってもう長いこと経っちゃってたから、
あの感覚がもう一回味わえるのねって結構わくわくしてたわ。 そしたらね、 その時の
メニューはカレーライスとみつ豆だったんだけどね、 いざ遥遥亭、 確かその時は仮想
食事体験機試作A型みたいな味気ない名前がついてたわね、 まあいいや、 その遥遥亭の
中に入ったらね、 なんとみつ豆味のカレーとカレー味のみつ豆がでてきたの。 単純な
プログラムミスだったかもしれないけど、 あれには往生こいたわ。 私の練習時間
返せって感じ」
「深町さん、 じゃあ、 今日がこの中に入るのが始めてってわけじゃないんですね」
「あったり前だがね。 もう何度も何度も入ったよ。 私が、 ここの連中に味のなんたるか
ってもんを一から教育してやったわ。 義体開発化の野郎どもなんて、 忙しいのか
知らないけど、 食事もろくにとらんやつばっかりで、 美味しいもまずいも何も分からない
人達ばっかりだったもの」
  そうだよね、 今日のビールが苦いのも、 心臓がトクトク動いてるのも、 私はもう
当たり前のように受け取めちゃってるけど、 その影には深町さんが何度も何度もこの世界に
入ったからこそなんだなって、 初めて気づかされた。 全身にコードさされて、 脳とサポート
コンピューターの接続を何度も何度も切られて、 機械の身体なんだとその度に
思い知らされて・・・古堅部長だって、 今この場にいるんだもの。 きっとそうだ。
私だって全身義体の機械の身体だもの、 その辛さは痛いほどよく分かる。 そんな思いをして、
この世界を作り出したこの人達が実験動物のはずがないよ。
  そう思ったら、 ゴーヤちゃんぷるが、 味噌煮込みうどんが、 どんなに私が苦手な味でも、
残しちゃいけない気がした。 ゆっくりと、 時間をかけて、 味わって食べよう。
せっかくの六年ぶりの食事なんだもの。
685444:05/02/02 02:36:00 ID:GA5DGqf3
「八木橋さん。 どうですか、 遥遥亭は」
  今まで、 ゴーヤちゃんぷるーを食べるばっかりで、 ほとんど口を聞かなかった
古堅部長が唐突に私に話を振った。 相変わらず、 無表情でこの人怖い。
「と、 とてもすばらしいところです」
「君は、 確か面接の時に実験台になるのは、 ごめんだと言っていたね。 人間なのに、
なぜ人間らしい暮らしができないのか、 とも」
「はい、 言いました」
  あの時の、 苦い記憶がちょっと蘇った。
「しかし、 実験なくして進歩はありえない。 それは認めるね」
「・・・はい。 私、 あの時、 実験台なんて言葉を使ってしまったこと、 今は後悔
しています。 遥遥亭一つ作ることでも、 古堅部長や深町さん、 汀さん、 開発課の
皆さん、 たくさんの人の思いが詰まっているっていてことを、 さっき汀さんに
教えてもらいました。 それなのに、 私、 自分は義体だから実験動物みたいに扱われる
なんて言ってしまって、 本当に申し訳なく思っています」
「気にしなくていい。 君は誤解しているかもしれないが、 私が、 君を評価している
のは、 君が、 ただ全身義体だからというわけではないよ。 私が君を評価しているのは、
君が、 たとえ作り物の身体だったとしても人間らしくありたいということに非常に
執着しているからだ。 そのことに関しては、 私も深町も君と全く同じだ。 ただ、
一つ違うのは、 君はただ過去に執着しているだけ。 現状を改善しようという努力を
なんらせず、 ただただ不満を述べているにすぎない。 深町は違うぞ。 たとえ実験台と
言われようとも、 動く広告塔と言われようとも、 カネを作り、 君の言う人間らしい
暮らしってやつをなんとか手に入れてやろうとあがいている。 結果、 今、 君が、
その成果を享受しているという訳だ。 違うかね」
「ちょっと、 古堅部長。 今日は慰労会なんですよ。 そんな話は後でいいじゃないですか」
深町さんが止めに入ったけど、 それにかまわず古堅さんは続けた。
686444:05/02/02 02:37:23 ID:GA5DGqf3
「もちろん、 君の人生だ。 イソジマ電工に入るか、 他の道を選ぶかは好きにするがいい。
ただ、 君の持つ人間の身体へのこだわり、 それは、 今後の義体技術の改善に必ずいい
成果を産むに違いない。 そして、 多くの義体使用者に幸せを与えることができる、
私はそう確信している。 正直、 君のこだわりにはみな辟易していたぞ。 杏仁豆腐を
二つだって? 初め聞いた時は何を馬鹿なことをと思ったものだが、 そのこだわりこそが、
人間の人間たる所以ではないかと気づかされたよ。 どうやら義体開発チームの負けじ魂に
火をつけてしまったみたいだな。 味の再現プログラムがさらに改善されたようだ。
おかげで今日のゴーヤちゃんぷるーはすこぶる美味しかった。 まるで、 昔に戻ったよう
だったよ。 まず、 一つ幸せになったのはどうやらこの私だったようだな。 八木橋さん
有難う。 礼を言わせてもらう」
  そういって、 初めて古堅さんは私に向かってにっこり微笑んだ。 礼を言わせてもらう
だって、 礼を言うのは私のほうだ。 私なんて、 ただ二つ好きなものをリクエストしたい
ってタマちゃんに我侭をいっただけだ。 ただの、 たかが女子大生の我侭に真剣に
付き合ってくれたのは、 古堅さん、 あなたじゃないんですか? 義体開発課の皆さんじゃ
ないんですか? 私なんて馬鹿だから、 こんなすごい人達のいる会社に入ったって、
きっと何もできないよう。 それなのに、 それなのに私が必要だなんて、 私なんて答えたら
いいんだろう。
687444:05/02/02 02:38:06 ID:GA5DGqf3
「古堅部長、 私こそ有難うございます」
  もっと言葉を続けようとしたら、 まぶたの裏が熱くなって、 涙がポロポロ溢れてきた。
たくさん、 たくさん、 古堅さんに、 みんなにお礼を言いたかったのに、 こんなに
泣いちゃったら何も言えないじゃない。 なんで泣くのさ。 こんなときに。 何もこんな
ところまで再現しなくたっていいんだよう。 古堅さんは泣きじゃくる私に近寄ってそっと
頭を撫でてくれた。 私、 もう大学生だよ。 こんな、 泣いて、 それで頭撫でられて、
なんてみっともないんだろう。
「あらら、 八木橋さん、 泣いてるわよ。 なんで泣くのかしらね。 泣き虫さんね」
深町さんが、 そんな私を見て優しくささやいた。
  何故だか、 何故だか分からないけどすーっと小さいころの、 記憶の奥底に
眠っていたお父さんとお母さんの思い出と重なっちゃった。 それで、 また泣き出し
ちゃう私。 今日の私はまるで幼稚園児みたいだ。
「私はこれで失礼するよ。 もうしばらく寝ていないんでね。 杏仁豆腐、 深町と
二人でじっくり味わうといい」
  古堅さんは、 そう言い残してドアの向こうの白い世界に消えていった。
古堅さんってなんて陰気な人だろうと思っていたけど、 タマちゃんが好きになった
のも、 ちょっと分かった気がしたよ。
688444:05/02/02 03:01:58 ID:GA5DGqf3
誤解がないように言っておきますと、ゴーヤちゃんぷるーも味噌煮込み
うどんも私は好きですよ。ヤギーが嫌いなだけです。
いつまでも私一人でこんな駄文を晒し続けてるのも恥ずかしくなってきた。
お願いだから、誰かSS書いてください。私のと対極にある、うんと
格好いいやつを。
>>680
こんな続きが気になる話は子供の時以来だなんて、そんなこと言われたら
舞い上がってしまいます。全体の構想も、設定もロクに決めていない
デタラメ話なのに。有難うございます。
>>681
六年間だと計算があわない。
これこそが、作者が何も考えずに書いてる証拠ですよね。
いろいろぶれましたが、一応今のところ八木橋さんが義体になったのは
高校二年(17歳)と考えてます。
で、リハビリで留年して(高二で一回だぶり)、今大学四年で今年23歳になる
22歳ってことになるんですかね。そうすると、まあ大体義体になってから
丸六年が経過したことになるのかな。
リハビリ編もやらないってわけじゃないですよ。ただどうすれば救いのある
話にできるか悩んでいるだけで。実は、この物語の出だし(事故)と
結末のシーン自体はきっちり頭の中ではできているつもりです。
ただ、そこまで書き続けるだけの気力があるかどうかだけなんですよね。
>>682
うーん、やっぱりネイティヴの方がいらっしゃいましたか。
適当方言で申し訳ないです。そこらへんは、正統名古屋弁にでも脳内変換
していただき適当に読み飛ばしていただけると有難いです。
できれば添削してくれると嬉しいな。今回もやっぱり書いちゃったし。
689名無しさん@ピンキー:05/02/02 05:51:38 ID:GO/7XZYV
味の再現プログラムもいいけど、性感の再現プログラムもぃぃ。
ヤギーには、性感の再現プログラム担当実験体キボン
690名無しさん@ピンキー:05/02/02 12:30:47 ID:lhHzrbRd
部長…(つДT)

>>689
ヤギーの処女卒業って、義体化以降じゃなかったっけ?
生身の性感は多分わからんと思ふのだが。
691名無しさん@ピンキー:05/02/02 20:35:42 ID:1Y2uL9EX
>689
別に社員にしなくても、藤原とやった日のもログに記録されて、定期点検時に回収。
692名無しさん@ピンキー:05/02/02 21:22:41 ID:kduUvHPV

>444氏
乙です。
毎日うpを楽しみにさせてもらっとります。

>リハビリ編もやらないってわけじゃないですよ。ただどうすれば救いのある
>話にできるか悩んでいるだけで。実は、この物語の出だし(事故)と
>結末のシーン自体はきっちり頭の中ではできているつもりです。
>ただ、そこまで書き続けるだけの気力があるかどうかだけなんですよね。

是非読みたいです。
やはりヤギーの苦悩の原点だと思いますので。

連日のうp、大変だと思いますが、待っとります。

ガンがって下さい。

ところで古堅という名前は、沖縄由来ですか?

693580:05/02/02 22:23:57 ID:5Cm5c1hf
>>683-687
お疲れ様です。

古堅部長、かっこよすぎ…。厳しいけど素晴らしい人ですね。それに、古堅部長も
深町さんも、とっても優しいし。
今までどんな辛い思いをしても泣けなかったのだから、いくら泣いてもみっともな
いなんてことはないでしょう… ・°・(つД`)・°・思い切り泣いて、甘えてくだ
さい。>八木橋さま
生身の身体への執着が不幸の原因と、単純に考えていました。読み方が浅かったです。
恥ずかしい…。

遥遥亭開発秘話も、いろいろありそうですね。深町さんと開発スタッフの侃侃諤諤の
議論とか。

>>688
ありがとうございました。リハビリで出席日数が足りたのだろうかと思っていました。
すっきりしましたが、別な疑問が…。お食事会編は年が改まっているのでしょうか…?

ぜひ読みたいです。>出だし(事故)と結末
ここまできて、これを読めずに終わってしまったら、あまりにも悲しいです。
読める日が来ることを切望している者が1人いることを、記憶の隅っこにでも留めて
おいていただければ幸いです。

色を塗ると生産性が著しく低いので、鉛筆描きでしばらく投稿してみます。自分で描
いていながら、いまだイメージが固まりません…。

ttp://akm.cx/2d2/img/4951.jpg
694名無しさん@ピンキー:05/02/02 23:43:29 ID:5itdImwJ
444さんの大作に題名があったらいいな。
こんなのどうでしょう。
「八木橋さんはどんな夢を見るか?」ちょっとぱくってます。
695名無しさん@ピンキー:05/02/02 23:53:59 ID:bbXny0l0
>>688
昔、名駅近くに住んでいたけど、
「〜だがね」って言ってる人、ほとんどいなかったと思う。
それはともかく、久々に寿がきやの味噌煮込みが食べたくなった。
696444:05/02/03 02:58:11 ID:lMPm8m7Q
「ひょっとして八木橋さん、 今の古堅部長の話を聞いて、 ウチの会社に来る気になっちゃったかしら?でもね。
よーく考えたほうがいいよ。 どんなに言葉を言い繕っても、 私は会社から見たら所詮実験台だからね。 あなたが、
面接で言ったことは決して間違ってない」
  深町さんと二人っきりになった遥遥亭、 今までの明るくはしゃいでいた深町さんの様子が変わった。 どうして
深町さんがそんなことを言うんだろう。 いつも、 颯爽と格好いい深町さんが実験台のはずがないじゃない。
”ちょっと、 香織。 せっかく部長が八木橋さんをうちの会社にって誘ってくれているのに、 そんな言い方で
水をさすことはないじゃない。 八木橋さん、 あなたは実験台じゃない! 香織だって実験台じゃない!
うちの会社は、 そんな会社じゃない!”
  タマちゃんが、 突然とり乱したように叫んだ。 狭い遥遥亭の仲に、 タマちゃんの高い声がわんわん響く。
私の知っているタマちゃんはいつも冷静だったはず。 いったい、 何がどうなってるの。
「環は黙っていて。 貴女はいつから企業の代弁者になるほど偉くなったの? それとも愛しの古堅遥太郎さんの
言いなり? 古堅部長が八木橋さんを買っているのはよく分かったわ。 古堅部長が悪い人じゃないってことも、
よく知ってる。 でも八木橋さんには本当のことを知ってもらいたいの。 うわっつらだけの理解でうちの会社に
入っちゃって辛い思いをするのは、 この娘なんだよ。 遥遥亭は、 作るほうは本当に大変だったかもしれない。
でも私としては、 うーんと楽な仕事だった。 何より楽しいしね。 でも全部がぜんぶ、 こんなに楽しいわけ
じゃない、 むしろつらいことのほうが多いの。 そこのところをよーっく考えてほしいの」
”さっき香織も言ったでしょ。 これは慰労会です。 八木橋さんに美味しい杏仁豆腐を食べてもらう。 それが
今回の趣旨です”
「表向きはね。 でも、 慰労会を兼ねた、 八木橋さんの説得の場でもあるんでしょ。 香織も部長に協力して
あげてって、 環、 確か打ち合わせの時、 そう言ってたわよね。 ふふふ、 ばらしちゃった」
697444:05/02/03 02:59:55 ID:lMPm8m7Q
”言った。 確かに言いました。 でも八木橋さんに誤解されるような表現はよしてくれるかな? 私は
八木橋さんの元ケア・サポーターでーす。 八木橋さんの性格はあなたより、 ずーっとよく知ってまーす。
この娘は両親を亡くして、 一人ぼっちで、 今までつらい思いをして生きたんだ。 そして、 これからも
生きていかなきゃいけない。 でも、 義体の身体で、 普通の暮らしをしていくのは、 今の世の中
とっても難しいんだ。 それは香織のほうがよく分かってるでしょ? だから、 ウチに入ってもらうのが
彼女にとって一番いいんだ。 あなただって協力するって言ったでしょ。 何で今になってそんなこと言うの。
わけわからないよ!”
「そう、 環は彼女のケア・サポーターであって、 彼女の母親じゃない。 これからどうするか決めるのは
環じゃない。 木橋さん自身よ」
  二人が喧嘩腰で怒鳴りあうのを私はじっと見守っていた。 本当は二人を止めるべきだったのかも
しれない。ううん、 ひょっとしたら、 タマちゃんを怒るべきだったのかもしれない。 古堅さんが私を
会社に引き入れようとしているのを知って今回の食事会をセッテイングしたのはタマちゃん。 私が
深町さんに憧れているのを知って深町さんを担ぎ出したのもタマちゃん。 そういうことだったんだね。
つまり、 私はタマちゃんの手の平で踊っていたってことだ。
698444:05/02/03 03:00:31 ID:lMPm8m7Q
  でも、 タマちゃんが、 私のことをよく知っているように、 私だってタマちゃんのことをよーく
知っている。 タマちゃんは、 私と面接の時に偶然会った時からずーっと悩んで、 私の事を
よくよく考えた末に、 私が思い直してイソジマ電工に入るよう説得しようと思ったに違いないんだ。
  深町さんだって、 私にとっては機械の身体ってことしか共通点がないくらい、 雲の上の人なのに、
今日会ったばかりのはずなのに、 こんなに真剣に私の事を考えてくれる。
  そんな二人をどうして私が止める権利があるんだろう。 どうして私がタマちゃんを責めることが
できるんだろう。
「八木橋さん、 今から私の言う話をよく聞いて。 参考にならないかもしれないけど、 これから
私のことを話します。 この会社で働くってことが、 どういうことか知ってもらいたいから」
  タマちゃんがおっとりお淑やかって表現してた、 今までの穏やかな表情の深町さんは、
そこにはいなかった。 代わりにコートの鬼、 とても綺麗だけど、 とても厳しい顔をした人が
そこにいた。
699444:05/02/03 03:32:39 ID:lMPm8m7Q
>>689,691
エロネタは、次回の充電編で存分にお楽しみください。といっても、それ、エロネタ?
ってつっこまれそうなものしか考え付いていないんですけどね。エロは苦手だからね。
基本的に。
>>690
そんなこと本文中に書いてましたっけ。作者としては1〜2回は体験してるんでないの、
と思っています。今のところは。 どうせ設定なんてコロコロ変わるんですけどね。
>>692
待っている人がいる限りなんとかうpしたいと頑張っておりますが、 きつくなってまいりました。
古堅はご察しのとおり沖縄の苗字らしいです。ネットで検索したらちらほら いらっしゃいました。
>>693
まずは八木橋さんの素晴らしい絵を有難うございます。ムチャクチャかわいい
じゃないですか。藤原の野郎、生意気ですね(w
余りいつの出来事と決めているわけじゃないんですけど就職活動って三年の
終わりから四年のはじめくらいですよね。確か。ということは就職編が四年四月。
食事会は五月か六月ってことになるかと。
>>694
タイトル、そういえば、何にもなかったですね。ていうか考えてない。
しかしデート編とか、就職編ではあまりにも味気ない。
八木橋裕子に春が来た(デート編)
八木橋裕子の春の夢(就職編)
八木橋裕子に桜咲く(食事会編)
うーん、いまいちだな。この作品の全体を貫くテーマって何でしょう? 何だと思いますか?
作者が聞くなって感じですけど、そのあたりからうまくひねり出せないかなあ。
>>695
と、いうことで名古屋弁は深町名古屋弁は封印しちゃいました。
でも、どうしても我慢できなくなったらまた出すかも。もっと 勉強してから。
700名無しさん@ピンキー:05/02/03 05:50:01 ID:R0BMzf/3
椎路ちひろ=神戸隆行。
名古屋出身。名大OB。ひまわり副編集長。元富士通研。ネットの私的使用で解雇さる。無職5年。
180cm100kg36歳でコスプレ女装する。
馬鹿杉 ww
701444:05/02/03 23:58:56 ID:3lEjpw1y
「八木橋さんは、 彼氏いるのかしら?」
  深町さん、 どんなことを話すんだろうと思って身構えていたら、 いきなりこんなこと聞かれて
拍子ぬけしちゃった。
「うー、 一応・・・います」
「そう、 羨ましいわ。 どう、 彼氏とセックスは楽しんでる?」
「い、 い、 一応、 ひ、 人並みには・・・そ、 その楽しんでる・・・つもりですけど」
  一体、 何ていうことを聞く人だろう。 今、 私、 耳まで真っ赤になっちゃってるはずだ。
でも、 実際、 藤原とは、 あのあと毎週のように会ってはHしちゃってる私。 Hって私が機械じゃなくて、
やっぱり人間なんだって実感できる数少ない行為。 だから私は恥ずかしいけどHが大好きだったりする。
淫乱女ってわけでは決してないんだけどさ。
「私が義体になった頃はねえ、 義体にそんな機能なんてなかったの。 八木橋さんが義体になったのは、
何年前のことかしら」
「だいたい六年くらいです。 高校二年のとき・・・です」
「御免ね、 つらいこと思い出させちゃって。 じゃあ、 ちょうどその頃からかしらね。 義体にその
機能がついたのは」
  機械の身体になって、 人間性っていうものをことごとく奪われたと思っていた私でさえ、 Hだけは
当たり前のようにできるもんだとしか思っていなかった。 ほんのちょっと前までは義体の人はHすら
できなかったなんて考えもしなかった。 もしも、 私が、 Hすらできなかったら、 どうやって自分が
人間だって自覚できただろう。
「今のイソジマ製女性型義体のセックス機能の雛形の実験台になったのは実は私。 恩着せがましい言い方を
するとね、 あなたが彼氏とそうやって楽しんでいられるのも、 実は私のお陰ってわけ。 どんな実験
だったと思う? 機械に繋がれて性感信号送られて、 体の反応も見られて何度も何度も調整されたの。
あなたに想像つくかしら。 どうして、 私がそこまで恥をさらして頑張ったんだと思う? 私は義体に
なってる全ての人のための犠牲になって実験に身を捧げるなんて、 悲劇のヒロインを気取ってたわけじゃ
ないの。 全ては私のため。 その時私が恋をしていたから。 好きな人と一つになりたかったから。
702444:05/02/04 00:01:52 ID:Ip80y3Tr
だから、 私は何だって我慢できた。 結局はその恋はうまくいかなかったんだけどね。 私は、 女のくせに
こんなに背が高いし性格も生意気だしね。 決してもてるほうじゃない。 ふふふ、 恋愛の話はもう
やめましょう。」
  深町さんはどこかずっと遠いところを見るような眼をした。 そうだったんだ。 この人が恋をしたから、
今、 私は藤原と一緒になれるんだ。 でも、 もしも、 私が深町さんだったら、 そこまで思い切れる
だろうか。 恋人のために? 世界中の義体の人達のために? 私は、 自分が実験台に繋がれている光景を
想像しかけたけど、 怖くなって考えるのをやめた。 そんなこととてもできそうにない・・・。
「私には、 誰にも負けたくないもの、 誰よりも好きなものがある。 それはバレーボール。 若い時には
オリンピックの代表にもなったの。 だから、 重い病気を患って、 こんな身体になっても、 それでも、
私はバレーボールが続けたかった。 だって、 バレーボールは私が生きる意味そのものだもの。 こんな身体
でもバレーボールをさせてくれる会社なんて、 当時はイソジマ電工ウイングスしかなかった。 社会人
スポーツは結局企業の宣伝のためのものよね。 ウイングスに入るって事は、 常に自分の機械の身体を
晒して、 アピールしなければならないってこと。 だって、 それが、 この会社がわざわざスポーツチームを
持ってる意味だもの。 確かにマスコミに出たり、 取材を受けたりして賞賛されたりもした。 悲劇のヒロイン
扱いもしてくれた。 だけど、 それ以上に陰でいわれない非難や中傷も受けたわ。 でもウイングスに人気が
あって、 広告効果がある限り、 私はいつまでもバレーボールを続けていられる。 私は、 バレーボールが
続けられるなら、 なんだってするよ。 新しい義手、 義足の開発、 マスコミへのサービス、 勝つためなら、
チームが人気が出るなら、 バレーボールが続けられるなら、 私は、 実験台でもかまわない。 私は決して、
義体の人達のために身を犠牲にしているわけじゃないの。 会社に貢献したいがために働いてるわけでもない。
703444:05/02/04 00:03:40 ID:Ip80y3Tr
私は私のためにここで働いている。 あなたは何のためにイソジマ電工で働くの? 古堅部長は、 あなたは
多くの義体使用者に幸せを与えることができるなんていったけど、 そんな言葉に酔っていたって結局は
現実を目の前にしたら失望するだけ。 もう一度聞くわ。 あなたは何のために働く?」
  そう、 私は、 私は何のために働くんだろう。 何のために就職活動をしたんだろう。 何で、 宇宙開発
事業団に、 自衛隊に、 警察に、 入ろうとしなかったんだろう。 どうして、 今、 イソジマ電工に入ろうと
思っているんだろう。 そう、 答えなんて分かりきっている。 人間らしく暮らしたいからだ。
「私はこんなふうに、 全身義体の機械の身体で、 ただ生きていくだけでも、 とてもお金がかかります。
でも、 私には好きな人がいて、 彼は無邪気に私達は将来幸せになるって信じきってるんです。 そんな時に、
私がお金の話なんかして、 彼の夢を壊すようなことはできない。 でも、 現実を呪っていても何の進歩もない。
私が何とかしなければいけないんだ。 私は、 もう覚悟は決めてます。 私には幸せになりたいっていう、
人間らしく生きたいっていう強い意思があるから、 私は決して実験台じゃない。 意思のある実験台なんてない、
もしあるとすれば、 それは実験台じゃなくて人間にほかならないはず。 私はそう思います。 そう思うことに
します。 深町さん、 タマちゃん。 私は、 私のために、 今、 私がつかみかけてる小さな幸せを守るために、
御社で働きます。」
  本当に、 どんなことにも耐える自信があるかは、 実際その時になってみないと分からない。 でも、
この会社には少なくともタマちゃんがいて、 深町さんがいて、 古堅さんがいる。 それぞれ考え方は違うかも
しれないけど、 私のことを理解してくれる立派な人達がいる。 この会社なら、こんな機械の身体の私でも
幸せになれるかもしれない。
"ありがとう八木橋さん。 とても女の子らしい答えだと思いまーす。 なんか、私と古堅とダブっちゃうな。
男って単純だよね。 いつも無邪気に夢ばかりおいかけて。 古堅もそう。 あの人は、 いつも大人びた振る舞いを
するけど、 根っこは子供のまま。 いつも何か新しいことを発見するのに夢中になって、 理想ばかり追いかけて。
704444:05/02/04 00:04:26 ID:Ip80y3Tr
結局は会社に利用されてるだけなのにね。 女だって単純。 男と一緒に夢を見るために、 いつも現実と理想の
板ばさみに合いながら折り合いをつけて、 あくせくしてるんだ。 私みたいにね。 そんな、 男たちと、 いいえ、
男の子たちと女たちが、 この会社をささえてまーす。 こんな会社でよければ、 八木橋さん、 ようこそ
イソジマ電工へ"
  タマちゃんありがとう。 でもそれは言いすぎ。 男と女の関係がそんなに単純じゃないのは二十歳そこそこの
私だって知ってるつもり。 でもリアリストのタマちゃんが言うと妙に説得力があるから不思議だ。
これからもよろしくね。
「ちょっと脅かしちゃったみたいだけど、 あんな思いをするのは私だけで充分。 ひどい扱いをされそうに
なったら、 私が守ってあげるから安心して。 でも、 八木橋さんの覚悟は分かりました。 あなたなら何とか
やっていけそうね。 これからも宜しくね。 でも本当に大変なのはこれからだよ。 うちの会社に入ったら
入ったで、 理想と現実の板ばさみ。 世の中、 そんなものなのかもしれないけれど、 特にウチの会社は
それを感じることが多いはず。 悩むことも絶対あるはずだから、 その時は遠慮なく私に相談してちょうだい。
ただ私は環みたいに甘くないからね。 覚悟しておいてね。 ふふふ」
  深町さんありがとう。 貴女がいたから、私がいる。 私の身体は今までずーっと冷たい機械だと思っていた。
でも、 今の私の身体は深町さんや古堅さん、 そして開発課の皆の努力の結晶なんだって分かった。
遥遥亭と同じように、 私の身体にだって、 みんなのそれぞれの想いが、心が、 宿ってるんだよね。
だとしたら、 私の身体は機械かもしれないけど、 決して冷たくなんかない!
"じゃあ、 もういいかな。 八木橋さん、 そろそろ杏仁豆腐が食べたくなーい?"
  食べたい!とても食べたいよう!
705444:05/02/04 00:13:22 ID:0gCnq8op
食事会編はあと一回で終わりです。しかし、今回は内容がグダグダで
纏まりがなくなってしまったなと反省しきり。全体の構成もきちっと
きめないで即興で書きなぐるから、破綻してしまう。すみません。
706名無しさん@ピンキー:05/02/04 00:24:22 ID:PSFTblKM
--
** 椎路 ちひろ@東京 (^-^)d **
** ひまわり学園 女子高等学校 2年 **
** 図書委員、美術部、テニスが趣味 **
** [email protected] **
** http://www.nerimadors.or.jp/~chihiro/ **

--
Kando. Takayuki <[email protected]>
High Performance Computing Research Center (FUJITSU LABORATORIES LTD.)
1015 KAMIKODANAKA, NAKAHARA-WARD, KAWASAKI-SHI, KANAGAWA, 211-88 JAPAN
Phone: (Intl Prefix)+81-44-754-2670
707名無しさん@ピンキー:05/02/04 00:25:11 ID:PSFTblKM
「みる・きく・はなす」はいま第20部〜ネットの中の「私」(1)

 去年五月。首都圏にある大手電機メーカーの研究員(三一)は、会議室で上司にぐちっぽく言われた。
 「君が辞めてくれれば、会社への脅迫はなくなる。相手は総会屋かもしれない。来月は株主総会だよ」
 会社にはそれまで、研究員に関して外部から十通近いメールが届いていた。
 <勤務時間中に社内から私用で発信している><ネットワーク上で他人を誹謗中傷している><女装癖があるようで、写真週刊誌が喜びそうなネタですね>
 研究員は差出人の名前に見覚えはあったが、実名ではなく、特定できなかった。
 自宅待機を命じられ、一週間ほどして諭旨退職処分を通告された。理由は「インターネットを私的に使った」だった。
 業務と関係のないホームページを見た。私用メールを十通出した……。社員がどんなホームページを見て、どういうメールを出したか。会社はすべて記録し、保存していた。
 処分理由を会社側はこう説明する。
 「ネットワーク利用に関する社のガイドラインで、業務目的以外に利用することを禁じている。何度か警告したにもかかわらず、私用メールを出しており、就業規則に反する行為だった」
 社員のメールチェックも法的な問題はないと主張する。
 「株主総会を控えて、会社は過敏に反応したんでしょう。私を辞めさせることで、混乱要因を排除しようとしたのでは。ネットワークの私的利用というのは表向きですよ」
 元研究員は悔しそうに振り返った。失業状態はまだ続いている。

朝日新聞1999年4月30日朝刊より
708名無しさん@ピンキー:05/02/04 01:57:36 ID:/6WS8rAS
444さん、「私は私のために働く」いい言葉です。こんなことを堂々と
言える人になりたいものです。

この話のテーマは「人間とはなにか」じゃないかなと思います。
今は答えが思い浮かびませんけど。

男性の義体開発はつまらなそうですね。
709580:05/02/04 21:49:12 ID:vnTMGbNO
>>696-698,701-704
お疲れ様です。

深町さんのシビアな言葉で、夢から現実に引き戻されました。汀さんも深町さんも、八木橋さ
んのことをいかに思ってくれているか…。いい人たちに囲まれて幸せですね。自分達が苦労し
た分、他人ごととは思えないのでしょうか。

藤原君とデートしている時も、八木橋さんは、心の片隅では厳しい現実に心を痛めているのか
と思うと、切ないです。でも、藤原君に話して、苦しみを分かち合う、っていうのは、八木橋
さんにはできないのでしょうね。

それにしても、深町さんをふった男、許すまじ! やむをえない事情があったとしても、こんな
素敵な人を悲しませるなんて…。

>>699
かわいいなんて言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。
時期の方は、基本的な部分を間違ってました。これで季節感がつかめました。ありがとうござ
いました。
イソジマ電工を選んだ理由、八木橋さんの決意、義体に込められた想い、その辺がテーマを反
映しているのではないかと思います。具体的にどんな、とは言えませんが。
充電編でエロって、どんなお話でしょう。楽しみです。
710名無しさん@ピンキー:05/02/04 23:11:23 ID:wXafj3fO
ヤギーは、鏡を見る時どんな気持ちなのでしょう?
朝起きた時、じっと手を見て何を考えているのでしょう?
こんなシーンに萌えです。
711444:05/02/05 02:59:10 ID:8/RdQwsT
  夢のような時間が終わって、 ふと気づいたら私は遥遥亭の歯医者さんの治療台みたいな椅子に一人で座ってた。
首筋にささったプラグを抜いたあと、 なんとなく左胸に手をあててみたけど、 もちろん心臓の音なんてしなかった。
ちゃんとした、 私の機械の身体だ。 もとの世界に戻れてほっとした気持ちもあり、 がっかりした気持ちもあり、
なんだか複雑な気分。 しばらく、 さっきの杏仁豆腐の甘い味を繰り返し思い出して、 しっかりと脳に焼き付けた。
さて、 外に出よう・・・。
「はい、 皆さん拍手―」
  汀さんの高くて澄んだ声。
  パチパチパチパチ。
  大きな拍手。
  パン! パーン! 拍手どころかクラッカーも鳴った。 壁には『歓迎、 八木橋裕子様』なんて垂れ幕までかかっ
ちゃってるし、 壁際にはビールやら日本酒やら焼酎やらおつまみがたくさん並んでる。 それより何より、 この
作業着姿の男の人達は誰なの。 さっきまで、 あんな殺風景なガランとした部屋だったのに、 いつの間にこんな
賑やかに・・・。
  クラッカーの切れ端を頭に被りながら、 ぽかんとしてる私。 とっさのことで状況がよく飲み込めない。
「ふふふ、 八木橋さん。 驚いた? あなたが仮想空間で食事を楽しんでいる間、 こっちの世界は、 歓迎会の
準備で大忙しだったの。 もちろん、 あなたのね。 じゃあ、 義体開発課のメンバーを紹介するね。」
  タマちゃんが、 そう言い終わるよりも早く、 青い作業着姿の若い男の人達が、 わっと私の周りに
群がった。 タマちゃんいわく、 むっさい男ども、 深町さんいわく、 美味しいもまずいも何も分からない
人達かあ。 なんだか分かる気がする。 でも、 みんないい顔をしている。 カッコいいかどうかは別にしてもさ。
この人達が、 私の身体を作ってくれたんだね。 遥遥亭を作ってくれたんだね。 みんな、 ありがとう。
「俺、 柏木。 一応リーダーやってます。 んで、 こっちは諏訪、 それから太田。 庄司。 岸田。 長嶺」
「よろしくス」 「ども」 「こんちは」 「汀さんの写真でみるより全然かわいいね」 「八木橋キター!」
  みんな口々に私に声をかけてくれる。

712444:05/02/05 03:00:47 ID:8/RdQwsT
「俺たちで、 杏仁豆腐のプログラム組んでみたんだけど、 どうだったかな? 感想は?」
  ちょっと照れながら、 柏木さんが私に聞いた。
「それ聞きたかったっス」 「俺も」 「どうだった?」 「イケてたでしょ」 「漏れモナー」
「タマちゃ・・・汀さんから聞きました。 みなさん、 リアルな杏仁豆腐の味を再現するために、 女の子
ばかりの店に毎日通ってくれたんですよね。 私なんかのために。 私、 もとのお店の味は知ることができ
ないけど、 でも、 みなさんの作ってくれた杏仁豆腐はとっても甘くて、 美味しかった。 昔食べたどんな
杏仁豆腐よりも美味しかった。 本当にありがとうございます」
「いやいや、 礼なんてとんでもない。 もちろん、 最初は店に行くの恥ずかしかったんだけどさ、 両方
ともすげー美味いもんだから、 今じゃ仲間誘って通ってるもんな。 ああ、 俺、この年で甘党になるとは
思わなかった」
「そっス、 そっス。 どっちかといえば、 僕はモチモチした食感のカティー派かな」
「いやいや、 爽やかな甘みの悠々茶館の杏仁も捨てがたいと思われ」
  カティーサークの、 悠悠茶館の素晴らしさを力説する彼ら。 とても、 男の話とは思えない。 うーん、
さすが、 ジャスミン、 佐倉井のお勧めの店だけある。 どうやら、 かの杏仁豆腐はイソジマ電工義体
開発課の面々も虜にしてしまっているらしい。
「さあ、 では皆さん、 これから八木橋さんの入社内定の歓迎会を行いまーす。 司会進行はやっぱり
総務のアイドル汀しかいないでしょう! コラ、 そこで今笑ったやつ。 諏訪か? あとで殺す。 はい、 はい、
皆さんビールは行き渡りましたか。 ハイ、 柏木さん、 落ち着いてください。 いきなり日本酒は
ご法度でーす、 まだですよー! でははりきって盛り上がりましょー!」
「八木橋さん、 これどうぞ」
  いつの間にか、 私の隣にきた深町さんが渡してくれたのは、 アルコール入りの栄養カプセルだ。
それも三つも!
「みんな、 乾杯するんだから。 私達もこれ飲んで盛り上がりましょうね。 ふふふ」
「ハイ、 皆さん、 ビールは行き渡りましたね。 じゃあ、 八木橋さんの前途を祝福してー、
かんぱーい」
713444:05/02/05 03:02:05 ID:8/RdQwsT
「かんぱーい!」 
  タマちゃんの、 深町さんの、 古堅さんの、 開発課のみんなの、 たゆまぬ努力と
限りない優しさに乾杯!

  正直、 このあとのことは、 余り良く覚えていない。 なんか、 柏木さんと肩組んでカラオケを
歌ってたあたりはうっすらと覚えているんだけど・・・。 気がついたら眼鏡かけたまま、 アオザイ姿の
ままで、 家で寝ていて、 その間の記憶がすっぽり抜けてた・・・。 いったい何をやらかしたものやら。
うー、 また失敗した。 アルコールはもうやめよう・・・。 と、 翌朝、 何度目かの禁アルコール宣言を
する私だった。

ゼミの授業が終わると、 私は駆け足で研究室に向かった。 案の定、 中にはジャスミンと佐倉井の二人だけ。
ジャスミンは、 いつもの細長いメンソール煙草をふかしながら、 気取って紅茶を飲んでる。 佐倉井はブツ
ブツ独り言をつぶやきながら、 ノートになにやら書きなぐってる。 大方最新版の手書き甘味マップだろう。
私はこの瞬間を待っていたんだ。
「ねえねえ、 ジャスミン、 佐倉井」
  私は、 話しかけながら、 わざと、 どかっと自分の鞄を投げるように置いて、 自分に注意を向けさせる
という姑息な手段をとることにした。 二人は自分の時間を邪魔されたのに腹を立てたのかしらないけど、
いかにも面倒くさげな眼で私を見た。
「私、 カティーサークと、 悠悠茶館行ったよ。 杏仁豆腐食べてきたよ」
  今思えば、 ものすごく恥ずかしいんだけど、 きっと私、 このとき、 どうだまいったかとか、 して
やったり的な顔をしてたに違いない。 でも二人の反応は予想とゼンゼン違ってた。 しばらく、 しらけた
空気が流れた後・・・。
「自慢げな顔して鼻の穴膨らませて、 何をいうのかと思ったら・・・やっぱりヤギーって可笑しい!」
  ジャスミンはそう言うと、 煙草の灰が床に落ちるのもかまわず、 笑い転げた。 佐倉井も下を向いて
肩を震わせてる。 笑ってやがるな、 さては。
714444:05/02/05 03:04:08 ID:kdprwTqC
「あんたたち、 いったい何なんだよう。 私のどこがおかしいっていうのさ」
「だって、 ねえ、 清香」
  困ったようにジャスミンが、 佐倉井を促した。 だって、 何なのさ。
佐倉井が笑いを噛み殺しながら答えてくれた。
「ヤギー君。 相変わらず君のセンスは古いね。 まるで平成だね。 せっかくダイエット辞めたんだったら、
そういってくれれば、 私がもっといい店を紹介したのに。 二軒とも作業着姿の薄汚い野郎どもに毎日
占拠されて、 競馬の話なんぞ大声でされた時点で私達の中ではもう過去の店ってことになってるんだよ。
いったいどこの会社の連中なんだろうね。 あいつらは」
  そ・・・それは、 ひょっとして・・・いや絶対あの人達だ。 イソジマ電工義体開発課ご一行様だあ!
「今の流行は、 八軒坊のダイナシティーのマンゴープリンーと、 入舸浦の暁屋のマンゴープリン、
これに尽きるね。 私はダイナシティー派でジャスミンは暁屋派だとさ。 ヤギーもダイエットやめたん
だったら、 これから、 一緒に攻めてみるかい? あれ、 ヤギー、 どこ行くの、 ちょっと、 ちょっと
待ちなさいよ!」
(そんな、 そんな、 そんな、 私のセンスが平成だって? 悔しいっ。 見返してやるんだからっ!)
  佐倉井の話なんて最後まで聞かず、 思わず研究室を飛び出した私。 廊下を早歩きしながら、
携帯を取り出した。 どこへ、 電話するかって? そんなの決まってるじゃない。
「もしもし、 タマちゃん。 私です。 八木橋です。 あのね、 あのね、 遥遥亭、 もう一回入れない
かなあ。 え、 今忙しい?そんなつれないこと言わないでよう。 八軒坊のダイナシティーのマンゴー
プリンと入舸浦の暁屋のマンゴープリン・・・ちょっと、 話聞いてよ。 ねえ。 切らないで。
タマちゃん。 環様。 汀さまー!」

  おわり
715444:05/02/05 03:28:36 ID:kdprwTqC
これで、食事会編はおわりです。呼んでいただいた皆様にはただひたすら
感謝!感謝。では、次回は宣言通り、充電編になります。宜しくお願いします。
>>708
「私は私のために働く」・・・私もそう思います。会社で隙をみてシコシコ拙い話の
下書きを書いては家にメールしてる私なぞはヤギーの真っ直ぐな言葉は身をつま
される重いです。>>707のカキコなんか実はウチの会社のスパイが私を警告して
いるのかなんて思ってビクついてます。
「人間とは何か」ですか。深く考えてなかったけどそうかもしれないですね。
男の全身義体の開発についてのご意見ははげどうです。
>>709
結局、登場人物が全員いい人になっちゃうなあと私も書きながら思ってました。
性善説に満ち満ちてる感じですよね。もっと、こう悪役も出すと物語にコクが
出るのかもしれん。イソジマのライバルのギガテックスはどう描こう。
季節感に関しては、私の情景描写が不足しているせいです。すみません。
次の充電編は夏の話です。と前置きしておきましょう。

>>710
必要ないけど目薬さして、鏡みて、泣き顔を作ってみるけど、しばらく
してバカバカしいことに気がついて鬱になるとか、そんな感じですかね。
鏡の前のヤギー。

716名無しさん@ピンキー:05/02/05 14:24:39 ID:BqnfW7zS
最強のオチにワロタ。

あぁ、なんかヤギーのまとめサイト作りたくなってきた…。( ̄▽ ̄*)
717名無しさん@ピンキー:05/02/06 01:58:56 ID:u9QdPUwR
444さん、楽しい終わり方でした。

悪役がいれば、この話の魅力が倍増することでしょう。
義体化一級のヤギーに、冷たい同情と好奇心を向ける世間の人々が
悪役として浮かびました。これはちょっと立ち向かうのにしんどい。

こんな悪役(ライバル)どうでしょう。ギガテックスの義体の持ち主で、
ヤギーと違って機械の体を楽しんでいる人。脳も機械化したがっている
ような人。ヤギーと同じような性向だったのだけど、いろんな不幸が重なって
生身の人間を嫌悪している人。

718580:05/02/06 20:01:29 ID:yeMDWDPO
>>711-714
お疲れ様です。
爽やかな終わり方に加えて、さらにひねりがあるとは…。いいお話でした。ありがとうござ
いました。私にとっては、テーマやネタ以上に、終わり方が重要なので、いい終わり方でお
話を締めくくってもらえて、とても嬉しいです。
それにしても、汀さん段取りいいなぁ…。

>>715
登場人物がいい人ばかりというのも、一つのスタイルだと思います。私は、それで十分魅力
的なお話になっていると感じます。でも、作品をより良くするためにいろいろ試していただ
くのはよいことですし、それで作品の深みが増せば、嬉しいです。
季節感については、私が正しく読み取れていなかっただけのようです。絵を描く時に反映さ
せたくて、いろいろお聞きしました。すみませんでした。
男性義体の開発は、女性だけの開発陣がそれなりに楽しんでやっているのではないかと…。

え…と、八木橋さんごめんなさい…。

ttp://akm.cx/2d2/img/5039.jpg
719444:05/02/06 21:23:23 ID:a+lXlGP3
夏です夏。 夏といえば花火だよね。 ということで、 私は今夜藤原と渦川の花火大会に行くことになってる。
夏の夜空に2500発だってさ。 楽しみだよね。 夜のデートといえば洒落たレストランでお食事っていうのが普通の
パターンだと思うんだけどさ、 私の身体では食事なんてできないから、 いつもは入舸浦中華街の露天骨董市を
ひやかしたりするような、 昼デートが中心。 夜にデートするとすれば、 映画を見るか、 菖蒲端のワイ横の
ホテルに直行するかくらいのもの。 私だってHは嫌いじゃないよ。 でも、 女はHに至る過程を大事にするの!
会って即Hなんて、 ムードもへったくれもないじゃない。 と、 いうことで、 今回は藤原にしては珍しく、
なかなか気の利いたことをするなと感心した。 私の友達の佐倉井なら、 「藤原君、 花火大会とはなかなか粋な
計らいだね。 よーし、 80点あげちゃう」なんて言ってるところだ。 集合時間は午後7時。 集合場所は菖蒲端の
大狸像の前になりました。

  その日の昼間は、いつものようにしろくま便の引越しのアルバイトを入れていた。 今回の東八軒坊の現場で
一緒に働くのはしろくま便の女性社員で家具運搬トラックの運転手を兼ねる野中さんと、 アルバイトの山本君。
山本君は私と同じ星修大の二年生。 学部は違うけど私の後輩だ。 仕事の合間の休憩時間に雑談なんてするわけ
だけど、 実は山本君、 今夜狙ってる彼女と初デートで、 映画を見る約束をしてるんだって。 私も今夜彼氏と
花火大会に行くんだよねなんて話をして、 それじゃあお互い頑張って仕事はなるべく速く片付けようってことで
意気投合したわけだ。
  私はもちろんだけど、 山本君も細っこい身体で何とか頑張って、 野中さんも休憩なしで私達に協力して
くれて、 まあ、 そんなに大きい家ってわけじゃなかったけど、 四時前には全ての荷物をトラックに積み込む
ことができた。 万が一を考えて、 私は現場に浴衣を持ってきてたんだけど、 これなら余裕を持って、 家に
帰ってから浴衣に着替えて、 もう一回化粧し直してから藤原に会えるはず。 そのはずだったんだけど・・・。
720444:05/02/06 21:26:22 ID:a+lXlGP3
「それでは失礼しまーす」
と野中さんが家の奥さんに最後の挨拶。 ところが
「ちょっと、 あんたたち、 まさかもう帰る気なの? まだ終わってないじゃない」
家の奥さん眉間に皺をよせて私達の前に仁王立ち。
「海外に赴任するから、 冷蔵庫とかテレビとか洗濯機とか電化製品はいらないんだけど。大型の電化製品でも
不要なものは持っていって処分してくれるってお宅の営業の人が言っていたはずです!」
そんなこと私達は聞いてない。 野中さんはあわてて事務所に電話をかけて確認している。 相手はおそらく
営業の小林さん。 けど、 野中さんの表情を見てると余り雲行きはよくなさそう。
「小林のヤツ『ごめん、 俺、 そのこと伝え忘れてた。 適当にうまくやっといて。 あとは任せたからヨロシク』
だってさ。 まったく頭きちゃう! 結局全部私達でやれってことでしょ! ああ、 もう!」
  野中さんは、 はめてた軍手を投げ捨てた。 本当は携帯をへし折りたいくらいの気分だろう。 それを聞いた
山本君は、 死刑宣告を受けた囚人みたいに青い顔になっちゃった。 私ももしも顔色が変わる身体だったなら、
山本君と同じように青ざめちゃってたに違いない。 私達、 これから作業して待ち合わせの時間に間に合うんだろうか?
  急遽、 追加になったのは冷蔵庫みたいな大物ばかり。 だけど、 オーバーペースで仕事をしてきたせいか、
野中さんも山本君も、 明かにグロッキー気味だ。 女性の野中さんはまだしも、 山本君はだらしなさすぎ。
あんた、 これから、 デートなんでしょう。 急がなきゃ映画の時間に間に合わなくなっちゃうよ! 文句ばかり
言っていても仕事は終わらないんだよ!
  もう頼りになるのは私だけ。 こんな時は疲れをしらない私の身体が役に立つ。 悪いけど野中さんも山本君も
仕事を早く切り上げたい私にはかえって邪魔だ。 私はイライラしながら、 よせばいいのに、 気がついたら
ほとんどの荷物を一人でトラックに積み込んでた。 冷蔵庫も洗濯機も、 何もかも。
「ごめん、 ヤギーちゃん。 いつもごめんね。 所長にかけあって、 特別に残業代出してもらうから」
721444:05/02/06 21:29:20 ID:a+lXlGP3
  野中さんは、 山本君と二人で、 やっとこさテレビを持ち上げながら、 そう言ってくれた。 ありがとう。
ケチ所長から追加の残業代なんてもらったことないから全然期待していないけど、 その気持ちだけで嬉しいよ。
  私が見かけによらず力持ちってことは、 しろくま便の社員周知の事実。 少なくとも、 山本君なんかよりは
私のほうがずっと力があるはず。 お陰でしろくまの社員からは「力持ちのヤギーちゃん」なんて言われて妙に
可愛がられている。 まあ、 普通よりちょっと力の強くて、 しかも最近では珍しく辛抱強い娘ぐらいにしか
思ってないんだろうけどね。
  でも私が力持ちで辛抱強く見えるのにはわけがある。 実は私の身体は脳みそを残して全部機械なんだ。
法律上は義体化一級という種別の障害者ってことになってるんだけど、 世間では全身義体と言われたり、
サイボーグと言われたりする存在です。 そう話すと、 自衛隊や警察の特殊部隊なんかを連想して、 人間とは
かけ離れたケタ違いの能力の持ち主なんて思われるかもしれないけど、 私の場合は一般生活用の義体だから、
そんな力なんて持ってない。 でも120kgある私の体重を支えて、 なおかつ普通の人と同じように活動するだけの
性能をもたせなきゃならないってことで、 なまじっかな男の子よりは、 ちょっとだけ力持ちにできてる。
しかも、 機械だけにどんなに働いても疲れることはないんだ。 だから、 机とか洗濯機とかテレビみたいに
重い家具荷物も何とか一人で持ち上げることができるし、 淡々と働き続けても平気ってわけ。

  ようやく仕事から解放された時には六時をまわってた。 まずい、 本当にまずい。 待ち合わせまであと
一時間もない。 花火が見れなくなっちゃうよう。 せっかく持ってきたのに浴衣に着替える時間もなくなっ
ちゃうよう。
「子供を保育園に迎えに行かなきゃならないの。 本当は貴方たちを駅まで送りたかったんだけど。 ゴメンネ」
  野中さんは、 申し訳なさそうにトラックで帰っていった。

「山本君、 待ち合わせには間に合うの?」
「ギリギリです。 トンパチまで走ればなんとか」
「じゃあ、 走ろう」
722444:05/02/06 21:31:18 ID:a+lXlGP3
  私達はしろくま便の作業着姿のまま走り始めた。 けれど最寄の東八軒坊駅まではたっぷり3キロはある
はずだ。 案の定山本君はすぐに私のペースについていけなくて遅れはじめた。 どんなに走っても疲れない私の
スピードに合わせるのは難しいにしたって、 1キロもいかないで、 バテることないじゃない。 ああっ、 もう
本当にだらしないっ! 高校生の頃の私は陸上部の中距離ランナー。 だからか知らないけど、 走れない男って
イライラするんだよね。
「私が背負ってやる。 私があんたを背負って走ってやるよう」
焦ってる私はとんでもない提案をした。 でも本気だよう。 あんたを見捨てることもできないけど、 あんたに
合わせてたら私だって待ち合わせに遅れるんだ。 2500発の花火が見れなくなるんだよう。 だったらこうする
しかないじゃない。
「ヤギーさん、 いくらなんでもそれは無理じゃないの。 それにヤギーさんに悪いし」
「無理かどうかは、 やってみないとわからないでしょ。 急がないと、 山本君、 本当に映画の時間に間に合わ
なくなっちゃうよう。 はい、 つべこべ言わず、 乗る」
  私が腰を落とすと、 山本君はしぶしぶ私の上に乗った。
  結局、 2キロ余りを山本君を背負って走ることになった。 住宅街のせせこましい裏路地を走っているぶん
にはまだ人目につかなくて良かったんだけど、 八軒坊銀座のアーケード街のど真ん中を走り抜けたときは、
道行く人に珍獣でも見るかのよう振り返られて、 滅茶苦茶恥ずかしかったよ。 女の私に背負われてる山本君
なんて、 私なんかよりもっと恥ずかしかったのか「ヤギーさん、もういいです、降ろしてください」って
私の後ろで言い続けてたけど、 意地になってる私は、八軒坊銀座を行くみなさまの視線にも山本君の声にも
気づかないふりをして走り続けた。
 やっとのことでホームに辿り着いたのと、 菖蒲端行きの急行電車が到着したのがほぼ同時だった。
723444:05/02/06 21:36:12 ID:a+lXlGP3
  菖蒲端行きの電車はいつものように混んでいて座れなかった。 しょうがないので私は山本君と二人、並んで
つり革握って立っていた。 私がぼんやり車内広告なんぞ眺めていると
「ヤギーさん、 前からすごい人だと思ってたけど、 やっぱすごいです。 こんな暑い中で僕を背負って、 あれ
だけ走ったのに、 息一つ切れてないんだもん。 汗もかいてないし。 疲れてないんですか?」
  山本君はひとしきり私にお礼を言った後で、 賞賛と驚愕がないまぜになったような微妙な口調でそう付け加えた。
そう言われてギクリとする私。 よくよく考えたら、 山本君背負って2キロも全速力で走って、 なおかつ涼しげな顔
して、 車内広告を眺めているなんてものすごい不自然じゃないか。 そういわれてから急に大げさに呼吸するふり
なんかして、 息が切れてる演技をする私ってますます変だよね。 馬鹿みたい。 もう呼吸なんて必要じゃないのにさ。
「あっ、 そう、 そうだね。 いや、 でも私もすごく疲れたよ。 もう死にそう。 この借りはなんかで返してもらうからね」
  いや、 お礼なんかいいから、 君の場合もうちょっと身体鍛えてくれい。 ホントはそう言いたかっだけどね。 全く。
  それにね、 こんなことで、 すごい人って言われてもね、 実は私あんまり嬉しくないんだよね・・・。
  そんな私の気持ちなんか知るはずもなく、 初デートに浮かれまくってる山本君は、 ちょっと前の流行歌の鼻歌を
嬉しそうに歌いながら星修学園前で降りていった。 待ち合わせ時間にはなんとか間に合いそう。 よかったね。
  私もなんとか菖蒲端駅のトイレで浴衣に着替えるくらいの時間はとれそうだ。 あそこのトイレ、 むかーしの
おぼろげな記憶では、 かなり汚かったような気もするけど、 場合が場合だけに文句も言ってられない。
そんなことより花火だよ。2500発。楽しみだなあ。
724444:05/02/06 22:08:13 ID:a+lXlGP3
充電編開始です。今回はそんなに長くないです。
次回かその次くらいのアップで終わるでしょう。
冒頭は、要望にお答えして初めてヤギーが義体を生かして人助けです。
かっこいいはずの人助けシーンも、私の八木橋バイアスにかかると
こんな地味なシーンになってしまいました。
しかも人助けというより自分のために無理してます。
>>716
有難うございます。そんな、こんな地味な話のまとめサイトなんて、
お願いです。もしよろしければ是非作ってください。自分でも
サイトもってるけどこういうフェチまるだしの作品って、
自分で掲載するのって気恥ずかしい気持ちもあり、なかなかできないんです。
>>717
うーん、脳まで機械化したい人なんているかなあ。それは死ぬのと同義ですよ。
そういえば、銀河鉄道999の機械化人って脳まで機械化している人が結構いるけど、
あれって人間の記憶を持ってるだけで、人間じゃないですよね。ただのロボット
じゃんって思ったのは私だけ?そんなことを思い出してしまった。
私は、ヤギーから見れば悪役ということになるけど、ヤギーとは考え方が違うだけで
その人の考え方だって間違ってないし、立派だ。なんて人はどうかと思ってる。<悪役
>>718
汀さんの段取りのよさは山口六平太なみのスーパー総務ってことで許してください。
そんなことよりも
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
って感じです。遥遥亭に入るシーンですよね。こんなとこ絵にしていただけるなんて
生きててよかった。言葉で言い切れないような微妙な表情をよく表現できるものです。
本当に有難うございます。

725名無しさん@ピンキー:05/02/06 23:41:26 ID:u9QdPUwR
444さん、717です。今回も楽しそうな話ですね。
このすばらしい話は、言葉に今できませんけどフェチの一言で収まらない
深いものがあると思います。
不安定なここより、お持ちのサイトに置いとくのがいいと思います。

ヤギーを文学少女みたいに思っていましたけど、元陸上部でガテンなバイトを
して結構体育会系で、私のタイプです。

脳まで機械にしたら、それはロボットですよね。納得。
でも、人間並の記憶とか意識のある機械て、どう扱われるのでしょう?

悪役は芯が通っている確信犯(このお話に犯罪はないでしょうけど)がいい
ですね。
726444:05/02/08 00:35:54 ID:HWj1itZY
 午後七時前の菖蒲端。 普段は仕事に疲れたサラリーマンばかりが目立つしょぼくれたターミナルなんだけど、
今夜ばかりは違う顔。 駅と広場を挟んで向かい側の府電の駅前電停まで続く色とりどりの浴衣姿の女の子の群れ。
電停にチンチン電車が到着する度に、 女の子達は先を争って電車の中に乗り込んでいく。 なんだか花に群がる
蝶々みたい。 ま、 他人事のように言ってる私もその中の一人なんだけどね。
  待ち合わせ時間のきっちり五分前に、 何事もなかったかのように菖蒲端の大狸像の前に姿を現した私。
青い浴衣で帯の後ろに団扇をきっちり差して、 すっかり変身完了。 まさか藤原も、 私がついさっき作業服着て
男を背負って3キロ走ったばかりとは気づくまい。 こんな時ばかりはこの機械の身体に感謝だよね。 
「藤原。お待たせー」

  花火はよかったよ。
  ぎゅうぎゅう詰めの府電に揺られてフラフラになったけどさ。 それでも行ってよかった。だって2500発だよ。
見晴らしのいい河川敷から見たからさ、 振成橋の向こうからひゅーって火の玉が上がって、 どかーんて空に
大きな花が開いてね、 渦川の川面にも夜空の花火が鏡みたいにはっきり映って、 とても綺麗だったんだ。
最後は、 どかんどかんってこれでもかっていうくらい赤とか緑とか、 いろんな色の花火を打ち上げてさ、
まるで、 大きな万華鏡が夜空でぐるぐる回り続けているみたいだった。 空が一瞬昼間かと思うくらい明るく
なって、 振成橋の吊橋が花火の光でうすぼんやり白く浮かび上がるくらいだったんだよ。
  私の機械の眼は、 暗いところでも、 ものがよく見えちゃうようにできてるから、 逆に夜の花火を
見るのには向いてないかもしれない。 そんな私の眼を通しても、 こんなに綺麗に見えたんだ。 藤原の目
からはきっと、 もっと綺麗な花火が見えていたに違いないよ。 羨ましいな。 私は、 藤原と二人して河川敷で
並んで体育座りして、 花火をぼんやり眺めながらそんなことを考えてた。
727444:05/02/08 00:37:17 ID:HWj1itZY
  花火大会があるからってことなんだろうね、 普段、 この時間になったら真っ暗で誰もいなくなっちゃう
はずの恩賜公園に縁日が出ていて、 花火見物帰りの人達で賑わってた。 縁日に来るのなんて本当に久しぶりで、
多分、 私がまだ温かい身体を持っていた頃以来だよ。 アニメや特撮キャラクターのお面とか、 怪しげな
クジビキとか、 綿飴とかたこ焼きとかさ、 杏飴屋さんも。 店の顔ぶれは、 時代が変わっても場所が変わっても
ゼンゼン変わらないんだよね。 何だか昔を思い出しちゃうな。 そうだ、 私が小学校の四年生くらいのとき
だったかな、 まだ小さかった弟を連れて、 二人だけで縁日に出かけたことがあったな。 その時、 私、 弟に
杏飴を買ってあげたんだ。 あの時が初めてだったな。 自分のお金で人に何か買ってあげたっていうのは・・・。
「藤原、 これ食べてよ。 私のおごりだよ」
  私はなんだか衝動的に杏飴を買って、 藤原に差し出してた。 でも藤原は困ったような顔をした。
分かってる。 私の前で物を食べるのがいやなんだ。 私がこんな身体だから私に気を使ってくれてるんでしょ。
でも、 今日はそんなこと気にしなくていいんだよ。
「藤原が食べないなら、 代わりに私食べちゃおうかな? 身体が壊れちゃったら責任とってね」
  そういって口を空けて食べるふりをする私。 意地悪な聞き方だよね。 そこまでして、 やっと藤原は
杏飴を受け取ってくれた。
「美味しい?」
「うん。 なんか杏飴食べるのも久しぶりだな」
「そう、 良かった」
「なんか、 悪いな。 俺だけ杏飴たべちゃって」
「いいんだよう。 今日は花火を見れて、 私、 お腹一杯になったんだ。 だから次は藤原に何か食べて
もらおうと思って買ったんだ」
  そうして、 他愛もない話をしながら、 二人で手をつないで、 縁日の中を右に左に寄り道しながら
振成橋の電停を目指して歩いたんだ。
728444:05/02/08 00:38:47 ID:HWj1itZY
 帰りの菖蒲端行きのやっぱりぎゅうぎゅう詰めの府電の中で、 私も藤原も一言もしゃべらなかった。
これから菖蒲端に戻ってすることといえば一つしかないわけで、 そのことを意識するとお互い何もしゃべ
れなくなっちゃうんだ。 もう付き合い始めて、 こういう関係になってから三ヶ月はたってるっていうのに、
私達、 まだ恥ずかしがってるのかなあ。 私は、 エアコンのほどよく効いた車内なのに意味もなく団扇で
身体をあおいでるし、 藤原は、 さっきから腕を組んで俯いたまま一言もしゃべらない。 こうやって、
何もしゃべらないと、 余計変に意識しちゃって・・・私多分もう濡れてると・・・思う。

「うー、 藤原。 大好き。 大好きだよう」
  ホテルの部屋に入って電気を消したらすぐ私は我慢できなくて藤原に抱きついちゃった。 それで、
私から藤原の服を全部脱がせちゃう。
「何だよう。 もう大きくしちゃってさ。 いやらしいんだよう。 藤原は」
  そういう言って、 藤原のアソコに軽くキスしてやった。 でもそう言う私だって、 藤原のこと
いやらしいなんて言う資格はない。 私のだって、 もう溢れるくらいになっちゃってるはずなんだ。
「あのさ、 よく時代劇でさ、 帯つかんで身体くるくるってまわしてさ、 『あーれー』とか言い
ながら帯がとれるやつあるでしょ。 裕子さんせっかく浴衣なんだから、 あれやろうあれ」
  藤原は少年のような純真な眼で、 中年親父のようなドス黒い欲望を口にした。 全く、 素直
なんだか穢れてるんだか。 私が浴衣姿ってことで余計興奮してるらしい。 ひょっとして、 妙に
電車の中で何もしゃべらないと思ったら、 藤原、 あんたそんなこと考えててたのかい!すっ裸で
そんなこと言うと、 あんた余計に恥ずかしいよ。 あんたにゃ何も見えないかもしれないけど、
私の眼にはあんたのナニも丸見えなんだからね!

  結局藤原につきあって、 あーれーをやってしまった・・・。 馬鹿みたい。 で、 今はというと
四つんばいになってお尻を高くあげてさ、 藤原を後ろから受け入れてさ、 枕に顔うずめて、
両手はシーツをぎゅって握って馬鹿みたいにあえいでいるだけ。 だって、 だって、 もう気持ち
よすぎて何も考えられない。
729444:05/02/08 00:40:34 ID:HWj1itZY
 今日の藤原はすごい。 二回イってもすぐ回復して、 まだ元気なんだもん。 藤原に突かれる度に
私の頭の中で、 身体の中で、 花火がばちんばちん弾けるんだ。 もう、 こんなにいいなら、 こんなに
よくしてくれるなら、 毎回あーれーでも何でもやってやる! サポートコンピューターも藤原の毒気に
狂わされたのかしらないけどさ、 藤原の動きに合わせるように、 指でさわさわなでつけるみたいに、
身体中に快感信号を送り込むんだ。 まるで二人の藤原に攻められているみたい。 悔しいっ! 二対一
なんて卑怯だよう。 でも、 でも悔しいけどもうダメっ! さっきの花火じゃないけど、 身体が爆発
しちゃうよう。
  でもイケなかった。 ある時をさかいに、 ぱったり快感がやんだ。 今まで盛んに快感を送り込んで、
私をさんざんいたぶって来たサポートコンピューターが、 突然私をほっぽらかしにして知らん振り。
もう今日二回目の絶頂まで、 もうすぐのところまで来てたんだ。 来てたんだよ。 それなのに、
何でこんなときに節電モードになるのよう。
「裕子さん、 どうかしたの?」
  突然の私の変化に気がついたのか、 藤原が動きを止めて私の耳元で心配そうにささやいた。
「ううん、 なんでもないの。 続けてよう」
  私は、 何もなかったふりをして、 今まで通りあえぎ続けた。 イク振りもした。 だって
一生懸命頑張ってくれる藤原に悪いんだもん。 藤原は結局三回目の絶頂を迎えて、それで満足したのか、
事が済むとすやすや眠っちゃった。
  私は・・・とても虚しかった・・・。
730444:05/02/08 00:55:38 ID:HWj1itZY
はい、エロです。苦手です。
あと、私は浴衣フェチでもあります。正確にいうと浴衣の帯(背中側)に
団扇をさしている姿フェチかな。あれってすごく色っぽく感じるのは
私だけでしょうか?
充電編は次回で終わりです。
>>725
そんな、深いなんていっていただけて有難うございます。でも、私は正直
深いものを書こうと思っているわけじゃないです。ただ自分が萌える
シーンを描き殴ってるだけなんです・・・。
ヤギーは文学少女と思われてましたか。私としては今までも(ちょっと
身体の事情で暗くなっちゃってるけど)本来は結構快活で奔放な女の子
に書いてきたつもりなんですよ。だから、私的には今回のヤギーも
今までどおりのつもりだったんですけど、文学少女系に思われていた
方からするとイメージがちょっとずれちゃったかもしれませんね。

人間並みの意識と記憶のある機械ですか。
基本的には人間と同じだけど、でも違う存在かな。
言ってみれば宇宙人みたいなもんですかね。人間にとっては。
731名無しさん@ピンキー:05/02/08 01:32:06 ID:rNnEgAwV
444さん、ヤギーはくよくよしている時でさえ、とてもいきいきした
感じですけどモデルとかいるんでしょうか?

記憶があいまいなのですけど、物心ついた子供時代に、普通の生活を
するサイボーグの少女のアニメがあったはずなのです。
主人公は、機械の体を嫌っていたり、友達に正体がばれそうになって
困るみたいな感じの話もあったはずです。子供ながら激しく萌えて
くらくらしてました。ヤギーの話を読んで思い出しました。
732名無しさん@ピンキー:05/02/08 02:10:48 ID:gzKQr9O3
つ[ミラクル少女リミットちゃん]
733580:05/02/08 02:29:11 ID:VavUrY4G
>>719-723
お疲れ様です。
またいろいろとネタを盛り込まれていて素晴らしいです。「自分のため」と言いな
がらも、山本君を見捨てられないところに、八木橋さんの人柄の良さが出てますね。
大活躍だけど、絵にするのが難しいです…。
あんな無茶をして、後で変な噂がたったりしないかと、ちょっと心配になりました。
八木橋さんも、田中さんと同じように試合に出れないなんていう経験をしたのでしょ
うか。
>>726-729
兄弟って、弟さんでしたか。きっと、仲よかったんでしょうね。
相変わらず、八木橋さんがエッチいです。こんな時に節電モードになるとは、なんて
間の悪いんでしょう。人間らしさを自覚できる数少ない行為なのに…。

ところで、なんで「府電」なのですか?

>>724
444氏のサイトって、どんなサイトなのでしょう。見てみたいです…。
絵の方、喜んでいただけて嬉しいです。でも、せっかくの萌えシーンなのに、鉛筆
画なんかで申し訳ないです。

炎天下に重労働で、廃熱は大丈夫なのかとか、変なことを妄想しながら描きました。

ttp://akm.cx/2d2/img/5068.jpg
734名無しさん@ピンキー:05/02/08 21:26:17 ID:vtMo7PLJ
>炎天下に重労働で、廃熱は大丈夫なのかとか
多分大丈夫でそ。

人間大の義体を体内に搭載したバッテリー程度の電力で動かすつもりなら
超伝導アクチュエータの導入は必須だからね。
ざっと読んだ感じ、今よりは電気工学が進歩してるようだし、
現代よりある程度超伝導状態の実現温度は上がっているだろうけれど、
それでも駆動部は-100℃ぐらいまで下げてないとマズいはず。

多分、ヤギーの体内には液体窒素か何かのタンクがあって、
そこを徹甲弾でも貫通しようものなら、周囲2〜30メーターは
液体窒素が漏れて氷河期に突入するはず。
(劇場版パトレイバー1にそんな描写があったっけね。)
735名無しさん@ピンキー:05/02/08 23:57:09 ID:0ZmtXS5l
ステップフォード・ワイフって、むねきゅん?
736444:05/02/09 03:03:39 ID:yu0CQ5qY
  当然のことだけど私の身体は普通の人と違って機械だからさ、 食べ物は食べなくていいし、 水も
飲む必要がない。 でも代わりに電気がいるんだ。 だから、 定期的に身体の中にあるバッテリーに
充電ってやつをしなきゃいけない。 電気がなくなったら動けなくなっちゃうからね。 でも、 突然
電気が切れてバッタリってことがないように、 バッテリーの残量が50%を切ったら節電モードに入る
ことになってる。 生きていくうえで必要ないのに電気をやたら食う性感信号とか擬似体温なんていう
人間らしさを装うためのお飾りの機能がまずカットされちゃうんだ。
  ちなみに30%を切ると義体の出力が自動的に普段の半分以下に落とされるようにリミッターが
働いて日常生活に支障出まくりらしい。 私はまだ、 さすがにそこまで体験してないからどんな感じか
わからないけどね。 風邪をひいて身体がだるくなるような感じなのかなあ。
 バッテリーの残量が0になっても、 補助電源があるからすぐ死ぬってことはないけど、 ほとんど
生命維持のためみたいなもので、 全く動けなくなって、 サポートコンピューターからイソジマの
ケアサポーター部に救難メールが行くらしい。 そうなったら恥だよね。 担当の松原さんにも迷惑かけ
ちゃうし。 だから家で一人で寝るときは必ず充電するようにして、 普段から電気の残り量については
気をつけていたつもりなんだった・・・それなのに、 よりによってこんな時に節電モードになるなんて、
ひどすぎるよう。
  普通に暮らしている分には二三日充電しなくても節電モードに入るなんてことはまずない。 だけど、
今日は、 そういえば引越しで重いものをやたらと一人で運んだり、 山本君を助けたり、 よく考えたら
相当無理してた。 そのうえHまでするなんてね。 まあ自業自得なんだけどさ。
  あーあ、 擬似体温の維持装置も働くなって身体がどんどん冷えてきた。 今の私って雪女みたい
だよね。 藤原と一緒にいる時に充電なんて死ぬほど恥ずかしいけど、 今充電してなきゃ、 明日の
生活にも差し障る。 藤原が寝てくれているのだけが救いだ。 腰のカムフラージュシールを外して、
カバー開いてコンセントプラグを引き出す。 あーあ、 ホテルのコンセントがベットから離れてるよ。
737444:05/02/09 03:04:39 ID:yu0CQ5qY
ここ。 義体内蔵のコンセントプラグなんてそんな長いわけもなく、 延長コードなんていう気の
利いたものを持ち歩いてるはずもないから、 せっかくホテルにいるのにベッドにも横になれないで、
コンセントの横でひざを抱えてうずくまるしかない。 みじめだみじめだ。 まあ、 今の私が寝るのに
横になる必要もなし、 別にこのまま裸で寝ても風邪ふくわけでもないんだけどね。 はは。
  仕方がないので、 このまま充電ついでに寝ようとしたんだけど、 ダメだった。 脳には
さっきからからの吐き出しようのなくなった性欲がまだぐるぐる渦をまいちゃってる。 このまま
じゃあ、 とても眠れそうにない。

  いつの間にか身体が温かくなった。 っていうことはだよ。
  そーっとおっぱいをなでて、 乳首をつまんでみた。 そしたら、 ただ指が触れてるって感覚
だけじゃなくて、 快感がわさわさ胸から頭まで這い登ってきた。 なんだか下半身も熱くなって
きたみたい。 私の身体、 節電モードじゃなくなってる。 元に戻ってるんだ。 調子に乗った私は、
そのまま右手を下半身にもっていって、 私の、 その、 クリをさ、 弾くように撫でてみた。
「んんっ!」
  今まで無理やり抑えつけられて逃げ場がなかった私のもやもやが、 ちょっとだけ溢れて
体中に張り巡らされた電線をかけぬけてった。 ほんとにちょっと触っただけなんだけど、 眠ってた
意地悪コンピューターを起こしちゃったみたい。 もうダメだ。 我慢できないや。 藤原が
同じ部屋で寝てるっていうのにさ、 その横で一人でするなんて馬鹿みたいだけど、 一回イって
おかないと眠れそうにないよう。
  本格的にはじめちゃうことにした私は、 身体を起こして、 さっきベッドの上でしてたみたいに、
薄茶色のカーペットに四つんばいになった。 左腕一本で上半身を支えて、 私の右手は・・・藤原の
右手だ。 そう思い込むことにした。 それで、 親指ぬかした四本の指で、 藤原が触ってるんだって
思いながらあそこを撫でてたら、 どんどんぬるっとしたものが溢れてきた。 いいよ、 すごくいいよ、
もっとして、 もっとはげしく。 妄想の中の藤原の動きにあわせて四本の指をだんだん強く、 激しく。
738444:05/02/09 03:06:52 ID:yu0CQ5qY
待ってましたとばかりに電子の妖精どもが、 私の下半身から、 足に、 おなかに、 胸に、 頭の中に、
めいめい空き放題に飛び跳ねはじめた。 もうダメだ。 やめられないよ。 手の動きに合わせて
ピチャピチャっていやらしい音が漏れはじめたけど、 もうそんなことも気にしてられない。 ねえ、
藤原、 おっぱいもしてよ。 強く握ってよ。 乳首も握りつぶしてよう。 私は自分の、 ううん、
藤原の左手が私の胸を激しくもみしだいた。
  私はいやらしくないよ! 淫乱女なんかじゃないよ! 私は、 ただクリをいじって、 胸を
いじってるだけだよう。 他は何にもしてないんだ。 全部コンピューターが悪いんだ。 コン
ピューターのくせに、 ただの機械のくせに私を苛めるな。 言葉なんて0と1しか知らないくせに、
貧困なボキャブラリーくせに。 なんで、 私、 手が止められないんだよう。 もうやめてよ。
藤原、 もうやめようよ!
  私はもう眼をきゅっとつぶって、 いやいやするみたいに頭うごかして、 何も考えられ
なくなってるくせに両手はしっかり動かして、 0と1の無限の組み合わせから生まれた淫魔の
なすがままだ。 奴隷だ。 私は奴隷だ。 機械の奴隷だ。 もう奴隷でもいいから、 イかせて。
イきそう。 ダメだダメだダメだダメだダメだ。 もうダ・・・。
  唐突に快感がやんだ。 今まで私の身体を好きなように踏み荒らして、 脳みそを崖から
突き落とそうとして狂喜乱舞してた電気じかけの悪魔どもがいつの間にかいなくなって、
また私だけが取り残された。 節電モードだよう。 なんで、 なんで、 なんで、 なんで。
  一人Hに夢中になりすぎて、 いつの間にかコンセントが外れてた・・・。
739444:05/02/09 03:07:29 ID:yu0CQ5qY
「裕子さん・・・」
  びくっとして私は振り返った。 藤原はいつの間にか起きていた。 ベッドに正座して
悲しそうな顔してる。 見られてた。 今の、 全部藤原に見られてた!
「俺が駄目だからかなあ。 俺が下手くそだからかなあ・・・。 ごめんね。 裕子さん。
本当にごめん。 最近、 俺、 裕子さんが気持ちよさがってたから、 自分は上手いんだ
って思い込んで調子に乗ってた。 勝手なことしてた。 反省・・・してます」
ベッドの上で土下座する藤原。
「ちっ、 ちっ、 違う。 藤原。 これは違うの! わけがあるんだからね! ホント
だよう! 信じてよう!」

  翌日、 私が、 研究室で必死こいてゼミの予習をしているところに、
佐倉井がニヤニヤしながら近ずいてきた。
「ねえヤギー、 ヤギー、 私昨日すごいもの見ちゃった。 なんだと思う?」
「えー、 何見たのさ」
「いつものように八軒坊銀座のダイナスィーにマンゴープリン食べにいったんだよね。
そうしたら偶然にヤギー見ちゃったの」
「・・・・・・」
「ヤギー君。 あんなとこで男背負って走るなんて流石だね。 あれは何、 新しい
プレイですか。 変わらず隅に置けないよねえ」
もう嫌っ!
740444:05/02/09 03:34:15 ID:yu0CQ5qY
えー、充電編おしまいです。明日からちょっと旅行にいってきますので
しばらくお休みさせていただきます。次は検査病院編になると思いますが
今いちネタが思い浮かびませんので、期待してくださる方は気長に
お待ちください。
>>731
というか普段より、くよくよしてるほうが生き生きしてませんか?
なぜなら私の萌えが爆発してるからです。モデルは・・・特定の人物を
モデルにしてるってことはないです。全部、私の妄想。
リミットちゃんは存在は知ってましたけど、さすがに見た事はないです。
>>733
なんとなく、未来では遷都が行われているkとにしようと思ったんですよ。唐突に。
だから、日本の首都は東京じゃなくてどっか他のところ。でも経済の中心はやっぱり
東京府。だから都電じゃなくて府電なんです。
サイトは多分期待しているような内容じゃないです。物語系でもなし。
これをサイトに持って行くと激しく浮きます。そんな感じ。
今回の絵は引越し屋ヤギーですね。すねた顔で冷蔵庫を軽々持ち上げる姿が
りりしくてかわいらしいのです。
>>734
そうか。ヤギーの身体はそんなにすごかったのか。作者の私も驚き。
そんなに進歩している世界なのに、未来描写なんかまったくできてません。
苦手なんです。だからどのくらい未来の話なのか知らないけど
世界観は21世紀初頭のままです。府電も元気に走ってます。
741名無しさん@ピンキー:05/02/10 01:29:06 ID:Dkhfkqwk
444さん、とても楽しく読ませてもらいました。次もたのしみです。
Hな描写、興奮しました。同時に藤原に軽い嫉妬心を持ちました。
私の萌え、度が過ぎてるかも。

580さんの微妙な表情のヤギー、すばらしいです。この繊細さは、
アナログの鉛筆が関係しているのでしょうか。
742名無しさん@ピンキー:05/02/11 01:46:32 ID:OZvRMbN2
流れ無視でスマソ。仮面ライダーの下っ端戦闘員が全部拉致った少女を改造したものだったら萌え。下っ端に焦点を当てた哀れな話ヲ、誰かキボンヌ。
743名無しさん@ピンキー:05/02/11 02:05:09 ID:+66KHKDk
744580:05/02/11 21:33:45 ID:hi3vMdWq
>>736-739
お疲れ様です。
充電に関する八木橋さんの淡々とした独白に萌え。本来、人の身体に無いはずのものが
内蔵されていて更に萌え。
仮想藤原君で一人エッチするのは初めてなのか?とか、あの後、藤原君をどうやって
なだめたんだろうか?とか、八木橋さんは一人寂しく充電しながら寝たんだろうか?とか、
いろいろ妄想しました。土下座して謝る藤原君って、やっぱりかわいいなぁ…。
「充電」でこれだけのお話を書いてしまうなんて、444氏はすごいです。

>>740
作者様のサイトなら、どんな内容のものでも見たいですよ…。
八木橋さん達が生き生きと描かれた、泣けて、萌えて、でも楽しくもある、そういう
お話を書いていただければ、未来描写のようなものは、必ずしも必要ではないのでは
ないかと。
いままでの連投、お疲れ様でした。また444氏の素晴らしいお話が読めるなら、いつまで
でも、お待ちします。

>>741
ありがとうございます。気に入っていただければ幸いです。あまり線を修正していない
ので、線の勢いが残っているところに、そう感じていただけるのかもしれませんね。

こんな感じでいいんでしょうか…。
ttp://akm.cx/2d2/img/5144.jpg
745名無しさん@ピンキー:05/02/14 00:31:58 ID:qwObJogU
>>743

泣けた
746444:05/02/14 21:29:39 ID:Cw9S/S30
旅行から戻りました。レス遅れてすみません。
>>741
いつもご感想有難うございます。私の生み出したキャラでここまで萌えて
いただけるなんて、作者にとってはこれほど幸せなことはありません。
今後とも期待にそえるよう頑張ります。
とりあえずは検査病院編を何とか書かねば。
>>744
やったー、団扇浴衣だ。有難うございます。激萌えっす。
そうそう、遅レスになっちゃいますけど、八木橋さんにとってみたら
田中さんはバレーができるだけ、まだいいでしょって想いもあったん
でしょうね。義体の身体で走っても自転車とかバイクに乗って走る
みたいなもので、それはそれは虚しかったんじゃないでしょうか?
どっちかというと試合に出る出れないより自分で辞めているような
気がします。そのへんのお話は、いつになるか分かりませんが
暗黒の高校生活編でとりあげてみましょう。
ではサイトは移転作業中なので終わり次第晒しましょうか?
期待外れても知りませんよ。八木橋さんネタもまとめてみます。
その際、画像はお借りしても宜しいでしょうか?
747580:05/02/14 23:55:45 ID:8aKkm7Zf
>>746
お帰りなさいませ。

義体の身体で走ることの意味を見出すのは難しいでしょうね。失ってしまった大切なもの
が、まだあったのですね。頑張ってリハビリして、また走れるようになって、でも実際に
走ってみたら虚しい…だとしたら哀しすぎます。高校生活編は、ますます読むのが辛そう
な気がしてきました。

>ではサイトは移転作業中なので終わり次第晒しましょうか?
ぜひ、お願いします。ご迷惑と思いましたが、どんなサイトか見たいという気持ちをおさ
えられませんでした。すみません。
絵の方は、もし使っていただけるなら、とても嬉しいです。どのような形でも、ご自由に
お使いください。もともと、作者様への捧げ物ですし…。

八木橋さんが藤原君とつきあいはじめてから、バレンタインデーとか、八木橋さんの誕生
日とか、あったと思うのですけれど、プレゼントを渡すイベントはあったのでしょうか…。
バレンタインネタで、ジャスミンさんや佐倉井さんが、八木橋さん相手にどんなことを話
したのだろうかとか、今日はそんなことを思ってました。
748444:05/02/15 18:56:11 ID:uUgLTN80
580様
http://comic-ekk.homeftp.org/user/hailaer/tentestuki/tentetsuki/tentetsuki.htm
これが移転完了した本サイト。ホント、期待に添えるようなものじゃないですよ。
興味あれば別ですけど。
http://comic-ekk.homeftp.org/user/hailaer/tentestuki/tentetsuki/yagee-index.htm
それからヤギーのまとめサイト作りました。
580様の絵も掲載させていただきました。本当に有難うございます。

そうか、昨日はバレンタインデーだったのか・・・。住んでいるところが
住んでいるところだけに、すっかり忘れておりました。
ヤギーの誕生日かあ、いつにしようかなあ。
749名無しさん@ピンキー:05/02/16 00:12:45 ID:PnZjA2mC
444さん、サイト拝見しました。どちもよかったです。
そちらはオリンピックもありますし、景気よさそうですね。
750580:05/02/16 01:35:34 ID:ZXguADcB
>>748
ありがとうございました。八木橋さんのお話が生み出される背景が、少しだけ分かった
ような気がします。これで、444氏の作品への思い入れが一段と強まりました。 鉄道関
連の事は良く分からないですが、架空の設定で創作をするという趣旨は、好きですよ。

まとめサイトも開設されましたようで、444氏の作品のファンとしては嬉しい限りです。
すっきりとした綺麗なデザインですね。今までは、書き込みごとに少しずつ読み進ん
できましたが、まとめサイトで一気に通して読むと、また違った味わいがあります。
トップページにまで、私の絵を使っていただけて感激なのですけれど、ちょっと心臓に
悪いです。見るたびに、恥かしくてドキドキします…。
デート編や就職活動編の絵も、折を見て描きますので、よろしければ使ってやってくだ
さい。

既に過ぎてしまっていると、お祝いできるのがずっと先になってしまいますね…>誕生日
751444:05/02/17 00:06:03 ID:kd9M54ZV
>>749
見ていただいたんですね。有難うございます。
>>750
まあ、恥ずかしいなんて言わずに。
トップの絵、素敵な絵じゃないですか。あの絵にあわせて白系統のデザインに
決めたのですよ。実は。デート編や就職活動編の絵も楽しみに待っています。
ヤギーの誕生日は検査病院編あたりで絡めようかと思ってます。一応。
752名無しさん@ピンキー:05/02/18 01:50:14 ID:ZInRA7bK
保守上げ
753580:05/02/18 21:04:46 ID:KEsR8yit
冒頭から葛藤するガジェットに萌えました…。

ttp://akm.cx/2d2/img/5302.jpg
754名無しさん@ピンキー:05/02/18 23:00:11 ID:5WyJxXR+
オリンピック???
755名無しさん@ピンキー:05/02/18 23:38:13 ID:xWU7SGc/
高機能パラリンピック。

サイボーグによるオリンピックで、100m6秒3とか三段跳び56.3mとかいう記録が目白押し。
756444:05/02/19 01:28:30 ID:lWdCC0/x
 今日は朝からずっーと気分が憂鬱だった。 今は築70年のボロアパートの私の部屋で寝っころがって
ジャージ姿で充電しながらぼんやりテレビを見ているわけなんだけど、 いつもは黙っていても笑わせて
くれる下らないバラエティー番組も、 今日に限っては全然笑えない。 だって明日は、 三年に一度の
入院検査の日なんだもん。
  私の外見は普通の人と全く同じ。 ちゃんと手もあるし、 足もあるし、 自由に動き回れる。でも普通の
人と決定的に違うこと。 私の身体で自分のものって言えるのは、 この、 ものを考える脳みそだけ。 それ
以外のこの手も、 足も、 身体も、 顔も、 何もかもが作りものの機械だ。 だから、 私は世間的には
身体障害者ってことになっている。 国から付与された種別でいうと義体化一級。 差別的な言葉でいうと
サイボーグだね。 普通に生活する上では何一つ不便のないこの身体で、 どこが身体障害者なのさっ!って
思うんだけど、 一ヶ月に一回は絶対に病院に行って定期検査を受けなきゃいけないことになってる。
三年に一回は必ず入院検査を受けなきゃいけない。 つまりこの身体で生きていくためには一生病院とは
縁が切れないってこと。 そういう意味では、 私はやっぱり身体障害者なんだよね。 もっとも病院っていう
よりは修理工場って言ったほうが近いのかもしれないけどさ。 実際、 影ではそう呼ばれてるの知ってるしね。はは。
  定期検査の時は、 いやがうえでも自分の身体がもう機械なんだってわかっちゃう。 だから私は嫌いなんだ。
もっとも義体の人で検査が好きなんていう人はいないだろうけどね。 義体の電源落とされて全く身動きできなく
なった後でさ、 全身の接続端子にコード差し込まれて、 義体を制御するサポートコンピューターのウイルス
チェックをしたり万が一のための補助回路がうまく働くかチェックしたり、 まあいろいろ検査するわけ。
757444:05/02/19 01:30:16 ID:lWdCC0/x
それに、 こんな機械のかたまりみたいな身体でも脳はやっぱり生きてるから、 月に一回は脳みそのために血液交換
したり、 純水を補給したり、 老廃物を取替えなくちゃいけない。 その度に身体のいろんなところを開かれて、
いじられるんだよ。 でもね、 まだ定期検査はいいよ。 我慢してれば1〜2時間で終わるんだもの。 もう義体に
なって六年近くになると、 さすがに慣れてきちゃった。
  私が本当に嫌なのは、 入院検査。 入院検査っていえば聞こえはいいけど、 やることはつまり分解修理だよね。
私の身体なんて電化製品と同じだからさ、 三年もたつと古くなっちゃうんだよね。 だから消耗の激しい部品は
交換しなきゃいけない。 それにサポートコンピューターのOSも最新のものに切り替えなきゃいけない。 三年の
間に世の中はかなり進歩しているからね。 で、 その入院検査の何が嫌かっていうとさ、 サポートコンピューターを
いじくるためにコンピューターの電源を落とされちゃうんだ。 私の感覚は全部サポートコンピューターが作り出して
くれてるわけだけど、 それがなくなっちゃうって事は真っ暗。 眼が見えないってことじゃないよ。 それなら、
まだいい。 何も聞こえないし、 身体の感覚もなくなっちゃうってこと。 その状態で丸一日は過ごさなきゃいけない
なんて地獄だよ。 寝ても、 眼が覚めても真っ暗闇なんて気が狂いそうになるよね。 これにくらべたら多分本物の
地獄のほうがずーっとましなはず。 三年前の入院検査ですっかりトラウマになっちゃったよ。 で、 その入院検査が
明日なんだ。 憂鬱になるのも分かるってもんでしょ。

  私がぼんやりテレビのチャンネルを切り替えているとき、 部屋のすみの骨董品ものの黒電話が鳴った。 あーっ、
もう、 誰とも話したい気分じゃないんだけどなあ。 一体誰だよう。 藤原? ジャスミン? それとも佐倉井?
居留守を決め込もうか迷ったんだけど、 電話のベルのうるささに耐えられず、 かといって起き上がるのも
面倒なので、 床をずりずり這いながら、 部屋のすみまで移動した。
「もしもしっ。 八木橋さん? 私、 イソジマの松原ですっ」
「ああ・・・、 こんばんは」
  電話の主は私の義体製造会社で、 私の就職内定先でもあるイソジマ電工のケア・サポーターの松原さんだった。
758444:05/02/19 01:30:58 ID:lWdCC0/x
ケア・サポーターっていうのは私みたいに義体化した人のリハビリを手伝ったり、 カウンセリングを行ったり、
まあ医者じゃあケアしきれない様々な部分の面倒を見てくれる人達のことだ。 で、 今の私の担当がこの
松原さんっていう若手ケアサポーター。 年は私と二つしか違わない。 だいたい義体になりたての頃はベテランの
ケアサポさんがつくことになってるんだけど、 私みたいに義体化して六年もたって、 いい加減慣れっこになってる
患者には、 若手社員がつくことになってるみたい。
「念のために明日の確認の電話を入れさせていただきました。 明日は入院検査の日ですからね。 忘れてないですよね」
  松原さんも真面目で熱心なのはいいんだけど、 どうにもユーモアに欠けるというか、 生真面目というか、
典型的な女の子学級委員がそのまま大きくなった感じというか、 湯鬱な気分のときに畳み掛けられるように話されると
正直しゃくにさわるんだよね。 だからちょっとからかってやることにした。
「あー、 そうでしたっけ。 忘れてたよう。 明日から用事があって札幌に行くことになってるから行けないんです。
悪いけど、 入院検査は延期にしてくれますか?」
「何ですってっ。 忘れてた? 前の定期検査の時にあんなに確認したのにっ! 全くもうっ! 今更延期なんて
できませんっ!」
  きっと松原さん、 今頃受話器の前で真っ赤な顔してほっぺたぷーってふくらましてるよ。 くくく。
「ふふっ、 冗談ですよう、 ジョーダン。 ちゃんと行きますから安心して下さい」
「全くもうっ! 悪い冗談はやめてください。 えと、 集合時間、 集合場所を言ってください。 覚えてますか?」
「午前10時、 府南病院の義肢義体科受付前ですよね」
「その通りですっ。 予約時間厳守でくれぐれもお願いしますね。 後がつかえてますからね」
「分かってるよう。 行けばいいんでしょ。 行けば」
  むっとして電話を切った私だが、 まあ、 確かに松原さんが焦って確認してくる気持ちも
分からないではない。 いくら日本の中心、 花の都大東京といっても完全義体の検査施設が
整っているところなんて、 そう多くはないからね。 私が遅刻したら他の皆に迷惑かけちゃう
からね。 それにしても、 ああ嫌だなあ。 入院検査。
759444:05/02/19 01:47:04 ID:lWdCC0/x
入院検査編、はじめまりです。

>>753
ハツミ警部のしてやったりって顔が可愛らしくてナイス!
>>755
どっちかというと義体のパラリンピックは、個人の名誉よりも
企業の名誉を賭けて戦うって感じがしますね。選手はF1ドライバーや
競馬の騎手ってところか。
760名無しさん@ピンキー:05/02/19 03:04:26 ID:t+SnzxHr
>>444
入院検査編キター

ヤギーには可哀想だけど、じつは電源おとされて脳だけの存在を認識ってシチュ
遥遥亭編で出てきた時以来結構好きだったり…。

期待してます。
761名無しさん@ピンキー:05/02/19 05:28:36 ID:SPiLNBhO
音もない真っ暗闇の部屋に閉じ込めるっていう刑罰があったような・・・

どっかで読んだ話では、完全に感覚を断つと5分で気が狂うとかいう説も。
762389:05/02/19 23:23:36 ID:fJThK+rP
>>753
感謝です! 警部さんカッコイイ。
580氏のデザインした機械の身体、萌えを感じていいです。

>>444
いつも乙です。 私も応援してます
(普段は名無しですが)
763名無しさん@ピンキー:05/02/20 02:14:18 ID:pvx+QBe4
>>580
GJ!
ガジェッの改造シーンきぼんぬ!
764580:05/02/20 05:52:02 ID:4V28GDIs
>>756-758
お疲れ様です。
待望の検査病院編ですね。しかも入院ですか…。素晴らしすぎます。757あたりから、
もう激萌えです。入院検査で、八木橋さんがどんなことをされるのか、期待で胸が膨
らみます。全ての感覚を遮断されて、存在するのは自分の脳だけなんて、ほとんど拷
問ですね。瞑想やリラクゼーションの目的で短時間の感覚遮断を体験する事はあるみ
たいですけど、本当に全ての感覚がなくなったら、どこまで耐えられるものでしょう
か…。あと、ジャージ姿で床をずりずり這いながら、っていうのに萌えました。女の
子の普段の姿は、夢も希望もないですね…。

>>759
見ていただいて、ありがとうございます。ハツミ警部の心情が、うまく表現できてい
たようで、嬉しいです。

>>762
ありがとうございます。作者様からのお褒めの言葉は、なによりの励みになります。
私が絵を描けるのも、作者様の萌えるお話があればこそです。筆が遅くて申し訳な
いです。

>>763
ありがとうございます。改造や壊れは貴重な萌えシーンなので、もう少し絵に慣れて
から描こうかと思っています。

背中側でいいんでしょうか。とても不便そうですが。
え…と…、八木橋さんごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…。

ttp://akm.cx/2d/img/11709.jpg
765444:05/02/20 20:41:18 ID:lCuGbu0R
  例によって私は待ち合わせ時間に遅れそうになって、 ただいま府南病院のウンザリするくらい
長い廊下を爆走中。 昨日の晩、 検査入院のことを考えてたら怖くて、 怖くて、 それでなかなか
寝れなくって、 寝坊したんだよう。 バカバカ。 私の馬鹿。
  府南病院、 正確には東京府立南病院っていうんだけど、 ここはベッド数二千、 お医者さんの数
三百人、 ここで直せないのは恋の病だけって巷じゃ言われてるくらいのマンモス病院。 だから、 病院の
入り口から病院の隅にある義肢・義体科までゆうに400mは離れているんだ。 走って、 走って病院独特の
あのアルコール臭がしなくなったところで、 やっと我が修理工場に到着だよ。 はは。 なんとか
集合時間の五分前についたぞう。

  当然のことながら松原さんは先に到着していて、 時計と睨めっこして、 檻に閉じ込められたライオン
みたいに受け付け前を行ったり来たりしている最中だった。 やばっ。
「ごめんなさーい! 待ちましたか?」
「あなたが時間にルーズなのはいつものことですから全然気にしてませんよ。 うん、 集合時間5分前。
今日は早いほうじゃないの。 はははは」
  そういいながらも、 彼女のこめかみピクピク震えてる。 ごめんなさい松原さん。 あなたに
言わせれば、 集合時間の30分前集合が原則なんでしたっけ。 ケアサポーター部で出勤時間が一番
早いのが私だって自慢してましたもんね。
「今日の検査入院は八木橋さんと、 それから西田さんね。 二人は会うのは初めてですよね」
  へー、 今日は私一人じゃなかったんだ。
  受付前の長椅子に座っていた、 髪をキンキラキンに染めた少女が立ち上がった。
「お姉ちゃんが裕子さん? 私、 西田茜といいます。 小学校五年生です。 札幌から来ました。
ヨロシク!」
  最近の小学校五年生は垢抜けてるのかな。 茜ちゃんはティーンズ向けのファッション
雑誌から飛び出してきたみたいな奇抜なカッコした女の子だった。 なんかサボテンみたいな
髪型だし・・・。 こうして見るとちょっと弾けた、 でもそこらへんに転がってる普通の
女の子にしか見えない。 でも、 この娘もやっぱり私と同じ全身義体なんだよね。
「はは・・・八木橋裕子です。 茜ちゃん、 こちらこそ宜しくね」  
766444:05/02/20 20:43:51 ID:lCuGbu0R
  私は黒のタンプトップにジーパン姿っていうお決まりの芸がない格好だ。 特に病院に
行く日はなるべく地味に、 目立たぬようにが私のポリシー。 それだけに、 ド派手な
茜ちゃんには初対面から圧倒されっぱなし。
「八木橋さんは一日入院。 西田さんは義体の換装があるから、 換装後の調整もあるので
二日入院ですね。 今日のスケジュールは・・・」
  面通しが済んだところで、 ケアサポの松原さんが女教師ばりにテキパキと
スケジュール説明。 茜ちゃんは二日間コースなんだ。 小さい頃に義体になっちゃった子は、
一年ごとに義体をちょっとずつ大きなものに変えなくちゃいけないって聞いたことがある。
機械の身体は成長しないもんね。 でも、 毎年身体を取り替えていくっていうのは
結構辛いんだろうな、 と思ったら
「背はどれくらい伸びるの? 胸、 大きくなるのかな?」
  と、 茜ちゃんの反応は至極あっけらかんとしたものだった。 松原さんみたいな駆け出しの
ケアサポさんがついているってことは、 茜ちゃん、 義体になったのはもう何年も前、
相当小さい頃のはずだ。 だとしたら、 私みたいに生身の肉体の記憶をズルズル引きずってなくて
機械の身体に抵抗感がないのかもしれない。
「えーっと、 じゃあ設定の確認をします。 西田さんは、 さっきご両親からの確認書をもらって
ますから、 あとは八木橋さん。 この書類にサインをお願いします」
  松原さんがから渡された書面は、 義体設定確認書。 アクセスコンピューターへのパスコードとか、
節電モードの設定とか、 視力設定とか、 頭髪の長さはどうこうとか、 検査入院にあたっての注意
事項とか、 いろいろ細かく書いてある。 で、 これで間違いないか、 変更するところはないか
確認したうえでサインすることになってるんだよね。 まあ、 いやらしい言い方をすれば、
私の視力が0.1なのは義眼の故障じゃなくて、 本人が望んだことですよ。 だからそれが原因で、
何か事故があっても私達イソジマ電工は関知しませんよ。 ほら、 義体設定所に本人サインが
あるでしょって言うための証拠書類だよね。
「お姉ちゃん、 私と同じサイボーグなんでしょ。 それなのに視力0.1設定なんだ。
なんでなんで? ありえないー。 プゲラ」
767444:05/02/20 20:45:42 ID:lCuGbu0R
 私が確認書に一通り眼を通してサインを書き込んでいるところを茜ちゃんが覗き込んで、
突っ込みどころで的確に突っ込んできた。
「うるさいよう。 そんなの何だっていいじゃないのさ。 人のプライバシー覗き見るなよう」
  あわてて両腕でかかえこむようにして同意書をふさぐ私。
「ごめんなさい。 お姉ちゃん、 なんで眼鏡かけてるんだろうと思って、 ちょっと気になったさ」
  そういって、 てへって、 照れた感じで舌を出す茜ちゃん。 可愛いな。 私に妹がいたら
こんな感じだったりするのかなあ。
「じゃあ、 また準備ができたら呼び出しをしますから、 それまで二人ともここで待っていて下さい」
  私の確認書を受け取った松原さんは、 そう言い残して、 診察室のほうに向かった。
これからお医者さんと打ち合わせだろう。

  そんなわけで、 呼び出しを待つ間、 茜ちゃんと二人で、 待合室の長椅子に腰掛けていろいろ
話をすることにした。 これからはじまる恐怖暗黒ショーを話すことで極力忘れたいっていうのが半分。
私には全身義体の友人なんていないから、 年は離れているけど、 こんな時はお互いに共通の悩みを
話し合える滅多にないいいチャンスじゃんっていう気持ちが半分。
  でも、 話を聞いてみると、 茜ちゃん、 病気がもとで義体になったのは三歳のときだったん
だって。 だから生身の感覚っていっても、 よく分からないし、 覚えていないそうだ。 茜ちゃんに
とっては今のサポートコンピューターのもたらす感覚が全てってこと。
「今の身体で何一つ不自由なんてないよ。 むしろ友達よりも便利な身体なんでないかって思ってる。
体育の授業も楽チンだしね、 ぎゃは!」
  なんて言われて私、 困っちゃったよう。 生まれてから高校生二年生までずーっと生身の身体を
持ってた私と、 小さい頃から機械の身体が当たり前になってた茜ちゃんじゃあ、 そりゃあ
話が合うわけない。 世代間のギャップだよね。
  しょうがないので、 趣味は?って聞いたら
「ハッキング、 ぎゃは!」
  と、 嬉しそうに笑いながら答える茜ちゃん。 この子、 体だけじゃなく頭もちょっと
ばかし人と違うみたいね・・・。 もし妹がこんな子だったら、 うー・・・微妙。
768444:05/02/20 21:06:03 ID:lCuGbu0R
>>760
感覚遮断って結構人気があるのですね。確かに義体ならではの
表現ですもんね。でも、今回、感覚遮断がメインになるかというと
残念ながらそうはならなそうな気がします。
>>761
まあ、実際感覚を全て絶たれた人は今のところこの世にいないと思うので
あくまでも推定の話ですよね。でも5分ですか。ありうる話かも。
>>762
389氏。私の応援も有難いですが、そろそろ新作を・・・って言ったら
駄目でしょうか。期待してるんですが。
>>764
床ずりずりはUPしてから、そうだ、充電中だったと気がつきました。
コード長足りないです。サイト再掲載時に修正します。そんなことより

おおっ!裸ではないか。有難うございます。
>背中側でいいんでしょうか。とても不便そうですが。
そのとおり!背中じゃ不便ですよね。私の想定では
右の脇腹くらいって考えてました・・・。腰の右側の
くびれてるあたりっす。ちなみに左脇腹には逆にコードの
差込口があったりなんかして、キャンプで発電機代わりに
活躍する八木橋さんなんて考えていたり。
私の表現不足です。申し訳ございません・・・。
769名無しさん@ピンキー:05/02/20 22:09:21 ID:RCVxNeP5
>>768
電気釜抱えて正座するヤギー…
いかん、ツボ入りまくり(w
770名無しさん@ピンキー:05/02/20 22:37:17 ID:zRb/ccNL
444さん、新しいキャラクターで話がますます広がりそうですね。

580さんすばらしいです。ヤギーへの愛情を感じます。
私事ですけど、手の形がお気に入りです。
771名無しさん@ピンキー :05/02/21 00:51:31 ID:3zGa/eVj
>>769
ということはご飯を食べてエネルギーにするんですか?もちろん学生服を着て
772580:05/02/21 03:09:00 ID:CCkvHOlG
>>765-767
お疲れ様です。
茜ちゃん、微妙なキャラクターですね。黙っていれば、可愛い娘なんでしょうけど。
世代間のギャップっていうよりは…何だろう? 物の考え方が、根本的に違っていそう。
八木橋さんが、ああいう人格だから萌えるんだって、再認識しました。茜ちゃんも含
めて、登場人物の描写が素晴らしいのは、444氏の作品の魅力です。
今までの八木橋さんのセリフからは、年齢相応の義体が手に入るかどうか分からないみ
たいな印象を受けていたのですが、茜ちゃんの義体換装はお金かからないんでしょうか。
それにしても、八木橋さん、プレッシャーに弱いのかなぁ…。

>>768
すみません。背中側かどうか分からないまま、勝手に想定して描き進めてしまいました。
後で描き直しますね。
> キャンプで発電機代わりに 活躍する八木橋さんなんて考えていたり。
八木橋さんが自発的に、とは考えがたいですが、また人助けでしょうか。もし、気が
向かれましたら、ぜひ。義体でしかできないことをするお話は、全て萌えです。
389氏の新作は、私も読んでみたいです…。

>>770
ありがとうございます。おっしゃる通り、私が絵を描けるのは、八木橋さんへの思い
入れがあるからですね…。構図が難しいと、なかなか手を綺麗に描くことができませ
ん。気に入っていただけたのでしたら、嬉しいです。
773389:05/02/22 00:46:23 ID:H8AFDUj7
未回収のまま終わってしまった伏線拾いも兼ねて、続編書いてみます。
 
時間軸は>>557>>558の間、元ガジェットの娘が警察に入るところからです。
今回も、各章段落のところに、
●:ガジェット視点
○:警部視点     と、区別が付きやすいように表記しておきます
774389:05/02/22 00:49:12 ID:H8AFDUj7
●A−1
 
「さあ、起きて……どう、気が付いた?」
 誰かの声が聞こえる。 その言葉に操られるように、私はゆっくりと目を開いた。
 ぼんやりとした意識のまま、ふと視線を落とすと、
「あ……っ!」
 そこには、鈍い金属光沢を放つ、漆黒のボディがあった。
「あ…あ…」
 あの時の恐怖が甦るのと同時に、悲鳴に似た声が漏れた、そのとき、
「大丈夫よ」
 不意に、背後から誰かが私を抱き止めた。
「け、警部さん…」
「おはよう、サチ」
 振り返ると、警部さんがにっこりと微笑んでいた。
 
 この日、アズマ・サチと改名した私は、警察官として採用され、アズマ・ハツミ警部さんの元に配属された。
 但しその条件として、私は日常生活用の義体から警察式義体への改造を受けるように求められた。
 もちろんそれは私の望むところだったけど、だからと言って、肉体を奪われたときのトラウマは
誤魔化せなかったみたいだ。
775389:05/02/22 00:51:14 ID:H8AFDUj7
●A−2
 
「カズヒロさん、お疲れ様です。 ありがとうございました」
 私の改造を担当してくれた、技術捜査部の天才技術官、カズヒロさんに頭を下げる。
「あの、気分はもう大丈夫ですか?」
 おずおずとカズヒロさんが尋ねてくる。
「もう大丈夫です。 それに、出来るだけガジェットと同じ身体にしてください、って頼んだのは私ですから」
 台から降り、ゆっくりと歩いてみる。
(あ、なつかしい。 この感覚…)
 身体が軽い。 複数のセンサーから、周囲の情報が脳に流れ込んでくる。
 これなら昔のように屋根から屋根へ飛び移ったり、厳重な警備をすり抜けたり出来るに違いない。
 でも、もう一つ大事なのは…
「ところでカズヒロさん、“あの”パーツは付けてくれました?」
「…っ! と…それは、はい、確かに」
 頷くカズヒロさんの顔が、一瞬で真っ赤に染まった。
 
「ちょうど良かったわ。 カズヒロ技術官」
 警部さんが私のそばを離れて、ずいとカズヒロさんの前に立ちはだかった。
「は、はい」
「今話してた“あの”パーツの事だけど。 それを私に無断で取り付けた件、まだ説明してもらってないわね」
「いえ、それは、その…」
「今まで色々と忙しくて、うやむやになってたけど、今日こそ説明してもらうわ」
 カズヒロさんが壁際に追い詰められていく。
 年上の男性を後じさりさせるなんて、やっぱり警部さんは迫力が違う。 というか、
カズヒロさんが弱気なだけかも。
776389:05/02/22 00:52:58 ID:H8AFDUj7
●A−3
 
「で、どうなの。 理由と目的は?」
(警部さん、訊かなくても分かってるくせに…)
 捜査に没頭すると他の事に頭が回らなくなる癖は有名だけど、一度追及の対象にしたら、
警部さんの洞察力はものすごい。 たとえそれが色恋沙汰であっても。
 というか、誰だって分かると思う。 そんな理由、一つしかないのに。
 
 そのとき、実にタイミングよく、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
 返事を待たずに飛び込んできたのは、かつて警部さんとコンビで私を追っていた刑事さんだった。
「警部、大変です! あの、刑務所で服役中の“古代石板連続盗難事件”の犯人が拉致されました!」
「!?」
 一瞬、時間が止まったかのような沈黙が部屋を支配した。
 あの女が…私から人の身体を奪ったあの女が、連れ去られた?
「それは、本当なの!?…脱獄ではなく、拉致?」
「はい。 外部から侵入したと思われる何者かが、受刑者を拘束して連れ去るのが目撃されています」
 私と警部さんは顔を見合わせた。
「どういう事、でしょうか…?」
「…とにかく、すぐ現場に向かうわ。 サチ、私に付いてきて!」
 そう言って、警部さんは窓から外へ飛び出した。
 その後を追って窓枠に足をかけたとき、カズヒロさんが微かに呟いた言葉を、
私の聴覚センサーは聞き逃さなかった。
 
「姉さん…」
 確かにカズヒロさんはそう言った。
777名無しさん@ピンキー:05/02/22 01:14:17 ID:ZYajB6j3
【銀猫(1)】

 シャルロットは、大きなあくびをした。
 いかにも「猫」らしい、ブラシ状の突起が並んだ舌が覗く。
 銀色の軟金属で作られた、機械仕掛けの舌だけど。
 それから彼女は、「前肢」で目をこする。
 奇妙に短く丸っこいそれもまた、「猫」に似せて作られた機械仕掛けだ。
 シャルロットはカウチソファの上に、おなかを出して寝そべっている。
 彼女の体の「生身」の部分――お椀みたいにふくらんだ胸や、縦長の可愛ら
しいおヘソや、その下、割れ目になっている「女の子の部分」が、イヤでも目
につく。
 イヤなら彼女のほうを見なければいいのだけど。
 シャルロットと、目が合った。
 彼女は、にっこりと笑い、
「ミャーオ」
 ひと声、鳴いてみせた。
 本物の猫が笑うのかどうか、ボクは知らない。でも、ボクの前にいる機械仕
掛けの「猫」は、笑うんだ。
 彼女は元は、人間だったから。
 ゆるやかにウェーブのかかった栗色の髪。色白のきめ細やかな肌。
 長い睫毛に、表情豊かな大きな目。すっと通った鼻筋に、小ぶりだがぷっく
らした唇。
 人間だった頃のシャルロットは、とびきりの美少女だったろう。
 いまも、美貌はそのままだけど――
【続く】
778名無しさん@ピンキー:05/02/22 01:15:57 ID:ZYajB6j3
【銀猫(2)】

 しかし、両腕は肩の少し下で、猫に似せた機械仕掛けの「前肢」に造り替え
られ、両脚もまた、つけ根のやや下で、機械の「後肢」に替えられている。
 おまけに舌まで機械仕掛けにされて、言葉を話すこともできなくなった。
 誰もが憧れるような美少女が、そんな体にされてしまって、彼女自身は、ど
んな気持ちなのだろう。
 少なくともボクの前では、いつも「猫」らしく堂々と振舞ってるけど。
 シャルロットは体を起こし、ひょいと音もなく床に飛び降りた。
 そして「猫」らしく四つんばいで、歩いて来る。
 お尻から、ぴんと機械の尻尾を立たせて。
 ボクの膝に「前肢」を載せて、甘えるように鳴いてみせる。
「ミャーオ」
「だめだよ」
 ボクは答えて言った。
 さっきまで彼女のほうを見ていたくせに、わざとらしく机に向き直り、鉛筆
を動かし始める。
 意地悪してるみたいだけど、あしたは高等部への進級テストなんだ。
 ボクを見上げるシャルロットの視線が、頬に痛い。
「ミャーオ」
 シャルロットは、もうひと声、鳴いてみせた。
「だめだったら」
 ボクは鉛筆を動かしながら答える。
 でも、意識は完全にシャルロットのほうを向いてしまっている。
【続く】
779389:05/02/22 01:16:12 ID:H8AFDUj7

いろいろと忙しかったのが片付いたので、続編書けるようになりました。
 
次から、今回かわいそうな目に遭う新キャラ視点で話を進めようと思います。
よろしくお願いします。
780名無しさん@ピンキー:05/02/22 01:17:03 ID:ZYajB6j3
【銀猫(3)】

 シャルロットの機械の「前肢」が膝に触れているのが、冷んやりと心地よい。
「ミャー」
 シャルロットは、三たび鳴いた。
「もうっ……」
 やれやれと、ボクは鉛筆を置いて、立ち上がった。本当は計算用紙に無意味
な数字を書き並べてただけで、頭なんか働いてなかったけど。
 シャルロットは「お座り」の姿勢で、にこにこ笑顔でボクを見上げている。
 ボクの部屋には大人が使うような大きな机があって、カウチソファがあって、
その正面にはプロジェクションテレビがあって、本棚は二つあって一つはマン
ガとゲームソフトで占められていて、あとはキングサイズのベッドがある。
 広さは学校の教室と同じくらいで、南向きと東向きに日当たりのいいバルコ
ニーがある。
 贅沢すぎるくらいのこの部屋で、シャルロットとボクは「飼われて」いる。
 シャルロットは「猫」として。
 ボクは「息子」として。
 ボクは部屋を横切り、ベッドに向かう。
 シャルロットは、すたすたとボクを追い越し、ひょいとベッドに飛び乗る。
 キングサイズのベッドに、悩ましげに身を横たえて、
「ミャーオ」
 得意げに鳴いてみせる。
「わかったよ」
 ボクは肩をすくめてみせてから、シャツを脱ぎだした。
【続く】
781名無しさん@ピンキー:05/02/22 23:20:51 ID:dq16i/Wm
これからはマグネシウムの利用が拡大しつつあるそうですが、サイボーグの
部品でもそうでしょうか?
782444:05/02/23 00:56:17 ID:9cz5CYXn
「ひょっとして八木橋さんじゃないの? こんなとこで会うなんて奇遇じゃん。 どうしたの?」
  私が茜ちゃんと話し込んでいるとき、 馴れ馴れしく声をかけてきた白衣姿の男、 一瞬誰だか分からなくて
キョトンとしちゃったんだけど、 すぐ思い出した。 北崎だ。 よりによってこんな時に、 一番会いたくない
奴と会っちゃうなんて、 私ってなんてついてないんだろう。 なんで、 なんであんたがここにいるのさ。
「き、 き、 北崎君。 私は・・・私は、 そ、 その・・・、 親戚のね、 お見舞いに来たんだ」
  私は気が動転して、 どもりまくった挙句、 余りにも下らない嘘をついてしまった。
「へー、 親戚のお見舞いですか。 ふーん、 そうですか。 ぎゃは!」
  あわてふためく私をからかうように、 茜ちゃんが、 やけに大きな声であいづちを打った。
なんて子なの! 全く。 私は茜ちゃんを睨みつけたが、 彼女はペロっと舌を出しただけで全く
悪びれる様子がない。
「それで、 この子は、 そ・・・その、 私のいとこ。 それより北崎君はどうしてここにいるの?」
  勝手に私のいとこにされた茜ちゃんは、 下を向いて笑いをこらえてる。 もう、 好きにして。
「どうしてって、 学部の研修だよ。 今日は義体患者の検査入院に立ち会って検査の流れを見学する
ことになってるの。 ウチの病院には検査入院の設備がないからね。 こういうときは、 他の病院で
研修することになってるんだ。 そんなことより、 八木橋さん随分冷たいじゃないかよ。 あのあと、
こっちがメール打っても何の返事もよこさないんだからなあ。 なんかまずい事しちゃったかなって、
結構気にしてたんだけど」
  あんたが何かまずいことをしたかって? しまくりですよ。 思い出すのも忌まわしい。 北崎とは
以前にジャスミン繋がりで主催した合コンで知り合った仲で、 一回だけ映画に行ったことがあるんだ。
でも、 会ったのはそれっきりで、 以後奴の存在は私の脳内で抹殺。 そのあとは一回も会ってませんし、
話もしてません。 だって、 こいつ、 義体医師の卵のくせして、 私達全身義体の患者を人形だとか
機械のかたまりだとかぬかしたんだよ。
783444:05/02/23 00:58:52 ID:9cz5CYXn
  世の中、 影で私達全身義体の人間をお人形さんって呼んでる奴がたくさんいるのは事実だし、
北崎も私のことを全身義体って知らなかったからこそ出た言葉なんだろうけどさ。 でも仮にも義体医師を
志そうって人間が、 そんなこと言うなんて、 私は絶対許せないっ! だから、 映画見終わって家に
帰った後、 速攻で奴のメールや電話番号を私の携帯から削除してやったんだ。
  それなのに・・・、 義体患者の検査入院に立ち会うだって? いくら大きな府南病院といったって
全身義体患者の検査入院なんて、 一日に何人も受け入れられるわけじゃない。 せいぜい一人か二人。
つまり、 北崎は私達の検査に立ち会うんだ。 こんな奴に私の身体見られちゃうの? 嫌っ! そんなの
絶対嫌だからね!
「おーい、 八木橋さん。 どうした? ぼーっとしちゃって。 俺の話、 聞いてる? 大丈夫?」
  北崎の声ではっと我に返る。 気がついたら、 茜ちゃんが私の足元にしゃがみこんで下から
じーっと私の顔を見上げてた。 で、 眼があうと、 またぎゃはっ! と可笑しそうに笑う。 私、
バカにされてる? こんなガキんちょにっ!
「八木橋さんのお見舞いが終わったらさ、 俺も昼休みになるからさ、 どっか、 この周りで
昼メシでも食わない? おごるよ。 このあたり、 結構いいメシ屋多いんだぜ。 その子も一緒に
どうだい」
  北崎は、 私の気も知らず能天気に私を食事に誘った。 どうせ、 私はお人形さんで、
人並みにご飯なんか食べられませんよ。 バーカ!
「食事っていったって、 お姉ちゃんも私も・・・」
「あー、 バカバカ。 茜ちゃんストーップ!」
  私はあわてて茜ちゃんの口をふさいだ。 さっきっから、 この子に振り回されっぱなし。
「私たち、 これから用事があるの。 ホントにごめんね。 食事は無理だわ。 さんねんー。 はは」
「ぎゃはは! ざんねーん」
  茜ちゃんも、 私の声色を真似して言った。 北崎が苦笑いしながら、 松原さんの入ったのと同じ診察室に
消えたあと、 私は茜ちゃんの頭を思いっきりこずいてた。
784444:05/02/23 01:02:37 ID:9cz5CYXn
「ははーん、 今のお姉ちゃんの知り合いの人、 これから私達の検査入院に立ち会うんだね。
で、 お姉ちゃんは自分がサイボーグってこと、 今の人に隠してるんだ。 でもどうしたって、 これから
バレちゃうもんね。 だから困ってるのかな。 ぎゃは。 なんで? なんで? 別にバレたって困ることなんか
ないっしょや。 サイボーグで何が悪い」
「うるさいっ、 大人には大人の事情があるの。 こんな機械の身体のことなんか人に話せるわけないでしょっ!
奴とは同じ大学なんだよう。 奴に知られたら、 私の友達もみんな私が義体だって知っちゃうかもしれないんだ。
どうしよう。 どうすればいいのよう。 こんなこと知られたら、 もう大学に行けないよう」
  もう彼女の前でお姉さんぶる余裕もなくなった。
「お姉ちゃんサイボーグってことが恥ずかしいの? こんな便利な身体なのに。 この身体があれば何だって
できるっしょや。 私なんて普通の人よりずっーと恵まれてると思ってるっけさ」
「茜ちゃんは学校で馬鹿にされたりしてない? 陰口を言われてない? お人形さんとか機械女とか」
  そう言いながら、 私は自分の高校時代を思い出していた。 私だってみんなと同じ人間のはずなのに、
でもみんなにうす気味悪がられ、 蔑まれた屈辱の日々を。 茜ちゃんだって同じような目にあっているに
違いない。 そう思ったんだけど、 彼女の反応はゼンゼン違っていた。
「うちの学校でアタシに逆らえる人なんていないよ。 なんたってアタシは学校のネットワークを全部
抑えてるんだから。 先生の弱みもぜーんぶ握ってる。 風紀の先生が出会い系で少女売春してたりさ。
外見処女な音楽の先生は、 実はウチの担任と不倫してたりね。 大人の世界って面白いよ。 ぎゃは!
だから、 こんな格好で学校行っても先生はアタシに何も言えないの。 友達のことだって、 私は
表から裏から全部知りつくしてる。 誰だってアタシには隠し事なんてできないんだ。 機械女で結構。
アタシはサイボーグだからこそ、 こんな力を持ってる。 お姉ちゃんはそう思わない? そうだ、
お姉さんにもアタシの力を見せてあげるね」
785444:05/02/23 01:03:49 ID:9cz5CYXn
 そういって、 茜ちゃんは、 おもむろに自分の首筋のカムフラージュシールを外した。
そして鞄からノートパソコンを取り出すと、 パソコンのコードを自分の首筋の端子につないで、
一心不乱に何か打ち込み始めた。 すんごいタイプの速さだ。 まるで機械みたい。 あ、 そうか。
私達機械みたいなもんだったっけ。 で、 一体何をしようっていうの?
「こんなプロテクトが甘甘で大丈夫なのかなあ。 お姉ちゃんこれじゃあヤヴァイよ」
  茜ちゃんはふとタイプをやめて、 私を見てニヤっと笑った。 その瞬間、 私の身体が
待合室の椅子に張り付いたまま、 金縛りにあったように動かなくなっちゃった。
(茜ちゃん! な、 なにしたんだよう)
  あわてた私は、 そう叫んだつもりだった。 でも声が出ない。 手も、 足も、必死で
動かそうとするんだけど、 そんな私の努力をあざ笑うかのように、 凍りついたまま。
私の身体、 ゼンゼン私の命令を聞いてくれない。
「じゃあ、 失礼しまーす」
  茜ちゃんはそんな私を見て満足そうにつぶやくと、 下を向いたまま動かなくなっちゃった。
(茜ちゃん、どうしたの。 ねえ、 なんとか言ってよ、 ねえ、 ねえ、 ねえ)
   私は突然立ち上がった。 でもそれは私の意志じゃない。 私は立とうとなんかしていない。
明らかに私の身体は誰かに操られてる。
「アタシ、 八木橋裕子でーす、 ぎゃは!」
  と、 私は言った。 でもこれも私の意志じゃない。 明らかに茜ちゃんのしゃべり方だよ、 これ。
(ちょっと、 茜ちゃん。 私の身体に何したの。 変な悪戯はやめて!)
  でも、 答えは何も返ってこない。
「これから、 服を脱ぎまーす。 みんな私の身体を見てね」
(ちょっと、 茜ちゃん。 ホントにやめて。 お願いお願いお願い。 何やらせるのよう!)
  でも、 私の両手は私の意志とは関係なくタンクトップの裾にかかった。
「ぎゃははは。 お姉ちゃん。 冗談冗談。 身体は返してあげる」
  私、 じゃなくて、 私の身体を乗っ取った茜ちゃんが笑った。 そして、 だしぬけに
身体が自由になった。
786444:05/02/23 01:04:36 ID:9cz5CYXn
「ごめんね。 お姉ちゃんのサポートコンピューターを乗っ取らせてもらったの。 びっくり
したでしょ。 こんなこと、 私には簡単なことなんだから」
  自分の身体に戻った茜ちゃんは、 屈託のない笑顔を私に向けた。 でも、 私はもうその笑顔を
額面どおりに受け取れなくなってた。 この子は・・・普通の子供じゃない。
  茜ちゃんを怒ることも忘れて呆然とその場に立ち尽くす私。 信じられない思いだ。 汀さんは
義体のサポートコンピューターは不正アクセスを避けるために、 二重、 三重にプロテクトが
かかっているっていってたんだよ。 アクセスコードさえばれなきゃ、 他人に身体を乗っ取られる
心配はないって、 断言してたんだよ。 でも、 茜ちゃんは、 ほんの数分で、 そのプロテクトを
やすやすと破っちゃったんだ。 開発課の柏木さんにこのこと話したらどんな顔するだろう。
茜ちゃんは正真正銘の天才だ。 この子は私と違って小さい頃からコンピューターと一心同体。
だったら、 この子にこんな不思議な力が宿ってもおかしくないのかもしれない。 でも、
この子はどこか歪んでる。 天才となんとやらは紙一重ってよくいうけど、 私はこの子の精神に、
危ういものを感じた。 取り越し苦労ならいいんだけど。
787444:05/02/23 01:39:29 ID:9cz5CYXn
茜ちゃんドス黒すぎ。
ということで茜ちゃんには悪役的な役割を担ってもらおうと思っております。
>>769
じゃあ、次は夏休みキャンプ編にしますか。ストーリー考えてみよう。
>>770
茜ちゃんは、本当の肉体の記憶のない義体使用者ってどんな感じなんだろう
と思って、ヤギーと対比するために考えてみましたが、悪役ってほどでも
ないな。小悪魔的存在か。今後の展開でどうなるかは分かりませんが。
>>772
幼少時からの義体は、一年くらいしか使用しないわけで、
顔以外は基本的には使いまわしのレンタルです。それにひきかえ
大人や成長期が終わったくらいの未成年の義体は使用者買い取り。
なんじゃないですかねえ、多分。
すみません<描き直し
>>774
連載再開キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
私も気になってた伏線の回収ですか。
例の女がだれぞに連れ去られたり、カズヒロ技官が
妙なことをつぶやいたり、ガジェットワールドに
のっけから引き込まれました。
389氏の軽快な流れるような文体が作品とマッチしてて
すごく好きなんですよね。真似したい。
>>777
でもって777さんの銀猫。自分以外の作品が二本も読めるって幸せったら
ないです。ボクって人間なのか?とか飼い主って誰?とか読むほどに
疑問がフツフツ湧き上がります。なんとも不思議な世界ですね。
788名無しさん@ピンキー:05/02/23 01:58:25 ID:fk92bdit
>>389
>かわいそうな目に遭う新キャラ視点で話を進めようと思います。
とても期待できそうですね。楽しみにしております。
789389:05/02/23 02:42:54 ID:osA7Y+VO
B−1
 
 その日、私は昼ごろから妙な腹痛を感じていた。 夜になってもおさまる様子はないし、何だか食欲もない。
 でも、それほど気には留めなかった。 だって、私くらいの女の子が「月のもの」でいろいろと
身体が変になるのはよくあることだったから。
 
「ユカリ、お願い。 来週の地区予選だけでいいから、出てくれない?」
 受話器の向こうで、水泳部の友人が私の説得に必死になっている。
「ほら、ユカリって泳ぐの速いし、プールは好きだっていつも言ってるじゃない」
「で、でも…私が好きなのは、水に潜ったり浮いたり、のんびり泳ぐ事だし…
それに、私は大会のプレッシャーとか苦手だから…」
「お願い、そこをなんとか! ここは一つ、人助けだと思って…」
 友人がケータイ片手にベッドの上で土下座している姿が手に取るように分かる。
「…わかったわよ。 地区予選だけだからね」
 大きな溜め息を一つして、私はしぶしぶ依頼を引き受けた。
「やったーっ、ありがと! 恩に着るわ!」
 大袈裟に喜ぶ友人の声を聞いて、もう一つ溜め息が出た。 また上手く丸め込まれてしまったみたいだ。
 時々、自分の人の良さが嫌になる。
「それじゃ、明日の放課後から早速練習に加わってね。 よろしく!」
 私の気が変わらないうちに、だろう。 必要事項をすばやく伝達すると、友人はそそくさと電話を切った。
790389:05/02/23 02:43:55 ID:osA7Y+VO
B−2
 
 ともあれ、引き受けてしまったものは仕方ない。
 タンスの奥から競泳用の水着を引っ張り出す。
「去年の水着、まだ着れるか確かめておかないと…」
 これでも私はまだ成長期だ。
 ところが、いざ服を脱いで着替えてみると、私の身体は小さなポリエステルの服の中に
すっぽりと納まってしまった。
「………?」
 なんか変だ。 去年から全然成長していない身体の事じゃない。
 昼から感じていた腹痛が急に強くなってきている。 額に脂汗がにじんでいくのが分かった。
「痛……っ」
 耐え切れずに、タンスの前にしゃがみ込む。
 その激痛は、お腹の右下から発せられていた。
 
 私はその水着姿のまま救急車に乗せられ、近所の大学病院に運び込まれることになってしまった。
 診断は急性虫垂炎。
「大丈夫、必ず治るよ。 虫垂炎なんてよくある病気だから、心配しないで」
 救急外来のお医者さんは、そう言って鎮痛剤を打ってくれた。
「虫垂炎って、やっぱり手術するんですか?」
「場合によっては薬で散らせるけど、君の場合は手術しないと無理だね」
「そうですか…」
「手術は今夜のうちにやる事になったから、心の準備をしておいてね」
「えっ、今夜!?」
 心の準備なんて、とても間に合う筈なかった。
 
791389:05/02/23 02:47:00 ID:osA7Y+VO
B−3
 
 私の寝かされたベッドは、手術室と一般病棟の境目の引継ぎ室に運び込まれた。
 この先は清潔区域で、廊下の先にいくつもの手術室があるらしい。
 時刻は深夜。 この部屋で私のほかに手術を待っているのは、私と同じくらいの女の子一人しかいなかった。
(この子も、急患なのかな?)
 そっと隣のベッドを覗いてみると、その子は安らかな顔でスースーと寝息を立てていた。
 包帯や点滴もないし、顔色も悪くない。 素人目には病人に見えなかった。
 
 そのとき、手術室側の扉が開く音がした。
(来た…!)
 思わず目をつぶる。 死刑囚って、こんな気分なんじゃないだろうか。
(私の番かな、それとも隣の子が先かな?)
 少しの間があった後、動き出したのは私のベッドだった。
 緊張が心臓の動きを速めていく。
(落ち着いて…落ち着いて…)
 ぎゅっと目を閉じたまま、私は祈るように自分自身に言い聞かせ続ける。
 私を乗せたベッドのキャスターの音だけが、静か過ぎる廊下に響いていた。
792389:05/02/23 02:58:53 ID:osA7Y+VO
>>787,788
応援どうもです。
>軽快な流れるような文体
そう言って貰えると、推敲の度にガリガリと文を削った苦労が報われます。
793580:05/02/23 21:47:26 ID:UovXzLYJ
>>773-776,>>779,>>789-792
冒頭のハツミ警部のさりげないセリフに、優しさと絆の深さを感じました。最初の
会話から、作品世界に引き込まれました。続いて、たたみこむように展開していく
シナリオ…。またハツミ警部達の活躍する姿が見られるのですね。さらに伏線回収
の上に、新キャラまで! 素晴らしいです。萌えが凝縮された389氏の作品を読むこ
とができて、とても嬉しいです。
あの、ユカリさん、水着姿のままってことは、ないですよね…。前回のブルマー姿に、
激しく萌えたのですけれど…。
ハツミ警部とカズヒロ技術官の仲も、進展するといいなぁ。普段はハツミ警部に押
されっぱなしのカズヒロ技術官が、どうやってハツミ警部との関係を進めていくか、
気になります。

>>782-786
北崎がこんなところで出てくるとは。いつものことですが、意表を突かれました。
茜ちゃんの黒さにまぎれてますけど、八木橋さんピンチじゃないですか…。一体、
どうなるんだろう。そんな時でも、茜ちゃんの事を気遣っているところが八木橋さ
んらしくてイイです。萌えます。
茜ちゃんも、義体じゃなかったら、こんな性格にはならなかったかもしれないし、
根っこまで黒くはないと思いたいです…。

>>787
お答えありがとうございます。つまらない質問ばっかりですみません。

>>777-778,>>780
機械の手足とはいえ、裸の女の子と一緒の部屋。とてもHな状況なのに、その一方
でそれを意識させない不思議な雰囲気のお話ですね。どんな展開になるか、とても
楽しみです。

作者様がたに、感謝の意を捧げます。この至福の時が、いつまでも続きますように…。
794名無しさん@ピンキー:05/02/23 23:33:41 ID:Kn6gLtU4
ヤギーさんには悪いけど、生身の体のふりをしていて
ばれそうになるところが、とってもとてっも萌えです。
795389:05/02/24 02:43:49 ID:nZlL6/Dc
C−1
 
 扉の閉まる音が聞こえた。 どうやら手術室に着いたみたいだ。 
(いよいよ…始まるんだ)
 そっと薄目を開けて、まわりの様子を見てみる。
(…?)
 何か、変だと思う。
 漫画やドラマで見るようなベッドや手術灯があるから、たぶんここが手術室で間違いないと思うけど、
部屋の中にいるのは、若い女の人と私の二人だけだった。
 手術って何人ものスタッフでやるものじゃなかったのだろうか…
 
「…はい、既に実験体は搬入されました…」
 お医者さんらしき女の人は、内線電話で何か話している。
「…年恰好に矛盾はありません。 本人に間違いないと思います」
 その女医さんは、横顔だけでもそうと分かるくらいの美人だった。
 けれども、女医さんの話す言葉には、感情というものが感じられない。 無表情なまま、受話器に向かって
淡々と答えている。
 そう、まるで機械のように。
「…はい、眠っています。 睡眠薬がまだ効いていると思われます」
 睡眠薬で眠ってる…というのは、まさか私のことだろうか。
 私は目をつぶっていただけで 眠ってなんかいないし、睡眠薬も飲んでない。
 ひょっとして、何か手違いがあったんじゃないだろうか。
796389:05/02/24 02:44:51 ID:nZlL6/Dc
C−2
 
「では、これから作業を開始します」
 そう言って女医さんは電話を切った。
 そして傍らのテーブルから注射器を取り上げ、それを手にゆっくりと私のベッドへ歩み寄ってくる。
「あ、あの、ちょっと待ってください!」
 直感的に身の危険を感じた私は、思わず声をあげた。
「…目が覚めていた?」
 女医さんは少し怪訝そうに呟いただけで、その行動を止めようとしない。
「あの、ひょっとして、私を他の患者さんと間違えて……きゃっ!」
 不意に、女医さんは無言のまま仰向けの私に覆いかぶさり、私の肩を押さえつけた。
「い、痛い、放してください! 一体何を…!?」
 女医さんは片手で私を組み敷いたまま、まるで私の言葉など聞こえていないかのように、
その注射器を私の首筋に突き刺した。
「あっ!?」
 鋭い痛みが走る。 それと同時に、全身の感覚がだんだんと鈍り始めた。
「っ…ちょっと…待っ…て…」
 舌が麻痺して、言葉にならない。
(一体…何が、どうなって…)
 そこで私の意識は途切れた。
797389:05/02/24 02:46:07 ID:nZlL6/Dc
C−3
 
(痛い、痛い…!)
 私の意識を引き戻したのは、激痛だった。
 それはさっきまでの腹痛とは全く別の、まるで全身を内側から引き裂かれるような痛みだった。
 
 痛みで朦朧とする意識の中で、知らない男の人が、低い声で話しているのが見えた。
「それはつまり、この失敗はもう取り返しがつかないということかね?」
「はい」
 それに答える無感情な声。 さっきの女医さんに違いなかった。
「なら、仕方あるまい。 そうと分かった以上、こんなモノは早急に院外に廃棄したほうが得策だのう」
「………」
「県北に産廃処分場があったな…あそこがいい。 悪臭とゴミの中なら発見される事もあるまいしな。
…木を隠すなら森の中、屑鉄を捨てるのは産廃の中、とな」
 
 このとき、まだ私は自分の身に何が起こったのか分からなかった。 ただ、“屑鉄”に例えられたモノは
私なんだと、男の視線が言っていた。
 
 台車が用意され、私の身体は乱暴にベッドから台車へと下ろされた。
(きゃあぁっ!!)
 ガシャン、という音とともに全身を襲う激痛。
 それで、かろうじて保たれていた私の意識は再び吹き飛んだ。
798389:05/02/24 02:47:46 ID:nZlL6/Dc
C−4
 
 次に気がついたとき、視界にあったのは、一面に広がるゴミの野だった。
 雨が降っている。 大きな雨粒があたりのゴミを叩いていた。
(身体が…動かない)
 指の一本さえピクリともしてくれない。 なのに、あの全身の痛みだけは断続的に私を苦しめる。
 この産廃処分場に満ちるザーという雨音は、壊れたテレビのノイズ音を思わせた。
 
 結局、私に何があったんだろう。
 突然お腹が痛くなって、突然手術する事になったと思ったら…
なぜか身体が痛くて、動かなくて…こんな所に捨てられて…
(夢…だよね…こんなの)
 だって、こんなにわけが分からないこと、あるはずない。
 
 雨音が遠くなっていく。
 雨が止もうとしているのだろうか、それとも私の気が遠くなっているのだろうか。
 視界が暗くて、もう区別が付かない。
 
 眠るように、私の意識が消え入る寸前、誰かの声が聞こえた気がした。
799389:05/02/24 03:02:07 ID:nZlL6/Dc
>>793
感想どうもです。 また頑張らせて貰います。

彼女が手術室に着くまでずっと水着だったかどうかは、ご想像にお任せということで…
競泳水着でも、裸に薄い手術着一枚でも、萌えるほうでどうぞ。
800444:05/02/25 02:10:49 ID:K0Qn/pk5
  義体診察室から松原さんが戻ってきた。 ああ、 いよいよだ。 私達を呼びに来たんだ。
もうすぐ北崎に私の身体のことバレちゃうんだ。 もうすぐサポートコンピューターの接続が
切られちゃうんだ。 私は緊張して思わず身体を強張らせた。まるで死刑執行を待つ囚人の気分。
でも、 私の推測は半分当たっていたけど、 半分はずれ。 松原さん、 私が思ってもみなかった
意外なことを口にした。
「はい、 では準備ができましたので更衣室で着替えてください。 でも、 その前に、 二人に
嬉しいお知らせがあります。 今月から、 サポートコンピューターと脳の接続が切られている間に、
弊社の新製品『癒しの大地』シリーズが作り出す仮想空間内で生身の身体の感覚でお寛ぎいただく
ことができるようになりました。 今回は第一弾、 南海の孤島。 どうです八木橋さん、 西田さん、
体験してみませんか?」
  松原さんが製品パンフレットを私と茜ちゃんに手渡した。
“イソジマ電工が自信を持って送り出す、 バーチャルリアリティの決定版”
“失われた感覚が今蘇る“
“暗闇にさようなら“
  パンフレットには仰々しいキャッチコピーが踊っている。 このコンセプト、 これって遥遥亭
じゃない? そうか! 遥遥亭がようやく製品化されたんだ。 遥遥亭での夢のような出来事、
今でもはっきりと思い出すことができる。あの時の杏仁豆腐、 美味しかったなあ。 あの時の身体の
感覚、 懐かしかったなあ。 あの遥遥亭みたいな体験がもう一度できるんだ。 時代は私が知らない間に
どんどん進んでる。 南海の孤島だってさ。 じゃあ、 海に入れるってこと? 義体になってから、
身体が錆びるってことで海水に入ることは固く禁止されている。 だから、 私はもう何年も海なんて
行ってないよ。 その海にもう一度入れるんだ! 私は北崎のことなんて一瞬忘れて興奮した。
でも、 世の中そんなに甘くない。
801444:05/02/25 02:14:09 ID:KAb6DjjE
「今はお試し期間中だから、 検査費用にたった十万円追加するだけで、 こんな体験ができます。
ねっ、 ねっ、 すごいでしょう。 同じプログラムを使う義体使用者同士で仮想空間を共有するから、
当然二人とも中で話ができるし、 退屈しませんよ」
  松原さんは、 五十円追加するだけでアップルパイがつくみたいにサラリと言ったけど、 十万円
ですか? じゅうまんえん・・・しろくま便で何日アルバイトすればいいんだろう。
「検査中はサポートコンピューターと脳の接続はいっつも切られるっしょ? これ使ったら、 本当に
お姉ちゃんと話ができるの?」
  茜ちゃんは派手なパンフレットと松原さんのセールストークに早くも心奪われ、 『癒しの大地』
とやらに興味深々だ。
「サポートコンピューターと脳の接続を切っている間は、 この病院の中央制御コンピューターが、
サポートコンピューターの代わりを勤めることになります。 癒しの大地プログラムも、 サポート
コンピューターを介さないで中央制御コンピューターから脳に流れてくるわけです」
「ふーん、 じゃあ、 アタシお願いしようかな。 生身の身体の感覚なんて別に興味ないけど、
お姉ちゃんと、 もっといろんな話してみたいっけさ」
  あ、 茜ちゃん。 そんな十万円なんて大金、 親と相談しないで決めちゃっていいわけ。
お姉ちゃんと話してみたいって言ってくれるのは嬉しいけど、 私、 まだ使うかどうか決めてないよう。
「茜ちゃん、お買い上げ有難うございます。で、八木橋さんはどうするの?」
「お姉ちゃん、 もっとさっきの続き話そうよ。 ねえ、 ねえ」
  セールスマンがもう一人増えた・・・。
802444:05/02/25 02:16:30 ID:KAb6DjjE
「うー・・・」
  十万円かあ。 古堅部長! いくら商売だからって、 イソジマ電工が営利企業だからって、
十万円なんて高すぎると思いませんか。 藤原とのデートとか、 ジャスミンや佐倉井達との
遊びを何回断って、 アルバイトを何日増やせばいいんだよう。 頭の中で、 ちょっと計算
してみた。 でも結論は決まってるんだ。 遥遥亭のすごさを身をもって知っている私は、
その誘惑にとても勝てなかった。 真暗闇で一日を過ごす生き地獄に比べたら十万円なんて安い買い物だ。
そう思うことにした。 今月はアルバイト月間だあ! 頑張るぞ!
「松原さん、 私もお願いします」
  貧乏学生の私にとっては、 陳腐な表現かもしれないけど、 清水の舞台から飛び降りるような気持ちで
搾り出した言葉だったよ。ホント。
「あれま、 八木橋さん、 ずいぶん決断が早いですね。 八木橋さんのことだから、 もっと渋るかと思って
いたんだけど。 有難うございます。 お陰で、 これで私も今月のノルマ達成です」
  なんだよ、 松原さん。 それって、 私がケチって言ってるのかよう。 まあ、 間違ってないけどさ。
  嬉しそうに受注伝票を記入してる松原さんを見て、 地獄の沙汰も金次第って言葉が思い浮かんじゃった。
イソジマ電工もずいぶんいい商売してるよね。
803444:05/02/25 02:34:49 ID:KAb6DjjE
800ゲットー!
遥遥亭、とうとう実用化されたようです。イソジマ電工の大事な商売道具として。
>>793
北崎君、いつか再登場させてやろうと思っていたのですが、出番が大分遅く
なっちゃいました。私としては追い詰められてからがヤギーの真骨頂だと
思っていますから、こういうキャラはヤギーを引き立てるために是非欲しかった
のです。茜ちゃんは・・・どうなんでしょうねえ。
>>794
そうそう、それが私の萌えでもあります。
>>795-798
どんな風にかわいそうな目に遭うんだろうと思っていたら
ただの盲腸手術のはずが、人違いでサイボーグに改造されたうえ
廃棄処分ですか。うーん、そう来ますか。一体どうなるんだろう。
激萌えっす。
804名無しさん@ピンキー:05/02/25 20:45:25 ID:Ox2fEEhb
>>389
いい雰囲気で始まりましたね。無理矢理手術され、産廃場に捨てられる・・・なんと哀れで萌えな話でしょう!可哀想なサイボーグ少女、、楽しみでつ。応援しまつ。
805名無しさん@ピンキー:05/02/26 12:49:34 ID:4puTLaM7
廃棄されたのを拾われるところから始まる銃夢のような話もあると
言ってみるテスト
806389:05/02/26 21:55:58 ID:wV4F+mCH
●D−1
 
 最初は、錯覚だと思った。
 刑務所から拉致された“あの女”の手がかりを捜し始めて、すでに一ヶ月。 降りしきる夕立の中、
たまたま近道のために横切った産廃処分場で、私はゴミの山に埋もれる私自身を見た気がした。
(気のせい…よね)
 これだけのガラクタがあれば、偶然どこか一箇所くらい、遠目には全身義体に見えるような
構図が生まれてもおかしくないだろう。 雨で視界が水煙にぼやけていればなお更だ。
 でも、私はやっぱり見間違いの一言で片付けられず、ゴミの山を振り返った。
 
 ゴミの群れを走査する私の視線が一点で止まる。
「…!!」
 泥土と廃油にまみれ、廃棄物に同化しつつある小柄な少女が、確かにそこに存在した。
「ちょっと! ねぇ、あなた人間でしょう!?」
 私はその子に駆け寄ると、重い金属の身体を助け起こした。
「生きてる!? 生きてるなら返事をして!」
 私の呼びかけに、その子は何も反応してくれない。 うっすらと開かれた義眼は死んだように動かなかった。
(とにかく、早くこの子をカズヒロさんの所に!)
 いまにも壊れそうなその子の身体をしっかりと抱いて、私は背中のブースターの出力を限界まで引き上げた。
 
 人をサイボーグ化する技術を持っているのは、技術捜査部のカズヒロさんを除けば世界にただ一人、
刑務所から拉致され、私達が捜している“あの女”しかいない。
 私の刑事としての初手柄は、とても悲しい手がかりの発見だった。
807389:05/02/26 21:58:16 ID:wV4F+mCH
●D−2
 
 捜査会議が終了した後、私と警部さんは真っ直ぐに技術操作部へ向かった。
 カズヒロさんに、あの子の応急処置の結果を聞くためだ。
「サチさんの発見した少女ですが…」
 説明するカズヒロさんの顔が暗く沈んでいく。
「彼女をサイボーグに改造した人物は、やはり…刑務所から拉致された、“あの女”かと思われます…」
 
 一月前、カズヒロさんがあの女のことを「姉さん」と呟いたのを、私は聞いてしまった。
 それが本当なら、少女をあんな姿にした挙句にゴミのように捨てたのは、カズヒロさんの姉ということになる。
もちろん、私から人の身体を奪ったのも。
 
「カズヒロ技術官、結論を先にお願い。 あの子は生きてるの? 助かるの?」
 腕を組んだ警部さんが先を促した。
「あ、すみません……とりあえず命に別状はありません。 ですが、身体に何らかの異常があることは確かです」
「だから、捨てられたっていう事でしょうか。 使い物にならないからって…まるで道具のように」
 あの子は助かるんだと安堵した途端、私は怒りがこみ上がってくるのを感じた。
808389:05/02/26 21:59:13 ID:wV4F+mCH
●D−3
 
 一通りの打ち合わせが終わり、捜査に戻ろうと席を立ったとき、
「ああ、そうだわ、カズヒロ技術官。 一つ言っておきたい事があるの」
 警部さんが、さりげなく口を開いた。
「確か、あの女は記憶喪失になっていたわね。 にもかかわらず、あの女は少女を一人 機械にしてしまった。
つまり、女の記憶は戻ったと考えるべきね」
 そう言いながら、警部さんは真っ直ぐにカズヒロさんを見つめている。
「あ、あの、それが何か」
「つまり、今度こそ判明するかもしれないという事よ。 あの女の氏名とか、家族関係とか、ね」
 カズヒロさんが息を呑むのが、分かった。
 数秒の沈黙。
「結論を先に言うとね、カズヒロ技術官。 あなたは何も心配しなくていいわ」
 不意に、警部さんの顔が優しくほころんだ。
「え…?」
「私は前から知っていたんだから。 今後 何が判明しても、私は今まで通りあなたの味方でいてあげるってこと」
 それだけ言うと、警部さんは私の手を引いて技術捜査部を後にした。
 
 
「サチ、あなたには話しておかなければならないんだけど」
「知ってます。 あの女はカズヒロさんのお姉さんなんですよね。 本人の独り言が聞こえちゃいました」
「そう…彼も迂闊ね、自分で作った聴覚センサーの性能を忘れるなんて」
 警部さんと私は顔を見合わせて苦笑した。
「…で、どう? もう彼とは今までのように親しく付き合えない?」
「いいえ、そんな事無いです。 その肉親が誰であっても、カズヒロさんはいい人です」
「よかった…サチ、ありがとう」
 警部さんは私の手をとり、自分のことのように喜んだ。
809389:05/02/26 22:16:42 ID:wV4F+mCH
>>803-805
応援どうもです。
やっぱり毎晩うpは無理でした。 不定期にいきます…
810580:05/02/27 00:26:46 ID:+hX3O2FF
>>795 >>806
不用品として産廃処分場に打ち捨てられたユカリさん…雨の降る産廃処分場の
暗い雰囲気と、彼女の運命の悲惨さがあいまって、とっても萌える情景です。
そんな暗い面と、D−3の3人のやりとりの優い面とが、両立しているところ
が素晴らしいです。カズヒロ技術官の姉の“あの女”も、今回は悪役というよ
りは、道具として操られる被害者の立場なのかな…。

>>800
イソジマ電工様、天国か地獄かの二者択一なんて阿漕すぎます。10万円なんて
価格設定、ぼったくりです。開発陣の想いは、どこへ行ってしまったのですか。
汀さんや深町さんの言う通り、現実は厳しいです。
このまま、八木橋さん視点で南海バカンス編になるのでしょうか。水着姿の
八木橋さんが拝めるのでしょうか。どきどき。藤原君とのデートも諦めるくら
いだから、現実の世界では体験できないくらい、素晴らしく楽しい思いができ
ますように。それとも、茜ちゃんと一緒なので、またひと波乱あるのかな…。
10万円が「たった」とは、今回の検査費用って、いくらぐらいなんでしょうね?
もしかして7桁いくのかな?…すみません、質問じゃないです。でも、いろいろ
と気になります。

>>803
八木橋さんファンの敵意を一身に集めていませんか?損な役回りですね。>北崎君

811シリアルナンバー00:05/02/27 01:13:24 ID:kdeRxz5V
>>810
>八木橋さんファンの敵意を一身に集めていませんか?
物言えば唇寒し秋の風、ってね。
不用意な一言で人生棒に振ったあげく、後世までいぢられまくるヤツもいるしさ。
812名無しさん@ピンキー:05/02/27 02:26:16 ID:6PxpqHLR
>>389
サイボーグに改造された上に捨てられた少女が今後どんな可哀想な目にあうのか・・・楽しみです。ハァハァ・・・
813名無しさん@ピンキー:05/02/27 22:22:39 ID:xpwMW7oy
>>802
10万円払う代わりに、10分毎にイソジマ電工のCMを2分間見せられる、とか(w
814444:05/02/28 00:51:32 ID:tXbwJjrN
「で、 お姉ちゃん、 どうするの?」
  私達二人は今、 狭っ苦しい更衣室の中にいる。 で、 二人並んで、 身体をぶつけぶつけしながら着替えをしている
最中なんだけど、 茜ちゃん、 身につけてたなんだかゴテゴテ金属製の飾りのついたキュロットスカートを脱ぎながら
言った。 そうだよね、 南国でバカンスなんて浮かれてる場合じゃなかったよね。
「どうするって、 北崎のこと? もうどうしようもないよう。」
  本当に、 もう今更どうしようもないんだけどさ、 北崎に機械の身体を見られて、 ジャスミンや佐倉井や研究室の
みんなに、 私の身体の事がバレされたらどうなっちゃうんだろう。 ジャスミン達のことだから、 今までと同じように
接してくれるって思いたいけど、 でも、 やっぱり変に気を使って、 私の前ではお菓子の話とかしなくなっちゃうん
だろうか。 今まで見たいに普通に接してくれればいいのに、 私の前では話題も選ぶようになっちゃって、 自由に話せ
なくてつまらなくて、 それでなんとなく疎遠になっちゃうんだろうか? 高校の時の友達みたいに・・・。 そんなの
耐えられないよ。 今まで、 私の前で食べ物の話をされることほど嫌なことはなかったのに、 いざ機械の身体ってことが
ばれて、 変に気を使われるのはもっと嫌だ。 北崎にどう思われようがかまわない。 でも友達にだけは言わないで欲しい。
奴にそう頼むしかない。 お願いするしかない。 私は唇をかみしめて覚悟を決めた。
「まあまあ、 お姉ちゃん、 どうしようもないなんて言うんでない。 生身の人間のくせに、 私達のこと機械女だとか
人形だとか言うような奴にはお仕置きして口封じしないと駄目っしょや。 お姉ちゃんがサイボーグって人に言いふら
されたら困るんだったら、 言いふらされないように協力してあげよっか?」
815444:05/02/28 00:52:32 ID:tXbwJjrN
「ホント。 何かいい方法があるの?」
  私は着替える手を休めて、 下着姿のみっともない格好のまま茜ちゃんを見た。 口封じなんて物騒な言葉が飛び
出してるとこがちょっと引っかかるけど、 取り合えず茜ちゃんにすがるしかない。 さっき茜ちゃんの力は十分に見せて
もらった。 ひょっとして、 茜ちゃんならなんとかしてくれるかもしれない。
「にゃはは、 まあまあ、 アタシに任せておいて。 お姉ちゃんはアイツに挨拶でもしておけばいいっしょ。 あとは私が
うまくやってあげるっけさ」
  私より先に検査用の真っ白い服に着替え終わった茜ちゃんは、 早速ノートパソコンを自分の身体に接続して、
なにやらブツブツつぶやきながらキーボードをたたき始めた。 何をするかってことは、 うまくはぐらかされて教えて
もらえなかったけど、 でも何でもいいや。 茜ちゃん、 うまくやってね。 あなただけが頼りなんだからね。
  下着を脱いで、 端子を隠してるカムフラージュシールも全部剥がして、正真正銘すっ裸になった私は、 あらためて
自分の身体を見て憂鬱になった。 両脇腹にある電源の入出力端子とか、 両首筋のサポートコンピューターの接続端子とか、
両肩についてる各種検査用の端子とか、こういう私の身体のあちこちについてる端子を覆うカバーはもちろん肌と同じ
色に塗られてるけど、 やっぱり人工皮とは材質が違うし、 人工皮との継ぎ目もどうしたって目立っちゃう。 だから、
普段はシールを貼ってできるだけ目立たなくしているんだ。 シールを貼るのが義務ってわけじゃないけど、 一目で自分の
身体が普通の人間の身体じゃないって確認できちゃうのは、 やっぱりとても恥ずかしいことだし、 外見だけでも生身の身体
そっくりにしておきたいもん。 たとえ、 皮の下は冷たい機械の固まりだったとしてもさ。
816444:05/02/28 00:53:15 ID:tXbwJjrN
 でも、 検査の時は、 身体中の接続端子を全部使うから、 カムフラージュシールを全部剥がすことになってる。 だから、
毎月、 検査の度にこんなふうに端子の継ぎ目だらけの機械の身体なんだって嫌でも思い知らされるんだよね。 で、 この身体で、
端子の蓋を全部開けられて、 全身コードでぐるぐる巻にされてる姿を北崎見られちゃうわけだ。 もっと言えば今日は入院検査
だから、 そのうち手も足もバラバラに分解されちゃうはず。 機械の身体を軽蔑しているような人に、 人間じゃとてもあり
得ないような姿を見られるなんてぞっとするよね。 サポートコンピューターと脳の接続が切られてるから、 私自身が、 私の
身体を見てる北崎を見なくてすむのが唯一の救いだよ。 私はかっこだけのため息をついて、 検査用の白くてぶかぶかの不恰好な
服を身につけた。
  長いこと更衣室に入りっぱなしの私達が気になったんだろう、 松原さんが時計と睨めっこしながら更衣室に入ってきて、
熱心にパソコンに向かっている茜ちゃんを見つけて不機嫌そうに唇をとんがらせた。
「西田さん、 もう準備はいいかな。 友達へのメールは後でしてね」
「準備終わり。 ぎゃは!」
  茜ちゃんが私に向かってウインクした。 松原さんは、 それが自分に向けた言葉だと思い込んでにっこり。
817444:05/02/28 01:18:54 ID:tXbwJjrN
>>806-808
そうか、ガジェットワールドは八木橋ワールドと違って、サイボーグ技術は一般的
なものじゃなかったんですね。そんな世界で、望んで機械の身体になったわけでも
ないのに、短い期間とはいえ昔の友達や両親と暮らしたサチさん。しかも記憶喪失。
余り語られてはいませんが、相当辛い思いをされたものとお察し致します。
ユカリちゃんもこれからどうなっちゃうんだろう。
>>810
値段を決めるのは営業部の判断でしょう。そこには古堅部長や、開発課の皆さん、
総務部の汀さんや宣伝部の深町さんの意図は入っていませんから、と先に言って
彼らの名誉を守っておきます。
あ、深町さんは宣伝部だけにパンフレット作成には携わったかもと妄想。
>>813
おお、いいアイディアですね。面白そうだ。どこかで、そのネタ使ってみたいです。
イソジマ電工というよりも、他社企業の宣伝が入るってことでどうでしょう。
すでにイソジマの義体を使ってる人にイソジマの広告を見せるというのも
変な話なので。
818名無しさん@ピンキー:05/02/28 01:50:20 ID:8wXbSWh8
444さん、話の続きがとても気にります。
義体100%肯定派の茜ちゃんと、否定派の北崎君との関わりで
ヤギーも自分の体への気持ちがかわっていくのでしょうか。

萌えどころのヤギーの秘密が北崎君ばれて、どうなるかも
気になります。

茜ちゃんの方言は北海道弁でしょうか。
819580:05/02/28 03:07:06 ID:BbloZBDN
>>817
よかった。それでは、汀さんが言っていた、「結局は会社に利用されて
いるだけ」ということですね。古堅部長は、さぞかし不機嫌そうな顔を
したのでしょうね。

描き直してはみたものの、あまりいい構図にできませんでした。
脇腹って、色っぽい位置だと思うのですけれど…。
ttp://akm.cx/2d/img/12141.jpg

八木橋さんの一人エッチって、描いたらまずいでしょうか?
820580:05/02/28 20:29:34 ID:BbloZBDN
>>814-816
悩む八木橋さんの内面からの描写、すごく萌えました。こういう作品を読めて幸せ
です。ありがとうございます。
相手を気遣っているのに、かえって相手を苦しめたり傷つけたりしてしまう…難し
いです。義体の事を知っていて、それでも八木橋さんの負担にならないようにつき
あえる藤原君を尊敬します。
816みたいなシーンを、八木橋さん視点じゃなく見たい気もしますけど、こればっか
りは無理だろうなぁ。
821389:05/03/02 01:52:18 ID:Frtn5KNn
E−1
 
「あ、あれ?」
 ここはどこなんだろう。
 病室に似た質素な内装だけれど、床にはスパナとかドライバーとか、工具が散らばっている。
 私は夏の日が差し込む窓際のベッドに寝かされていた。
「あ、身体が…動く」
 上半身を起こして、部屋をぐるりと見渡してからようやく気が付いた。
(一体なんで動けなかったんだろ…)
 その答えを求めるように、自分の身体へ視線を落とすと、
「……え? なに、これ……?」
 私の身体が、真っ青に染まっていた。
 胸も、手も、足も、指先まで青い金属光沢を放っている。
「えっ…えっ…!?」
 その青い指で、全身をまさぐる。 返ってきたのは、無機質な金属の感触だった。
 ちょっぴり膨らんでいた胸も、水泳で引き締まった脚も。 私の全てが硬い金属になってしまっていた。
「なにが…どうなって…」
 ふと、私はあの記事を思い出した。
 何の罪もない少女を機械の身体へと改造し、窃盗行為を強要していた女が刑務所から消えた事件。
 そう、この私の身体は…数年前にガジェットという名で盗みを働いた少女の身体と、そっくりだった。
「まさか、そんな…私が、ガジェットに…!?」
 
 不意に、隣の部屋から女の声が聞こえた。
(まさか…)
 扉から犯人の女が現れて、お前は私の道具になったのだ、と告げる…その恐怖に耐えられなくなった私は、
 逃げ出そうとベッドから跳ね起きた。 その瞬間、
「!!」
 あの痛みが全身を駆け巡った。 まるで鉤爪が内側から身体を引き裂くような感覚。
 身体がベッドに倒れこむ。 身体が動かないんじゃなくて、痛くて動かせない。
 その音を聞きつけたのか、声の主がドアを開けて部屋に入ってきた。
「どうしたの、大丈夫!? どこか痛いの!?」
 それは、真っ黒い、私とそっくりな身体の少女だった。
822389:05/03/02 01:53:57 ID:Frtn5KNn
●E−2
 
 廃棄されていた少女、ミズサワ・ユカリさんが意識を取り戻した事で、事件は一気に解決に向かうと思われた。
 ところが、ユカリさんは、全身の激痛でほとんど証言が出来ない状態だった。
「その原因は、金属部と生体部のサイズ不一致と分かりました」
 カズヒロさんがホワイトボードを前に解説している。
「私のサイボーグ技術では、脳以外を全て機械に置き換えてしまいますが、あの女の技術では、補助的な
動力源として、全身の要所要所に人間としての筋肉を利用しています。 
 つまり、体内に主動力源や機械類、体表に金属外骨格、その間に筋肉がサンドイッチされた構造なんですが…
これらのサイズが不一致なために、全身の筋肉が金属パーツに圧迫され、痛みの原因になっているのです」
「う…わ…」
 身体の中に埋め込まれた機械の突起が筋肉に内側から食い込み、外からは金属の殻がその筋肉を内側へと
締め付ける。
(あの女に改造された私も、一歩間違えればそうなっていたのだろうか)
 想像するだけでぞっとしてしまう。
 
「カズヒロ技術官、なぜその手違いが生じたか、分かる?」
 警部さんが勤めて冷静に質問する。
「おそらく人違いかと、思われます。 本来改造されるはずだった少女の身体に合わせてパーツを製造したものの、
手術するときに、間違えてユカリさんにそのパーツを埋め込んでしまった、という事かと…」
「そんな…」
 理不尽だ、人違いなんて。 そんなの、拉致されて無理矢理 改造されてしまった私と何も違わない。
823389:05/03/02 01:56:21 ID:Frtn5KNn
●E−3
 
「となると、事を急がなければならないわね」
 警部さんが立ち上がり、カズヒロさんに代わってホワイトボードの前に立つ。
「急がないと、人違いのおかげで助かった少女まで、本当に改造されてしまう事になるわ」
「あ…確かにそうですね」
「でも、犯人やその少女の居場所は…」
「目星は付けたわ、県内のJ大付属病院よ。 改造手術が出来るだけの技術と設備を備え、かつ、
ここ一ヶ月間に“ミズサワ・ユカリ”という名前の子が救急車で搬送された記録があるのはここだけよ。
…もっとも、この県内と限っての話だけど」
「ちょ、ちょっと待ってください、それじゃ捜査令状は取れませんが…」
「責任は私が取るわ。 少女一人の肉体が失われてからでは遅いのよ」
 慌てるカズヒロさんをよそに、警部さんは一人でJ大付属病院に乗り込む気だ。
 
「警部さん、私が一人で行きます」 
「サチ…?」
「私なら、警察の介入と覚られないように隠密捜査することが出来ます」
「でも…」
「私がこの身体に…盗人であるガジェットの身体に戻ったのは、そのためです」
824389:05/03/02 02:06:14 ID:Frtn5KNn
>>817
>八木橋ワールドと違って、サイボーグ技術は一般的なものじゃなかったんですね
そういえば、説明してませんでしたね…
私の文章は時々説明不足になりますが、努力しますので皆さんよろしくお願いします
825444:05/03/02 04:16:16 ID:AYtx80Dr
  私達は松原さんに導かれて診察室に入った。 診察室っていっても全身義体用の診察室だから、 普通の診察室とは
似ているようで、 まるで違う。 診察台はもちろんあるけど、 診察台の横には大きなコンピューターらしき機械が、
でーんと置いてあって、 むしろ診察台よりその機械のほうが目立つくらい。 この機械と身体を接続して、 いろんな
検査をするんだよね。 診察台の上には大きなライトとか、 重い部品を交換したり取り付けたりする時に使う細長い
鉄製のアームがぶら下がっていて、 どう見たって診察台っていうよりも作業台だ。 たいして広くもなく、 窓もない
圧迫感のある部屋に、 そんな診察台が二台もあるうえに、 私と茜ちゃんと吉澤先生と助手らしい人が二人、 それに
松原さんと北崎、 そしてもう一人女子学生の計八人もの人がいて、 ずいぶん息苦しい。 いや、 息はしてないんだけどさ。
「八木橋さんも、 茜ちゃんも久しぶりだね。 今日は星修大学から研修生が来ているから、 申し訳ないけど脳とサポート
コンピューターの接続を切った後、 二人の身体を見ていろいろ説明することになると思う。 毎度すまんが宜しく頼む」
  私達の前に座った吉澤先生、 私達に向かって両手を合わせて許しを乞うしぐさをした。 全身義体化の技術は、 だいぶ
普及してきたとはいっても、 まだまだ東京でさえ対応できる施設は限られているし、 海外ではなおのこと。 だから、
毎月の検査で、 日本全国、 世界各国からの研修生を受け入れるなんてことは日常茶飯で、 それについては驚くことでも
珍しいことでもない。 別にお医者さん相手に自分の身体を恥ずかしがっても仕方がないことだし、 それより早く世界中で
義体の技術が一般化して、 私もジャスミンみたいにいろんなところを旅行できればいいなあ、 なんて思ってるくらいだから、
協力できるものは協力したいよ。 でも・・・でもね。 知り合い、 それも同じ大学の人に見られるなんて思いも
しなかったよ・・・。
「彼らが、 今日研修することになる星修大医学部の学生だ」
  吉澤先生が手を差し伸べた方向、 部屋の隅っこのメインコンピューターの横に、 北崎と女子学生が緊張気味に固まってた。
私は覚悟を決めて彼らに無言で会釈をした。 どうせ、 すぐばれることだからね。
826444:05/03/02 04:17:44 ID:AYtx80Dr
  案の定私を見た北崎の顔色が変わっちゃった。やっぱり私って分かるよね。
「や、や、八木橋さん。なんでここにいるの?」
「はは、 北崎君こんにちは。 私は、 その・・・見てのとおり全身義体のお人形さんなんだ。 機械女でした・・・。 今まで
隠しててごめんなさい。 今日検査入院するのは私なの。 それから彼女が茜ちゃん。 札幌から来たんだって」
  私は今できるせいいっぱいの笑顔を浮かべて、 つとめて明るく言ってみた。 本当は泣きたかったんだけどさ。 泣く
こともできないし、 しょうがないよ。 だったら、 明るく、 何も感じていないように振舞うしかない。
「さっきはドモー」
  茜ちゃんはノートパソコンのケーブルを首筋に差し込んだまま学生達に挨拶。 そのまま脇にノートパソコンをかかえて
立ち上がると、 学生達の近くの診察台にちょこんと腰掛けた。
「そ、 そうなんだ。 えと、 あの・・・」
  北崎は、 私と茜ちゃんを交互に見て、 しきりに額の汗をぬぐった。 北崎と同じ義体科だろう白衣の女の子は、 そんな
北崎を不思議そうに見ている。
「あのね、 北崎君は、 実際に全身義体の人と話したことはあるの?」
  我ながら怖いくらいやさしい口調だ。
「いや、 その、 検査入院に立ち会うのは今日が初めてだから・・・」
「そうなんだ。 じゃあ、 お願い。 これだけは覚えておいて。 私たち、 こんな身体でもあなたと同じ人間なんだよ。
私たちだって生きてるんだよう。 だから機械とか人形とか言わないで。 それが私たちが一番傷つく言葉だからさ。
それから大学の友達には、 このことは絶対に言わないで。 私たちだけの秘密にして。 約束して。 お願い」
「・・・分かった。 言わないよ。 うん、 言わない」
  北崎は自分に言い聞かせるようにそういったっきり、下を向いてうつむいた。
(お姉ちゃん、 そんなんでいいわけ。 それじゃあ甘すぎるよ。 コイツ絶対お姉ちゃんのこと、 しゃべるよ。
私がお姉ちゃんの代わりにお灸をすえてあげるから、 見ていてごらん、 ぎゃはっ!)
827444:05/03/02 04:19:24 ID:AYtx80Dr
  頭の中で茜ちゃんの声が響いた。 まさかまさかまさか、 また私の身体乗っ取るの?茜ちゃん、そんなこと
考えてたわけ?お願い、 それだけは やめてよう。 私は必死で叫ぼうとしたけど、 声が出せない。 その場を
逃げ出そうとしたけど、 身体がゼンゼン 言うことを聞いてくれない。 私のサポートコンピューターはあっさり
私を裏切って、 茜ちゃんについちゃった。
  私の身体を乗っ取った茜ちゃん、 立ち上がって北崎と向かい合った。 両手を腰にあててなにやら挑戦的なカッコ。
私の意志とは関係なく、 視線が北崎の全身を舐めるように動いた。
(茜ちゃん、 冗談でしょ! 私の身体で何する気だよう。 怒るよ! ホント)
  私は叫んだけど、 茜ちゃんは私を無視。 悔しいっ。 この糞ガキめ。 あとで、 あとでとっちめてやるから覚悟
しろよう。
「さて、 北崎君とやら。 これから、 私の力を見せてやるよ。 誰かにチクろうなんて気を二度と起こさ
ないように、 ね! ぎゃは」
  私の手が動いて指をパチンと鳴らした。 それが合図のように、 部屋の蛍光灯が突然切れて、 窓のない部屋は
真っ暗になっちゃった。
  次の瞬間、 私の背後の診察台に装備されてるライトが三つ、 パン! パン! パン! 耳障りな音をたてて
まぶしく光ったかと思うと、 ライトの支柱が、 まるで生き物みたいにゆらゆら揺れながら、 北崎達のほうに
伸びていって、 強く彼らを照らした。 真っ暗の部屋で、 強い光に照らされた北崎達の後ろにだけ、 はっきりと
黒い影が伸びた。 光は呼吸するみたいに、 微妙に暗くなったり明るくなったり、 不気味にまたたいてる。
北崎やもう一人の女の子の私を見る目、 恐怖で凍り付いてる。 額から油汗が流れてる。 ・・・まるで化け物を
見ているみたいな目で私を見ている。
(茜ちゃん。 お願い。 出て行って。 誰か、 助けて。 助けてよう。 松原さん! 吉澤先生! この身体を動かし
てるのは私じゃないっ。 誰か気付いて!)
  その化け物の中に閉じ込められている私は、 さっきから必死で叫んでるのに誰も気付いてくれない。
吉澤先生も松原さんも、 あまりの出来事に呆然と立ち尽くすだけ。
828444:05/03/02 07:58:16 ID:QNwtmvrP
>>818
茜ちゃんの方言は多分札幌と函館の言葉が混ざってると思います。
このしゃべり方には一応モデルがいます。
>>819-820
ヒャッホウ!新作ですね。すみません、お手を煩わせてしまって。
いや、十分色っぽいと思いますよ。有難うございます。
>八木橋さんの一人エッチって、描いたらまずいでしょうか?
これはまたすばらしい。相変わらず神のようなご発言です。
もう、ぜひ宜しくお願いします。
視点を変えるのは難しいなあ。ずーっと八木橋視点で進めちゃって
ますからねえ。これは統一したいと思ってます。だから
やるなら外伝って形になるんでしょうね。
>>821-823
ユカリさん、なんで痛がってるのかと思ったらそういうわけ
でしたか。文章読んだだけで痛さが伝わってきます。可愛そうに・・・。
829名無しさん@ピンキー:05/03/03 00:13:13 ID:5l6XxDmk
ヤギーさんがカミングアウトするところ、萌えました。
「同じ人間なんだよ」で泣けました。
感情を押さえて笑顔で秘密をばらすところは、ほんと切ないです。
大魔人にようになったヤギーさん、どうなるんでしょう。どきどきです。
830444:05/03/03 02:28:13 ID:O4LgacUY
「さて、 北崎君とやら。 これから私の力を見せてやるよ。 誰かにチクろうなんて気を二度と起こさ
ないように、 ね! ぎゃははははははー」
  私の身体を借りた茜ちゃんの笑い声に合わせてライトはピカピカとついたり消えたり。 とうとう
恐怖に耐え切れなくなった女の子が悲鳴をあげて部屋から逃げ出した。
  私の身体を乗っ取った茜ちゃん、 いったい今どんな顔で笑ってるんだろう。 周りからは私、
どんな風に見えてるんだろう。 もう・・・考えたくもない。 調子に乗った茜ちゃんは、 今度は
検査台の上の、 天井から垂れ下がってる作業用のアームを三本、 するすると北崎に向かって伸ばした。
あっさり壁際に追い詰められた北崎のまわりで、 からかう様にアームをぐるぐるまわしたかと思うと、
奴の鼻先でアームの先に取り付けられた爪を閉じたり開いたりしてカチカチと鳴らした。 私は、
義体の人だって同じ人間なんだってさっき北崎に言ったばかりなのに、 私の身体でこんなことされたら
まるで説得力がなくなっちゃうよう。 これじゃ、 私は機械か、 妖怪か、 そうじゃなきゃ悪魔じゃないか。
「ひいいいっ!」
  北崎はとうとう腰を抜かして、 悲鳴を上げてその場にへたりこんじゃった。 ごめん、 ごめんね、 北崎。
私はそこまでするつもりなんてなかったんだ。 ただ、 北崎にも義体の人だって、 ちゃんと生きてるし
心だってあるんだって事を分かって欲しかっただけなんだ。 それなのに、 それなのに・・・。 私は
茜ちゃんに事を任せたことを後悔するばかり。 でももう遅い。 私の身体は茜ちゃんのいいなりで、
私の意識は身体の片隅に追いやられちゃっている。 茜ちゃんが操ってる私の身体は、 油汗を流して白痴みたいに
目と口を大きく開いたままの北崎のところに悠然と近寄ってしゃがみこむと、 上目使いに北崎と目線を合わせた。
「私たちはサイボーグはこんなことだってできるんだ。 舐めんなよ。 ふふ、 例えば、 そうだねえ、
車のコンピューターをのっとってお前をひくことだってカンタンなんだ。 もしも、 アタシのこと、 誰かに
バラしたらねえ、 ひょっとしたら、 偶然、 車がお前を跳ねちゃうかもしれないっけさ。 そう、 偶然にね。
831444:05/03/03 02:30:13 ID:O4LgacUY
ぎゃは! ひょっとして運が良かったら命だけは助かるんでないかい? 私たちと同じ身体になっちゃうかも
しれないけどね。 くっくくくく」
  茜ちゃんが私の身体を使って嬉しそうに笑う。 まるで悪魔みたい。 いや北崎には私が悪魔そのものに
見えてるに違いないよ。 茜ちゃんはひとしきり笑った後で、 アームを操って北崎の頭をコンコンって軽く
叩いた。 そうしたら、 北崎
「ひっ!」
って悲鳴をあげたかと思うと失神しちゃった・・・。 怖かったんだよね。 そりゃそうだよね。 私だって、
怖い。 でも、 私は逃げることも隠れることもできないんだ。 だって恐怖の源は私の中にいるんだもの。
「八木橋さんの電源落としますっ! 伊藤さん! 中村さん! 八木橋さんを抑えてくださいっ!」
  ようやく我に帰った松原さんはそう叫んで助手の人達に指示を飛ばすと、 私の目線をチラッと掠めて
部屋の隅に置いてあるメインコンピューターのほうに走っていった。
(お姉ちゃん、 これだけ脅かせば多分やつは誰にも話さないよ。 良かったね。 ぎゃはは)
  茜ちゃんが笑い声とともに私のサポートコンピューターから立ち去って、ようやく私の身体に
自由が戻った。 同時に煌々と北崎を照らしていたライトは力を失ってだらんとぶら下がって、
アームは・・・私の頭に落ちてきた。
「痛ったーい!」
  私が頭を抑えてうずくまるのを見計らって助手が二人がかりで私に飛び掛ってきて、 私を
床に押し倒した。
「ちょっとまってよ。 今のは私じゃないんだよう。 本当だよう」
  いくら私が義体だっていっても大の男二人の力に適うはずもなく、 なすすべもなく押さえ
込まれて、 往生際悪く手足をジタバタさせるだけ。 助手の一人が半ば強引に私の首筋に制御
プラグを突き刺した。 そして・・・次の瞬間、 全身の力が抜けていった。 松原さんが私の
主電源を落としたんだ・・・。
832444:05/03/03 02:31:23 ID:O4LgacUY
「八木橋さん、 まだ起きてますね? 聞こえてますね? あなた自分のした事が分かってるの?
今からサポートコンピューターの接続を切ります。 しばらく暗いところで反省してなさい!
言い訳は、 検査が終わった後で聞いてあげます」
  お人形さん状態になって目を見開いたまま床で伸びてる私を見下ろす松原さん。 目が釣り
あがってる。 顔だって真っ赤だ。 半端じゃなく怒ってるよう。 なんで、 なんで、私は何も
悪くないのに。 サポートコンピューターの接続を切るって? 冗談じゃないよ。 やめて。
お願いだよう。
  松原さんが視界から消えるのと入れ替わりに茜ちゃんが現れて、 私の頭の横でしゃがみこんで
面白そうに私の顔を覗き込んだ。 私は茜ちゃんを睨みつけようとしたけど、 もう義眼も自由に
動かせない。 焦点の合わない目をぼんやり天井に向けてるだけだ。
「お姉ちゃん。 なかなか面白いものを見せてもらったよ。 ありがとう。 ぎゃは!」
  こ、 このチビ悪魔め。 あとで、 あとで、 たっぷり苛めてやるから覚悟しなさい! なんで、
なんであんたのせいで私がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。 悪いのは全部茜ちゃんじゃないかっ!
悔しいっ! 悔しいっ!
  プツン。
  テレビを消したみたいに義眼に映ってる画像が綺麗さっぱり消え去った。
  真っ暗。
833444:05/03/03 02:47:10 ID:O4LgacUY
黒茜トップギアで全開です。
おかげで白ヤギさんが黒ヤギさんに化けちゃいました。
出だしのセリフは間違えました。サイト転載時に変えておきます。
>>829
義体だって人間ですと言ったそばから、この変わりよう。
この落差が書きたかったのです。

834580:05/03/03 03:03:28 ID:KPYsOAoK
>>821-823
あいかわらず、捜査となると一人で突っ走るハツミ警部がいいです。
忌わしい記憶を乗り越えて、敢えてガジェットの身体に戻ったサチ
さんの決意もいいです。サチさん、どんな活躍を見せてくれるの
でしょう…。

ところで、前回のお話の時の“あの女”のボディカラーは、何色だった
のでしょう? また、普通の白衣だと、襟元等に露出部分がありますが、
白衣の下に何か身につけていたのでしょうか?
一応、ボディカラーは赤、白衣は露出部分のない特殊なデザインと思っ
ていますが、作者様の想定がありましたら、お教えください。

>>825-827
うぅ…また間に合わなかった…。思ったことはお伝えしたいので、この
まま書き込みます。830-832の方の感想は、後ほど。

普通の女の子なら、こんな時、羞恥で顔を真っ赤にするのでしょうか。
大粒の涙を流すのでしょうか。でも八木橋さんは、そんなことも許さ
れない。いつもと同じ顔色で、笑みを浮かべて、相手の善意を頼りに、
お願いするだけ…。北崎なんかに…北崎なんかに…。切ないです。
ちょっと部屋の隅っこで泣いてきます…。えぐえぐ・°・(つД`)・°・

茜ちゃんって、ほんとに八木橋さんと対極のキャラクターですね。ピン
チどころではない状況になってきましたが、この先、一体どうなるんで
しょう…。北崎君も、茜ちゃんが言うほど、悪い人ではないような気も
してきました。

>>828
ありがとうございます。後で色も塗っておきますね。お許しをいただけ
たので、エッチシーンの方も、頑張って描いてみます。
外伝ですか…。見てみたいシーンではありますが、作者様のスタイルに
反するようなことは、望んではいけませんでした。すみません。
835389:05/03/03 22:58:22 ID:9l5KMBnj
●F−1
 
 夜が更けたにもかかわらず、日中の蒸し暑さが和らぐ様子はなかった。
 といっても、機械になってしまった私は、自分の汗や体臭で煩わしい思いをすることがない。
「それじゃ警部さん、行ってきます」
「サチ、気をつけてね」
 見送る警部さんの顔は、不安に曇っていた。 
「大丈夫ですよ。 だてに十一回も警部さんを出し抜いてませんから」
「確かに…それもそうね」
 ちょっとだけ口惜しさの混じった警部さんの笑顔。
「じゃ、無事と成功を祈ってるからね」
 そう言って、警部さんは私のほっぺに軽くキスをした。
 
(警部さん、ちょっと変だったな)
 自分が捜査の陣頭に立っているときは、あんなにキリッとしているのに、私を見送るときは、
(なんか心細そうな顔をしてたような…)
 そんなことを思いながら、J大付属病院へと家々の屋上を駆けた。
 
 
 
 J大付属病院は、県内でも最大の病院だ。 のどかな田園風景の中にそびえる白い巨大なビルは、
遠くからでもよく目立つ。
 病室の明かりはほとんどついていない。 患者は充分寝静まってしるようだった。
 
 塀を難なく乗り越え、庭の植え込みを伝って、病棟の壁に張り付く。
(久しぶりね…この感じ)
 緊張と興奮、そして見つかる事への恐怖。
 でも、以前とは違う。 人を救うためだという確かな意思がある。
 今の私には、身のこなしだけでなく、心にだって隙はない。 
836389
●F−2
 
 機械の身体という私は、誰がどう見ても不審者だ。 かといって、光学迷彩の常時使用は
エネルギーの無駄使いになる。
 そこで、更衣室から看護服を一着、こっそり拝借する事にした。
「…と、これならパッと見バレないわよね」
 ロッカーの隣の鏡に自分の姿を映してみる。
 裾とニーソックスの間や、袖と手袋の隙間からチラリと黒い金属の肌がのぞいてしまうけど、
夜のうちは問題ないと思う。 頭のカチューシャ型のパーツは、ナースキャップでそこそこ隠れたし。
 
 変装を終えてまず向かったのは、院内のコンピュータールーム。
 誰もいないのを確認して、手袋を脱ぐ。 手首からプラグ付きコードを引出し、サーバーマシンに差し込んだ。
「管理の人には悪いけど…」
 体内のメモリに保存しておいた、特製ウイルスをサーバーマシンにインストールする。
 カズヒロさんが言うには、これはトロイの木馬という種類のウイルスで、感染したパソコンは
簡単にハッキングされるようになってしまうらしい。
『警部さん、聞こえますか? 任務その一、完了です』
 無線で成功を報告する。
『私は引き続き、看護婦に変装して院内の探索を続けますね』
『了解よ。 こちらはすぐに病院のパソコンに侵入して、データを引き出すわ。 何か分かり次第、連絡するわね』
『はい、早めにお願いします。 それじゃ、また』
『サチ、大丈夫? 怪しまれたり正体ばれたりしてない?』
『大丈夫ですって。 ちょっと不届きな物を見つけちゃいましたけどね』