>>730つづき
貴裕は皐月のその言葉を聞くと、ニヤッと笑い、彼女を自分の傍まで近寄せた。
目の前に連れてこられたかつての麗夫人は、呆けたような表情でこちらを見ている。
貴裕は彼女の帯に手を伸ばすと、貝の口に結んである結び目をほどいていく。
スルスルと帯が解かれていきバサリと床に落ちる。さらに伊達〆、腰紐をほどき長襦袢や
肌着ごと着物に手を掛けると一気にずり下げ脱がせてしまう。
これで皐月は白い足袋を穿いている以外は、真っ裸に剥かれてしまった。
透き通るほどの白い肌。年齢を感じさせない肌のツヤと張りは、二十代後半といってもよ
いくらいだ。
その大きさ故か胸のふくらみこそわずかに垂れてきてはいるものの、それ以外の部分特に
えぐるような腰のくびれ、張りのあるヒップの肉感はとても五十を目前に控えた女の身体
とは思えなかった。下腹がたるむようなこともなく、どんな手入れをすればここまで見事
に身体のラインを維持できるのかと思うくらいである。
優美な太腿の付け根にけぶるいくらか少なめの繊毛は、先ほどまでの触手による愛撫のせ
いだろう、しっとりと濡れて誘うように光っていた。さらに女唇から内腿の方に、溢れる
ほどのいやらしい蜜がどろどろと流れ出している。まるで、早くここに咥えこみたくて涎
を垂らしているかのようだ。
貴裕は彼女のその豊満な胸のふくらみへと手を伸ばすと、無造作にこねくりまわしていく。
皐月は軽く「あン……」という甘い吐息をもらし、少し恥ずかしそうに身をよじった。し
かし強い抵抗ではなく、まるで恋人同士がじゃれあっているような雰囲気すら感じさせる。
「やわらかい胸だねぇ」と貴裕は言う。「こんなにいやらしい身体してたなんて知らなかっ
たよ」
孫に自分の胸を揉みしだかれながらも「ああン……はあン……いやぁン」と甘い吐息を漏
らし、喜悦の表情を見せる麗夫人。
「キスしようか?皐月」
貴裕はそう言って己の舌を突き出す。皐月は「はい」と答えると吸い込まれるようにその
差し出された舌に、淡いピンク色をした自分の舌をからませていく。
ここまでの一連の流れは、祐美や有子に対して行ったものとまるで同じである。
実は、この触手による愛撫、そしてキスという流れこそ、邪淫魔法を完成させるのに不可
欠な行為だった。
触手からは、いわゆる媚薬に近い成分が吐き出されており、粘膜を愛撫するたびに体内へ
と擦り込まされている。普段とは比べ物にならないほど感度が上がり、どんなに貞淑な女
であろうと狂おしいほどの快美感を味わうこととなるのだ。
次にキスをされることにより、邪淫魔法は90%まで完成したといってもよい。
この時点で、理性はふっとび湧き出した欲望は押さえが効かなくなってくる。挿入しても
らい官能を鎮めるか、邪淫浄化をするしか欲望は治まらないのだ。
そして、挿入され膣内に射精されてしまうと、邪淫浄化の呪文すら効き目はなくなる。
あとは……性奴隷としての末路が待っているだけだった。
貴裕は皐月と舌をからませながら、彼女の髪の毛へと両手を伸ばしアップに束ねた髪を解
いていく。
はらりと流れ出すコシのある黒髪を指で梳くと、艶やかな光沢を放ちながら、白い肩の辺りに垂れかかっていった。
「ふぐン、あふン…」
くぐもった吐息をもらす皐月の両手から破邪の扇が放され、床に向かってポトリと落ちた。
「ふふ……色っぽいよ、皐月……」
貴裕はからめていた舌をはずすと、彼女に向かってそう告げた。
「はああン…うれひい…あはあン」
キスという行為を成し遂げた今、皐月に残されていた髪の毛一本ほどの理性すら吹き飛んでいた。
さらには、身体の奥底からかつて経験したことの無い感覚が湧き出してくるのだ。特に下
半身に感じる疼きは想像を絶するもので、皐月はあまりに強烈な快美感に悩ましく腰をの
たうたせる。早く突き入れてもらわないと気が狂ってしまいそうだった。
「あ、あああン、早く…お願い貴裕、早く入れて!皐月に、皐月のオマ×コにぃぃぃ!!」
恥も外聞もなく、淫猥な言葉を連発しながら催促していく。
貴裕はそんな皐月を冷ややかに見つめると、醒めた口調でこう言い放った。
「いやだ」
貴裕のその言葉に皐月は信じられないという表情を見せる。膝がガクガク震え思わず叫び
声をあげていた。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!お願いよぉ!入れて!入れてください!!なんでもします!なん
でもしますからぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
気も狂わんばかりに叫び声をあげ、自分の孫に挿入を哀訴する惨めな姿に、普段の気位の
高い皐月の面影はまるでない。そこにはただ、肉欲に支配された無様な女がいるだけだっ
た。
「ふふ、だから言ったじゃない。素直にならないと入れてやらないって。でも、可哀想だ
から自分で慰めるのは許可してあげるよ。ほら……」
貴裕はそう言うと、両手脚を拘束していた触手をはずしていく。
皐月は両手が自由になると、もう耐え切れないとばかりに胸を揉みしだき、肉芽を刺激し
自らを慰めていくのだ。
「はふン…はああン…らめぇ、こんなんじゃぁぁぁぁ、治まらないのよぉぉぉぉ!!」
目を泳がせて、涎を垂らしながら自分で自分を慰めていく皐月。だが、ここまで火照った
49歳の熟れた身体はその程度では、治まる様子を見せない。
四つん這いになり尻を突き上げ自慰にふける無様な女。尻の穴も充血した女唇もすべて貴
裕の眼前にさらし身も世もなく悶え狂っている。いやらしい蜜がボタボタと滴り落ち、床
を濡らす。官能は鎮まるどころか、さらに高まっていくようだ。
「はあぁぁぁぁンンンンン!助けてぇ、お願いですぅ。貴裕さま、入れて、入れてくださ
いぃぃぃぃ!」
皐月は尻を振りたて、おねだりの言葉を繰り返していく。
貴裕は彼女のその美しい髪を鷲掴みにすると、顔を上げさせる。その顔は涙と、涎でグジ
ャグジャの状態だ。
「そんなに入れて欲しいのか?牝豚」
貴裕の侮蔑の言葉に、皐月はコクリとうなずき「は、はい……」とだけ答える。
「じゃあ、咥えなよ」
そう言って反り返った醜悪な屹立を眼前に差し出していく。
「あふン…素敵です……ご主人さま……」
皐月は悪魔に支配された孫の足元にひざまずくと、そのたくましいそそり立った肉棒にその上品な唇をかぶせていった。
目もとをボウと火照らせ、口唇奉仕を開始する。頬をすぼませ醜悪な肉塊を規則正しく出し入れしていくのだ。
さらに、舌を使ってぬらぬらと太幹の裏側を舐めとっていく。
「うふン……あふん……」
形のよいとがった鼻先から甘く切ない吐息をもらし、ひたすらフェラチオを続ける皐月。
なんとか早く挿入してもらうために必死なのだ。
「くくく…よし、牝豚。入れてやるよ」
その言葉に皐月は「あぁ、ありがとうございます」というと、まるで麻薬中毒者がヤクに
ありついたかのようにその身を震わせ、貴裕の首に手をまわすと自らその屹立に腰を落と
していく。
「はあぁぁぁぁぁん!い、いい……いいのぉ!うれひぃ…あ、ああン!!」
下から貴裕が遠慮会釈なしにズンズンと突き上げてくる。その動きに合せて皐月は淫らに
腰をくねらせる。艶のある黒髪を振り乱し、ただひたすら快感を得ようと腰を振り続けて
いくのだった。
有子と真理はようやく一条家の屋敷へ到着した。邸内からは恐ろしいばかりの邪気が発せ
られている。
ふたりはすぐさま転身すると、屋敷に脚を踏み入れた。
そこら中に警備員たちの屍骸が散乱している。血だまりができ壁のいたるところに血が飛
び散っている。
「ひ、ひどい……」
真理は思わずつぶやいていた。一年半の退魔戦士の経験でここまで凄惨な現状を見たのは
初めてだったのだ。
有子にしてもここまでの惨状はほとんど記憶になかった。いったいどれくらいの数の魔物
が襲ってきたというのだろうか?
「とにかく、祐美たちが心配だわ」
有子は急ぎましょう、と言って二階の祐美の部屋へと向かった。
(うそよ……こんな…悪い夢を見てるんだわ……)
祐美は実母の痴態を信じられない思いで見ていた。強く気位の高い母。貞淑で清楚な美しい母。尊敬もし憧れでもあった。
その母が悪魔に支配されているとはいえ、実の孫の肉棒を突き入れられ自ら腰を振り続け
快感をむさぼっているのだ。
「はうぅぅぅん、はあぁん!死んじゃうぅぅぅ!!」
などという母の嬌声を聞くたびに耳を覆いたくなってしまう。
(姉さん……早く、早く来て…このままじゃあ……)
祐美は一心にそう願うのだった。
一方、皐月はいよいよ絶頂を迎えようとしていた。
「はああん!もう、もうイキそう……」
皐月の腰の動きが一層淫らになっていく。上下の動きだけでなくそこに微妙なひねりが加
わって、よがり泣きがせっぱ詰まった感じになってくる。
「あ、あっああン……たまらない……たまらない…お口を…お口を吸ってぇ」
そう言いって自ら貴裕の口に吸い付いていく皐月。鼻を鳴らし、舌をからませていく。
「くくくく、さあ、それじゃあお前の膣内(なか)を僕の精子で溢れさせてやるよ。これで皐
月は僕の女になれるんだよ。うれしいかい?」
貴裕の問いに「はひ、うれしいですぅ」と呆けたように答える皐月。
その言葉が合図となったように、一気に彼女の体内へと白濁が吐き出される。
「うあう!あん、あっあん、イ、イク!!」
皐月は頬を染め上げ絶頂を告げるセリフを連発する。
「はああんん、うれひい、もっともっとかけてください!!」
密着した蜜肉を吸着させ、腰のくねりをさらに激しくさせ、吐き出される白濁をもっと注
ぎ込んでもらおうとペニスをぎゅうと絞り上げていく。
やがて全身から力が抜け、貴裕に抱きつく形で失神してしまう。
「ふふふ、気を失っちゃったよ」貴裕はそう言って今度は祐美の方を見る。「放っておいて
ごめんね。今度は祐美姉ェの番だけど、そろそろ僕は帰るよ。じゃあ、今日の目的のもの
をもらっとくね」
触手が祐美に向かって伸びていき、彼女が抱きかかえる涼を奪い取ってしまう。
「あぁぁぁ!!り、涼!涼!」
最愛の息子を奪われ狂ったように叫ぶ祐美。
「涼はもらっていくよ。そうだ、祐美姉ェのお相手はこいつらにしてもらうよ」
貴裕がそう言って指を鳴らすと、さきほど皐月が倒したはずの魔物たちがムクムクと起き
上がってくる。
「じゃあ、こいつらと楽しんでね。クククク…ハハハハハハハハ……」
貴裕はそう高笑いをし、涼と皐月を連れていずこともなく消えていった。
「涼!りょうぉぉぉぉぉぉぉ!!」
我が子の名を叫ぶ祐美のまわりを魔物たちが取り囲んでいく。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!たすけ…助けてぇェェェェェ!!」
逃げ惑う祐美を捕まえると、魔物たちは着ている衣服を剥ぎ取ってしまう。
「あぐはぁ、ぐふふうッ……」
穴という穴に剛棒をねじ込まれ、苦しさに嗚咽する祐美。
「破邪の剣!」
「破邪の鞭!」
その時ようやく有子と真理がドアを開け、入ってきた。ふたりは自分の必殺武器で魔物た
ちをなぎ倒していく。
すべてを片付けると、放心状態で倒れこむ祐美を抱き起こす。
「祐美!祐美!しっかりして!!」
姉の到着を知った祐美は、気が狂ったように叫びつづけた。
「涼が!涼が!お母さんが!!姉さんもうダメよ!あんなのに勝てない!!わたしたち
みんなやられちゃうのよぉぉぉぉ!!」
「落ち着いて!落ち着くのよ!祐美!」
発狂寸前の妹を抱きしめながら有子は思った。
(涼を連れて行くなんて……貴裕を支配している魔物はいったいなにをしようとしている
の……)
奴の目的はわからなかったが、漠然と背筋に冷たいものが走っていく有子だった……
エピソード1『皐月』終