お母さんは正義のヒロイン

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オリジナル

広いエントランス。灯りが煌々としている。キューティエンジェルは
注意深く辺りを見渡した。床には真紅の絨毯が敷かれており、棚には
高価なものであろう陶器が飾られている。
少し奥に進むと、階段がある。その中腹に位置する踊り場に、一枚の絵画が
掛けられていた。キューティエンジェルはその絵を見て、ハッとした。
それは忘れもしないデスダーク首領の肖像画だったのだ。
やっぱりデスダークの仕業なの?
やりきれない不安がキューティエンジェルを襲う。その場を後にし、更に
奥に進むにつれ、益々邪気が強くなっていった。
不意にキューティエンジェルはある部屋の前で足を止めた。まだ奥へは
続いている。しかし、その部屋がどうも気になる。キューティエンジェルは
ドアノブに手をやり、ゆっくりと扉を開けた。
そこはとても小さな部屋。中には誰もいない。部屋の中には無数の写真が
散らばっている。その写真の被写体は全て女性だった。薄いブルーの
コスチュームに身を包んだ女性。
こ、これは…私!?
それらの写真は全てキューティエンジェルを写したものだったのだ。
顔や胸、足など局部的な写真から、全体像を撮った写真。敵と戦っている
写真まである。かつてデスダークと戦っていた時の写真であろうか。
しかし、写真を見続けていくうちに、キューティエンジェルはとてつもない
違和感を覚えた。そして、同時に驚愕した。
「な、なにこれ!?こんなことって…。こんなことした覚えないわ!」
461439:2005/05/06(金) 02:55:53 ID:vWmbM+V8
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それらの写真には他の写真にあるような凛々しいヒロインの姿はなかった。
涙で顔を濡らしながら、自ら大股を開き、パレオを捲ってパンティを晒す
キューティエンジェル。まるで敵に命乞いしている惨めな敗北者のような
姿だった。別の写真には、幼児が排泄するようなポーズで持ち上げられ、
パンティを履いたまま放尿するキューティエンジェルの姿が写されてい
る。また別の写真には顔は見えないが、美しい足を組んで椅子に座っている
女性の写真もあった。その女性の手にはリードが握られていた。そして、
そのリードの先には『犬』が写っていた。飼い犬の象徴である『首輪』を
され、その表情はバイザーに隠れておりわからないが、薄いブルーの
コスチュームに身を包んだ『犬』がご主人様であろう女性の隣で
『お座り』している写真。リードが繋がっいる首輪には札が付いており、
飼い犬の名前が書かれていた。『キューティエンジェル』と。
どれもこれも、キューティエンジェルの惨めな姿を写したものばかりで
あった。かつてデスダークとの戦いの中でも苦戦することはあった。しかし
こんな屈辱を受けた記憶はない。背筋が寒くなるのを覚えた。知らず知らず
のうちに一歩後ずさっていた。その時だった。
「キャーーー!!」
奥から切り裂くような叫び声が聞こえてきた。
早紀!?
間違いない。早紀の声だった。
こんな写真に惑わされている場合じゃない。
早紀を早く助けなければ!あの子を助けられるのは私だけなんだから!
キューティエンジェルは部屋を飛び出し、声のした方へ駆け出したの
だった。
462439:2005/05/06(金) 04:36:01 ID:vWmbM+V8
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一番奥の部屋。声は確かにそこから聞こえた。
早紀。お願い。どうか無事でいてちょうだい。
祈るような思いで駆けるキューティエンジェル。
見えた。あの部屋だ!
キューティエンジェルは勢いよく扉を開けた。真っ暗な部屋。
一ヶ所スポットライトで照らされているかのように、明るくなっている箇所
がある。そこに人が立っている。後ろを向いているが少女のようだ。
セーラー服を着た少女。
「早紀!」
キューティエンジェルはその姿を認め、早紀の元へ駆け寄った。
早紀!早紀!
早く早紀の元気な顔が見たい。元気な声が聞きたい。その一心でキューティ
エンジェルは、千鶴は駆けた。そしてそのまま前に回りこみ、早紀の正面に
立った。
えっ!?
千鶴の顔が一瞬にして凍りついた。
に、人形!?
早紀だと思っていたそれは、セーラー服を着せられたマネキンだった。
くっ!それなら早紀はいったい何処に…
落胆するキューティエンジェル。その時だった。背後に禍々しい、
しかも強烈な邪気を感じた。キューティエンジェルは慌てて振り返った。
463439:2005/05/06(金) 04:39:07 ID:vWmbM+V8
オリジナル

誰もいなかったはずの場所。そこに人影があった。いや、現われた。
女だった。長身の女。漆黒の髪。モデルのような見事なボディライン。
そのボディラインを強調するかのような黒いドレス。
綺麗な娘…
キューティエンジェルは一瞬その容姿に目を奪われた。それに気づいたのか
女は妖しい笑みを浮かべた。我に返ったキューティエンジェルはすぐに
身構えた。この女から発せられる強烈な邪気。
女は妖しい笑みを浮かべたまま口を開いた。
「うふふ。待っていたわ。キューティエンジェルさん」
「誰っ!?貴女はいったい何者なの??娘は、早紀は何処にいるのっ!?」
キューティエンジェルは高ぶった感情を抑え切れず、女に食ってかかった。
しかし女は口元に妖しい笑みを浮かべたまま、
「うふふ。私?貴女に殺されたデスダーク首領の娘、闇蜘蛛姫」
闇蜘蛛姫。デスダーク首領の娘。やはりデスダークの仕業だった。かつての
ように地球征服を目論んでいるのだろうか。
「やっぱりデスダークの仕業だったのね!何度復活しようと、この私がいる
かぎり、貴女たちの好きにはさせないわ!」
キューティエンジェルは力強く言い放った。しかし、闇蜘蛛姫はそれに
動じることなく、妖しい笑みを浮かべたままだ。
「勘違いしないでちょうだい。私はお父様のように地球征服なんて興味ない
わ」
「そ、それじゃあ、いったいなんのために…」
闇蜘蛛姫から意外な答えが飛び出し、キューティエンジェルは困惑して
しまった。キューティエンジェルの心中を察したのか、闇蜘蛛姫はからかう
ように答えた。
「うふふ。わからない?それじゃ教えてあげる。これよ!」
464439:2005/05/06(金) 04:40:38 ID:vWmbM+V8
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そういうと闇蜘蛛姫の横に少女の姿が現れた。少女の目には生気がなく、
服は全て脱がされていた。
「さ、早紀…」
キューティエンジェルは、突然のことに絶句した。
「あら?この娘、貴女の娘だったの?」
闇蜘蛛姫は満面の笑みで白々しく答えた。
「貴女に似て可愛い娘よね。私、可愛い娘好きよ。それに変態なところまで
貴女にそっくり。いい歳してそんな格好してる変態な貴女にね。
さあ、早紀。お前のお母様にお前の変態オナニーを見せてやりなさい」
「…はい。姫様」
早紀はその場にじゃがみこみ、その発展途上の身体を自ら愛撫し始めた。
「あ、あん、あ〜!き、気持ちいいですぅ〜!姫様ぁ〜!」
キューティエンジェルはショックだった。娘の自慰をまざまざ見せ付け
られ、身体中の力が抜けるようだった。
「うふふ。どう?自分の娘のオナニー姿。もしかして変態な貴女のこと
だから、娘のオナニーを見て興奮しちゃったかしら?なんなら、貴女も
ここでオナニーしてもよくてよ?うふふ。変態母娘のオナニーショー。
ぜひ見たいわぁ」
闇蜘蛛姫はキューティエンジェルを馬鹿にするように言った。
「ゆ、許さない…絶対許さないわ!」
我に返ったキューティエンジェルの怒りは頂点に達した。そして、
特殊能力で無空間の中で武器を作り出した。それは眩しい光を放つレイピア
だった。光のレイピアを手にしたキューティエンジェルは闇蜘蛛姫に
向かって飛び掛った。闇蜘蛛姫は笑みを浮かべたまま微動だにしない。
「覚悟!!」
465439:2005/05/06(金) 05:19:00 ID:vWmbM+V8
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闇蜘蛛姫に攻撃を当てたと思った瞬間、
スカッ!!
キューティエンジェルの攻撃は闇蜘蛛姫の身体を摺り抜けてしまった。
困惑するキューティエンジェルを大笑いする闇蜘蛛姫。
「やっぱり頭悪いのね、貴女。本当に私がここにいると思ってたの?」
そういうと闇蜘蛛姫の高笑いが更に響いていく。
「お馬鹿な貴女のために、私の居場所を教えて差し上げますわ。私はこの
建物の地下にいるわ。地下の私のお部屋にね。もちろん、早紀ちゃんや他の
娘たちも一緒にいるわ」
闇蜘蛛姫はさも嬉しそうに話す。
「じゃ、じゃあ、あの連続誘拐事件も貴女が…」
「うふふ。そうよ。可愛い女の子たちはみんな私のペット。
お陰様で私のハーレムも完成しつつあるわ」
そういう闇蜘蛛姫に対し、怒りに身を震わせるキューティエンジェル。
「うふふ。それじゃあ、待ってるわよ。お馬鹿なキューティエンジェル
さん。早く来ないと早紀ちゃん、もっと酷い目に合うかもしれないわよ」
そういうと闇蜘蛛姫と早紀はスーっと消えてしまった。すると、突然地響き
が鳴りだした。先ほど闇蜘蛛姫がいた場所。その床が動き出し、下り階段が
現れた。これは罠かもしれない。そう思うと足が躊躇してしまう。
でも、行かなくては!闇蜘蛛姫を倒し、必ず早紀を助け出す。
「待っててね。絶対ママが助けてあげるからね!」
そういうと、キューティーエンジェルは階段を駆け、地下の闇へと飛び込
んでいったのだった。
そしてだれもいなくなった暗い部屋。そこに一枚の写真が邪悪な意思ととも
にヒラヒラと舞い落ちる。闇蜘蛛姫に身体中を嬲られ泣き叫ぶキューティ
エンジェルの写真。
「うふふ。早くいらっしゃい、キューティエンジェル。その身体。
たっぷり可愛がってあげる。ふふふ、あ〜ははは…」
誰もいない部屋の中、邪悪な笑いだけが高々と響いていたのだった。