お母さんは正義のヒロイン

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オリジナル

こんな闇雲に探してたんじゃ埒があかない。
千鶴はリングを胸に抱くように両手で押さえ、小さく呪文を唱えると、
千鶴を包み込むように光が溢れ出してきた。その光の中から千鶴が、
いや一人の女戦士が現れたのだった。薄いブルーを基調とした露出度の高い
デザインで、傍から見ればビキニの水着着ているように見えるだろう。
下半身は長めのパレオで覆われており、上半身は胸と肩のプロテクター
のみ。そして目元をバイザーで覆っている。
千鶴は久しぶりの変身で少し恥ずかしく思いながらも、愛する娘を探し
出すべく飛び立った。
キューティエンジェルには様々な特殊能力がある。空を飛べるのも
特殊能力の一つだ。空に飛び上がったキューティーエンジェルは探知能力を
発動した。全神経を集中し、娘の居場所を探った。
…いたっ!!
早紀はこの街からほど遠い山中にいるようだ。
なぜそんなところに?誘拐犯が?それともやはりデスダークの仕業なのか?
千鶴は不安に苛まれながらも、早紀の元へと飛び立った。
457439:2005/05/04(水) 10:47:04 ID:/B6GBCjZ
オリジナル

奥深い山中。そこに洋館がある。まるで中世の貴族が住んでいるかのような
大きな建物。ここから早紀の反応がある。
なぜこんなところに、こんな建物が…?
建物自体はまだ新しく見える。入り口には灯が灯っている。
誰か住んでいるのか?
しかし、麓の街までは遠く、とても人が住めるところではない。一帯には
禍々しい邪気が充満している。キューティエンジェルは動機が早くなるのが
わかる。そしてこの事件は人間が起こしたものではないと確信した。これは
人間ではない別の何者かの仕業であると…。
しかし、デスダークとはなにかが違う気がしていた。無敵のキューティ
エンジェルとはいえ、相手がわからない以上迂闊には踏み込めない。
しかし、間違いなく早紀はあの中だ。キューティエンジェルは入り口に
降り立った。上空から見るよりも、更に邪気が強いのがわかる。背筋が凍り
つくようだ。
それでも母として、愛する一人娘を助け出さなければ!
キューティエンジェルは覚悟を決め、ドアをゆっくりと開けた。