お母さんは正義のヒロイン

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出来た所まで駄文を投下してみます。身長40mの正義のお母さん
「ウルトラヴィーナス(仮名)」のお話です。

第1話【光の母神】(粘液怪獣ベベタート登場)

「司令、また例の未確認飛行物体です!それも2つも…あ!1つ大気圏に突入しました!!」
「よし…九条隊長、『ガントレット』で追跡したまえ!」
 地球防衛機構EGGはここ数日、地球の周辺を飛びまわるUFOのために多忙を極めていた。
UFOは連日、重力圏外を飛びまわるだけであったが、遂にそのうちの一つが地球を目指し始めているというのだ。
この種の事件のために2年前に超常現象対策チーム【SPAT】が結成されたのだが、
実戦経験があるのは隊長・九条早紀子(42)だけなので実質、今日が初陣である。
「さあ出動!あなたたちの訓練の成果を見せるときよ!!」
 松前総司令(54)をはじめ佐久間隊員(36)吉田隊員(30)剣隊員(24)と、SPAT
のメンバーは全員男性であるが、早紀子はこの中で最も優秀な成績で訓練学校を卒業したエリートだ。
同じく訓練学校を主席で卒業した九条公一隊員と結ばれ、夫婦揃って将来を嘱望されていたが
公一は10年前に謎のUFOとの交戦の際に早紀子だけを脱出させて死亡。以来、
子育てを続けながら職務を全うしてきた『働く未亡人』である。


420402:2005/04/20(水) 22:33:19 ID:zUC36vgZ
「いい?戦闘フォーメーションも想定に入れて…わかってるの?!」
 SPATの万能大型戦闘機【ガントレット】に乗りこむ早紀子の後姿に見とれる隊員たち。
ピッチリとした隊員服に隠された42歳の女盛りの尻肉が、ハシゴを登るたびに左右に揺れる様は何度観ても飽きる事が無い。
任務と隊員の育成という責務に追われる早紀子は隊員たちのセクハラ視線に気がつく余裕が無いのだ。
「ちょ、ちょっと佐久間隊員、吉田隊員!そんなに狭いコックピットじゃないでしょ」
 だが露骨に身体を近づけられると、生涯、夫に愛を捧げることを決めた妻の本能が自然と声を荒げてさせしまう。
(まったく!いい年して…いつまでたっても緊張感が備わらないわね!)
「九条隊長!通信出力が基準値より1・5%ほど足りないのでありますが?」
「それくらいは予想内の誤差!現況を優先して発進!!」
(この子も悪い子じゃないんだけど…応用力が、ああ…疲れる)
 ここ数年、公にはされてはいないがUFOの確認回数は増加の一途をたどっていた。
15年前の戦闘で一人、生き残った早紀子はSPATの設立を上層部に進言し続けて来たが、
回された人材はこんなのばかりである。宇宙開発局の腕利き、松前が司令についた事だけが救いといえよう。
 ガントレットは人里離れた山岳地帯にUFOを誘導する。こちらからの通信には一切、反応がない。
すると突然UFO…赤い玉は光線を放ってきた、一撃で山をも崩す強烈な威力だ。
「仕方が無いわ…総員戦闘配備!当機はこれより分離を行ないます」
「たた隊長〜マジっすか?マジ実戦やるんですか〜?」
「もう少し様子を見て、しかるのちEGG総本部に…」
「アレを見なさいっ!話し合いが通じる相手には見えないでしょ!」
 UFOは今度は緑色の液体を放出する。粘液は徐々に形を変えて醜悪な怪物の姿となる。
「なんだアレは?か、怪獣ってヤツですよ〜!」
「ガントレット1号で攻撃を開始します!皆は2号で援護を!!」
 早紀子のシートが床下に沈んでいく。ガントレットは分離機能を有しており、
その先端部分は高速戦闘機に変形する事が可能なのだ。
421402:2005/04/20(水) 22:34:05 ID:zUC36vgZ
「2号機!!私が注意を引きつけている間にAM砲の準備をお願いっ!」
 全身が粘液で包まれている怪獣ベベタートに1号機の実弾攻撃は効果が無かった。
2号機に搭載されている実験中の凝縮太陽エネルギー放射装置アフラ・マズダ砲にを期待するしかない。
「えーと隊長、これより準備を行ないますぅ!」
「お、お願いっ!早く…早く!!だ、だめっ!!あ、あぁぁっ!!」
 隊員たちはスピーカー越しに聞こえる未亡人隊長の悲鳴に聞き入ってしまい準備に身が入らない。
ついにガントレット一号は怪獣ベベタートの放つ粘液をまともにくらってしまった。
「た、隊長〜っ!!」
 キリモミ状態で墜落する1号機に、天空からもう1つの飛行物体…青い玉が飛び込んできた!
その瞬間、時が止まった…
422402:2005/04/20(水) 22:38:24 ID:zUC36vgZ
 目が覚めた早紀子は自分が生まれたままの姿である事に気づき、反射的に大切な箇所を両手で隠した。
目の前には銀色の…ビルほどの大きさもある巨人が立っていた。菩薩像を思わせる滑らかな肢体、
暖かい光を蓄えた卵型の大きな眼…神々しい姿を見た早紀子は己の『死』を悟った。
「いいえ、あなたは死んではいません」
「え?どうして私の考えている事が?この声はどこから?」
「私たちは心で会話を行なうため発声器官は退化をしています。ここはあなたの精神内部…」
 戸惑う早紀子の目に映像が浮かび上がってきた。彼女が幾多の怪物と戦うイメージ映像である。
『彼女』と感じたのは巨人の外観はどう見ても女性としか思えないからだ。
「ええ、私はあなたたちの世界でいうところの『女性』です、しかしあなたと同じ戦士なのです」
 彼女たち『光の戦士』の一族は宇宙の悪を退治するための『正義』という事が早紀子の脳内に伝わった。
「お願い、どうすればヤツを倒せるの!私たちにできる事があれば協力するわ!」
「この惑星の大気では私は肉体を維持することができません…しかし、始めから
この惑星に住んでいる知的生命体と融合すれば…いえ、リスクが大きすぎますわ」
「1%でも可能性があれば賭けてみるわ!私たちだけではあの怪物を倒せない!」
「融合したとしても、あなたの星で言うところの『3分』が限度ですわよ?…」
「構わないっ!怪物たちと戦ってきたというあなたの能力を信じるわ」
 巨人は無言でうなずく、それと同時に早紀子の掌に光が集まり20cmほどの棒状の物体が生成されていく。
「この星の太陽エネルギーを凝縮した物です。天にかざせば、あなたと私の融合した…
新たな光の戦士が誕生するでしょう」
 早紀子は雄々しく立ち上がった。42歳という年齢を思わせない艶のある肉体を隠すことなく
クリスタル・スティックを天にかざす。その眼には全てを守る遺志を秘めた母の輝きが宿っていた。
「いいですね…私たちに許された時間はわずかですよ」
「ええ!佐久間隊員、吉田隊員、剣隊員…待っててね!いま助けに行くわっ!」