GTS(喰い系)スレッド

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793789より続き
 2人の左手は行き止まりになっていて、小さな穴が開いている。あれは恐らく虫垂だろう。右手方向に
進むしか――ほどなく、その先も行き止まりになっているだろうが――選択肢は残されていなかった。
どうやら、伊奈子は仰向けに寝ているらしい。今のうちに上行結腸を踏破しておかないと、伊奈子が目を
覚ましてしまったらロッククライミング同然のリスクを背負うになってしまう。
 大腸の襞は胃や小腸に比べて大雑把な造型が目立ち、いかにも不要物の排出に使われていると言う
感じがした。それにも増して2人をくじけさせたのは、大腸菌が食物の残滓を分解する時に発生する
メタンの何とも言えない臭気である。大腸は口から小腸までに比べて酸素の含有量が少なく、そのうえ
腸壁から常に水分を吸収しているので湿気が多く暑苦しい。
「大腸の中には100兆個の大腸菌が棲息していて、食べ物の残り滓を分解しているんだ」
「じゃあ、今あたしたちの周りにも菌がウヨウヨしてるってこと?」
「もちろん。君の大腸にも、僕の大腸にも同じぐらいの菌が棲み着いてるけど別に気持ち悪いと思う
必要は無いよ。大腸から菌がいなくなったら、生きていられないことも事実なんだから」
 そうは言いながらも、明日香は腐敗臭に耐えかねて鼻と口を押さえながら怪訝そうな目で伊奈子の
腸壁を凝視していた。
 上行結腸から横行結腸、下降結腸と特に障害も無く2人は通過したが、S字結腸を通り抜けた所で
遂に最後の、そして最大の難関と直面することになった。
「これって、やっぱり……だよね」
「そう。これが大便。清田さんがこれを体の外に出すまで、僕たちも外には出られない」
「……どのぐらい待たなきゃいけないの?」
 明日香はウンザリした表情で質問した。
「これが昨日の朝ご飯だとしたら、早くても4、5時間かな。だけど、もし清田さんが便秘でもしてたら
僕たちは昨日の晩ご飯に追い付かれて挟み撃ちに……」
「そんなの嫌ッ!」
「じゃあ、大人しく待ってなきゃ。チャンスは1回しか無いだろうし」
「……わかった。言う通りにする」
794名無しさん@ピンキー:02/12/11 01:01 ID:IUeqshr+
伊予伊代佳境な展開に期待age!
795793より続き:02/12/11 01:37 ID:8E29HwPS
 2人は万が一、昨日の晩ご飯が来て挟み撃ちに遭った場合を想定して交代で仮眠を取りながら、
その時を待った。
 そして、5時間後。
「……ふぁ〜ぁ、よく寝た」
 伊奈子が目を覚まし、2人はさっきまで床になっていた腸壁から転げてそのことを悟った。
「清田さんはもうすぐトイレに行くはずだ。チャンスはその時しか無い」
「わかった。あたし、紫由くんのこと、信じてるから」
「えっ?」
 倫佳は明日香の言葉に一瞬、戸惑ったがすぐに自分たちが置かれている状況を思い出し、それ
以上は何も聞かなかった。
 ドスンッ

 直腸を塞ぐように鎮座している伊奈子の大便は足が少し埋まる程度に柔らかく、色も健康的な
茶色だった。とは言え、間近から放たれる腐敗臭はさっきまでの比ではない。その臭気はミクロサイズの
2人には鼻と口を開けていられないほど強烈で、大部分がメタンで占められている空気に含まれる
わずかな酸素を吸うために金魚のようにパクパクと口を開けるのがやっとの状態だった。
 そうこうしている内に伊奈子は着替えを済ませ、便所へ駆け込んで和式便器の上にしゃがみ込んだ。
「うーん、うーん、なんか今日のは大きいみたい」
 ズズズズズズッ

 ズモモッ、ズモモモッ
「来た!」
 倫佳と明日香ははぐれないようにしっかりと抱き合った。
 ズズズ……ズモモッ……
 普段は括約筋によりピッチリとすぼまっている伊奈子の肛門が大きく開かれ、薄いピンク色の穴から
こんもりと太い大便が顔をのぞかせる。
 ブリブリブリブリブリブリブリブリッ、プスーッ
796ラスト:02/12/11 01:37 ID:8E29HwPS
「……外だ……」
 倫佳と明日香は腰のあたりまで大便に埋まったまま、自分たちが出て来た方をゆっくりと見上げた。
そこには無論のこと白っぽく巨大な肉付きの良いお尻があって、その中央には薄いピンク色でキュッと
すぼまった穴がある。
「あぁん、もうやだぁ〜っ。臭いよう」
 2人はズボッと埋まった下半身を乗り起こし、柔らかくホカホカと湯気が立っている出したての大便の
上でキーキーと騒ぎ、互いの汚れた全身を嗤い合った。
「?」
 伊奈子は自分が出した大便の方からキーキーと小さな声がするのに気付き、ゆっくりと右手後方を
振り向いた――そこには、2センチ足らずの小さな人間のようなものが2人いてお互いに「臭い、臭い」と
わめいている。
 伊奈子は、昨日『つぶ人間の活け作り』を学校で食べさせられたことを思い出した。どうやら自分が
食べたつぶ人間が消化されずにお尻の穴から出て来てしまったらしい。
 しかも、昨日は気にも留めていなかったが2人のうち1人は――非常に小さく判別し難いとは言え――
明らかに見覚えのある顔をしていた。いや、間違い無い。4年の時まで同じクラスだった紫由倫佳だ。
 その倫佳が今、大便と一緒に自分のお尻の穴から出て来て、自分の恥ずかしい部分を見つめている。
「……」
 伊奈子は恥ずかしさの余り無言のままカーッと顔を赤らめ、ゆっくりとトイレットペーパーを引いて
お尻の穴を丁寧に拭き始めた。
 そして翌日、2人は無事に元のサイズに戻ることが出来た。

 数日後。
「ねぇ、紫由くん」
 伊奈子と明日香はすっかり仲良くなり、放課後に2人で倫佳を校舎裏に誘い出した。
「なんだい? 当番があるから早く」
「後で理科室に来てくれないかな」
 2人の目は、明らかに無邪気な企みを共有していることを物語っていた。

-完-