GTS(喰い系)スレッド

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769765より続き
「あー、なんか喉乾いちゃったな」
 自宅への帰路、伊奈子はいつも学校に持参している水筒を補助鞄から取り出してキャップを緩め、
おもむろにお茶を注ぐと一気に飲み干した。
「んぐ、んぐっ」
 ゴクゴクゴク

 ゴゴゴゴゴゴ
 伊奈子にとってはほんの少量に過ぎないお茶は、胃の中の生徒たちにとっては未曾有の大洪水として
押し寄せる。
 グワッ、ドバァーッ

 大きく開け放たれた噴門からは乾いた食道を瞬時に潤したお茶が勢いよくなだれ込み、胃壁の湖岸で
束の間の休息を取っていた生徒たちをあっと言う間に押し流してしまった。
「きゃぁっ! あたし、泳げないのに!」
「あぷ、あぷっ」
 しかし、このお茶が結果的に生徒たちの助けとなったことに彼らが気付くまで、それほど多くの時間は
かからなかった。
「……お陰で、胃液の濃度がかなり薄められたみたいだね」
「ほんとだ。さっきより酸っぱい香りがしなくなったみたい」
 伊奈子の胃はすっかりお茶で満たされ、生き残った者たちが噴門までたどり付くことはさっきまでの
苦労が嘘のように容易に達せられた。