「幻の」鳥居学校、存在を確認 壬生・卒業証書を発見
http://www.shimotsuke.co.jp/~/media/NEWS/201401/20140129/J201401270069_R.jpg 【壬生】“幻の学校”とされていた旧制中学の「鳥居学校」が、
上稲葉の稲葉小の前身として4年間存在していたことが、町歴史民俗資料館の調査で分かった。
鳥居学校は地域の歴史書「下都賀郡小志」に記載されているだけだったが、
存在を裏付ける同校の卒業証書が町内の民家から初めて見つかった。
同資料館は「運営には東京芸術大教授となった秀才、鳥居忱も携わったとされ、
県内でも早い時期からエリート教育が行われていた」と解説している。
卒業証書は昨年末、安塚、医師佐藤惠子さん(72)が自宅で見つけた。
サイズは縦19・5センチ、横26・3センチ。惠子さんの曽祖父の弟、故佐藤幸三郎氏の住所や身分のほか、
「変則第四級卒業候事」「鳥居学校」などと記されていた。
当時は1872年の学制公布で小、中学校の設置が義務づけられていたが、
中学校は求められる授業内容が高度すぎたため設立の動きは鈍かった。
県内では独自の教材を使用して中学校に準ずる変則中学として77年に県が栃木師範付属予備学校(現宇都宮高)、
翌年に旧藩主鳥居忠宝が士族の授産事業に関わる人々のために設立した小学校「発鋭学舎」敷地内に鳥居学校を設置した。
史料などによると、鳥居学校の生徒数や規模は不明だが、漢学や和歌を中心に学んでいたとされる。
旧制中学に通った経験から、鳥居忱が学年分類や授業内容などを伝授した可能性が高いという。
下都賀郡小志によると、4年間だけの開校だった。
下野新聞 1月29日 朝刊
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/region/news/20140129/1488024